JP4543970B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、可動部や構造体が露出した露出構造部を有する半導体ウェハに対して露出構造部を覆うように保護シートを接着したものを、ダイシングカットによりチップに分断し、しかる後、このチップから保護シートを剥離するようにした半導体装置の製造方法に関する。
従来より、露出構造部を有する半導体装置としては、容量型加速度センサ、ヨーレートセンサ、及び圧力センサのように1チップ内に可動部を有する半導体装置や、エアーブリッジ配線のように機械的強度の低い構造体を持つ半導体装置が知られている。
このような半導体装置は、これらの可動部や構造体が露出した露出構造部を有する半導体ウェハを用い、この半導体ウェハをダイシングカット装置を用いてダイシングカットし、複数のチップに分割することにより製造される。
しかしながら、上記チップ内に、可動部や構造体が露出した露出構造部が存在する場合、ダイシングカットの際に使用される大量の切削水の圧力や表面張力により機能素子が破壊されて正常に動作しなくなる。
そこで、従来では、一面側に上記露出構造部を有する半導体ウェハを用意し、この半導体ウェハの一面側に対して、露出構造部を覆うように保護シートを接着した状態で、半導体ウェハおよび保護シートをチップ単位毎にダイシングカットにより分断し、その後、分断されたチップから保護シートを取り外して除去するようにしている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
このようにすれば、保護シートにより一時的に半導体ウェハの露出構造部を覆うことにより、機械的強度の低い露出構造部をダイシングカットの研削水から保護することができる。
ここで、保護シートを半導体ウェハに接着するにあたって、保護シートと露出構造部との接着を防止するために、上記特許文献1においては、露出構造部と対向する部分をドーム状に成形した粘着シートを、保護シートとして用いており、上記特許文献2においては、露出構造部と対向する部分を選択的に粘着力を低下させた粘着シートを、保護シートとして用いている。
特開平9−27466号公報 特開2000−223446号公報
しかしながら、上記した保護シートにより一時的に半導体ウェハの露出構造部を覆い、ダイシングカットを行う方法では、保護シートを剥離した後で露出構造部において特性の不具合などが生じる。
たとえば、可動部を有する容量型の加速度センサやヨーレートセンサのように、半導体装置の露出構造部が、可動電極とこれに対向する固定電極とを有するものである場合、この可動電極と固定電極とが付着する、いわゆるスティッキングが発生する。
本発明者の検討によれば、このスティッキングは、ダイシングカット中に保護シートの接着部に水分が入り、その水分が保護シートを剥がす時に飛散し、露出構造部に付着するために発生することがわかった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、露出構造部を有する半導体ウェハに対して露出構造部を覆うように保護シートを接着したものを、ダイシングカットによりチップに分断した後、チップから保護シートを取り外すようにした半導体装置の製造方法において、分断されたチップから保護シートを剥がすときに、水分の飛散を極力抑制することにより、露出構造部に水分が付着するのを防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一面(11)側に可動部や構造体が露出した露出構造部(30)を有する半導体ウェハ(10)を用意し、半導体ウェハ(10)の一面(11)側に対して、露出構造部(30)を覆うように保護シート(20)を接着した状態で、半導体ウェハ(10)をチップ単位毎にダイシングカットにより分断した後、分断されたチップ(100)から保護シート(20)を剥離して除去するようにした半導体装置の製造方法において、ダイシングカット工程と保護シート(20)の除去工程との間に、分断されたチップ(100)と保護シート(20)との接着部に含まれる水分を低減する工程を行うことを特徴としている。
それによれば、ダイシングカット工程において保護シート(20)の接着部に水分が入ったとしても、続いて行われる当該接着部に含まれる水分を低減する工程によって、当該接着部中の水分が低減される。
そのため、分断されたチップ(100)から保護シート(20)を剥がすときに、水分が飛散することを極力抑制することができ、その結果、露出構造部(30)に水分が付着するのを防止でき、たとえば、露出構造部(30)が可動部を有するものである場合におけるスティッキングなどの不具合を防止できる。
このように、本発明によれば、露出構造部(30)を有する半導体ウェハ(10)に対して露出構造部(30)を覆うように保護シート(20)を接着したものを、ダイシングカットによりチップ(100)に分断した後、チップ(100)から保護シート(20)を取り外すようにした半導体装置の製造方法において、分断されたチップ(100)から保護シート(20)を剥がすときに、水分の飛散を極力抑制することにより、露出構造部(30)に水分が付着するのを防止することができる。
