JP4545088B2 - 油圧式バルブ駆動装置ならびにそれを含むエンジンおよび車両 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンバルブを油圧を用いて駆動する油圧式バルブ駆動装置ならびにそれを含むエンジンおよび車両に関する。
従来より、吸気バルブおよび排気バルブからなるエンジンバルブを油圧を用いて駆動する油圧式バルブ駆動装置が知られている(例えば、特開平5−202710号公報参照)。
このような油圧式バルブ駆動装置には、油圧を発生するための油圧ポンプが設けられている。特開平5−202710号公報に開示された油圧式バルブ駆動装置では、始動時に、油圧ポンプの油圧が所定の値以上になるまで、吸気バルブおよび排気バルブが作動することを防止することにより、吸気バルブおよび排気バルブを安定した状態で作動させるように構成される。
ところで、特開平5−202710号公報に開示されたような油圧式バルブ駆動装置では、一般的には、油圧ポンプはエンジンのクランクにより駆動される。
特開平5−202710号公報
クランクにより油圧ポンプを駆動する油圧式バルブ駆動装置では、油圧ポンプの回転速度がクランクの回転速度に依存する。ここで、エンジンの始動時においては、クランクの回転速度がアイドリング時に比べて数分の1程度と低くなる。それにより、油圧ポンプの回転速度が低くなる。そのため、小型の油圧ポンプでは、エンジンバルブ駆動するために必要な油圧を確実に得ることができない。それにより、エンジンの良好な始動を実現することができない。
一方、このような低い回転速度から通常走行時における高い回転速度までの広範囲において十分な油圧を得ることができる油圧ポンプは高価で大型となる。そのため、生産コストが増大するとともに、エンジンの小型化が妨げられる。以下、油圧ポンプにおいて、十分な油圧を得ることが可能な回転速度の範囲を油圧ポンプのダイナミックレンジという。
本発明の目的は、小型でかつ良好な始動を行うことが可能な油圧式バルブ駆動装置、それを含むエンジンおよび車両を提供することである。
(1) 第1の発明に係る油圧式バルブ駆動装置は、クランクを有するエンジンのバルブを駆動する油圧式バルブ駆動装置であって、バルブを駆動する油圧式バルブアクチュエータと、バルブアクチュエータのための油圧を発生する第1の油圧ポンプと、クランクおよび第1の油圧ポンプを駆動するための回転力を発生するモータと、モータの回転力をクランクを経由せずに第1の油圧ポンプに伝達する第1の伝達機構と、モータの回転力をクランクに伝達する第2の伝達機構と、クランクの回転力を第1の油圧ポンプに伝達する第3の伝達機構とを備え、モータの回転力が第1の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比は、モータの回転力が第2および第3の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比よりも小さいものである。
第1の発明に係る油圧式バルブ駆動装置においては、第1の油圧ポンプによりバルブアクチュエータのための油圧が発生され、バルブアクチュエータによりエンジンのバルブが駆動される。
始動時には、混合気の燃焼によるクランクの駆動が行われない。そのため、モータの回転力によりクランクおよび第1の油圧ポンプが駆動される。
このとき、モータの回転力は、第1の伝達機構を介して第1の油圧ポンプに伝達され、第2の伝達機構を介してクランクに伝達される。また、クランクの回転力が第3の伝達機構を介して第1の油圧ポンプに伝達される。モータの回転力が第1の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比は、モータの回転力が第2および第3の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比よりも小さい。そのため、モータの回転力が第1の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合の第1の油圧ポンプの回転速度は、モータの回転力が第2および第3の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合の第1の油圧ポンプの回転速度よりも高くなる。
それにより、第1の油圧ポンプは、モータから第1の伝達機構により伝達される回転力により駆動される。したがって、第1の油圧ポンプは、必要な油圧を迅速に得ることができる。その結果、エンジンの良好な始動を実現することができる。
また、1つのモータにより、クランクを駆動することができるとともに、第1の油圧ポンプを駆動することができる。それにより、エンジンの小型化が可能となる。
また、始動時に第1の油圧ポンプを高い回転速度で駆動することができるので、第1の油圧ポンプの小型化が可能となる。したがって、エンジンを小型化することができるとともに、生産コストを低減することができる。
(2) 第1の伝達機構は、モータから第1の油圧ポンプへ回転力を伝達するとともに第1の油圧ポンプからモータへは回転力を伝達しない第1のワンウェイクラッチを含み、第2の伝達機構は、モータからクランクへ回転力を伝達するとともにクランクからモータへは回転力を伝達しない第2のワンウェイクラッチを含み、第3の伝達機構は、クランクから第1の油圧ポンプへ回転力を伝達するとともに第1の油圧ポンプからクランクへは回転力を伝達しない第3のワンウェイクラッチを含んでもよい。
この場合、始動時には、第1の油圧ポンプの回転力が第3の伝達機構を介してクランクに伝達されることを第3のワンウェイクラッチにより防止することができる。それにより、第1の油圧ポンプに加わる負荷が低減され、第1の油圧ポンプが高い回転速度で安定して回転することができる。
また、混合気の燃焼が行われ、クランクが駆動されると、クランクの回転力により第1の油圧ポンプが駆動される通常運転に移行する。この場合、クランクの回転力が第2の伝達機構を介してモータに伝達されることを第2のワンウェイクラッチにより防止することができる。また、第1の油圧ポンプの回転力が第1の伝達機構を介してモータに伝達されることを第1のワンウェイクラッチにより防止することができる。それにより、モータの過回転を防止することができる。
(3) 第2の伝達機構は、モータとクランクとの間で回転力が伝達される第1の状態とモータとクランクとの間で回転力が伝達されない第2の状態とに切替可能な断続機を含んでもよい。
この場合、混合気の燃焼によるクランクの駆動が行われない始動時には、断続機が第2の状態に維持され、混合気の燃焼によりクランクが駆動される通常運転に移行する際には、断続機が第2の状態から第1の状態に切り替えられる。
それにより、始動時の初期にはモータの回転力がクランクに伝達されず、モータによりクランクが駆動されない。それにより、モータに加わる負荷が低減される。そのため、モータがより高い回転速度で回転することが可能となる。したがって、モータの回転力により駆動される第1の油圧ポンプの回転速度がより高くなる。その結果、第1の油圧ポンプは必要な油圧をより迅速に得ることができる。
また、始動時の後期には、モータの回転力がクランクに伝達され、クランクが確実に駆動される。その後、混合気の燃焼によりクランクが駆動される。それにより、始動から通常運転への移行が安定して行われる。
(4) 油圧式バルブ駆動装置は、クランクの回転力により駆動され、エンジンに潤滑油を供給する第2の油圧ポンプをさらに備え、断続機は、第2の油圧ポンプにより発生される油圧により第1の状態または第2の状態に切り替えられてもよい。
この場合、エンジンに潤滑油を供給するために必要な油圧は、バルブアクチュエータがバルブを駆動するために必要な油圧よりも低いため、第2の油圧ポンプの油圧は第1の油圧ポンプの油圧よりも低く設定することができる。また、断続機の状態の切替のために必要な油圧は、バルブアクチュエータがバルブを駆動するために必要な油圧よりも低い。
