JP4542498B2 - 商品管理サーバおよび商品管理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、商品管理サーバおよび商品管理方法に関する。
近年、様々な分野への非接触IC(Integrated Circuit)タグ(以下、ICタグと記す)の適用が拡大している。ICタグとは、読取・書込み器と非接触で、内蔵するICチップ内のメモリの情報読み取り、メモリへの情報書込みを実現するタグである。このICタグを用いた商品管理に関する従来技術として、例えば特許文献1等に記載された技術が知られている。この従来技術はICタグを商品に貼り付け、ICタグの読取装置を棚に設置することで、棚上の商品の出入りを把握するものである。
特許文献1に記載の技術によると、店舗内の棚上に陳列された商品の、来店者による棚からの取出しに関する情報が取得できる。しかし、特許文献1に記載の技術は、取出し時刻、場所、取出し対象商品のログ情報を提供するのみであり、それらのログ情報のうちどこからどこまでが同一の来店者による行動かを把握することはできない。従って、来店者がどの商品とどの商品を取出し、選別した結果どちらの商品を購買したかといった商品の魅力・人気に関する情報や、商品間の相関関係に関する情報を提供することまではできない。当然、棚の前に来たにも拘らず何も取出さずに立ち去った来店者を認識することもできない。
また、ICタグを用いた技術として、入退室を管理する技術(特許文献2)、ICタグを読み取るためのアンテナを制御する技術(特許文献3、特許文献4)、利用者にカードの取り忘れ防止を通知する技術(特許文献5)などが挙げられる。
タグの読取エラーは、例えば、商品が棚に配置されるとき、または、商品が棚から取り出されるときに、棚のアンテナがその商品のタグから情報を読めなかった事象を指す。特にシートアンテナを用いて読み取りを行う場合、読取装置間の干渉など読取装置周辺の電波状況や、ICタグの向き・位置などにより、棚上の全てのICタグを読み取れず、読取エラーが発生する場合がある。
このようなタグの読取エラーを検出する技術として、例えば、特許文献6に記載の技術は、棚に重量計を設置し、重量計が計測した商品の総重量と、ICタグに予め書き込んだ貼付商品の重量を読み取り、それを集計したものとを比較して読取エラーを検出する。
つまり、特許文献6に記載の技術では、棚にICタグアンテナと重量計を備え付ける。タグにはそれぞれの商品の重量が書き込まれている。商品棚卸時に、タグの情報を読み取った結果から、登録済みの商品の重量を集計し棚全体の総重量を算出する。この値と、実際に重量計が検知した総重量とを比較することで、ICタグの読取エラーを検出し、再度読み取りを行う。棚にICタグアンテナと重量計を備え付け、読み取り結果から算出した総重量と重量計の値を比較して読取エラーを検知する。
しかし、特許文献6に記載の技術は、ICタグに貼付対象商品の重量を事前に書き込む必要があるため、ICタグ貼付時に商品の重量を計測し、その値をICタグに書き込むという手間が生じる。当然ながら、情報の書込みが不可能なROM型のICタグは使用できないといった制限がある。
また、特許文献6に記載の技術は、例えば、来店者などの手により偶然、管理対象外の商品が棚の上に置かれた場合、たとえ全てのICタグ読取に成功しても重量計の計測する総重量とICタグの読取による集計結果とは相違が生じ、読取エラーが発生したと認識してしまう。
なお、倉庫内での棚卸への利用であれば、読取エラー検出時に棚の状態をチェックして余分な商品を取り除くことができるが、店頭などで定期的にICタグの読取を行って商品の出入りを把握しようとする場合には、読取エラー検出時に棚の状態を逐一チェックするのは利用者に大きな負担となる。さらに、アンテナごとに重量計を設置したり、商品の重量をタグに登録しておく必要があるため、前準備の手間がかかる。
特開2005−92376号公報 特開2000−57276号公報 特開2000−020839号公報 特開2003−178256号公報 特開平11−66252号公報 特開2000−137758号公報
従来の技術は、ICタグを商品に付しても、そのICタグの情報をマーケティングに活用することは、考えられていなかった。マーケティングにより商品の人気を把握することは、その商品の仕入れ量を決定するなど、販売業務の基幹となることであるので、重要である。
また、商品の売上情報の統計をマーケティングに活用する従来のPOS(Point Of Sales)は、客が商品を購入した時点での情報しか活用できていないため、商品を購入しようか迷うといった客の心理状態を把握できていない。しかし、客の心理状態は、商品の人気に直結する重要な情報であるため、このような情報を収集することが、マーケティングへの活用にとって有益である。
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、ICタグを商品に付した商品管理システムにおいて、商品の人気情報を収集することを主な目的とする。
本発明は、商品陳列場に置かれた商品に貼付されたタグからタグIDを読み取ることにより前記商品の有無を検知するタグリーダ、および、商品陳列場の近傍に存在する人体を検知する対人センサを含む商品管理システムに用いられる商品管理サーバであって、
前記タグリーダが読み取ったタグIDから、商品陳列場への前記商品の出し入れに関する商品移動情報を検出する商品移動検出部と、
前記対人センサが検知した人体から、商品陳列場の近傍に人体が存在するか否かを示すセンサ情報を取得する人体検出部と、
前記商品移動情報により取り出された商品について、前記センサ情報から算出した人体の連続検知時間と、前記商品移動情報から算出した商品の取り出し時間と、をもとに、商品の人気ポイントを算出して出力する人気ポイント算出部と、
前記商品移動情報により取り出された商品について、前記センサ情報において人体が検出されなかった期間の商品の出し入れに関する記録結果を、タグIDの読取エラーが発生した時間外レコードとする読取エラー補正部とを有し、
前記読取エラー補正部は、前記商品移動情報の前記時間外レコードから、商品が商品陳列場から取り出されてから商品陳列場に戻されるまでの所定時間を抽出し、
前記人気ポイント算出部は、前記商品移動情報のレコードのうちの商品が商品陳列場から取り出されてから商品陳列場に戻されるまでの時間長が前記所定時間以内のレコードと、前記時間外レコードに該当するレコードとを、商品の人気ポイントの算出対象から除外すること
を特徴とする。その他の手段は、後記する。
