JP4541059B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、出力電流検出機能を備えたインバータ装置に係り、特に、交流電動機の駆動に好適な可変電圧可変周波数型のインバータ装置に関する。
インバータ装置によれば可変周波数で可変電圧の交流出力が得られるので、近年、特に誘導電動機などの交流電動機駆動用に広く用いられているが、このときインバータ装置自体を保護し、負荷となっている交流電動機を保護するため、出力電流を検出する機能が付加される場合がある。
そして、このため、このような可変電圧可変周波数型のインバータ装置、いわゆるVVVFインバータ装置では、従来から、例えばインバータの交流部に電流センサを設けて交流電流を検出する方法と、直流部にシャント抵抗を設けて直流電流を検出する方法が主として用いられている。
このうち、電流センサを用いる方法は、交流部の電流が直接検出でき、従って、回路構成が簡単で精度良くインバータの出力電流が検出できるが、反面、電流センサとしてはホール素子を使用したものが一般的であることから、シャント抵抗に比較してコスト高になる。
一方、シャント抵抗を用いる方法は、センサ自体のコストの点では有利であるが、この場合は、シャント抵抗の電圧降下により発生した電圧を処理する必要がある(例えば、特許文献1参照)。
そして、このときの電圧の処理方式には、シャント抵抗から与えられる電圧にフィルタをかけ、平均値をとり演算して交流電流を得る方式の従来技術と、逆変換部のパルス幅変調(PWM)動作に応じてスイッチングパルス毎に検出値をホールドして交流電流を演算する方式の従来技術とが知られている。
特開平6−219148号公報
上記シャント抵抗による従来技術の内、フィルタで平均値をとり演算する方式の場合は、回路構成が簡単で安価に実現できるが、出力周波数や電動機の力率等の影響を受けてしまうので、精度がよくないという問題があり、PWMに応じてパルス毎にホールドする方式の場合は、比較的精度良く交流電流が検出できるが、処理回路にゲートアレイやオペアンプ(演算増幅器)に高速仕様のオペアンプを使う必要があり、回路構成が複雑で、部品点数が増大するという問題がある。
本発明の目的は、シャント抵抗により発生した電圧から精度よくインバータ出力電流が検出できるようにしたインバータ装置をローコストで提供することにある。
上記目的は、シャント抵抗に発生する電圧のピークホールド値に基づいて出力電流を検出する方式の電流検出部を備えたパルス幅変調インバータ装置において、前記電流検出部が、少なくとも演算増幅器の帰還ループの外に接続したダイオードと、このダイオードを介して充電されるコンデンサと、このコンデンサの電荷を周期的に放電する放電回路を備えたピークホールド回路と、ローパスフィルタを含まない第1と第2のインバータ出力電流検出回路と、これら第1と第2のインバータ出力電流検出回路の出力を加算して前記ピークホールド回路に供給する加算回路とを含み、前記ピークホールド回路は、前記ピークホールド用ダイオードによる順方向電圧降下を補償する電圧降下補償回路を備え、前記第1のインバータ出力電流検出回路は、前記シャント抵抗に発生する電圧が一方の極性のとき動作して出力を発生し、前記第2のインバータ出力電流検出回路は、前記シャント抵抗に発生する電圧が他方の極性のとき動作して出力を発生するようにして達成される。
このとき、前記放電回路がトランジスタをスイッチング素子として備えた放電回路で構成され、該放電回路は、前記トランジスタの残留電圧を補償するための残留電圧補償回路を備えているようにしても、上記目的を達成することができる。
同じく、このとき、前記電流検出部が、ローパスフィルタを含まない第1と第2のインバータ出力電流検出回路と、これら第1と第2のインバータ出力電流検出回路の出力を加算して前記ピークホールド回路に供給する加算回路とを備え、前記第1のインバータ出力電流検出回路は、前記シャント抵抗に発生する電圧が一方の極性のとき動作して出力を発生し、前記第2のインバータ出力電流検出回路は、前記シャント抵抗に発生する電圧が他方の極性のとき動作して出力を発生するようにしても、上記目的を達成することができる。
