JP4544558B2 - 成型品取出方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、チャック部を成形機の軸線方向へ移動して成型品の製品部とランナ部とを分離して取り出す成型品取出方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
金型内で分離切断された成型品の製品部とランナ部とを異なる解放位置に夫々取り出す成型品取出機にあっては、成形機の軸線直交方向(左右方向)に延出する走行フレームに移動するように支持された走行体に成形機の軸線方向へ延出する前後フレームを一体に設け、該前後フレームに成型品の製品取出し用の第1前後走行体及びランナ取出し用の第2前後走行体を夫々前後方向へ移動可能に支持し、第1前後走行体に、下部に製品保持用の第1チャック部が取り付けられた第1上下フレームを、また前記第2前後走行体に、下部にランナ保持用の第2チャック部が取り付けられた第2上下フレームを夫々上下方向へ移動可能に設けた構造からなる。
【0003】
上記成型品取出機にあっては、第1チャック部に製品部を、また第2チャック部にランナ部を保持した状態で、走行体を成形機の正面側(または背面側)に設定された、例えばランナ解放位置に移動した際に第2上下フレームを下降制御して第2チャック部によるランナ部の保持を解除してランナ部を取り出した後、更に走行体を移動して第2解放位置へ位置させた後に第1上下フレームを下降制御して第1チャック部による製品部の保持を解除して製品部を取り出している。
【0004】
そして製品部を保持した第1チャック部及びランナ部を保持した第2チャック部を夫々の解放位置に対して高い位置精度で移動制御するため、第1及び第2前後走行体と第1及び第2上下フレームを移動する駆動部材としてACまたはDCのサーボモータを採用し、夫々のサーボモータに設けられた位置検出部材からの位置検出信号に基づいて数値制御している。
【0005】
しかし、成型品の製品部及びランナ部を成形機の正面側(または背面側)に取り出す形式の成型品取出機は、解放位置に製品用及びランナ用の搬出コンベヤーや搬出シューターまたは製品部については自動箱詰め装置等の搬出装置を配置する必要から成形機相互間の間隔を広くしなければならず、多数の成形機を効率的に配置できなかった。
【0006】
この欠点を解決するため、成型品の製品部及びランナ部の解放位置を射出装置と反対側の成形機側端部外に設定し、第1及び第2上下フレームが設けられた第1及び第2走行体を軸線方向へ長い距離で移動して取り出す成型品取出機が開発されているが、この成型品取出機にあっては、成形機の軸線相互間隔を狭く設定できるが、反対に成形機の軸線方向端部間に2種類の搬出装置を設置する必要から間隔を広く設定しなければならず、多数の成形機を効率的に配列するのに有効でなかった。
【0007】
また、上記した成型品取出し態様にあっては、チャック部を移動制御するサーボモータ駆動制御装置を収容したサーボドライバーボックスを走行フレームの解放位置側に取り付けることが困難なため、走行フレームの射出装置側に取り付けたり、成形機相互間の床面に設置する必要がある。
【0008】
しかし、走行フレームの射出装置側端部にサーボドライバーボックスを取り付ける場合には、射出装置からの熱により駆動制御装置における部品の特性が低下したり、劣化して制御装置自体の耐久性が悪くなる問題を有している。
【0009】
一方、並列配置された成形機相互間の床面にサーボドライバーボックスを設置する場合には、該サーボドライバーボックスからサーボモータまでの距離が長くなって電源ケーブル、制御信号ケーブルが長くなることが避けられなかった。
【0010】
この場合にあっては、特に制御信号ケーブルに対しては内部ノイズ(サーボドライバーボックス内に設けられたスイッチや電磁ソレノイドの継断に伴って発生するノイズ)や外部ノイズ(成形機に設けられたスイッチや電磁ソレノイドの継断に伴って発生するノイズ)が乗ってIC素子を誤動作させることにより成型品の取出し不良を発生させる問題を有している。
【0011】
