JP4541569B2 - 乗員拘束用シートベルト・システム - Google Patents

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    • B60R22/18Anchoring devices
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概略的には乗員拘束用シートベルト・システムに関し、より具体的には4点式又は3点式乗員拘束用シートベルト・システムとして使用されるために配置され得る乗員拘束用シートベルト・システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用シートは、着座乗員を支持するための、ほぼ水平のシートクッション上に設けられたほぼ直立したシートバックを有する。その様なシートバックは、多くの場合ヘッドレストを支持する上部と、シートバックのリクライニング調整を行わせるために多くの場合シートクッションに軸支される下部を有する。シートクッションは、車両内側部(車両の中心に近い部分)と車両外側部(車両の外部に近い部分)の間に延びる。乗員拘束用シートベルト・システムは、着座乗員をシートに拘束するために、シート又はシート周囲の車両構造体に固定されているのが一般的である。乗員拘束用シートベルト・システムは通常、3点式シートベルトとしての配置か、或いは4点式シートベルトとしての配置を構成する。3点式シートベルトとしての配置は、シートクッションの車両内側部と車両外側部の間に延びるラップ・ベルト・ウェビングと、シートバック上部の車両外側からシートバック下部の車両内側まで斜めに延びるショルダー・ベルト・ウェビングを含むものとして、一般的に定義される。ラップ・ベルト・ウェビングとショルダー・ベルト・ウェビングは通常、タングつまりラッチ板により相互に接続され、そのタングはシートクッションの車両内側部のバックルに解放可能にラッチ固定される。4点式シートベルトとしての配置は、シートの車両内側部及び車両外側部のそれぞれに隣接してシートバックの上部から下部まで、シートクッションの車両内側部及び車両外側部のそれぞれから延びる対応する車両内側及び車両外側のラップ・ベルト・ウェビングまで延びる、車両内側及び車両外側のショルダー・ベルト・ウェビングにより、一般的に定義される。タングつまりラッチ板がバックルに接続されて、ショルダー・ベルト・ウェビングをラップ・ベルト・ウェビングと相互に接続し、4点式シートベルトとしての配置を最終的に構成する。
【0003】
車両用シートに用いられる乗員拘束用シートベルト・システムとして、ラップ・ベルト・ウェビングとショルダー・ベルト・ウェビングにより構成される3点式シートベルトとしての配置を持つとともに、更に第二のショルダー・ベルト・ウェビングを追加することで4点式シートベルトとしての配置も得られるものも知られている。米国特許第5,123,673号には、3点式と4点式の両方としてのシートベルトの配置を持つ乗員拘束用シートベルト・システムの一例が示されている。しかしながら、それらの形式の乗員拘束用シートベルト・システムには一般的に、3点式としての及び4点式としてのシートベルト配置のそれぞれにおいて、ショルダー・ベルト・ウェビングとラップ・ベルト・ウェビングのそれぞれを相互に接続するための複数のラッチ板とバックルを用いることが必要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置或いは4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置のいずれとしても装着出来るための、快適で使い易くかつ単一のバックルとタングを有する乗員拘束用シートベルト・システムの提供が、依然として望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は上部と下部の間に延びるシートバックと車両内側部と車両外側部の間に延びるシートクッションを持つ車両用シートのための乗員拘束用シートベルト・システムである。その様な乗員拘束用シートベルト・システムが、上記シートクッションの上記車両内側部に隣接して、上記シートバックの上記上部から上記下部まで延びる第一ショルダー・ベルト・ウェビングと、上記シートクッションの上記車両外側部に隣接して、上記シートバックの上記上部から上記下部まで延びる第二ショルダー・ベルト・ウェビングを有する。上記乗員拘束用シートベルト・システムが更に、上記シートバックの上記下部に隣接して、上記シートクッションの上記車両内側部から上記第一ショルダー・ベルト・ウェビングまで延びる第一ラップ・ベルト・ウェビングと、上記シートバックの上記下部に隣接して、上記シートクッションの上記車両外側部から上記第二ショルダー・ベルト・ウェビングまで延びる第二ラップ・ベルト・ウェビングを有する。上記乗員拘束用シートベルト・システムは、上記第一及び第二ショルダー・ベルト・ウェビングのうちの一方と上記第一及び第二ラップ・ベルト・ウェビングのうちの対応する一方を相互に接続するタングと、上記第一及び第二ショルダー・ベルト・ウェビングのうちの他方と上記第一及び第二ラップ・ベルト・ウェビングのうちの対応する一方を相互に接続するとともに上記タングをロック可能に受入れるバックルを有する。上記乗員拘束用シートベルト・システムはまた、上記シートクッションの上記車両内側部と上記車両外側部のうち一方に隣接する部分に固定されるとともに上記バックルをロック可能に受入れるバックル・アンカーを有する。最後に、上記乗員拘束用シートベルト・システムは、上記バックルと上記タングを上記シートクッションの上記車両内側部と上記車両外側部のほぼ中間部に配置することにより4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置を規定する様に、上記タングを上記バックルに解放可能にロックする、上記バックルに固定された第一の接続機構と、上記タングを上記バックルに解放可能にロックするとともに上記バックルを上記シートクッションの上記車両内側部と上記車両外側部のうちの一方に隣接する上記バックル・アンカーに解放可能にロックすることにより3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置を規定する様に、上記バックルを上記バックル・アンカーに解放可能にロックする、上記バックルに固定された第二の接続機構を有する。
