JP2021173690A - 温度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換器の半導体チップに関する信頼性の高い温度情報を得る。
【解決手段】半導体チップ(11)の2つの端子に電気的に接続される電気回路(51、51A、51B)を有し、半導体チップは、1つ以上の第1温度検出素子(31)と、1つ以上の第2温度検出素子(32)とが、2つの端子(20A、20K)の間に、互いに対して逆向きにかつ並列に電気的に接続されており、電気回路は、切替信号に応答して、2つの端子の一方の端子(20A)から他方の端子(20K)に向かう第1方向の電流と、他方の端子から一方の端子に向かう第2方向の電流とを、切り替えて生成する、温度検出装置(50)が開示される。
【選択図】図5

Description

本開示は、温度検出装置に関する。
単方向型の定電流生成回路部を備え、直列に接続された複数の温度検出ダイオードに対して順方向の電流を定電流生成回路部により流し、その際の温度検出ダイオードの両端電圧(電圧降下)に基づいて、当該温度検出ダイオードの近傍の温度を検出する技術が知られている。
特開2019−9905号公報
しかしながら、直列に接続された複数の温度検出ダイオードのみを利用するので、信頼性の高い温度情報を得ることが難しい。
そこで、1つの側面では、本開示は、電力変換器の半導体チップに関する信頼性の高い温度情報を得ることを目的とする。
1つの側面では、電力変換器の半導体チップに関する温度を検出する温度検出装置であって、
前記半導体チップの2つの端子に電気的に接続される電気回路を有し、
前記半導体チップは、1つ以上の第1温度検出素子と、1つ以上の第2温度検出素子とが、前記2つの端子の間に、互いに対して逆向きにかつ並列に電気的に接続されており、
前記電気回路は、切替信号に応答して、前記2つの端子の一方の端子から他方の端子に向かう第1方向の電流と、前記他方の端子から前記一方の端子に向かう第2方向の電流とを、切り替えて生成する、温度検出装置が提供される。
1つの側面では、本開示によれば、電力変換器の半導体チップに関する信頼性の高い温度情報を得ることが可能となる。
電動車両用モータ駆動システムの全体構成の一例を示す図である。 一の半導体チップの構成を概略的に示す図である。 温度センシング部の構成を概略的に示す図である。 温度検出装置の構成を概略的に示す図である。 温度検出装置の電気回路の一例を示す概略図である。 図5に示す電気回路の構成の実現例を示す図である。 図6に示す実現例における切替信号等の各波形を示す図である。 図6に示す実現例におけるダイオード電流の波形を示す図である。 図6に示す実現例における電圧情報に係る電圧及び三角波の各波形を示す図である。 図6に示す実現例における比較処理部の出力の波形を示す図である。 図6に示す比較処理部からの出力に基づく温度の算出値の導出方法の説明図である。 図5に示す電気回路の構成の他の実現例を示す図である。 図9に示す実現例における切替信号等の各波形を示す図である。 図9に示す実現例におけるダイオード電流の波形を示す図である。 図9に示す実現例における電圧情報に係る電圧及び三角波の各波形を示す図である。 図9に示す実現例における比較処理部の出力の波形を示す図である。 図9に示す比較処理部からの出力に基づく温度の算出値の導出方法の説明図である。 第1変形例による電気回路を示す概略図である。 第2変形例による電気回路を示す概略図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
ここでは、まず、本実施例による温度検出装置の説明に先立って、まず、本実施例による温度検出装置が適用されるのが好適な電動車両用モータ駆動システム1について説明する。なお、電動車両用モータ駆動システム1に関する図1の説明において及び図2以降の各図の説明において、特に言及しない限り、各種の要素間の“接続”という用語は、“電気的な接続”を意味する。
図1は、電動車両用モータ駆動システム1の全体構成の一例を示す図である。モータ駆動システム1は、高圧バッテリ2の電力を用いて走行用モータ5(主機)を駆動することにより車両を駆動させるシステムである。なお、電動車両は、電力を用いて走行用モータ5を駆動して走行するものであれば、その方式や構成の詳細は任意である。電動車両は、典型的には、動力源がエンジンと走行用モータ5であるハイブリッド自動車や、動力源が走行用モータ5のみである電気自動車を含む。以下、車両とは、特に言及しない限り、モータ駆動システム1が搭載される車両を指す。
モータ駆動システム1は、図1に示すように、高圧バッテリ2、平滑コンデンサ3と、インバータ4(電力変換器の一例)、走行用モータ5、及びインバータ制御装置6を備える。
高圧バッテリ2は、電力を蓄積して直流電圧を出力する任意の蓄電装置であり、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオンバッテリや電気2重層キャパシタ等の容量性素子を含んでよい。高圧バッテリ2は、典型的には、定格電圧が100Vを超えるバッテリであり、定格電圧が例えば288Vである。
インバータ4は、正極ラインと負極ラインとの間に互いに並列に配置されるU相、V相、W相の各アームを含む。U相アームはスイッチング素子(本例ではIGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)Q1、Q2の直列接続を含み、V相アームはスイッチング素子(本例ではIGBT)Q3、Q4の直列接続を含み、W相アームはスイッチング素子(本例ではIGBT)Q5、Q6の直列接続を含む。また、各スイッチング素子Q1〜Q6のコレクタ−エミッタ間には、それぞれ、エミッタ側からコレクタ側に電流を流すようにダイオードD11〜D16が配置される。なお、スイッチング素子Q1〜Q6は、MOSFET(metal oxide semiconductor field−effect transistor)のような、IGBT以外の他のスイッチング素子であってもよい。
なお、本実施例では、一例として、スイッチング素子Q1(スイッチング素子Q2〜Q6についても同様)はダイオードD11を内蔵したチップの形態で実現され、「半導体チップ11」とも称する。
