JP4541658B2 - 改良されたブレーキ感度をもつ液圧ブレーキ装置 - Google Patents

改良されたブレーキ感度をもつ液圧ブレーキ装置 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、主として、自動推進式自動車、特に例えばトラクタなどの農業用自動車のための感度を改良した液圧ブレーキ装置に関する。
【0002】
液圧ブレーキ装置がブレーキペダルに連結される作動ロッドによって操作される少なくとも1つのピストンを装備したマスターシリンダを備え、ブレーキペダルの作用が補助を与える液圧ピストンを装備した所謂“クローズドセンタ”型液圧ブレーキブースタによって昇圧され、ブレーキ装置が高圧流体用アキュムレータをも備えていることは、周知である。休止時、周知のタイプの“クローズドセンタ”型液圧ブレーキブースタとアキュムレータとの連通は、ブースタの液圧ピストンの上流で中断され、ブースタには低圧の液圧流体が充填される。制動時、ブースタとアキュムレータとが連通され、アキュムレータに収容された高圧の液圧流体は、ブレーキブースタ内へ流通し、液圧ブーストピストンをマスターシリンダに向けて移動させ、制動を液圧作用で昇圧する。圧力アキュムレータは、例えば液圧ポンプによって給送される。
【0003】
この“クローズドセンタ”型のブースタは、ブースタ内の圧力による液体の流れのため、運転手によって急速な制動として幾分感じられるような、所望の制動量の繊細な制御ができないという不都合を有する。
【0004】
そのうえ、この周知のクローズドセンタ型のブースタは、自動車の運転手が不安を感じるようなきわめて不快なブレーキペダル感覚を呈する。
【0005】
従って、本発明の目的は、制動の度合いより良い制御を可能とする液圧ブレーキ装置を提供することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、ブレーキペダルに伝達される反作用が、運転手に心地よいペダル感覚を与える液圧ブレーキ装置を提供することにある。
【0007】
この目的は、マスターシリンダと“クローズドセンタ”型液圧ブレーキブースタとを備え、液圧ブレーキブースタと高圧の液圧流体源との連通が液圧ブーストピストンの下流側で閉鎖されるようにした液圧ブレーキ装置によって、達成される。
【0008】
換言すれば、これは、液圧ブーストピストンを密封的に摺動する装架した本体を備えている液圧ブレーキブースタとマスターシリンダとを包含する液圧ブレーキ装置であり、前記ブーストピストンは第1のチャンバを第2のチャンバから分離し、休止時には、前記2つのチャンバは連通した状態にあり、高圧の液圧流体を充填され、制動時には、2つのチャンバの連通は中断され、第2のチャンバとマスターシリンダとが連通され、ブーストピストンを移動させる。
【0009】
本発明による液圧装置は、ブレーキ回路、例えば自動車の車輪ブレーキにおける機能的なクリアランスが、制動の開始直後に閉鎖されることを可能とする利点を有している。これらの機能的なクリアランスは、運転手には分からないように閉鎖され、それゆえ、制動遅れの感じを与えない。
【0010】
本発明の主たる主題は、マスターシリンダと液圧ブレーキブースタとを包含する液圧ブレーキ装置であって、前記マスターシリンダが、自動車の車輪のブレーキに連結される圧力チャンバを画定する少なくとも1つの液圧ピストンを包含し、前記液圧ブレーキブースタが、チャンバを第1のチャンバと第2のチャンバとに分割するブーストピストンと、両チャンバ間の連通を確立する手段と、連通を中断する手段とを包含し、前記ブレーキ装置が、ブレーキペダルに連結され且つブーストピストン内に密封的に摺動するよう嵌装された操作ピストンを移動させる作動ロッドによって作動され、前記装置が、前記液圧ブレーキブースタに給送する高圧の液圧流体源を曝に包含している液圧ブレーキ装置において、休止時、液圧ブレーキブースタの後方チャンバ及び前方チャンバが、連通した状態に配置され、液圧流体の高圧源によって供給される圧力とほぼ同一の圧力で液圧ブレーキ流体を充填されることを特徴とする液圧ブレーキ装置である。
【0011】
本発明の他の主題は、ピストンが作動ロッドによって駆動されるロッドに固定されたスカートを有することを特徴とするブレーキ装置である。
