JP4537339B2 - 移相器ならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアンテナ装置 - Google Patents

移相器ならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアンテナ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4537339B2
JP4537339B2 JP2006101040A JP2006101040A JP4537339B2 JP 4537339 B2 JP4537339 B2 JP 4537339B2 JP 2006101040 A JP2006101040 A JP 2006101040A JP 2006101040 A JP2006101040 A JP 2006101040A JP 4537339 B2 JP4537339 B2 JP 4537339B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
frequency
phase shifter
frequency signal
transmission line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006101040A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007274636A (ja
Inventor
信樹 平松
ジュニアディ アリフィン サガラ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2006101040A priority Critical patent/JP4537339B2/ja
Priority to US12/295,586 priority patent/US8013694B2/en
Priority to EP07740723.7A priority patent/EP2009731B1/en
Priority to PCT/JP2007/057287 priority patent/WO2007114391A1/ja
Priority to CN200780011241.4A priority patent/CN101411024B/zh
Priority to KR1020087024771A priority patent/KR101168608B1/ko
Publication of JP2007274636A publication Critical patent/JP2007274636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4537339B2 publication Critical patent/JP4537339B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、マイクロ波、準ミリ波帯およびミリ波帯などの高周波帯で用いられ、電磁波の位相を制御する移相器、これを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器およびレーダ装置に関する。
印加電界の大きさによって誘電率の変化する誘電体を用いたコプレーナウェーブガイド型移相器の研究が盛んに行われている。その1例として、第1の従来の技術の移相器では、強誘電体薄膜上にコプレーナウェーブガイドを形成し、強誘電体薄膜に電圧を印加することによって、電磁波の位相を変化させている(たとえば特許文献1参照)。
また強誘電体から成る誘電体導波路を用いた移相器が研究されている。その1例として、第2の従来の技術の移相器では、強誘電体を装荷した平行平板構造を有している(たとえば非特許文献1参照)。
また第3の従来の技術の移相器では、非放射性誘電体線路の誘電体の一部の誘電率を制御することによって位相を制御している(たとえば特許文献2参照)。
特表2003−508942号公報 特開平8−102604号公報 M. Cohn and A. F. Eikenberg, "Ferroelectric Phase Shifters for VHF and UHF," IRE Trans. on Microwave Theory and Techniques, Vol. MTT-10, pp. 536-548 (1962)
第1の従来の技術の移相器は、単位長さあたりの位相変化量が十分ではないので、必要な位相変化を得るために長い線路長が必要となり、移相器が大型化するという問題がある。たとえば非特許文献1に記載される移相器では、周波数が40GHzの電磁波を用いる場合、220°の位相変化を得るのに8.6mmの線路長が必要である。
第2および第3の従来の技術の移相器では、誘電体導波路に誘電率が可変である誘電体を用いることによって、位相変化を得ることが試みられているが、誘電体導波路の厚さが大きくなってしまうので、高い電圧を印加しなければならないという問題がある。たとえば非特許文献1に記載される移相器では、4000Vもの高電圧を誘電体導波路に印加している。
したがって本発明の目的は、小形で、かつ低電圧で大きな位相変化を安定して得ることができる移相器ならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアンテナ装置を提供することである。
本発明の移相器は、印加電界に応じて誘電率および寸法の少なくともいずれか1つが変化する変化部を含み、電磁波が伝播する誘電体部と、
前記変化部に電界を印加するための一対の電極を含み、前記誘電体部の外表面に密接するとともに前記誘電体部を外囲して導波管を形成する導電体部とを含むことを特徴とする。
また本発明の移相器は、印加電界に応じて誘電率および寸法の少なくともいずれか1つが変化する変化部を含む第1誘電体部、および誘電率が前記第1誘電体部の誘電率よりも小さく、前記第1誘電体部を挟持して設けられる第2誘電体部によって形成される誘電体部と、
前記誘電体部を伝播する電磁波の伝播方向および前記第1および第2誘電体部の積層方向に互いに垂直な方向において前記誘電体部を挟持する一対の平板導電体部と、
前記積層方向において前記誘電体部を挟み、かつ前記一対の平板導電体部の間隔より小さい間隔をあけて設けられ、前記変化部に電界を印加するための一対の電極とを含むことを特徴とする。
また本発明の移相器は、前記一対の平板導電体部の間隔は、前記第2誘電体部中を伝播する電磁波の波長の2分の1以下に選ばれることを特徴とする。
また本発明の移相器は、前記一対の電極に予め定める電圧を印加したときのカットオフ周波数をfcとし、前記誘電体導波路を伝播する電磁波の周波数をfとしたとき、fcとfとは、1.03<f/fc<1.5を満たすように選ばれることを特徴とする。
また本発明の高周波送信器は、高周波信号を発生する高周波発振器と、
前記高周波発振器に接続され、前記高周波発振器からの高周波信号を伝送する伝送線路と、
前記伝送線路に接続され、高周波信号を放射するアンテナと、
高周波信号が前記誘電体部を通過するように、前記伝送線路に挿入される前記移相器と、
高周波信号の伝送方向における前記移相器の上流側および下流側のうち少なくとも一方で前記伝送線路に設けられるスタブとを含むことを特徴とする。
また本発明の高周波受信器は、高周波信号を補捉するアンテナと、
前記アンテナに接続され、前記アンテナによって捕捉される高周波信号を伝送する伝送線路と、
前記伝送線路に接続され、前記伝送線路に伝送される高周波信号を検波する高周波検波器と、
高周波信号が前記誘電体部を通過するように、前記伝送線路に挿入される前記移相器と、
高周波信号の伝送方向における前記移相器の上流側および下流側のうち少なくとも一方で前記伝送線路に設けられるスタブとを含むことを特徴とする。
また本発明の高周波送受信器は、高周波信号を発生する高周波発振器と、
前記高周波発振器に接続され、高周波信号を伝送する第1伝送線路と
第1、第2および第3端子を有し、前記1端子が前記第1伝送線路に接続され、前記第1端子に与えられる高周波信号を前記第2端子または前記第3端子に出力する分岐器と、
前記第2端子に接続され、前記第2端子から与えられる高周波信号を伝送する第2伝送線路と、
第4、第5および第6端子を有し、前記第2伝送線路を介して前記第4端子に与えられる高周波信号を前記第5端子に出力し、かつ前記第5端子に与えられる高周波信号を前記第6端子に出力する分波器と、
前記第5端子に接続され、前記第5端子から出力される高周波信号を伝送し、前記第5端子に高周波信号を伝送する第3伝送線路と、
前記第3伝送線路に接続され、高周波信号を放射および補捉するアンテナと、
前記第3端子に接続され、前記第3端子から出力される高周波信号を伝送する第4伝送線路と、
前記第6端子に接続され、前記第6端子から出力される高周波信号を伝送する第5伝送線路と、
前記第4および第5伝送線路に接続され、前記第4および第5伝送線路から与えられる高周波信号を混合して中間周波信号を出力するミキサと、
高周波信号が前記誘電体部を通過するように、前記第1〜第5伝送線路のうち少なくともいずれか1つに挿入される前記移相器とを含むことを特徴とする。
また本発明の高周波送受信器は、前記分波器は、ハイブリッド回路またはサーキュレータによって形成されることを特徴とする。
また本発明の高周波送受信器は、前記高周波送受信器と、
前記高周波送受信器からの中間周波信号に基づいて探知対象物までの距離を検出する距離検出器とを含むことを特徴とする。
また本発明のアレイアンテナ装置は、アンテナ素子と、前記移相器とを有する移相器付アンテナを複数並べて構成されることを特徴とする。
また本発明のレーダ装置は、前記アレイアンテナ装置と、
前記アレイアンテナ装置に接続され、前記アレイアンテナ装置に高周波信号を与え、かつ前記アレイアンテナ装置によって捕捉した高周波信号を受信する高周波送受信器とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、一対の電極に電圧を印加することによって、変化部に電界を印加することができる。変化部は、印加電界の大きさに応じて、誘電率および寸法の少なくともいずれか1つが変化するので、すなわち一対の電極に印加される電圧に応じて、誘電体部を伝播する電磁波の位相を変化させることができる。寸法が変化する場合には、主に電圧印加方向における寸法が変化し、すなわち電圧印加方向における厚さが変化する。一対の電極を含む導電体部が誘電体部の外表面に密接するとともに誘電体部を外囲し、導波管を形成して、導電体部および誘電体部によってカットオフ特性を有する、すなわちカットオフ周波数を有する伝送線路が形成される。導電体部は、導波管を形成する際、軸線まわりに所定の距離離間して導波管を形成してもよい。導波管を形成する導電体部が一対の電極を含むので、導波管とは別に電極を形成する必要がなく、作製が容易である。導波管に前記電極が含まれることによって、誘電体部を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選んでも、誘電率変化部に印加される電界を安定して制御することができ、したがってカットオフ周波数付近で移相器を安定して動作させることができる。これによって誘電体部を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選ぶことができるようになり、前記カットオフ周波数付近では短い線路長でも大きな位相変化が得られるので、移相器を小形に形成することができる。また誘電体部を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選ぶことによって、誘電体部の電磁波の伝搬方向に垂直な断面の寸法も小さくなり、一対の電極の間隔が近づくので低電圧で大きな電界を、誘電体部に印加することができるようになり、小形で、かつ低電圧で大きな位相変化を安定して得ることができる移相器を実現することができる。
また本発明によれば、第1誘電体部および一対の平板導電体部によって、カットオフ特性を有する、すなわちカットオフ周波数を有する伝送線路が形成される。第1誘電体部に含まれる変化部は、印加電界の大きさに応じて、誘電率および寸法の少なくともいずれか1つが変化するので、すなわち一対の電極に印加される電圧に応じて、誘電体部を伝播する電磁波の位相を変化させることができる。寸法が変化する場合には、主に電圧印加方向における寸法が変化し、すなわち電圧印加方向における厚さが変化する。電磁波は、一対の平板導電体部および第2誘電体部に挟まれる第1誘電体部を主に伝播する。第1誘電体部に変化部が含まれるので、変化部の誘電率の変化が、電磁波の位相の変化に与える影響を大きくして、必要な位相変化を得るための線路長を短くすることができ、移相器を小形に形成することができる。また一対の電極は、前記積層方向において誘電体部を挟むので、一対の電極に電圧を印加することによって、変化部に電界を印加することができる。一対の電極の間隔は、一対の平板導電体部の間隔より小さいので、一対の平板導電体部によって変化部に電界を印加するよりも大きな電界を変化部に電界を印加することができ、低い電圧で大きな電界を変化部に与えることができる。
また第1誘電体部を電極によって挟持させる、すなわち第1誘電体に電極を接触させると、カットオフ状態となり電磁波が伝播することができなくなってしまうが、第1誘電体部の誘電率よりも小さな誘電率の第2誘電体部が第1誘電体部と電極との間に介在するので、電極部における電磁波は十分減衰され、カットオフ状態にならないようにすることができる。第2誘電体部は、第1誘電体部のうち最も誘電率が低い部分の誘電率よりも低い誘電率を有する。