本発明は、上記した従来の欠点を解決するために発明されたものであり、その課題とする処は、成形工場のスペースの有効活用を図りながら成型品の製品部とランナ部とを効率的に分離取出しすることができる成型品取出方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の課題は、サーボドライバーボックスに収容される駆動制御装置の耐久性及び信頼性を向上すると共にノイズの影響を低減して取出し不良を防止することができる成型品取出方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、成形機の軸線と平行して長手方向のほぼ全体に延出し、基台部が成形機の固定金型取付盤上部に固定される走行フレーム上にて第1及び第2サーボモータの駆動に伴って成形機の軸線方向へ往復移動可能に支持される第1及び第2走行体の夫々に、下部に製品チャック部及びランナチャック部が設けられた第1及び第2上下フレームを第3及び第4サーボモータの駆動に伴って夫々上下方向へ移動すると共に第1走行体に第1及び第3サーボモータを数値駆動制御するサーボドライバーを収容する第1サーボドライバーボックスを、また第2走行体に第2及び第4サーボモータを数値駆動制御するサーボドライバーを収容する第2サーボドライバーボックスを夫々取り付けた成型品取出機において、
成形機の成型終了に伴って第3及び第4サーボモータを駆動制御して第1及び第2上下フレームを下降して型開した金型間に製品チャック部及びランナチャック部を進入させて製品チャック部に成型品の製品部を、またランナチャック部に成型品のランナ部を夫々保持させる、
次に第3及び第4サーボモータを逆転駆動制御して第1及び第2上下フレームを上昇して金型間から製品部を保持した製品チャック部及びランナ部を保持したランナチャック部を離脱させる、
第1サーボモータを駆動制御して第1走行体を射出装置と反対側の走行フレーム端部に設定された製品解放位置に移動して製品取出しを行なうと共に第2サーボモータを駆動制御して第2走行体を射出装置側に設定されたランナ解放位置に移動してランナ取出しを行なうことを特徴とする。
【0014】
また請求項2は、成形機の軸線と平行して長手方向のほぼ全体に延出し、基台部が成形機の固定金型取付盤上部に固定される走行フレーム上にて第1及び第2サーボモータの駆動に伴って成形機の軸線方向へ往復移動可能に支持される第1及び第2走行体の夫々に設けられた第1及び第2左右レール上を、第5及び第6サーボモータの駆動に伴って上記軸線と直交する方向へ夫々移動する第1及び第2左右走行体に第3及び第4サーボモータの駆動に伴って上下方向へ移動可能に支持された第1及び第2上下フレームの夫々に製品チャック部及びランナチャック部を夫々取り付けると共に第1走行体に第1・第3・第5サーボモータを数値駆動制御するサーボドライバーを収容する第1サーボドライバーボックスを、また第2走行体に第2・第4・第6サーボモータを数値駆動制御するサーボドライバーを収容する第2サーボドライバーボックスを夫々取り付けた成型品取出機において、成形機の成型終了に伴って第3及び第4サーボモータを駆動制御して第1及び第2上下フレームを下降して型開した金型間に製品チャック部及びランナチャック部を進入させて製品チャック部に成型品の製品部を、またランナチャック部に成型品のランナ部を夫々保持させる、次に第3及び第4サーボモータを逆転駆動制御して第1及び第2上下フレームを上昇して金型間から製品部を保持した製品チャック部及びランナ部を保持したランナチャック部を離脱させる、第1サーボモータを駆動制御して第1走行体を射出装置と反対側の走行フレーム端部に設定された製品解放位置に移動した後に第3及び第5サーボモータの少なくとも何れかを駆動制御して製品チャック部を所定の位置へ移動して製品取出しを行なうと共に第2サーボモータを駆動制御して第2走行体を射出装置側に設定されたランナ解放位置に移動した後に第4及び第6サーボモータの少なくとも何れかを駆動制御して所定の位置へ移動してランナ取出しを行なうことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を図に従って説明する。