ここで、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、前記水分を低減する工程は、前記接着部に温風を当てることにより行うものであることを特徴としている。
それによれば、分断されたチップ(100)と保護シート(20)との接着部に温風を当てることにより、当該接着部の温度を上昇させ、当該接着部中の水分を蒸発させて除去できるため、当該接着部に含まれる水分を適切に低減することができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、前記水分を低減する工程は、保護シート(20)が接着され分断されたチップ(100)を、50%以下の湿度環境に置くことにより行うものであることを特徴としている。
それによれば、保護シート(20)が接着され分断されたチップ(100)を、50%以下の低湿度環境に置くことにより、分断されたチップ(100)と保護シート(20)との接着部に含まれる水分の揮発を促進させることができるため、当該接着部中の水分を適切に低減することができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、前記水分を低減する工程は、保護シート(20)が接着され分断されたチップ(100)を、加熱されたステージ(200)上に搭載することにより行うものであることを特徴としている。
それによれば、保護シート(20)が接着され分断されたチップ(100)を、加熱されたステージ(200)上に搭載することにより、分断されたチップ(100)と保護シート(20)との接着部に含まれる水分の蒸発を促進させることができるため、当該接着部中の水分を適切に低減することができる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、前記水分を低減する工程は、保護シート(20)が接着され分断されたチップ(100)を、恒温槽(300)に入れることにより行うことを特徴としている。
それによれば、保護シート(20)が接着され分断されたチップ(100)を、恒温槽(300)に入れ、当該恒温槽(300)内の温度を高温にすれば、分断されたチップ(100)と保護シート(20)との接着部の温度を上昇させ、当該接着部中の水分を蒸発させて除去できるため、当該接着部に含まれる水分を適切に低減することができる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、前記水分を低減する工程は、前記接着部に赤外線を照射することにより行うことを特徴としている。
それによれば、分断されたチップ(100)と保護シート(20)との接着部に赤外線を照射することにより、当該接着部の温度を上昇させ、当該接着部中の水分を蒸発させて除去できるため、当該接着部に含まれる水分を適切に低減することができる。
また、請求項7に記載の発明のように、請求項1〜請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、保護シート(20)としては、半導体ウェハ(10)に接着される接着面(21)が粘着性を有するとともに当該接着面(21)のうち露出構造部(30)に対向する領域(21a)にて選択的に粘着力が低下したものを、用いることができる。
さらに、請求項8に記載の発明のように、請求項7に記載の半導体装置の製造方法においては、保護シート(20)における接着面(21)は、UV光により粘着力が低下するUV硬化性粘着剤により構成されているものにできる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
限定するものではないが、本実施形態は、本発明の可動部や構造体が露出した露出構造部を有する半導体装置を、容量型加速度センサに適用したものとして説明する。
図1(a)、(b)、(c)、(d)および図2(a)、(b)、(c)は、分割された加速度センサ(本発明でいうチップ)100を製造する製造工程を示す模式的な断面図である。
なお、図2(c)は分割されたチップとしての加速度センサ100の断面構造を模式的に示したものであり、図1および図2(a)、(b)は、そのような断面構造に対応した部分の製造途中での模式的断面図である。また、図1(d)および図2では、半導体ウェハ10が分断途中およびチップに分断された状態として示されているが、便宜上、分断されたチップ100の集合体も、半導体ウェハ10として示してある。
まず、図2(c)を参照して、半導体装置としての加速度センサ100の構成について述べる。図2(c)においては、シリコン半導体などからなる半導体ウェハ10に対して、半導体製造技術を利用した周知のマイクロマシン加工を施すことにより、チップ単位毎に分断された複数の加速度センサ100が形成されている。
加速度センサ100は、センシング部(容量検出電極部)30が、たとえば、櫛歯状の梁構造体であって可動電極(可動部)および固定電極を備えた容量検出型のもの、つまり容量型加速度センサとして構成されている。
センシング部30は、チップ100毎にスクライブ領域13にて分断された状態の半導体ウェハ10において、その一面11に露出して形成された機械的強度の低い構造体であり、本発明でいう露出構造部に相当するものである。
