JP2015224591A - 内燃機関のクランク室内気圧制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の制動力を高めると共に、クランク室内の気圧を調整する構成を簡略化すること。【解決手段】内部にクランクシャフト(70)を収容し、密閉された空間を有するクランク室(22)を備えたクランクケース(2)と、クランク室の内部の気体をクランク室の外側に排出する排出装置(6)とを有する内燃機関のクランク室内気圧制御システム(8)であって、クランクケースは、内部にクランク室と連通するミッション室(23)と、クランク室とミッション室との連通状態を、開閉で切換える連通バルブ(25)とを備える構成とした。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関のクランク室内気圧制御システムに関し、特に、自動二輪車に用いられる内燃機関のクランク室内気圧制御システムに関する。
従来、車両の内燃機関において、クランクシャフトが収容されるクランク室内の気圧を適切に制御するクランク室内気圧制御システムが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1では、クランク室内のブローバイガスを排出する排出経路が、クランク室と吸気管との間に形成されている。この排出経路の途中には開閉バルブが設けられており、この開閉バルブの開度は、クランク室内の気圧に応じて調整される。これにより、クランク室内の気圧が過度に増大するのを防止することができる。
また、特許文献2では、エンジンオイルの循環に用いられるオイルポンプに開閉バルブが設けられている。この開閉バルブは、エンジンが過回転しているときに開かれて、クランク室が大気開放される。このため、エンジンのピストンに作用する抵抗力が増大し、エンジンブレーキ力が高められる。この結果、エンジンの回転状態を、過回転状態から通常の回転状態へと復帰させることができる。
特開2008−64071号公報 特開平05−5409号公報
しかしながら、特許文献1では、クランク室内のブローバイガスの排出経路が、クランク室と吸気管とを連通する配管によって構成されているため、クランク室内の気圧を調整する構成が複雑になっていた。また、特許文献2では、エンジンの過回転時にクランク室内の気圧を調整して、エンジンブレーキ力を高めることができるものの、減速時にエンジンブレーキ力を高めることについては考慮されていなかった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、減速時にエンジンブレーキ力(内燃機関の制動力)を高めると共に、クランク室内の気圧を調整する構成を簡略化することができる内燃機関のクランク室内気圧制御システムを提供することを目的とする。
本発明の内燃機関のクランク室内気圧制御システムは、内部にクランクシャフトを収容し、密閉された空間を有するクランク室を備えたクランクケースと、前記クランク室の内部の気体を前記クランク室の外側に排出する排出装置とを有する内燃機関のクランク室内気圧制御システムであって、前記クランクケースは、内部に前記クランク室と連通する連通室と、前記クランク室と前記連通室との連通状態を、開閉で切換える開閉機構とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、クランク室内の気体が外に排出されることで、クランク室内に負圧が生じる。そして、任意の条件で開閉機構が開かれることで、クランク室と連通室とが連通される。このとき、連通室からクランク室に向かって気体が流れ込み、クランク室内の気圧が高められる。この結果、ピストンのポンピングロスが一時的に増大され、エンジンブレーキの効率が高められる。また、クランクケース内に形成された連通室と開閉機構とでクランク室内の気圧を調整することができるため、上記背景技術(特許文献1)のようにブローバイガスを排出するための配管等を設ける必要がなくなる。よって、クランク室内の気圧を調整する構成を簡略化することができる。
また、本発明の上記内燃機関のクランク室内気圧制御システムにおいて、前記内燃機関は、車両に搭載されるエンジンであって、前記車両の状態に応じて前記開閉機構の開閉を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記車両の状態を基にして前記開閉機構の開閉を切換えることが好ましい。例えば、車両が加速状態の場合には、開閉機構を閉じてピストンのポンピングロスを低減させることができる。一方、車両が減速状態の場合には、開閉機構を開いてピストンのポンピングロスを増大させる。よって、必要に応じてエンジンブレーキを強く効かせることができる。