【0006】
上記乗員拘束用シートベルト・システムは、3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置あるいは4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置の両方における装着用の単一のバックルとタングのみを有するので、使い易いものである。更に、上記バックルが、上記4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置とするべく上記タングを上記バックルに解放可能にロックする第一の接続機構と、上記第一の車両外側ショルダーベルト・ウェビングが上記シートバック部分に亘って斜めに引き出されそして上記タングが上記第一接続機構により上記バックルに解放可能にロックされたときに、上記3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置とするべく上記バックルを上記バックル・アンカーに解放可能に自動的にロックする第二の接続機構と、の両方を有する。また、上記乗員拘束用シートベルト・システムが、上記シートバックに設けられ、上記3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置と上記4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置の間で上記第一及び第二ショルダー・ベルト・ウェビングを受入れかつ案内するD字状リングの対を有するため、より快適なものとなる。
【0007】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と組合わせて読んだ後に、即座に、またより十分に、理解されよう。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1及び3を参照すると、本発明による乗員拘束用シートベルト・システム10の一実施形態が示されている。自動車(不図示)において一般的に用いられるシート12が、着座乗員の背中を支持するための、上部16と下部18の間に延びるほぼ直立したシートバック14を有する。シート12は更に、着座乗員の下半身を支持するための、シートバック14の下部18から前方に突出するとともに車両内側部22と車両外側部24の間に延びる、ほぼ水平のシートクッション20を有する。また、当該技術分野では周知の様に、車両内側部22はシート12における車両の内側つまり中央側に隣接する側部として定義され、車両外側部24はシート12における車両の外側つまり外部側に隣接する側部として定義される。
【0009】
乗員拘束用シートベルト・システム10は、シートクッション20の車両内側部22に隣接して、シートバック14の上部16から下部18に延びる第一のつまり車両内側のショルダー・ベルト・ウェビング26を有する。乗員拘束用シートベルト・システム10は、シートクッション20の車両外側部24に隣接して、シートバック14の上部16から下部18に延びる第二のつまり車両外側のショルダー・ベルト・ウェビング28を有する。更に乗員拘束用シートベルト・システム10は、シートバック14の下部18に隣接して、シートクッション20の車両内側部22から車両内側ショルダー・ベルト・ウェビング26まで延びる第一のつまり車両内側のラップ・ベルト・ウェビング30と、シートバック14の下部18に隣接して、シートクッション20の車両外側部24から車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング28まで延びる第二のつまり車両外側のラップ・ベルト・ウェビング32を、有する。
【0010】
乗員拘束用シートベルト・システム10は、シートバック14の下部18に隣接する部分で、車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング28と車両外側ラップ・ベルト・ウェビング32を相互に接続するタング34も有する。同様に、以下に更に詳しく説明される様に、乗員拘束用シートベルト・システム10は、シートバック14の下部18に隣接する部分で、車両内側ショルダー・ベルト・ウェビング26と車両内側ラップ・ベルト・ウェビング30を相互に接続するとともに、タング34をロック可能に受入れるためのバックル36も有する。
【0011】
バックル・アンカー38が、バックル36をロック可能に受入れるために、シートクッション20の車両内側部22にボルト、ファスナー、溶接などにより固定されている。バックル・アンカー38は、当該技術分野では周知の様に、シートベルト荷重に耐えることが可能である限り車両のフロアや他の構造体(不図示)に固定されても良いことが、理解されるべきである。
【0012】