前述したように電極を設けて変化部に電界を印加するので、カットオフ周波数付近で移相器を安定して動作させることができ、これによって誘電体部を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選ぶことができるようになる。前記カットオフ周波数付近では短い線路長でも大きな位相変化が得られるので、移相器を小形に形成することができる。また誘電体部を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選ぶことによって、誘電体部の電磁波の伝搬方向に垂直な断面の寸法も小さくなり、一対の電極の間隔が近づくので低電圧で大きな電界を、誘電体部に印加することができるようになり、小形で、かつ低電圧で大きな位相変化を安定して得ることができる移相器を実現することができる。
また本発明によれば、前記一対の平板導電体部の間隔は、前記第2誘電体部中を伝播する電磁波の波長の2分の1以下に選ばれるので、誘電体部および平板導電体部によって非放射性誘電体線路が形成される。これによって一対の平板導電体部に挟まれる領域から、電磁波の前記積層方向への放射を抑制し、伝送線路に移相器を挿入したときの挿入損失を低減することができる。
また本発明によれば、一対の電極に電圧を印加したときのカットオフ周波数をfcとし、誘電体部を伝播する電磁波の周波数をfとしたとき、fcとfとは、1.03<f/fc<1.5を満たすように選ばれ、位相変化の大きいカットオフ周波数近傍で用いるので、短い線路長でも大きな位相変化が得られ、移相器を小型にすることができる。また同時に、電磁波の伝播方向に垂直な方向における誘電体部の断面寸法も小さくなることから、一対の電極を相互に近接させることができ、小さい電圧で大きな電界強度が得られることによって、低電圧で移相器を動作させることができる。
また本発明によれば、高周波発振器が発生した高周波信号は、伝送線路に伝送されてアンテナに与えられ、電波として放射される。高周波発振器とアンテナの途中にはスタブが設けられ、高周波発振器の伝送線路への接続部やアンテナの伝送線路への接続部における不整合を整合できるようになっている。これによって接続部での反射を小さく抑えることができ、安定な発振特性が得られるとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い送信出力が得られる。ただし、スタブを設けても、たとえば高周波発振器を接続するためのワイヤーおよび/またはバンプの形状ばらつき、および伝送線路の配線幅のばらつきなどによって一律に整合することができない。本発明では、伝送線路には、伝送線路を伝送される高周波信号の電磁波が前記誘電体部を通過するように、前記移相器が挿入されるので、たとえば高周波発振器を接続するためのワイヤーやバンプの形状ばらつきや伝送線路の配線幅のばらつきなどによって伝送線路に起因して発生する位相のずれを個々に調整して整合をとることができ、安定な発振特性を持つとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い送信出力を持つ高周波送信器を実現することができる。また移相器を前述したように小型で、かつ低電圧で動作させることができるので、移相器を設けても高周波送信器を小型に形成することができ、また移相器に電圧を与えるための構成が複雑化してしまうことを抑制することができる。
また本発明によれば、アンテナによって捕捉した高周波信号は、伝送線路に伝送されて高周波検波器によって検波される。アンテナと高周波検波器の途中にはスタブが設けられ、高周波検波器の伝送線路への接続部やアンテナの伝送線路への接続部における不整合を整合できるようになっている。これによって接続部での反射を小さく抑えることができ、安定な検波特性が得られるとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い検波出力が得られる。ただし、たとえば高周波検波器を接続するためのワイヤーやバンプの形状ばらつきや伝送線路の配線幅のばらつきなどによって一律に整合することができない。本発明では、伝送線路には、伝送線路を伝送される高周波信号の電磁波が前記誘電体部を通過するように、前記移相器が挿入されるので、たとえば高周波検波器を接続するためのワイヤーやバンプの形状ばらつきや伝送線路の配線幅のばらつきなどによって伝送線路に起因して発生する位相のずれを個々に調整して、整合をとることができ、安定な検波特性を持つとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い検波出力を持つ高周波受信器を実現することができる。また移相器を前述したように小型で、かつ低電圧で動作させることができるので、移相器を設けても高周波受信器を小型に形成することができ、また移相器に電圧を与えるための構成が複雑化してしまうことを抑制することができる。
また本発明によれば、高周波発振器が発生した高周波信号は、第1伝送線路に伝送されて分岐器の第1端子に与えられ、分岐器の第2端子から第2伝送線路に与えられ、分波器の第4端子に与えられて、分波器の第5端子から第3伝送線路に与えられて、アンテナから放射される。またアンテナによって受信した高周波信号は、第3伝送線路に与えられて、分波器の第5端子に与えられ、分波器の第6端子から第5伝送線路に与えられて、ミキサに与えられる。またミキサには、分岐器の第3端子から第4伝送線路を介して、高周波発振器が発生した高周波信号がローカル信号として与えられる。ミキサは、高周波発振器が発生した高周波信号とアンテナによって受信した高周波信号とを混合して、中間周波信号を出力することによって、受信した高周波信号に含まれる情報が得られる。
高周波信号が前記誘電体部を通過するように、前記第1〜第5伝送線路のうち少なくともいずれかの1つに、前記移相器が挿入されることによって、たとえば配線幅のばらつきなどによって伝送線路に起因して不所望に変化する高周波信号の位相を調整して、たとえば安定な発振特性を持つとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い送信出力を持つ高周波送受信器を実現することができ、また、たとえば安定な検波特性を持つとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い検波出力を持つ高周波送受信器を実現することができ、また、たとえばミキサによって生成される中間周波数信号の信頼性を向上させることができる。また移相器を前述したように小型で、かつ低電圧で動作させることができるので、移相器を設けても高周波送受信器を小型に形成することができ、また移相器に電圧を与えるための構成が複雑化してしまうことを抑制することができる。
また本発明によれば、前記分波器は、ハイブリッド回路によって形成されてもよいし、サーキュレータによって形成されてもよい。ハイブリッド回路は、方向性結合器であって、マジックT、ハイブリッドリングまたはラットレースなどによって実現される。
また本発明によれば、前記高周波送受信器からの前記中間周波信号に基づいて、距離検出器が探知対象物までの距離を検出するので、検知対象物までの距離を正確に検出することができるレーダ装置となる。
また本発明によれば、アンテナ素子に前記移相器を付加して構成される移相器付のアンテナを複数並べてアレイアンテナ装置が構成される。各アンテナ素子に付加される移相器によって、アンテナ素子に供給される高周波信号の位相をずらすことによって、各アンテナ素子から放射される電波の位相を調整して、放射ビームをアレイアンテナの正面から所定の方向に傾けることができる。移相器は、小形でかつ低電圧で動作させることができるので、アレイアンテナ装置が大型化することない。またアレイアンテナ装置は、移相器を備えることによって、前述したように放射ビームの方向を変更することができ、これによってアンテナ素子を機械的に動作させることなく、放射ビームの方向を変更することができ、利便性を向上させることができる。
また本発明によれば、前記アレイアンテナ装置と、前記アレイアンテナ装置に接続され、前記アレイアンテナ装置に高周波信号を与え、かつ前記アレイアンテナ装置によって捕捉した高周波信号を受信する高周波送受信器とを含んでレーダ装置が構成されるので、レーダ装置が大型化することなく、また放射ビームの方向を容易に変更することができるので、利便性の高いレーダ装置を実現することができる。
図1は、本発明の実施の一形態の移相器1を模式的に示す断面図である。移相器1は、電磁波が伝搬する誘電体部2と、誘電体部2を外囲して導波管を形成する導電体部3とを含んで構成される。本発明の実施の形態の移相器1は、直方体形状に形成される。移相器1における電磁波の伝播方向Xに垂直な断面は、移相器1の前記伝播方向Xの端面と同形状である。
誘電体部2は、誘電体から成り、印加電界に応じて、誘電率が変化する変化部を含んで形成される。本発明の実施の形態では、誘電体部2は変化部から成り、たとえばBa(1−x)SrTiO(略称BST)、Mg(1−x)CaTiO、Zn(1−x)SnTiO、BaO−PbO−Nd−TiO、またはBi1.5Zn1.0Nb1.5などによって形成される。誘電体部2は、印加電界が大きくなるに連れて、すなわち印加される電界強度が高くなるに連れて、誘電率が小さくなる。
誘電体部2は、電磁波が入出力する第1および第2入出力端2a,2bを有する。第1および第2入出力端2a,2bは、電磁波が伝播する伝播方向Xに沿って、伝播方向Xの端部にそれぞれ形成される。本発明の実施の形態では、誘電体部2は、直方体形状に形成され、第1および第2入出力端2a,2bは、伝播方向Xに垂直な平面によって形成され、相互に対向して設けられる。誘電体部2の、伝播方向Xに垂直な断面は、矩形状となる。前記伝播方向Xにそれぞれ垂直であって、かつ互いに垂直な方向を、「幅方向Y」および「厚さ方向Z」とそれぞれいう。本発明の実施の形態では、幅方向Yが、誘電体部2の、伝播方向Xに垂直な断面における短手方向であり、厚さ方向Zが、誘電体部2の、伝播方向Xに垂直な断面における長手方向である。
導電体部3は、導電体から成り、誘電体部2に電界を印加するための一対の第1および第2電極4a,4bを含んで構成される。第1および第2電極4a,4bは、誘電体部2の外表面に積層して設けられる。本発明の実施の形態では、導電体部3は、第1および第2電極4a,4bから成り、これら第1および第2電極4a,4bは、誘電体部2の前記伝播方向Xに沿う軸線A1まわりに、誘電体部2に密接して、誘電体部2の前記伝播方向Xの両端面を露出させた状態で、前記軸線A1まわりに離間して誘電体部2を外囲して導波管を形成する。第1および第2電極4a,4bは、独立して設けられ、すなわち非接触に設けられる。
第1および第2電極4a,4bは、誘電体部2の前記伝播方向Xにおける両端部間にわたって形成される。第1および第2電極4a,4bは、前記軸線A1に関して回転対称に形成される。本発明の実施の形態では、第1および第2電極4a,4bは、伝播方向Xに垂直な断面が略U字形状に形成される。第1電極4aは、誘電体部2の厚さ方向Zにおける第1端部2c側から誘電体部2を覆い、厚さ方向Zにおける中間部まで延びる。第2電極4bは、誘電体部2の厚さ方向Zにおける第2端部2d側から誘電体部2を覆い、厚さ方向にZにおける中間部まで延びる。第1および第2電極4a,4bは、相互に接触しないように独立して形成され、誘電体部2の外表面に沿って前記軸線A1まわりに、予め定める距離L1離間して形成される。前記予め定める距離L1は、第1および第2電極4a,4bの間から誘電体部2を伝播する電磁波の漏れないように選ばれ、第1および第2電極4a,4bによって形成される導波管の内寸法の長辺(厚さ方向Zの大きさ)の長さaの1/2以下に選ばれる。
第1および第2電極4a,4bは、低い抵抗率の金属、誘電体部2と高温での同時焼成が可能な金属、半田または導電性ペーストによって形成される。低い抵抗率の金属としては、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、チタン(Ti)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)およびクロム(Cr)からなる群から選ばれる。第1および第2電極4a,4bは、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、チタン(Ti)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)およびクロム(Cr)からなる群から選ばれるいずれか1つ、もしくは少なくとも2つを含む合金またはこれらの積層体によって形成されてもよい。誘電体部2と高温での同時焼成が可能な金属としては、タングステン(W)などが用いられる。導電性ペーストとしては、金属フィラーとこの金属フィラーを結合するバインダ樹脂を含むものが用いられる。また第1および第2電極4a,4bは、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極体によって形成されてもよい。第1および第2電極4a,4bは、低い抵抗率の金属によって形成されるのが好ましい。
第1および第2電極4a,4bの厚さは、誘電体部2を伝播する電磁波に対する表皮厚さよりも大きく選ばれ、たとえば1μmに選ばれる。
