JP4544059B2 - 物品収容箱 - Google Patents
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Description
なお、この種の関連技術としては、特許文献1が開示されている。この開示では、物品を収容する箱本体を発泡性の樹脂によって成形し、箱本体の断熱性を高めた構成としている。
そこで、例えば物品収容箱自体を、金属等の耐熱性のある材料によって形成することが考えられるが、この場合には、かかる製造コストが高くなったり、全体重量が大きくなったりするため、好ましくない。
先ず、第1の発明は、底壁面と底壁面の周囲を覆う側壁面とを有し、底壁面上に物品を載置して収容することができるように上面が開口した形状に形成された合成樹脂製の物品収容箱である。底壁面の上部には、金属板が設置され、金属板は、その上面部が側壁面上に設けられた留め具によって底壁面上から上方側へと抜け出ないように保持されている。留め具は、側壁面に貫通形成された差込孔内に差し込まれることにより、その形状が側壁面上から箱内側に突出した状態となって金属板の抜け留めをする差込部材として構成されている。側壁面と底壁面とを繋ぐ繋ぎ面は、湾曲した形状に形成されている。金属板は、上記湾曲した形状の繋ぎ面上に周縁部が当接した状態として、側壁面と底壁面との間にそれぞれ隙間を有した状態となって底壁面の上部に設置され、その上面部に物品を載置可能とする構成となっている。
この第1の発明によれば、合成樹脂製の物品収容箱の底壁面上に金属板を設置し、この金属板上に物品を載置するようにした構成により、物品収容箱の物品を支持する支持強度、及び比較的高温の物品も載置可能とする耐熱性も高められる。この金属板は、その上面部が物品収容箱の側壁面上に設けられた差込部材によって抜け留めされていることにより、物品収容箱を裏返しても物品収容箱から脱落しないように保持される。また、金属板が、物品収容箱の側壁面と底壁面との間を繋ぐ湾曲した形状の繋ぎ面上に周縁部が当接して、側壁面と底壁面との間に隙間を有した状態となってセットされる構成となっていることにより、この隙間を通じて、物品に付着した加工用油等の液体が、金属板と底壁面との間の隙間内へと落とし込まれて貯溜されるようになる。
この第2の発明によれば、差込孔が金属板よりも上方側に離間した位置に配置形成されていることにより、物品収容箱を裏返した時に、金属板が差込部材と当接する位置まで落下して、金属板と底壁面との間の隙間が広げられる。
先ず、第1の発明によれば、物品収容箱の底壁面と側壁面との間の湾曲した繋ぎ面上に金属板を当接させた状態にしてセットしたことにより、物品収容箱の物品を支持する支持強度(耐荷重性)と比較的高温の物品も載置可能とする耐熱性とをそれぞれ高めることができる。また、金属板を物品収容箱の底壁面と側壁面との間の湾曲した繋ぎ面上に周縁部を当接させた状態にセットして、金属板と側壁面及び底壁面との間に隙間を設定したことにより、この隙間を通じて、物品に付着した加工用油等の液体を金属板と底壁面との間の隙間内へと落とし込んで貯溜することができる。また、この貯溜した加工用油等の液体は、金属板が物品収容箱の側壁面上に設けられた差込部材によって抜け留めされていることにより、物品収容箱を裏返すことによって、上記した金属板と側壁面との間の隙間から簡単に流出させることができる。
更に、第2の発明によれば、差込部材が差し込まれる差込孔の位置を、金属板の設置位置から上方側に離間した位置に設定したことにより、物品収容箱を裏返した時に、金属板が差込部材と当接する位置まで落下して、金属板と底壁面との間の隙間が広げられるため、金属板と底壁面との間に貯溜している加工用油等の液体の流動性が良くなるため、上記液体を物品収容箱内からより簡単に流出させることができる。
更に、図2に良く示されるように、底壁面11の上部位置には、板面形状の金属板13が設置されている。この金属板13は、アルミニウム合金やステンレス鋼などの耐食性に優れた材料によって形成されている。そして、金属板13は、図3に良く示されるように、側壁面12の内周形状よりもひと回り小さな形状(略長方形状)に形成されており、その周縁と側壁面12との間に隙間が形成されている。