ここで、更に前記一方の極性は、インバータ装置の負荷が力行動作状態のとき前記シャント抵抗に発生する電圧の極性であり、前記他方の極性は、インバータ装置の負荷が回生動作状態のとき前記シャント抵抗に発生する電圧の極性であるようにしてもよい。
本発明によれば、高価な電流検出器を用いることなく、比較的安価な汎用のオペアンプと周辺回路を用いただけで、シャント抵抗による出力電流の検出回路が実現でき、従って、インバータ装置を安価に提供することができる。
ここで、本発明によるインバータ装置について説明する前に、まず、インバータの出力電流と直流部のシャント抵抗に流れる電流の関係について説明すると、図2は、U相下アームのスイッチング素子QxがOFF(遮断)、V相下アームのスイッチング素子Qy及びW相下アームのスイッチング素子QzがON(導通)した状態を示したものである。
ここで、周知のように、三相の逆変換部の場合、同じ相の上アームと下アームでは反対にON、OFFする。従って、この図2に示すように上アームのU相のスイッチング素子QuがONのとき、上アームのV相及びW相のスイッチング素子Qv、QwはOFFである。
このとき、電流は、直流電源となる平滑コンデンサCdc の正極から上アームのスイッチング素子Quを通って交流電動機Mに流れ、下アームのスイッチング素子Qy、Qzを経てシャント抵抗(直流シャント抵抗)Rsh を通り、平滑コンデンサCdc の負極に流れ込む。よって、このゲートパターンの場合、シャント抵抗Rsh に流れる直流電流Ish はインバータ出力電流iuと等しくなる。
従って、三相の逆変換部のゲートパターンと各相の電流Iu、Iv、Iwの関係は、図3に示すようになり、逆変換部の線間電圧が0となるゲートパターン(Qx、Qy、Qz=0、0、0)及び(Qx、Qy、Qz=1、1、1)の場合を除き、三相のうち、一相のインバータ出力電流は、直流電流から検出できることが判る。
このときシャント抵抗Rsh に流れる電流は、図4の波形Kに示すように、パルス状を呈し、直流電流のピークはインバータ出力周波数の1/6周期で現れる。従って、出力周波数の1/6周期以上の期間内に現れるパルスのピーク値をホールドしてやれば、出力電流のピーク値を検出したことになり、従って、このホールドした値を数値√2で割り算すれば、インバータ出力電流の実効値を得ることができる。
以下、本発明によるインバータ装置について、図示の実施の形態により詳細に説明すると、ここで図1が本発明の一実施形態で、このとき、この図では、インバータ装置の順変換部を含む直流部がコンデンサCdc で代表して示されている。
そして、このコンデンサCdc からなる直流部とインバータ主回路(逆変換部:インバータ部)INVの間にシャント抵抗Rsh を直列に挿入し、これに流れる直流電流Ish を電圧に変換し、フィルタコンデンサC1に電流検出用の電圧Vsh を得るようになっている。
そして、この実施形態では、この電圧Vsh を、インバータ出力電流検出回路CA、CBと加算回路AD、電圧降下補償回路VCO、ピークホールド回路PH、放電回路DS、それに残留電圧補償回路RDCで処理し、マイコンMCに供給して、交流電流を検出するようになっている。
このとき、マイコンMCには、所定のソフトウエアが搭載してあり、これにより、上記した交流電流の検出の外、インバータ主回路INVの制御を含むインバータ装置全体の制御に必要な各種の演算処理を実行する
そこで、以下、上記した各回路毎に順次説明すると、まず、シャント抵抗Rsh で生成された電圧Vsh は、一方では、オペアンプOPAとダイオードDA1、DA2、抵抗R1〜R4、それにコンデンサC2で構成されているインバータ出力電流検出回路CAに入力され、他方では、オペアンプOPBとダイオードDB1、DB2と抵抗R5〜R7、コンデンサC3で構成されているインバータ出力電流検出回路CBに入力される。