更に、乗員拘束用シートベルト・システム10は、図3に示される様に、バックル36とタング34をシートクッション20の車両内側部22と車両外側部24の間のほぼ中間部に配置することにより4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置を規定する様に、タング34を解放可能にバックル36にロックする、バックル36に取付けられた、第一のつまり車両外側の接続機構40を有する。乗員拘束用シートベルト・システム10は、図2に示される様に、タング34を解放可能にバックル36にロックすること及びバックル36をシートクッション20の車両内側部22に隣接するバックル・アンカー38に解放可能にロックすることによって3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置を規定する様に、バックル36を解放可能にバックル・アンカー38に固定する、バックル36に取付けられた、第二のつまり車両内側の接続機構42を有する。車両外側及び車両内側の接続機構40と42は、当該技術分野では周知の様に、バックル36の両側に一体的に取付けられ、また押しボタン式の接続及び解放機構(不図示)を有する。
【0013】
図1及び4を参照すると、乗員拘束用シートベルト・システム10は、シートバック14の上部16と下部18の間に設けられるものとして好ましい実施形態に示された、車両内側ショルダー・ベルト・リトラクター44と車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター46も有する。より具体的には、車両内側ショルダー・ベルト・リトラクター44は、シートクッション20の車両内側部22に隣接してシートバック14に設けられ、そして車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター46は、シートクッション20の車両外側部24に隣接してシートバック14に設けられている。車両内側ショルダー・ベルト・ウェビング26の一部は車両内側ショルダー・ベルト・リトラクター44の内部に巻き取られる。同様に、車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング28の一部は車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター46の内部に巻き取られる。車両内側及び車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター44、46は、多様な着座乗員の大きさに合わせて、及び3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置と4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置の間の乗員拘束用シートベルト・システム10の位置の違いに合わせて、車両内側及び車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング26と28それぞれの長さの調節を行う。
【0014】
乗員拘束用シートベルト・システム10は更に、シートバック14の下部18に隣接してシートクッション20の車両内側部22に設けられた車両内側ラップ・ベルト・リトラクター48と、シートバック14の下部18に隣接してシートクッション20の車両外側部24に設けられた車両外側ラップ・ベルト・リトラクター50を有する。車両内側ラップ・ベルト・ウェビング30の一部は車両内側ラップ・ベルト・リトラクター48の内部に巻き取られ、また車両外側ラップ・ベルト・ウェビング32の一部は車両外側ラップ・ベルト・リトラクター50の内部に巻き取られる。車両内側及び車両外側ラップ・ベルト・リトラクター48と50は、同様に、多様な着座乗員の大きさに合わせて、及び3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置と4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置の間の乗員拘束用シートベルト・システム10の位置の違いに合わせて、車両内側及び車両外側ラップ・ベルト・ウェビング30と32それぞれの長さの調節を行う。車両内側及び車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター44と46、及び、車両内側及び車両外側ラップ・ベルト・リトラクター48と50は、図示の様にシート12に強固に取付けられても、或いは当該技術分野では周知の様にシートベルト荷重に十分耐える他の車両構造体(不図示)に強固に取付けられても良い。
【0015】
最後に、乗員拘束用シートベルト・システム10は、4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置及び3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置の間で車両内側ショルダー・ベルト・ウェビング26を受入れかつ案内するために、シートクッション20の車両内側部22に隣接してシートバック14の上部16に固定された第一ショルダー・ベルト・ウェビングに対する、つまり車両内側の、D字状リング(D-ring)52を有する。乗員拘束用シートベルト・システム10はまた、4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置及び3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置の間で車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング28を受入れかつ案内するために、シートクッション20の車両外側部24に隣接してシートバック14の上部16に固定された第二ショルダー・ベルト・ウェビングに対する、つまり車両外側の、D字状リング54も有する。