本発明によれば、商品陳列場に接近した人物の商品取出しなどの行動を抽出して、商品の人気情報を利用者に提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態は、以下の用語を定義する。商品のINは、商品を棚に配置することである。商品のOUTは、商品を棚から取り出すことである。商品の出し入れは、所定の棚にある所定の商品について、商品のOUTをした後に、その商品のINをすることである。なお、商品を配置する商品陳列場の形状は、棚に限定されず、様々な形状のものが活用できる。
図1は、本発明の一実施形態を適用した商品管理システムを、小売店舗に設置した場合の全体構成を表す外観図である。
図1の商品管理システムは、棚1、棚制御端末2、商品管理サーバ3、管理用端末4を含む。棚1および棚制御端末2は店舗の店頭に設置され、管理用端末4、商品管理サーバ3は店内のスタッフルームなどに設置される。これらはイントラネットなどのネットワークにより接続されている。また、管理用端末4は店舗統括本部などにも設置され、その場合はインターネット5などにより前記ネットワークと接続される。以下の説明では、店舗の管理用端末4と本部の管理用端末4を総称して、管理用端末4と呼ぶこととする。
なお、棚制御端末2、商品管理サーバ3、および、管理用端末4は、それぞれ演算処理を行う際に用いられる記憶手段としてのメモリと、前記演算処理を行う演算処理装置とを少なくとも備えるコンピュータとして構成される。なお、メモリは、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。演算処理は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される演算処理装置が、メモリ上のプログラムを実行することで、実現される。また、コンピュータは、通信のためのネットワークインタフェースを備える。
棚1は店頭にて商品7を陳列するのに用いられる。図1中では一台であるが、複数台の場合も考えられる。なお、後記するように棚1の前に人がいるかいないかを検知するため、人がどの棚1の前にいるかを識別できるように、棚1と棚1との間隔は、大きくすることが望ましい。
店舗内の商品7にはそれぞれICタグ8が貼付されており、内蔵するICチップ内の記憶装置に少なくとも個体認識のためのユニークID(Identifier:識別子)が書き込まれている。棚1にはICタグ8を読み取るアンテナ9と人体を検知するセンサ10がそれぞれの棚板に設置されている。そして、アンテナ9がICタグ8からユニークIDを読み取ることで、棚1の前に立っている客が、棚1に陳列されている複数の商品のうち、どの商品を手に取ったかがわかる。
なお、商品のINおよびOUTの検出方法は、次の通りである。アンテナ9は、棚1に商品7が置かれている間、ICタグ8からユニークIDを読み続ける。そこで、アンテナ9による所定のユニークIDの読み取りについて、読み取り可能から読み取り不可能に変化した時点を商品のOUTとし、読み取り不可能から読み取り可能に変化した時点を商品のINとする。以下、アンテナ9が読み取るとは、商品のINおよびOUTを検出することを指す。
アンテナ9は商品7に貼付されたICタグ8を定期的に読み取り、棚板上の商品の有無を検知する。センサ10は検知範囲内に進入した人体を検知することが可能な赤外線センサなどによって構成され、棚1の前面に設置することで棚1に接近した人体を検知する。これらは棚制御端末2に接続されており、アンテナ9が読み取った情報やセンサ10の検知状態を棚制御端末2へ送信する。
棚制御端末2は、商品管理サーバ3からの読取要求を受信し、読取結果を加工して商品管理サーバ3に返信する。
商品管理サーバ3は、棚制御端末2へ読み取り要求を送信したり、その返信データを受信し、さらに加工して後記するデータベースに登録し保管、さらにその情報を要求に応じて提供することで、商品管理サービスを提供する。商品管理サービスには、管理用端末4からの要求時に、棚にある商品とその数量を情報提供するリアルタイム棚商品棚卸アプリケーションや、来店者の棚1からの商品取出し履歴情報などを提供するマーケティング情報提供アプリケーションなどがある。
管理用端末4は、店舗マネージャや店舗統括本部の管理担当者などに利用される。商品管理サーバ3が提供する商品管理サービスの各アプリケーションの利用、さらに棚制御端末2や商品管理サーバ3の設定変更なども管理用端末4によって行われる。
なお、棚制御端末2は店頭ではなくスタッフルームなどに設置されていてもよい。また、商品管理サーバ3は店舗ではなく、統括本部や他の独立した場所に設置してあってもよい。また、棚制御端末2、商品管理サーバ3、管理用端末4がそれぞれ同一の端末であってもよい。
図2は、図1にて示した商品管理システムのブロック図である。前記のように、棚1にはアンテナ9とセンサ10が備え付けられている。これらはそれぞれ、棚制御端末2のアンテナ制御部21およびセンサ制御部22からの読取命令を受けて読取・検知を行い、その結果をアンテナ制御部21およびセンサ制御部22に送信する。アンテナ9およびセンサ10は、それぞれ複数であってもよい。
アンテナ制御部21は、棚制御端末2の演算部23からの命令を受信してアンテナ9を起動し、読み取ったICタグのユニークIDなどの情報をアンテナ9から受信して演算部23に送信する。同様にセンサ制御部22は、演算部23からの命令を受信してセンサ10を呼び出し、センサ10の検知状態(検知あり/なし)を受信して演算部23に送信する。
演算部23は、通信部24から、もしくは演算部23内部のアルゴリズムからのアンテナ9およびセンサ10への制御命令を送信する。その結果を受信し加工して、必要に応じて通信部24へ送信する。アンテナ9からの読取結果の場合は、定期的に読取命令を出し、その結果の差分をとることで商品7の棚1でのIN/OUTを抽出する。商品7のIN/OUTが発生したとき、通信部24を通じて商品管理サーバ3へ時刻・アンテナ9のID等の情報を加えて送信する。センサ10からの検知状態の場合は、演算部23は検知状態を常に受信する。受信した検知状態から、検知開始時刻および検知終了時刻を加えて、通信部24を通じて商品管理サーバ3へ送信する。
棚制御端末2の通信部24は、商品管理サーバ3および管理用端末4から受信した情報の演算部23への送信、および演算部23から受信した情報の商品管理サーバ3および管理用端末4への送信を行う。
商品管理サーバ3の通信部31は、棚制御端末2および管理用端末4から受信した情報の演算部32への送信、および演算部32から受信した情報の棚制御端末2および管理用端末4への送信を行う。
