JP4540139B2 - Stn液晶ディスプレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、格別に短い応答時間と良好な急峻性及び角度依存性を有するスーパーツイストネマティック液晶ディスプレイ、略してSTNディスプレイに関し、そしてそこで使用される新規なネマティック液晶混合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
STNディスプレイは、例えばEP 0,131,216 B1;DE 3,423,993 A1;EP 0,098,070 A2; M. Schadt 及び F. Leenhouts, 17th Freiburg Conference on Liquid Crystals (8. -10. 04. 87); K. Kawasaki et al., SID 87 Digest 391 (20. 6); M. Schadt 及び F. Leenhouts, SID 87 Digest 327 (20. 1); K. Katoh et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 26, No. 11, L 1784-L 1786 (1987); F. Leenhouts et al., Appl. Phys. Lett. 50 (21), 1468 (1987); H. A. van Sprang 及び H. G. Koopman, J. Appl. Phys. 62 (5), 1734 (1987); T. J. Scheffer 及び J. Nehring, Appl. Phys. Lett. 45 (10), 1021 (1984); M. Schadt 及び F. Leenhouts, Appl. Phys. Lett. 50 (5), 236 (1987) 及び E. P. Raynes, Mol. Cryst. Liq. Cryst. Letters, Vol. 4 (1), pp. 1-8 (1986)より公知である。
ここでSTNディスプレイという語は、例えばWatersらのディスプレイ素子(C. M. Waters et al., Proc. Soc. Inf. Disp. (New York) (1985) (3rd Intern. Display Conference, Kobe, Japan), STN液晶ディスプレイ (DE-A 3,503,259), SBE液晶ディスプレイ(T. J. Scheffer 及び J. Nehring, Appl. Phys. Lett. 45 (10), 1021 (1984), OMI液晶ディスプレイ(M. Schadt 及び F. Leenhouts, Appl. Phys. Lett. 50 (5), 236 (1987), DST液晶ディスプレイ (EP-A 0,246,842) 又はBW-STNディスプレイ (K. Kawasaki et al.,SID 87 Digest 391 (20.6)のような160°と360°の間のねじれ角を有する比較的高度にツイストしたいかなるディスプレイ素子をも包含する。
【0003】
標準的なTNディスプレイと比較して、この種のSTNディスプレイは、極めて良好な電気光学的特性曲線の急峻性により、これに関連して、極めて低いコントラストの角度依存性により特徴付けられる。特に興味深いものは、特に比較的低い温度で、顕著に短い応答時間を有するSTNディスプレイである。短い応答時間を達成するために、液晶混合物の回転粘度は、ほとんどの場合、比較的高蒸気圧のモノトロピック添加物を使用して、従来最適化されてきた。しかしながら、達成された応答時間は、全ての製品に適したものではなかった。
【0004】
STNディスプレイで、急峻な電気光学的特性を達成するためには、液晶混合物は比較的高いK33/K11値及び比較的小さなΔε/ε⊥値を有さねばならない。
【0005】
コントラストの最適化及び切り替え時間の最適化を除き、さらなる重要な要求;
1.幅広いd/pウインドウ、
2.高い化学的長時間安定性、
3.高い電気抵抗、
4.しきい値電圧の低い周波数依存性と低い温度依存性
が、この種の混合物には存在する。
【0006】
達成されたパラメーターの組み合わせは、特に高マルチプレックスに関して適さないばかりか、低マルチプレックス及び中マルチプレックス(1/400)でもSTNディスプレイに適さない。これはひとつにはさまざまな要求が、相反する方向で材料パラメーターにより影響を受けるからである。
従って、顕著に短い切り替え時間、と同時に、上記の要求を満たす、広域な使用温度、特性曲線の高急峻性、良好なコントラストの角度依存性を有する、特に高解像度ディスプレイ(XGA)に対する需要が、引き続き大いに存在する。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の不都合が全くないか、わずかしかない、そして同時に短い切り替え時間を有するSTNディスプレイを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
式IAの化合物;
【化20】
(式中
Raは、炭素原子1個から12個を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル又はアルケニルオキシであり、
Rbは、炭素原子1個から5個を有するアルキル又はアルコキシであり、
Zは、−COO−、−CH2CH2−又は単結合であり、そして
La、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg及びLhは、それぞれ互いに独立して、H又はFであり、ただし、
(a)La、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg及びLh基の少なくとも1つはF、及び