そして、一方のインバータ出力電流検出回路CAの出力電圧VA を抵抗R12とコンデンサC4で平滑化し、交流電動機Mが力行状態のとき、つまり電圧Vsh が図示の極性のときのインバータ出力電流平均値VD を生成し、マイコンMCに入力し、他方のインバータ出力電流検出回路CBの出力電圧VB は抵抗R25とコンデンサC9で平滑化し、交流電動機Mが回生状態のとき、つまり電圧Vsh が図示とは反対の極性のときのインバータ出力電流平均値VE を生成し、マイコンMCに入力する。
また、各インバータ出力電流検出回路CA、CBの出力電圧VA、VB は、各々抵抗R8、R9にも供給されているが、これらの抵抗R8、R9は、更にオペアンプOPCと抵抗R10、R11、それにコンデンサC5と共に加算回路ADを構成している。
そこで、インバータ出力電流検出回路CA、CBの出力電圧VA、VB は、この加算回路ADで加算され、加算電圧VC が生成される。そして、この加算電圧VC が抵抗R15を介して、次段のピークホールド回路PHに入力されるが、このとき、抵抗R13、R14とダイオードD3、それにコンデンサC6からなる電圧降下補償回路VCOを設け、ピークホールド回路PHにあるダイオードD4の順方向電圧降下が補償されるようにしてある。
このピークホールド回路PHは、抵抗R16〜R19とコンデンサC7、ダイオードD4、それにコンデンサC8で構成され、このとき上記した抵抗R15も、このピークホールド回路PHを構成する1要素に含まれ、これにより加算電圧VC からピークホールド電圧VH を生成する働きをし、生成されたピークホールド電圧VH もマイコンMCに入力される。
そして、この結果、マイコンMCで、ピークホールド電圧VH が数値√2で割り算され、インバータ出力電流の実効値が得られることになるが、このとき、抵抗R20、R21とトランジスタQ1は放電回路DSを構成し、ピークホールド回路PHのコンデンサC8を放電する働きをする。
また、ここで、抵抗R22〜R24とトランジスタQ2、それにダイオードD5は残留電圧補償回路RDCを構成し、放電回路DSにあるトランジスタQ1のON飽和電圧を補償する働きをする。
次に、この実施形態の動作について、インバータ出力電流検出回路CA、CBと加算回路AD、電圧降下補償回路VCO、ピークホールド回路PH、放電回路DS、それに残留電圧補償回路RDCの各回路毎に順次説明する。
いま、ここで、インバータ主回路INV(インバータ装置)から交流電動機Mに有効電力が供給されている(力行状態)とする。そうすると、この場合は、シャント抵抗Rsh に流れる電流Ish の方向は、図1に矢印で示されている方向になる。
従って、このときは、インバータ出力電流検出回路CA、CBのダイオードDA1とダイオードDB2は遮断され、ダイオードDA2、DB1が導通される。そこで、オペアンプOPAの出力電流は、ダイオードDA2→抵抗R4→抵抗R3の方向に流れ、この結果、シャント抵抗Rsh の電圧Vsh がオペアンプOPAにより増幅されることになる。
このときのオペアンプOPAの出力電圧VA は、
A =1+(R4/R3)×Vsh
となり、このときダイオードDB2は遮断されているので、オペアンプOPBは増幅機能を発揮できず、従って、その出力電圧VB はゼロになる。
次に、交流電動機Mからインバータ装置に有効電力が返されている(回生状態)とすると、この場合は、シャント抵抗Rsh に流れる直流電流Ish の方向は、図1に矢印で示されている方向とは反対になり、従って、このときはダイオードDA2、DB1が遮断され、反対にダイオードDA1、DB2が導通される。
そこで、今度は、オペアンプOPBの出力電流は、ダイオードDB2→抵抗R7→抵抗R5の方向に流れ、この結果、シャント抵抗Rsh の電圧Vsh は、オペアンプOPBにより増幅されることになり、このときの電圧VB は、
B =|(R7/R5)×Vsh|
となり、このときダイオードDA2は遮断されているので、オペアンプOPAは増幅機能が発揮できず、従って、今度は電圧VA の電位がゼロになる。