実施形態1
図1〜図4において、成型品取出機1の走行フレーム3は成形機5の軸線と平行し、射出装置8と反対側の成形機5の側端部外に至る長さからなり、その基台は成形機5の固定側取付盤7の上部に固定されると共に走行フレーム3の解放位置側が可動側取付盤6に夫々固定される。
【0016】
走行フレーム3上には第1及び第2走行体9・11が成形機5の軸線方向(以下、前後方向とする。)へ往復移動するように支持され、各第1及び第2走行体9・11は数値制御されるAC若しくはDCの第1及び第2サーボモータ13・15により夫々往復駆動される。
【0017】
そして、各第1及び第2サーボモータ13・15にはロータリーエンコーダ等の位置検出部材17・19(図4に示す)が夫々設けられ、各位置検出部材17・19からの位置検出信号により第1及び第2走行体9・11を閉ループにて数値制御させる。
【0018】
第1及び第2サーボモータ13・15による第1及び第2走行体9・11の前後駆動機構としては、走行フレーム3の長手方向に取り付けられたラックギャに、各第1及び第2走行体9・11に搭載された第1及び第2サーボモータ13・15の各回転軸に設けられたピニオンギャを噛み合わせたピニオン・ラック駆動機構、走行フレーム3の長手方向と一致する軸線を有して走行フレーム3に回転可能に支持された夫々の送りねじに、各第1及び第2走行体9・11に夫々設けられたナットを夫々噛み合わせた送りねじ駆動機構、走行フレーム3の長手方向両端部に軸支されたプーリに、一部が各第1及び第2走行体9・11に固定された夫々のベルトを張設し、一方のプーリに連結された第1及び第2サーボモータ13・15の駆動により夫々のベルトを走行させるベルト駆動機構の何れであってもよい。
【0019】
なお、第1及び第2サーボモータ13・15としては走行フレーム3の上面に多数の極歯が形成された永久磁石(若しくは電磁石)を取り付けると共に各第1及び第2走行体9・11に、走行フレーム3の永久磁石(若しくは電磁石)に相対して多数の極歯を有する電磁石(若しくは永久磁石)を取り付けたリニアサーボモータであってもよい。
【0020】
各第1及び第2走行体9・11には後述する製品チャック部21及びランナチャック部23の上下ストロークとほぼ一致する上下長さの第1及び第2上下フレーム25・27が、金型の中心部に位置した状態で夫々昇降可能に支持される。
各第1及び第2上下フレーム25・27は数値制御されるAC若しくはDCの第3及び第4サーボモータ29・31により夫々上下駆動される。
【0021】
そして各第3及び第4サーボモータ29・31には、例えばロータリーエンコーダ等の位置検出部材33・35が夫々取り付けられ、該位置検出部材33・35からの位置検出信号により夫々の第3及び第4サーボモータ29・31を閉ループにて数値駆動制御させる。
【0022】
各第1及び第2上下フレーム25・27の上下駆動機構としては、上記したピニオン・ラック駆動機構、送りねじ駆動機構、ベルト駆動機構の何れであってもよい。また、第3及び第4サーボモータ29・31としては上記と同様のリニアサーボモータであってもよいが、非駆動時に各第1及び第2上下フレーム25・27の重量を夫々受承する必要から、例えば各第1及び第2上下フレーム25・27の重量に見合う圧力で制御されるシリンダーや各第1及び第2上下フレーム25・27に見合う重量のカウンターバランス(何れも図示せず)を設けて夫々の第1及び第2上下フレーム25・27をほぼ無負荷状態で昇降させた機構にする必要がある。
【0023】
なお、上記した位置検出部材33・35としては上記したロータリーエンコーダの他に、多数のスリットが等間隔に形成されたタイミングフェンスと、該タイミングフェンスを挟んで相対配置される発光部材及び受光部材からなる光学的位置検出部材であってもよい。
【0024】
第1上下フレーム25の下部には製品チャック部21が、また第2上下フレーム27の下部にはランナチャック部23が、必要に応じて反転駆動部材37・39が夫々取り付けられている。
【0025】