また、本発明の上記内燃機関のクランク室内気圧制御システムは、スロットル開度を検知するスロットル開度センサと、車両速度を検知する車速センサとを備え、前記制御部は、前記スロットル開度センサが検知する前記スロットル開度が全閉状態で、かつ前記車速センサが検知する前記車両速度が走行状態のときに、前記開閉機構を開くことが好ましい。この構成によれば、車両が通常走行状態又は加速状態のときには、開閉機構を閉じてピストンのポンピングロスを低減させることができる。一方、スロットル開度が全閉状態で、かつ車両速度が走行状態のときには、車両が減速状態にあると判断することができる。このとき、開閉機構を開くことで、ピストンのポンピングロスを増大させてエンジンブレーキを強く効かせることができる。
また、本発明の上記内燃機関のクランク室内気圧制御システムは、前記エンジンの回転数を検知する回転数センサと、車両速度を検知する車速センサとを備え、前記制御部は、前記回転数センサが検知する回転数が減少しており、かつ前記車速センサが検知する前記車両速度が走行状態のときに、前記開閉機構を開くことが好ましい。この構成によれば、車両が通常走行状態又は加速状態のときには、開閉機構を閉じてピストンのポンピングロスを低減させることができる。一方、エンジンの回転数が減少しており、かつ車両速度が走行状態のときには、車両が減速状態にあると判断することができる。このとき、開閉機構を開くことで、ピストンのポンピングロスを増大させてエンジンブレーキを強く効かせることができる。
また、本発明の上記内燃機関のクランク室内気圧制御システムは、前記車両の変速機のギヤポジションを検知可能なギヤポジションセンサを備え、前記制御部は、前記ギヤポジションセンサが検知する前記ギヤポジションがニュートラルのときに、前記開閉機構を閉じることが好ましい。この構成によれば、変速機のギヤポジションがニュートラルのときには、エンジンブレーキが不要なため、開閉機構を閉じてアイドル時のポンピングロスを低減させることができる。
また、本発明の上記内燃機関のクランク室内気圧制御システムは、前記車両のクラッチの係脱状態を検知可能なクラッチセンサを備え、前記クラッチセンサが前記クラッチの脱離状態を検知したときに、前記制御部は、前記開閉機構を閉じることが好ましい。この構成によれば、クラッチが脱離状態のときには、エンジンブレーキが不要なため、開閉機構を閉じてアイドル時のポンピングロスを低減させることができる。
また、本発明の上記内燃機関のクランク室内気圧制御システムにおいて、前記クランクケースは、内部に変速機を収容するミッション室を備え、前記連通室は、前記ミッション室で構成されることが好ましい。この場合、クランク室とミッション室とは隣接するため、クランク室とミッション室とを連通する通路を短縮化することができる。このため、クランクケースの構造を簡素化することができる。
本発明の内燃機関のクランク室内気圧制御システムによれば、クランクケースに形成されたクランク室と連通室との連通状態を開閉機構の開閉で切換えることにより、内燃機関の制動力を高めると共に、クランク室内の気圧を調整する構成を簡略化することができる。
本実施の形態に係る内燃機関の右側面図である。 本実施の形態に係る内燃機関の断面図である。 本実施の形態に係る内燃機関のクランク室内気圧制御システムを示すブロック図である。 本実施の形態に係るクランクケース内の開閉機構の開閉状態を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係る内燃機関のクランク室内気圧制御システムについて詳細に説明する。なお、本実施の形態に係る内燃機関のクランク室内気圧制御システムは、以下に示す構成に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。本実施の形態に係る内燃機関のクランク室内気圧制御システムは、例えば、自動二輪車のエンジンに適用される。また、本実施の形態に係る内燃機関のクランク室内気圧制御システムは、内燃機関のクランク室内の気圧を制御するものであればどのような車両に適用されてもよい。例えば、他のタイプの自動二輪車用エンジンや、バギータイプの自動三輪車又は自動四輪車用エンジンにも適用可能である。
先ず、図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る内燃機関の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る内燃機関の右側面図である。図2は、本実施の形態に係る内燃機関の断面図である。なお、本実施の形態では、車両前方を矢印FR、車両後方を矢印REでそれぞれ示す。
図1に示すように、本実施の形態に係る内燃機関としてのエンジン1は、クランクケース2を備えている。クランクケース2の上方には、シリンダ4が配置され、シリンダ4には、シリンダヘッド41及びヘッドカバー44が取り付けられている。クランクケース2の右側面(紙面手前)には、クラッチカバー21が取り付けられている。また、クランクケース2の下方には、オイルパン3が取り付けられている。