ここで、センシング部30は、半導体ウェハ10の一面11からトレンチエッチングや犠牲層エッチングなどを行うことにより、その下部が除去されており、上記可動電極が加速度の印加によって変位可能なようにリリースされている。
次に、本実施形態の半導体装置としての加速度センサ100の製造方法について、図1、図2を参照して、製造工程順に説明する。
[図1(a)、(b)の工程]
ここでは、保護シート20を形成する。本実施形態では、保護シート20は、半導体ウェハ10の一面11に接着可能なシートであればよく、保護シート20の接着面21そのものが粘着性を有するものであってもよいし、保護シート20と半導体ウェハ10とを接着剤により接着するものであってもよい。
本例では、保護シート20として、半導体ウェハ10に接着される接着面21が粘着性を有するとともに当該接着面21のうち露出構造部30に対向する領域21aにて選択的に粘着力が低下したものを、用いる。
具体的には、このような保護シート20は、たとえばポリオレフィン系樹脂などを基材とし、その接着面21がたとえばアクリル系樹脂などのUV光により粘着力が低下するUV硬化性粘着剤からなるUV硬化性粘着シートである。
そして、図1(a)に示されるように、この保護シート20を、その接着面21側にてステンレスなどの金属などからなるリング状のフレーム40に固定する。このフレーム40の中空部は、半導体ウェハ10が入る大きさであり、フレーム40の厚さは半導体ウェハ10の厚さと同程度となっている。なお、図1、図2では、フレーム40は、その一部のみ示してある。
また、保護シート20の接着面21とは反対側の面であるマスク設置面22にメタルマスク50を固定する。このメタルマスク50は、図1(a)に示されるように、半導体ウエハ10上の露出構造体であるセンシング部30に対応する部位は開口した開口部51となっている。
次に、図1(b)に示されるように、半導体ウェハ10に接着される接着面21のうちセンシング部(露出構造部)30に対向する領域21aにおいて選択的に粘着力を低下させる。
具体的には、メタルマスク50の上方からUV光(たとえば254nm以下の波長を有するUV光)を照射することにより、メタルマスク50の開口部51に位置する保護シート20の接着面21の領域21aにおいて、粘着剤(糊)を硬化させ、当該領域21aの接着力をなくす。
これにより、この硬化した領域21a、すなわち、保護シート20の接着面21のうちセンシング部30に対向する領域21aが、半導体ウエハ10上のセンシング部30に触れたとしても、この領域21aがセンシング部30に接着することはなく、センシング部30が破壊されることはなくなる。
さらに、本例では、図1(b)に示されるように、保護シート20を塑性変形させ、保護シート20の接着面21のうちセンシング部30に対向する領域21aを、ドーム状としている。
それによれば、この領域21aが、半導体ウエハ10上のセンシング部30に触れることもなくなり、好ましい。このように、保護シート20を塑性変形させる方法としては、例えば加熱しながらメタルマスク側から真空で引く方法がある。
[図1(c)の工程]
次に、一面11側に露出構造部としてのセンシング部30を有する半導体ウェハ10を用意し、この半導体ウェハ10の一面11側に対して、センシング部30を覆うように保護シート20を接着する。
この半導体ウェハ10には、上述したように、半導体製造技術を利用した周知のマイクロマシン加工を施すことにより、チップ単位毎に分断された複数の加速度センサ100が形成されている。
そして、図1(c)に示されるように、保護シート20のマスク設置面22をメタルマスク50で覆ったまま、半導体ウェハ10の一面11と保護シート20の接着面21とを対向させ、半導体ウェハ10と保護シート20との位置合わせを実施する。
ここで、保護シート20の接着面21における上記領域21aと、半導体ウェハ10のセンシング部30との位置合わせは、たとえば、メタルマスク50に形成された図示しない合わせマークと半導体ウェハ10に形成された図示しない合わせマークとが一致するように合わせることで行うことができる。
[図1(d)の工程]
次に、半導体ウェハ10の一面11側に対してセンシング部30を覆うように保護シート20を接着した状態で、半導体ウェハ10をチップ単位毎にダイシングカットにより分断する。
ここでは、半導体ウエハ10の他面12側からダイシングする場合について説明する。図1(d)に示されるように、半導体ウェハ10をその一面11側にて、保護シート20およびメタルマスク50を介して、ダイシングステージ60上に搭載し、固定する。
そして、半導体ウェハ10の他面12側から、ダイシングブレード70によって、半導体ウエハ10のスクライブ領域13の中心と保護シート20の一部をカットする。
なお、保護シート20において接着面21のうちセンシング部30に対向する領域21aを、ドーム状とせず、平坦面としている場合は、メタルマスク50を取り外し、保護シート20のマスク設置面22をダイシングステージ60に支持させた状態でダイシングを行ってもよい。
[図2(a)の工程]
上記ダイシングカット工程によって、半導体ウェハ10をチップ単位毎に分断された半導体ウェハ10が形成される。つまり、半導体ウェハ10を分割することにより、分割されたチップ100としての加速度センサ100が複数個できあがる。