【0016】
より具体的には、車両内側D字状リング52は、3点式及び4点式シートベルトの乗員拘束用配置のそれぞれにおいて乗員拘束用シートベルト・システム10が取付けられる際に、車両内側ショルダー・ベルト・リトラクター44からバックル36に至る車両内側ショルダー・ベルト・ウェビング26を受入れかつ案内するための、及び車両内側ショルダー・ベルト・ウェビング26に横方向の移動を行わせるための、シートバック14の一部を貫通する円弧型のスロットを形成する。車両外側D字状リング54は、3点式及び4点式シートベルトの乗員拘束用配置のそれぞれにおいて乗員拘束用シートベルト・システム10が取付けられる際に、車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター46からタング34に至る車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング28を受入れかつ案内するための、及び車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング28に横方向の移動を行わせるための、シートバック14の一部を貫通する円弧型のスロットを形成する。
【0017】
装着操作に際しては、まず図1を参照すると、乗員拘束用シートベルト・システム10の非使用位置つまり非使用時の配置のものが図示されている。非使用位置においては、車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター46と車両外側ラップ・ベルト・リトラクター50が、シートバック14の下部18でシートクッション20の車両外側部24に隣接する部分にタング34を付勢しそして配置する様に、車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング28と車両外側ラップ・ベルト・ウェビング32のそれぞれを自動的に引込む、つまり巻き取る。車両内側ショルダー・ベルト・リトラクター44と車両内側ラップ・ベルト・リトラクター48が、シートバック14の下部18でシートクッション20の車両内側部22に隣接する部分にバックル36を付勢しそして配置する様に、車両内側ショルダー・ベルト・ウェビング26と車両内側ラップ・ベルト・ウェビング30のそれぞれを自動的に引込む、つまり巻き取る。非使用位置においては、バックル36と車両内側接続機構42は、バックル・アンカー38上に載置されるが、それにラッチすなわち解放可能にロックされてはいない。それで、乗員がシート12に着座したときに、その乗員は、3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置においては乗員拘束用シートベルト・システム10の装着用のタング34のみに、また、4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置においては乗員拘束用シートベルト・システム10の装着用のタング34とバックル36の両方に、容易に手が届き得る。
【0018】
ここで図2を参照すると、乗員拘束用シートベルト・システム10は3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置のものが図示されている。乗員拘束用シートベルト・システム10を3点式シートベルトとしての配置で装着するために、着座乗員はタング34をシートクッション20の車両外側部24から車両内側部22に向けて乗員自身の反対側まで引張る。タング34を引張ると、車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター46から車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング28が、そして車両外側ラップ・ベルト・リトラクター50から車両外側ラップ・ベルト・ウェビング32が自動的に引張られて繰り出される。着座乗員はその後、タング34をバックル36に挿入し、そして車両外側接続機構40がタング34をバックル36に解放可能にロックする。同時に、バックル36はバックル・アンカー38に自動的にラッチ固定され、そして車両内側接続機構42がバックル36をバックル・アンカー38に解放可能にロックして、図2に示す様な3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置を構成する。着座乗員が車両外側接続機構40を解放すると、タング34はアンロックされてバックル36から解放され、車両内側接続機構42はバックル36をバックル・アンカー38からアンロックしそして解放する様に、自動的に解放される。その後、タング34と乗員拘束用シートベルト・システム10を元の非使用位置に戻す様に、車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター46と車両外側ラップ・ベルト・リトラクター50が車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング28と車両外側ラップ・ベルト・ウェビング32のそれぞれを自動的に巻き取る。
【0019】