【0012】
本発明の他の主題は、液圧ブースタのチャンバとマスターシリンダのチャンバとの連通がダクト及びバルブ装置を介して行われることを特徴とするブレーキ装置である。
【0013】
本発明の他の主題は、バルブ装置が、液圧ブーストピストンのロッド内を操作ピストンが移動するときにプッシュロッドによって作動される、バルブシートと協働するシャッタを備えた第1のバルブと、液圧ブースタのチャンバとマスターシリンダのチャンバとの間の液圧差によって作動される、シートと協働するシャッタを備えた第2のバルブとを包含することを特徴とするブレーキ装置である。
【0014】
本発明の他の主題は、液圧ブーストピストンのロッドが、ブレーキペダルに面する大きい外径の第1の部分と、第1の部分と軸方向反対側の比較的小さい外径の第2の部分とを包含することを特徴とするブレーキ装置である。
【0015】
本発明の他の主題は、第1の連通手段によって液圧ブースタの前方チャンバと連通した状態に、また第2の連通手段によってマスターシリンダのチャンバと連通した状態に配置できる排気チャンバを包含することを特徴とするブレーキ装置である。
【0016】
本発明の他の主題は、上述したブレーキ装置を2つ包含し、この2つのブレーキ装置を圧力平衡装置によって連結することを特徴とするブレーキシステムである。
【0017】
本発明は、下記説明と、前方及び後方が図面の左側及び右側にそれぞれ一致する添付図面とで良く理解されるであろう。
【0018】
図1は、線対称の全体形状と軸Xを有する本体1を備えている本発明による液圧ブレーキ装置D1を示している。本体1は、後方に大きい直径の第1のチャンバ5を、前方に小さい直径の第2のチャンバ7を形成する孔3で貫通されている。第1のチャンバ5は液圧ブレーキブースタ11を形成し、第2のチャンバ7はマスターシリンダ13を形成し、チャンバ7は、本体1の軸Xに直角に作られているダクト9によって車輪の少なくとも1つのブレーキに接続されている。液圧ブースタ11は、チャンバ5内において密封的に摺動するよう嵌装された液圧ブーストピストン15を備えていて、ピストン15は、チャンバ5の後方長手方向の第1の端部19を封止するリング17によって軸Xに沿って並進運動するように案内されている。液圧ブーストピストン15は、スカート25が固定して取り付けられているロッド23を備え、チューブから形成されるロッド23は、後方に面する長手方向の第1の端部に大きい直径の第1の部分27と、前方に面する長手方向の第2の端部に小さい直径の第2の部分29とを備えていて、大きい直径の第1の部分27は、円錐頂点が前方に面している円錐形部分26によって小さい直径の第2の部分29に連結され、スカート25の中央部分に作られた円錐形の長手方向部分のオリフィス33と協働することが可能である。それゆえ、スカート25は、円錐形部分26と通路33との協働によって後方に向けて、またサークリップ35によって前方に向けてロッド23に固定されている。ロッドとスカート25との間の密閉は、例えばOリング37などのシールによって行われ、スカート25とチャンバ7の内周部との間の密閉は、例えばOリング39などのシールによって行われ、ロッドとリング17との間の密閉は、例えばリップシール41などのシールによって行われる。ロッド23の前方の長手方向端部は、マスターシリンダのチャンバ7に密封的に入り込み、チャンバ7とチャンバ5との密閉は、ロッド23が密封的に摺動する通路を有するリング43によって行われ、その密閉は、例えばOリングなどのシールによってもたらされ、リング43は、例えば圧入により、チャンバ5内に密封的に固定され、密閉は、例えばOリング49などのシールを使用して行われる。
【0019】
スカート25は、チャンバ5を後方の第1のチャンバ53と前方の第2のチャンバ51とに分割する。ロッド23は、後方に面する第1の端部に、例えばブレーキペダル62などの作動手段に連結される作動ロッド60を装備した操作ピストン59が密封的に摺動するよう嵌装された通路55を画成する。前方チャンバ51及び後方チャンバ53は、休止時、孔55と、軸Xに直角にロッド23に作られたダクト65,67とを介して連通した状態に配置されている。