商品管理サーバ3の演算部32は、棚制御端末2から受信した情報をデータベース(DB)に登録するためにDB管理部33に送信する。また、演算部32は、商品管理サービスの各アプリケーションを機能記憶部34から取出して実行することにより、管理用端末4から要求のあった機能に応じて、DB内の情報への検索要求をDB管理部33に対し行い、取得した情報を加工し、通信部31を通じて管理用端末4に送信する。
機能記憶部34は、商品管理サービスが提供する各アプリケーションのアルゴリズム、パラメータ、設定ファイル等を格納する。演算部32からの要求に応じてそれらを演算部32のメモリに格納する。
DB管理部33は、演算部32からの要求に応じて、情報を各DBに登録したり、DB内に格納されている情報を検索して演算部32に送信する。DB管理部33が管理するDBには以下の4つがある。
商品移動情報DB36は、アンテナ9の読み取り結果を棚制御端末2の演算部23および商品管理サーバ3の演算部32により加工して作成された情報などを格納する。商品移動情報DB36は図3(a)に示すアクションテーブル360を保持する。アクションテーブル360は、1つのレコードが1つのアクション(商品のIN/OUT)を表しており、アクションごとに付与されるアクションID3601、アクションの対象となった商品に貼付されているICタグのユニークIDであるタグID3602、アクションの内容を示すアクション3603、アクションが発生した時刻を表す時間3604、アクションが発生した棚を示す棚番号3605、レコードの補正結果を示す補正結果3606を有する。補正結果3606の詳細については後記する。
なお、棚番号3605を割り当てる対象について、1つの棚に対して1つの棚番号3605を割り当ててもよいし、複数の棚番号3605を割り当ててもよい。例えば、図1のように、1つの棚1が2つの棚板に区切られているときには、同じの棚番号3605を2つの棚板に割り当ててもよいし、互いに異なる棚番号3605を2つの棚板に割り当ててもよい。
センサ情報DB37は、センサ10の検知結果を棚制御端末2の演算部23および商品管理サーバ3の演算部32により加工して作成された情報などを格納する。センサ情報DB37は図3(b)に示す検知結果テーブル370を保持する。この検知結果テーブル370は、1つのレコードがセンサによる来店者の検知開始から検知終了までの1つの検知結果を表しており、検知結果ごとに付与されるアクションID3701、検知したセンサを識別するセンサID3702、来店者を検知し始めた時刻を示す検知開始時間3703、来店者の検知を終了した時刻を示す検知終了時間3704、アクションテーブルへの補正の使用(済)/未使用を示す補正3705を有する。例えば、アクションID3701が「00000001」のレコードは、ある人が、「2005/07/07 13:32:43」から「2005/07/07 13:37:21」まで、「123-456」のセンサの前に立っていたことを示す。補正3705の詳細については後記する。
情報補正パターンDB38は、アクションテーブル360の補正のためのパターンを格納する。詳細については後記する。
マスタ39は、商品7やアンテナ9、センサ10についてのマスタテーブルを格納する。商品のタグIDと商品コードとの対応表である商品タグIDマスタテーブル、商品コードと商品名などの情報を保持する商品マスタ、アンテナ9のアンテナIDとアンテナ9が設置してある棚1の棚番号との対応表であるアンテナマスタテーブル、センサ10のセンサIDとセンサ10が設置してある棚1の棚番号との対応表であるセンサマスタテーブル等を保持する。
アクションテーブル360および検知結果テーブル370は、棚制御端末2から商品管理サーバ3へリアルタイムもしくはバッチにて登録される情報が送信され、各テーブルにレコードが追加登録される。
管理用端末4の通信部41は、商品管理サーバ3や棚制御端末2との通信を行う。入力部42は、管理用端末4の利用者からの入力を受けつけ、その内容を通信部41や表示部43に送信する。表示部43は、通信部41や入力部42から受信した情報を管理用端末4の画面に表示する。
次に、商品管理サーバ3が管理用端末4に提供する商品管理サービスのうち、マーケティング情報提供アプリケーションについて説明する。このアプリケーションには、棚1にある商品のうち来店者に人気のある商品を把握する人気商品参照機能、取出し回数の多い商品を把握する取出し回数参照機能などがある。まず、人気商品参照機能について述べる。
人気商品参照機能は、アンテナ9による商品7のICタグ8読取結果と、センサ10による来店者の検知結果に関する情報を利用して、棚1にある商品7の人気度を商品ごとに算出して店舗マネージャなどの利用者に提示する機能である。
図4は、人気商品参照機能を提供する際の、商品管理サーバ3の演算部32およびDB管理部33が行う処理を示すフローチャート(人気商品表示処理:S100)を示す。以下、この図に沿って処理を説明する。
最初に、利用者は管理用端末4において参照対象とする期間と棚(棚番号)を入力する(S101)。このときの管理用端末4の画面例を図5に示す。
この対象入力画面1011にて、利用者は期間入力欄1012に対象とする期間を入力し、棚番号選択プルダウン1013にて商品管理サーバ3が管理する棚1の棚番号を選択する。店内の全ての棚を対象とする場合は、「全て」を選択するということにしてもよい。対象期間と棚番号を入力・選択し終えたら人気商品参照ボタン1014をクリックする。このボタンをクリックすると、入力および選択した内容が商品管理サーバ3の演算部32に送信され、次のS102に処理が進む。
次に、入力・選択された対象期間・棚番号に該当する検知結果のレコードを抽出する(S102)。抽出した各検知結果レコードに対し、全ての検知結果レコードに対し処理を行うまで、S103からS115までの処理を繰り返す。
まず、検知結果レコードの検知開始時間と検知終了時間から、センサ10が来店者を検知していた時間(連続検知時間)を算出する(S104)。算出した時間と棚番号から、タグIDにより特定される該当する商品のアクション「OUT」のアクションレコードを商品移動情報DB36のアクションテーブル360から抽出する(S105)。S105にて該当するレコードがない場合は(S106,No)、S107へ、あった場合は(S106,Yes)、S110へ処理が分岐する。
該当するレコードがない場合(S106,No)、S104で算出した時間にその棚1にあった商品7を抽出する。アクションテーブル360を検索し、商品のIN/OUT情報からその時間にあった商品7のタグID3602を抽出する(S107)。または、読取時に棚1にあった商品7のタグID一覧を棚番号ごとにスナップショットとしてDBもしくはファイルに保存しておくことで、アクションテーブル360を検索しなくてもその時間にあった商品7のタグIDを取得することができる。