従って、マイコンMCは、これらインバータ出力電流検出回路CA、CBの出力電圧VA、VB をそれぞれ抵抗R12、R25とコンデンサC4、C9で平滑化し、インバータ出力電流平均値VD、VE として入力することにより、交流電動機Mが力行状態か回生状態にあるかが判別できるようになる。
このとき、これらインバータ出力電流検出回路CA、CBの出力電圧VA、VB は、更に、抵抗R8、R9を介して加算回路ADにも供給され、加算されて加算電圧VC が生成され、この加算電圧VC が抵抗R15を介して、次段のピークホールド回路PHに入力される。
ところで、従来の技術では、例えば図5に示すように、抵抗R29とコンデンサC29からなるローパスフィルタと、抵抗R28とコンデンサC28からなるローパスフィルタを用い、電圧VA、VB の平均値を取り、平均値から、インバータ出力電流値を判断している。
しかし、この場合、平均値がローパスフィルタで取っているので、実際の電流値に対して時間的な遅れが生じ、しかも、交流電動機の力率の影響を受けるので精度よく検出ができない場合がある。
しかしながら、この実施形態では、図1に示すように、ローパスフィルタを含まないインバータ出力電流検出回路CA、CBにより電圧VA、VB が生成され、加算回路ADにより加算電圧VC が生成されるようにしているので、上記の問題点を解決することができる。
そして、この加算電圧VC は、抵抗R15を介して次段のピークホールド回路PHに入力されるが、このとき、上記したように、シャント抵抗Rsh に流れる電流Ish はパルス状であり、しかも逆変換部におけるPWMスイッチング周波数が10数kHzオーダーであるため、そのパルス幅は狭い領域で数μsの狭い値になる。
従って、ピークホールド回路も数μsオーダーの幅のパルスを扱う必要があり、それに見合った応答速度をもっていなければならないが、ここで、このピークホールド回路の一般的な例として、図6に示すような回路が従来技術として知られている。
この図6のピークホールド回路は、入力信号の電圧VI が電圧VO に達すると同時にダイオードD31が導通し、オペアンプOP3の出力がコンデンサC30に充電され、この後、電圧VI が低下するとダイオードD31が遮断状態となり、この結果、電圧VI のピーク値がコンデンサC30にホールドされるので、ピークホールド回路として動作することになる。
しかし、ここでオペアンプOP3として、汎用のオペアンプを用いた場合、数10μSオーダーのパルス幅であればピーク値のホールドが可能であるが、数μsオーダーになるとホールドできなくなってしまう。これは、図4の波形図に示すように、オペアンプが飽和状態になってしまうと、I点の入力信号が小さい場合、オペアンプのスルーレートが低下してしまうからである。
図4と図6において、I点の入力信号とJ点でホールドされた電圧との差が数10mV程度しか無い場合、オペアンプ出力側のK点で信号変化が追いつかなくなり、ピーク電圧が出力されなくなる。従って、このときの数μsの幅のパルスのピーク値をホールドするためには、オペアンプOP3としてスルーレートが数百V/μsの高速オペアンプを用いる必要があり、コスト面で不利となる。
そこで、本発明では、これを解決するため、ピークホールド回路PHとして図7に示す回路方式のものを用いた。この図では、括弧内の符号が図1のピークホールド回路PHに対応している。
この図7のピークホールド回路において、入力信号のピーク値が到達するとダイオードD51が導通し、コンデンサC50が充電され、入力信号のピーク電圧値がコンデンサC50にホールドされる。そして、次のピーク値が到達するまではダイオードD51が逆バイアスされるので、コンデンサC50の電圧はそのままに維持され、ピークホールド回路として動作する。