そのため、第2の油圧ポンプを用いて断続機の切替を行うことにより、エネルギーの損失を抑制することができるとともに、油圧系の耐圧性を低く設定することができるので、コストを低減することができる。
(5) 第2の発明に係るエンジンは、シリンダと、シリンダ上に設けられ、バルブを有するシリンダヘッドと、シリンダに往復運動自在に収容されるピストンと、ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランクと、バルブを駆動する油圧式バルブ駆動装置とを備え、油圧式バルブ駆動装置は、バルブを駆動する油圧式バルブアクチュエータと、バルブアクチュエータのための油圧を発生する第1の油圧ポンプと、クランクおよび第1の油圧ポンプを駆動するための回転力を発生するモータと、モータの回転力をクランクを経由せずに第1の油圧ポンプに伝達する第1の伝達機構と、モータの回転力をクランクに伝達する第2の伝達機構と、クランクの回転力を第1の油圧ポンプに伝達する第3の伝達機構とを備え、モータの回転力が第1の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比は、モータの回転力が第2および第3の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比よりも小さいものである。
第2の発明に係るエンジンにおいては、クランクによりピストンの往復運動が回転運動に変換されるとともに、油圧式バルブ駆動装置によりバルブが駆動される。
油圧式バルブ駆動装置においては、第1の油圧ポンプによりバルブアクチュエータのための油圧が発生され、バルブアクチュエータによりエンジンのバルブが駆動される。
始動時には、混合気の燃焼によるクランクの駆動が行われない。そのため、モータの回転力によりクランクおよび第1の油圧ポンプが駆動される。
このとき、モータの回転力は、第1の伝達機構を介して第1の油圧ポンプに伝達され、第2の伝達機構を介してクランクに伝達される。また、クランクの回転力が第3の伝達機構を介して第1の油圧ポンプに伝達される。モータの回転力が第1の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比は、モータの回転力が第2および第3の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比よりも小さい。そのため、モータの回転力が第1の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合の第1の油圧ポンプの回転速度は、モータの回転力が第2および第3の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合の第1の油圧ポンプの回転速度よりも高くなる。
それにより、第1の油圧ポンプは、モータから第1の伝達機構により伝達される回転力により駆動される。したがって、第1の油圧ポンプは、必要な油圧を迅速に得ることができる。その結果、エンジンの良好な始動を実現することができる。
また、1つのモータにより、クランクを駆動することができるとともに、第1の油圧ポンプを駆動することができる。それにより、エンジンの小型化が可能となる。
また、始動時に第1の油圧ポンプを高い回転速度で駆動することができるので、第1の油圧ポンプの小型化が可能となる。したがって、エンジンを小型化することができるとともに、生産コストを低減することができる。
(6) エンジンは、モータの作動を指示する指示部と、第1の油圧ポンプにより発生される油圧を検出する検出器と、指示部による指示に応答してモータを作動させ、検出器により検出される油圧が予め定められた閾値に達したときにシリンダにおける燃料供給および点火の開始を指令する制御部とをさらに備えてもよい。
この場合、指示部による指示に応答してモータが作動し、クランクおよび第1の油圧ポンプがモータにより駆動される。第1の油圧ポンプにより発生される油圧は検出器により検出される。検出器により検出される油圧が予め定められた閾値に達したときに、バルブが駆動されるとともに、制御部による指令に応答してシリンダにおける燃料供給および点火が開始され、混合気の燃焼が行われる。
混合気の燃焼によりピストンが駆動され、ピストンがシリンダ内で往復運動を行う。ピストンの往復運動はクランクにより回転運動に変換される。それにより、クランクの回転速度が上昇する。そのため、第1の油圧ポンプがモータによる駆動からクランクによる駆動に移行する。これにより、エンジンの始動が完了し、通常運転に移行する。
このように、第1の油圧ポンプの油圧がバルブアクチュエータに必要な値に達したときに、バルブが駆動されるとともに、シリンダにおける燃料供給および点火の開始時期が制御されため、エンジンの始動が良好かつ円滑に行われる。
(7) 第3の発明に係る車両は、動力を発生するエンジンと、エンジンにより発生された動力により駆動される駆動輪とを備え、エンジンは、シリンダと、シリンダ上に設けられ、バルブを有するシリンダヘッドと、シリンダに往復運動自在に収容されるピストンと、ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランクと、バルブを駆動する油圧式バルブ駆動装置とを備え、油圧式バルブ駆動装置は、バルブを駆動する油圧式バルブアクチュエータと、バルブアクチュエータのための油圧を発生する第1の油圧ポンプと、クランクおよび第1の油圧ポンプを駆動するための回転力を発生するモータと、モータの回転力をクランクを経由せずに第1の油圧ポンプに伝達する第1の伝達機構と、モータの回転力をクランクに伝達する第2の伝達機構と、クランクの回転力を第1の油圧ポンプに伝達する第3の伝達機構とを備え、モータの回転力が第1の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比は、モータの回転力が第2および第3の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比よりも小さいものである。
第3の発明に係る車両においては、エンジンにより発生される動力により駆動輪が駆動される。そのエンジンにおいては、クランクによりピストンの往復運動が回転運動に変換されるとともに、油圧式バルブ駆動装置によりバルブが駆動される。
油圧式バルブ駆動装置においては、第1の油圧ポンプによりバルブアクチュエータのための油圧が発生され、バルブアクチュエータによりエンジンのバルブが駆動される。
始動時には、混合気の燃焼によるクランクの駆動が行われない。そのため、モータの回転力によりクランクおよび第1の油圧ポンプが駆動される。
このとき、モータの回転力は、第1の伝達機構を介して第1の油圧ポンプに伝達され、第2の伝達機構を介してクランクに伝達される。また、クランクの回転力が第3の伝達機構を介して第1の油圧ポンプに伝達される。モータの回転力が第1の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比は、モータの回転力が第2および第3の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比よりも小さい。そのため、モータの回転力が第1の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合の第1の油圧ポンプの回転速度は、モータの回転力が第2および第3の伝達機構により第1の油圧ポンプに伝達される場合の第1の油圧ポンプの回転速度よりも高くなる。
それにより、第1の油圧ポンプは、モータから第1の伝達機構により伝達される回転力により駆動される。したがって、第1の油圧ポンプは、必要な油圧を迅速に得ることができる。その結果、エンジンの良好な始動を実現することができる。
また、1つのモータにより、クランクを駆動することができるとともに、第1の油圧ポンプを駆動することができる。それにより、エンジンの小型化が可能となる。