誘電体部2には、この誘電体部2と一体に形成される絶縁部5a,5bが設けられる。絶縁部5a,5bは、前記誘電体部2と同じ物質によって形成される。絶縁部5a,5bは、前記軸線A1まわりに第1および第2電極4a,4bの間に設けられ、隣接する第1および第2電極4a,4bが接触してしまうことを防止する。絶縁部5a,5bは、誘電体部2の前記伝播方向Xの両端部間にわたって設けられ、それぞれ第1および第2電極4a,4bに接触して設けられる。
前記絶縁部5a,5bは、誘電体部2の表面から幅方向Yに、予め定める距離L2突出する。予め定める距離L2は、誘電体部2に積層される第1および第2電極4a,4bの幅方向Yにおける厚さに等しく選ばれる。前記予め定める距離L2は、誘電体部2中を伝播する平面波の波長の(2n−1)/4(nは自然数)に選ばれる。前述したように予め定める距離L1,L2を前述のように選ぶことによって、軸線A1まわりに第1および第2電極4a,4bが離間していても、この第1および第2電極4a,4bが離間する部分、すなわち絶縁部5a,5bから、誘電体部2を伝播させる電磁波の漏洩を防止することができる。
移相器1は、さらに電圧印加手段10を含んで構成される。電圧印加手段10は、一対の第1および第2電極4a,4b間に予め定める範囲の電圧を印加する電気回路によって実現される。電圧印加手段10は、第1および第2電極4a,4bに接続されて、それぞれの電極に所定の電位を与えて、第1および第2電極4a,4b間に電圧を与える。これによって、第1および第2電極4a,4bに挟まれる誘電体部2に電界が印加される。電圧印加手段10は、たとえば分圧器を含んで構成され、分圧器によって分圧された電圧を第1および第2電極4a,4bに与える。電圧印加手段10は、複数段階の電圧を前記第1および第2電極4a,4bに印加することができる。電圧印加手段10は、伝播する電磁波の周波数よりも低い周波数の交流電圧、または直流電圧を第1および第2電極4a,4bに印加する。電圧印加手段10は、シフトすべき位相量に応じた電圧を第1および第2電極4a,4bに印加する。
電圧印加手段10によって、一対の電極4a,4b間に電圧を印加し、また印加する電圧の大きさを予め定める範囲で変化させることによって、誘電体部2を導波する電磁波の位相を、印加する電圧の大きさ、すなわち印加電界の大きさに応じて変化させることができる。誘電体部2を形成する誘電体は、印加電界が大きくなると誘電率が小さくなり、これによって誘電体部2を導波する電磁波の位相を変化させることができる。
本発明の実施の形態では、導波管のTE10モードで電磁波を伝播させるように、移相器1が形成される。
移相器1は、誘電体導波管とみなすことができる。したがって移相器1を、誘電体が導波管の導波路に充填された誘電体導波管とみなして説明する。ここでは印加電界に応じて、誘電体部2を形成する誘電体の比誘電率εrが800から760の間で変化する場合について説明する。誘電体部2を形成する誘電体の誘電損失をtanδとし、第1および第2電極4a,4bによって形成される導波管の内寸法の長辺(厚さ方向Zの大きさ)の長さをaとし、短辺(幅方向Yの大きさ)の長さをb=a/2とし、前記導波管を形成する導電体の電気伝導度をσとし、前記導波管のカットオフ周波数をfcとすると、fcは式1で表される。本発明においてカットオフ周波数とは、伝播する高周波信号が3dB減衰する周波数のことである。
Figure 0004537339
式1において、μは真空の透磁率であり、εは真空の誘電率である。したがって、長さaによって、カットオフ周波数が決定される。ここでは短辺の長さbをb=a/2としているが、短辺の長さbは長辺の長さaより小さければよい。短辺の長さbが長辺の長さaより大きくなると所望のTE10モードに直交するTE01モードが遮断モードでなくなり、不要モードの発生があり得るため好ましくない。また、短辺の長さbが小さくなりすぎると、導電体による導体損失が大きくなるため、短辺の長さbは、b=a/2付近が望ましい。減衰定数をαとし、位相定数をβとすると、αは式2および式3で表され、βは式4で表される。
Figure 0004537339
単位長さあたりの位相変化は、前記位相定数βの変化量Δβであり、この値が大きいほど移相器を小型にすることができることを示す。
図2は、f/fcとΔβとの関係を示すグラフである。グラフの横軸は、使用周波数、すなわち誘電体部2を導波させる電磁波の周波数fを、カットオフ周波数fcで除算した値(f/fc)を表し、グラフの縦軸は位相定数βの変化量Δβを表す。ここでは、使用周波数fが77GHzのとき、導波管の内寸法の長辺aを変化させて、カットオフ周波数fcおよび位相定数βの変化量Δβを計算して、f/fcとΔβとの関係を示している。
図2に示されるように、f/fcが小さいほどΔβが大きくなるので、f/fcを小さくするほど小型化することができることがわかる。また誘電体部2を導波する電磁波に、360°の位相変化を与えるために必要な長さは、f/fc=2のときは4.7mmであるが、f/fc<1.2のときは3.1mm以下にできる。
また図3は、f/fcとΔβ/αmax/Vとの関係を示した図である。グラフの横軸はf/fcを表し、グラフの縦軸は、位相定数βの変化量Δβを動作電圧で最大の減衰定数αで除算して得られる一定の損失のもとで得られる位相変化量(Δβ/αmax)を、動作電圧Vで除算した値(Δβ/αmax/V)を表す。Δβ/αmax/Vは、移相器の性能指標とする。ここでは、tanδ=0.05、σ=9.52×10S/mの条件でΔβ/αmaxを計算し、比誘電率εrが800から760に変化するのに必要な電界強度が17kV/cm、長辺方向(厚さ方向Z)に電圧を印加するという条件で印加電圧Vを計算し、f/fcに対するΔβ/αmax/Vの関係を示している。図3のグラフに示されるように、Δβ/αmax/Vの値は、所定のf/fcで極大値を持つことがわかる。
f/fcが、1.03以下では、短い線路長で電磁波に大きな位相変化を与えることができるが、第1および第2電極4a,4bに高い電圧を与える必要がある。またf/fcが、1.5以上では、線路長を長くする必要があるとともに、第1および第2電極4a,4bに高い電圧を与える必要がある。f/fcを、1.03<f/fc<1.5に選ぶことによって、短い線路長で電磁波に大きな位相変化を与えることができるとともに、第1および第2電極4a,4bに与えるべき電圧を低く抑えることができるので、小型で、かつ低電圧で動作する移送器を実現することができる。f/fcは、好ましくは、1.03<f/fc<1.2に選ばれる。このような範囲に選ぶことによって、Δβ/αmax/V>0.03にすることができるので、さらに低電圧で動作する移相器を実現することができる。
移相器1は、第1および第2電極4a,4bが方形導波管を形成するので、カットオフ周波数fcは、誘電体部2を形成する誘電体の誘電率と、導波管の内寸法の長辺の長さaとによって決定される。本実施の形態では、前記長さa,bを、a=0.08mm、b=0.04mmとすることによって、比誘電率が760のときのカットオフ周波数fcを68GHzとしている。すなわち使用周波数f=77GHzのとき、f/fc=1.13である。また、誘電体部2を形成する誘電体の比誘電率εrを800から760に変化させるために必要な電界強度は、17kV/cmである。この17kV/cmの電界強度を得るためには、第1および第2電極4a,4b間に、136Vの電圧を印加すればよい。第1および第2電極4a,4b間に電圧を印加して、誘電体部2の誘電率が800から760に変化したときの位相変化量は、154°/mmとなる。したがって、360°の位相変化量を得るのに必要な長さ、すなわち第1および第2電極4a,4bによって電界が印加される誘電体部2の伝播方向Xの長さcは2.3mmである。
比較例として、コプレーナウェーブガイド型の移相器の例を挙げる。比誘電率9.5のMgO単結晶の基板上に厚さ0.5μmのBSTを成膜し、その上に中心導体幅50μmの、ギャップ25μmの電極を形成した。この場合、136Vの電圧を印加することによって、BSTの比誘電率が800から680に変化し、77GHzでの位相変化量は18°/mmとなる。したがって、360°の位相変化量を得るのに必要な長さは20mmである。
第1および第2電極4a,4bによって電界が印加される誘電体部2の伝播方向Xの長さcは、必要な位相変化が得られる長さに選ばれる。
以上のように移相器1によれば、導波管を形成する導電体部3が第1および第2電極4a,4bによって形成されるので、導波管とは別に電極を形成する必要がなく、作製が容易である。導波管に前記第1および第2電極4a,4bが含まれることによって、誘電体部2を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選んでも、誘電体部2に印加される電界を安定して制御することができ、したがってカットオフ周波数付近で移相器1を安定して動作させることができる。これによって誘電体部2を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選ぶことができるようになり、前記カットオフ周波数付近では短い線路長でも大きな位相変化が得られるので、移相器1を小形に形成することができる。また誘電体部2を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選ぶことによって、誘電体部2の電磁波の伝搬方向に垂直な断面の寸法も小さくなり、第1および第2電極4a,4bの間隔が近づくので低電圧で大きな電界を、誘電体部2に印加することができるようになり、小形で、かつ低電圧で大きな位相変化を安定して得ることができる移相器1を実現することができる。
また第1および第2電極4a,4bに電圧を印加したときのカットオフ周波数をfcとし、誘電体部を伝播する電磁波の周波数をfとしたとき、fcとfとは、1.03<f/fc<1.5を満たすように選ばれ、位相変化の大きいカットオフ周波数近傍で用いるので、短い線路長でも大きな位相変化が得られ、移相器1を小型にすることができる。また同時に、電磁波の伝播方向に垂直な方向における誘電体部2の断面寸法も小さくなることから、第1および第2電極4a,4bを相互に近接させることができ、小さい電圧で大きな電界強度が得られることによって、低電圧で移相器1を動作させることができる。カットオフ周波数付近の電磁波、すなわち1.03<f/fc<1.5を満たす周波数の電磁波を誘電体部2に導波させると、カットオフ周波数から離反した周波数の電磁波、すなわちf/fc≧1.5を満たす電磁波を誘電体部2に導波させる場合と比較して、単位長さあたりの伝送損失は大きくなるが、単位長さあたりの位相変化が大きいので、所定の位相変化を得るために必要な線路長を短くすることができ、これによって移相器1による伝送損失を結果的に小さくすることができる。
本発明の実施の形態の移相器1では、誘電体部2が直方体形状に形成されるが、直方体形状に限らず、たとえば誘電体部2の伝播方向Xに垂直な誘電体部2の断面の形状は、円形、楕円形、多角形またはその他異型であってもよい。このような形状であっても、同様の効果を達成することができる。
また図1に示す実施の形態の移相器1では、誘電体部2は、誘電率が変化する物質から成るが、本発明の実施のさらに他の形態において、誘電体部2は、誘電率が変化する物質から成る変化部を含む構成であればよい。前記変化部は、伝播電磁波の電界強度が高くなる部分に形成されるのが好ましく、たとえば厚さ方向Zの中央部に形成される。このような構成すると、誘電体部2のうち変化部が占める割合と、誘電体部2のうち変化部が形成される領域とに応じて、同じ大きさで移相器を作製したときに得られる位相変化量が決定され、誘電体部2全体が誘電率が変化する物質から成る場合よりも、位相変化量は小さくなるが、前述の実施の形態と同様に、小型な移相器を提供することができる。
また図1に示す実施の形態の移相器1では、第1および第2電極4a,4bを軸線A1まわりに回転対称に形成しているが、電極は、誘電体部2に電界を印加することができる構成であればよく、たとえば電極の数は一対に限らず、複数対形成されてもよい。電極は、誘電体部2に電界を印加することができるように配置されていれば、同様の効果を達成することができる。
また図1に示す実施の形態の移相器1では、第1および第2電極4a,4bのみによって導波管が形成されるが、第1および第2電極4a,4bと、導電体から成る導波管形成部とによって、導波管が形成されてもよい。この場合第1および第2電極4a,4bと、導波管形成部とは、前記軸線A1まわりに予め定める距離L1をあけて形成される。このように形成しても、同様の効果を達成することができる。
また図1に示す実施の形態の移相器1では、TE10モードを伝播させる場合が最も伝送効率が高いが、TE10モードを除く他のモードを伝播させてもよい。TE10モードを除く他のモードを伝播する場合には、高次モードおよび低次モードなどの他のモードに変換されてしまい、TE10モードを伝播させる場合と比較して伝送効率が低下するが、TE10モードを伝播させる場合と同様の効果を達成することができる。
図4は、本発明の他の実施の形態の移相器11を模式的に示す断面図である。本実施の形態の移相器11は、前述の図1に示す移相器1と類似しており、移相器1と同様の構成には同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。移相器11における電磁波の伝播方向Xに垂直な断面は、移相器11の前記伝播方向Xの端面と同形状である。