製品チャック部21及びランナチャック部23は、チャック板の金型相対面(製品チャック部21にあっては可動金型、ランナチャック部23にあっては固定金型)に、製品部やランナ部をチャッキングする吸着部材、シリンダーや電動モータ等の保持部材(何れも図示せず)が夫々取り付けられた構造からなる。また、夫々の反転駆動装置37・39は夫々のチャック板を垂直位置と、保持部材が下方を向く水平位置との間で反転回動させるシリンダーとリンク機構または電動モータ等から構成される。
【0026】
各第1及び第2走行体9・11には夫々の位置検出部材17・33,19・35からの位置検出信号に基づいて対応する第1及び第3サーボモータ13・29、第2及び第4サーボモータ15・31を駆動制御する第1及び第2駆動制御装置41・43(図4に示す)を夫々収容する第1及び第2サーボドライバーボックス45・47が夫々搭載されている。
【0027】
そして各第1及び第2サーボドライバーボックス45・47内の第1及び第2駆動制御装置41・43は成形機5の正面側または背面側の床面に設置された主制御装置49と電気的に接続され、該主制御装置49には製品チャック部21及びランナチャック部23の移動条件(第1及び第2サーボモータ13・15、第3及び第4サーボモータ29・31の駆動条件)を設定するための設定装置51が取り付けられている。
【0028】
なお、各第1及び第2サーボドライバーボックス45・47内の第1及び第2駆動制御装置41・43と主制御装置49とを電気的に接続する電気ケーブル(図示せず)は第1及び第2走行体9・11の走行に伴って屈曲して電気ケーブルを案内するケーブルチェーン53・55内に収容されている。
【0029】
射出装置8と反対側の走行フレーム3側端部外には成型品の製品部を搬出するコンベヤーやシューター、コンテナー内に製品部を箱詰め集積する集積装置、また集積装置の収容容器を自動的に交換して搬出する自走謝等の製品搬出装置57(図はベルトコンベヤーを示す)が設けられている。
【0030】
また、射出装置8側の成形機5相互間にはランナ部を集積するコンテナー59が配置され、射出装置8の上方に設けられたシュータ−60を介してランナ部がコンテナー59内に投入される。
【0031】
次に、成型品取出機1による成型品の分離取出し方法を説明する。図5〜図7において、第1サーボモータ13及び第2サーボモータ15を夫々個別に駆動制御して第1走行体9を、製品チャック部21が型閉した金型の上方に、また第2走行体11をランナチャック部23が型閉した金型の上方に夫々位置する待機位置に移動させる。
【0032】
上記した待機状態にて成形機5から出力される成形終了信号により金型を型開動作させると共に型開動作終了時または型開動作と並行して第3及び第4サーボモータ29・31を夫々個別に駆動制御して第1上下フレーム25を、製品チャック部21が可動金型内に保持された成型品の製品部に、また第2上下フレーム27を、ランナチャック部23が固定金型内に保持された成型品のランナ部に夫々相対させる。
【0033】
なお、成型品は金型の型開動作によりゲート部にて製品部とランナ部とに分離切断され、その製品部を可動金型内に、またランナ部を固定金型内に保持させる。
【0034】
次に、上記状態にて第1サーボモータ13を駆動制御して第1走行体9を、製品チャック部21の保持部材が可動金型内の製品部に当接する位置へ前進させると共に第2サーボモータ15を駆動制御して第2走行体11をランナチャック部23の保持部材が固定金型に保持されたランナ部に当接する位置へ後退させた後、夫々の保持部材を作動して製品チャック部21に製品部を、またランナチャック部23にランナ部を夫々保持させる。
【0035】
次に、第1サーボモータ13を逆転駆動制御して第1走行体9を、製品チャック部21が可動金型内の製品部を抜き出す位置まで後退させると共に第2サーボモータ15を逆転駆動制御して第2走行体11を、ランナチャック部23が固定金型内のランナ部を抜き出す位置まで前進させた後、第1上下フレーム25及び第2上下フレーム27を夫々逆転駆動制御して製品チャック部21及びランナチャック部23を上記した待機位置へ戻す。
【0036】