そして、本工程では、分断されたチップ100と保護シート20との接着部に含まれる水分を低減する工程を行う。なお、ここで、当該接着部とは、保護シート20の接着面21のうちUV光により上記粘着剤が硬化されていない領域21aすなわちドーム形状になっていない領域21aのことをいう。
本例では、図2(a)に示されるように、半導体ウエハ10の裏面12側から、ドライヤーなどを用いて、上記接着部に温風を当てるようにする。たとえば、40℃の温風を20分間以上当てる。
このように、分断されたチップ100と保護シート20との接着部に温風を当てることにより、当該接着部の温度を上昇させ、当該接着部中の水分を蒸発させて除去できるため、当該接着部に含まれる水分を適切に低減することができる。
[図2(b)、(c)の工程]
次に、リング状のフレーム40における保護シート20が固定されていない側と半導体ウエハ10の他面12に裏面シート80を貼り付ける。
この裏面シート80は、最終的に、保護シート20を剥離したときに、チップ100がばらばらにならないように保持するためのものであり、たとえば、保護シート20と同様の粘着シートを採用することができる。
そして、図2(b)に示されるように、保護シート20からメタルマスク50を取り外し、保護シート20のマスク設置面22側からUV光を照射する。それにより、保護シート20の接着部の粘着剤を硬化させ、接着力をなくす。
そして、保護シート20を半導体ウエハ10から剥離する。つまり、分断されたチップ100から保護シート20を剥離して除去する。こうして、図2(c)に示される状態となり、本実施形態の半導体装置としての加速度センサ100が複数個できあがる。
なお、図2(c)においては、分割されたチップとしての加速度センサ100は、裏面シート80に接着した状態であるが、この後、センサとしては、個々の加速度センサ100を裏面シート80から剥がして使用する。この裏面シート80の剥離についても、たとえば保護シート20と同様に、UV光の照射により、裏面シート80の粘着力を無くすことで、容易に行える。
[効果等]
ところで、本実施形態によれば、一面11側に露出構造部としてのセンシング部30を有する半導体ウェハ10を用意し、半導体ウェハ10の一面11側に対して、センシング部30を覆うように保護シート20を接着した状態で、半導体ウェハ10をチップ単位毎にダイシングカットにより分断した後、分断されたチップ100から保護シート20を剥離して除去するようにした半導体装置の製造方法において、ダイシングカット工程と保護シート20の除去工程との間に、分断されたチップ100と保護シート20との接着部に含まれる水分を低減する工程を行うことを特徴とする製造方法が提供される。
上述したように、半導体ウェハ10においてセンシング部30が保護シート20により被覆されていても、ダイシングカット工程における水分が保護シート20の接着部に入り込む。
そして、ダイシングカット後に保護シート20をチップ100から剥離するとき、接着部に水分が残っていると、その水分が飛散し、ウォーターマークを作り、スティッキングを発生させる。
図3は、本発明者が行った実験データを示す結果であり、保護シート20を剥がした後に発生するウォーターマークの発生率(単位:%)とスティッキングの発生率(単位:%)との相関関係を示す図である。
図3に示されるように、上記スティッキングは、保護シート20を剥がす時に水が飛散することによって発生することが見出された。そして、その水はダイシングカット中に保護テープ20の接着部に入った水分である。
それに対して、本実施形態の製造方法では、ダイシングカット工程と保護シート20の除去工程との間に、保護シート20の接着部に含まれる水分を低減する工程を行っている。上記例では、保護シート20との接着部に温風を当てることにより、当該接着部の温度を上昇させ、当該接着部中の水分を蒸発させて除去している。
そのため、本実施形態によれば、ダイシングカット工程において保護シート20の接着部に水分が入ったとしても、続いて行われる当該接着部に含まれる水分を低減する工程によって、当該接着部中の水分が適切に低減される。
そのため、分断されたチップ100から保護シート20を剥がすときに、水分が飛散することを極力抑制することができ、その結果、センシング部30に水分が付着するのを防止でき、センシング部30における上記可動電極と固定電極とのスティッキングを防止することができる。
このように、本実施形態によれば、露出構造部30を有する半導体ウェハ10に対して露出構造部30を覆うように保護シート20を接着したものを、ダイシングカットによりチップ100に分断した後、チップ100から保護シート20を取り外すようにした半導体装置の製造方法において、分断されたチップ100から保護シート20を剥がすときに、水分の飛散を極力抑制することにより、露出構造部30に水分が付着するのを防止することができる。
なお、上記例では、水分を低減する工程は、保護シート20の接着部に温風を当てることにより行っているが、図4は、その具体的なスティッキング防止効果について、調査した結果を示す図である。
この図4は、半導体ウエハ10の他面(裏面)12から約40℃の温風を当てたときのスティッキング発生率について、本発明者が調査した結果を示すもので、乾燥時間(単位:分)とスティッキング発生率(単位:%)との関係を示す図である。