走行用モータ5は、例えば3相の交流モータであり、U、V、W相の3つのコイルの一端が中性点で共通接続される。U相コイルの他端は、スイッチング素子Q1、Q2の中点M1に接続され、V相コイルの他端は、スイッチング素子Q3、Q4の中点M2に接続され、W相コイルの他端は、スイッチング素子Q5、Q6の中点M3に接続される。スイッチング素子Q1のコレクタと負極ラインとの間には、平滑コンデンサ3が接続される。
インバータ制御装置6には、走行用モータ5を流れる電流を検出する電流センサ(図示せず)等の各種センサが接続される。インバータ制御装置6は、各種センサからのセンサ情報に基づいて、インバータ4を制御する。インバータ制御装置6は、例えばCPU、ROM、メインメモリ(全て図示せず)などを含み、インバータ制御装置6の各種機能は、ROM等に記録された制御プログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現される。インバータ4の制御方法は、任意であるが、基本的には、U相に係る2つのスイッチング素子Q1、Q2が互いに逆相でオン/オフし、V相に係る2つのスイッチング素子Q3、Q4が互いに逆相でオン/オフし、W相に係る2つのスイッチング素子Q5、Q6が互いに逆相でオン/オフする。
なお、図1に示す例では、モータ駆動システム1は、単一の走行用モータ5を備えているが、追加のモータ(発電機を含む)を備えてもよい。この場合、追加のモータ(複数も可)は、対応するインバータと共に、走行用モータ5及びインバータ4と並列な関係で、高圧バッテリ2に接続されてもよい。また、図1に示す例では、モータ駆動システム1は、DC/DCコンバータを備えていないが、高圧バッテリ2とインバータ4の間にDC/DCコンバータを備えてもよい。
高圧バッテリ2と平滑コンデンサ3との間には、図1に示すように、高圧バッテリ2から電力供給を遮断するための遮断用スイッチSW1が設けられる。遮断用スイッチSW1は、半導体スイッチやリレー等で構成されてもよい。遮断用スイッチSW1は、常態でオン状態であり、例えば車両の衝突検出時等にオフとされる。なお、遮断用スイッチSW1のオン/オフの切換はインバータ制御装置6により実現されてもよいし、他の制御装置により実現されてもよい。
本実施例では、インバータ制御装置6は、インバータ4の各半導体チップ11の温度を検出する温度検出装置50を含む。なお、変形例では、以下で説明する温度検出装置50の機能の一部又は全部は、インバータ制御装置6とは異なる処理装置により実現されてもよい。
図2は、温度検出装置50が接続される半導体チップ11の端子の説明図であり、一の半導体チップ11の構成を概略的に示す図である。
半導体チップ11は、温度センシング部110を含む。
温度センシング部110は、2つの端子20A、20K間に接続される。なお、図2では、半導体チップ11のセンスエミッタ端子20Sや、ゲートに接続される端子20G、エミッタに接続される端子20E等のような他の端子が示される。なお、半導体チップ11の各端子は、2つの端子20A、20Kを有する限り、配置や数等は任意である。
温度センシング部110は、その近傍の温度に応じた信号(電圧)を発生する。この場合、温度センシング部110からのアナログ信号である出力信号(以下、「温度センシング信号」とも称する)は、半導体チップ11に関する温度を表す。半導体チップ11に関する温度は、例えばスイッチング素子(図2では、スイッチング素子Q1)の温度として利用されてもよい。
図3は、温度センシング部110の構成を概略的に示す図である。
温度センシング部110は、1つ以上の第1温度検出ダイオード31(第1温度検出素子の一例)と、1つ以上の第2温度検出ダイオード32(第2温度検出素子の一例)とを含む。図3に示す例では、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32は、それぞれ、3つずつ設けられるが、数は任意である。以下では、特に言及しない限り、第1温度検出ダイオード31とは、3つの第1温度検出ダイオード31を指し、第2温度検出ダイオード32も同様である。従って、例えば、第1温度検出ダイオード31の両端電圧とは、3つの第1温度検出ダイオード31全体としての両端電圧(すなわち2つの端子20A、20K間の電圧)を意味する。
第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32は、例えばそれぞれSiダイオードであってよい。第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32は、2つの端子20A、20Kの間に、互いに対して逆向きにかつ並列に接続される。図3に示す例では、第1温度検出ダイオード31は、アノード側が端子20A側になるように、2つの端子20A、20Kの間に接続され、第2温度検出ダイオード32は、アノード側が端子20K側になるように、2つの端子20A、20Kの間に接続される。
図4は、温度検出装置50の構成を概略的に示す図である。
本実施例による温度検出装置50は、電気回路51と、マイコン(マイクロコンピュータの略)52とを含む。
電気回路51は、温度センシング部110に接続される。電気回路51は、2つの端子20A、20Kに接続される。電気回路51は、端子20Aから端子20Kに向かう第1方向の電流と、端子20Kから端子20Aに向かう第2方向の電流とを、切り替えて生成可能である。
第1方向の電流は、第1温度検出ダイオード31に対する順方向の電流である。第1方向の電流は、好ましくは、定電流である。すなわち、電気回路51は、好ましくは、定電流源を含む。第1方向の電流が生成されると、第1温度検出ダイオード31の両端電圧(温度センシング信号)は、第1温度検出ダイオード31の近傍の温度(≒半導体チップ11の温度)に応じた値となる。
電気回路51は、第1方向の電流を生成した状態で得られる電圧情報(第1温度検出ダイオード31の両端電圧の情報)をマイコン52に与える。以下、この電圧情報を区別のための「第1電圧情報」と称する。第1電圧情報は、両端電圧(温度センシング信号)のA/D(アナログデジタル)変換値の形態であってもよいし、後述するようなDuty値の形態であってもよい。