また、始動時に第1の油圧ポンプを高い回転速度で駆動することができるため、第1の油圧ポンプのダイナミックレンジを狭く設定することができる。それにより、第1の油圧ポンプの小型化が可能となる。したがって、エンジンを小型化することができるとともに、生産コストを低減することができる。その結果、車両の重量の低減および低コスト化が可能となる。
(8) エンジンのモータおよび第1の油圧ポンプは、車両の進行方向の中心線を基準としてそれぞれ一方側および他方側に配置されてもよい。
この場合、車両の重量バランスが良好となる。それにより、車両は安定した走行を行うことができる。
本発明によれば、第1の油圧ポンプは、モータから減速比の小さい第1の伝達機構により伝達される回転力により駆動されるため、必要な油圧を迅速に得ることができる。その結果、エンジンの良好な始動を実現することができる。また、1つのモータにより、クランクを駆動することができるとともに、第1の油圧ポンプを駆動することができる。それにより、エンジンの小型化が可能となる。また、始動時に第1の油圧ポンプを高い回転速度で駆動することができるので、第1の油圧ポンプの小型化が可能となる。したがって、エンジンを小型化することができるとともに、生産コストを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態では、本発明の車両の一例として自動二輪車について説明する。
(1)第1の実施の形態
以下、図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る油圧式バルブ駆動装置を含むエンジンについて説明する。
(1−1)エンジンの構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエンジンの油圧式バルブ駆動装置の全体構成を示した概略図である。
図1に示すように、第1の実施の形態に係るエンジン100の油圧式バルブ駆動装置は、油圧ポンプ1、スタータモータ2、伝達機構3、伝達機構5、伝達機構6、エンジン潤滑ポンプ60、油タンク7、エンジンバルブ8、油圧コントロールバルブ9、油圧センサ10、バルブアクチュエータ11、バルブリフトセンサ12、クランク位置センサ13、およびコントローラ14を備える。
スタータモータ2は、油圧ポンプ1を駆動するとともに、エンジン100の始動時にクランキングを行う。このスタータモータ2は、後述する図9のスタータスイッチ160を押すことにより駆動される。伝達機構3はスタータモータ2の駆動力を油圧ポンプ1に伝達する。伝達機構5はスタータモータ2の駆動力をピストン4に連結されるクランク15に伝達する。伝達機構6はクランク15の駆動力を油圧ポンプ1に伝達する。ここで、スタータモータ2およびクランク15の駆動力とは、後述するモータ軸2aおよびクランク軸15aの回転力をいう。
エンジン潤滑ポンプ60は、図示しない油圧経路を通してエンジン100内の各部に潤滑油を供給する。エンジン潤滑ポンプ60は伝達機構6に接続されている。油タンク7は油を貯留する。エンジンバルブ8は、吸気バルブおよび排気バルブを含む。油圧コントロールバルブ9は、油圧の通路を切り換えて油圧を制御する。
油圧センサ10は、油圧を検知し、油圧を示す油圧信号OPを出力する。バルブアクチュエータ11は、油圧によりエンジンバルブ8を駆動する。バルブリフトセンサ12は、エンジンバルブ8のリフト量を検知し、リフト量を示すバルブリフト信号VLを出力する。クランク位置センサ13は、クランク15のクランク角を検知し、クランク角を示すクランク位置信号CPを出力する。
ここで、バルブリフトセンサ12は、バルブアクチュエータ11の動作量を測定することにより吸気バルブおよび排気バルブからなるエンジンバルブ8のリフト量を間接的に検知する。
油圧ポンプ1には、油タンク7から油圧経路Aを介して油が供給される。油圧ポンプ1と油圧コントロールバルブ9とは、油圧経路Bにより接続されている。油タンク7に溜まった油は、油圧ポンプ1で加圧された後、油圧コントロールバルブ9に送られる。また、エンジン潤滑ポンプ60には、油タンク7から油圧経路Gを介して油が供給される。
油圧センサ10は、油圧経路Bに配置されている。油圧コントロールバルブ9は、油圧経路Dを介してバルブアクチュエータ11に接続されている。油圧コントロールバルブ9は、コントローラ14から出力されるバルブ制御信号VCにより電磁弁(図示せず)がオンオフされることにより、油圧経路Dを開放および閉鎖するように構成されている。
また、油圧コントロールバルブ9は、リターン通路(油圧経路)Cを介して油タンク7に接続されている。エンジンバルブ8が閉弁する際に油圧コントロールバルブ9からリターン通路Cを介して油タンク7に油が戻される。
バルブアクチュエータ11は、機械的な伝達機構Eを介してエンジンバルブ8に接続されており、油圧コントロールバルブ9により制御される油圧によりエンジンバルブ8を駆動する。
コントローラ14には、油圧センサ10から出力される油圧信号OP、バルブリフトセンサ12から出力されるバルブリフト信号VL、およびクランク位置センサ13から出力されるクランク位置信号CP等が与えられる。コントローラ14は、スタータモータ20にモータ駆動信号MDを与える。
本実施の形態のエンジン100は1気筒エンジンであり、1つのシリンダを有する。シリンダには、ピストン4が設けられている。また、エンジン100のシリンダヘッドには、エンジンバルブ8(吸気バルブおよび排気バルブ)が設けられている。
(1−2)油圧式バルブ駆動装置の構成
図2は、図1のエンジンの油圧式バルブ駆動装置を詳細に説明するための概略斜視図である。
図2に示すように、スタータモータ2は、モータ軸2aを有する。モータ軸2aには、ギア2bが取り付けられている。ギア2bは、伝達機構3を介して油圧ポンプ1のポンプ軸1aに接続され、伝達機構5を介してクランク15のクランク軸15aに接続されている。また、クランク15のクランク軸15aは、伝達機構6を介して油圧ポンプ1のポンプ軸1aに接続されている。なお、スタータモータ2のモータ軸2aの回転に伴い、ギア2bは矢印M2の方向に回転する。
伝達機構3は、ギア31,32,33およびワンウェイクラッチ33aを含む。ギア31はギア2bに噛み合わされている。ギア31およびギア32は連結軸3aにより連結されている。ギア32はギア33に噛み合わされている。ギア33はワンウェイクラッチ33aを介してポンプ軸1aに取り付けられている。
これにより、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力がギア31,32,33およびワンウェイクラッチ33aを介して油圧ポンプ1のポンプ軸1aに伝達される。このとき、ギア33は矢印M1の方向に回転する。
なお、ワンウェイクラッチ33aは、スタータモータ2側から油圧ポンプ1側へ回転力を伝達するとともに、油圧ポンプ1側からスタータモータ2側へは回転力を伝達しないように構成されている。
伝達機構5は、ギア51,52,53,54,55およびワンウェイクラッチ55aを含む。ギア51はギア2bに噛み合わされている。ギア51およびギア52は連結軸5aにより連結されている。ギア52はギア53に噛み合わされている。ギア53およびギア54は連結軸5bにより連結されている。ギア54はギア55に噛み合わされている。ギア55はワンウェイクラッチ55aを介してクランク軸15aの一端に取り付けられている。
これにより、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力がギア51,52,53,54,55およびワンウェイクラッチ55aを介してクランク15のクランク軸15aに伝達される。このとき、ギア55は、矢印M5の方向に回転する。
なお、ワンウェイクラッチ55aは、スタータモータ2側からクランク15側へ回転力を伝達するとともに、クランク15側からスタータモータ2側へは回転力を伝達しないように構成されている。