【0020】
操作ピストン59は、前方チャンバ51とマスターシリンダのチャンバ7との間を連通する手段を備え、その連通手段は、操作ピストン59の外周部に作られたダクト71と、軸Xに平行に操作ピストン59の長手方向前方部分に作られ且つ横方向通路75によってダクト71に接続される孔73とから形成される。操作ピストン59の前方部分に作られた孔73は、第1のバルブ77と第2のバルブ79とを備え、図1、図2及び図3に示されている非限定的な例において、第1のバルブ77は液圧式に操作され、第2のバルブ79は機械式に操作される。
【0021】
第1のバルブ77は、例えば孔73の内周部に作られた肩部から形成されるバルブシート81と、例えばボール83から形成されるシャッタとを備え、ボール83は、スプリング85によってバルブシート81に押圧されている。第2のバルブ79は、孔73の前方部分に嵌装されたスリーブ89の長手方向の第1の端部に形成されるバルブシート87と、スプリング85によってバルブシート87に接触される例えばボール91などのシャッタとから形成されている。バルブ79は、マスターシリンダ13の液圧ピストン95に対して固定して取り付けられているロッド93によって開放される。スプリング85は、第1と第2のベアリング手段94を介して第1のボール83と第2のボール91との間に圧縮して取り付けられている。マスターシリンダ13は、ピストン95の外周部に作られた溝内に配置されるOリングなどによってマスターシリンダのチャンバ7内に密封的に摺動するよう嵌装された液圧ピストン95を備えている。ピストン95は、ほぼソケット形状であり、その内周部は、操作ピストン59の前方端部が摺動する円環突起97を有している。その円環突起97は、ソケットの内側を小さい内径の前方部分103と大きい直径の後方部分105とに分割する前方肩部99と後方肩部101とを形成している。
【0022】
作動ピストン59に配置される第2のバルブ79を機械式に開放するロッド93は、スリーブ107によって支えられ、そのスリーブの後方端部は、肩部99とチャンバ7に圧縮して取り付けられるスプリング96との間に閉じ込められたベースを形成する。スプリング96は、液圧ピストン95を休止位置に戻すためのスプリングであり、ピストン95の長手方向の休止位置は、チャンバ7の内周部に作られた溝内に取り付けられる例えばサークリップなどの止め具109によって画定され、例えばフラットシール111などのシールは、サークリップ109とピストン95の長手方向端部との間に当接するように取り付けられている。リターンスプリング113は、作動ピストン59が休止位置にあるとき、スリーブ107の後方長手方向端部と作動ピストン59の外周部に作られた肩部115との間に取り付けられ、作動ピストンの休止位置は、ロッド23の孔55の後方部分の内周部に作られた溝内に取り付けられる例えばサークリップなどの止め具117によって画定される。
【0023】
チャンバ5は、第2のガイドリング43によって、また、チャンバ5に突出してチャンバ7の後方長手方向端部を形成する本体1の部分によって画定された排気チャンバ119を備えている。排気チャンバ119は、第1の連通手段121と第2の連通手段123とをそれぞれに介して、前方チャンバ51とマスターシリンダのチャンバ7とに連通した状態に配置されることが可能である。第1の連通手段121は、軸Xに直角に作動ピストン59に作られた第1の排気ダクト125と、孔73及び作動ピストン59の外側表面への開口とを備え、さらに、軸Xに直角にブーストピストン15のロッド23に作られた第2の排気ダクト127と、排気チャンバ及び孔55への開口とを備えている。第1の排気ダクト125と第2の排気ダクト127との連通は、ロッド23の内側表面に作られた溝内に固定して取り付けられる例えばOリングなどのシール126によって中断されることが可能である。
【0024】