図2に示すように、クランクケース2の内部には、クランク室22とミッション室23とが前後に並んで形成されている。クランク室22及びミッション室23は、仕切壁24によって仕切られて、それぞれ密閉された空間を有している。仕切壁24の一部は、開閉されることでクランク室22とミッション室23との連通状態を切換える連通バルブ25(開閉機構)を構成する。連通バルブ25は、プレート状に形成され、一端を支点に揺動可能に構成されている。
詳細は後述するが、連通バルブ25は、ECU86(図3参照)によって開閉が切換えられる。例えば、車両が通常走行中又は加速中のときには、連通バルブ25が閉じてクランク室22が密閉され、車両が減速中のときには、連通バルブ25が開かれてクランク室22とミッション室23とが連通される。このように、クランク室22に隣接するミッション室23が、連通バルブ25を介してクランク室22に連通される構成としたため、クランク室22とミッション室23とを連通する通路を短縮化することができる。このため、クランクケース2の構造を簡素化することができる。
さらに連通バルブ25は、ECU86による開弁制御がないときでも開弁方向に動作可能なワンウェイ構造とし、クランク室22の内圧がミッション室23に較べて高圧の状態において、連通バルブ25は制御のない状態でも開弁することが好ましい。このような構造にすることで、例えば、排出装置6の作動が不十分な場合でも、クランク室22内の高圧の気体をミッション室23側に逃がすことができる。
車両前方のクランク室22には、回転軸が車幅方向に対して平行に配置されるようにクランクシャフト70が収容されている。クランクシャフト70は、軸受(不図示)を介してクランクケース2に回転可能に軸支されている。クランクシャフト70の後方には、クラッチカバー21(図2において不図示(図1参照))の内側に、クランクシャフト70の回転力の断続を制御するクラッチ(不図示)が収納される。
車両後方のミッション室23には、変速機5が収容されている。変速機5は、クラッチから回転力を受け取るメインシャフト51と、後輪へ駆動力を伝えるドライブシャフト52とを備えている。メインシャフト51及びドライブシャフト52には、複数のギヤが配列されており、各ギヤの組み合わせによって、車速や走行状態に応じて変速が可能になっている。
また、クランクケース2において、クランク室22の下方には、ポンプ室26が形成されている。ポンプ室26の下方には、クランクケース2とオイルパン3とによってオイルパン室31が形成されている。ポンプ室26は、クランク室22に連通されると共に、オイルパン室31とも連通される。ポンプ室26には、クランク室22内の気体(ブローバイガス)を外側(オイルパン室31側)に排出する排出装置6が収容されている。
排出装置6は、クランクシャフト70の回転力を駆動源として作動し、例えば、アウターロータ61とインナーロータ62とを噛み合わせたギヤポンプで構成される。また、排出装置6は、エンジン1内の各部へエンジンオイルを圧送するオイルポンプと同軸に設けられる。
シリンダ4の内側の筒状空間には、ピストン71がシリンダ4の軸線方向(上下方向)に往復可能に収容されている。ピストン71とクランクシャフト70とは、ピストン71の往復運動がクランクシャフト70の回転運動に変換されるようにコンロッド72を介して連結されている。
シリンダヘッド41の内側には、ピストン71の上面、シリンダ4の内壁面及びシリンダヘッド41の下面によって規定される燃焼室が形成されている。シリンダヘッド41の側面には、この燃焼室内に空気を送り込む吸気ポート42と、燃焼室外に燃焼ガスを排出する排気ポート43とが設けられている。これらの吸気ポート42及び排気ポート43には、それぞれ吸気バルブ73及び排気バルブ74が設けられている。シリンダヘッド41の下面には点火プラグ(不図示)が突出するように配置されており、燃焼室内の混合気を電気放電により着火可能になっている。
なお、エンジン1の吸排気機構には、カムシャフト75によって吸気バルブ73及び排気バルブ74を開閉するOHC(Overhead Camshaft)形式が利用される。カムシャフト75は、吸気バルブ73及び排気バルブ74の開閉タイミングに応じた形状のカムを備える。カムシャフト75の一端側は、スプロケット、カムチェーン等の動力伝達機構(不図示)を介してクランクシャフト70に連結されている。
また、吸排気機構は、カムシャフト75の前後にそれぞれ、排気ロッカーアーム76と吸気ロッカーアーム77とを備えている。クランクシャフト70の回転力がカムシャフト75に伝達され、カムシャフト75が回転されることで、カムを介して各ロッカーアーム76、77が駆動される。これにより、吸気バルブ73及び排気バルブ74が適時に開閉される。