移相器11は、誘電体部2と第1および第2電極4a,4bとを含んで構成される。絶縁部5a,5bは、第1部分12と、厚さ方向Zの寸法が第1部分12よりも小さい第2部分13とが幅方向Yに繰り返し連なって形成される。第1および第2電極4a,4bは、前記第1および第2部分12,13にそれぞれ接触して設けられ、チョーク構造を構成する。絶縁部5a,5bの幅方向Yの両端部には、第2部分13が設けられる。
第1部分12の厚さ方向Zの寸法L3および第2部分13の厚さ方向Zの寸法L4は、できるだけその差分の絶対値が大きくなることが好ましい。前記寸法L3は、たとえば前記長さaに等しく選ばれる。また前記寸法L4は、前述した予め定める距離L1に選ばれる。
また第1および第2部分12,13の幅方向Yの寸法L5,L6は、それぞれ誘電体部2中を伝播する平面波の波長の(2n−1)/4(nは自然数)に選ばれる。このように絶縁部5a,5bならびに第1および第2電極4a,4bを形成することによって、前述した移相器1と同様の効果に加えて、さらに誘電体部2を伝播させる高周波の漏洩をより抑えることができる。
図5は、本発明の実施のさらに他の形態の移相器21を模式的に示す断面図である。移相器21は、誘電体部22と、一対の第1および第2平板導電体部23a,23bと、一対の第1および第2電極24a,24bと、電圧印加手段10とを含んで構成される。本発明の実施の形態の移相器21は、略直方体形状に形成される。移相器21における電磁波の伝播方向Xに垂直な断面は、移相器21の前記伝播方向Xの端面と同形状である。本発明の実施の形態において、前述の図1に示す移相器1と同様の構成には同一の参照符号を付し、異なる構成についてだけ説明し、同様の構成については説明を省略する。
誘電体部22は、誘電体から成り、印加電界に応じて、誘電率が変化する変化部を含む第1誘電体部25と、第2誘電体部26とを含んで構成される。誘電体部22は、電磁波が入力する第1入出力端22aおよび電磁波が出力する第2入出力端22bを有する。第1入出力端22aおよび第2入出力端22bは、電磁波が伝播する伝播方向Xに沿って、伝播方向Xの上流側および下流側にそれぞれ形成される。本発明の実施の形態では、誘電体部22は、直方体形状に形成され、第1入出力端22aおよび第2入出力端22bは、伝播方向Xに垂直な平面によって形成され、相互に対向して設けられる。誘電体部22の、伝播方向Xに垂直な断面は、矩形状となる。前記伝播方向Xにそれぞれ垂直であって、かつ互いに垂直な方向を、「幅方向Y」および「厚さ方向Z」とそれぞれいう。本発明の実施の形態では、幅方向Yが、誘電体部22の、伝播方向Xに垂直な断面における長手方向であり、厚さ方向Zが、誘電体部22の、伝播方向Xに垂直な断面における短手方向である。
本発明の実施の形態では、第1誘電体部25は変化部から成り、前述した実施の形態の誘電体部2と同様の物質によって形成される。第1誘電体部25は、直方体形状に形成され、誘電体部22の伝播方向Xの両端部間および幅方向Yの両端部間にわたって形成される。
第2誘電体部26は、第1誘電体部25を挟んで第1誘電体部25の両側にそれぞれ積層される。第2誘電体部26は、第1誘電体部25の厚さ方向Zの両側に、第1誘電体部25にそれぞれ積層して設けられる。第2誘電体部26は、直方体形状を有する。第2誘電体部26は、その誘電率が第1誘電体部25の誘電率よりも小さい物質によって形成される。第2誘電体部26の誘電率は、第1誘電体部25の誘電率が変化し、最も誘電率が小さくなったときの第1誘電体部25の誘電率未満に選ばれる。
第2誘電体部26は、ガラス、単結晶、セラミックスまたは樹脂などによって形成される。ガラスとしては、石英ガラスまたは結晶化ガラスなどが用いられる。単結晶としては、水晶、サファイア、MgOまたはLaAlO3などが用いられる。セラミックスとしては、アルミナ、フォルステライトまたはコーディライトなどが用いられる。樹脂としては、エポキシまたは含フッ素樹脂などが用いられる。第2誘電体部26は空気によって形成されてもよいが、第1誘電体部25を機械的に保持することができ、また空気よりも誘電率が高い前述した固体物質によって形成されるのが好ましい。
第1および第2平板導電体部23a,23bは、誘電体部22における電磁波の伝播方向Xならびに第1および第2誘電体部25,26の積層方向である厚さ方向Zに、互いに垂直な方向である幅方向Yにおいて、誘電体部22を挟持して設けられ、すなわち第1および第2誘電体部25,26の両側に設けられる。第1および第2平板導電体部23a,23bは、導電性を有し、板状に形成されて、誘電体部22に臨む面が相互に平行に設けられる。第1および第2平板導電体部23a,23bは、誘電体部22の幅方向Yの端面にそれぞれ積層され、この幅方向Yの端面の全面にわたって形成される。
第1および第2平板導電体部23a,23bは、前述した第1および第2電極4a,4bと同様の物質によって形成される。第1および第2平板導電体部23a,23bの厚さ、すなわち幅方向Yの厚さは、誘電体部22を伝播する電磁波に対する表皮厚さよりも大きく選ばれる。
第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔L7は、第2誘電体部26中を伝播する電磁波の波長の2分の1以下に選ばれる。このように前記間隔L7を選ぶことによって、誘電体部22および第1および第2平板導電体部23a,23bとによって、非放射性誘電体線路(NRDガイド)が構成され、第1誘電体部22aを伝播する電磁波が、第1および第2平板導電体部23a,23bの間から漏れることがなく、非放射となるので損失を低減することができる。
第1および第2電極24a,24bは、前記厚さ方向Zにおいて誘電体部22を挟持して設けられ、すなわち誘電体部22の両側に設けられる。第1および第2電極24a,24bは、厚さ方向Zに垂直な仮想一平面に関して面対称に設けられる。第1および第2電極24a,24bは、誘電体部22の厚さ方向Zの両端面上にそれぞれ積層して設けられる。第1および第2電極24a,24bは、伝播方向Xにおいて誘電体部22の両端部間にわたって設けられ、第1および第2平板導電体部23a,23bにそれぞれ離間して設けられる。第1および第2電極24a,24bは、直方体形状に形成され、誘電体部22のうち幅方向Yの両端部を除き、第2誘電体部26の幅方向Yの両端面から予め定める距離L9の範囲を除いて、第2誘電体部26に積層される。予め定める距離L9は、第1および第2電極24a,24bと第1および第2平板導電体部23a,23bとが接触しない程度に選ばれ、たとえば1μm〜50μmに選ばれる。
第1および第2電極24a,24bは、誘電体部22に臨む面が、相互に平行に形成され、第1および第2電極24a,24bの間隔L8は、第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔L7未満に形成される。第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔L7よりも、第1および第2電極24a,24bが近いので、第1および第2平板導電体部23a,23bに電圧を印加して第1誘電体部25の誘電率を変化させる場合と比較して、低い電圧で第1誘電体部25の誘電率を変化させることができる。第1および第2電極24a,24bの間隔L8は、好ましくは、第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔L7の10分の1以上かつL7より小さい値に選ばれる。電界強度が大きいほど、変化量が大きいので、第1および第2電極24a,24bの間隔L8は小さくした方が、電圧印加手段10によって第1および第2電極24a,24bの間に印加する電圧を小さくすることができる。しかしながら前記間隔L8を、小さくしすぎるとカットオフになってしまい、伝播しなくなるので、前記間隔L8は、第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔L7の10分の1以上とするのが好ましい。また前記間隔L8を前記間隔L7より小さい値に選ぶことによって、第1および第2平板導電体部23a,23b間に電界を印加するよりも効果的に前記変化部に電界を印加することができる。
第1および第2電極24a,24bは、前述した第1および第2電極4a,4bと同様の物質によって形成される。第1および第2電極24a,24bには、電圧印加手段10が接続される。
移相器21における、誘電体部22および第1および第2平板導電体部23a,23bによって形成される伝送線路のカットオフ周波数fcは、第1誘電体部25を形成する誘電体の誘電率および第1誘電体部25のサイズ、第1および第2電極24a,24bの間隔L8、平板導電体部23a,23bの間隔L7、および第2誘電体部26を形成する誘電体の誘電率で決まる。第1および第2電極24a,24bに所定の電圧を印加して第1誘電体部25の誘電率が小さくなったときのカットオフ周波数をfcとし、使用周波数、すなわち誘電体部22を伝播させる電磁波の周波数をfとしたとき、1.03<f/fc<1.5となるように、好ましくは、1.03<f/fc<1.2となるように第1誘電体部25のサイズ、第1および第2電極24a,24bの間隔L8、第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔L7および第2誘電体部26を形成する誘電体を設定する。移相器21を作製するとき、まず第1誘電体部25,26を形成する誘電体を決定し、次に第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔L7を決定する。その後、第1誘電体部25のサイズを決定した後、第1および第2電極24a,24bの間隔L8を決定する。
第1および第2電極24a,24bによって電界が印加される第1誘電体部25の伝播方向Xの長さL10は、必要な位相変化が得られる長さに選ばれる。
以上のように移相器21によれば、電磁波は、第1および第2平板導電体部24a,24bおよび第2誘電体部26に挟まれる第1誘電体部25を主に伝播する。第1誘電体部25の誘電率が変化することによって、電磁波の位相の変化に与える影響を大きくして、必要な位相変化を得るための線路長を短くすることができ、移相器21を小形に形成することができる。また第1および第2電極24a,24bの間隔L8は、第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔L7より小さいので、低い電圧で大きな電界を第1誘電体部25に与えることができる。
また第1誘電体部25を第1および第2電極24a,24bによって挟持させると、すなわち第1誘電体部25の両側に第1および第2電極24a,24bを接触させて設けるとカットオフ状態となり電磁波が伝播することができなくなってしまうが、第1誘電体部25の誘電率よりも小さな誘電率の第2誘電体部26が第1誘電体部25と電極との間に介在するので、電極部での電磁波は減衰され、カットオフ状態にならないようにすることができる。
移相器21では、前述したように第1および第2電極24a,24bを設けて第1誘電体部25に電界を印加するので、カットオフ周波数付近で安定して動作させることができ、これによって誘電体部2を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選ぶことができるようになる。前記カットオフ周波数付近では短い線路長でも大きな位相変化が得られるので、移相器21を小形に形成することができる。また誘電体部22を伝播する電磁波の周波数を、前記カットオフ周波数付近となるように選ぶことによって、誘電体部2の電磁波の伝搬方向に垂直な断面の寸法も小さくなり、第1および第2電極24a,24bの間隔が近づくので低電圧で大きな電界を、誘電体部2に印加することができるようになり、小形で、かつ低電圧で大きな位相変化を安定して得ることができる移相器21を実現することができる。
本実施の形態では、第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔は、第2誘電体部26中を伝播する電磁波の波長の2分の1以下としたが、本発明のさらに他の実施の形態では、第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔は、第2誘電体部26における波長の2分の1よりも大きくしてもよい。この場合には、第1および第2平板導電体部23a,23bおよび誘電体部22によってHガイドが構成され、図5に示す実施の形態の移相器21よりも伝送損失は大きくなるが、同様の効果を達成することができる。
また本実施の形態では、第1および第2電極24a,24bは伝播方向Xにおいて第1入出力端22aから第2入出力端22bにわたって形成されるが、第1および第2電極24a,24bは、伝播方向Xにおいて、連続的に形成されてもよい。
また図5に示す実施の形態の移相器21では、第1誘電体部25は、誘電率が変化する物質から成るが、本発明の実施のさらに他の形態において、第1誘電体部25は、誘電率が変化する物質から成る変化部を含む構成であればよい。前記変化部は、伝播電磁波の電界強度が高くなる部分に形成されるのが好ましく、たとえば幅方向Yおよび厚さ方向Zの中央部に形成される。このような構成にすると、誘電体部2のうち変化部が占める割合と、誘電体部2のうち変化部が形成される領域とに応じて、同じ大きさで移相器を作製したときに得られる位相変化量が決定され、第1誘電体部25全体が誘電率が変化する物質から成る場合よりも、位相変化量は小さくなるが、前述の実施の形態と同様に、小型な移相器を提供することができる。ただし、第1誘電体部25における変化部の形成領域は、幅方向Yおよび厚さ方向Zにおいて、対称に形成されることが望ましい。