図4に示されるように、乾燥時間すなわち温風を当てている時間が長いほどスティッキングは発生しにくいことが確認されている。具体的には、20分間以上、40℃の温風を当てることによりスティッキングの発生を確実に防止できる。
なお、水分を低減する工程を、保護シート20の接着部に温風を当てることにより行うにあたっては、当該温風の温度は、40℃に限定されるものではないことはもちろんであり、当該接着部中の水分を蒸発が可能なように加熱できる温度であれはよく、また、その乾燥時間も適宜変更可能である。
[変形例]
ところで、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、水分を低減する工程は、温風により乾燥させる方法以外にも、保護シート20が接着され分断されたチップ100を、50%以下の湿度環境に置くことにより行うものであってもよい。
図5は、ダイシングによりチップ100に分断された保護シート20付きの半導体ウエハ10を、湿度が約50%の部屋の中で30分間保管した後に保護シート20を剥がした場合のスティッキング発生率(単位:%)について、本発明者が調査した結果を示す図である。
この図5からわかるように、保護シート20が接着され分断されたチップ100を、50%以下の低湿度環境に置くことにより、保護シート20の接着部に含まれる水分の揮発を促進させ、当該接着部中の水分を適切に低減することができるため、スティッキングを防止できる。
また、図6に示されるように、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、水分を低減する工程は、保護シート20が接着され分断されたチップ100を、加熱されたステージ200上に搭載することにより行うようにしてもよい。このステージ200は、たとえば通電により加熱温度を制御可能なヒータを有するものにできる。
それによれば、保護シート20が接着され分断されたチップ100を、加熱されたステージ200上に搭載することにより、保護シート20の接着部に含まれる水分の蒸発を促進できるため、当該接着部中の水分を適切に低減することができる。
また、図7に示されるように、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、水分を低減する工程は、保護シート20が接着され分断されたチップ100を、恒温槽300に入れることにより行うようにしてもよい。この恒温槽300は、たとえば通電により槽内の温度を制御可能なものにできる。
それによれば、保護シート20が接着され分断されたチップ100を、恒温槽300に入れ、当該恒温槽300内の温度を高温にすれば、保護シート20の接着部の温度を上昇させ、当該接着部中の水分を蒸発させて除去できるため、当該接着部に含まれる水分を適切に低減することができる。
また、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、水分を低減する工程は、保護シート20の接着部に赤外線を照射することにより行うようにしてもよい。
それによれば、保護シート20の接着部に赤外線を照射することにより、当該接着部の温度を上昇させ、当該接着部中の水分を蒸発させて除去できるため、当該接着部に含まれる水分を適切に低減することができる。
また、本実施形態の半導体装置の製造方法においては、水分を低減する工程を実現するために、上記したように、温風、ステージ、恒温槽、赤外線照射による加熱を行うが、その加熱温度は、保護シート20の軟化温度未満であり、また、半導体装置の耐熱温度未満であることは、もちろんである。
(他の実施形態)
なお、保護シートの接着部に含まれる水分を低減する工程としては、上述した温風により乾燥させる方法、低湿度に管理された場所で保管する方法、加熱されたステージ上に乗せる方法、恒温槽に入れる方法、赤外線を当てて加熱する方法以外の方法であってもかまわない。
また、保護シートは、上記実施形態のようなものに限定されない。たとえば、保護シートとしては、接着面のうち露出構造部に対向する領域が半導体ウェハに接触しないように上記ドーム形状となっているものであれば、当該領域にて粘着力が低下されていなくてもよい。
また、保護シートとしては、接着面が、UV光により粘着力が低下するUV硬化性粘着剤により構成されているものでなくてもよく、保護シートは、半導体ウェハに接着可能であり且つダイシングカット後に剥離できるものであればよい。
また、上記実施形態では、加速度センサは、半導体ウェハ10の一面11側すなわち表面11側からエッチング加工されたものであったが、それ以外にも、加速度センサとしては、半導体ウェハ10の他面12すなわち裏面12に異方性エッチングなどにより凹部を形成し、センシング部30のリリースを、この裏面12側から行うことにより形成されたものであってもよい。
このように加速度センサを裏面加工により形成した場合には、センシング部は、上記実施形態のように、半導体ウェハの一面だけでなく、表裏両面から露出した形となる。そのため、保護シートは、半導体ウェハの表裏両面に接着し、この状態で、ダイシングカットを行うことになる。