伝達機構6は、エンジン出力ギア61、ギア62,63、アイドルギア64およびギア65を含む。エンジン出力ギア61はクランク軸15aの他端に取り付けられている。ギア62はエンジン出力ギア61に噛み合わされている。ギア62およびギア63は連結軸6aにより連結されている。なお、ギア63と連結軸6aとの間にはワンウェイクラッチ63aが設けられている。アイドルギア64は、ギア63およびギア65に噛み合わされている。ギア65は油圧ポンプ1のポンプ軸1aに取り付けられている。
これにより、クランク15のクランク軸15aの回転力がエンジン出力ギア61、ギア62、ワンウェイクラッチ63a、ギア63、アイドルギア64、およびギア65を介して油圧ポンプ1のポンプ軸1aに伝達される。このとき、ギア65は、矢印M11の方向に回転する。なお、ギア65によるポンプ軸1aの回転方向は、上述のギア33によるポンプ軸1aの回転方向と等しい。
なお、ワンウェイクラッチ63aは、クランク15側から油圧ポンプ1側へ回転力を伝達するとともに、油圧ポンプ1側からクランク15側へは回転力を伝達しないように構成されている。
このような構成により、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力が、伝達機構3を介して油圧ポンプ1のポンプ軸1aに伝達されるとともに、伝達機構5を介してクランク15のクランク軸15aに伝達される。また、クランク15のクランク軸15aの回転力は、伝達機構6を介して油圧ポンプ1のポンプ軸1aに伝達される。
すなわち、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力が、一方では、伝達機構3を介して油圧ポンプ1に伝達され、他方では、伝達機構5、クランク15および伝達機構6を介して油圧ポンプ1に伝達される。以下、この2つの伝達経路を明確に区別するために、伝達機構3を含む伝達経路を伝達経路A1とし、伝達機構5、クランク15および伝達機構6を含む伝達経路を伝達経路B1とする。
伝達経路A1の減速比は、伝達経路B1の減速比よりも小さくなるように設定される。ここで、伝達経路A1,B1の減速比は次式(1)のようにモータ軸2aの回転速度とポンプ軸1aの回転速度との比で表される。
減速比=モータ軸2aの回転速度/ポンプ軸1aの回転速度・・・(1)
例えば、伝達経路A1の減速比は、伝達経路B1の減速比の3分の1程度に設定される。
また、ギア63には、エンジン潤滑ポンプ60がギア60aを介して接続されている。それにより、クランク軸15aの回転力がエンジン潤滑ポンプ60に伝達され、エンジン潤滑ポンプ60が駆動される。なお、エンジン潤滑ポンプ60により発生される油圧は、後述する油圧ポンプ1により発生される油圧よりも低い。
(1−3)油圧式バルブ駆動装置の制御方法
図3は、図1のコントローラ14によるエンジンの油圧式バルブ駆動装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。次に、図1〜図3を参照して油圧式バルブ駆動装置の制御方法を詳細に説明する。
初期状態では、エンジンモードは停止モードに設定されている。まず、コントローラ14は、エンジンモードを判定する(ステップS1)。エンジン100が停止している場合には、コントローラ14は、エンジンモードが停止モードであると判定し、ステップS2の処理に進む。
次に、コントローラ14は、エンジン100が始動開始状態になっているか否かを判定する(ステップS2)。自動二輪車の運転者が後述する図9のメインスイッチ150およびスタータスイッチ160をオン状態にすることによりエンジン100が始動開始状態になる。エンジン100が始動開始状態になっていない場合には、ステップS1の処理に戻る。
エンジン100が始動開始状態になっている場合には、コントローラ14は、エンジンモードを始動モードに移行させる(ステップS3)。このとき、コントローラ14は、モータ駆動信号MDによりスタータモータ2を駆動する(ステップS4)とともに、バルブ制御信号VCにより始動運転モード時のエンジンバルブ8(図1参照)の駆動を行う(ステップS5)。なお、エンジンバルブ8の動作の詳細については後述する。その後、ステップS1の処理に戻る。
ここで、始動モードにおいては、エンジン100の燃料噴射および火花点火が行われない。それにより、エンジン100の燃焼室において、混合気の燃焼によるピストン4の駆動が行われない。この場合、油圧ポンプ1およびクランク15はスタータモータ2の回転力により駆動される。油圧ポンプ1が駆動されることにより、油圧ポンプ1の油圧が上昇する。以下、スタータモータ2の回転力による油圧ポンプ1の駆動を油圧ポンプ1のモータ駆動と呼ぶ。また、クランク15の回転力による油圧ポンプ1の駆動を油圧ポンプ1のクランク駆動と呼ぶ。なお、油圧ポンプ1、スタータモータ2およびクランク15の機械的動作の詳細については後述する。
また、始動モードにおいては、後述のように、図1のエンジンバルブ8が開弁された状態で保持される。それにより、ピストン4がクランク15の回転に伴ってシリンダ内で往復動を行っても、シリンダ内の圧力は上昇しない。そのため、クランク15に加わる負荷が低減される。したがって、クランク15の回転が安定するとともに、スタータモータ2、クランク15および油圧ポンプ1の回転速度の低下を抑制することができる。
コントローラ14は、ステップS1でエンジンモードが始動モードであると判定すると、ステップS6の処理に進む。
コントローラ14は、油圧センサ10(図1参照)からの油圧信号OPに基づいて油圧ポンプ1の油圧が閾値以上になっているか否かを判定する(ステップS6)。閾値は、例えば約2MPa〜約3MPaに予め設定されている。
油圧ポンプ1の油圧が閾値以上となっていない場合には、コントローラ14は、エンジンモードを始動モードに維持し(ステップS7)、ステップS1の処理に戻る。
ステップS6で油圧ポンプ1の油圧が閾値以上になった場合には、コントローラ14はエンジンモードを始動モードから通常運転モードに移行させる(ステップS8)。
コントローラ14は、バルブ制御信号VCにより通常運転モード時のエンジンバルブ8(図1参照)の駆動を行う(ステップS9)。エンジンバルブ8は油圧ポンプ1により駆動される。
ここで、通常運転モードでは、後述のように、エンジン100内において燃料噴射および火花点火が行われる。この場合、燃焼室において混合気の燃焼が行われることによりピストン4が駆動される。したがって、ピストン4に連結されるクランク15が駆動される。この場合、クランク15の回転速度は、スタータモータ2により駆動される場合よりも、大幅に上昇する。
クランク15の回転力は、伝達機構6を介して油圧ポンプ1に伝達される。ここで、混合気の燃焼によりクランク15が駆動される場合において、クランク15の回転力により駆動される油圧ポンプ1の回転速度がスタータモータ2の回転力により駆動される油圧ポンプ1の回転速度よりも高くなるように伝達機構6の減速比が設定されている。この場合、油圧ポンプ1のクランク15による回転速度が、スタータモータ2による回転速度よりも大きくなった時点で、油圧ポンプ1のモータ駆動が自動的にクランク駆動に切り替わる(ステップS10)。その後、ステップS1の処理に戻る。
コントローラ14は、ステップS1でエンジンモードが通常運転モードであると判定すると、ステップS11の処理に進む。
その後、コントローラ14は、クランク位置センサ13からのクランク位置信号CPに基づいてエンジン100の回転速度が閾値よりも低くなったか否かを判定する(ステップS11)。
エンジン100の回転速度が閾値よりも低くなっていない場合には、ステップS1の処理に戻る。一方、ステップS11において、エンジン100の回転速度が閾値よりも低くなった場合には、コントローラ14は、エンジンモードを停止モードに移行させ(ステップS12)、処理を終了する。
(1−4)油圧式バルブ駆動装置のピストンおよびエンジンバルブの動作
ここで、図4を参照して図3のステップS3〜ステップS10におけるピストン4(クランク15)およびエンジンバルブ8(吸気バルブおよび排気バルブ)の動作を説明する。
