JPH092478A - コンテナ用中仕切 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】レトルトパウチ食品の箱詰機への自動供給を可
能とするコンテナ用中仕切を提供する。 【構成】縦横に並設される複数の収納部同志を隔離する
ように交差して設けられる仕切板１と該仕切板を接続す
る底板２が深絞り成形により一体成形されてなり、前記
仕切板１が上端部３で閉鎖した２重の隔壁からなり、前
記仕切板１の上端部の稜線は交差部４で前記仕切板１の
高さより低く、側端部５では下降して前記底板側辺６と
交わることを特徴とするコンテナ用中仕切。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レトルトパウチ包装製
品の工場内の包装、物流の合理化に関する。

【０００２】

【従来の技術】半調理済食品を４方シール袋に充填して
からレトルト滅菌処理を受けるレトルトパウチ食品は、
最終的に個装用カートンに箱詰めされるまで、図３
（ａ）に示すような比較的フラットなプラスチックコン
テナによって集積されている。なお、この種のコンテナ
には一般的に強度、耐候性等を配慮して高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン等の樹脂による射出成形品が使用
されている。以上のコンテナに集積されたレトルトパウ
チ食品は、所定の日数が経過した後アルミ箔のピンホー
ルやシール不良箇所等からの液漏れ検査を経て、箱詰め
工場に運ばれカートンに充填されている。また、以上の
コンテナに井桁状の中仕切を組み合わせて使用する場合
もある。かかるコンテナの耐用年数は極めて長く、長期
に亘って繰返し使用されてきている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】レトルトパウチ食品は
前記のコンテナに縦横に整列され、さらに数段積み上げ
た状態で集積されて最終的に箱詰め工場に運ばれるが、
図２（ａ）に示すような中仕切のないコンテナではレト
ルトパウチ食品の集積位置が水平方向にずれ、またコン
テナの底部の変形（外側に湾曲する）により中央部のレ
トルトパウチ食品の位置が他より下がりすぎ、自動包装
機のフィーダーの吸盤の付いたサッカーがパウチをカー
トンブランク上に正確に運ぶこよができず、従って人手
によって供給せざるを得ないという問題がある。この結
果包装工程の生産効率は著しく阻害される。また、井桁
に組んだ中仕切を組み合わせたコンテナでは、中央部最
下部に置かれたパウチが井桁の下にもぐり込み、かえっ
て取り出しにくくなる問題がある。なお、これをむりに
引っ張り出すと、ピンホール発生の原因にもなる。以上
の問題は、底板変形が少なく最初から中仕切の付いた射
出成形によるプラスチックコンテナに切り換えれば一挙
に解消する筈である。しかし、かかるプラスチックコン
テナを新規に作製することは、金型だけでも莫大な経費
がかかり、よほど大量に安定して仕事が流れる保証の無
いかぎり、大企業であっても難しいという問題がある。
なお、これまで使用してきたプラスチックコンテナは長
年の使用により底部がたわみ、変形しているが、その他
の部分は変形等の異常のない状態にある。本発明は、前
述の問題点に鑑みてなされたもので、従来のプラスチッ
クコンテナをそのまま流用し、それに組み合わせて使用
すればパウチの自動供給を可能とする低コストの深絞り
成形による中仕切の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
になされた本発明は、縦横に並設される複数の収納部同
志を隔離するように交差して設けられる仕切板と該仕切
板を接続する底板が深絞り成形により一体成形されてな
り、前記仕切板が上端部で閉鎖した２重の隔壁からな
り、前記仕切板の上端部の稜線は交差部で前記仕切板の
高さより低く、側端部では下降して前記底板側辺と交わ
り、前記底板側辺のサイズが既存の中仕切のないコンテ
ナの内法寸法より僅かに少ないことを特徴とするコンテ
ナ用中仕切を要旨とする。

【０００５】

【作用】本発明によるコンテナ用中仕切によれば、これ
を従来のプラスチックコンテナの内側に落とし込んで使
用するだけで、レトルトパウチ食品の水平および垂直方
向の集積位置精度がよくなり、また外側の従来のプラス
チックコンテナのスタッキング（積み上げ）にはなんら
悪影響を及ぼさず、僅かな投資で人員削減をはじめ総合
的生産効率の向上を図ることができる。