商品のタグIDを取得したら、マスタ39の商品タグIDマスタテーブルから対応する商品コードを取得する(S108)。
S108にて取得した商品コードに対し、人気ポイントを加算する。ここで、この人気ポイントについて説明する。人気ポイントとは、商品コードごとにその商品の人気度を数値で表したもので、来店者が棚1の前にいた時間と商品7の取出し回数によって算出する。例えば来店者によって商品7が取出された場合はその商品は人気があるとしてポイントを加算する。また、センサ10が来店者を検知したのみで商品7の取出しが行われなかった場合には複数の解釈がある。例えば、来店者を惹きつけたとしてその棚1にある商品7全てに人気ポイントを加算する解釈や、来店者が棚1の前に立ったにもかかわらずどの商品7も手に取る魅力が無かったとして人気ポイントを減点するという正反対の解釈もある。
この人気ポイントの算出には、機能記憶部34にて予め設定ファイルとして登録した、図6(a)(b)に示すテーブルを使用する。図6(a)は検知時間ポイントテーブル340を示し、センサ10の検知時間によって、商品7が取出された場合および1つの商品も取出されなかった場合に商品コードごとに付与するポイントを定義している。このテーブルはセンサの検知時間3401、取出し商品に対し付与するポイントを示す取出しポイント3402、取出されなかった全ての商品に対し付与するポイントを示す取出しなしポイント3403を項目として保持する。この場合は1つの商品も取出されなかったので、S104にて算出した時間に該当する検知時間3401のレコードの、取出しなしポイント3403をS108にて取得した全ての商品コードに付与する。
図6(a)の例では、どの商品も魅力がなかったとしてマイナスポイントとして、検知時間ポイント「取出しなし」を人気ポイントとして付与している(S109)。以上が、S105にて該当するアクションレコードが無かった場合(S106,No)の処理である。
該当するアクションレコードがある場合は(S106,Yes)、各アクションレコードに対しS110からS114までの処理を行い、全ての該当アクションレコードに対し処理を行うまで繰り返す。まず取得したアクション「OUT」のアクションレコードの、同一タグIDで次の時間のアクション「IN」のレコードをDB管理部33に要求して取得する。この二つのレコードの時間の差を計算することで、商品7が取出されていた時間を算出できる。また、マスタ39の商品タグIDマスタテーブルを参照してアクションレコードのタグIDに対応する商品コードを取得する(S111)。
S111で算出した取出し時間から、人気ポイントを付与する。図6(b)に示す取出し時間ポイントテーブル341は、商品7の取出し時間3411ごとに、取出し対象となった商品に付与する人気ポイントである取出し時間ポイント3412を定めたものである。このテーブルを用い、取出し時間3411に対応する取出し時間ポイント3412を人気ポイントとして取出し対象の商品コードに付与する(S112)。
さらに、図6(a)の検知時間ポイントテーブル340を用い、S104にて取得したセンサ検知時間に該当する、取出しポイント3402を取出し対象の商品コードに付与する。図6(a)の例では、来店者が棚1の前に立っている時間が短いにもかかわらず、取出された商品は来店者の目を惹きやすい商品として、検知時間が短時間なほど、検知時間ポイント「取出し」を高い人気ポイントとして付与することとしている(S113)。
以上の処理を該当アクションレコードの数だけ繰り返す。
該当する全てのセンサ検知結果レコードの数だけ、以上の処理を繰り返したらS116の処理に移る。S116では、以上の処理によって算出した人気ポイントを商品ごとに集計して、管理用端末4の画面に表示する。図7はこのときの人気商品一覧画面1160の画面例である。画面中の人気商品一覧表1161は人気ポイントの高い順に商品を一覧表に示し、ひとつの行がひとつの商品コードを示している。この表は商品の人気の順位1162、商品コード1163、商品名1164、その商品の取出し回数1165、その商品の人気ポイントの合計を表す人気ポイント1166を表示する。ここで、商品名はマスタ39の商品マスタテーブルから取得する。
以上説明した処理が、人気商品参照機能を利用されたときの商品管理サーバ3の演算部32およびDB管理部33の処理である。
なお、前記した例では、管理用端末4からの要求時に人気ポイントを計算して表示するとしたが、例えば日次や週次、月次などでバッチで人気ポイント一覧のファイルを生成し、管理者はそのファイルを参照するとしてもよい。また、図6(a)(b)に示す検知時間ポイントテーブル340および取出し時間ポイントテーブル341のポイントは、店舗や小売企業ごとに設定の変更が可能である。例えば検知時間ポイントテーブル340の取出しなしポイント3403をマイナスではなくプラスとしてもよい。
また、取出し時間ポイントテーブル341も商品の取出し時間ではなく、センサ検知時間中の商品取出し時間の割合などで付与するポイントを変えるとしてもよい。センサの検知時間の情報と商品の取出しに関する情報を組み合わせて、様々な人気ポイントの付与方法が考えられる。
前記したフローによる処理を行うことにより、商品の棚ごとに来店者を検知するセンサと商品の取出し情報を組み合わせることで、より詳細な来店者の購買行動に関する情報を取得することが可能となる。この情報により、店舗マネージャなどの管理者は、POSシステムなどによる売上データとは別の方法で、潜在的な人気のある商品を把握し、商品の発注や店舗間の商品移動、さらに新商品の企画などに役立てることができる。
次に、センサ10の検知情報を利用して、アンテナ9の読取結果情報を補正する方法について説明する。本実施形態では、アクション情報補正アプリケーションと呼ぶ。
まず、アクション情報補正アプリケーションが提供する機能のうち、センサ10が来店者を検知していない状態での商品7の取り出し情報を修正する、センサ未検知時アクション情報補正機能について説明する。
棚1においてアンテナ9は定期的に商品のICタグ8を読み取ることで、商品のIN/OUTを検出する。しかし、棚1の置かれている環境の電波状況などにより、常に100%の読取率が保証できるわけではない。読取エラーが発生した際には、読取エラーとなった商品が棚にあるにもかかわらず「OUT」したと判断し、アクションテーブル360に商品OUTのアクションが登録され、次に読み取ったときに「IN」されたとしてアクションテーブルに商品INのアクションが登録されてしまうことになる。そこで、商品管理サーバ3にてセンサ未検知時アクション情報補正機能を用意し定期的に利用することで、この機能によりセンサ10の検知情報からアンテナの読取結果を補正する。