上記金属板13は、図3に良く示されるように、ボルト14によって、底壁面11の上部位置にて抜け留めされた状態で保持されている。詳しくは、側壁面12において上記金属板13の上面側周囲を覆う複数の位置(例えば4箇所)には、ボルト14を差し込むための差込孔12aが板厚を貫通して形成されている。これら差込孔12aは、金属板13の設置位置から上方に離間した位置に配置されており、ボルト14の脚部14bを差し込んだ状態で保持可能な大きさに形成されている。そして、これら各差込孔12a内には、ボルト14の脚部14bが差し込まれている。詳しくは、ボルト14は、側壁面12の内側Iから外側Oに向けて脚部14bが差し込まれており、頭部14aが側壁面12の内側Iに突出した状態で保持されている。なお、このとき、ボルト14をより強固に保持するために、差込孔12aに対して、ボルト14の脚部14bを貫通させ、外側Oよりナットにて固定する構成としても良い。これらボルト14は、図3に示される物品収容箱10の使用状態では、各頭部14aと金属板13の上面とが高さ方向に離間した状態となっているが、図4に示すように物品収容箱10を裏返した状態では、落下する金属板13に各頭部14aを係止させる。これにより、金属板13の抜け留めを行う。ここで、ボルト14が本発明の差込部材に相当する。
すなわち、図3に良く示されるように、比較的高温の加工熱を帯びた状態の加工品Pを物品収容箱10内の金属板13上に載置する。このとき、加工品Pから放出される加工熱は、金属板13の作用によって、物品収容箱10の底壁面11にはほとんど伝導しない。したがって、底壁面11が加工熱によって軟化することがほとんどないため、加工品Pが物品収容箱10内に収容された状態で安定して支持される。また、加工品Pに付着している加工用油Poは、金属板13と側壁面12との間の隙間から滴り落ち、底壁面11上に溜められる。この物品収容箱10内に溜められた加工用油Poは、図4に良く示されるように、物品収容箱10を裏返すことによって容易に液抜きすることができる。
例えば、物品収容箱に収容する物品は、加工品に限定されない。収容する物品の形状や重量に合わせて、物品収容箱の大きさや強度を設定すればよい。合わせて、金属板の板厚(強度)や大きさも適宜設定することが必要である。
また、金属板と底壁面との間の厳密な位置関係については、特に詳しく説明しなかったが、例えば金属板の周縁に下方に突出する脚部を設けるなどして、物品の帯びている熱がより底壁面に伝導され難くしてもよい。
また、加工用油の流動性(流通性)を良くするために、金属板の適宜箇所に孔を設けても良い。但しこの場合には、孔の大きさによって加工用油が滴り落ち難くなったり、加工品の一部が孔に引っ掛かるなどの不具合が発生したりしないように留意が必要である。
また、本発明の差込部材に相当する部材としてボルトを示したが、その他の部材であってもよい。
11 底壁面
12 側壁面
12a 差込孔
13 金属板
14 ボルト(差込部材)
14a 頭部
14b 脚部
P 加工品(物品)
Po 加工用油
I 内側
O 外側
Claims (2)
- 底壁面と該底壁面の周囲を覆う側壁面とを有し、前記底壁面上に物品を載置して収容することができるように上面が開口した形状に形成された合成樹脂製の物品収容箱であって、
前記底壁面の上部には金属板が設置され、該金属板はその上面部が前記側壁面上に設けられた留め具によって前記底壁面上から上方側へと抜け出ないように保持されており、
前記留め具は前記側壁面に貫通形成された差込孔内に差し込まれることにより該側壁面上から箱内側に形状が突出した状態となって前記金属板の抜け留めをする差込部材として構成されており、
前記側壁面と前記底壁面とを繋ぐ繋ぎ面は湾曲した形状に形成されており、前記金属板は前記湾曲した形状の繋ぎ面上に周縁部が当接した状態として前記側壁面と前記底壁面との間にそれぞれ隙間を有した状態となって前記底壁面の上部に設置され、その上面部に前記物品を載置可能とする構成となっていることを特徴とする物品収容箱。 - 請求項1に記載の物品収容箱であって、
前記側壁面に形成された前記差込部材を差し込むための差込孔は、前記金属板の設置位置から上方側に離間した位置に配置形成されていることを特徴とする物品収容箱。
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