前述した各実施の形態において、前記変化部は、印加電界に応じて
寸法が変化する圧電素子によってされてもよい。印加電圧に応じて、電圧印加方向において圧電素子の寸法が変化する、すなわち圧電素子の電圧印加方向における厚さが変化することによって、変化部を含む誘電体部を伝播する電磁波の位相を変化させることができ、前述した実施の形態と同様の効果を達成することができる。圧電素子は、たとえば水晶、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、Pb(Zr,Ti)O、BaTiO、LiNbOまたはSbSIによって形成される。
図6は、移相器21とマイクロストリップ線路31との接続構造30を模式的に示す斜視図である。以下、移相器21とマイクロストリップ線路31との接続構造30を、単に「接続構造30」という。図7は、移相器21の伝播方向Xに沿う軸線A2を含み、厚さ方向Zに垂直な仮想一平面における接続構造30の断面図であり、図8は、移相器21の伝播方向Xに沿う軸線A2を含み、幅方向Yに垂直な仮想一平面における接続構造30の断面図である。
接続構造30では、第1誘電体部25の幅方向Yおよび厚さ方向Zの寸法は、伝播方向Xに垂直な断面において、短辺の長さに対する長辺の比を、LSMモードがカットオフとなり、LSEモードのみが伝搬する状態となるまで大きくし、LSEモードがカットオフ付近で伝搬するように選ばれる。またLSEモードのカットオフ周波数が、第1誘電体部25を伝播させる電磁波の周波数未満になるように選ばれる。
移相器21の第1入出力端22aまたは第2入出力端22bの少なくともいずれか一方に、平面線路であるマイクロストリップ線路31が接続される。ここでは、移相器21の第1入出力端22aにマイクロストリップ線路31が接続される場合について示すが、移相器21の第2入出力端22bにマイクロストリップ線路31が接続される場合についても、同様である。接続構造30では、移相器21における電磁波の伝播方向の第1端面と、マイクロストリップ線路31における電磁波の伝播方向の第1端面とが突き合わされて接続される。
マイクロストリップ線路31は、マイクロストリップ誘電体部32と、マイクロストリップ誘電体部32に設けられるストリップ導体部33と、接地導体部34とを含んで構成される。ストリップ導体部33と接地導体部34とは、所定の間隔をあけて設けられる。ストリップ導体部33と接地導体部34とは、前述した第1および第2電極24a,24bと同様の物質によって形成される。
マイクロストリップ誘電体部32は、前述した第2誘電体部26と同様の物質によって形成され、第2誘電体部26の誘電率に等しい誘電率を有する誘電体によって形成される。マイクロストリップ誘電体部32を第2誘電体部26の誘電率に等しい誘電率を有する誘電体によって形成することによって、反射の小さい接続構造とすることができる。マイクロストリップ誘電体部32は、厚さ方向Zの両面が平面に形成され、本発明の実施の形態では直方体形状を有する。マイクロストリップ誘電体部32の厚さ方向Zの第1表面部35には、幅方向Yの中央部36にストリップ導体部33が積層して形成される。ストリップ導体部33は、直方体形状を有する。ストリップ導体部33は、前記伝播方向Xに沿って延びる。ストリップ導体部33の幅方向Yの長さL11は、第1誘電体部25の幅方向Yの長さ、すなわち第1および第2平板導電体部23a,23bの間隔L7未満に選ばれ、第1誘電体部25の厚さ方向Zの長さL13は、第1および第2電極24a,24bに接触しないように選ばれる。
マイクロストリップ誘電体部32の厚さ方向Zの第2表面部38には、接地導体部34が形成される。接地導体部34は、第2表面部38の全面にわたって形成される。
ストリップ導体部33の電磁波の伝播方向Xにおける端面のうち、移相器21に臨む端面41と、前記第1入出力端22aの第1誘電体部25の端面42とを突き合わせて、誘電体部22と第1および第2平板導電体部23a,23bとによって形成される非放射性誘電体線路、およびストリップ導体部33とが結合される。マイクロストリップ線路31は、誘電体部22と第1および第2平板導電体部23a,23bとによって形成される非放射性誘電体線路のLSEモードに結合する。ストリップ導体部33の移相器21に臨む端面41の中央は、第1誘電体部25の端面42の中央に連なる。マイクロストリップ誘電体部32の幅方向Yの寸法は、移相器21の幅方向Yにおける第1および第2平板導電体部23a,23bの外表面間の長さに等しく選ばれる。
ストリップ導体部33の伝播方向Xに垂直な断面における長手方向と、第1誘電体部25の伝播方向Xに垂直な断面における長手方向とが一致するように、ストリップ導体部33、マイクロストリップ誘電体部32および接地導体部34の積層方向と、第1および第2誘電体部25,26の積層方向とを揃えて、ストリップ導体部33と第1誘電体部25とが接続される。これによって、ストリップ導体部33の設計の自由度を向上させることができる。
マイクロストリップ誘電体部35は、前記第1入出力端22aに接触して設けられる。接地導体部34は、第2電極部24bに接触し、第2電極部24bに連なって設けられる。接地導体部34は、第1および第2平板導電体部23a,23bに非接触となるように設けられる。
ストリップ導体部33の幅方向Yの長さL11および厚さ方向Zの長さL12は、マイクロストリップ線路31の特性インピーダンスが、誘電体部22と第1および第2平板導電体部23a,23bとによって形成される非放射性誘電体線路の特性インピーダンスと整合するように選ばれる。
以上のような構成とすれば、マイクロストリップ線路31の高周波の電磁界分布が、誘電体部22と第1および第2平板導電体部23a,23bとによって形成される非放射性誘電体線路のLSEモードの電磁界分布に近似するので、マイクロストリップ線路31と移相器21との接続部において、電磁界が円滑に移行する。したがって、マイクロストリップ線路31と移相器21との接続損失を低減することができる。またLSEモードの高周波信号をマイクロストリップ線路31に良好に取り出すことができるので、移相器21と、基板に実装されて、移相器21を通過する高周波信号を利用する電子回路との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
本発明のさらに他の実施の形態において、前記移相器21および前記マイクロストリップ線路31を一体に形成して、マイクロストリップ線路付の移相器を構成してもよい。
図9は、移相器21とストリップ線路51との接続構造50を模式的に示す斜視図である。以下、移相器21とストリップ線路51との接続構造50を、単に「接続構造50」という。図10は、移相器21の伝播方向Xに沿う軸線A2を含み、厚さ方向Zに垂直な仮想一平面における接続構造50の断面図であり、図11は、移相器21の伝播方向Xに沿う軸線A2を含み、幅方向Yに垂直な仮想一平面における接続構造50の断面図である。図12は、図10および図11の切断面線XII−XIIから見た断面図である。
接続構造50は、図6に示す接続構造30に類似し、同様の構成を有するので、同様の部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
移相器21の第1入出力端22aおよび第2入出力端22bの少なくともいずれか一方に、ストリップ線路51が接続される。ここでは、移相器21の第1入出力端22aにストリップ線路51が接続される場合について示すが、移相器21の第2入出力端22bにストリップ線路51が接続される場合についても、同様である。接続構造50では、移相器21における電磁波の伝播方向の第1端面と、ストリップ線路51における電磁波の伝播方向の第1端面とが突き合わされて接続される。
トリップ線路51は、ストリップ誘電体部52と、ストリップ誘電体部52に設けられるストリップ導体部33と、接地導体部54とを含んで構成される。ストリップ導体部33と接地導体部34とは、所定の間隔をあけて設けられる。
ストリップ誘電体部52は、前述したマイクロストリップ誘電体部32と同様の物質によって形成され、接地導体部54は、前述した接地導体部32と同様の物質によって形成される。ストリップ誘電体部52は、直方体形状を有する。ストリップ誘電体部52の厚さ方向Zおよび幅方向Yの表面部には、接地導体部54が形成される。接地導体部54は、伝播方向Xに延びる軸線まわりにストリップ誘電体部52を外囲する。
ストリップ導体部33は、ストリップ誘電体部52に埋め込まれて設けられる。ストリップ導体部33は、幅方向Yおよび厚さ方向Zにおいてストリップ誘電体部52の中央部に設けられる。ストリップ導体部33は、伝播方向Xにおいてストリップ誘電体部52の両端部間にわたって形成される。
ストリップ導体部33は、ストリップ誘電体部52の移相器21に接触する端面55よりも、移相器21側に突出する突出部56を有する。第1誘電体部25のストリップ線路51に臨む端部57には、前記突出部56が挿入される挿入孔58が形成される。挿入孔58は、突出部56と同じ大きさに形成される。突出部56は、前記挿入孔58に挿入して設けられる。突出部56および挿入孔58の伝播方向Xに沿う方向の長さL14は、伝播する電磁波の、突出部56における波長の約(2n−1)/4(nは自然数)に選ばれる。これによって、第1入出力端22aとストリップ線路51との界面で反射した電磁波と、突出部56の先端と第1誘電体部25との界面で反射した電磁波との位相差を、πとして、反射波を打ち消すことができ、移相器21とストリップ線路51との界面における反射が低減され、損失を低減することができる。
ストリップ誘電体部52と第1および第2誘電体部25,26とは接触して接続される。接地導体部54は、第1および第2平板導電体部23a,23bに接触して設けられる。また接地導体部54は、第1および第2電極24a,24bと非接触に設けられる。接地導体部54と、第1および第2電極24a,24bとは、伝播方向Xに予め定める距離L15離間して設けられる。予め定める距離L15は、たとえば1μm〜50μmに選ばれる。
ストリップ線路51は、誘電体部22と第1および第2平板導電体部23a,23bとによって形成される非放射性誘電体線路のLSEモードに結合する。ストリップ導体部33と、第1誘電体部25とは、同軸に設けられる。ストリップ線路51の幅方向Yの寸法は、移相器21の幅方向Yにおける第1および第2平板導電体部23a,23bの外表面間の長さに等しく選ばれ、ストリップ線路51の厚さ方向Yの寸法は、移相器21の厚さ方向Zにおける第1および第2電極24a,24bの外表面間の長さに等しく選ばれる。
ストリップ導体部33の伝播方向Xに垂直な断面における長手方向と、第1誘電体部25の伝播方向Xに垂直な断面における長手方向とが一致するように、ストリップ導体部33と第1誘電体部25とが接続される。これによって、ストリップ導体部33の設計の自由度を向上させることができる。
ストリップ導体部33の幅方向Yの長さL11および厚さ方向Zの長さL12は、ストリップ線路51の特性インピーダンスが、誘電体部22と第1および第2平板導電体部23a,23bとによって形成される非放射性誘電体線路の特性インピーダンスと整合するように選ばれる。
以上のような構成とすれば、ストリップ線路51の高周波の電磁界分布が、誘電体部22と第1および第2平板導電体部23a,23bとによって形成される非放射性誘電体線路のLSEモードの電磁界分布に近似するので、ストリップ線路51と移相器21との接続部において、電磁界が円滑に移行するので接続損失を低減することができる。またLSEモードの高周波信号をストリップ線路51に良好に取り出すことができるので、移相器21と、基板に実装されて、移相器21を通過する高周波信号を利用する電子回路との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
本発明のさらに他の実施の形態において、前記移相器21と前記ストリップ線路51とを一体形成して、ストリップ線路付の移相器を構成してもよい。
前述した図6に示す接続構造において、ストリップ導体部33に前記突出部56を設けて、前記突出部56を第1誘電体部25に設けられる挿入孔58に挿入して構成してもよい。
図13は、本発明の実施の一形態の高周波送信器60の構成を示す模式図である。高周波送信器60は、前述した図1に示す実施の形態の移相器1と、高周波発振器61と、伝送線路62と、送信用アンテナ63と、スタブ64とを含んで構成される。高周波発振器61は、ガンダイオードを利用したガン発振器、またはインパットダイオードを利用したインパット発振器またはFET(Field Effect Transistor)などを利用したMMIC(
Microwave Monolithic Integrated Circuit)発振器などを含んで構成され高周波信号を発生する。伝送線路62は、マイクロストリップ線路、またはストリップ線路によって構成される。伝送線路62の高周波信号の伝送方向の第1端部62aは高周波発振器61に接続され、伝送線路62の高周波信号の伝送方向の第2端部62bは送信用アンテナ63に接続される。送信用アンテナ63は、パッチアンテナまたはホーンアンテナによって実現される。高周波信号の伝送方向は、電磁波の伝播方向である。