図8は、センサ未検知時アクション情報補正機能を利用した際の商品管理サーバ3の演算部32およびDB管理部33の処理を示すフローチャート(アクション情報補正処理:S200)を示したものである。以下、この図に沿って処理を説明する。
最初に、商品移動情報DB36のアクションテーブル360から、補正結果3606が空欄になっているアクションレコードを取得する(S201)。この補正結果3606は、このアクションレコードが既にアクション情報補正機能により補正を受けたかどうかを表し、アクションレコードが登録された際には空欄となっている。以下、S201で抽出した各アクションレコードに対し、S202からS211までの処理をアクションレコード数だけ繰り返す。
処理対象となっているアクションレコードの時間3604の値を取得する(S203)。センサ情報DB37の検知結果テーブル370から、補正3705が空欄になっているレコードを取得する(S204)。この補正は、このレコードが既にアクションテーブル360の補正に使われたかどうかを表し、レコードが登録された際には空欄である。
以下、S204で抽出した各検知結果レコードに対し、センサ検知結果のレコード数だけ、S205からS209までの処理を繰り返す。
処理対象となっている検知結果レコードの検知開始時間3703と検知終了時間3704を取得し、S203にて取得したアクションレコードの時間3604の値がそれらの間であるかどうか、つまりセンサ10が来店者を検知中に発生したアクションであるかどうかを判別する(S206)。検知時間中の時間である場合は(S207,Yes)、S208へ、検知時間中の時間でない場合は(S207,No)、S209へ進む。
アクションの時間3604がセンサ10の検知時間中であった場合は、アクションレコードの補正結果3606に「時間内」と書き込む(S208)。そして次のアクションレコードに処理を移すためにS211に進む。
アクションの時間3604がセンサ10の検知時間中でない場合は(S207,No)、さらに次の検知結果レコードに対して同様の処理を行う。全ての検知結果レコードに対し、時間3604がセンサ10の検知時間中でなかった場合はS210に移る。
いずれの検知結果の検知時間中でないアクションレコードに対し、補正結果3606に「時間外」を書き込む(S210)。
すべてのアクションレコードに対し補正結果3606を書き込んだら、使用した全ての検知結果レコードの補正3705に「済」と書き込む(S212)。以上が、センサ未検知時アクション情報補正機能の処理の流れである。この処理を日次、週次または月次などで行う。
次に、アクション情報補正機能により補正されたアクションテーブル360を参照する、マーケティング情報参照アプリケーションの商品取り出し回数参照機能の処理について説明する。この機能は、対象とする期間において、棚1から取り出された回数を商品コードごとに集計してその回数が多い順にランキングとして利用者に表示する。
図9は、商品取り出し回数参照機能を管理用端末から利用する際の、商品管理サーバ3の演算部32およびDB管理部33の処理を示すフローチャート(商品取り出し回数参照処理:S300)を示す。以下、この図に沿って説明する。
最初に、利用者は管理用端末4にて対象とする期間を画面上から入力して指定し(S301)、商品管理サーバ3に送信する。対象期間を受信したら、アクションテーブル360の中から、対象期間中に発生したアクション「OUT」のレコードを取得する(S302)。
以下、S302で抽出した各アクションレコードに対し、S303からS307までの処理を、アクションレコード数だけ繰り返す。
対象アクションレコードの補正結果3606が「時間内」である場合は(S304,Yes)、S305へ、それ以外である場合は(S304,No)、S307へ進み次のアクションレコードの処理へ進む。補正結果3606が「時間内」であるレコードの場合は(S304,Yes)、商品タグIDマスタテーブルを参照してタグID3602に対応する商品コードを取得する(S305)。
取得した商品コードの取り出し回数の数字をインクリメントする(S306)。そして次のアクションレコードの処理を行うためS307に進む。
全ての該当アクションレコードに対しS303からS307までの処理を行ったら、S306にて集計した、商品コードごとの取り出し回数を管理用端末4の画面に表示する(S308)。
図10は、この取り出し回数一覧画面3080の例を示す。この画面の取り出し回数ランキング表3081にて、対象期間中で取り出し回数の多い商品コード順に一覧で表示する。この表は順位3082、商品コード3083、その商品コードの商品名3084、集計した取り出し回数3085を保持する。以上が商品取り出し回数参照機能のフローチャートである。
なお、以上の例では補正結果3606が「時間内」のみのレコードを集計回数加算の対象としたが、補正されていないレコード、つまり補正結果3606が空欄のレコードも対象に含めるとしてもよい。前記のセンサ未検知時アクション情報補正機能のフローによる処理を行うことにより、センサ10が来店者を検知していない状態での商品7のICタグ8の読取エラーによる商品のIN/OUTのアクションレコードを取り除き、例えば前記の商品取り出し回数参照機能により商品の取り出し回数などを参照する際に、より正確な情報を得ることができる。
次に、アクション情報補正アプリケーションが提供する補正パターン抽出・適用機能について説明する。補正パターン抽出・適用機能とは、前記のセンサ未検知状態にて、読取エラーにより登録された商品IN/OUTのアクション情報の特性を抽出し、補正パターンとして登録する。そしてこのパターンをセンサ検知状態でのアクション情報に適用し、このパターンに当てはまるアクション情報は読取エラーによるものと登録することで、センサ検知状態でのアクション情報を補正する機能である。
最初に、補正パターンを抽出・登録する処理について説明する。
図11は、補正パターン抽出・登録時の商品管理サーバ3の演算部32およびDB管理部33のフローチャート(補正パターン抽出登録処理:S400)を示す。以下、この図に沿って説明する。
まず、商品移動情報DB36のアクションテーブル360から、補正結果3606が「時間外」となっているレコードを取得する(S401)。これは、前記したセンサ未検知時アクション情報補正機能により書き込まれたものである。次に、S401にて抽出したアクションレコードをタグID3602ごとに纏める(S402)。