【０００６】

【実施例】以下図面によって本発明をさらに詳細に説明
する。図１は本発明によるコンテナ用中仕切１０の斜視
図である。この中仕切には、縦横に３列づつ９個の仕切
板１で区画された収納部が形成されており、各収納部に
は底板２が設けられている。仕切板１は二重壁からな
り、その上端部３は閉鎖している。また仕切板１の幅は
下部はど広くなっている。仕切板１の交差部４は仕切板
１の高さより低い位置にある。さらに仕切板の上端部３
の稜線は両端部５で傾斜し、底板２と交わっている。ま
たコンテナ用中仕切１０は底板の側辺６で所定のサイズ
に成形時にトリミングされている。この寸法は既存のコ
ンテナに投げ込んで水平移動がないようにコンテナの内
法寸法より僅かに小さく設定されている。このコンテナ
用中仕切１０は一枚のプラスチックシートが仕切板１の
形状を有する雌型を用いて深絞り成形されているので、
仕切板１と底板２は連接して一体化されている。仕切板
１の両端部５は傾斜し、また仕切板１の交差部４の位置
が下っているのはプラスチックシートの成形部分の薄肉
化を避けるためである。以上のような形状にすることに
よって、比較的均一な肉厚を有する仕底板の付いた仕切
板が形成される。交互に交差する仕切板１はまた底板２
を折り曲げにくくするリブとして作用する。従って、パ
ウチが満杯に積層された場合に中仕切１０の中央部の底
板が重みで垂れ下がることがない。

【０００７】図１（ｂ）はレトルトパウチ食品の積層さ
れた状態の断面図である。本発明によるコンテナ用中仕
切１０は既存のコンテナ２０と組み合わされて図３
（ｂ）に示すような状態で使用される。このコンテナ同
志は一般にスタッキングされるがこの機能は従来の外側
のコンテナ２０が十分に果たすので、中仕切はむしろそ
れを邪魔しない方が好ましい。レトルトパウチ食品７は
内容量にもよるが通常図１（ｂ）のように各収納部に数
段集積されてストックあるいは運搬される。この場合、
仕切板１は弾力性のある２重壁からなるのでパウチのエ
ッジに与える衝撃を和らげることができる。

【０００８】（実施例）図３は本発明によるコンテナ用
中仕切の実施例の３面図であり、この図に示す寸法の中
仕切を作製した。１．２ｍｍ厚の炭酸カルシウム３０重
量％混入した高密度ポリプロピレンシートを表面温度１
８０度Ｃで真空／圧空成形機で深絞り成形し、５５５ｍ
ｍ×４２０ｍｍサイズにトリミングした。各収納部には
内容量２００ｇ／袋のレトルトパウチ食品を７段に積み
上げた。この状態のものを自動箱詰機のフィーダー部に
運びオートフィーダーによってカートンブランク上に移
し替え、これまで人手で行っていた部分の自動化を行っ
た。その結果、フィーダー作業を阻害する事故は起こら
ず、順調に箱詰めを行うことができ、これまで箱詰１ラ
インについて３人１１０個／分で行っていたものが、本
発明によるコンテナ用中仕切と既存のオートフィーダー
を用いることによって無人で１２０個／分の自動化が可
能になった。で行うことができ、大幅な作業の効率アッ
プを達成することができた。

【０００９】

【発明の効果】本発明によるコンテナ用中仕切によれば
各収納部のレトルトパウチ食品の集積位置が精度良く保
持されるので、箱詰めの自動化を図ることができ、包装
工程の効率を高める効果がある。仕切板には緩衝性があ
りまた手作業による手荒な扱いが無くなるので、ピンホ
ールの発生を防ぐことができ消費者クレーム対策に対応
することができる。さらに従来のコンテナも流用するの
で、設備投資額を抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ） 本発明によるコンテナ用中仕切の斜視
図 （ｂ） レトルトパウチ食品の積層状態断面図

【図２】（ａ） 従来の仕切なしコンテナの斜視図 （ｂ） 従来のコンテナの本発明による中仕切を組み合
わせた状態の斜視図

【図３】本発明によるコンテナ用中仕切の実施例の３面
図

【符号の説明】

１ 仕切板 ２ 底板 ３ 仕切板上端部 ４ 仕切板交差部 ５ 仕切板端部 ６ 底板の側辺部 ７ レトルトパウチ食品 １０ 本発明によるコンテナ用中仕切 ２０ 従来の仕切なしのコンテナ斜視図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦横に並設される複数の収納部同志を隔
   離するように交差して設けられる仕切板と該仕切板を接
   続する底板が深絞り成形により一体成形されてなり、前
   記仕切板が上端部で閉鎖した２重の隔壁からなり、前記
   仕切板の上端部の稜線は交差部で前記仕切板の高さより
   低く、側端部では下降して前記底板側辺と交わることを
   特徴とするコンテナ用中仕切。
2. 【請求項２】 前記底板側辺のサイズが既存の中仕切の
   ないコンテナの内法寸法より僅かに少ないことを特徴と
   する請求項１記載のコンテナ用中仕切。