移相器1は、高周波信号が誘電体部2を通過するように、前述したマイクロストリップ線路31、または前述したストリップ線路51を介して伝送線路62に挿入される。スタブ64は、たとえばオープンスタブによって実現され、高周波発振器60の特性調整回路として機能する。スタブ64は、高周波信号の伝送方向における移相器1の上流側および下流側のうち少なくとも一方で、前記伝送線路62に設けられる。
さらに具体的に述べると、伝送線路62は、第1および第2伝送線路68,69を含んで構成される。第1伝送線路68の高周波信号の伝送方向における第1端部68aは、高周波発振器61に接続され、第1伝送線路68の高周波信号の伝送方向における第2端部68bは、移相器1の第1入出力端2aに接続される。第2伝送線路69の高周波信号の伝送方向における第1端部69aは、移相器1の第2入出力端2bに接続され、第2伝送線路69の高周波信号の伝送方向における第2端部69bは、送信用アンテナ63に接続される。
高周波発振器61で発生した高周波信号は、第1伝送線路68、移相器1の誘電体部2、第2伝送線路68を通過して、送信用アンテナ63に与えられ、送信用アンテナ63から電波として放射される。
高周波送信機60では、高周波発振器61と送信用アンテナ63の途中にはスタブ64が設けられ、高周波発振器61の伝送線路62への接続部や送信用アンテナ63の伝送線路62への接続部における不整合を整合できるようになっている。これによって接続部での反射を小さく抑えることができ、安定な発振特性が得られるとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い送信出力が得られる。ただし、スタブを設けても、たとえば高周波発振器を接続するためのワイヤーおよび/またはバンプの形状ばらつき、および伝送線路62の配線幅のばらつきなどによって一律に整合することができない。高周波送信器60では、伝送線路62に、伝送線路62を伝送される高周波信号の電磁波が誘電体部2を通過するように、前記移相器1が挿入されるので、たとえば高周波発振器61を接続するためのワイヤーおよび/またはバンプの形状ばらつき、および伝送線路の配線幅のばらつきなどによって伝送線路62に起因して発生する位相のずれを個々に調整して整合をとることができ、安定な発振特性を持つとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い送信出力を持つ高周波送信器60を実現することができる。また移相器1を前述したように小型で、かつ低電圧で動作させることができるので、移相器1を設けても高周波送信器60を小型に形成することができ、また移相器1に電圧を与えるための構成が複雑化してしまうことを抑制することができる。
高周波送信器60では、移相器1を用いているが、前記移相器1に変えて、前述した実施の形態の移相器11,21など、前述した各実施の形態の移相器のうちのいずれか1つを用いてもよい。このように構成しても、同様の効果を達成することができる。また高周波送信器60において、前記伝送線路62は、マイクロストリップ線路およびストリップ線路の他に、コプレーナ線路、グランド付きコプレーナ線路、スロット線路、導波管または誘電体導波管などによって実現されてもよい。
図14は、本発明の実施の一形態の高周波受信器70の構成を示す模式図である。図14に示す前述した実施の形態の高周波送信器60と同様の構成には、同一の参照符号を付して、その説明を省略する場合がある。
高周波受信器70は、前述した実施の形態の移相器1と、高周波検波器71と、伝送線路62と、スタブ64と、受信用アンテナ73とを含んで構成される。高周波検波器71は、たとえば、ショットキーバリアダイオード検波器、ビデオ検波器またはミキサMMICによって実現される。
伝送線路62の高周波信号の伝送方向の第1端部62aは、高周波検波器71に接続され、伝送線路62の高周波信号の伝送方向の第2端部62bは、受信用アンテナ73に接続される。受信用アンテナ73は、パッチアンテナまたはホーンアンテナによって実現される。
移相器1は、高周波信号が誘電体部2を通過するように、伝送線路32に挿入される。スタブ64は、高周波信号の伝送方向における移相器1の上流側および下流側のうち少なくとも一方で、前記伝送線路62に設けられる。
受信用アンテナ73によって外部から到来する電波を補捉すると、受信用アンテナ73は電波に基づく高周波信号を伝送線路62に与え、移相器1の誘電体部2を通過して、高周波検波器71に受信した高周波信号が与えられる。高周波検波器71は、高周波信号を検波して、高周波信号に含まれる情報を検出する。
高周波受信器70では、受信用アンテナ73によって捕捉した高周波信号は、伝送線路62に伝送されて高周波検波器71によって検波される。受信用アンテナ73と高周波検波器71の途中にはスタブ64が設けられ、高周波検波器71の伝送線路62への接続部や受信用アンテナ73の伝送線路62への接続部における不整合を整合できるようになっている。これによって接続部での反射を小さく抑えることができ、安定な検波特性が得られるとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い検波出力が得られる。スタブを設けても、たとえば高周波発振器を接続するためのワイヤーおよび/またはバンプの形状ばらつき、および伝送線路62の配線幅のばらつきなどによって一律に整合することができない。高周波受信器70では、伝送線路62には、伝送線路62を伝送される高周波信号の電磁波が前記誘電体部2を通過するように、前記移相器1が挿入されるので、たとえば高周波検波器71を接続するためのワイヤーおよび/またはバンプの形状ばらつき、および伝送線路の配線幅のばらつきなどによって伝送線路62に起因して発生する位相のずれを個々に調整して、整合をとることができ、安定な検波特性を持つとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い検波出力を持つ高周波受信器70を実現することができる。また移相器1を前述したように小型で、かつ低電圧で動作させることができるので、移相器1を設けても高周波受信器70を小型に形成することができ、また移相器1に電圧を与えるための構成が複雑化してしまうことを抑制することができる。
高周波受信器70では、移相器1を用いているが、前記移相器1に変えて、前述した実施の形態の移相器11,21など、前述した各実施の形態の移相器のうちのいずれか1つを用いてもよい。このように構成しても、同様の効果を達成することができる。また高周波受信器70において、前記伝送線路62は、マイクロストリップ線路およびストリップ線路の他に、コプレーナ線路、グランド付きコプレーナ線路、スロット線路、導波管または誘電体導波管などによって実現されてもよい。
図15は、本発明の実施の一形態の高周波送受信器80を備えるレーダ装置90の構成を示す模式図である。レーダ装置90において、図13および図14に示す前述した実施の形態の高周波送信器60および高周波受信器70と同様の構成には、同一の参照符号を付して、その説明を省略する場合がある。レーダ装置90は、高周波送受信器80と、距離検出器91を含んで構成される。
高周波送受信器70は、前述した実施の形態の移相器1と、高周波発振器61と、第1〜第5伝送線路81,82,83,84,85と、分岐器86と、分波器87と、送受信用アンテナ88と、ミキサ89と、スタブ64とを含んで構成される。送受信用アンテナ88は、パッチアンテナまたはホーンアンテナによって実現される。第1〜第5伝送線路81,82,83,84,85は、前述した伝送線路62と同様の構成を有する。
第1伝送線路81の高周波信号の伝送方向の第1端部81aは、高周波発振器61に接続され、第1伝送線路81の高周波信号の伝送方向の第2端部81bは、分岐器86に接続される。移相器1は、高周波信号が誘電体部2を通過するように、第1伝送線路71に挿入される。スタブ64は、高周波信号の伝送方向における移相器1の上流側および下流側のうち少なくとも一方で、前記第1伝送線路71に設けられる。
分岐器86は、第1、第2および第3端子86a,86b,86cを有し、第1端子86aに与えられる高周波信号を、第2端子86bおよび第3端子86cに選択的に出力する。分岐器86は、たとえば高周波スイッチ素子によって実現される。分岐器86には、図示しない制御部から制御信号が与えられ、制御信号に基づいて第1端子86aおよび第2端子86b、または第1端子86aおよび第3端子86cを選択的に接続する。レーダ装置90は、パルスレーダによって実現される。前記制御部は、第1端子86aおよび第2端子86bを接続して、パルス状の高周波信号を第2端子86bから出力させた後、第1端子86aおよび第3端子86cを接続して、高周波信号を第3端子86cから出力させる。第2端子86bには、第2伝送線路82の高周波信号の伝送方向の第1端部82aが接続される。前記第3端子86cには、第4伝送線路84の高周波信号の伝送方向の第1端部84aが接続される。
分波器87は、第4、第5および第6端子87a,87b,87cを有し、第4端子87aに与えられる高周波信号を第5端子87bに出力し、第5端子87bに与えられる高周波信号を第6端子87cに出力する。第2伝送線路82の高周波信号の伝送方向の第2端部82bは、前記第4端子87aに接続される。前記第5端子87bには、第3伝送線路83の高周波信号の伝送方向の第1端部83aが接続される。第3伝送線路83の高周波信号の伝送方向の第2端部83bは、送受信用アンテナ88に接続される。
前記第6端子88cには、第5伝送線路85の高周波信号の伝送方向の第1端部85aが接続される。第4伝送線路84の高周波信号の伝送方向の第2端部84bと、第5伝送線路85の高周波信号の伝送方向の第2端部85bとは、ミキサ89に接続される。分波器87は、ハイブリッド回路によって実現される。ハイブリッド回路は、方向性結合器であって、マジックT、ハイブリッドリングまたはラットレースなどによって実現される。
高周波発振器61で発生した高周波信号は、第1伝送線路81および移相器1の誘電体部2を通過して、分岐器86、第2伝送線路82、分波器87ならびに第3伝送線路82を介して送受信用アンテナ88に与えられ、送受信用アンテナ88から電波として放射される。また、高周波発振器61で発生した高周波信号は、第1伝送線路81および移相器1の誘電体部2を通過して、分岐器86ならびに第4伝送線路84を介してミキサ89にローカル信号として与えられる。
送受信用アンテナ88によって外部から到来する電波を受信すると、送受信用アンテナ88は電波に基づく高周波信号を第3伝送線路83に与え、分波器87、第5伝送線路85を介してミキサ89に与えられる。
ミキサ89は、第4および第5伝送線路84,85から与えられる高周波信号を混合して中間周波信号を出力する。ミキサ89から出力される中間周波信号は、距離検出器91に与えられる。
距離検出器91は、前述した検波器71を含んで構成され、高周波送受信器80から放射され、測定対象物によって反射された電波(エコー)を受信して得られる前記中間周波信号に基づいて、測定対象物までの距離を算出する。距離検出器91は、たとえばマイクロコンピュータによって実現される。
高周波送受信器80では、高周波信号が前記誘電体部2を通過するように、前記第1伝送線路81に、前記移相器1が挿入されることによって、たとえば配線幅のばらつきなどによって伝送線路62に起因して不所望に変化する高周波信号の位相を調整して、たとえば安定な発振特性を持つとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い送信出力を持つ高周波送受信器80を実現することができ、また、たとえば安定な検波特性を持つとともに、挿入損失が小さく抑えられるために高い検波出力を持つ高周波送受信器80を実現することができ、また、たとえばミキサ89によって生成される中間周波数信号の信頼性を向上させることができる。また移相器1を前述したように小型で、かつ低電圧で動作させることができるので、移相器1を設けても高周波送受信器80を小型に形成することができ、また移相器1に電圧を与えるための構成が複雑化してしまうことを抑制することができる。
レーダ装置90では、前記高周波送受信器80からの中間周波信号に基づいて、距離検出器が探知対象物までの距離を検出するので、検知対象物までの距離を正確に検出することができる。
前記分岐器86は、方向性結合器によって実現されてもよく、この場合第1端子86aに与えられる高周波信号は、第2端子86bおよび第3端子86cに分岐して出力される。この場合には、前述した構成と比較して、送受信用アンテナ88から出力される電波の電力が低くなるが、分岐器86を制御する必要がないので装置の制御が簡単になる。
本実施の形態では、第1伝送線路81に移相器1が挿入されるが、本発明のさらに他の実施では、移相器1は、第1〜第5伝送線路81〜85の少なくともいずれか1つに、高周波信号が前記誘電体部2を通過するように挿入されてもよい。このような構成であっても、同様の効果を達成することができる。
また高周波受信器80では、移相器1を用いているが、前記移相器1に変えて、移相器11,21または前述した各実施の形態の移相器のうちのいずれか1つを用いてもよい。このように構成しても、同様の効果を達成することができる。
また本発明の実施のさらに他の形態では、前記分波器87は、サーキュレータによって実現されてもよく、この様な構成であっても、同様の効果を達成することができる。
図16は、本発明の実施の形態の移相器1を備えるアレイアンテナ装置99を含むレーダ装置100の構成を示す模式図である。本発明の形態において、前述実施の形態と同様の構成には、同様の参照符号を付してその説明を省略する。レーダ装置99は、アレイアンテナ装置99と、高周波送受信器109と距離検出器91を含んで構成される。