第2方向の電流は、第2温度検出ダイオード32に対する順方向の電流である。第2方向の電流は、好ましくは、定電流である。すなわち、電気回路51は、好ましくは、定電流源を含む。第2方向の電流が生成されると、第2温度検出ダイオード32の両端電圧(温度センシング信号)は、第2温度検出ダイオード32の近傍の温度(≒半導体チップ11の温度)に応じた値となる。
電気回路51は、第2方向の電流を生成した状態で得られる電圧情報(第2温度検出ダイオード32の両端電圧の情報)をマイコン52に与える。以下、この電圧情報を区別のための「第2電圧情報」と称する。第2電圧情報は、両端電圧(温度センシング信号)のA/D変換値の形態であってもよいし、後述するようなDuty値の形態であってもよい。
マイコン52は、第1電圧情報と、第2電圧情報とに基づいて、半導体チップ11に関する温度情報を得る。
このようにして、本実施例によれば、温度検出装置50が第1方向の電流と第2方向の電流を生成できる電気回路51を備えるので、第1温度検出ダイオード31の両端電圧と、第2温度検出ダイオード32の両端電圧とに基づいて、半導体チップ11に関する温度情報を得ることができる。従って、本実施例によれば、第1温度検出ダイオード31の両端電圧と、第2温度検出ダイオード32の両端電圧のうちの、常に一方のみに基づいて、半導体チップに関する温度情報を得る場合に比べて、信頼性の高い温度情報を得ることができる。
図4に示す例では、マイコン52は、電流切替部520と、温度算出処理部521と、異常検出部522とを含む。なお、電流切替部520、温度算出処理部521、及び異常検出部522は、マイコン52のCPU(図示せず)がメモリ(図示せず)内のプログラムを実行することで実現できる。
電流切替部520は、第1方向の電流と第2方向の電流とを切り替えるための切替信号を電気回路51に与える(図4の矢印S1参照)。電気回路51は、かかる切替信号を受けると、切替信号に応答して、第1方向の電流を生成する状態と、第2方向の電流を生成する状態との間で状態遷移する。
温度算出処理部521は、電気回路51から得られる電圧情報(第1電圧情報及び第2電圧情報)(図4の矢印S2参照)に基づいて、半導体チップ11に関する温度の算出値を導出する。
図4に示す例では、温度算出処理部521は、第1温度算出処理部5211と、第2温度算出処理部5212とを含む。
第1温度算出処理部5211は、電気回路51から得られる2種類の電圧情報(第1電圧情報及び第2電圧情報)の双方に基づいて、半導体チップ11に関する温度の算出値を導出する。以下、第1電圧情報と第2電圧情報の双方に基づいて温度の算出値を導出する処理を「第1温度算出処理」とも称する。第1温度算出処理は、第1電圧情報と第2電圧情報の双方に基づく処理であれば任意である。例えば、第1温度算出処理部5211は、第1電圧情報に基づき半導体チップ11に関する温度の算出値を導出し、第2電圧情報に基づき半導体チップ11に関する温度の算出値を導出し、これらの2種類の算出値を平均化してもよい。なお、温度算出処理部521は、このようにして第1温度算出処理部5211で得られる算出値(すなわち平均化することで得られた算出値)を、最終的な算出値として出力してよい。
第2温度算出処理部5212は、電気回路51から得られる2種類の電圧情報(第1電圧情報及び第2電圧情報)のうちの一方に基づいて、半導体チップ11に関する温度の算出値を導出する第2温度算出処理を行う。例えば、第1電圧情報に基づく場合は、第2温度算出処理部5212は、第1電圧情報に基づき半導体チップ11に関する温度の算出値を導出する。
異常検出部522は、電気回路51から得られる2種類の電圧情報(第1電圧情報及び第2電圧情報)の双方に基づいて、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32に関する異常を検出する。例えば、異常検出部522は、第1電圧情報及び第2電圧情報との間の乖離に基づいて、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32に関する異常を検出できる。ここで、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32は、実質的に同じ温度を検出していることから、ともに正常である場合は、第1電圧情報及び第2電圧情報との間に乖離が生じることはない。従って、かかる乖離を検出することで、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32に関する異常を高い信頼性で検出できる。なお、等価的に、異常検出部522は、第1電圧情報及び第2電圧情報のいずれかが異常値や異常な変動(例えば0から変化しない等)を示すかに基づいて、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32に関する異常を検出してもよい。
異常検出部522は、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32に関する異常を検出した場合は、その旨の情報を出力してよい。これにより、温度検出装置50の温度検出結果の信頼性が低い場合に、当該検出結果が制御に利用されないようにすることができる。
なお、異常検出部522は、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32に関する異常を検出した場合に、温度算出処理の実行態様を変化させてもよい。例えば、第1電圧情報が異常値や異常な変動(例えば0から変化しない等)を示す場合は、異常検出部522は、第1温度算出処理部5211による第1温度算出処理を禁止してもよい。この場合、第2温度算出処理部5212は、第1電圧情報及び第2電圧情報のうちの第2電圧情報に基づいて、半導体チップ11に関する温度の算出値を導出してよい。この場合、温度算出処理部521は、このようにして第2温度算出処理部5212で得られる算出値を、最終的な算出値として出力してよい。
このようにして、図4に示す例では、第1温度算出処理部5211を備えることで、第1電圧情報及び第2電圧情報のうちの、常に一方のみに基づいて、半導体チップ11に関する温度の最終的な算出値(半導体チップに関する温度情報)を得る場合に比べて、信頼性の高い温度情報を得ることができる。