次に、第1サーボモータ13を駆動制御して製品部を保持した製品チャック部21を、射出装置8と反対側の成形機5側端部に設定された製品解放位置へ前進移動させると共に第2サーボモータ15を駆動制御してランナ部を保持したランナチャック部23を、射出装置8側のランナ解放位置へ後退移動させた後、製品部解放位置にて第3サーボモータ29を駆動制御すると共に、必要に応じて反転駆動装置37を作動制御して製品チャック部21を製品搬出装置57上に位置させた後に保持部材による製品部の保持を解除して製品搬出装置57に製品部を取り出す。
【0037】
また、上記した製品部の取出し動作と並行して第4サーボモータ31を駆動制御すると共に必要に応じて反転駆動部材39を作動制御してランナチャック部23をランナ搬出手段59上に位置させた後、保持部材によるランナ部の保持を解除してランナ搬出手段59上にランナ部を取り出し、成型品の製品部及びランナ部の分離取出しを終了する。
【0038】
上記成型品の製品部及びランナ部の分離取出し時において第1及び第3サーボモータ13・29の第1駆動制御装置41を収容した第1サーボドライバーボックス45が第1走行体9に、また第2及び第4サーボモータ15・31の第2駆動制御装置43を収容した第2サーボドライバーボックス47が第2走行体11に夫々搭載されて一体に移動するため、これら第1及び第2サーボドライバーボックス45・47に対して射出装置8からの熱が継続的に作用するのを回避し、該熱により第1及び第2駆動制御装置41・43を構成する部品の特性が低下したり、劣化するのを防止して耐久性及び信頼性を保つことができる。
【0039】
また、第1及び第2駆動制御装置41・43と第1及び第3サーボモータ13・29、第2及び第4サーボモータ15・31を結ぶ各電源ケーブルや位置検出部材17・33、19・35を結ぶ各制御信号ケーブルの長さを短くして内部ノイズや外部ノイズが影響するのを抑制し、ノイズによる成型品の取出し動作不良を防止することができる。
【0040】
本実施形態は、成型品の内、製品部については傷付きを防止して高品質に取り出す必要があり、その製品解放位置を成形機5の射出装置8と反対側の側端部に広く設定すると共にランナ部については特に傷付き防止して高品質に取り出す必要がないため、そのランナ解放位置を成形機5相互間の狭い箇所に設定することができ、多数の成形機5の効率的配置を確保しながら成型品の分離取出しを行うことができる。
【0041】
また、第1及び第2サーボドライバーボックス45・47に対して射出装置8からの熱が継続的に作用するのを回避して駆動制御装置41・43における部品の特性が低下したり、劣化するのを防止することができる。
【0042】
更に、第1駆動制御装置41と第1及び第3サーボモータ13・29及び位置検出部材17・33、第2駆動制御装置43と第2及び第4サーボモータ15・31及び位置検出部材19・35とを結ぶ制御信号線や電源線等の各種電気ケーブルの長さを短くすることができ、これら電気ケーブルに対するノイズの影響を低減して取出し誤動作を低減することができる。
【0043】
実施形態2を説明すると、図8及び図9に示すように、本実施形態の成型品取出機70における第1及び第2走行体9・11には成形機5の軸線と直交する方向(以下、左右方向とする。)に延出する第1及び第2左右フレーム71・73を一体に設け、各第1及び第2左右フレーム71・73に第1及び第2左右走行体75・77が左右方向へ移動可能に支持される。
【0044】
そして第1及び第2左右走行体75・77は数値制御されるACまたはDCの第5及び第6サーボモータ79・81により左右方向へ往復移動される。これら第5及び第6サーボモータ79・81にはロータリーエンコーダ等の位置検出部材(図示せず)が夫々設けられ、これら位置検出部材から出力される位置検出信号に基づいて第5及び第6サーボモータ79・81を数値制御させる。
【0045】
第1及び第2左右フレーム71・73に対して第1及び第2左右走行体75・77を左右方向へ移動する第5及び第6サーボモータ79・81の駆動機構としては、第1及び第2サーボモータ13・15及び第3及び第4サーボモータ29・31の駆動機構と同様のピニオン・ラック駆動機構、送りねじ駆動機構、ベルト駆動機構の何れであってもよい。