図4は、図1のエンジン100の油圧式バルブ駆動装置のピストン4およびエンジンバルブ8の動作を説明するための図である。図4の縦軸は、ピストン4のシリンダ内での位置およびエンジンバルブ8のリフト量を表わし、横軸は時刻を表す。
まず、時刻t1において、停止モードから始動モードに移行することによりクランキングが開始されると、時刻t2において、吸気バルブおよび排気バルブのうちの少なくとも一方が開弁する。この場合、エンジンバルブ8は、ピストン4と衝突しない最大のリフト量W以下で開弁する。
なお、始動モードにおいて、油圧ポンプ1の油圧によりエンジンバルブ8をリフト量Wで開弁させる代わりに、デコンプ(ディコンプレッサ)を作動させることによりエンジンバルブ8を開弁させてもよい。ここで、デコンプとは、例えば電磁ソレノイドにより排気バルブを強制的に開閉させる装置をいう。
エンジンバルブ8が開弁した後、始動モードのクランキングが終了するまで、吸気バルブおよび排気バルブの最大のリフト量Wは一定に保持される。
なお、開弁するエンジンバルブ8(吸気バルブおよび排気バルブ)の数が多いほどポンプ損失を低減することが可能である一方、エンジンバルブ8を作動させるためのエネルギーは大きくなる。したがって、これらの点を考慮して、開弁するエンジンバルブ8を設定する必要がある。
次に、時刻t3において、始動モードから通常運転モードに移行する。それにより、ピストン4の位置が最初の上死点に達した時点でエンジンバルブ8が閉弁する。
そして、吸気、燃料噴射および点火を順に開始し、エンジンバルブ8がリフト動作を行うとともに、エンジン100が作動する。ここで、エンジンバルブ8のリフト動作とは、エンジンバルブ8の吸気バルブおよび排気バルブの上下動によりシリンダヘッドの吸気口および排気口を開閉することをいう。通常運転モード時には、エンジン100の作動によるクランク15の回転力により油圧ポンプ1(図1参照)が駆動される。
なお、図4においては、通常運転モードに移行した後においても、ピストン4の動作速度が一定であるが、実際には、時刻t3からクランク15の回転速度が上昇するため、それに伴いピストン4の動作速度も高くなる。また、エンジンバルブ8のリフト動作の速度も同様に高くなる。
(1−5)エンジン100の始動時の機械的動作
図5は、エンジン100の始動時におけるスタータモータ2、クランク15および油圧ポンプ1の回転速度の変化を示す図である。次に、図2および図5を参照してステップS3〜ステップS10におけるスタータモータ2、クランク15および油圧ポンプ1の回転速度の変化および機械的動作の詳細について説明する。
図5において、縦軸は回転速度を示し、横軸は時刻を示す。実線P1はスタータモータ2のモータ軸2aの回転速度を示し、実線P2はクランク15のクランク軸15aの回転速度を示し、実線P3は油圧ポンプ1のポンプ軸1aの回転速度を示す。
図5に示すように、時刻t1において後述する図9のスタータスイッチ160を押すことによりスタータモータ2が駆動され、スタータモータ2のモータ軸2aが所定の回転速度R1で回転する。それにより、停止モードから始動モードに移行する。
クランク15のクランク軸15aには、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力が伝達機構5を介して伝達される。ここで、上述のように、始動モードにおいては混合気の燃焼によるピストン4の駆動が行われない。そのため、クランク15はスタータモータ2から伝達される回転力により駆動される。この場合、クランク15のクランク軸15aは、スタータモータ2のモータ軸2aの回転速度R1に依存する回転速度R2で回転する。
同時に、油圧ポンプ1のポンプ軸1aには、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力が伝達機構3を介して伝達されるとともに、クランク15のクランク軸15aの回転力が伝達機構6を介して伝達される。この場合、クランク15から油圧ポンプ1に伝達される回転力は、スタータモータ2から伝達機構5、クランク15および伝達機構6を介して伝達される回転力に等しい。
すなわち、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力が、伝達経路A1および伝達経路B1を介して油圧ポンプ1のポンプ軸1aに伝達される。
ここで、上述のように、伝達経路A1の減速比は、伝達経路B1の減速比よりも小さい。この場合、ワンウェイクラッチ33aおよびワンウェイクラッチ63aの機能により、油圧ポンプ1は、スタータモータ2から伝達経路A1を介して伝達される回転力により駆動される。その詳細を以下に示す。なお、図5において、点線Q3は、伝達機構6のアイドルギア64がギア65を回転させる場合のポンプ軸1aの回転速度を示す。
伝達機構3のギア32はギア33をスタータモータ2のモータ軸2aの回転速度R1に依存する回転速度R3で回転させる。ここで、回転速度R3は、回転速度R1と伝達経路A1の減速比の逆数との積に相当する。ワンウェイクラッチ33aは、上述のように、スタータモータ2側の回転力を油圧ポンプ1側に伝達する。すなわち、ギア33の回転力は、ポンプ軸1aに伝達される。それにより、ポンプ軸1aは回転速度R3で回転する。
一方、伝達機構6のアイドルギア64は、ギア65をスタータモータ2のモータ軸2aの回転速度R1に依存する回転速度R4で回転させようとする。ここで、回転速度R4は、回転速度R1と伝達経路B1の減速比の逆数との積に相当する。しかしながら、ギア65は、ポンプ軸1aの回転に伴って回転速度R3で回転している。伝達経路B1の減速比は、伝達経路A1の減速比よりも大きいため、回転速度R4は回転速度R3よりも低い。
この場合、ギア65の回転力が逆にアイドルギア64に伝達される。さらに、アイドルギア64の回転力がギア63に伝達される。しかしながら、ワンウェイクラッチ63aは、油圧ポンプ1側の回転力をクランク15側に伝達しない。そのため、ギア63の回転力は、ギア62に伝達されない。すなわち、ギア63が連結軸6aの一端で空転する。
このように、油圧ポンプ1はスタータモータ2から伝達経路A1を介して伝達される回転力により駆動され、ポンプ軸1aは回転速度R3で回転する。
次に、時刻t3において始動モードから通常運転モードに移行すると、エンジンバルブ8がリフト動作を開始するとともに、燃焼室における混合気の燃焼が行われる。それにより、ピストン4が駆動され、クランク15のクランク軸15aの回転速度が上昇する。このとき、ワンウェイクラッチ55aの機能により、クランク軸15aの回転力は、スタータモータ2側に伝達されない。
一方、ワンウェイクラッチ63aの機能により、クランク軸15aの回転力は油圧ポンプ1側に伝達される。それにより、油圧ポンプ1のポンプ軸1aの回転速度が上昇する。このとき、ワンウェイクラッチ33aの機能により、油圧ポンプ1のポンプ軸1aの回転力はスタータモータ2側に伝達されない。
このように、燃焼室における混合気の燃焼によりクランク15が駆動されることにより、クランク15のクランク軸15aの回転速度がスタータモータ2の回転速度R1に依存する回転速度R2よりも高くなる。それにより、図5の点線Q3で示すように、伝達機構6のアイドルギア64によるギア65の回転速度が上昇し、時刻t4において、伝達機構3のギア32によるギア33の回転速度R3よりも高くなる。それにより、アイドルギア64の回転力がギア65に伝達され、油圧ポンプ1のポンプ軸1aがクランク15のクランク軸15aの回転速度に依存する回転速度で回転する。
したがって、油圧ポンプ1の駆動源は、スタータモータ2からクランク15に切り替えられる。このように、始動モードから通常運転モードに完全に移行すると、自動二輪車の運転者が後述のスタータスイッチ160の押下を終了することによりスタータモータ2による油圧ポンプ1の駆動が停止される。
クランク15のクランク軸15aの回転速度が所定の値まで上昇すると、エンジン100はアイドリング状態に移行し、クランク軸15aおよびポンプ軸1aの回転速度が一定になる。