また、図4に示す例では、温度検出装置50は、異常検出部522を備えることで、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32に関する異常が検出されない場合は、第1温度算出処理部5211で得られる算出値を出力できる。これにより、信頼性の高い温度情報を出力できる。
また、図4に示す例では、温度検出装置50は、異常検出部522を備えることで、第1温度検出ダイオード31又は第2温度検出ダイオード32の異常に起因して信頼性が低下した温度情報が出力される可能性を、低減できる。
また、図4に示す例では、温度検出装置50は、異常検出部522及び第2温度算出処理部5212を備えることで、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32に関する異常が検出されかつ第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32のうちのいずれが異常であるかが判定された場合は、第1温度算出処理部5211で得られる算出値に代えて、第2温度算出処理部5212で得られる算出値を出力できる。これにより、第1温度検出ダイオード31又は第2温度検出ダイオード32に異常がある場合でも、当該異常の影響を排除した、信頼性の高い温度情報を出力できる。すなわち、冗長性を高めることができる。
次に、図5以降を参照して、温度検出装置50の電気回路51の具体的な構成例について説明する。
図5は、温度検出装置50の電気回路51の一例を示す概略図である。図5には、電気回路51以外の関連構成(温度センシング部110やマイコン52)も併せて示されている。なお、電気回路51は、例えば高圧バッテリ2からの高圧電位を扱う電子部品が配置される高圧領域に配置されるので、低圧領域に配置されるマイコン52との間には、絶縁トランシーバ60が設けられる。
電気回路51は、定電流生成回路部510と、中間電位生成部512と、電圧情報生成部513とを含む。
定電流生成回路部510は、上述したように、マイコン52からの切替信号(矢印S1)に応答して、第1方向の定電流を生成する状態と、第2方向の定電流を生成する状態との間で、切り替わる。
定電流生成回路部510は、好ましくは、単電源(図5の“Vcc”参照)に基づいて動作する。これにより、負電源を追加的に用いる場合(後出の図12参照)に比べて、回路規模やコストの低減を図ることができる。なお、単電源は、車載の低圧バッテリ(図示せず)に基づいて生成されてよい。
中間電位生成部512は、端子20Kに接続される。中間電位生成部512は、単電源の電源電圧Vccと0Vとの間の中間電位(図5の“Vcc/2”参照)を生成する。具体的には、中間電位生成部512は、端子20Kの電位が中間電位に維持されるように動作する。なお、中間電位生成部512は、定電流生成回路部510と同様、単電源(図示せず)に係る電源電圧に基づいて動作してよい。
電圧情報生成部513は、端子20Aに接続され、端子20Aに生じる電圧を表す電圧情報を生成する。なお、端子20Aに生じる電圧は、定電流生成回路部510により第1方向の定電流が生成されている状態では、第1温度検出ダイオード31の両端電圧に応じた電圧値となり、定電流生成回路部510により第2方向の定電流が生成されている状態では、第2温度検出ダイオード32の両端電圧に応じた電圧値となる。従って、端子20Aに生じる電圧を表す電圧情報は、実質的に、第1温度検出ダイオード31の両端電圧を表す第1電圧情報と、第2温度検出ダイオード32の両端電圧を表す第2電圧情報とを含む。
図5に示す例では、電圧情報生成部513は、基準波生成部5131と、比較処理部5132とを含む。
基準波生成部5131は、基準波を生成する。基準波は、周期的に振幅が変化する波形を有する。本実施例では、一例として、基準波は、三角波である。なお、変形例では、三角波に代えて、鋸波等が利用されてもよい。
比較処理部5132は、基準波生成部5131により生成される三角波と、端子20Aに生じる電圧波形との関係を表す情報を、電圧情報として生成する。例えば、比較処理部5132は、コンパレータを含み、基準波生成部5131により生成される三角波と、端子20Aに生じる電圧波形との比較結果を表す情報を、電圧情報として生成してよい。
このような図5に示す電気回路51によれば、定電流生成回路部510と中間電位生成部512を備えるので、双方向の定電流(第1方向及び第2方向の定電流)を選択的に生成できる。また、定電流生成回路部510が単電源で動作するので、比較的回路規模の小さい構成を実現できる。
図6は、図5に示す電気回路51の構成の実現例を示す図である。図7Aから図7Dは、図6に示す実現例の説明図であり、各種の波形を示す図である。具体的には、図7Aは、横軸に時間をとり、縦軸に電圧をとり、切替信号Viの波形と中間電位Vmの波形を示す図である。図7Bは、横軸に時間をとり、縦軸に電流をとり、温度センシング部110を流れる電流(以下、「ダイオード電流If」とも称する)の波形を示す図である。図7Cは、横軸に時間をとり、縦軸に電圧をとり、三角波VTの波形と、端子20Aに生じる電圧Vfの波形とを示す図である。図7Dは、横軸に時間をとり、縦軸に電圧をとり、電圧情報生成部513からの比較結果の出力(電圧情報)cmpの波形を示す図である。なお、図7Aから図7Dの縦軸に示す数値はあくまで一例であり、適宜変更されてよい。
図6に示す例では、定電流生成回路部510は、ハウランド式の定電流源(Howland Current Pump)を含む。定電流生成回路部510には、中間電位Vmと、切替信号Viとが入力される。定電流生成回路部510は、オペアンプ5101と、各種の抵抗R1からR5及びコンデンサC3とを含む。
オペアンプ5101の反転入力端子には、オペアンプ5101の出力電圧Vと中間電位Vmの差が、抵抗R2と抵抗R5とで分圧されて入力される。具体的には、オペアンプ5101の反転入力端子には、以下の電圧Vnが入力される。
Vn=(R2×V+R5×Vm)/(R2+R5) 式(1)
また、オペアンプ5101の非反転入力端子には、以下の関係式を満たす電圧Vpが入力される。