マスターシリンダのチャンバ7と排気チャンバ119とを連通した状態に配置することが可能な第2の手段123は、マスターシリンダの液圧ピストン95の大きい直径の後方部分105に取り付けられるリップシール129を備え、小さい直径の前方部分103に対してロッド23の前方長手方向端部の大きい直径後方部分131を遮断することが可能であり、その小さい直径部分103は長さL全体に延在している。リップシール129は、一群のリング135によって、また、液圧ピストン95の大きい直径の後方部分105の内側周辺に作られた溝内に取り付けられる例えばサークリップなどの止め具によって、適宜保持されている。排気チャンバ119は、ブレーキ流体がブレーキ流体リザーバ(図示せず)に戻されることを可能にする排気オリフィス137を備えている。
【0025】
第1の装置D1は、同一種類の第2の装置D2と関連されることが有利であり、各装置は、第1と第2のホイールアクスルA1,A2の1つを装備しており、そのために、圧力平衡装置Bが、第1の装置D1と第2の装置D2との間の圧力を等しくするように設けられている。軸Xに直角にマスターシリンダのチャンバ7の壁に作られた連通ダクト139及び小さい直径部分103における液圧ピストン95に作られた第2の連通ダクト141が、第1と第2の装置D1,D2と平衡装置B3との連通をもたらし、ダクト139は、ピストン95の外周部に作られた溝内に取り付けられるOリング143などの2つのシールによって、チャンバ7そしてブレーキ流体から分離される。制動時、チャンバ7は、ダクト141を介してダクト139と連通した状態に配置され、シール143は、ピストン95の前進の間、ダクト139の軸方向の位置を越えて進み、ダクト139とチャンバ7との間はもはや密閉しない。
【0026】
第1の装置D1及び第2の装置D2それぞれは、作動ロッドに連結される例えばペダル62,64などのそれぞれの作動手段によって作動され、ペダルは、着脱自在の連接手段によって同時に作動されることが可能である。ペダル62,64によってそれぞれに作動されることが可能な装置D1、D2を装置しているトラクタは、例えば田畑などの農業用耕地全体ではなく道路に沿って運転されるとき、ペダル62,64は互いに連結され、トラクタの2つのホイールアクスルA1,A2を制動させるように一緒に作動されることが可能である。田畑を動き回るとき、ペダル62,64は、2つのアクスルA1,A2に異なる制動作用を与えることによって、方向を変える際にトラクタの動きを助けるために独立して作動されることが可能である。
【0027】
装置は、さらに、液圧ブレーキブースタに給送されるほぼ15〜30バール、有益的には18〜20バールの高圧の液圧流体源(図示せず)を備えている。例えば、液圧ポンプによって給送される圧力アキュムレータを備えている流体源は、ブースタの後方チャンバ53と常時連通した状態にある。それゆえ、休止状態において、後方チャンバ53と前方チャンバ51とには、高圧流体源から発する同一圧力の液圧流体が充填される。
【0028】
本発明による液圧ブレーキ装置が作動する態様について説明する。
【0029】
休止時、図1に図示されているように、操作ピストン59は、止め具117に当接している。操作ピストン59とロッド23の相対位置、特に後方チャンバ53の横方向ダクト65と操作ピストン59の長手方向ダクト71のピストンとの相対位置は、ダクト65、ダクト67及びダクト71を介して、後方チャンバ53と前方チャンバ51との連通を可能とする。液圧ブースタの前方チャンバ51とマスターシリンダ13のチャンバ7との連通は、操作ピストン59の長手方向端部の前方部分に配置されるバルブ77、79のシステムによって中断される。
【0030】
液圧ブースタ11の前部チャンバ51と排気チャンバ119との連通は、ロッド23の内周部に作られた溝128に取り付けられるOリング126によって中断され、Oリング126は、操作ピストン59の本体内に作られた第1の排気ダクト125とロッド23の本体内に作られた第2の排気ダクト127との間に配置されている。
【0031】
チャンバ7と排気チャンバ119との間の手段123による連通が開放され、リップシール129は、休止時、大きい直径の後方部分131を遮断しない。
【0032】