図3を参照すると、乗員拘束用シートベルト・システム10は4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置のものが図示されている。乗員拘束用シートベルト・システム10を4点式シートベルトとしての配置で装着するために、着座乗員はタング34とバックル36の両方を乗員自身の前方でシートクッション20の車両内側部22と車両外側部24のほぼ中間付近のところまで同時に引張る。車両内側及び車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング26と28は車両内側及び車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター44と46のそれぞれから繰り出される一方、車両内側及び車両外側ラップ・ベルト・ウェビング30と32は車両内側及び車両外側ラップ・ベルト・リトラクター48と50のそれぞれから同時に繰り出される。また、車両内側及び車両外側D字状リング52と54によって規定された円弧型スロットは、積極的に着座乗員の肩部を位置決めするとともに肩部に係合する様に、図1及び3に示される様に車両内側及び車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング26と28のそれぞれが内側及び下方に動くのを可能とする。最後に、着座乗員はタング34をバックル36に挿入し、そして車両外側接続機構40がタング34をバックル36に解放可能にロックして、4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置となる。3点式と同様に、着座乗員が車両外側接続機構40を解放すると、タング34はアンロックされてバックル36から解放される。リトラクター44乃至50はその後、シートベルト・ウェビング26乃至32のそれぞれを自動的に引込んで巻き戻し、乗員拘束用シートベルト・システム10を図1に示す様な元の非使用位置に戻す。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、衝突事象の際に、及びシートベルトに荷重が掛かった際に、乗員をシート12に拘束するとともに適切な姿勢に保つことになる、3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置及び4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置の両方で装着可能な快適で使い易い乗員拘束用シートベルト・システム10を提供できる。
【0021】
以上、本発明を図示の態様について説明した。ここで用いられた用語は、説明のために用いているのであり、限定のためではないことが、理解されるであろう。
【0022】
上記の教示内容を考慮すれば、本発明の多くの改良案及び変形例を想到することが出来る。それで、ここで具体的に説明した以外の形態で、添付の請求項の範囲内で本発明を実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による乗員拘束用シートベルト・システムの、非使用状態を示す前面図である。
【図2】本発明による乗員拘束用シートベルト・システムの、3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置状態を示す前面図である。
【図3】本発明による乗員拘束用シートベルト・システムの、4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置状態を示す前面図である。
【図4】本発明による乗員拘束用シートベルト・システムの、4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置状態を示す側面図である。
【符号の説明】
10 乗員拘束用シートベルト・システム
12 車両用シート
14 シートバック
16 上部
18 下部
20 シートクッション
22 車両内側部
24 車両外側部
26 第一ショルダー・ベルト・ウェビング(車両内側ショルダー・ベルト・ウェビング)
28 第二ショルダー・ベルト・ウェビング(車両外側ショルダー・ベルト・ウェビング)
30 第一ラップ・ベルト・ウェビング(車両内側ラップ・ベルト・ウェビング)
32 第二ラップ・ベルト・ウェビング(車両外側ラップ・ベルト・ウェビング)
34 タング
36 バックル
38 バックル・アンカー
40 第一の接続機構(車両外側接続機構)
42 第二の接続機構(車両内側接続機構)
44 車両内側ショルダー・ベルト・リトラクター
46 車両外側ショルダー・ベルト・リトラクター
48 車両内側ラップ・ベルト・リトラクター
50 車両外側ラップ・ベルト・リトラクター
52 第一ショルダー・ベルト・ウェビング用D字状リング
54 第二ショルダー・ベルト・ウェビング用D字状リング

Claims (8)

  1. 上部と下部の間に延びるシートバックと車両内側部と車両外側部の間に延びるシートクッションとを持つ車両用シートのための乗員拘束用シートベルト・システムにおいて、
    上記シートクッションの上記車両内側部に隣接して、上記シートバックの上記上部から上記下部まで延びる第一ショルダー・ベルト・ウェビングと、
    上記シートクッションの上記車両外側部に隣接して、上記シートバックの上記上部から上記下部まで延びる第二ショルダー・ベルト・ウェビングと、
    上記シートバックの上記下部に隣接して、上記シートクッションの上記車両内側部から上記第一ショルダー・ベルト・ウェビングまで延びる第一ラップ・ベルト・ウェビングと、
    上記シートバックの上記下部に隣接して、上記シートクッションの上記車両外側部から上記第二ショルダー・ベルト・ウェビングまで延びる第二ラップ・ベルト・ウェビングと、
    上記第一及び第二ショルダー・ベルト・ウェビングのうちの一方と上記第一及び第二ラップ・ベルト・ウェビングのうちの対応する一方とを相互に接続するタングと、