Vp=V−R4×{If+(Vp−Vi)/R1}−R3×(Vp−Vi)/R1 式(2)
式(2)から電圧Vpは、以下の通りとなる。
Vp=R1/(R1+R3+R4)×V+(R3+R4)/(R1+R3+R4)×Vi−R1×R4/(R1+R3+R4)×If 式(3)
この場合、オペアンプ5101のバーチャルショート(Vp=Vn)を考慮しつつ、抵抗R1からR5について、R1=R2、かつ、R5=R3+R4の条件下では、ダイオード電流Ifは、以下の通りとなる。
If=(R4+R3)×(Vi−Vm)/R1/R4 式(4)
なお、切替信号Viは、図7Aに示すように、中間電位Vmの2倍の5V(第1の値の一例)と、0V(第2の値の一例)との間で電圧値が切り替わる信号である。なお、5V等の具体的な数値は、上述したように、あくまで一例であり、適宜変更されてよい。式(4)からわかるように、Vi=5Vのときは、ダイオード電流Ifは正の電流(すなわち第1方向の電流)となり、Vi=0Vのときは、ダイオード電流Ifは負の電流(すなわち第2方向の電流)となる(図7A及び図7B参照)。
また、図6に示す例では、中間電位生成部512は、オペアンプ5121と、各種の抵抗R6からR8及びコンデンサC1、C2とを含む。オペアンプ5121の非反転入力端子には、抵抗R6、R7で分圧される電源電圧Vccが入力される。オペアンプ5121の反転入力端子には、オペアンプ5121の出力端子が、抵抗R8及びコンデンサC2の並列回路を介して接続(帰還)される。中間電位生成部512は、上述したように5Vの半分の2.5V(第3の値の一例)の中間電位Vmを維持するように動作する。
また、図6に示す例では、電圧情報生成部513は、三角波生成回路である基準波生成部5131と、コンパレータである比較処理部5132とを含む。
基準波生成部5131は、切替信号Viの切り替え周期よりも有意に短い周期で三角波VTを発生する。三角波VTの振幅は、電圧Vfの取りうる範囲をカバーするように設定され、図7Cでは5Vである。比較処理部5132には、図7Cに示すように、三角波VTと、電圧Vfとが入力される。なお、電圧Vfは、ダイオード電流Ifと、温度センシング部110の近傍の温度とに依存した値となる。ダイオード電流Ifは、定電流であるので、電圧Vfは、実質的に、温度センシング部110の近傍の温度のみに依存した値となる。なお、電圧Vfは、図7Cに示すように、Vi=5Vのときと、Vi=0Vのときで、中間電位Vmに対応する2.5Vを中心として反転する。
このような図6に示す例によれば、例えば図7Aに示すように切替信号Viが5Vと0Vとの間で切り替わると、それに応じて、図7Bに示すように、ダイオード電流Ifは正の電流(すなわち第1方向の電流)と負の電流(すなわち第2方向の電流)とで切り替わる。その結果、図7Cに示すように、中間電位Vmに対応する2.5Vを中心として反転する電圧Vfが生成され、図7Dに示すように、切替信号Viが5Vであるときの出力(第1電圧情報)cmpと、切替信号Viが0Vであるときの出力(第2電圧情報)cmpとを得ることができる。
図8は、図6に示す比較処理部5132からの出力に基づく温度の算出値の導出方法の説明図である。図8は、横軸に温度を取り、縦軸に出力Duty比をとったときの、出力Duty比と温度との関係を表す特性図である。図8には、切替信号Viが5Vであるときの出力(第1電圧情報)cmpに基づく特性801と、切替信号Viが0Vであるときの出力(第2電圧情報)cmpに基づく特性802と、がそれぞれ示される。
出力Duty比は、比較処理部5132からの出力Dutyの波形(図7D)から導出されるパラメータであり、出力Dutyにおけるオン時間のデューティ比(所定時間あたりのオン時間の時間的な割合)を表す。オン時間は、電圧Vが三角波VTを超えている時間に対応する。
例えば、切替信号Viが5Vであるときの出力Duty比の値は、電圧Vfが大きいほど(第1温度検出ダイオード31での電圧降下が大きいほど)大きくなる。電圧Vfは、上述したように、実質的に、温度センシング部110の近傍の温度のみに依存した値を持つので、出力Duty比の値は、図8に示すように、温度と対応付けることができる。具体的には、切替信号Viが5Vである場合、図8に特性801で示すように、出力Duty比の値が小さくなるほど、温度が高くなる線形的な関係となる。従って、このような線形的な特性801を利用して、第1電圧情報に基づき温度の算出値を導出できる。例えば、切替信号Viが5Vであるときの出力Duty比の値が約65%であるとき、温度の算出値140℃を得ることができる。
また、切替信号Viが0Vであるときの出力Duty比の値は、電圧Vfが小さいほど(第2温度検出ダイオード32での電圧降下が大きいほど)小さくなる。電圧Vfは、上述したように、実質的に、温度センシング部110の近傍の温度のみに依存した値を持つので、出力Duty比の値は、図8に示すように、温度と対応付けることができる。具体的には、切替信号Viが0Vである場合、図8に特性802で示すように、出力Duty比の値が大きくなるほど、温度が高くなる線形的な関係となる。従って、このような特性802を利用して、第2電圧情報に基づき温度の算出値を導出できる。例えば、切替信号Viが0Vであるときの出力Duty比の値が約35%であるとき、温度の算出値140℃を得ることができる。
なお、図8に示すような特性801、802は、第1温度検出ダイオード31及び第2温度検出ダイオード32を形成する素子の仕様書に基づく特性であってもよいし、実測値に基づく特性であってもよい。上述した温度算出処理部521は、図8に示すような特性801、802に基づいて、温度の算出値を導出できる。
なお、図7Dからわかるように、切替信号Viが0Vと5Vとの間で切り替わる際は、出力Duty比の値の精度が一時的に悪くなる。従って、温度算出処理部521は、切替信号Viが0Vと5Vとの間で切り替わってから所定時間経過の出力Duty比の値に基づいて、温度の算出値を導出してよい。
図9は、図5に示す電気回路51の構成の他の実現例として、電気回路51Aを示す図である。図10Aから図10Dは、図9に示す実現例の説明図であり、前出の図7Aから図7Dと同様の各種の波形を示す図である。ただし、図10Cは、三角波VTに代えて、オフセットが付与された三角波VTの波形を示す。