4ストロークで動作するエンジン1においては、ピストン71が下降する際に吸気バルブ73が開き、吸気ポート42を通じて混合気が燃焼室に送り込まれる(吸気行程)。その後、吸気バルブ73が閉じ、ピストン71が上昇して混合気を圧縮する(圧縮行程)。ピストン71が上死点に到達すると、点火プラグによって点火されて圧縮された混合気が燃焼する(燃焼行程)。混合気の燃焼によって燃焼室内の圧力が増大するとピストン71が下降する。ピストン71の下降運動は、コンロッド72を介してクランクシャフト70に伝達され、クランクシャフト70が回転する。その後、ピストン71が下死点まで下降して慣性によって再度上昇に転じる際に、排気バルブ74が開いて排気ポート43から燃焼ガスが排出される(排気行程)。
次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態に係る内燃機関のクランク室内気圧制御システムについて説明する。図3は、本実施の形態に係る内燃機関のクランク室内気圧制御システムを示すブロック図である。
図2及び図3に示すように、本実施の形態に係るエンジン1のクランク室内気圧制御システム8は、車両の走行状態に応じて連通バルブ25の開閉を切換えるように構成されている。これにより、クランク室22とミッション室23(連通室)との連通状態が切換えられ、クランク室22内の気圧を調整することができる。この結果、必要に応じてピストン71のポンピングロスを増大させることができ、エンジンブレーキの効率を高めることができる。
クランク室内気圧制御システム8は、スロットル開度センサ81、車速センサ82、回転数センサ83、ギヤポジションセンサ84、クラッチセンサ85、及びECU86(Engine Control Unit)を備えている。スロットル開度センサ81は、スロットル開度を検知する。車速センサ82は、車両速度を検知する。回転数センサ83は、エンジン1の回転数を検知する。ギヤポジションセンサ84は、変速機5のギヤポジションを検知する。クラッチセンサ85は、クラッチ(不図示)の係脱状態を検知する。これらの各センサで検知された信号は、本実施の形態に係る制御部を構成するECU86に入力される。
エンジン1を統括制御するECU86は、エンジン1内の各種処理を実行するプロセッサやメモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体で構成される。ECU86は、上述した各種センサから入力された信号を基に車両の状態を判断し、連通バルブ25の開閉の切換えを制御する。
次に、図3及び図4を参照して、連通バルブの開閉状態及び、連通バルブの開閉制御について説明する。図4は、本実施の形態に係るクランクケース内の連通バルブの開閉状態を示す図である。図4Aは連通バルブが閉じられた状態を示し、図4Bは連通バルブが開かれた状態を示す。なお、図4においては、エンジン1が作動している状態、すなわち、クランクシャフト70が回転している状態を示している。
先ず、連通バルブ25の開閉状態について説明する。図4Aに示すように、例えば、車両が通常走行中、連通バルブ25は、クランクケース2の仕切壁24に沿って閉じられており、クランク室22内は密閉されている。クランクシャフト70の回転に応じて排出装置6が駆動されると、クランク室22内の気体(ブローバイガス)は、排出装置6によって外側(オイルパン室31側)に排出される。これにより、クランク室22内の気圧は負圧になり、ピストン71のポンピングロスが低減される。この結果、エンジン1内のエネルギーロスが抑えられ、車両の燃費が向上される。
連通バルブ25が閉じられた状態では、クランク室22内が負圧であるのに対し、ミッション室23内は大気圧で落ち着いている。よって、クランク室22内とミッション室23内とでは、気圧差が生じている。この状態から、図4Bに示すように、連通バルブ25が開かれると、クランク室22とミッション室23(連通室)とが連通される。よって、ミッション室23内の気体は、上述した気圧差によって、連通バルブ25を通じてクランク室22内に流れ込む。この結果、クランク室22内の気圧が負圧から大気圧まで高められる。このように、クランク室22を大気開放し、クランク室22内の気圧を相対的に高めることで、ピストン71のポンピングロスを増大させることができる。よって、エンジンブレーキを強く効かせることができる。
次に、連通バルブ25の開閉制御について説明する。図3及び図4に示すように、ECU86は、スロットル開度センサ81及び車速センサ82から入力される信号に基づいて、車両の状態を判断する。例えば、スロットル開度センサ81が検知するスロットル開度が全閉状態で、かつ車速センサ82が検知する車両速度が走行状態であれば、乗員に加速する意思がないものとして、ECU86は、車両が減速状態にあると判断する。この場合、ECU86は、連通バルブ25を開き、クランク室22とミッション室23とを連通させてクランク室22を大気開放する。この結果、ピストン71のポンピングロスが増大され、一時的にエンジンブレーキ力を高めることができる。よって、減速の効率が向上される。