(b)1,4−フェニレン環が、環1つあたり最大2つのフッ素原子を有する)
を含有し、そして成分 Bが、式IBの化合物;
【化21】
(式中
R3は、炭素原子2個から7個を有するアルケニル基であり、
R4は、Raと同義であり、そして
cは、0又は1である)
を少なくとも1つ含有するネマティック液晶混合物の使用により、この課題が解決できることを今回見出した。
【0008】
式IAの化合物の使用により、特にカラー反射型STNディスプレイに好適な、高い光学異方性Δnを有する本発明による液晶混合物を得ることができる。
式IA及び式IBの化合物を、本発明のSTNディスプレイのための混合物中で使用すると、特に、顕著に速い切り替え時間が得られる。
さらに、本発明による混合物は、以下の有利な物性を特徴とする;
− 低粘度を有し、
− しきい値電圧及び動作電圧の低い温度依存性を有し、
− ディスプレイにおいて低い温度での長い使用時間が得られる。
従って、本発明は、
− フレームと共にセルを形成する、2枚のキャリア板、
− セル中に存在する正の誘電異方性のネマティック液晶混合物、
− キャリア板の内側で配向膜を有する電極層、
− キャリア板表面上の分子長軸とキャリア板との間でなす1°から30°のチルト角、
− 配向膜から配向膜への、セル中の液晶混合物のねじれ角が100°から600°の大きさ、及び
− a)+1.5より大きな誘電異方性を有する1又は2以上の化合物からなる液晶成分 Aを20重量%から95重量%;
b)−1.5から+1.5の間の誘電異方性を有する1又は2以上の化合物からなる液晶成分 Bを5重量%から80重量%;
c)−1.5より小さな誘電異方性を有する1又は2以上の化合物からなる液晶成分 Dを0重量%から20重量%;そして
d)層の厚み(キャリア板の間隔)とカイラルネマティック液晶混合物の自然ピッチとの間の比率が約0.2から1.3である量の光学的に活性な成分 C、からなる液晶混合物
を有するスーパーツイスト液晶ディスプレイであって、
液晶混合物が、少なくとも1つの式IAの化合物;
【化22】
(式中
Raは、炭素原子1個から12個を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル又はアルケニルオキシであり、
Rbは、炭素原子1個から5個を有するアルキル又はアルコキシであり、
Zは、−COO−、−CH2CH2−又は単結合であり、そして
La、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg及びLhは、それぞれ互いに独立して、H又はFであり、ただし、
(a) La、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg及びLh基の少なくとも1つはF、及び
(b) 1,4−フェニレン環が、環1つあたり最大2つのフッ素原子を有する)
を含有し、そして成分 Bが、少なくとも1つの式IBの化合物;
【化23】
(式中
R3は、炭素原子2個から7個を有するアルケニル基であり、
R4は、Raと同義であり、そして
cは、0又は1である)
を含有することを特徴とする。
【0009】
本発明は、STNディスプレイで使用するための液晶混合物にも関する。
好適な式IAの化合物は、Zが単結合である化合物である。
特に好適な式IAの化合物は、Zが単結合であり、1,4−フェニレン基の1つが
【化24】
である化合物である。式IAの特に好適な化合物のうち付属式IA1から付属式IA15の化合物;
【0010】
【化25】
【0011】
【化26】
が、特に好適である。
式IA1から式IA15の化合物のうち、式IA1から式IA12の化合物がもっとも好適である。
Ra及びRbは、好ましくは炭素原子1個から5個を有する直鎖アルキルであり、さらに炭素原子1個から5個を有する直鎖アルコキシ基である。
【0012】
式IBは、以下の化合物;
【化27】
(式中R3及びR4は、上記の意味を有する)
を包含する。
好適なものは、R3が炭素原子2個から7個を有する1E−アルケニル又は3E−アルケニルである式IB1及び式IB2の化合物である。
【0013】
式IB1の特に好適な化合物は、付属式IB1-1から付属式IB1-5の化合物;
【化28】
(式中、R3a及びR4aは、それぞれ互いに独立して、H、CH3、C2H5又はn−C3H7であり、そしてR4bは、炭素原子1個から8個を有するn−アルキルである)
である。
【0014】
式IB-2の特に好適な化合物は、付属式IB2-1及び付属式IB2-2の化合物;
【化29】
(式中、R3a及びR4bは、式IB1-1から式IB1-5の化合物で定義の意味を有する)
である。
特に好適なものは、成分 Bが式IB1-4、式IB2-1及び式IB2-2から選択される化合物を少なくとも1つ含有する本発明による液晶ディスプレイである。
【0015】
好適な液晶混合物は、成分 Aの化合物を1又は2以上、好ましくは25重量%から95重量%を、もっとも好ましくは30重量%から90重量%を含有する。特に好適な態様では、本発明による液晶混合物は、好ましくは25重量%から80重量%、特に好ましくは25重量%から70重量%、そしてもっとも好ましくは30重量%から60重量%の成分 Aの化合物を1又は2以上含有する。さらに格別に好適な態様では、本発明による液晶混合物は、好ましくは60重量%から95重量%、特に好ましくは70重量%から95重量%、もっとも好ましくは80重量%から90重量%の成分 Aの化合物を1又は2以上を含有する。
【0016】
成分Aは、好ましくは式II及び/又は式IIIの化合物;
【化30】
(式中
Rは炭素原子1個から12個を有するアルキル、アルコキシ又はアルケニル基であり、1又は2以上の隣接しないCH2基は、O原子が互いに直接結合しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−又は−COO−により置換されてもよく、