タグID3602ごとにアクションレコードを纏めたら、これらのレコードから、センサ未検知時のアクション情報の登録パターン、つまり補正パターンを、読取エラーが発生するパターンとして抽出する(S403)。パターンはアクションの発生した時間3604や棚番号3605、または他のタグIDとの関連などさまざまなパターンが考えられるが、このパターン抽出には既存のテキストマイニング技術や同形パターン抽出技術を適用する。これにより、例えば、アクション3603「OUT」とアクション3603「IN」の間の時間3604の差が5秒以内、などがパターンとして抽出されたとする。
補正パターンを抽出したら、その内容を情報補正パターンDB38の補正パターンテーブル380に登録する(S404)。図12に、この補正パターンテーブル380の例を示す。このテーブルはS403にて抽出したパターンを保持するテーブルで、登録時に付与されるパターンID3801、抽出したパターン内容3802、登録日3803を有する。
以上がアクション情報の補正に使用するパターンの抽出・登録処理のフローである。次に、以上のフローで登録した補正パターンをアクションテーブルに適用して情報補正を行う際のフローについて説明する。
図13は、補正パターン抽出・適用機能のパターン適用の際の商品管理サーバ3の演算部32およびDB管理部33のフローチャート(補正パターン適用処理:S500)である。以下、この図に沿って説明する。
最初に、アクションテーブル360の中から補正結果3606が「時間内」となっているレコードを取得する(S501)。取得したレコードを、タグID3602ごとに纏める(S502)。
以下、情報補正パターンDB38の補正パターンテーブル380に登録されている各補正パターンに対し、S503からS507までの処理を、補正パターン数だけ繰り返す。補正パターンレコードを取得し、その内容に該当するアクション情報をS502のアクションレコードから検索する(S504)。パターンの内容が複数のアクションレコードに跨る場合は、それに該当するアクションレコードの組合せを抽出する。
S504にて補正パターンに該当するアクションレコードを抽出した場合(S505,Yes)、S506に進む。該当するレコードが無い場合は(S505,No)、S507へ進み他のパターンの処理を行う。補正パターンに該当したアクションレコードの補正結果3606に、該当したパターンのパターンID3801を書き込む(S506)。
以上の処理を、補正パターンテーブル380に登録されているパターンレコード全てに行ったら処理を終了する。以上が、補正パターン抽出・適用機能にて補正パターンをアクションレコードに適用したときの処理の流れである。以上の補正パターン抽出・適用機能の処理により、センサ未検知時のアクションレコードの読取エラーなどのパターンを抽出してその内容をセンサ検知時のアクションレコードに適用することで、センサ検知時のアクションレコードの補正を行うことができる。このようにして補正したアクションレコードを商品取り出し回数参照機能などで参照することで、より正確な取り出し情報を参照することが可能になる。
以上説明した本実施形態について、図14を参照して要約する。本実施形態は、センサ10が読み取った棚1の前に人がいるか否かという対人センサ情報と、アンテナ9が読み取ったICタグ8の情報とを組み合わせることを特徴とする。情報を組み合わせる目的は、読取エラーの補正、および、マーケティングへの活用である。
読取エラーの一例を説明する。人が商品を移動していないにもかかわらず、商品が移動したと誤認識する事象がある。この事象は、例えば、商品の配置が偏ったり、読取装置周辺の電波状況が悪いときに発生する。特許文献6の技術は、この事象を検知することはできても、複数の商品のうち、どの商品に対して誤認識が発生したかを特定することはできない。一方、本実施形態では、複数の商品のうち、どの商品に対して誤認識が発生したかを特定することができる。
なお、読取エラーの他の一例として、人が商品を移動したにもかかわらず、商品が移動していないと誤認識する事象がある。
商品管理サーバ3は、センサ10が読み取ってセンサ情報DB37に格納した対人センサ情報と、商品移動情報DB36に格納されたアンテナ9の読み取り結果とを組み合わせて、読み取り結果の補正を行う。つまり、対人センサ情報により商品棚の前に人がいないときには、商品の移動はないものとして、読取エラーを補正して商品移動情報DB36に登録する。読取エラーの補正処理は、例えば、読取エラーとなったレコードを消去したり、図3(a)の補正結果3606に示すように、読取エラーを示すフラグ「時間外」をレコードに付加する処理である。
これにより、アンテナ9とICタグ8との間での読取エラーが修正されるので、棚卸時などリアルタイムで棚の情報が欲しいときなどに、精度の高い商品のOUT/IN情報が収集できる。
まず、アクションレコード記録処理(S10)では、棚に設置されたアンテナ9は、定期的に、上に置かれている商品のICタグ8を読み取る。商品管理サーバ3は、アンテナ9によるICタグ8の読み取り結果を商品移動情報DB36に登録する。次に、対人センサ記録処理(S20)では、商品棚近くに設置された対人センサ10は、商品棚に人が立っているかどうかを感知してセンサ情報DB37に登録する。以下、S30の処理種別が補正であるとして、説明を続ける。
アクション情報補正処理(S200)では、商品管理サーバ3は、対人センサ10の情報により商品棚の前に人がいないときには、商品の移動はないものとして、読取エラーを補正して商品移動情報DB36に登録する。つまり、商品棚の前に人がいないときに記録された商品の移動は、誤認識であると登録する。
なお、S200において、対人センサ10が人を感知していない時間内であっても、商品OUTから商品INまでの時間が長時間の時には、対人センサ10が感知できない場所に来店者がいたものとしてそのままOUT情報を残してもよい。また、店員がリアルタイムで棚卸を行なう場合は、棚卸の直前に商品移動情報DB36に登録された内容を参照し、その後に商品のIN商品があった場合には、読取エラーがあったものとしてもよい。
補正パターン抽出登録処理(S400)では、商品管理サーバ3は、S200において補正したレコードの履歴を参照し、読取エラーが発生する条件を補正パターンとして発見する。発見した補正パターンは、情報補正パターンDB38に格納される。
補正パターン適用処理(S500)では、商品管理サーバ3は、S400において情報補正パターンDB38に登録した過去の補正パターンを現在のレコードに適用して、現在のレコードが読取エラーか否かを判断する。このように、対人センサ10が人を検知していないときに発生した誤検出のパターンを、対人センサ10が人を検知しているときに発生したICタグ8の読取結果に適用することで、対人センサ検知時の誤検出を修正してもよい。これにより、読取エラーが発生する状況は過去と現在とで同じ可能性が高いので、読取エラーの検出率を向上させることができる。