この図7のピークホールド回路では、オペアンプOP5は通常の負帰還増幅回路として働くだけなので、出力が飽和状態になることはなく、スルーレートが低下してしまうという問題は回避できるが、ダイオードD51が帰還ループ内に含まれていないので、このダイオードD51の順方向電圧降下の補償が与えられず、コンデンサC50にホールドされる電圧は、実際の信号ピーク値からダイオードD51の電圧降下が差し引かれた値になってしまう。
そこで、図1の実施形態では、上記したように、抵抗R13、R14とダイオードD3、それにコンデンサC6からなる電圧降下補償回路VCOを設け、ピークホールド回路PHのダイオードD4の順方向電圧降下が補償されるようにしているのである。
この場合、図示のように、ダイオードD3の順方向電圧降下をVD3、ダイオードD4の順方向電圧降下をVD4 とすると、G点の電圧VG は、オペアンプOPDの出力における電圧をVF として、
G =VF−VD4 =VC+VD3−VD4
となる。そこで、ダイオードD3とダイオードD4を同じ種類のものにすれば、各ダイオードの順方向電圧降下と温度特性をほぼ同一にでき、従って、ダイオードD4の順方向電圧降下が補償できる。
つまり、この場合は、VD3≒VD にすることができるので、VG≒VC となり、オペアンプOPDがコンデンサC8の充電を終えると、電圧VG がそのままコンデンサC8に電圧VH(=VG)として現れ、従って、ピーク値がホールドされることになる。
そして、このピークホールド回路PHでホールドされたピークホールド電圧VH がマイコンMCに供給され、上記したように、マイコンMCで、ピークホールド電圧VH が数値√2で割り算されインバータ出力電流の実効値が得られることになるが、このとき、これも上記したように、ピークホールド電圧VH の経路に放電回路DSが設けてある。
この実施形態のように、ピークホールド回路PHでピークをホールドし、電流を検出する場合、出力電流が増加する期間では、常に最新の値のピークホールド電圧VH が検出できるが、減少方向になった期間では、前の値がホールドされた状態のままになってしまうので、過去の電流値より電流値が下がった場合、出力電流値が正しく検出できなくなってしまう。
そこで、一定の周期でホールド値のリセットを行い、出力電流が減少した場合でも出力電流が検出できるような状態にする必要があり、このため、この実施形態では、放電回路DSが設けられているのである。
このときのリセットの周期は、短いほど電流検出の応答が速くなるが、インバータ装置の場合、上記したように、電流のピークが出力周波数の1/6周期で出現するので、1/6周期よりも短くした場合にはピーク値が正しくホールドできない。従って、出力周波数の1/6周期、若しくは1/6周期よりも少し長めにしてやれば、適切な応答性をもって電流のピーク値が検出できる。
ここで、このホールドのリセットは、ピークホールド回路PHのコンデンサC8の電圧を放電させることにより行われるが、このときの放電方法には、一般的に、例えば図8に示すアナログスイッチを用いた回路と、図9に示すトランジスタをスイッチング素子に用いた回路が使用され、出力周波数の1/6の周期毎に発生する放電信号で動作させている。
ここで、図8の回路の場合、アナログスイッチSWとしてはMOS−FETを用いるのが一般的で、このMOS−FETを放電信号によりON(導通)させて、コンデンサC60(C8)を放電させることになる。この場合、アナログスイッチSWを構成している半導体素子にはオン抵抗があるが、或る程度の時間以上、ONにしてやれば、コンデンサの電圧をほぼ0にすることができる。
しかし、アナログスイッチSWは、一般的に漏れ電流が大きく、この漏れ電流により、スイッチが遮断状態のときもコンデンサC60の電荷が徐々に放電さてしまう。ここで、インバータの出力周波数が低く、ホールドすべき時間が長い場合、この漏れ電流による電圧低下が効いてきて、誤差が大きくなるという問題が生じる。
一方、図9のトランジスタを使った回路の場合、トランジスタは一般的に遮断時の漏れ電流が少なく、従って、比較的長い周期にわたるピーク検出を行っても、漏れ電流による電圧低下が小さいので、誤差を無視できる範囲に抑えることができる。