【化31】
は、それぞれ互いに独立して、
【化32】
であり、
L1からL6は、それぞれ互いに独立して、H又はFであり、
Z1は、−COO−、−CH2CH2−又は単結合であり、
Z2は、−CH2CH2−、−COO−、−C≡C−又は単結合であり、
Qは、−CF2−、−CHF−、−CH2−、−OCF2−、−OCHF−、−OCH2−又は単結合であり、
Yは、F又はClであり、
aは、1又は2であり、
bは、0又は1である)
を含有する。
【0017】
式IIの好適な化合物は、付属式IIaから付属式IIh;
【化33】
(式中、R、L1、L2及びL5は、上記の意味を有する)
で表される。
【0018】
式IIaから式IIhの化合物のうち、好適なものは、式IIa、式IIb、式IIc及び式IIfの化合物である。特に好適なものは、以下の付属式の化合物;
【化34】
(式中、Rは、上記の意味を有する)
を1又は2以上含有する混合物である。
【0019】
特に好適な態様では、成分 Aは、式AIから式AIVの化合物;
【化35】
(式中、Rは、炭素原子1個から12個を有するアルキル、アルコキシ又はアルケニル基であり、1又は2以上の隣接しないCH2基が、O原子が互いに直接結合しないという条件で、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−又は−COO−により置き換えられていてもよく、
【化36】
及びQ1は、それぞれ互いに独立して
【化37】
であり、
Z3は、
【化38】
−CH2CH2−、−COO−、−O−CO−又は単結合である)
をさらに含有する。
【0020】
本発明による混合物は、好ましくは高い透明点を有する極性化合物及び化合物AIV1から化合物AIV4;
【化39】
からなる群から選択される化合物を1又は2以上含有する。
【0021】
化合物AIV1から化合物AIV4において、1,4−フェニレン基は、1又は2以上のフッ素原子によりラテラルに置換されてもよい。好適なこの種の化合物は、式AIV1-1、式AIV1-2及び式AIV1-3の化合物である;
【化40】
式AIV1から式AIV4の化合物を含有する本発明による混合物では、これらの化合物の割合は、好ましくは約2%から25%である。
【0022】
式IIIの好適な化合物は、付属式IIIaから付属式IIIv;
【化41】
【0023】
【化42】
【0024】
【化43】
【0025】
【化44】
(式中、Rは上記の意味を有し、そしてL3及びL4は、互いに独立して、H又はFである)
により表される。
【0026】
式IIIaから式IIIvの化合物のうち、好適なものは、特にL3がFである化合物、さらにL3及びL4がFである化合物である。
好適な混合物は、式IA及び式IBの1又は2以上の化合物に加え式IIa、式IIb、式IIc、式IIf、式IIIb、式IIId、式IIIf、式IIIh、式IIIi、式IIIs又は式IIIuの化合物を、1、2、3又は4以上含有し、好ましくは式IIIb、式IIId、式IIIh又は式IIIuの化合物を1又は2以上及び式IAと式IBの化合物を1、2、3、又は4又は式IIa、式IIb及び/又は式IIcの化合物を1、2、3、4又は5含有する。
【0027】
好適な本明細書中に記載の式II及び式IIIの化合物について、R、R1及びR2は断りがなければ、好ましくは直鎖アルキル、直鎖アルケニル又は直鎖アルコキシであり、特に炭素原子1個から12個を有するアルキル、特に炭素原子1個から7個を有するアルキルである。
さらに好適なものは、付属式IIIb1;
【化45】
(式中、Rは、式IIIの意味を有し、そして好ましくは炭素原子1個から7個を有するアルキル又は炭素原子2個から7個を有するアルケニル、特に炭素原子2個から7個を有する1E−又は3E−アルケニルである)
を1又は2以上含有する混合物である。
式IIIb1の化合物では、Rは、特に好ましくはビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、特にビニルである。
【0028】
例えば式II及び式IIIの化合物又はそれらの付属式の化合物の個々の化合物は、本発明によるSTNディスプレイで使用できる他の化合物も含め、それぞれ公知であるか又は公知の化合物と同様にして調製することができる。
【0029】
好適な液晶混合物は、成分 Bの化合物を1又は2以上、好ましくは5重量%から75重量%、特に好ましくは10重量%から70重量%含有する。特に好適な態様では、本発明による液晶混合物は、成分 Bの化合物を1又は2以上、好ましくは25重量%から75重量%、特に好ましくは35重量%から75重量%、最も好ましくは40重量%から70重量%を含有する。さらに格別に好適な態様では、本発明による液晶混合物は、成分 Bの化合物を1又は2以上、好ましくは5重量%から50重量%、特に好ましくは5重量%から25重量%、最も好ましくは10重量%から25重量%を含有する。
成分 Bの化合物は、特に低い回転粘度γ1により特徴付けられる。
【0030】
成分 Bは、式IBの化合物1又は2以上に加えて、好ましくは式IV1から式IV9の化合物;
【化46】
【0031】
【化47】
(式中、R1及びR2は、Rで定義の意味を有し、そして式IV6の化合物は、式IBの化合物とは異なる)
からなる群から選択される化合物を1又は2以上含有する。
【0032】
成分 Bは、好ましくは式IV10から式IV24の化合物;
【化48】
【0033】
【化49】
(式中、R1及びR2は、Rで定義の意味を有し、そして式IV16の化合物は、式IBの化合物とは異なる)
からなる群から選択される化合物を1又は2以上さらに含有する。式IV10から式IV19、式IV23及び式IV24の1,4−フェニレン基は、それぞれ互いに独立して、フッ素により単置換又は多置換されていてもよい。
【0034】
特に好適なものは、式IV12a;
【化50】