    上記第一及び第二ショルダー・ベルト・ウェビングのうちの他方と上記第一及び第二ラップ・ベルト・ウェビングのうちの対応する一方とを相互に接続するとともに上記タングをロック可能に受入れるバックルと、
    上記シートクッションの上記車両内側部と上記車両外側部のうちの一方に隣接する部分に固定されるとともに上記バックルをロック可能に受入れるバックル・アンカーと、
    上記バックルと上記タングを上記シートクッションの上記車両内側部と上記車両外側部のほぼ中間部に配置することにより4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置を規定する様に、上記タングを上記バックルに解放可能にロックする、上記バックルに固定された第一の接続機構と、
    上記タングを上記バックルに解放可能にロックするとともに上記バックルを上記シートクッションの上記車両内側部と上記車両外側部のうちの一方に隣接する上記バックル・アンカーに解放可能にロックすることにより3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置を規定する様に、上記バックルを上記バックル・アンカーに解放可能にロックする、上記バックルに固定された第二の接続機構と、
    を有するシステム。
  2. 上記シートクッションの上記車両内側部に隣接して上記シートバックの上記上部に固定されるとともに、上記4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置と上記3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置の間で上記第一ショルダー・ベルト・ウェビングを受入れかつ案内する第一ショルダー・ベルト・ウェビング用D字状リングを有する、請求項1に記載のシステム。
  3. 上記シートクッションの上記車両外側部に隣接して上記シートバックの上記上部に固定されるとともに、上記4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置と上記3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置の間で上記第二ショルダー・ベルト・ウェビングを受入れかつ案内する第二ショルダー・ベルト・ウェビング用D字状リングを有する、請求項2に記載のシステム。
  4. 上記シートバックに設けられるとともに上記第一ショルダー・ベルト・ウェビングの少なくとも一部を自動的に巻き取る車両内側ショルダー・ベルト・リトラクターを有する、請求項1に記載のシステム。
  5. 上記シートバックに設けられるとともに上記第二ショルダー・ベルト・ウェビングの少なくとも一部を自動的に巻き取る車両外側ショルダー・ベルト・リトラクターを有する、請求項4に記載のシステム。
  6. 上記シートクッションの上記車両内側部に設けられるとともに上記第一ラップ・ベルト・ウェビングの少なくとも一部を自動的に巻き取る車両内側ラップ・ベルト・リトラクターを有する、請求項1に記載のシステム。
  7. 上記シートクッションの上記車両外側部に設けられるとともに上記第二ラップ・ベルト・ウェビングの少なくとも一部を自動的に巻き取る車両外側ラップ・ベルト・リトラクターを有する、請求項6に記載のシステム。
  8. 上部と下部の間に延びるシートバックと車両内側部と車両外側部の間に延びるシートクッションを持つ車両用シートのための乗員拘束用シートベルト・システムにおいて、
    上記シートクッションの上記車両内側部に隣接して、上記シートバックの上記上部から上記下部まで延びる車両内側ショルダー・ベルト・ウェビングと、
    上記シートクッションの上記車両外側部に隣接して、上記シートバックの上記上部から上記下部まで延びる車両外側ショルダー・ベルト・ウェビングと、
    上記シートバックの上記下部に隣接して、上記シートクッションの上記車両内側部から上記車両内側ショルダー・ベルト・ウェビングまで延びる車両内側ラップ・ベルト・ウェビングと、
    上記シートバックの上記下部に隣接して、上記シートクッションの上記車両外側部から上記車両外側ショルダー・ベルト・ウェビングまで延びる車両外側ラップ・ベルト・ウェビングと、
    上記車両外側ショルダー・ベルト・ウェビングと上記車両外側ラップ・ベルト・ウェビングとを相互に接続するタングと、
    上記シートクッションの上記車両内側部に隣接する部分に固定されたバックル・アンカーと、
    上記車両内側ショルダー・ベルト・ウェビングと上記車両内側ラップ・ベルト・ウェビングとを相互に接続するとともに上記タングと上記バックル・アンカーをロック可能に受入れるバックルと、を有し、
    上記バックルは、上記バックルと上記タングが上記シートクッションの上記車両内側部と上記車両外側部の間のほぼ中間部に位置したときに4点式シートベルトとしての乗員拘束用配置を規定する様に、上記タングを上記バックルに解放可能にロックする車両外側接続機構と、上記車両外側ショルダー・ベルト・ウェビングが、上記シートバックの上記上部における上記車両外側部に隣接する部分から上記シートバックの上記下部における上記車両内側部に隣接する部分まで斜めに引き出されそして上記タングが上記車両外側接続機構により上記バックルに解放可能にロックされたときに3点式シートベルトとしての乗員拘束用配置を規定する様に、上記バックルを上記バックル・アンカーに解放可能に自動的にロックする車両内側接続機構とを有する、システム。
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