運転手が制動作用を行うとき、作動ロッド60を移動するブレーキペダルを踏み込み、軸方向前方に操作ピストン59を移動させる。ロッド23に対する操作ピストン59の相対移動は、液圧ブースタの後方チャンバ53と前方チャンバ51との連通を中断する。実際に生じることは、操作ピストン59が前方に移動するとき、ダクト71の後方に位置された液圧ピストン59の部分が、ダクト65を遮断することである。マスターシリンダ13の液圧ピストン95に対するピストン59の軸方向移動により、液圧ピストン95に対して固定して取り付けられたスリーブ107に固定されるロッド93を第2のバルブ79のボールに押圧することによって、第2のバルブ79を開放し、ボール91は、スプリング85の作用に対抗してバルブシート87から離昇する。
【0033】
液圧ブースタ11の前方チャンバ51とマスターシリンダのチャンバ7との間の圧力の差により、第1のバルブ77を開放し、第1のバルブ77のボール83は、スプリング85の作用に対抗してバルブシート81から離昇する。ゆえに、チャンバ7に収容された液圧流体に比べて高圧である前方チャンバ51に収容された液圧流体は、連通手段を介してチャンバ7に流通し、特に、流体は、開放している第1のバルブ77と第2のバルブ79とを介して、操作ピストン59の長手方向端部の前方部分に作られたダクト67と、ダクト71と、横方向孔75と、孔73とを介してチャンバ51からチャンバ7に流通する。
【0034】
その結果、液圧ブースタの前方チャンバ51における圧力が減少し、それゆえ、後方チャンバ53と前方チャンバ51との間の圧力差のために、液圧ブーストピストン15の前方軸方向への移動が生じる。
【0035】
この瞬間に至るまで、ブレーキ流体は、連通手段123を介して排気チャンバ119に流通し続け、圧力がチャンバ7に発生するのを防止する。しかしながら、チャンバ7内とブレーキ回路内とに収容された流体の圧力は、十分に高く、ブレーキ回路の機能的クリアランスが塞がれることを可能とする。
【0036】
その結果、ブーストピストン15の前進により、マスターシリンダの液圧ピストン95に固定して取り付けられているリップシール129に対するブーストピストン15のロッド23の前進の間、第2の連通手段123を閉鎖させる。ブーストピストン15そしてロッド23が、軸方向に前方に移動すると、リップシール129は、大きい直径の後部部分131を遮断し、マスターシリンダのチャンバ7と排気チャンバ119との連通を密閉して中断し、マスターシリンダ13のチャンバ7内の圧力が上昇し、マスターシリンダが、ブレーキ流体圧力を操作ピストン59の前方の横方向端部に加えることによって、操作ピストン59に反作用を働かせることを可能とし、この反作用は、スプリング96によってもたらされる反作用を大きくする。
【0037】
その結果、液圧ブーストピストン15のロッド23と操作ピストン59との間に相対移動が生じ、特に、液圧ピストン15は、操作ピストン59に対してさらに前進される位置を有し、液圧ブースタの後方チャンバ53と前方チャンバ51との連通が再開され、その結果、高圧ブレーキ流体をシート81に供給する。
【0038】
次に、マスターシリンダのチャンバ7内の圧力が、スプリング85の反作用と結合すると、これにより、ボール83をシート81の上に押圧することによって、第1のバルブ77を閉鎖する。
【0039】
ブーストピストン15と操作ピストン59との間の相対移動により、ロッド23の第2の排気ダクト127と操作ピストン59の第1の排気ダクト125とを連通した状態に配置することによって、第1の連通手段121を開放させる。液圧ブースタのチャンバ51内に収容された高圧液圧流体は、その結果、第1の連通手段121を介して排気チャンバ119に流通する。これにより、液圧ブースタの後方チャンバ53と前方チャンバ51との間に圧力差を生じ、その結果、ブーストピストン15を前進させる。ブーストピストン15の前方軸方向への移動により、液圧ピストン95の円環突起97によって押される後方肩部101へのロッド23の前方長手方向端部の押圧により、液圧ピストン95の前方軸方向への移動を生じ、チャンバ7内そしてブレーキ回路内の圧力の増大により制動を可能とする。マスターシリンダ13のチャンバ7内の圧力は、下記の式(I)により、運転手によってブレーキペダルに加えられる力に比例する。
F−F−F=(P*A)+F−[P53*(A51−A27)] +[P51*(A51−A29)] (I)