【0046】
また、第5及び第6サーボモータ79・81としては、第1及び第2サーボモータ13・15及び第3及び第4サーボモータ29・31と同様にリニアサーボモータであってもよい。更に、位置検出部材としては、上記したタイミングフェンスと発光部材及び受光部材とからなる光学的位置検出部材であってもよい。
【0047】
各第1及び第2左右走行体75・77には夫々の下部に製品チャック部21及びランナチャック部23が取り付けられた第1及び第2上下フレーム25・27が夫々昇降可能に支持され、これら第1及び第2上下フレーム25・27は上記した第3及び第4サーボモータ29・31により上下方向へ昇降駆動される。
【0048】
本実施形態にあっては、固定側取付盤7及び可動側取付盤6に対する走行フレーム3の固定位置を、成形機5の正面側または背面側に偏位させた位置に設定し、第1及び第2左右走行体75・77が図示する左方へ移動された際に金型の中心上方から正面側または背面側に偏位させると共に右方へ移動された際に金型の中心上方に位置するように設定される。
【0049】
また、ランナ部を保持したランナチャック部23はランナ解放位置側へ移動された際に射出装置8の中心軸線より正面側または背面側へずれた位置に位置される。
なお、他の構成は実施形態1と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
本実施形態は、金型内から成型品の製品部及びランナ部を取り出す際には、待機位置に移動した製品チャック部21及びランナチャック部23を、第5及び第6サーボモータ79・81の駆動制御により金型の中心上方へ移動させた後に第3及び第4サーボモータ29・31を駆動制御して金型間に進入させる。
【0051】
また、製品チャック部21に保持された製品部を製品解放位置にて解放させる際には該製品解放位置にて第1及び第3サーボモータ13・29及び第5サーボモータ79を夫々駆動制御して製品チャック部21を三次元方向へ移動させることにより、例えば多数の収容区画が形成されたコンテナー(図示せず)内に製品部を取出しサイクル内にて箱詰め取出しすることができる。
【0052】
上記した実施形態1及び2においては、ランナ解放位置を射出装置8の上方または上方より成形機5の正面側若しくは背面側へずれた位置に設定したが、走行フレーム3の射出装置8側端部を成形機5の側端部外に至る長さに設定して製品解放位置と同様に成形機5の軸線方向側端部外としてもよい。
【0053】
上記説明は、成形機の金型として型開動作後の突き出し動作時に成型品をゲート部にて切断して製品部とランナ部に分離切断する構造のものを採用して説明したが、図10に示すように金型としては固定側取付盤7と可動側取付盤6との間に横架されたタイバー91に固定側型板93と可動側型板95とを軸線方向へ摺動可能に支持すると共にこれら型板93・95を引張リンク97により連結し、型開動作時に可動側型板95と固定側型板93及び固定側型板93と固定側取付盤7の間に製品チャック部21とランナチャック部23とが夫々進入可能に間隙を形成すると共に可動側型板95と固定側型板93との離間動作に伴って製品部を可動側型板95内に、またランナ部を固定側型板93内に夫々保持させる3枚構造の金型を使用してもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、成形工場のスペースの有効活用を図りながら成型品の製品部とランナ部とを効率的に分離取出しすることができる。また、サーボドライバーボックスに収容される駆動制御装置の耐久性及び信頼性を向上すると共にノイズの影響を低減して取出し不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成型品取出機の全体斜視図である。
【図2】図1の略体平面図である。
【図3】図1の略体正面図である。
【図4】電気的ブロック図である。
【図5】分離取出し動作を示すダイヤグラムである。
【図6】製品部及びランナ部の取出し状態を示す説明図である。
【図7】製品部及びランナ部の解放状態を示す説明図である。