(1−6)第1の実施の形態の効果
第1の実施の形態では、上記のように、エンジン100の始動時にシリンダ内における混合気の燃焼が行われない状態で、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力により油圧ポンプ1およびクランク15が駆動される。
このとき、伝達経路A1の減速比が伝達経路B1の減速比よりも小さいので、油圧ポンプ1のポンプ軸1aには、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力が伝達機構3を介して伝達される。
したがって、油圧ポンプ1は、スタータモータ2から伝達経路A1を介して伝達される回転力により駆動される。
この場合、伝達経路A1によるポンプ軸1aの回転速度は、伝達経路B1によるポンプ軸1aの回転速度よりも高くなる。したがって、油圧ポンプ1は、必要な油圧を迅速に発生することができる。その結果、エンジン100の良好な始動を実現することができる。
また、1つのスタータモータ2により、クランク15を駆動することができるとともに、油圧ポンプ1を駆動することができる。それにより、エンジン100の小型化が可能となる。
また、始動時に油圧ポンプ1を高い回転速度で駆動することができるため、第1の油圧ポンプのダイナミックレンジを狭く設定することができる。それにより、第1の油圧ポンプの小型化が可能となる。したがって、エンジン100を小型化することができるとともに、生産コストを低減することができる。
(2)第2の実施の形態
以下、図6〜図8を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る油圧式バルブ駆動装置を含むエンジンについて説明する。
(2−1)油圧式バルブ駆動装置の構成
図6は、第2の実施の形態に係るエンジンの油圧式バルブ駆動装置を詳細に説明するための概略斜視図である。
第2の実施の形態では、伝達機構5のギア51とギア52との間に、始動クラッチ71が介挿されている。始動クラッチ71は、スタータモータ2とクランク15との間で回転力が伝達される接続状態または回転力が伝達されない切断状態に切替可能である。
始動クラッチ71には、エンジン潤滑ポンプ60から油圧経路Fを介して油が供給される。油圧経路Fには、電磁弁F1が介挿されている。コントローラ14(図1)は、電磁弁F1に開度信号ODを与えることにより電磁弁F1の開度を制御する。それにより、エンジン潤滑ポンプ60から始動クラッチ71に供給される油圧が調整され、始動クラッチ71が接続状態または切断状態に切り替わる。なお、第2の実施の形態のその他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
(2−2)油圧式バルブ駆動装置の制御方法
図7は、図6のエンジンの油圧式バルブ駆動装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。次に、図6および図7を参照して油圧式バルブ駆動装置の制御方法を詳細に説明する。図7には、始動モードの処理が示される。停止モードおよび通常運転モードの処理は図3に示した処理と同様である。なお、停止モードでは、始動クラッチ71は切断状態となっている。
第2の実施の形態では、図7に示すように、コントローラ14は、ステップS1でエンジンモードが始動モードであると判定すると、ステップS21の処理に進む。
コントローラ14は、油圧センサ10(図1参照)からの油圧信号OPに基づいて油圧ポンプ1の油圧が閾値以上になっているか否かを判定する(ステップS21)。
油圧ポンプ1の油圧が閾値以上となっていない場合には、コントローラ14は、エンジンモードを始動モードに維持し(ステップS22)、ステップS1の処理に戻る。
ステップS21で油圧ポンプ1の油圧が閾値以上になった場合には、コントローラ14はエンジンモードを始動モードから通常運転モードに移行させる(ステップS23)。
次に、コントローラ14は、開度信号ODにより電磁弁F1の開度を調整し、始動クラッチ71を切断状態から接続状態に切り替える(ステップS24)。
次に、コントローラ14は、バルブ制御信号VCにより通常運転モード時のエンジンバルブ8(図1参照)の駆動を行う(ステップS25)。エンジンバルブ8は油圧ポンプ1により駆動される。
次に、燃焼室において混合気の燃焼が行われ、油圧ポンプ1のモータ駆動がクランク駆動に切り替わる(ステップS26)。
次に、コントローラ14は、クランク位置センサ13からのクランク位置信号CPに基づいてクランク15の回転速度が閾値以上になっているか否かを判定する(ステップS27)。
クランク15の回転速度が閾値以上になっている場合には、コントローラ14は、開度信号ODにより電磁弁F1の開度を調整し、始動クラッチ71を接続状態から切断状態に切り替える(ステップS28)。その後、ステップS1の処理に戻る。
クランク15の回転速度が閾値以上になっていない場合には、コントローラ14は、クランク15の回転速度が閾値以上になるまでステップS27の判定を繰り返す。
なお、ピストン4およびエンジンバルブ8の動作については、第1の実施の形態の図4に示す動作と同様である。
(2−3)油圧式バルブ駆動装置の機械的動作
図8は、図6の始動クラッチ71の状態、ならびにスタータモータ2、クランク15および油圧ポンプ1の回転速度の変化を示す図である。図8において、縦軸は始動クラッチ71の状態、ならびにスタータモータ2、クランク15および油圧ポンプ1の回転速度を示す。横軸は時刻を示す。
図8において、実線P4は始動クラッチ71の状態を示し、実線P1,P2,P3は、第1の実施の形態と同様に、スタータモータ2、クランク15および油圧ポンプ1の回転速度を示す。
以下、図6および図8を参照して、始動クラッチ71の切替状態ならびにスタータモータ2、油圧ポンプ1およびクランク15の回転速度の変化および機械的動作の詳細について説明する。
第2の実施の形態では、図8に示すように、始動モード(時刻t1から時刻t3)において、始動クラッチ71が切断状態である。この場合、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力がクランク15のクランク軸15aに伝達されないため、クランク15は駆動されない。それにより、スタータモータ2に加わる負荷が低減される。したがって、スタータモータ2のモータ軸2aの回転速度R5は、第1の実施の形態におけるスタータモータ2のモータ軸2aの回転速度R1(図5)よりも高くなる。
油圧ポンプ1のポンプ軸1aには、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力が伝達機構3を介して伝達される。それにより、油圧ポンプ1のポンプ軸1aは、スタータモータ2のモータ軸2aの回転速度R5に依存する回転速度R6で回転する。ここで、回転速度R6は、回転速度R5と伝達経路A1(図2)の減速比の逆数との積に相当する。この場合、回転速度R6は第1の実施の形態の回転数R3(図5)よりも高くなる。
次に、時刻t3において始動モードから通常運転モードに移行すると、始動クラッチ71が切断状態から接続状態に切り替えられる。それにより、スタータモータ2のモータ軸2aの回転力が伝達機構5を介してクランク15のクランク軸15aに伝達される。したがって、スタータモータ2から伝達される回転力によりクランク15が駆動される。
また、エンジンバルブ8がリフト動作を開始するとともに、燃焼室における混合気の燃焼が行われる。それにより、ピストン4が駆動され、クランク15のクランク軸15aの回転速度が上昇する。
そのため、時刻t5において、油圧ポンプ1のモータ駆動がクランク駆動に切り替わり、油圧ポンプ1のポンプ軸1aがクランク15のクランク軸15aの回転速度に依存する回転速度で回転する。