そこで、この実施形態では、図1に示すように、トランジスタQ1をスイッチング素子とした放電回路DSを用いているのであるが、しかし、トランジスタにはON飽和電圧VCEsat があり、従って、図9において、トランジスタQ70をONさせてコンデンサC70を放電しても、このトランジスタQ70の飽和電圧VCEsat 相当分の電圧が放電されないまま残ってしまうという問題がある。
そこで、この問題を解決するため、この実施形態では、図1に示すように、抵抗R22〜R24とダイオードD5、それにトランジスタQ2により構成された残留電圧補償回路RDCを設け、このときトランジスタQ2として、トランジスタQ1と同じ種類のトランジスタを用いることにより、放電回路DSのトランジスタQ1による飽和電圧VCEsat を補償するようになっている。
このとき残留電圧補償回路RDCでは、電源(−VCC)を抵抗R23、R24により分圧してトランジスタQ2のベースに供給し、それをON(導通)させておく。このとき、抵抗R22はトランジスタQ2の限流抵抗として働く。
そして、放電回路DSのトランジスタQ1は放電信号によりONし、コンデンサC8の電荷を放電するが、このとき、放電電流は、コンデンサC8→トランジスタQ1→抵抗R22→電源という経路を流れる。そこで、コンデンサC8の電圧をVC8、トランジスタQ1のコレクタ−エミッタ電圧をVCE1、それにトランジスタQ2のコレクタ−エミッタ電圧をVCE2 としたとき、H点の電位は、VC8+(VCE1−VCE2)となる。
ここで、トランジスタQ1のコレクタ−エミッタ電圧VCE1 とトランジスタQ2のコレクタ−エミッタ電圧VCE2 についてみると、これらのトランジスタが同じ種類であることから、VCE1 ≒VCE2 となるので、トランジスタQ1の飽和電圧VCEsat は相殺され、従って、コンデンサC8が放電し終わるとH点の電位はほぼゼロに収斂し、飽和電圧による問題を解決できる。
このとき、抵抗R22に放電電流が流れるので、トランジスタQ2のコレクタ−エミッタ電圧VCE2 の電位が上昇し、トランジスタQ2のエミッタがコレクタより高い電位になり、トランジスタQ2に逆電圧が印加されてしまう虞れがある。そこで、ダイオードD5を設け、トランジスタQ2を逆耐圧破壊から保護している。
以上の結果、ピークホールド回路PHからマイコンMCにピーク電圧VH が入力されることになるので、マイコンMCは、入力されたピークホールド電圧VH に数値√2による除算を施し、演算結果をインバータ出力電流の実効値として検出すると共に、この検出したインバータ出力電流の実効値により、インバータ装置の制御を実行し、このときインバータ装置自体の保護に必要な処理と、交流電動機Mの保護に必要な処理を実行するのである。
従って、この実施形態によれば、高価なゲートアレイや高速オペアンプを用いることなく、安価なトランジスタと安価な汎用のオペアンプにより、インバータの出力電流検出回路を得ることができ、この結果、インバータ装置のコスト低減を図ることができる。
ここで、従来技術の場合、インバータ出力電流をマイコンに取り読むため、図3に示したゲート信号パターンに従って、ゲート信号毎にホールドされた電圧をサンプルした後、放電する必要があり、このため回路が複雑であり、マイコンの負荷が重くなるという問題がある。
一方、本発明では、シャント抵抗に流れる電流リプルの周期が、図2に示すように、出力電流周期の1/6になっていることに基づき、出力電流周期の1/6周期でサンプルし放電させることを基本にしている。
そして、電流リプル周期がソフトウエアの制御周期より長い場合、出力電流周期の1/6期間毎にサンプルして放電を行い、シャント電流リプル周期がソフトウエア制御周期より短い場合、図1の実施形態では、ソフト制御周期毎にコンデンサC8をサンプルして、放電、サンプルした値をマイコンMCのソフトウエアでピーク値を判定するようにしている。