(式中、R1#は、R3で定義の意味を有し、そしてR2 #は、炭素原子1個から4個を有する直鎖アルキルである)
の化合物を1又は2以上含有する化合物である。これらの化合物で、R1#は、特に好ましくはビニル、1E−プロペニル、1−ブテニル、2E−ブテニル、3−ブテニル、2E−ペンテニル又は3E−ペンテニルである。R2 #は、特に好ましくはメチル、エチル又はプロピル、特にメチル又はエチルである。さらに、好ましいものは、式IV12aの化合物及び式中R3aが、H、CH3、C2H5又はn−C3H7であり、そしてR4bは、炭素原子1個から8個を有するn−アルキルである式IB2-1及び/又は式IB2-2の化合物を含有する混合物である。
【0035】
成分 Bは、化合物IBに加えて、式IV25から式IV31の化合物;
【化51】
(式中、R1及びR2は、Rで定義の意味を有し、そしてLは、H又はFである)
からなる群から選択される化合物を、さらに1又は2以上含有する。式IV25から式IV31の化合物の1,4−フェニレン基は、それぞれ互いに独立して、フッ素により単置換又は多置換されていてもよい。
【0036】
特に好適なものは、R1がアルキル、そしてR2がそれぞれ炭素原子1個から7個を有するアルキル又はアルコキシ、特にアルコキシである式IV25からIV31の化合物である。さらに、好適なものは、LがFである式IV25及び式IV31の化合物である。
さらに、好適なものは、LがHである式IV25の化合物を1又は2以上含有する液晶混合物である。
式IV1から式IV31の化合物で、R1及びR2は、特に好ましくは炭素原子1個から12個を有する直鎖アルキル又はアルコキシである。
【0037】
成分 Bは、式VI及び式VIIの化合物;
【化52】
(式中、CrH2r+1は、炭素原子9個までを有する直鎖アルキル基である)
からなる群から選択される化合物を1又は2以上含有することができる。
【0038】
さらに好適な態様では、成分 Bは、式VIII及び式IXの化合物;
【化53】
(式中、R1及びR2は、上記の意味を有し、そして式VIII及び式IXの化合物は式IBの化合物とは異なる)
を包含する群から選択される化合物をさらに1又は2以上含有する。
さらに好適なものは、式Xから式XIVの化合物;
【化54】
(式中、Halは、F又はClであり、LはH又はF、そしてRは上記の意味を有し、特にRが炭素原子1個から12個を有するアルキルである)
の群から選択される化合物を少なくとも1つ含有する液晶混合物である。
【0039】
所望ならば、液晶混合物は、層の厚み(キャリア板の間隔)とカイラルネマティック液晶混合物の自然ピッチの間の割合が0.2より大きくなる量で、光学的活性化成分 Cを含有してもよい。この成分としては、当業者は、任意に、例えばコレステリルノナノエート、S−811(Merck KGaA, Darmstadt, Germanyより)及びCB15(BDH, Poole, U. K. )のように、商業的に入手可能な多数のカイラルドーパントを使用できる。ドーパントの選択は、自体重要ではない。
成分 Cの化合物の割合は、好ましくは0%から10%、特に0%から5%、特に好ましくは0%から3%である。
【0040】
好適な混合物は、好ましくは5重量%から70重量%及び特に好ましくは5重量%から65重量%の液晶性トラン化合物を含有する。特に好適な態様では、本発明による液晶混合物は、好ましくは5重量%から50重量%、特に好ましくは5重量%から35重量%、及び最も好ましくは5重量%から25重量%の液晶性トラン化合物を含有する。他の特に好適な態様では、本発明による液晶混合物は、好ましくは25重量%から70重量%、特に好ましくは40重量%から70重量%及び最も好ましくは50重量%から70重量%の液晶性トラン化合物を含有する。液晶性トラン化合物のより高い割合での使用により、小さい層厚みで実質的に短い応答時間での動作が可能である。式IAの化合物に加えて、液晶混合物中トラン化合物としては、式T1から式T3の化合物;
【化55】
(式T1中の
【化56】
又は
【化57】
そして式T2中では、
【化58】
であり、
dは、0又は1であり、
L1からL6は、それぞれ互いに独立して、H又はFであり、
Qは、−CF2−、−CHF−、−CH2−、−OCF2−、−OCHF−、−OCH2−又は単結合であり、
Yは、F又はClであり、
Z4は、−CO−O−、−CH2CH2−又は単結合、そして
R1及びR2は、上記の意味を有する)
からなるグループ Tから選択される。
【0041】
好適な式T1の化合物は、付属式T1a及び付属式T1bの化合物;
【化59】
(式中、R1は、上記の意味を有し、L1からL4は、それぞれ互いに独立して、H又はFであり、そしてQ-Yは、F、Cl又はOCF3、特にF又はOCF3である)
で表される。
【0042】
好適な式T2の化合物は、付属式T2aから付属式T2gの化合物;
【化60】
(式中、R1、R2及びZ4は、上記の意味を有し、そしてL1からL6は、それぞれ互いに独立して、H又はFである)
で表される。
【0043】
式T2aから式T2gの化合物のうち、好適なものは、式T2a、式T2b、式T2c、式T2d、式T2e1及び式T2e2の化合物である。特に好適な式T2e1及び式T2e2の化合物は、式中、のL1基からL4基の0、1個又は2個はFで、その他がHであり、L1とL2又はL3とL4は、両方同時にFでなく、L5とL6は、Hである。
グループ Tからの化合物の割合は、好ましくは0%から30%、特に好ましくは3%から30%、格別には3%から25%である。
【0044】
他の特に好適な態様では、本発明による混合物は、好ましくは約5%から20%の少なくとも−1.5より小さい誘電異方性Δεを有する化合物(成分 D)を1又は2以上含有する。
成分 Dは、好ましくは例えばDE-A 3,807,801、同 3,807,861、同 3,807,863、同 3,807,864又は同 3,807,908のような母体要素2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレンを有する化合物を1又は2以上含有する。特に好ましいものは、国際特許出願PCT/DE 88/00133による母体要素を有するトラン類、特に式T2f及び式T2gである。
【0045】
成分 Dの他の公知の化合物の例は、それぞれDE-A 3,231,707及びDE-A 3,407,013による母体要素;
【化61】
を有する2,3−ジシアノヒドロキノン誘導体類又はシクロヘキサン誘導体類である。
【0046】
本発明による液晶混合物は、好ましくは式B1Iから式B1IVの化合物;
【化62】
(式中、
R1、R2及びZ4は、上記の意味を有し、
【化63】
であり、
そして式B1IIIの化合物は、式IBの化合物とは異なる)
からなるグループ B1から選択される化合物を1又は2以上含有し、
及び/又は式B2Iから式B2IIIの化合物;
【化64】
(式中、
Rは、上記の意味を有し、
Z5は、−CH2CH2−、−CO−O−又は単結合、
Q2は、
【化65】
であり、
アルキルは、炭素原子1個から9個を有するアルキル基であり、
Xは、CN又はFであり、そして
Lは、H又はFである)
からなるグループ B2から選択される化合物を1又は2以上含有し、
【0047】
及び/又は式B3Iから式B3IIIの化合物;
【化66】
(式中、
R1及びR2は、互いに独立して、上記の意味を有し、
Yは、F又はClであり、そして
【化67】
である)
からなるグループ B3から選択される化合物を少なくとも1つ含有する。
【0048】
グループ B1からの化合物の割合は、好ましくは10%から50%、特に15%から40%である。式B1III及び式B1IVの化合物は、好適である。
特に好適なグループ B1の化合物は、以下の付属式の化合物;
【化68】
(式中、
R1aは、CH3−(CH2)p−、CH3−(CH2)p−O−、CH3−(CH2)p−O−CH2−、トランス−H−(CH2)q−CH=CH−(CH2CH2)s−又はトランス−H−(CH2)q−CH=CH−(CH2CH2)s−CH2O−であり、
R2aは、CH3−(CH2)p−であり、
pは、1、2、3又は4であり、
qは、0、1、2又は3であり、そして
sは、0又は1である)
である。
【0049】
上記の付属式B1IIIaから付属式B1IIIbの化合物及び式IB1の化合物の組み合わせの割合は、好ましくは約5%から45%、最も好ましくは約7%から35%である。
式B1IVaの化合物又は式B1IVの化合物の割合は、好ましくは約5%から40%、最も好ましくは約10%から35%である。
特に好適な態様では、混合物は、式IB1及び/又は式IB2の化合物と共に、式B1III及び式B1IVの化合物を同時に含有し、グループ B1からの成分の全体の割合は保持される。
式B1I及び/又は式B1IIIの化合物が存在する場合は、R1及びR2は、それぞれ互いに独立して、好ましくは炭素原子1個から7個を有するn−アルキルであり、式B1Iの化合物の場合は、炭素原子3個から7個を有する(トランス)−n−アルケニルでもよい。Z4は、好ましくは単結合である。
【0050】
さらに好適なものは、式B1IVの化合物;
(式中、
【化69】
であり、そしてR1及びR2が上記で定義の好適な意味の1つを有し、そして好ましくは炭素原子1個から7個を有するn−アルキルである)
を1又は2以上含有する本発明による混合物である。
いかなる場合でも、グループ B1からの成分の全体の割合は保持されている。
【0051】
グループ B2からの化合物の割合は、好ましくは約5%から45%、特に5%から20%である。式B2Iから式B2IIIの割合(好適幅)は、以下のとおりである:
B2I: 約5%から30%、好ましくは約5%から約15%、
B2II及びB2IIIの合計: 約5%から25%、好ましくは約10%から20%である。
【0052】
好適なグループ B2からの化合物は、以下のとおりである:
【化70】
(式中、R1、R2、L及びZ5は、上記の意味を有する)
これらの化合物では、R1は、好ましくは炭素原子1個から7個を有するn−アルキル又は炭素原子3個から7個を有する(トランス)−n−アルケニルであり、Z5は、好ましくは単結合であり、R2は、好ましくは上記Rで定義の好適な意味を有するか又はフッ素であり、そしてLは、好ましくはフッ素である。
【0053】
本発明による混合物は、好ましくは式B2Ic、式B2IIa及び式B2IIIaからなる群から選択される化合物を、全体の割合の約5%から35%で、1又は2以上含有する。
特に好適な態様では、本発明による混合物は、式B2Ic、式B2IIa及び式B2IIIa(L=F)に加えて、さらに例えば
【化71】
からなる群から選択される末端フッ素化化合物及び/又は
【化72】
(R1は、好ましくは炭素原子1個から7個を有するn−アルキル又は炭素原子3個から7個を有する(トランス)−n−アルケニルであり、gは、1又は2であり、hは、0又は1であり、X0は、F、Cl、CF3、−OCF3−又は−OCHF2、そしてLは、H又はFである)
からなる群から選択される極性複素環類を含有する。
【0054】
全ての末端フッ素化化合物の全体の割合は、好ましくは約5%から65%、特に約15%から40%である。
グループ B3からの化合物の割合は、好ましくは約5%から30%、最も好ましくは約10%から20%である。R1は、好ましくはそれぞれ炭素原子1個から9個を有するn−アルキル又はn−アルコキシである。
しかしながら、アルケニル又はアルケニルオキシ基を含む同様の化合物を使用することもできる。式B3Iの化合物が好適である。
【0055】
Ra、Rb、R、R1、R2及びR4としての“アルキル”及び“アルコキシ”という語は、直鎖又は分枝鎖状アルキル及びアルコキシ基であり、Ra、R、R1、R2及びR4の場合は炭素原子1個から12個を有し、Rbの場合は炭素原子1個から5個を有し、特に直鎖状アルキル及びアルコキシ基を包含する。特に好適なアルキル及びアルコキシ基は、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ又はヘプトキシ、さらにメチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、メトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ又はドデコキシである。
【0056】
Ra、R、R1、R2、R3及びR4としての“アルケニル”という語は、直鎖又は分枝鎖状アルケニル基であり、Ra、R、R1、R2及びR4の場合は炭素原子2個から12個を有し、R3の場合は炭素原子2個から7個を有し、特に直鎖状アルケニル基を包含する。特に好適なアルケニル基は、C2−C7−1E−アルケニル、C4−C7−3E−アルケニル、C5−C7−4−アルケニル、C6−C7−5−アルケニル及びC7−6−アルケニル、特にC2−C7−1E−アルケニル、C4−C7−3E−アルケニル及びC5−C7−4−アルケニルである。好適なアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニル及びそれに類するものである。一般に、炭素原子5個までを有するものが好適である。
【0057】
Raとしての“アルケニルオキシ”という語は、炭素原子2個から12個を有する直鎖及び分枝鎖状アルケニルオキシ基、特に直鎖基を包含する。特にビニルオキシ、プロプ−1−(prop-1-)又は−2−エニルオキシ、ブト−1−、−2−又は−3−エニルオキシ、ペント−1−、−2−、−3−又は4−エニルオキシ、ヘキシ−1−、−2−、−3−、−4−又は5−エニルオキシ、ヘプト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−又は−6−エニルオキシ、オクト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−又は−7−エニルオキシ、ノン−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−又は−8−エニルオキシ、デク−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−又は−9−エニルオキシ、ウンデク−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−、−9−又は−10−エニルオキシ、又はドデク−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−、−9−、−10−又は−11−エニルオキシである。
【0058】
本発明による混合物は、式IAと式IBの化合物及び好ましくはグループ B1 、 B2 及び B3の少なくとも1つからの化合物を含有する。それらは、好ましくは少なくとも1つのグループ B1からの化合物及び1又は2以上のグループ B2 及び/又はグループ B3からの化合物を含有する。
好適な態様では、本発明による液晶媒体は、2、3、4、5又は6の式IA及び式IBの化合物を、全混合物に対して、通常20重量%から70重量%、好ましくは40重量%から70重量%の量で含有する。
【0059】
本発明の液晶混合物中での式IAの化合物の量は、全混合物に対して、好ましくは5重量%から60重量%、特に好ましくは5重量%から55重量%、そして最も好ましくは8重量%から55重量%である。
本発明の液晶混合物中での式IBの化合物の量は、全混合物に対して、好ましくは5重量%から60重量%、特に好ましくは5重量%から55重量%、そして最も好ましくは8重量%から55重量%である。
【0060】
特に好適な態様では、本発明の液晶混合物中での式IAの化合物の量は、全混合物に対して、好ましくは5重量%から35重量%、特に好ましくは5重量%から30重量%、そして最も好ましくは8重量%から25重量%である。そのような特に好適な態様では、本発明の液晶混合物中での式IBの化合物の量は、全混合物に対して、好ましくは15重量%から65重量%、特に好ましくは30重量%から60重量%、そして最も好ましくは35重量%から55重量%である。さらに好適な態様では、本発明の液晶混合物中での式IAの化合物の量は、全混合物に対して、好ましくは20重量%から60重量%、特に好ましくは30重量%から60重量%、そして最も好ましくは30重量%から50重量%である。そのような特に好適な態様では、本発明の液晶混合物中での式IBの化合物の量は、全混合物に対して、好ましくは5重量%から50重量%、特に好ましくは5重量%から30重量%、そして最も好ましくは8重量%から20重量%である。
【0061】
他の好適な態様では、混合物は、
− 以下の式の化合物1又は2以上を;
【化73】
(式中、R1、R2及びLは、成分 Bの化合物で定義の好適な意味を有する。
液晶混合物中でのこれらの化合物の割合は、好ましくは0%から45%、特に4%から30%である);
− 式IIIb、式IIId、式IIIf、式IIIh、式IIIi、式IIIs及び式IIIuの化合物から選択される1又は2以上、特に1、2、3又は4の化合物;
− 式IIa1、式IIb1、式IIb2、式IIb3、式IIc1及び式IIc2の化合物から選択される少なくとも2つの化合物(液晶混合物中のこれらの化合物の割合は、好ましくは0%から60%、特に10%から45%である);
− 式T1、式T2、又は式T3の化合物を1又は2以上、特に式T2a及び/又は式T2bの化合物を1又は2以上(液晶混合物中のこれらの化合物は、好ましくは0%から25%、特に1%から15%である);
を含有する。
【0062】
さらに格別な態様は、
− 式AI又は式AIIの化合物を少なくとも2つ、