次に、マーケティングへの活用について、説明する。
商品管理サーバ3は、センサ10の対人センサ情報と、アンテナ9の読み取り結果である商品の取出し履歴とを組み合わせて、商品のマーケティングに役立つ情報を提供する。例えば、素通りされた商品棚、人は立ち止まったが一つも手に取られなかった棚とその時間、および、商品の取出し履歴とを組み合わせることで、商品の人気情報を提供する。
これにより、マーケティングを支援する。具体的には、手に取られやすい商品や目に留まりやすい商品、人気のない商品などの分析が可能になる。
アクションレコード記録処理(S10)、および、対人センサ記録処理(S20)は、前記したとおりである。さらに、S20では、商品管理サーバ3が、商品棚ごとに来店者を感知した時間を集計し、集客力のある商品棚カテゴリごとに感知時間を集計する。以下、S30の処理種別が表示であるとして、説明を続ける。
商品管理サーバ3は、ユーザに表示内容を選択させる(S40)。
S40で人気が選択されたときには、人気商品表示処理(S100)を行う。例えば、商品管理サーバ3は、来店者を感知しても商品がひとつも手に取られなかった場合は、その商品カテゴリの人気度を下げる。逆に、商品管理サーバ3は、感知した時間が短時間にも関わらず手にとられたり、お買上などに繋がった場合にはその商品の人気度を加算する。このようにして集計された人気度は、例えば図7の画面のようにして表示される。
これにより、来店者の棚上の商品に対する興味をマーケティングに活用することができる。例えば、小売店舗の店頭に適用する場合、来店者が商品を取り出すという行動にも、長時間手にとって眺めてから戻したのか、ぱっと見るだけで戻したのか、もしくは何も手にとらず立ち去ったのかで、来店者の棚上の商品に対する興味は大きな差がある。
S40で回数が選択されたときには、商品取り出し回数参照処理(S300)を行う。つまり、商品管理サーバ3は、感知した時間の中で、商品OUT情報から来店者が手に取った回数を商品ごとに集計する。商品管理サーバ3は、回数に従って商品の「人気度」ポイントを集計し、商品ごとに加算する。このようにして集計された取り出し回数は、例えば図10の画面のようにして表示される。
これにより、来店者の棚上の商品の取り出し回数をマーケティングに活用することができる。例えば、大規模店舗では一日に来店者が商品を手に取る回数は莫大な数であるため、トランザクション数が非常に多くなる。情報利用者は、トランザクションをひとつずつ確認する代わりに、商品の取り出し回数を参照することにより、棚上の商品移動を把握することができる。
以上説明した本実施形態の商品管理システムは、商品に貼付された識別子を読み取る識別子読取手段と接近した人体を検知する検知手段とを保持する商品管理棚と、前記識別子読取手段からの読取結果から商品移動情報を検出するとともに、前記検知手段からの検知情報を受信し、前記商品移動情報と前記検知情報を記憶し解析するサーバと、解析結果を出力する入出力手段とが通信回線を介して接続されて構成され、前記サーバが、前記検知情報と前記商品移動情報から、前記商品管理棚での商品の移動が人によって発生したものか、識別子の読取エラーにより発生したものかを判別して商品移動情報を修正し修正済商品移動情報とするとともに、前記検知情報と前記修正済商品移動情報から、前記商品管理棚付近に居た際の状態および商品取出し状態に応じて予め入出力手段を介して設定された重み付けを加味して集計し、前記入出力手段からの要求に応じて前記入出力手段に送信することを特徴とする。
なお、本実施形態は、発明の要旨の範囲内で様々な変形が可能である。
本実施形態では、アクションテーブル360および検知結果テーブル370はそれぞれ前記のデータ項目を保持するものとしたが、さらにアクション発生時または検知時の状態を表すデータ項目を保持してもよい。また、補正パターン抽出・適用にもそれらのデータ項目を使用するとしてもよい。
本実施形態は、商品管理システムに係り、特に個々の商品に貼り付けた非接触ICタグを利用し、店舗や倉庫内の棚卸などの商品管理、マーケティング情報収集などを行う商品管理システムに関するものである。対象とする商品は、アパレル商品や装飾品、食品、日用雑貨・生活消費財、書籍、音楽や映画などのCD(Compact Disc)・DVD(Digital Versatile Disk)、家電品・電子機器、スポーツ・アウトドア用品などいかなる種別商品にも適用が可能である。
また、本実施形態では、商品に貼付するICタグは、ユニークIDのみをメモリに保持するICチップを内蔵するICタグとしたが、メモリにユニークIDだけでなく商品コードも書き込み、マスタを介さずに直接ICタグから商品コードをも読み取るICタグを利用してもよい。
さらに、本実施形態の商品管理システムと、レジ端末(図示省略)を含むPOSシステムとを連動させてもよい。具体的には、レジ端末は、客が購入するためにもってきた商品に貼付するICタグからタグIDを読み取り、図3(a)に示すアクションテーブル360のアクション3603を「レジ購入」として、レコードを追加するように、商品管理サーバ3に指示する。
機能記憶部34は、図6(a)の検知時間ポイントテーブル340、および、図6(b)の取出し時間ポイントテーブル341に加え、「レジ購入」のアクションに対応する購入ポイントを定めた対応テーブルを管理する。そして、図7に示す人気商品参照の画面における人気ポイント1166は、検知時間ポイント、取出し時間ポイント、および、購入ポイントの総和として計算される。これにより、客が商品を買うまでの思考と、実際に商品を買うという意志決定の双方が反映された人気ポイントを知ることで、より精度の高い人気情報を把握できる。
また、図15(a)または図15(b)に示すように、商品管理サーバ3は、アクションテーブル360をもとに、複数の商品についての商品移動情報を互いに比較できるような画面を表示してもよい。これにより、商品間の人気の相関を知ることができ、商品の配列などに反映できる。
例えば、図15(a)は、A菓子とB菓子とを同時に取り出し、A菓子を棚に戻し、B菓子を購入した旨を示している。これにより、A菓子とB菓子とは競合関係であることがわかり、例えば、売上高の少ない菓子の販売を中止することとしてもよい。