【図8】本発明の変更実施形態を示す正面図である。
【図9】チャック部の左右動状態を示す部分平面図である。
【図10】他の金型例を示す正面図である。
【符号の説明】
1−成型品取出機、3−走行フレーム、5−成形機、7−固定側取付盤、9・11−第1及び第2走行体、13・15−第1及び第2サーボモータ、21−製品チャック部、23−ランナチャック部、25・27−第1及び第2上下フレーム、29・31−第3及び第4サーボモータ、41・43−第1及び第2駆動制御装置、45・47−第1及び第2サーボドライバーボックス
Claims (2)
- 成形機の軸線と平行して長手方向のほぼ全体に延出し、基台部が成形機の固定金型取付盤上部に固定される走行フレーム上にて第1及び第2サーボモータの駆動に伴って成形機の軸線方向へ往復移動可能に支持される第1及び第2走行体の夫々に、下部に製品チャック部及びランナチャック部が設けられた第1及び第2上下フレームを第3及び第4サーボモータの駆動に伴って夫々上下方向へ移動すると共に第1走行体に第1及び第3サーボモータを数値駆動制御するサーボドライバーを収容する第1サーボドライバーボックスを、また第2走行体に第2及び第4サーボモータを数値駆動制御するサーボドライバーを収容する第2サーボドライバーボックスを夫々取り付けた成型品取出機において、
成形機の成型終了に伴って第3及び第4サーボモータを駆動制御して第1及び第2上下フレームを下降して型開した金型間に製品チャック部及びランナチャック部を進入させて製品チャック部に成型品の製品部を、またランナチャック部に成型品のランナ部を夫々保持させる、
次に第3及び第4サーボモータを逆転駆動制御して第1及び第2上下フレームを上昇して金型間から製品部を保持した製品チャック部及びランナ部を保持したランナチャック部を離脱させる、
第1サーボモータを駆動制御して第1走行体を射出装置と反対側の走行フレーム端部に設定された製品解放位置に移動して製品取出しを行なうと共に第2サーボモータを駆動制御して第2走行体を射出装置側に設定されたランナ解放位置に移動してランナ取出しを行なう、
ことを特徴とする成型品取出方法。 - 成形機の軸線と平行して長手方向のほぼ全体に延出し、基台部が成形機の固定金型取付盤上部に固定される走行フレーム上にて第1及び第2サーボモータの駆動に伴って成形機の軸線方向へ往復移動可能に支持される第1及び第2走行体の夫々に設けられた第1及び第2左右レール上を、第5及び第6サーボモータの駆動に伴って上記軸線と直交する方向へ夫々移動する第1及び第2左右走行体に第3及び第4サーボモータの駆動に伴って上下方向へ移動可能に支持された第1及び第2上下フレームの夫々に製品チャック部及びランナチャック部を夫々取り付けると共に第1走行体に第1・第3・第5サーボモータを数値駆動制御するサーボドライバーを収容する第1サーボドライバーボックスを、また第2走行体に第2・第4・第6サーボモータを数値駆動制御するサーボドライバーを収容する第2サーボドライバーボックスを夫々取り付けた成型品取出機において、
成形機の成型終了に伴って第3及び第4サーボモータを駆動制御して第1及び第2上下フレームを下降して型開した金型間に製品チャック部及びランナチャック部を進入させて製品チャック部に成型品の製品部を、またランナチャック部に成型品のランナ部を夫々保持させる、
次に第3及び第4サーボモータを逆転駆動制御して第1及び第2上下フレームを上昇して金型間から製品部を保持した製品チャック部及びランナ部を保持したランナチャック部を離脱させる、
第1サーボモータを駆動制御して第1走行体を射出装置と反対側の走行フレーム端部に設定された製品解放位置に移動した後に第3及び第5サーボモータの少なくとも何れかを駆動制御して製品チャック部を所定の位置へ移動して製品取出しを行なうと共に第2サーボモータを駆動制御して第2走行体を射出装置側に設定されたランナ解放位置に移動した後に第4及び第6サーボモータの少なくとも何れかを駆動制御して所定の位置へ移動してランナ取出しを行なう、
ことを特徴とする成型品取出方法。
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