図9に示す電気回路51Aは、図6に示した電気回路51に対して、電圧情報生成部513が電圧情報生成部513Aで置換された点が異なる。図9に示す電気回路51Aにおいて他の構成要素は、図6と同様であってよく、同一の参照符号を付して説明を省略する場合がある。
電圧情報生成部513Aは、図6に示した電圧情報生成部513に対して、オフセット生成部5133が追加された点が主に異なる。すなわち、電圧情報生成部513Aは、基準波生成部5131及び比較処理部5132に加えて、オフセット生成部5133を備える。
オフセット生成部5133は、切替信号に応答して、三角波のオフセットを変化させる。この結果、図10Cに示すように、オフセットが変化する三角波VTが生成される。
具体的には、オフセット生成部5133は、図9に示すように、基準波生成部5131と比較処理部5132との間に接続される。オフセット生成部5133は、抵抗R10、R11を備え、抵抗R10、R11の間に、比較処理部5132を形成するコンパレータの反転入力端子が接続される。すなわち、抵抗R10は、一端が、比較処理部5132を形成するコンパレータの反転入力端子が接続され、他端が基準波生成部5131に接続される。また、抵抗R11は、一端に切替信号Viが入力され、他端が、比較処理部5132を形成するコンパレータの反転入力端子が接続される。なお、抵抗R10、R11は抵抗値が同じであるとする。この場合、比較処理部5132を形成するコンパレータの反転入力端子には、抵抗R10、R11で分圧される差分電圧(三角波VTと切替信号Viとの間の差分電圧)に応じて、以下のような電圧VTが入力される。
VT=(VT+Vi)/2 式(5)
この場合、オフセット生成部5133は、図10Cに示すように、切替信号Viが5Vであるときは、2.5Vのオフセットを有する三角波VTを生成し、切替信号Viが0Vであるときは、0Vのオフセットを有する三角波VT(すなわちオフセットなしの三角波VT)を生成する。
このような図9に示す例によっても、上述した図6に示す例と同様、例えば図10Aに示すように切替信号Viが5Vと0Vとの間で切り替わると、それに応じて、図10Bに示すように、ダイオード電流Ifは正の電流(すなわち第1方向の電流)と負の電流(すなわち第2方向の電流)とで切り替わる。その結果、図10Cに示すように、中間電位Vmに対応する2.5Vを中心として反転する電圧Vfが生成され、図10Dに示すように、切替信号Viが5Vであるときの出力(第1電圧情報)cmpと、切替信号Viが0Vであるときの出力(第2電圧情報)cmpとを得ることができる。
特に、図9に示す例によれば、上述したように、三角波VTは、切替信号Viに応答してオフセットが0Vと2.5Vとの間で切り替わるので、より精度の高い温度の算出値を得ることができる。
具体的には、図9に示す例では、図10Cに示すように2.5Vを中心として反転する電圧Vfに対して、当該反転方向に合わせてオフセットが変化する三角波VTを、比較処理部5132に入力できる。すなわち、切替信号Vi=5Vのときは、電圧Vfは、中間電位2.5Vよりも高い電圧値となる。このため、0Vと5Vとの間で振動する三角波VTよりも、2.5Vと5Vの間で振動する三角波VTの方が、単位時間あたりの三角波VTの電圧変化が小さくなるので、精度の良い比較結果を得ることができる。また、同様に、切替信号Vi=0Vのときは、電圧Vfは、中間電位2.5Vよりも低い電圧値となる。このため、0Vと5Vとの間で振動する三角波VTよりも、0Vと2.5Vの間で振動する三角波VTの方が、単位時間あたりの三角波VTの電圧変化が小さくなるので、精度の良い比較結果を得ることができる。なお、この効果については、以下で図11を参照して説明する特性1101、1102からも理解できる。
図11は、図9に示す比較処理部5132からの出力に基づく温度の算出値の導出方法の説明図である。図11は、横軸に温度を取り、縦軸に出力Duty比をとったときの、出力Duty比と温度との関係を表す特性図である。図11には、切替信号Viが5Vであるときの出力(第1電圧情報)cmpに基づく特性1101と、切替信号Viが0Vであるときの出力(第2電圧情報)cmpに基づく特性1102と、がそれぞれ示される。
図11に示すように、特性1101及び特性1102は、それぞれ、図8に示した特性801及び特性802と同様の傾向を示すが、図8に示した特性801及び特性802よりも傾きが大きくなる。これは、上述したように、切替信号Vi=0Vのときは、0Vと5Vとの間で振動する三角波VTよりも、0Vと2.5Vの間で振動する三角波VTの方が、単位時間あたりの三角波VTの電圧変化が小さくなるためである。換言すると、5Vの振幅で特定の温度範囲をカバーするよりも、2.5Vの振幅で同じ特定の温度範囲をカバーする方が、単位電圧変化あたりの温度変化量を大きくする(2倍にする)ことができる。この結果、図8に示した特性801及び特性802よりも、精度の高い温度の算出値を得ることができる。
次に、図12及び図13を参照して、上述した電気回路51に対する更なる変形例について説明する。
図12は、第1変形例による電気回路51Bを概略的に示す図である。
第1変形例による電気回路51Bは、図5等に示した電気回路51に対して、定電流生成回路部510が定電流生成回路部510Bで置換され、かつ、中間電位生成部512が省略された点が異なる。
定電流生成回路部510Bは、上述した定電流生成回路部510に対して、負電源(Vee参照)を更に利用する点が異なる。すなわち、定電流生成回路部510Bは、正負の両電源に基づいて動作する。
このような第1変形例によっても、負電源を用いることで回路規模が比較的大きくなるものの、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
図13は、第2変形例による電気回路51Cを概略的に示す図である。
第2変形例による電気回路51Cは、図5等に示した電気回路51に対して、定電流生成回路部510が定電流生成回路部510Cで置換され、かつ、中間電位生成部512が省略された点が異なる。