Fは、ペダルによって印加される力、Fは、スプリング96への負荷、Fは、スプリング85の反作用、Pは、チャンバ7内の圧力、Aは、液圧ピストン95の断面積、Fは、リターンスプリング113の反作用、P53は、後方チャンバ53の圧力、P51は、前方チャンバ51の圧力、Aは、チャンバ7の断面積、A51は、前方チャンバ51及びチャンバ53の断面積、A29は、ロッド23の小さい直径部分29の断面積、そして、A27は、ロッド23の大きい直径の部分27の断面積である。
【0040】
液圧ブースタによってもたらされる昇圧は、ブースタの前方チャンバ51における圧力が大気圧と等しくなる瞬間まで、式(I)により、マスターシリンダのチャンバ7における力Fと圧力とを増加する。その装置は、次に、飽和状態に入る。この飽和状態において、運転手によるブレーキペダルへの力の変化ΔFは、
ΔP=ΔF/A
に等しいマスターシリンダのチャンバ7内の圧力の変化ΔPを生じさせる。
【0041】
本発明による後方位置への装置の戻りは、以下の通りである。運転手は、ブレーキペダルから足を離し、それにより、スプリング96の作用のもとに、操作ピストン59を後方位置に戻させ、第2のバルブ79を閉鎖させ、後方チャンバ53と前方チャンバ51との連通を再度開放させ、その結果、チャンバ53とチャンバ51との間の圧力を再度等しくさせ、ブーストピストン15が後方位置に戻される。
【0042】
本発明による装置は、次の制動位相のために準備されている。
【0043】
高圧ブレーキ流体源が、正しく作動しなければ、この装置は、昇圧することなく、従来のマスターシリンダのように作動する。運転手がブレーキペダルを踏み込むと、操作ピストン59の後方端部は、ロッド23の孔55の内周部に形成された肩部に当接し、ロッド23を移動させ、ロッド23の長手方向端部寄りのシール129の遮断によってマスターシリンダのチャンバ7と排気チャンバ119との連通を閉鎖する。前方長手方向端部は、ピストン95の内周部に形成された後方肩部101に当接して、ピストンを前方に移動させる。ピストンの前進は、結果として、ブレーキ流体をブレーキに給送し、バルブ77は、圧力差を受けず、またマスターシリンダのチャンバ7と排気チャンバ119との連通が閉鎖されているために、閉鎖される。
【0044】
運転手によってブレーキペダルに加えられる制動力に比例して、高圧の液圧流体をマスターシリンダのチャンバ7に、そしてダクト9を介してブレーキ回路へ流通させることにより漸増的な制動を可能とするブレーキ装置が実際に製造され、運転手に良好なペダル感覚を呈している。
【0045】
勿論、ボールバルブ77,79以外のあらゆるタイプのバルブの使用は、本発明の範囲から逸脱するものではない。
【0046】
スカート25の後方に位置するロッド23の大きい直径の第1の部分27とスカート25の前方に位置するロッド23の小さい直径の第2の部分29との間の断面積差により、後方休止位置にブーストピストン15を保持することを可能にすることは有利である。これにより、本発明の装置にリターンスプリングを加えることを省略できることが明らかである。
【0047】
本発明は、特に農業用自動車産業に適用される。
【0048】
本発明は、主として農業用自動車ブレーキシステム産業に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による、休止位置における液圧ブレーキ装置の縦断面図である。
【図2】 第1の制動位置における図1の液圧ブレーキ装置の断面図である。
【図3】 第2の制動位置における図1の液圧ブレーキ装置の長手方向断面図である。
【符号の説明】
1 本体
3 孔
5 第1のチャンバ
7 第2のチャンバ
9 ダクト
11 液圧ブレーキブースタ
13 マスターシリンダ
15 液圧ブーストピストン
17 リング
19 第1の端部
23 ロッド
25 スカート
26 円錐形部分
27 第1の部分
29 第2の部分
33 オリフィス
35 サークリップ
41 リップシール
37,39,49 Oリング
43 第2のガイドリング
51 前方第2のチャンバ
53 後方第1のチャンバ
55 孔
59 操作ピストン
60 作動ロッド
62 ブレーキペダル
64 ペダル
65,67 ダクト
71 ダクト
73 孔
75 横方向通路
77 第1のバルブ
79 第2のバルブ
81 バルブシート