なお、連通バルブ25は、開かれて一定時間経過した後に閉じられることが好ましい。一方、スロットル開度センサ81が検知するスロットル開度が全閉状態でなければ、ECU86は、車両が通常走行状態又は加速状態にあると判断する。この場合、ECU86は、連通バルブ25を開くことなく閉じたままとなる。これにより、クランク室22が密閉された状態で排出装置6によってクランク室22内の気体が外側に排出され、ポンピングロスが低減される。
このように、減速したいときに効率よくエンジンブレーキ力を高めることで、リヤブレーキを用いることなく、車両を減速させることができる。例えば、コーナリングの際に、リヤブレーキが設けられた側に車両をバンクさせながら減速する場合、リヤブレーキの操作が非常に困難である。また、リヤブレーキの操作に依存すると乗員の技量によって旋回力に差が生じる。本実施の形態では、上記の様にリヤブレーキを操作し難い場合にエンジンブレーキを強く効かせることで、旋回力が高められ、操作性が向上される。
また、車両の状態を判断する方法として、以下の方法がある。ECU86は、エンジン1の回転数を検知する回転数センサ83及び車速センサ82から入力される信号に基づいて、車両の状態を判断することが可能である。例えば、回転数センサ83が検知するエンジン1の回転数が減少しており、かつ車速センサ82が検知する車両速度が走行状態であれば、ECU86は、車両が減速状態にあると判断する。このとき、ECU86は、連通バルブ25を開く。一方、エンジン1の回転数が増加している場合、ECU86は、車両が通常走行状態又は加速状態にあると判断する。このとき、ECU86は、連通バルブ25を閉じる。
また、ECU86は、ギヤポジションセンサ84から入力される信号に基づいて、車両の状態を判断することもできる。例えば、ギヤポジションセンサ84が検知するギヤポジションがニュートラルの場合、ECU86は、エンジンブレーキが不要と判断する。このとき、ECU86は、連通バルブ25を閉じて排出装置6を作動させる。このため、アイドル時のポンピングロスを低減させることができ、燃費が向上される。クラッチセンサ85から入力される信号においても同様で、クラッチセンサ85がクラッチの脱離状態を検出した場合、ECU86は、エンジンブレーキが不要と判断する。そして、上述したように、ECU86は、連通バルブ25を閉じる。
以上のように、本実施の形態に係るエンジン1のクランク室内気圧制御システム8によれば、車両の状態に応じて、連通バルブ25の開閉や排出装置6のオンオフを制御することで、クランク室22内の気圧を調整することができる。この結果、ピストン71のポンピングロスを調整することができる。車両が通常走行状態又は加速状態にあれば、クランク室22を負圧にしてポンピングロスを低減させる。これにより、ピストンが下がり易くなり、エンジン1の燃費が向上する。一方、車両が減速状態にあれば、クランク室22を大気開放してポンピングロスを増大させる。これにより、エンジンブレーキを強く効かせることでき、減速の効率が高められる。また、クランクケース2内に形成されたミッション室23及び連通バルブ25と、排出装置6とでクランク室22内の気圧を調整することができるため、ブローバイガスを排出するための配管等を設ける必要がなくなる。例えば、クランク室22とエンジン1の吸気管(不図示)とを配管で連通させて、クランク室22内のブローバイガスを吸気管側に排出する構成に比べて、クランク室22内の気圧を調整する構成を簡略化することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、車両が減速状態であって連通バルブ25を開く際に、ECU86は排出装置6を停止させることが好ましい。この場合、クランク室22内の気体排出が停止されるため、クランク室22内の高圧気体を開放する際の応答性が向上する。この結果、より素早くエンジンブレーキを効かせることができる。一方、車両が通常走行状態又は加速状態で連通バルブ25が閉じられている状態となったときに、ECU86は排出装置6を作動させることが好ましい。
例えば、上記実施の形態においては、開閉機構を連通バルブ25で構成し、連通バルブ25の開閉でクランク室22とミッション室23の連通状態を切換える構成としたが、この構成に限定されない。開閉機構は、クランク室22を開閉する構成であれば、どのように構成されてもよい。