定電流生成回路部510Cは、単電源に基づき動作するスイッチ回路により形成される。具体的には、定電流生成回路部510Cは、互いに直列に接続された対のスイッチSW1、SW2と、互いに直列に接続された対のスイッチSW3、SW4とを含む。対のスイッチSW1、SW2と、対のスイッチSW3、SW4とは、互いに対して並列に、比較処理部5132(コンパレータの非反転入力端子)とグランドの間に接続される。そして、対のスイッチSW1、SW2の間は、端子20Aに接続され、対のスイッチSW3、SW4の間は、端子20Kに接続される。なお、各スイッチSW1〜SW4は、半導体素子(トランジスタ等)により実現されてもよいし、リレー等により実現されてもよい。
この場合、マイコン52からの切替信号は、定電流生成回路部510Cの各スイッチSW1〜SW4をオン/オフさせる信号であってよい。具体的には、スイッチSW1及びスイッチSW4がオンし、かつ、スイッチSW2及びスイッチSW3がオフすると、第1方向の電流が生成される。また、スイッチSW1及びスイッチSW4がオフし、かつ、スイッチSW2及びスイッチSW3がオンすると、第2方向の電流が生成される。
なお、第2変形例では、スイッチSW1及びスイッチSW4がオンし、かつ、スイッチSW2及びスイッチSW3がオフした状態では、図13に示すように、比較処理部5132(コンパレータの非反転入力端子)には、端子20Aに生じる電圧が入力される。他方、スイッチSW1及びスイッチSW4がオフし、かつ、スイッチSW2及びスイッチSW3がオンした状態では、比較処理部5132(コンパレータの非反転入力端子)には、端子20Kに生じる電圧が入力される。従って、この場合、温度算出処理部521は、図8に示した特性801のみに基づいて、温度の算出値を導出できる。
このような第2変形例によっても、スイッチ回路により回路規模が比較的大きくなるものの、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
このように電気回路51等は、多様な態様で実現されてよい。
なお、以上のような第1変形例や第2変形例においても、電圧情報生成部513が、図9を参照して上述した電圧情報生成部513Aで置換されてもよい。なお、この場合、温度算出処理部521は、図11に示した特性1101のみに基づいて、温度の算出値を導出できる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例では、温度検出素子としてSiダイオードのようなダイオードが用いられるが、温度検出素子としては、PNPトランジスタのような他の素子が用いられてもよい。
また、上述した実施例では、温度検出装置50による温度検出対象は、主機用のインバータ4の半導体チップ11であるが、他の電力変換器の半導体チップにも適用可能である。例えば、補機用のインバータやDC/DCコンバータのような電力変換器の半導体チップにも適用可能である
<付記>
以上の実施例に関し、更に以下を開示する。なお、以下で記載する効果のうちの、一の形態に対する追加的な各形態に係る効果は、当該追加的な各形態に起因した付加的な効果である。
(1)一の形態は、電力変換器(4)の半導体チップ(11)に関する温度を検出する温度検出装置(50)であって、
前記半導体チップの2つの端子(20A、20K)に電気的に接続される電気回路(51、51A、51B、51C)を有し、
前記半導体チップは、1つ以上の第1温度検出素子(31)と、1つ以上の第2温度検出素子(32)とが、前記2つの端子の間に、互いに対して逆向きにかつ並列に電気的に接続されており、
前記電気回路は、切替信号(Vi、S1)に応答して、前記2つの端子の一方の端子(20A)から他方の端子(20K)に向かう第1方向の電流と、前記他方の端子から前記一方の端子に向かう第2方向の電流とを、切り替えて生成する、温度検出装置である。
本形態によれば、第1方向の電流を生成したときに生じる2つの端子間の電圧(電圧降下)と、第2方向の電流を生成したときに生じる2つの端子間の電圧(電圧降下)との双方に基づいて、電力変換器の半導体チップに関する信頼性の高い温度情報を得ることができる。
(2)また、本形態においては、好ましくは、前記電気回路は、前記一方の端子に電気的に接続される定電流生成回路部(510、510B、510C)を含み、
前記定電流生成回路部は、前記切替信号に応答して、前記第1方向の電流を生成する状態と、前記第2方向の電流を生成する状態との間で、切り替わる。
この場合、定電流生成回路部により双方向(第1方向及び第2方向)の定電流を生成できるので、精度の高い温度情報を得ることができる。
(3)また、本形態においては、好ましくは、前記定電流生成回路部は、単電源(Vcc)で動作する。
この場合、負電源を追加的に利用する場合に比べて、回路規模を小さくできる。
(4)また、本形態においては、好ましくは、前記切替信号は、電圧値が第1の値(例えば5V)と、前記第1の値よりも低い第2の値(例えば0V)の間で切り替わる態様で、前記定電流生成回路部に入力され、
前記電気回路は、前記他方の端子に電気的に接続され、前記他方の端子の電位を、前記第1の値と前記第2の値の間の第3の値(例えば2.5V)に維持するように動作する中間電位生成部を含み、
前記定電流生成回路部には、前記中間電位生成部により生成される前記第3の値の電圧が入力される。
この場合、中間電位生成部を利用することで、例えばスイッチ回路を利用する場合に比べて、回路規模を小さくできる。
(5)また、本形態においては、好ましくは、前記電気回路は、前記第1方向の電流が生成されるときに前記一方の端子に生じる電圧を表す第1電圧情報(cmp、S2)と、前記第2方向の電流が生成されるときに前記一方の端子に生じる電圧を表す第2電圧情報(cmp、S2)とを生成する電圧情報生成部(513、513A)を更に含む。
この場合、第1方向の電流による第1電圧情報と、第2方向の電流による第2電圧情報とを生成できる。
(6)また、本形態においては、好ましくは、前記電圧情報生成部は、
基準波生成部(5131)と、
前記基準波生成部により生成される基準波(VT)と、前記一方の端子に生じる電圧(Vf)との関係に基づいて、前記第1電圧情報及び前記第2電圧情報を生成する比較処理部(5132)とを更に含む。
この場合、基準波を利用して電圧情報を生成できる。
(7)また、本形態においては、好ましくは、前記電圧情報生成部は、前記切替信号に応答して前記基準波のオフセットを変化させるオフセット生成部(5133)を更に含む。