そして、半導体ウェハの両面に接着された保護シートの接着部について、上記実施形態と同様に、温風やステージなどを用いて当該接着部に含まれる水分を低減する工程を行い、その後、半導体ウェハの両面からそれぞれ保護シートを剥がして除去するようにすればよい。
また、本発明の製造方法は、上記した加速度センサ以外にも、露出構造部を有する半導体装置として、ヨーレートセンサ、及び圧力センサのように1チップ内に可動部を有する半導体装置や、エアーブリッジ配線のように機械的強度の低い構造体を持つ半導体装置であれば適用可能である。
つまり、本発明は、一面側に可動部や構造体が露出した露出構造部を有する半導体ウェハを用意し、半導体ウェハの一面側に対して、露出構造部を覆うように保護シートを接着した状態で、半導体ウェハをチップ単位毎にダイシングカットにより分断した後、分断されたチップから保護シートを剥離して除去するようにした半導体装置の製造方法であれば、適用可能である。
たとえば、上記特許文献2に記載されているような保護シートを用いた各種の半導体装置の製造方法について、本発明は適用することができる。
そして、本発明は、このような製造方法において、ダイシングカット工程と保護シート除去工程との間に、分断されたチップと保護シートとの接着部に含まれる水分を低減する工程を行うことを要部とするものであり、その他の部分については、適宜設計変更等が可能である。
本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す概略断面図である。 図1に続く製造方法を示す概略断面図である。 ウォーターマーク発生率とスティッキング発生率との相関関係を調査した結果を示す図である。 保護シート付きの半導体ウエハに約40℃の温風を当てたときの乾燥時間とスティッキング発生率との関係を調査した結果を示す図である。 保護シート付きの半導体ウエハを湿度約50%の部屋で30分間保管した後に保護シートを剥がした場合のスティッキング発生率について調査した結果を示す図である。 保護シートが接着され分断されたチップを、加熱されたステージ上に搭載した状態を示す図である。 保護シートが接着され分断されたチップを、恒温槽に入れた状態を示す図である。
符号の説明
10…半導体ウェハ、11…半導体ウェハの一面、
20…保護シート、21…保護シートの接着面、
21a…保護シートの接着面のうち露出構造部に対向する領域、
30…露出構造部としてのセンシング部、
100…チップとしての加速度センサ、
200…ステージ、300…恒温槽。

Claims (8)

  1. 一面(11)側に可動部や構造体が露出した露出構造部(30)を有する半導体ウェハ(10)を用意し、
    前記半導体ウェハ(10)の一面(11)側に対して、前記露出構造部(30)を覆うように保護シート(20)を接着した状態で、前記半導体ウェハ(10)をチップ単位毎にダイシングカットにより分断した後、
    前記分断されたチップ(100)から前記保護シート(20)を剥離して除去するようにした半導体装置の製造方法において、
    前記ダイシングカット工程と前記保護シート(20)の除去工程との間に、前記分断されたチップ(100)と前記保護シート(20)との接着部に含まれる水分を低減する工程を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記水分を低減する工程は、前記接着部に温風を当てることにより行うものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記水分を低減する工程は、前記保護シート(20)が接着された前記分断されたチップ(100)を、50%以下の湿度環境に置くことにより行うものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記水分を低減する工程は、前記保護シート(20)が接着された前記分断されたチップ(100)を、加熱されたステージ(200)上に搭載することにより行うものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記水分を低減する工程は、前記保護シート(20)が接着された前記分断されたチップ(100)を、恒温槽(300)に入れることにより行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記水分を低減する工程は、前記接着部に赤外線を照射することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記保護シート(20)として、前記半導体ウェハ(10)に接着される接着面(21)が粘着性を有するとともに当該接着面(21)のうち前記露出構造部(30)に対向する領域(21a)にて選択的に粘着力が低下したものを、用いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記保護シート(20)における前記接着面(21)は、UV光により粘着力が低下するUV硬化性粘着剤により構成されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
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