アレイアンテナ装置99は、アンテナ素子101とこのアンテナ素子101に付加される移相器1とによって構成される移相器付アンテナ105が配列されて設けられるアンテナアレー体102と、各移相器付アンテナ素子105に接続される伝送線路107とを含んで構成される。本発明の実施の形態では、複数のアンテナ素子101は、放射方向を揃えて、一列に並べられる。アンテナ素子101は、配列方向Rに沿って、相互に等しい間隔をあけて設けられる。
アンテナ素子101は、たとえばスロットアンテナ、マイクロストリップアンテナ、ホーンアンテナまたは反射鏡アンテナによって実現される。本発明の実施の形態では、アンテナ装置100は、8つのアンテナ素子101と、8つの移相器1とを有する。
伝送線路102は、分波器103を含んで構成され、入力部104から入力される高周波信号を分岐器103によって複数に分岐して、各移相器付アンテナ105に与える。伝送線路102は、マイクロストリップ線路、ストリップ線路、コプレーナ線路、グランド付きコプレーナ線路、スロット線路、導波管または誘電体導波管などによって実現される。
高周波送受信器109は、前述した各実施の形態の高周波送受信器80によって構成されてもよく、また高周波送受信器80において移相器を備えないものであってもよく、アレイアンテナ装置99に高周波信号を与え、かつアレイアンテナ装置99によって捕捉した高周波信号を受信する従来からの高周波送受信器によって構成されてもよい。
伝送線路102と、各移相器付アンテナ素子105のアンテナ素子101との間には、それぞれ移相器1が設けられる。伝送線路102を伝播する高周波信号は、移相器1の誘電体部2を通過してアンテナ素子101に与えられる。各移相器1によって、高周波信号の位相をずらすことによって、各アンテナ素子から放射される電波の位相を調整して、図16に示すように等位相面を配列方向Rの第1方向R1から第2方向R2に向かうにつれて、隣接するアンテナ素子101から放射される電波の位相を、Δφずつずらすことによって、放射ビーム106の方向を正面からアンテナ素子101の配列方向Rの第1方向R1または第2方向R2に角度θだけ傾けることができる。
移相器1は、小形でかつ低電圧で動作させることができるので、アンテナ装置100が大型化することない。アレイアンテナ装置99は、移相器1を備えることによって、放射ビームの方向を変更することができ、これによってアンテナ素子101を機械的に動作させることなく、放射ビームの方向を変更することができ、利便性を向上させることができる。
またレーダ装置100が大型化することなく、また放射ビームの方向を容易に変更することができるので、利便性の高いレーダ装置を実現することができる。
前記レーダ装置100では移相器1を用いているが、前記移相器1に変えて、前述した実施の形態の移相器のうちのいずれか1つを用いてもよい。このように構成しても、同様の効果を達成することができる。
なお、本発明は以上の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を行なうことは何等差し支えない。
本発明の実施の一形態の移相器1を模式的に示す断面図である。 f/fcとΔβとの関係を示すグラフである。 f/fcとΔβ/αmax/Vとの関係を示した図である。 本発明の他の実施の形態の移相器11を模式的に示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態の移相器21を模式的に示す断面図である。 移相器21とマイクロストリップ線路31との接続構造30を模式的に示す斜視図である。 移相器21の伝播方向Xに沿う軸線A2を含み、厚さ方向Zに垂直な仮想一平面における接続構造30の断面図である。 移相器21の伝播方向Xに沿う軸線A2を含み、幅方向Yに垂直な仮想一平面における接続構造30の断面図である。 移相器21とストリップ線路51との接続構造50を模式的に示す斜視図である。 移相器21の伝播方向Xに沿う軸線A2を含み、厚さ方向Zに垂直な仮想一平面における接続構造50の断面図である。 移相器21の伝播方向Xに沿う軸線A2を含み、幅方向Yに垂直な仮想一平面における接続構造50の断面図である。 図10および図11の切断面線XII−XIIから見た断面図である。 本発明の実施の一形態の高周波送信器60の構成を示す模式図である。 本発明の実施の一形態の高周波受信器70の構成を示す模式図である。 本発明の実施の一形態の高周波送受信器80を備えるレーダ装置90の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態の移相器1を備えるアレイアンテナ装置99を含むレーダ装置100の構成を示す模式図である。
符号の説明
1,21 移相器
2,22 誘電体部
3 導電体部
4a,24a 第1電極
4b,24b 第2電極
23a 第1平板導電体部
23b 第2平板導電体部
25 第1誘電体部
26 第2誘電体部
31 マイクロストリップ線路
34,54 接地導体部
51 ストリップ線路51
56 突出部
58 挿入孔
60 高周波送信器
61 高周波発振器
62,81,82,83,84,85 伝送線路
63 送信用アンテナ
64 スタブ
70 高周波受信器
71 高周波検波器
73 受信用アンテナ
80 高周波送受信器
90 レーダ装置
91 距離検出器
86 分岐器
87 分波器
88 送受信用アンテナ
89 ミキサ
86a 第1端子
86b 第2端子
86c 第3端子
87a 第4端子
87b 第5端子
87c 第6端子

Claims (11)

  1. 印加電界に応じて誘電率および寸法の少なくともいずれか1つが変化する変化部を含み、電磁波が伝播する誘電体部と、
    前記変化部に電界を印加するための一対の電極を含み、前記誘電体部の外表面に密接するとともに前記誘電体部を外囲して導波管を形成する導電体部とを含むことを特徴とする移相器。
  2. 印加電界に応じて誘電率および寸法の少なくともいずれか1つが変化する変化部を含む第1誘電体部、および誘電率が前記第1誘電体部の誘電率よりも小さく、前記第1誘電体部を挟持して設けられる第2誘電体部によって形成される誘電体部と、
    前記誘電体部を伝播する電磁波の伝播方向および前記第1および第2誘電体部の積層方向に互いに垂直な方向において前記誘電体部を挟持する一対の平板導電体部と、
    前記積層方向において前記誘電体部を挟み、かつ前記一対の平板導電体部の間隔より小さい間隔をあけて設けられ、前記変化部に電界を印加するための一対の電極とを含むことを特徴とする移相器。
  3. 前記一対の平板導電体部の間隔は、前記第2誘電体部中を伝播する電磁波の波長の2分の1以下に選ばれることを特徴とする請求項2記載の移相器。
  4. 前記一対の電極に予め定める電圧を印加したときのカットオフ周波数をfcとし、前記誘電体導波路を伝播する電磁波の周波数をfとしたとき、fcとfとは、1.03<f/fc<1.5を満たすように選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の移相器。
  5. 高周波信号を発生する高周波発振器と、
    前記高周波発振器に接続され、前記高周波発振器からの高周波信号を伝送する伝送線路と、
    前記伝送線路に接続され、高周波信号を放射するアンテナと、
    高周波信号が前記誘電体部を通過するように、前記伝送線路に挿入される請求項1〜4のいずれか1つに記載の移相器と、
    高周波信号の伝送方向における前記移相器の上流側および下流側のうち少なくとも一方で前記伝送線路に設けられるスタブとを含むことを特徴とする高周波送信器。
  6. 高周波信号を補捉するアンテナと、
    前記アンテナに接続され、前記アンテナによって捕捉される高周波信号を伝送する伝送線路と、
    前記伝送線路に接続され、前記伝送線路に伝送される高周波信号を検波する高周波検波器と、
    高周波信号が前記誘電体部を通過するように、前記伝送線路に挿入される請求項1〜4のいずれか1つに記載の移相器と、
    高周波信号の伝送方向における前記移相器の上流側および下流側のうち少なくとも一方で前記伝送線路に設けられるスタブとを含むことを特徴とする高周波受信器。
  7. 高周波信号を発生する高周波発振器と、
    前記高周波発振器に接続され、高周波信号を伝送する第1伝送線路と
    第1、第2および第3端子を有し、前記1端子が前記第1伝送線路に接続され、前記第1端子に与えられる高周波信号を前記第2端子または前記第3端子に出力する分岐器と、
    前記第2端子に接続され、前記第2端子から与えられる高周波信号を伝送する第2伝送線路と、
    第4、第5および第6端子を有し、前記第2伝送線路を介して前記第4端子に与えられ
    る高周波信号を前記第5端子に出力し、かつ前記第5端子に与えられる高周波信号を前記第6端子に出力する分波器と、
    前記第5端子に接続され、前記第5端子から出力される高周波信号を伝送し、前記第5端子に高周波信号を伝送する第3伝送線路と、
    前記第3伝送線路に接続され、高周波信号を放射および補捉するアンテナと、
    前記第3端子に接続され、前記第3端子から出力される高周波信号を伝送する第4伝送線路と、
    前記第6端子に接続され、前記第6端子から出力される高周波信号を伝送する第5伝送線路と、
    前記第4および第5伝送線路に接続され、前記第4および第5伝送線路から与えられる高周波信号を混合して中間周波信号を出力するミキサと、
    高周波信号が前記誘電体部を通過するように、前記第1〜第5伝送線路のうち少なくともいずれか1つに挿入される請求項1〜4のいずれか1つに記載の移相器とを含むことを特徴とする高周波送受信器。
  8. 前記分波器は、ハイブリッド回路またはサーキュレータによって形成されることを特徴とする請求項7記載の高周波送受信器。
  9. 請求項7または8に記載の高周波送受信器と、
    前記高周波送受信器からの中間周波信号に基づいて探知対象物までの距離を検出する距離検出器とを含むことを特徴とするレーダ装置。
  10. アンテナ素子と、請求項1〜4のいずれか1つの移相器とを有する移相器付アンテナを複数並べて構成されることを特徴とするアレイアンテナ装置。
  11. 請求項10記載のアレイアンテナ装置と、
    前記アレイアンテナ装置に接続され、前記アレイアンテナ装置に高周波信号を与え、かつ前記アレイアンテナ装置によって捕捉した高周波信号を受信する高周波送受信機とを含むことを特徴とするレーダ装置。
JP2006101040A 2006-03-31 2006-03-31 移相器ならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアンテナ装置 Expired - Fee Related JP4537339B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006101040A JP4537339B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 移相器ならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアンテナ装置
US12/295,586 US8013694B2 (en) 2006-03-31 2007-03-30 Dielectric waveguide device, phase shifter, high frequency switch, and attenuator provided with dielectric waveguide device, high frequency transmitter, high frequency receiver, high frequency transceiver, radar device, array antenna, and method of manufacturing dielectric waveguide device
EP07740723.7A EP2009731B1 (en) 2006-03-31 2007-03-30 Dielectric waveguide device, phase shifter, high frequency switch, and attenuator provided with dielectric waveguide device, high frequency transmitter, high frequency receiver, high frequency transceiver, radar device, array antenna, and method of manufacturing dielectric waveguide device
PCT/JP2007/057287 WO2007114391A1 (ja) 2006-03-31 2007-03-30 誘電体導波路デバイス、これを備える移相器、高周波スイッチおよび減衰器、ならびに高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器およびレーダ装置、アレイアンテナ装置、誘電体導波路デバイスの製造方法
CN200780011241.4A CN101411024B (zh) 2006-03-31 2007-03-30 电介质波导设备、具备其的移相器、高频开关以及衰减器和高频发送器、高频接收器、高频接收发送器以及雷达装置、阵列天线装置、电介质波导设备的制造方法