− R又はR1が、トランス−アルケニル基又はトランス−アルケノイルオキシ基である化合物を1又は2以上;
− 以下の群から選択される化合物を1又は2以上;
【化74】
(式中R1及びR2は、成分 Bの化合物で定義の好適な意味を有し、そして式IV6の化合物は、式IBの化合物とは異なる。上記化合物の1,4−フェニレン基はフッ素により置換されていてもよい)
− 式IV18及び式XVの化合物を1又は2以上;
【化75】
(式中、R、R1及びR2は、上記の意味を有する)
を含有する液晶混合物に関する。
【0063】
特に大きい層厚みを有するSTNディスプレイで使用の場合は、本発明による液晶混合物は、格別に低い総合応答時間(ttotal=ton+toff)により特徴付けられる。低複合応答時間は、ラップトップのディスプレイとして使用する場合、カーソル動作の滑らかな表示を得るために、STNディスプレイにとって特に重要な特徴である。
【0064】
本発明によるSTNセルで使用される液晶混合物は、Δε≧1の誘電的に正である。特に好適なものは、Δε≧3である液晶混合物であり、そして格別に好適なものは、Δε≧5である液晶混合物である。
さらに好適なものは、光学異方性がΔn≧0.18、特に好ましくはΔn≧0.23、特に好ましくはΔn≧0.25を有する液晶混合物である。
【0065】
本発明による液晶混合物は、有利なしきい値電圧V(10,0,20)及び回転粘度γ1を有する。特定の光路差d・Δnのため、層厚みdは、光学異方性Δnにより決定される。特に比較的高いd・Δn値の場合、比較的高い光学異方性を有する本発明による液晶混合物を使用することが一般に好適である。この場合比較的小さなd値が選択できるからであり、結果としてより有利な応答時間を得ることができるからである。しかしながら、より小さなΔn値を有する本発明による液晶混合物からなる本発明による液晶ディスプレイでも有利な応答時間の値により特徴付けられる。
【0066】
本発明による液晶混合物はさらに、電気光学特性の急峻性の有利な値により特徴付けられ、そして、特に20℃より高い温度で、高マルチプレックス比で、動作させることができる。これに加え、本発明による液晶混合物は、高い安定性と有利な電気抵抗値及びしきい値電圧の周波数依存性を示す。本発明による液晶ディスプレイは、幅広い使用温度及び良好なコントラストの角度依存性を有する。
【0067】
特に光学異方性Δn≧0.18を有する、本発明による液晶混合物は、カラー反射型STNディスプレイでの使用に特に好適である。本発明による液晶混合物を含有するそのようなカラー反射型STNディスプレイはまた、本発明の主題である。
【0068】
偏光板、電極基板及び従来それぞれの場合に、隣接する液晶分子の好適な配向(ディレクター)がそれぞれ互いに、電極から電極へ160°から720°の大きさで通常ねじれるように表面処理を行った電極からの本発明による液晶ディスプレイ素子の構造は、この種のディスプレイ素子の通常のデザインである。通常のデザインという語は、ここでは非常に幅広く捉え、そしてSTNセル、特にマトリクスディスプレイ素子及び付加的な磁石を含有するディスプレイ素子においても、全ての改造及び改良を包含するものとする。
特に好適なものは反射型ディスプレイ、特にカラー反射型ディスプレイとして動作する本発明による液晶ディスプレイである。
【0069】
2枚のキャリア板での表面チルト角は、同一か又は異なっていてもよい。同一なチルト角が好適である。STNディスプレイでは、チルト角は、1°から30°、好ましくは1°から12°、特に3°から10°である。
ディスプレイでは、配向膜から配向膜へのSTN混合物のツイスト角は、100°から600°の間、好ましくは170°から300°の間、そして特に好ましくは180°から270°の間である。
本発明により使用することが可能な液晶混合物は、自体通常の方法で調製される。通常、微量で使用される化合物の所望の量を、有利には加温して、主要な成分に溶解させる。成分の溶液を、例えばアセトン、クロロホルム又はメタノールのような有機溶媒に混合した後、例えば蒸留により再び溶媒を除去することも可能である。
誘電体には、当業者に公知又は刊行物に記載されたさらなる添加物を含有することもできる。例えば、多色性染料を0%から15%添加してもよい。
【0070】
本明細書及び以下の例では、液晶化合物の構造を略号で定義し、以下の表A及び表Bに示すように化学式を変化させる。全てのCnH2n+1及びCmH2m+1基は、炭素原子n個又はm個を有する直鎖アルキル基である。アルケニル基はトランス配置である。表Bによるコードは自明である。表Aでは、母体化合物の略号のみが定義される。個々の場合では、母体化合物の略号がダッシュにより分離され、置換基R1、R2、L1、L2及びL3のコードが続く;
【0071】
【化76】
STNディスプレイは、好ましくは表A及び表Bからの化合物の1又は2以上からなる液晶混合物を含有する。
【0072】
表 A
(L1、L2、L3:それぞれ、互いに独立して、H又はFである)
【化77】
【0073】
【化78】
【0074】
【化79】
【0075】
【化80】
【0076】
【実施例】
以下の例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。記号は以下の意味である:
S-N スメクティックからネマティックへの相転移温度、
N-I ネマティックからアイソトロピックへの相転移温度、
Cp. 透明点、
Visc. 回転粘度(mPa・s)、
Δn 光学異方性(589nm、20℃)
ton スイッチオンから最大コントラストの90%に到達するまでの時間
toff スイッチオフから最大コントラストの10%に到達するまでの時間
急峻性 ((V90/V10)-1)・100%
V10 しきい値電圧=10%の相対コントラストでの特性電圧(V(10,0,20)とも略される)
V90 90%の相対コントラストでの特性電圧
p ピッチ
Vop 動作電圧
【0077】