また、上記実施の形態において、連通室をミッション室23で構成したが、この構成に限定されない。連通室は、ミッション室23ではなく、クランクケース2内の別の空間、例えば、マグネト室や、クランク室と隔離形成されたバランサシャフト格納空間等で構成されてもよい。
また、上記実施の形態において、スロットル開度センサ81で、スロットル開度を検知する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、エンジン1の吸気管内の圧力を吸気圧センサで検知し、その圧力値を基にして、スロットル開度を推定してもよい。
また、上記実施の形態においては、排出装置6をギヤポンプで構成したが、この構成に限定されない。排出装置6は、例えば、クランク室22内の気圧が所定圧力に達した時にクランク室22内の気体を外側に排出する一方弁で構成されてもよい。
また、上記実施の形態において、連通バルブ25の開閉がECU86によって自動制御される構成としたが、この構成に限定されない。連通バルブ25は、機械的に開閉されてもよく、乗員の任意の操作によって開閉されてもよい。例えば、乗員のブレーキ操作に連動して、連通バルブ25が開閉されてもよい。
以上説明したように、本発明は、内燃機関の制動力を高めると共に、クランク室内の気圧を調整する構成を簡略化することができるという効果を有し、特に、自動二輪車に用いられる内燃機関のクランク室内気圧制御システムに有用である。
2 クランクケース
22 クランク室
23 ミッション室(連通室)
25 連通バルブ(開閉機構)
5 変速機
6 排出装置
70 クランクシャフト
8 クランク室内気圧制御システム
81 スロットル開度センサ
82 車速センサ
83 回転数センサ
84 ギヤポジションセンサ
85 クラッチセンサ
86 ECU(制御部)

Claims (7)

  1. 内部にクランクシャフトを収容し、密閉された空間を有するクランク室を備えたクランクケースと、前記クランク室の内部の気体を前記クランク室の外側に排出する排出装置とを有する内燃機関のクランク室内気圧制御システムであって、
    前記クランクケースは、内部に前記クランク室と連通する連通室と、前記クランク室と前記連通室との連通状態を、開閉で切換える開閉機構とを備えることを特徴とする内燃機関のクランク室内気圧制御システム。
  2. 前記内燃機関は、車両に搭載されるエンジンであって、
    前記車両の状態に応じて前記開閉機構の開閉を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記車両の状態を基にして前記開閉機構の開閉を切換えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のクランク室内気圧制御システム。
  3. スロットル開度を検知するスロットル開度センサと、車両速度を検知する車速センサとを備え、
    前記制御部は、前記スロットル開度センサが検知する前記スロットル開度が全閉状態で、かつ前記車速センサが検知する前記車両速度が走行状態のときに、前記開閉機構を開くことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のクランク室内気圧制御システム。
  4. 前記エンジンの回転数を検知する回転数センサと、車両速度を検知する車速センサとを備え、
    前記制御部は、前記回転数センサが検知する回転数が減少しており、かつ前記車速センサが検知する前記車両速度が走行状態のときに、前記開閉機構を開くことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のクランク室内気圧制御システム。
  5. 前記車両の変速機のギヤポジションを検知可能なギヤポジションセンサを備え、
    前記制御部は、前記ギヤポジションセンサが検知する前記ギヤポジションがニュートラルのときに、前記開閉機構を閉じることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の内燃機関のクランク室内気圧制御システム。
  6. 前記車両のクラッチの係脱状態を検知可能なクラッチセンサを備え、
    前記クラッチセンサが前記クラッチの脱離状態を検知したときに、前記制御部は、前記開閉機構を閉じることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の内燃機関のクランク室内気圧制御システム。
  7. 前記クランクケースは、内部に変速機を収容するミッション室を備え、
    前記連通室は、前記ミッション室で構成されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の内燃機関のクランク室内気圧制御システム。
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