これにより、この実施形態では回路構成が簡単になり、マイコンMCの負荷が低減されるので、シャント抵抗から電流リップルのピーク値がコンデンサC8にホールドされた後、確実にマイコンMCに取り読むことができる。
ところで、既に説明したように、図1の実施形態では、インバータ出力電流検出回路CA、CBの出力電圧VA、VB をそれぞれ抵抗R12、R25とコンデンサC4、C9で平滑化し、インバータ出力電流平均値VD、VE としてマイコンMCに入力されている。
従って、マイコンMCは、これらインバータ出力電流平均値VD、VE を比較し、インバータ出力電流平均値VD がインバータ出力電流平均値VE より高い場合は、交流電動機Mが力行運転状態であり、反対に、インバータ出力電流平均値VE がインバータ出力電流平均値VD より高い場合は、交流電動機Mが回生運転状態であると判断することができる。
また、インバータ出力電流平均値VD、VE から、(VD−VE)によりインバータ出力電流の有効分を算出し(Iq)、これの2乗(Iq 2)を、電圧VH から求めた相実効値(I1)の2乗(I1 2)から減じ、平方根(I1 2−Iq 2)1/2をとる事で無効分(Id=(I1 2−Iq 2)1/2)を算出できる。無効分を交流電動機Mの回転安定化に利用する事も可能とする。
本発明によるインバータ装置の一実施形態を示す回路図である。 インバータ出力電流と直流部のシャント抵抗に流れる電流の関係を示した説明図である。 インバータのゲートパターンを示す説明図である。 シャント抵抗に流れる電流の一例を示す波形図である。 平均値からインバータ出力電流値を判断するようにした従来技術の一例を示す回路図である。 従来技術によるピークホールド回路の一例を示す回路図である。 本発明によるピークホールド回路の一例を示す回路図である。 従来技術によるアナログスイッチを用いた放電回路の一例を示す回路図である。 従来技術によるトランジスタを用いた放電回路の一例を示す回路図である。
符号の説明
CA、CB:インバータ出力電流検出回路
AD:加算回路
VCO:電圧降下補償回路
PH:ピークホールド回路
DS:放電回路
RDC:残留電圧補償回路
M:交流電動機
DC:インバータ装置の直流部を代表させたコンデンサ
sh:シャント抵抗

Claims (3)

  1. シャント抵抗に発生する電圧のピークホールド値に基づいて出力電流を検出する方式の電流検出部を備えたパルス幅変調インバータ装置において、
    前記電流検出部が、少なくとも演算増幅器の帰還ループの外に接続したダイオードと、このダイオードを介して充電されるコンデンサと、このコンデンサの電荷を周期的に放電する放電回路を備えたピークホールド回路と、ローパスフィルタを含まない第1と第2のインバータ出力電流検出回路と、これら第1と第2のインバータ出力電流検出回路の出力を加算して前記ピークホールド回路に供給する加算回路とを含み、
    前記ピークホールド回路は、前記ピークホールド用ダイオードによる順方向電圧降下を補償する電圧降下補償回路を備え
    前記第1のインバータ出力電流検出回路は、前記シャント抵抗に発生する電圧が一方の極性のとき動作して出力を発生し、
    前記第2のインバータ出力電流検出回路は、前記シャント抵抗に発生する電圧が他方の極性のとき動作して出力を発生することを特徴とするインバータ装置。
  2. 請求項1に記載のインバータ装置において、
    前記放電回路がトランジスタをスイッチング素子として備えた放電回路で構成され、
    該放電回路は、前記トランジスタの残留電圧を補償するための残留電圧補償回路を備えていることを特徴とするインバータ装置。
  3. 請求項1に記載のインバータ装置において、
    前記一方の極性は、インバータ装置の負荷が力行動作状態のとき前記シャント抵抗に発生する電圧の極性であり、前記他方の極性は、インバータ装置の負荷が回生動作状態のとき前記シャント抵抗に発生する電圧の極性であることを特徴とするインバータ装置。
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