その後、時刻t6において、クランク15の回転速度が予め設定された所定の回転速度R7よりも高くなると、始動クラッチ71が接続状態から切断状態に切り替えられる。このとき、クランク15はピストン4の往復動により駆動されているため、始動クラッチ71の切断状態への切替はクランク軸15aの回転速度に影響しない。また、油圧ポンプ1はクランク15により駆動されているため、始動クラッチ71の切断状態への切替はポンプ軸1aの回転速度に影響しない。
その後、第1の実施の形態と同様に、クランク15のクランク軸15aの回転速度が所定の値まで上昇すると、エンジン100はアイドリング状態に移行し、クランク軸15aおよびポンプ軸1aの回転速度が一定になる。なお、第2の実施の形態のその他の動作は、第1の実施の形態と同様である。
(2−4)第2の実施の形態の効果
第2の実施の形態では、上記のように、始動モードでは始動クラッチ71が切断状態であり、始動モードから通常運転モードに移行する際に、始動クラッチ71が切断状態から接続状態に切り替えられる。
この場合、始動モードにおいてクランク15がスタータモータ2により駆動されないため、モータ軸2aに加わる負荷が低減される。それにより、モータ軸2aがより高い回転速度で回転することが可能となる。したがって、モータ軸2aの回転力によるポンプ軸1aの回転速度がより高くなる。その結果、油圧ポンプ1は必要な油圧をより迅速に得ることができる。
また、始動クラッチ71の接続状態および切断状態の切替は、エンジン潤滑ポンプ60から始動クラッチ71に供給される油圧を調整することにより行われる。ここで、始動クラッチ71の状態の切替のために必要な油圧はエンジンバルブ8を駆動するために必要な油圧よりも低い。そのため、エンジン潤滑ポンプ60を用いて始動クラッチ71の状態の切替を行うことにより、高い油圧を発生する油圧ポンプ1を用いて始動クラッチ71の状態の切替を行う場合に比べて、エネルギーの損失が少なくなる。また、油圧系の耐圧性を低く設定することができるので、コストを低減することができる。
(3)自動二輪車
図9は、上記実施の形態に係るエンジン100を備えた自動二輪車の一例を示す側面図である。
図9の自動二輪車では、ヘッドパイプ101に、メインフレーム102およびダウンチューブ103の前端部が接続されている。メインフレーム102は、後方の斜め下方向に延びるように形成されている。また、ダウンチューブ103は、メインフレーム102よりも前側でかつ下側に配置されるとともに、後方の下方向に延びるように配置されている。メインフレーム102とダウンチューブ103とは、バックステー104およびピボットシャフト用軸支持部材105により接続されている。
メインフレーム102の中央部にはシートレール106が接続されている。メインフレーム102の後端部とシートレール106の後部との間には、バックステー107が接続されている。
ヘッドパイプ101の下方には、一対のフロントフォーク108が配置されている。この一対のフロントフォーク108の下部には、前輪109が回転可能に取り付けられている。前輪109の上方を覆うようにフロントフェンダ110が配置されている。
ヘッドパイプ101の上端部には、ハンドル111が回動可能に取り付けられている。ハンドル111の中央部にはメインスイッチ150が設けられ、ハンドル111のグリップにはスタータスイッチ160が設けられている。ハンドル111の前方には、フロントカウル113およびヘッドライト114が配置されている。
メインフレーム102には、そのメインフレーム102を跨ぐように燃料タンク115が取り付けられている。メインフレーム102の下方には、上記実施の形態に係るエンジン100が配置されている。
メインフレーム102に接続されたピボットシャフト用軸支持部材105には、ピボットシャフト135が設けられている。ピボットシャフト135により、リヤアーム136の前端部が上下に揺動可能に支持されている。リヤアーム136の内側には、リヤアーム136の衝撃を減衰させるためのショックアブソーバ137が設けられている。
リヤアーム136の後端部には、後輪133が回転可能に取り付けられている。エンジン100のドライブシャフトの回転力が変速機およびチェーンを介して後輪133に伝達される。
シートレール106の上部には、シート138が配置されている。燃料タンク115およびシートレール106を覆うように車体カバー139が取り付けられている。
図9の自動二輪車は、上記実施の形態に係るエンジン100を備えているので、迅速で良好な始動を行うことが可能になる。
次に、図9のエンジン100内における油圧式バルブ駆動装置の配置例について説明する。
図10は、図9のエンジン100を上面側から見た模式的断面図である。なお、図10の一点鎖線は図9の自動二輪車の進行方向の中心線Jを示す。
図10に示すように、エンジン100内には、図9の自動二輪車の進行方向に沿うようにシリンダ70が配置されている。シリンダ70上には、シリンダヘッド71が設けられている。シリンダ70内には、ピストン4が往復動可能に設けられており、ピストン4は、クランク15に連結されている。
また、図10には、図2および図6の伝達機構3,5,6が太い破線で簡略化されて示されている。
シリンダ70の一方側にはスタータモータ2が配置され、他方側には油圧ポンプ1が配置される。スタータモータ2は伝達機構3を介して油圧ポンプ1に接続されており、伝達機構5を介してクランク15に接続されている。また、油圧ポンプ1は伝達機構6を介してクランク15に接続されている。
このように、スタータモータ2および油圧ポンプ1が自動二輪車の進行方向の中心線Jを基準として一方側および他方側に配置されることにより、エンジン100の重量バランスが良好となる。それにより、自動二輪車は、安定した走行を行うことができる。
(4)他の実施の形態
上記第1および第2の実施の形態においては、油圧ポンプ1の油圧が予め設定された閾値に達したときに、エンジンモードが始動モードから通常運転モードに移行されるが、本発明はこれに限らない。例えば、スタータモータ2の作動開始からの経過時間をタイマーにより計測し、予め設定された所定の時間が経過した時点で、エンジンモードが始動モードから通常運転モードに移行されてもよい。
また、上記実施の形態では、1つのシリンダおよび1つのピストン4を有する1気筒のエンジン100について説明したが、本発明はこれに限らず、複数のシリンダおよびピストン4を有するエンジン100に適用してもよい。
さらに、上記実施の形態では、本発明の油圧式バルブ駆動装置を含むエンジン100が搭載される車両の一例として自動二輪車を示したが、本発明はこれに限らず、油圧式バルブ駆動装置を含むエンジンを備えた車両であれば、自動車、三輪車、ATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)等の他の車両にも適用可能である。また、本発明の油圧式バルブ駆動装置を含むエンジンを車両以外の発電機等の機械装置に適用してもよい。
なお、第1の実施の形態においては、噴射タイミングを電気的に制御することができる燃料噴射装置を用いて燃料噴射を行うことが好ましい。また、第2の実施の形態においては、始動時においてクランク15が駆動されないため、上記の燃料噴射装置に加えて、吸気圧に応じて機械的に燃料が供給されるキャブレタを用いることもできる。
(5)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記の実施の形態では、エンジンバルブ8がバルブに相当し、バルブアクチュエータ11が油圧式バルブアクチュエータに相当し、油圧ポンプ1が第1の油圧ポンプに相当し、スタータモータ2がモータに相当し、伝達機構3が第1の伝達機構に相当し、伝達機構5が第2の伝達機構に相当し、伝達機構6が第3の伝達機構に相当する。
ワンウェイクラッチ33aが第1のワンウェイクラッチに相当し、ワンウェイクラッチ55aが第2のワンウェイクラッチに相当し、ワンウェイクラッチ63aが第3のワンウェイクラッチに相当し、始動クラッチ71が断続機に相当し、接続状態が第1の状態に相当し、切断状態が第2の状態に相当し、エンジン潤滑ポンプ60が第2の油圧ポンプに相当する。