83 第1のボール
85 スプリング
87 バルブシート
89 スリーブ
91 第2のボール
93 ロッド
94 ベアリング手段
95 液圧ピストン
96 スプリング
97 円環突起
99 前方肩部
101 後方肩部
103 前方部分
105 後方部分
107 スリーブ
109 止め具
111 第1のシール
113 リターンスプリング
115 肩部
117 止め具
119 排気チャンバ
121 第1の連通手段
123 第2の連通手段
125 第1の排気ダクト
126 シール
127 第2の排気ダクト
128 溝
129 リップシール
131 後方部分
133 前方部分
135 一群のリング
137 排気オリフィス
139 連通ダクト
141 第2の連通ダクト
143 Oリング シール
A1 第1のホイールアクスル
A2 第2のホイールアクスル
B 圧力平衡装置
B3 平衡装置
D1 液圧ブレーキ装置
X 軸

Claims (7)

  1. マスターシリンダ(13)と液圧ブレーキブースタ(11)とを包含する液圧ブレーキ装置であって、前記マスターシリンダが、自動車の車輪のブレーキに連結される圧力チャンバ(7)を画定する少なくとも1つの液圧ピストン(95)を包含し、前記液圧ブレーキブースタが、チャンバ(5)を第1のチャンバ(53)と第2のチャンバ(51)とに分割するブーストピストン(15)と、両チャンバ(53,51)間の連通を確立する手段と、連通を中断する手段(65,67,71)とを包含し、前記ブレーキ装置が、ブレーキペダル(62)に連結され且つブーストピストン(15)内に密封的に摺動するよう嵌装された操作ピストン(59)を移動させる作動ロッド(60)によって作動され、前記装置が、前記液圧ブレーキブースタに給送する高圧の液圧流体源をさらに包含している液圧ブレーキ装置において、休止時、液圧ブレーキブースタ(11)の後方チャンバ(53)及び前方チャンバ(51)が、連通した状態に配置され、液圧流体の高圧源によって供給される圧力とほぼ同一の圧力で液圧ブレーキ流体を充填されることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  2. ピストン(15)が、作動ロッド(60)によって駆動されるロッド(23)に固定されたスカート(25)を有することを特徴とする請求項1記載のブレーキ装置。
  3. 液圧ブースタのチャンバ(5)とマスターシリンダのチャンバ(7)との連通が、ダクト(71,73,75)及びバルブ装置(77,79,93)を介して行われることを特徴とする請求項1又は2記載のブレーキ装置。
  4. バルブ装置が、液圧ブーストピストン(15)のロッド(23)内を操作ピストン(59)が移動するときにプッシュロッド(93)によって作動される、バルブシート(87)と協働するシャッタ(91)を備えた第1のバルブ(79)と、液圧ブースタのチャンバ(5)とマスターシリンダのチャンバ(7)との間の液圧差によって作動される、シート(81)と協働するシャッタ(83)を備えた第2のバルブ(77)とを包含することを特徴とする請求項3記載のブレーキ装置。
  5. 液圧ブーストピストンのロッド(23)が、ブレーキペダル(62)に面する大きい外径の第1の部分(27)と、第1の部分(27)と軸方向反対側の比較的小さい外径の第2の部分(29)とを包含することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
  6. 第1の連通手段(121)によって液圧ブースタの前方チャンバ(51)と連通した状態に、また第2の連通手段(123)によってマスターシリンダのチャンバ(7)と連通した状態に配置できる排気チャンバ(119)を包含することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のブレーキ装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のブレーキ装置を2つ包含し、この2つのブレーキ装置を圧力平衡装置によって連結することを特徴とするブレーキシステム。
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