この場合、切替信号に起因した一方の端子に生じる電圧の反転に適合する基準波を、オフセットを変化させることで生成できる。これにより、電圧情報の分解能を高めることができるので、より高い精度の温度情報を得ることができる。また、例えば2つの基準波生成部を設ける場合に比べて回路規模を低減できる。
(8)また、本形態においては、好ましくは、前記電圧情報生成部に電気的に接続され、前記第1電圧情報と前記第2電圧情報とに基づいて、前記温度の算出値を導出する第1温度算出処理を実行する温度算出部(521)を更に含む。
この場合、第1電圧情報と第2電圧情報の一方だけを常に利用する場合に比べて、信頼性の高い温度情報を得ることができる。
(9)また、本形態においては、好ましくは、前記第1温度算出処理は、前記第1電圧情報に基づく前記温度の算出値と、前記第2電圧情報に基づく前記温度の算出値との平均値を算出する処理を含む。
この場合、ばらつきの生じがたい信頼性の高い温度情報を得ることができる。
(10)また、本形態においては、好ましくは、前記電圧情報生成部に電気的に接続され、前記第1電圧情報と、前記第2電圧情報とに基づいて、前記1つ以上の第1温度検出素子及び前記1つ以上の第2温度検出素子に関する異常を検出する異常検出部(522)を更に含む。
この場合、第1電圧情報と第2電圧情報とに基づいて温度検出素子に関する異常を適切に検出できる。
(11)また、本形態においては、好ましくは、前記温度算出部は、前記異常検出部により前記異常が検出された場合に、前記第1温度算出処理に代えて、前記第1電圧情報及び前記第2電圧情報のうちのいずれか一方のみに基づいて、前記温度の算出値を導出する第2温度算出処理を実行する。
この場合、一方の温度検出系に異常が生じても、正常の方の温度検出系を利用できるので、冗長性を高めることができる。
1 電動車両用モータ駆動システム
2 高圧バッテリ
3 平滑コンデンサ
4 インバータ
5 走行用モータ
6 インバータ制御装置
11 半導体チップ
20A、20E、20G、20K、20S 端子
31 第1温度検出ダイオード
32 第2温度検出ダイオード
50 温度検出装置
51、51A、51B 電気回路
52 マイコン
60 絶縁トランシーバ
110 温度センシング部
510、510B、510C 定電流生成回路部
5101 オペアンプ
512 中間電位生成部
5121 オペアンプ
513、513A 電圧情報生成部
5131 基準波生成部
5132 比較処理部
5133 オフセット生成部
520 電流切替部
521 温度算出処理部
5211 第1温度算出処理部
5212 第2温度算出処理部
522 異常検出部

Claims (11)

  1. 電力変換器の半導体チップに関する温度を検出する温度検出装置であって、
    前記半導体チップの2つの端子に電気的に接続される電気回路を有し、
    前記半導体チップは、1つ以上の第1温度検出素子と、1つ以上の第2温度検出素子とが、前記2つの端子の間に、互いに対して逆向きにかつ並列に電気的に接続されており、
    前記電気回路は、切替信号に応答して、前記2つの端子の一方の端子から他方の端子に向かう第1方向の電流と、前記他方の端子から前記一方の端子に向かう第2方向の電流とを、切り替えて生成する、温度検出装置。
  2. 前記電気回路は、前記一方の端子に電気的に接続される定電流生成回路部を含み、
    前記定電流生成回路部は、前記切替信号に応答して、前記第1方向の電流を生成する状態と、前記第2方向の電流を生成する状態との間で、切り替わる、請求項1に記載の温度検出装置。
  3. 前記定電流生成回路部は、単電源で動作する、請求項2に記載の温度検出装置。
  4. 前記切替信号は、電圧値が第1の値と、前記第1の値よりも低い第2の値の間で切り替わる態様で、前記定電流生成回路部に入力され、
    前記電気回路は、前記他方の端子に電気的に接続され、前記他方の端子の電位を、前記第1の値と前記第2の値の間の第3の値に維持するように動作する中間電位生成部を含み、
    前記定電流生成回路部には、前記中間電位生成部により生成される前記第3の値の電圧が入力される、請求項2又は3に記載の温度検出装置。
  5. 前記電気回路は、前記第1方向の電流が生成されるときに前記一方の端子に生じる電圧を表す第1電圧情報と、前記第2方向の電流が生成されるときに前記一方の端子に生じる電圧を表す第2電圧情報とを生成する電圧情報生成部を更に含む、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の温度検出装置。
  6. 前記電圧情報生成部は、
    基準波生成部と、
    前記基準波生成部により生成される基準波と、前記一方の端子に生じる電圧との関係に基づいて、前記第1電圧情報及び前記第2電圧情報を生成する比較処理部とを更に含む、請求項5に記載の温度検出装置。
  7. 前記電圧情報生成部は、前記切替信号に応答して前記基準波のオフセットを変化させるオフセット生成部を更に含む、請求項6に記載の温度検出装置。
  8. 前記電圧情報生成部に電気的に接続され、前記第1電圧情報と前記第2電圧情報とに基づいて、前記温度の算出値を導出する第1温度算出処理を実行する温度算出部を更に含む、請求項5から7のうちのいずれか1項に記載の温度検出装置。
  9. 前記第1温度算出処理は、前記第1電圧情報に基づく前記温度の算出値と、前記第2電圧情報に基づく前記温度の算出値との平均値を算出する処理を含む、請求項8に記載の温度検出装置。
  10. 前記電圧情報生成部に電気的に接続され、前記第1電圧情報と、前記第2電圧情報とに基づいて、前記1つ以上の第1温度検出素子及び前記1つ以上の第2温度検出素子に関する異常を検出する異常検出部を更に含む、請求項8又は9に記載の温度検出装置。
  11. 前記温度算出部は、前記異常検出部により前記異常が検出された場合に、前記第1温度算出処理に代えて、前記第1電圧情報及び前記第2電圧情報のうちのいずれか一方のみに基づいて、前記温度の算出値を導出する第2温度算出処理を実行する、請求項10に記載の温度検出装置。
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