スタータスイッチ160が指示部に相当し、油圧センサ10が検出器に相当し、コントローラ14が制御部に相当し、自動二輪車が車両に相当し、後輪133が駆動輪に相当する。
本発明は、自動二輪車、四輪自動車等のエンジンを備える種々の車両および船舶等に利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るエンジンの油圧式バルブ駆動装置の全体構成を示した概略図である。 図1のエンジンの油圧式バルブ駆動装置を詳細に説明するための概略斜視図である。 図1のコントローラによるエンジンの油圧式バルブ駆動装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。 図1のエンジンの油圧式バルブ駆動装置のピストンおよびエンジンバルブの動作を説明するための図である。 エンジンの始動時におけるスタータモータ、クランクおよび油圧ポンプの回転速度の変化を示す図である。 第2の実施の形態に係るエンジンの油圧式バルブ駆動装置を詳細に説明するための概略斜視図である。 図6のエンジンの油圧式バルブ駆動装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。 図6の始動クラッチの状態、ならびにスタータモータ、クランクおよび油圧ポンプの回転速度の変化を示す図である。 第1および第2の実施の形態に係るエンジンを備えた自動二輪車の一例を示す側面図である。 図9のエンジンを上面側から見た模式的断面図である。
符号の説明
1 油圧ポンプ
2 スタータモータ
3,5,6 伝達機構
4 ピストン
8 エンジンバルブ
9 油圧コントロールバルブ
10 油圧センサ
11 バルブアクチュエータ
14 コントローラ
33a,55a,63a ワンウェイクラッチ
71 始動クラッチ
60 エンジン潤滑ポンプ
100 エンジン
160 スタータスイッチ
A1,B1 伝達経路

Claims (8)

  1. クランクを有するエンジンのバルブを駆動する油圧式バルブ駆動装置であって、
    前記バルブを駆動する油圧式バルブアクチュエータと、
    前記バルブアクチュエータのための油圧を発生する第1の油圧ポンプと、
    前記クランクおよび前記第1の油圧ポンプを駆動するための回転力を発生するモータと、
    前記モータの回転力を前記クランクを経由せずに前記第1の油圧ポンプに伝達する第1の伝達機構と、
    前記モータの回転力を前記クランクに伝達する第2の伝達機構と、
    前記クランクの回転力を前記第1の油圧ポンプに伝達する第3の伝達機構とを備え、
    前記モータの回転力が前記第1の伝達機構により前記第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比は、前記モータの回転力が前記第2および第3の伝達機構により前記第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比よりも小さいことを特徴とする油圧式バルブ駆動装置。
  2. 前記第1の伝達機構は、
    前記モータから前記第1の油圧ポンプへ回転力を伝達するとともに前記第1の油圧ポンプから前記モータへは回転力を伝達しない第1のワンウェイクラッチを含み、
    前記第2の伝達機構は、
    前記モータから前記クランクへ回転力を伝達するとともに前記クランクから前記モータへは回転力を伝達しない第2のワンウェイクラッチを含み、
    前記第3の伝達機構は、
    前記クランクから前記第1の油圧ポンプへ回転力を伝達するとともに前記第1の油圧ポンプから前記クランクへは回転力を伝達しない第3のワンウェイクラッチを含むことを特徴とする請求項1記載の油圧式バルブ駆動装置。
  3. 前記第2の伝達機構は、前記モータと前記クランクとの間で回転力が伝達される第1の状態と前記モータと前記クランクとの間で回転力が伝達されない第2の状態とに切換可能な断続機を含むことを特徴とする請求項1または2記載の油圧式バルブ駆動装置。
  4. 前記クランクの回転力により駆動され、前記エンジンに潤滑油を供給する第2の油圧ポンプをさらに備え、
    前記断続機は、前記第2の油圧ポンプにより発生される油圧により前記第1の状態または前記第2の状態に切り替えられることを特徴とする請求項3記載の油圧式バルブ駆動装置。
  5. シリンダと、
    前記シリンダ上に設けられ、バルブを有するシリンダヘッドと、
    前記シリンダに往復運動自在に収容されるピストンと、
    前記ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランクと、
    前記バルブを駆動する油圧式バルブ駆動装置とを備え、
    前記油圧式バルブ駆動装置は、
    前記バルブを駆動する油圧式バルブアクチュエータと、
    前記バルブアクチュエータのための油圧を発生する第1の油圧ポンプと、
    前記クランクおよび前記第1の油圧ポンプを駆動するための回転力を発生するモータと、
    前記モータの回転力を前記クランクを経由せずに前記第1の油圧ポンプに伝達する第1の伝達機構と、
    前記モータの回転力を前記クランクに伝達する第2の伝達機構と、
    前記クランクの回転力を前記第1の油圧ポンプに伝達する第3の伝達機構とを備え、
    前記モータの回転力が前記第1の伝達機構により前記第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比は、前記モータの回転力が前記第2および第3の伝達機構により前記第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比よりも小さいことを特徴とするエンジン。
  6. 前記モータの作動を指示する指示部と、
    前記第1の油圧ポンプにより発生される油圧を検出する検出器と、
    前記指示部による指示に応答して前記モータを作動させ、前記検出機により検出される油圧が予め定められた閾値に達したときに前記シリンダにおける燃料供給および点火の開始を指令する制御部とをさらに備えることを特徴とする請求項5記載のエンジン。
  7. 動力を発生するエンジンと、
    前記エンジンにより発生された動力により駆動される駆動輪とを備え、
    前記エンジンは、
    シリンダと、
    前記シリンダ上に設けられ、バルブを有するシリンダヘッドと、
    前記シリンダに往復運動自在に収容されるピストンと、
    前記ピストンの往復運動を回転運動に変換するクランクと、
    前記バルブを駆動する油圧式バルブ駆動装置とを備え、
    前記油圧式バルブ駆動装置は、
    前記バルブを駆動する油圧式バルブアクチュエータと、
    前記バルブアクチュエータのための油圧を発生する第1の油圧ポンプと、
    前記クランクおよび前記第1の油圧ポンプを駆動するための回転力を発生するモータと、
    前記モータの回転力を前記クランクを経由せずに前記第1の油圧ポンプに伝達する第1の伝達機構と、
    前記モータの回転力を前記クランクに伝達する第2の伝達機構と、
    前記クランクの回転力を前記第1の油圧ポンプに伝達する第3の伝達機構とを備え、
    前記モータの回転力が前記第1の伝達機構により前記第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比は、前記モータの回転力が前記第2および第3の伝達機構により前記第1の油圧ポンプに伝達される場合における減速比よりも小さいことを特徴とする車両。
  8. 前記エンジンの前記モータおよび前記第1の油圧ポンプは、前記車両の進行方向の中心線を基準としてそれぞれ一方側および他方側に配置されることを特徴とする請求項7記載の車両。
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