本明細書中、温度は全て℃で示される。パーセンテージは重量%である。特に断りがなければ、応答時間及び粘度の値は20℃での値である。特に断りがなければ、応答時間はスイッチオン及びスイッチオフの平均値taveである。
特に断りがなければ、STNディスプレイはマルチプレックス動作でアドレスされる(マルチプレックス比:1:240、バイアス:1:16)。
【0078】
混合物の例
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】
【表7】
【0085】
【表8】
【0086】
【表9】
Claims (14)
- − a)+1.5より大きな誘電異方性を有する1又は2以上の化合物からなる液晶成分Aを20重量%から95重量%;
b)−1.5から+1.5の間の誘電異方性を有する1又は2以上の化合物からなる液晶成分Bを5重量%から80重量%;
c)−1.5より小さな誘電異方性を有する1又は2以上の化合物からなる液晶成分Dを0重量%から20重量%;そして
d)層の厚み(キャリア板の間隔)とカイラルネマティック液晶混合物の自然ピッチとの間の比率が約0.2から1.3である量の光学的に活性な成分C、
からなる液晶混合物であって、
少なくとも1つの式IAの化合物;
Raは、炭素原子1個から12個を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル又はアルケニルオキシであり、
Rbは、炭素原子1個から5個を有するアルキル又はアルコキシであり、
Zは、単結合であり、そして
La、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg及びLhは、それぞれ互いに独立して、H又はFであり、ただし、
(a) La、Lb、Lc、Ld、Le、Lf、Lg及びLh基の少なくとも2つはF、及び
(b) 1,4−フェニレン環が、環1つあたり最大2つのフッ素原子を有する)
を含有し、そして成分Bが、少なくとも1つの式IBの化合物;
R3は、炭素原子2個から7個を有するアルケニル基であり、
R4は、Raと同義であり、そして
cは、0又は1である)
を含有することを特徴とする、前記液晶混合物。 - 式IA3から式IA6および式IA9から式IA15から選択される1又は2以上の化合物;
(式中
Ra及びRbは、それぞれ互いに独立して、炭素原子1個から5個を有する直鎖アルキルである)
を含有することを特徴とする、請求項1に記載の液晶混合物。 - 成分Bが、以下の化合物;
を少なくとも1つ含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の液晶混合物。 - 成分Bが、以下の化合物;
の少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶混合物。 - 成分Bが、以下の化合物;
の少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶混合物。 - 成分Aが、式II及び/又は式IIIの化合物;
Rは炭素原子1個から12個を有するアルキル、アルコキシ又はアルケニル基であり、1又は2以上の隣接しないCH2基は、O原子が互いに直接結合しないように、−O−、−CH=CH−、−CO−、−OCO−又は−COO−により置換されてもよく、
L1からL6は、それぞれ互いに独立して、H又はFであり、
Z1は、−COO−、−CH2CH2−又は単結合であり、
Z2は、−CH2CH2−、−COO−、−C≡C−又は単結合であり、
Qは、−CF2−、−CHF−、−CH2−、−OCF2−、−OCHF−、−OCH2−又は単結合であり、
Yは、F又はClであり、
aは、1又は2であり、
bは、0又は1である)
を含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶混合物。 - 成分Aが、以下の式の化合物;
の少なくとも1つを含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶混合物。 - 成分Aが、以下の化合物;
の1又は2以上を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶混合物。 - 成分Aが、以下の化合物;
の1又は2以上を含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶混合物。 - 液晶混合物が、T2aからT2e2からなる群;
から選択される1又は2以上の化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶混合物。 - 成分Bが、式IV1から式IV24の化合物;
の1又は2以上をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶混合物。 - 成分Bが、式IV25から式IV31の化合物;
の1又は2以上をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液晶混合物。 - − フレームと共にセルを形成する、2枚のキャリア板、
− セル中に存在する正の誘電異方性のネマティック液晶混合物、
− キャリア板の内側で配向膜を有する電極層、
− キャリア板表面上の分子長軸とキャリア板との間でなす1°から30°のチルト角、
− 配向膜から配向膜への、セル中の液晶混合物のねじれ角が100°から600°の大きさ、及び
− 請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶混合物
を含有することを特徴とする、前記ディスプレイ。 - カラー反射型ディスプレイとして動作されることを特徴とする、請求項13に記載のディスプレイ
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