一方、図15(b)は、C菓子とDジュースとを同時に取り出し、共にレジで購入した旨を示している。これにより、C菓子とDジュースとは相関関係であることがわかり、例えば、両方の商品を互いに近い場所に配置することで、セットでの購入を促すこととしてもよい。
本発明の一実施形態に関する商品管理システムの全体構成を示す構成図である。 本発明の一実施形態に関する商品管理システムの全体構成を示す構成図である。 本発明の一実施形態に関する(a)商品移動情報DBに格納されているアクションテーブルの例、および、(b)センサ情報DBに格納されている検知結果テーブルの例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に関する人気商品参照機能の処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する対象入力画面の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に関する(a)機能記憶部に格納されている検知時間ポイントテーブルの例、および、(b)取出し時間ポイントテーブルの例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に関する人気商品一覧画面の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に関するセンサ未検知時アクション情報補正機能の処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する商品取り出し回数参照機能の処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する取り出し回数一覧画面の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に関する補正パターン抽出・適用機能のパターン抽出時の処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する情報補正パターンDBに格納されている補正パターンテーブルの例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に関する補正パターン抽出・適用機能のパターン適用時の処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する商品管理システムの動作の概要を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に関する商品の比較用の一覧画面の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 棚
2 棚制御端末
3 商品管理サーバ
4 管理用端末
5 インターネット
7 商品
8 ICタグ
9 アンテナ
10 センサ
32 演算部
33 DB管理部
36 商品移動情報DB
37 センサ情報DB
38 情報補正パターンDB
39 マスタ

Claims (4)

  1. 商品陳列場に置かれた商品に貼付されたタグからタグIDを読み取ることにより前記商品の有無を検知するタグリーダ、および、商品陳列場の近傍に存在する人体を検知する対人センサを含む商品管理システムに用いられる商品管理サーバであって、
    前記タグリーダが読み取ったタグIDから、商品陳列場への前記商品の出し入れに関する商品移動情報を検出する商品移動検出部と、
    前記対人センサが検知した人体から、商品陳列場の近傍に人体が存在するか否かを示すセンサ情報を取得する人体検出部と、
    前記商品移動情報により取り出された商品について、前記センサ情報から算出した人体の連続検知時間と、前記商品移動情報から算出した商品の取り出し時間と、をもとに、商品の人気ポイントを算出して出力する人気ポイント算出部と、
    前記商品移動情報により取り出された商品について、前記センサ情報において人体が検出されなかった期間の商品の出し入れに関する記録結果を、タグIDの読取エラーが発生した時間外レコードとする読取エラー補正部とを有し、
    前記読取エラー補正部は、前記商品移動情報の前記時間外レコードから、商品が商品陳列場から取り出されてから商品陳列場に戻されるまでの所定時間を抽出し、
    前記人気ポイント算出部は、前記商品移動情報のレコードのうちの商品が商品陳列場から取り出されてから商品陳列場に戻されるまでの時間長が前記所定時間以内のレコードと、前記時間外レコードに該当するレコードとを、商品の人気ポイントの算出対象から除外すること
    を特徴とする商品管理サーバ。
  2. 前記商品移動情報から各商品の取り出し回数を集計して出力する取り出し回数算出部を有することを特徴とする請求項1に記載の商品管理サーバ。
  3. 商品陳列場に置かれた商品に貼付されたタグからタグIDを読み取ることにより前記商品の有無を検知するタグリーダ、および、商品陳列場の近傍に存在する人体を検知する対人センサを含む商品管理システムにおける商品管理方法であって、
    コンピュータが、
    前記タグリーダが読み取ったタグIDから、商品陳列場への商品の出し入れに関する商品移動情報を検出する商品移動検出手順と、
    前記対人センサが検知した人体から、商品陳列場の近傍に人体が存在するか否かを示すセンサ情報を取得する人体検出手順と、
    前記商品移動情報により取り出された商品について、前記センサ情報から算出した人体の連続検知時間と、前記商品移動情報から算出した商品の取り出し時間と、をもとに、商品の人気ポイントを算出して出力する人気ポイント算出手順と、
    前記商品移動情報により取り出された商品について、前記センサ情報において人体が検出されなかった期間の商品の出し入れに関する記録結果を、タグIDの読取エラーが発生した時間外レコードとする読取エラー補正手順とを実行し、
    前記読取エラー補正手順は、前記商品移動情報の前記時間外レコードから、商品が商品陳列場から取り出されてから商品陳列場に戻されるまでの所定時間を抽出し、
    前記人気ポイント算出手順は、前記商品移動情報のレコードのうちの商品が商品陳列場から取り出されてから商品陳列場に戻されるまでの時間長が前記所定時間以内のレコードと、前記時間外レコードに該当するレコードとを、商品の人気ポイントの算出対象から除外すること
    特徴とする商品管理方法。
  4. コンピュータが、前記商品移動情報から各商品の取り出し回数を集計して記憶手段に出力する取り出し回数算出手順を実行することを特徴とする請求項3に記載の商品管理方法。
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