KR1020087024771A KR101168608B1 (ko) 2006-03-31 2007-03-30 유전체 도파로 디바이스와, 이것을 구비하는 이상기, 고주파 스위치 및 감쇠기와, 고주파 송신기, 고주파 수신기, 고주파 송수신기, 레이더 장치, 어레이 안테나 장치, 및 유전체 도파로 디바이스의 제조 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006101040A JP4537339B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 移相器ならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアンテナ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007274636A JP2007274636A (ja) 2007-10-18
JP4537339B2 true JP4537339B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=38676901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006101040A Expired - Fee Related JP4537339B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 移相器ならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアンテナ装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4537339B2 (ja)
CN (1) CN101411024B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3879623A1 (en) * 2020-03-11 2021-09-15 Nokia Technologies Oy Apparatus comprising a waveguide for radio frequency signals

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010212895A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Toshiba Corp アンテナ装置、レーダ装置
KR102522441B1 (ko) * 2015-11-09 2023-04-18 삼성전자주식회사 근거리 통신 안테나 장치 및 이를 구비한 전자 장치
CN105609901B (zh) * 2015-12-25 2018-09-14 清华大学 移相器和加速器及其操作方法
CN105609902B (zh) * 2015-12-25 2018-06-01 清华大学 反射型移相器和加速器及其操作方法
US10199710B2 (en) * 2016-09-01 2019-02-05 Wafer Llc Variable dielectric constant-based devices
US10326205B2 (en) * 2016-09-01 2019-06-18 Wafer Llc Multi-layered software defined antenna and method of manufacture
JP6874117B2 (ja) * 2017-03-03 2021-05-19 古野電気株式会社 導波管及び信号伝送装置
CN116314165A (zh) * 2021-12-17 2023-06-23 中国电子科技集团公司第五十五研究所 一种基于肖特基势二极管的毫米波宽带平衡零偏检波芯片
CN115598427B (zh) * 2022-12-14 2023-03-14 四川斯艾普电子科技有限公司 基于厚膜薄膜集成的耦合检波器及其实现方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11507786A (ja) * 1995-06-13 1999-07-06 テレフオンアクチーボラゲツト エル エム エリクソン 同調可能マイクロ波装置
JP2000315902A (ja) * 1999-04-28 2000-11-14 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 可変移相器
JP2002171115A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Nec Corp フェーズドアレイアンテナ装置及びフェーズドアレイアンテナのビーム指向方向校正方法
JP2002181924A (ja) * 2000-12-19 2002-06-26 Nec Corp レーダー装置
JP2002330006A (ja) * 2001-05-02 2002-11-15 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 可変特性高周波伝送路

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19532780A1 (de) * 1995-09-06 1997-03-13 Pates Tech Patentverwertung Dielektrischer Wellenleiter
JPH11103201A (ja) * 1997-09-29 1999-04-13 Mitsui Chem Inc 移相器、移相器アレイおよびフェーズドアレイアンテナ装置
WO2002016973A2 (en) * 2000-08-25 2002-02-28 Microcoating Technologies, Inc. Electronic and optical devices and methods of forming these devices

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11507786A (ja) * 1995-06-13 1999-07-06 テレフオンアクチーボラゲツト エル エム エリクソン 同調可能マイクロ波装置
JP2000315902A (ja) * 1999-04-28 2000-11-14 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 可変移相器
JP2002171115A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Nec Corp フェーズドアレイアンテナ装置及びフェーズドアレイアンテナのビーム指向方向校正方法
JP2002181924A (ja) * 2000-12-19 2002-06-26 Nec Corp レーダー装置
JP2002330006A (ja) * 2001-05-02 2002-11-15 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 可変特性高周波伝送路

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3879623A1 (en) * 2020-03-11 2021-09-15 Nokia Technologies Oy Apparatus comprising a waveguide for radio frequency signals

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007274636A (ja) 2007-10-18
CN101411024A (zh) 2009-04-15
CN101411024B (zh) 2014-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4537339B2 (ja) 移相器ならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアンテナ装置
US8013694B2 (en) Dielectric waveguide device, phase shifter, high frequency switch, and attenuator provided with dielectric waveguide device, high frequency transmitter, high frequency receiver, high frequency transceiver, radar device, array antenna, and method of manufacturing dielectric waveguide device
US6972727B1 (en) One-dimensional and two-dimensional electronically scanned slotted waveguide antennas using tunable band gap surfaces
US7154357B2 (en) Voltage tunable reflective coplanar phase shifters
US8159316B2 (en) High-frequency transmission line connection structure, circuit board, high-frequency module, and radar device
JP5171819B2 (ja) 直流阻止回路、ハイブリッド回路装置、送信器、受信器、送受信器およびレーダ装置
US6218990B1 (en) Radiocommunication device and a dual-frequency microstrip antenna
US20120287019A1 (en) Wideband antenna
US20210242602A1 (en) Antenna device, antenna module, communication device, and radar device
US20200373666A1 (en) Multiband antenna, wireless communication module, and wireless communication device
JP4376873B2 (ja) 誘電体導波路デバイス、これを備える移相器、高周波スイッチおよび減衰器、ならびに高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器およびレーダ装置、アレイアンテナ装置、誘電体導波路デバイスの製造方法
JP4989992B2 (ja) 整合回路、送信器、受信器、送受信器およびレーダ装置
JP4535640B2 (ja) 開口面アンテナおよび開口面アンテナ付き基板
JP4615485B2 (ja) 誘電体導波路デバイス、これを備える移相器、高周波スイッチおよび減衰器、ならびに高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアレイアンテナ装置
JP4615486B2 (ja) 誘電体導波路デバイスならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置、移相器、高周波スイッチおよび減衰器
JP4606367B2 (ja) 高周波スイッチならびにこれを備える高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器およびレーダ装置
JP4772728B2 (ja) 整合回路、接続回路、送信器、受信器、送受信器およびレーダ装置
JP4606378B2 (ja) 誘電体導波路デバイス、これを備える移相器、高周波スイッチおよび減衰器、ならびに高周波送信器、高周波受信器、高周波送受信器、レーダ装置およびアレイアンテナ装置
JP4745943B2 (ja) 電子回路、送信器、受信器、送受信器
JPH11239017A (ja) 積層型開口面アンテナおよびそれを具備する多層配線基板
RU2796642C1 (ru) Резонансная оконечная свч нагрузка, интегрированная в подложку печатной платы
JP2002076721A (ja) 非放射性誘電体線路と金属導波管との接続構造およびミリ波送受信部並びにミリ波送受信器
JP2005159768A (ja) 導波管構造体の分岐構造およびアンテナ基板
JP2000114822A (ja) 誘電体線路モジュール
JP2004023698A (ja) アンテナ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100615

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100617

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130625

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees