JP2002330006A - 可変特性高周波伝送路 - Google Patents

可変特性高周波伝送路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変高周波伝送路を機器に組み込む際の部品
配置の自由度を向上させることが可能な技術を提供する
ことである。 【解決手段】 高周波信号を伝送する伝送路と、誘電体
層を介在して前記伝送路に平行に形成される面電極とを
備える可変高周波伝送路において、前記誘電体層は繊維
を絡み合わせて形成した平板状部材あるいは多孔質膜に
液晶を含浸させた繊維誘電体からなり、当該可変高周波
伝送路は柔軟性を有する筐体に封止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波回路部品に
関し、特に、特性を調整できる高周波伝送線路に適用し
て有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ネマチック液晶を利用した可変特性高周
波伝送路の応用例として、マイクロ波帯可変移相器が、
「D.Dolfi,M.Labeyrie,P.Jof
freand P.Huignard,“Liquid
crystal microwave phase
shifter,”Electron.Lett,Vo
l.29,No.10,PP.926一927(199
3)」(以下、「文献1」と記す)により報告されてい
る。
【0003】文献1の報告による「液晶可変移相器」の
動作原理を説明する。まず、2枚のalumina s
ubstrate(セラミクス基板)に挟まれた部分に
liquid crystal(ネマチック液晶)を封
入した液晶層を設ける。1枚の基板にはグランド面用の
metallisation(金属膜)を付け、もう1
枚の基板にはmicrostrip line(導体線
路)を付ける。また、両セラミクス基板の液晶に接する
部分には、液晶分子に初期配向を与えるためのpoly
imide(ポリイミド配向膜)をつけている。これに
より本構造は、液晶を誘電体基板と見なしたマイクロス
トリップ線路となる。
【0004】次に、導体線路とグランド面の間に制御電
圧を加えることにより、液晶層に封入された液晶分子の
配向が変化する。液晶の誘電率には異方性があるため、
分子の配向が変化すると、マイクロストリップ線路を伝
搬する電磁波に対する誘電率が変化する。電磁波が長さ
lのマイクロストリップ線路を伝搬するときの伝搬遅延
時間にもとづく位相の遅れφは、下記の数1となる。た
だし、εeffはマイクロストリップ線路の実効誘電
率、fは伝搬する電磁波の周波数、cは真空中の光の速
度を示す。
【数1】
【0005】εeffはまた、マイクロストリップ線路
を伝搬する電磁波が受ける液晶の誘電率の関数として表
される。この結果、導体線路とグランド面の間の制御電
圧によりマイクロストリップ線路の位相遅れが変化し、
可変移相器となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。液晶
を用いた可変特性高周波伝送路の挿入損を考える。マイ
クロ波やミリ波では、線路の特性インピーダンスは一般
に50Ωが使用されるので、液晶を用いた可変特性高周
波伝送路の特性インピーダンスも50Ωとして考える。
この条件下で、伝送線路を構成するマイクロストリップ
線路の誘電体損αと導体損αの値を、液晶層の厚さ
hを変化させて計算した結果の一例(周波数10GH
z)を図6に示す。図6より線路の挿入損を小さくする
ためには、液晶層の厚さhを厚くし導体線路幅を広くす
るなどして、マイクロストリップ線路の導体損αを小
さくする必要のあることがわかる。
【0007】ところが、液晶を用いた可変特性高周波伝
送路の液晶材料として通常のネマチック液晶を用いる
と、液晶分子の配向の均一性を保つために、液晶層の厚
さを一般に100μm程度以下にしなければならない。
液晶を用いた可変特性高周波伝送路は液晶分子の配向変
化による誘電率の変化を動作原理としているため、配向
の均一性の確保は不可欠であり、液晶層を厚く、従って
導体損を小さくすることは困難であった。実際、前出の
D.Dolfiらの報告では、h=50μmとしてい
る。従って、従来の可変特性高周波伝送路では、その線
路長を長くすると大きな挿入損失は避けられず、挿入損
失の低減が課題であった。
【0008】一方、通常のネマチック液晶を用いたデバ
イスにおいて、液晶分子の配向の応答時間は、液晶層の
厚さの2乗に比例することが知られている(E.Jak
eman and E.P.Raynes,Phys.
Lett.,39A,1992)。液晶を用いた可変特
性高周波伝送路は、液晶分子の配向変化による誘電率の
変化を動作原理としているため、導体損を小さくするた
めに液晶層を厚くすると伝送特性調整の応答時間が遅く
なり、例えば可変移相器への応用を考えるとその移相制
御性が悪くなるという問題が生じる。Dolfiらによ
れば、このために液晶層の厚さを一般に100μm程度
以下にしなければならないとしており、実際、前述の報
告ではh=50μmとしている。従って従来の可変特性
高周波伝送路では、応答時間と挿入損はトレードオフと
なり両者同時の改善は難しかった。
【0009】また、液晶を用いて伝送特性を調整するこ
とのできる高周波伝送線路において、伝送線路の特性イ
ンピーダンスを一定にするためには、液晶層の厚さを伝
送線路すべてにわたって一定に保たなければならない。
ところが液晶は液体であるため、液晶自身では液晶層の
厚さを維持することができず、液晶層の厚さ(液晶の入
る空間)を保持する手段が必要となる。
【0010】従来技術の液晶層を液晶のみで構成する場
合、液晶層の厚さは、伝送線路の近傍にスペーサ(液晶
の入る空間を作るための支持板・支持柱)を置くなどの
方法により、その厚さを維持しており、スペーサの厚さ
がそのまま液晶層の厚さとなる。この場合、フィルムや
金属箔などの柔軟性のある材料で液晶を挟み込むと,フ
レキシブルな形状となるが、伝送線路を曲げるなどの変
形を施した場合に液晶層厚さを均一に保持することは難
しく、最悪の場合には導体線路とグランドが短絡するよ
うな状態も考えられる。そのため、液晶を挟む基板は、
セラミクスや金属板などの平面性が良好で形状に柔軟性
のないものを使わざるを得なかった。
【0011】一方、近年の高周波半導体素子に対する技
術の進展に伴い、高周波技術を使用した製品に対する需
要が大きくなると共に、その小型化に対する要望が大き
くなっている。高周波回路部分の小型化には、当該高周
波回路を構成する各部品を個々に小型化する手法と、各
部品の配置位置を三次元的に配置する手法とがあり、一
般的には、この2つの手法を共に取り入れることによっ
て、小型化が実現されている。このために、伝送特性を
調整する高周波伝送路にも設計の自由度を向上させる、
すなわち高周波伝送路の配置位置や配置姿勢の自由度を
向上させる観点からその形状に変形させることが可能な
構成が要望されている。
【0012】本発明の目的は、可変高周波伝送線路の挿
入損失の低減が図れかつ伝送特性調整の応答時間の短縮
を図ることが可能な技術を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、可変高周波伝送線路
の伝送特性を変化させることなく、伝送線路の配置位置
に応じてその形状に変形させることが可能な技術を提供
することにある。
【0014】本発明のその他の目的は、可変高周波伝送
線路を機器に組み込む際の部品配置の自由度を向上させ
ることが可能な技術を提供することにある。
【0015】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0017】(1)高周波信号を伝送する伝送路と、誘
電体層を介在して前記伝送路に平行に形成される面電極
とを備える可変高周波伝送路において、前記誘電体層は
繊維を絡み合わせて形成した平板状部材あるいは多孔質
膜に液晶を含浸させた繊維誘電体からなり、当該可変高
周波伝送路は柔軟性を有する筐体に封止される。
【0018】(2)前述した(1)に記載の可変高周波
伝送路において、前記伝送路と前記面電極との間に制御
信号を印加する制御電源とを備える。
【0019】(3)前述した(2)に記載の可変高周波
伝送路において、前記液晶は二周波駆動用液晶であり、
前記制御電源は前記二周波駆動用液晶のクロスオーバ周
波数をはさむ複数の周波数の制御信号を供給する。
【0020】(4)前述した(1)乃至(3)の内の何
れかに記載の可変高周波伝送路において、前記筐体は前
記内面側に前記伝送路が形成された第1の柔軟板と、内
面側に前記面電極が形成された第2の柔軟板とからな
り、前記繊維誘電体を前記第1の柔軟板と前記第2の柔
軟板とで挟持する。
【0021】(5)前述した(1)乃至(3)の内の何
れかに記載の可変高周波伝送路において、前記伝送路に
巻き付けられた繊維誘電体の外周部が前記面電極に覆わ
れており、前記筐体は前記面電極の外周及びその側面を
覆うように形成される。
【0022】前述した手段によれば、例えば、繊維を絡
み合わせて形成した平板状部材あるいは多孔質膜に液晶
を含浸させた繊維誘電体からなる誘電体層を介在して配
置される一対の伝送路と面電極とから形成される可変高
周波伝送路は柔軟性を有する筐体で封止されることとな
る。このとき、誘電体層は繊維を絡み合わせて形成した
平板状部材に液晶を含浸させた繊維誘電体からなるの
で、繊維誘電体すなわち平板状部材はそれ自体で厚さを
維持することが可能となる。すなわち、柔軟性のある材
料で繊維誘電体を挟み込んでも、厚さが均一な液晶層を
形成することができる。
【0023】従って、この可変高周波伝送路を曲げたり
湾曲させるなどの変形を施した場合であっても、液晶を
含浸させた繊維誘電体の厚さが一定である限り、誘電体
層の厚さを一定に保つことができる。この結果、フレキ
シブルな形状で伝送特性を調整することのできる高周波
伝送路を得ることができる。すなわち、可変高周波伝送
路の伝送特性を変化させることなく、伝送線路の配置位
置に応じてその形状に変形させることが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0025】図6に示す特性から明らかなように、液晶
を用いた可変特性高周波伝送路の挿入損失の低減を図る
ための一つの方法として液晶層を厚くすればよい。しか
し、従来の液晶層では、液晶分子の配向の均一性の制限
から、液晶層の厚さを厚くすることができなかった。
【0026】一方、繊維誘電体となる繊維含浸液晶で
は、液晶を紙、布あるいは繊維などに含浸させる、すな
わち自然繊維や化学合成によって得られた繊維を絡み合
わせて形成した平板状の部材である繊維板やスポンジ等
を含む多孔質膜(樹脂も含む)に液晶を含浸させた繊維
含浸液晶を用いることにより、液晶分子の配向はこれら
繊維の界面に影響されて均一性を保つことができる(応
答性がよくなる)。従って、例えば、液晶を含浸させた
紙を複数枚重ねるなどの方法により液晶層の厚さを厚く
しても、配向の均一性を損なうことはない。そこで、繊
維含浸液晶を液晶を用いた可変特性高周波伝送路へ利用
すれば液晶層の厚さを厚くすることが可能となり、線路
の導体損を減らしても挿入損失を低減できる。また、繊
維の並び方(方向性)が一方向にそろった紙や繊維を用
いることにより、液晶分子の配向をより均一に保つこと
ができるようになる。
【0027】次に、液晶を用いた可変特性高周波伝送路
の特性調整の応答時間短縮を図る手段として、二周波駆
動用液晶を誘電体材料として用い、この液晶のクロスオ
ーバ周波数をはさむ二つの周波数の電圧で構成した信号
を制御信号として用いることを考える。
【0028】液晶分子は、一般に細長い形をしており、
分子の長軸方向の誘電率をε//、短軸方向の誘電率を
ε⊥とすれば、ε//とε⊥の値が異なる異方性を示
す。この様な液晶に制御電圧を加えると、液晶分子の配
向は、誘電率の大きい軸が制御電圧と平行になるように
変化する。通常のネマチック液晶ではε//>ε⊥であ
り、電圧を加えると液晶分子の長軸が電圧と平行になる
ように配向する。
【0029】ところが、二周波駆動用液晶では、誘電率
の異方性に印加電圧の周波数依存性があり、制御電圧の
周波数の低い領域ではε//>ε⊥であるが、周波数を
高くしていくとε//=ε⊥となり(このときの周波数
をクロスオーバ周波数と呼ぶ)、さらに高い周波数では
ε//<ε⊥となる。従って液晶は、クロスオーバ周波
数より低い周波数の電圧を加えるとその長軸が電圧と平
行になるように配向し、高い周波数の電圧を加えると短
軸が平行(即ち長軸が電圧と直交)になるように配向す
る。
【0030】ただし、伝送線路を伝搬するような高周波
帯では、二周波駆動用液晶においても誘電率の周波数依
存性はほとんどなく、通常のネマチック液晶と同じくε
//>ε⊥を示す。従って、高周波伝送線路の誘電体と
しての振る舞いは通常のネマチック液晶と同じである。
【0031】一般に液晶分子の配向はこのような制御電
圧の他に、ガラス基板などに設けられた配向膜に起因す
る力によって制御される。従来の技術では、一般的なネ
マチック液晶を用いており、液晶をマイクロ波電界と垂
直な方向へ配向させる力は、制御電圧による力は利用で
きず配向膜の力だけである。このため、制御電圧を除去
して垂直方向へ配向するときには、その応答時間が遅く
なるといった問題があった。そこで、本発明では二周波
駆動用液晶とクロスオーバ周波数をはさむ複数の周波数
の電圧で構成した信号を制御電圧に用いており、かくす
れば制御電圧で液晶を垂直方向へ配向させる大きな力を
与えることができるので、応答時間の改善が可能とな
る。
【0032】さらに上述の構成で挿入損を低減をするこ
とを考える。図6から明らかなように、液晶を用いた可
変特性高周波伝送路の挿入損を低減するための一つの方
法として、液晶層を厚くすればよいことがあった。しか
し、従来のような通常のネマチック液晶では、配向の応
答時間の制約から、液晶層を厚くすることができなかっ
た。一方、二周波駆動用液晶を用い、この液晶のクロス
オーバ周波数をはさむ二つの周波数の電圧で構成した信
号を制御信号として用いれば、液晶層をある程度厚くし
ても配向の応答時間が遅くならないことがわかった。そ
こで、二周波駆動用液晶を液晶を用いた可変特性高周波
伝送路に応用し、この液晶のクロスオーバ周波数をはさ
む二つの周波数の電圧で構成した信号を制御信号として
用いて液晶層を厚くすることが可能となり、線路の導体
損を減らして挿入損を低減できることとなった。
【0033】具体的に、図6から明らかなように、液晶
層の厚さを増やすことによる可変移相器の挿入損の変化
のうち、特にその変化の大きな導体損を見積もってみ
る。従来の方法による可変移相器の導体損は、液晶層の
厚さが50μmであるから31dB/mであった。本発
明による可変移相器では、液晶層の厚さを例えば400
μmとすることができるので、導体損を4.5dB/m
と設計することができる。従って、本発明により、可変
移相器の導体損を26dB/m減らすことができる。
【0034】以下、添付図面を参照し実施例1〜5によ
り本発明の基本構成に係わる可変特性高周波伝送路をさ
らに詳細に説明する。
【0035】
【実施例1】第1の実施例として本明細書記載第1の発
明に係る繊維含浸液晶を用いた可変特性高周波伝送路の
応用例としての可変移相器の基本構造を図1を使用して
説明する。第1の発明に係る可変移相器には2枚のセラ
ミクス基板11,12と繊維含浸液晶13と導体線路1
4とグランド面15と制御電源17とを含む。繊維含浸
液晶13は、液晶を紙、布あるいは繊維などへ含浸した
構造を有する。高周波信号17は、2枚のセラミクス基
板11,12の間に封入された繊維含浸液晶13を誘電
体基板(繊維誘電体)として、高周波信号の伝送路とな
る導体線路14とグランド面15とで構成するマイクロ
ストリップ線路を伝搬する。制御電源17は本発明に係
る可変移相器の移相量を調整する制御信号により調整さ
れた直流、あるいは低周波電圧信号を、導体線路14と
グランド面15の間に印加する。この電圧に応じて繊維
含浸液晶13の誘電率が変化し可変移相器の移相量が変
化する。繊維含浸液晶13の厚さhは、可変移相器の挿
入損失が小さくなるような厚さとして、例えば、200
μmから600μm程度に設定すれば、導体損を誘電損
より小さくすることが可能となる。
【0036】繊維含浸液晶13で使用される液晶は、高
周波に対して誘電率異方性を有し、細長い液晶分子の長
軸方向の誘電率は、短軸方向のものに比べて高い。その
誘電率異方性は、可能な限り大きい方が位相を大きく制
御できるため、誘電率異方性が大きなネマティック液
晶、コレステリック液晶、スメクティック液晶またはこ
れら液晶の混合液晶を選択して用いることができる。た
だし、高速性を得るには、低粘性かつ高弾性のネマティ
ック液晶が適している。特に、屈折率異方性の大きなシ
アノビフェニル系、ターフェニル系、ピリジン系、ピリ
ミジン系およびトラン系のネマティック液晶が最適であ
る。一方、スメクティック液晶を用いる場合には、自発
分極を有して高速応答を示す強誘電性液晶が有用であ
る。また、このような液晶を含浸する繊維としては、高
周波に対する損失が少なく、かつ、より多くの液晶を含
むことのできる材料や構造が有効である。
【0037】なお、この第1の実施例では、可変移相器
に用いる伝送線路の形態としてマイクロストリップ線路
を例示したが、本発明における高周波信号の伝送線路は
マイクロストリップ線路だけに制限されるものではな
く、同軸線路、コプレーナ線路、ストリップ線路などの
誘電体を使った高周波信号用伝送線路すべてに応用可能
である。
【0038】
【実施例2】次に第2の実施例として本明細書記載の発
明に係る繊維含浸液晶を同軸線路へ用いる構造を図2に
示す。繊維含浸液晶21を中心導体22にロール状に巻
き付け制御電源24、さらにその上に外部導体23をつ
けることにより、繊維含浸液晶を誘電体とした同軸線路
を構成することができる。制御電源25を中心導体22
と外部導体23に接続してその電圧を変化させることに
より、同軸線路の伝送特性を調整することができる。同
軸線路の場合、通常のネマチック液晶を同軸線路に封入
すれば、可変特性高周波伝送路が実現できると考えられ
る。しかし、 (イ)外部導体内面や中心導体表面に配向処理を施すこ
とが難しい。 (ロ)液晶部分の厚さ(即ち、中心導体と外部導体の隙
間)が厚く、液晶分子の配向の均一性が保てない。 の問題から、その実現は困難であった。繊維含浸液晶を
図3のように用いれば、上記問題は解決され、同軸型の
可変特性高周波伝送路が実現できる。
【0039】
【実施例3】さらに第3の実施例として本明細書記載の
発明に係る二周波駆動用液晶を用いた可変特性高周波伝
送路の応用例としての可変移相器の構造図を再び図1を
使用して説明する。第2の発明に係る可変移相器には、
2枚のセラミクス基板11,12と二周波駆動用液晶1
3と導体線路14とグランド面15と配向膜16と制御
電源17とを含む。高周波信号18は2枚のセラミクス
基板11,12の間に封入された二周波駆動用液晶13
を誘電体基板として導体線路14とグランド面15で構
成するマイクロストリップ線路を伝搬する。制御電源1
7はこの可変移相器の移相量を調整する制御電圧を、導
体線路14とグランド面15の間に印加する。この制御
電圧の波形の一例を図3に示す。二周波駆動用液晶13
のクロスオーバ周波数より低い周波数の電圧とて直流
(図3の(a))、高い周波数の電圧として数kHzの
正弦波(図3の(b))とし、この2つの電圧を加えた
ものを制御電圧(図3の(c))とする。
【0040】直流電圧は二周波駆動用液晶13の配向が
高周波電界と平行になるための力を発生させ、また高い
周波数の電圧は配向が高周波電界に垂直となるための力
を発生させる。そこでこの第2の発明では、図3の
(d)に示すように二周波駆動用液晶13は、この二種
類の電圧32による力および配向膜による力がバランス
した方向に液晶分子31が配向し、これに応じて高周波
帯における誘電率が変化して第2の発明の可変移相器の
移相量が変化する。二周波駆動用液晶13の厚さhを例
えば200μmから600μm程度に設定しても、本可
変移相器の移相の応答時間を実用的に問題とならない程
度に保ちつつ、挿入損を小さくできる。
【0041】二周波駆動用液晶13で使用される液晶層
の構造は、該液晶のみから構成される液晶層のみなら
ず、該液晶を樹脂中に分散させた液晶樹脂複合体、ある
いは、繊維などに該液晶を含浸させた繊維含浸液晶など
を利用した構造も有効である。
【0042】なお、この第3の実施例では、可変移相器
に用いる伝送線路の形態としてマイクロストリップ線路
を例示したが、本発明における高周波信号の伝送線路は
マイクロストリップ線路だけに制限されるものではな
く、同軸線路、コプレーナ線路、ストリップ線路などの
高周波信号の伝搬媒体として誘電体を使った伝送線路す
べてに応用可能である。
【0043】また、本発明における制御信号は、実施例
1〜3で例示した直流電圧とクロスオーバ周波数より高
い周波数の電圧を加算した信号に限らず、クロスオーバ
周波数をはさむ複数の周波数の電圧を切り替えた信号、
クロスオーバ周波数をはさんで周波数変調した信号な
ど、クロスオーバ周波数をはさむ複数の周波数の電圧を
組み合わせて構成される各種の信号が適用可能である。
【0044】
【実施例4】図4は本発明の実施例4の可変特性高周波
伝送路の応用としての可変移相器の概略構成を説明する
ための図である。
【0045】実施例4の可変移相器を構成する可変特性
高周波伝送路は、繊維を絡み合わせて形成した平板状の
部材である繊維板や多孔質膜に液晶を含浸させた繊維含
浸液晶13からなる誘電体層を介在して配置される一対
の導体である導体線路14と面電極(グランド面)15
とから形成される。この可変高周波伝送線路は、柔軟性
を有する筐体である一対のポリイミド41a,41bに
より、封止されることとなる。このとき、実施例4で
は、誘電体層は繊維を絡み合わせて形成した平板状の部
材である繊維板やスポンジ等を含む多孔質の膜の内で
も、上面や下面方向すなわち厚さ方向から力が印加され
た場合であっても、その厚さを維持することが可能な平
板状の繊維板あるいは多孔質膜に液晶を含浸させた繊維
含浸液晶13からなるので、繊維含浸液晶すなわち繊維
板あるいは多孔質膜はそれ自体で厚さを維持することが
可能となる。すなわち、柔軟性のある材料で繊維含浸液
晶を挟み込んでも、厚さが均一な液晶層を形成すること
ができる。
【0046】また、実施例4では、導体線路14とグラ
ンド面15とは、柔軟性を有するポリイミド41a,4
1bの誘電体層側に配置されることとなるので、柔軟性
を有する導体である金属薄膜や目の細かな金属網や金属
箔等を、周知の蒸着あるいはメッキもしくは接着剤によ
る接着等によりポリイミド41a,41bの誘電体層側
に形成することにより、導体線路14とグランド面15
とは可変特性高周波伝送路の変形に沿うこととなる。
【0047】従って、この可変高周波伝送線路を曲げた
り湾曲させるなどの変形を施した場合であっても、液晶
を含浸させた繊維含浸液晶13の厚さが一定である限
り、誘電体層の厚さを一定に保つことができる。この結
果、フレキシブルな形状で伝送特性を制御電源17から
の信号で調整することのできる高周波伝送線路を得るこ
とができる。すなわち、可変高周波伝送線路の配置形状
による伝送特性を変化させることなく、伝送線路の配置
位置に応じてその形状に変形させることが可能となるも
のである。
【0048】図4から明らかなように、本可変移相器に
は、2枚の(一対の)ポリイミドフィルム41a,41
bと繊維含浸液晶13と導体線路14と面電極であるグ
ランド面15と制御電源17とを含む。繊維含浸液晶1
3は、液晶を紙、布あるいは繊維などへ含浸した構造を
有する。図4中に矢印で示す高周波信号42は、2枚の
ポリイミドフィルム41a,41bの間に封入された繊
維含浸液晶13を誘電体基板として導体線路14とグラ
ンド面15で構成するマイクロストリップ線路を伝搬す
る。制御電源17は、実施例4の可変移相器の移相量を
調節するための前述する実施例と同様に、直流あるいは
低周波電圧信号を、導体線路14とグランド面15の間
に印加する。この電圧に応じて繊維含浸液晶13の誘電
率が変化し、本可変移相器の移相量が変化する。
【0049】また、繊維含浸液晶13すなわち誘電体層
の厚さhの均一性を保持しつつその厚さhを厚くするこ
とができるので、線路長を長くした場合であっても、挿
入損失を低減させることができる。また、同一の線路長
であっても、繊維含浸液晶13の厚さhを厚くすること
によって、挿入損失をさらに低減させることができる。
【0050】繊維含浸液晶13で使用される液晶は、前
述する実施例に示すように、高周波に対して誘電率異方
性を有し、細長い液晶分子の長軸方向の誘電率は、短軸
方向のものに比べて高い。その誘電率異方性は、可能な
限り大きい方が位相を大きく制御できるため、誘電率異
方性が大きなネマティック液晶、コレステリック液晶、
スメクティック液晶、またはこれら液晶の混合液晶を選
択して用いることができる。ただし、高速性を得るに
は、低粘性かつ高弾性のネマティック液晶が適してい
る。特に、屈折率異方性の大きなシアノビフェニル系、
ターフェニル系、ピリジン系、ピリミジン系およびトラ
ン系のネマティック液晶が最適である。
【0051】一方、スメクティック液晶を用いる場合に
は、自発分極を有して高速応答を示す強誘電性液晶が有
用である。また、このような液晶を含浸する繊維もしく
は多孔質膜あるいは樹脂等としては、高周波に対する損
失が少なく、かつ、より多くの液晶を含むことのできる
材料や構造が有効である。
【0052】なお、本実施例では、可変移相器に用いる
可変特性高周波伝送路の形態としてマイクロストリップ
線路を例示したが、本発明における高周波信号の伝送線
路はマイクロストリップ線路だけに制限されるものでは
なく、同軸線路、コプレーナ線路、ストリップ線路など
の誘電体を使った高周波信号用伝送線路すべてに応用可
能である。
【0053】以上説明したように、実施例4の可変特性
高周波伝送路の応用としての可変移相器によれば、高周
波伝送線路の基板をフィルムなどの薄いものにすること
ができるので、可変特性高周波伝送路の小型軽量化を図
ることができる。また、可変特性高周波伝送路の形状を
適当に変形させることができるので、可変特性高周波伝
送路を機器に組み込む場合には部品配置に自由度が増
す。その結果、本可変特性高周波伝送路を使用した機器
についても小型軽量化が図れる。
【0054】あるいは、近年、装着可能(ウェアラブ
ル)な情報端末の開発が進められている。例えば、衣服
に装着できる送受信機(伝送装置)を考えると、衣服と
の親和性の良い装置としては薄型でフレキシブルな形態
が適当であると思われる。このような装置を構成する部
品としての可変特性高周波伝送路も同様に薄型でフレキ
シブルであることが良く、本発明によるフレキシブルな
伝送特性可変高周波伝送線路を適用することができる。
【0055】なお、実施例4では、柔軟性を有する筐体
としてポリイミド41a,41bのフィルムを用いる場
合について説明したが、これに限定されることなく、柔
軟性を有する筐体としては、ポリエチレンフィルムやP
TFEフィルム等の有機誘電体フィルム、あるいはセラ
ミクスを薄板状にして柔軟性を持たせたもの、もしくは
それらの組み合わせ等でもよいことはいうまでもない。
また、この筐体は、少なくとも実施例1のセラミクス基
板11,12よりは柔軟性を有する部材を用いる。
【0056】また、実施例4では、セラミクス基板1
1,12に代えて2枚のポリイミドフィルム41a,4
1bを用いることとしたが、これに限定されることはな
く、例えば、実施例1の可変特性高周波伝送路を断面方
向に直線で2つに分割し、この分割された可変特性高周
波伝送路を実施例4の可変特性高周波伝送路で接続する
ように、可変特性高周波伝送路の筐体をセラミクスと、
柔軟性を有する筐体であるポリイミド41a,41bと
によって構成することも可能である。このような構成と
した場合であっても、前述した効果を得られることはい
うまでもない。すなわち、予め配置位置等が分かり必要
となる形状が分かっている場合には、柔軟性が必要な個
所のみを柔軟性を有する筐体であるポリイミド41a,
41bで形成し、他の個所はセラミクスで基板を形成す
ることもできる。
【0057】さらには、実施例4では、誘電体層を形成
する繊維板や多孔質膜の厚さ方向の硬さは、筐体を形成
する部材よりも大きいものを使用することにより、実施
例4の可変特性高周波伝送路を大きく変形させた場合で
あっても、誘電体層の厚さ方向にかかる力を低減させる
ことが可能となるので、誘電体層の厚さhの均一性の保
持には好適である。
【0058】さらには、実施例3に示すように、二周波
駆動用液晶を含浸させた繊維含浸液晶13を誘導体層と
して用い、この二周波駆動用液晶のクロスオーバ周波数
をはさむ二つの周波数の電圧で構成した信号を制御信号
として制御電源17が導体線路14とグランド面15と
の印加する構成としてもよい。この構成とすることによ
って、前述の図3の(d)に示すように、繊維含浸液晶
(二周波駆動用液晶)13は、この二種類の電圧32に
よる力と、繊維の界面あるいは多孔質膜の孔の界面に沿
うように作用する力とがバランスした方向に液晶分子3
1が配向し、これに応じて高周波帯における誘電率が変
化して可変移相器の移相量が変化するので、実施例4の
可変移相器において、二周波駆動用液晶13の厚さhを
例えば200μmから600μm程度に設定した場合で
あっても、移相の応答時間を実用的に問題とならない程
度に保ちつつ挿入損を小さくした柔軟性を有する可変移
相器を作製することが可能となる。
【0059】
【実施例5】図5は本発明の実施例5の可変特性高周波
伝送路の応用としての同軸線路の概略構成を説明するた
めの図である。
【0060】図5から明らかなように、繊維含浸液晶1
3を中心導体51(例えば、細い銅線のような容易に曲
げることのできる導体)にロール状に巻き付け、さらに
その上に外部導体52(例えば、日の細かい金属網のよ
うなフレキシブルな導体)を設け、この外部導体52の
少なくとも外周部をポリイミドフィルム53で覆うこと
によって、繊維含浸液晶13を誘電体とした同軸線路を
構成することができる。制御電源17を中心導体51と
外部導体52とに接続してその電圧を変化させることに
より、同軸線路の伝送特性を調整することができる。こ
のとき、実施例5では、実施例4と同様に、誘電体層を
形成する繊維含浸液晶13は、繊維を絡み合わせて形成
した平板状の部材である繊維板やスポンジ等を含む多孔
質の膜の内でも、上面や下面方向すなわち厚さ方向から
力が印加された場合であっても、その厚さを維持するこ
とが可能な平板状の繊維板あるいは多孔質膜に液晶を含
浸させた部材である。
【0061】従って、同軸線路を曲げたり湾曲させるな
どの変形を施した場合であっても、液晶を含浸させた繊
維含浸液晶13の厚さが一定となるので、誘電体層の厚
さを一定に保つことができる。この結果、フレキシブル
な形状で伝送特性を調整することのできる同軸線路を得
ることができる。すなわち、同軸線路の変形に伴う同軸
線路の伝送特性を変化させることなく、伝送線路の配置
位置に応じてその形状に変形させることが可能となる。
なお、前述するように、同軸線路の伝送特性の調整は、
制御電源17を中心導体51と外部導体52とに接続し
て印加する電圧を変化させることにより行う。
【0062】この結果、伝送特性を調整することのでき
るフレキシブルな同軸線路が実現できる。
【0063】また、繊維含浸液晶13すなわち誘電体層
の厚さhの均一性を保持しつつその厚さhを厚くするこ
とができるので、線路長を長くした場合であっても、挿
入損失を低減させることができる。また、同一の線路長
であっても、繊維含浸液晶13の厚さhを厚くすること
によって、挿入損失をさらに低減させることができる。
【0064】以上説明したように、実施例5の同軸線路
によれば、同軸線路をフィルムなどの薄い筐体であるポ
リイミド53で覆う構造となるので、同軸線路の小型軽
量化を図ることができる。また、同軸線路の形状を適当
に変形させることができるので、この同軸線路を機器に
組み込む場合の部品配置に自由度が増す。その結果、本
同軸線路を使用した機器についても小型軽量化が図れ
る。
【0065】なお、実施例5では、柔軟性を有する筐体
としてポリイミドフィルム53を用いる場合について説
明したが、これに限定されることなく、柔軟性を有する
筐体としては、ポリエチレンフィルムやPTFEフィル
ム等の有機誘電体フィルム、あるいはセラミクスを薄板
状にして柔軟性を持たせたもの、もしくはそれらの組み
合わせ等でもよいことはいうまでもない。
【0066】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0067】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0068】(1)誘電体層である繊維含浸液晶層の厚
さを厚くすることができるので、可変高周波伝送線路の
挿入損失を低減できる。
【0069】(2)二周波駆動用液晶とクロスオーバ周
波数をはさむ複数の周波数の電圧を駆動することによっ
て、液晶を垂直方向へ配向させる大きな力を与えること
ができるので、応答時間の改善が可能となる。
【0070】(3)それ自体で厚さを維持することが可
能な繊維板に液晶を含浸させた繊維含浸液晶を誘電体層
として、この繊維含浸液晶を柔軟性を有する筐体で封止
構造となっているので、可変高周波伝送線路の伝送特性
を変化させることなく、伝送線路の配置位置に応じてそ
の形状に変形させることができる。
【0071】(4)伝送線路の配置位置に応じてその形
状に変形させることができるので、可変高周波伝送線路
を機器に組み込む際の部品配置の自由度を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の可変特性高周波伝送路の応
用例としての可変移相器の基本構造の概略を説明するた
めの図である。
【図2】本発明の実施例2の同軸線路の概略構造を説明
するための図である。
【図3】本発明の実施例の可変特性高周波伝送路の制御
電圧波形と液晶分子配向の状態を説明するための図であ
る。
【図4】本発明の実施例4の可変特性高周波伝送路の応
用としての可変移相器の概略構成を説明するための図で
ある。
【図5】本発明の実施例5の可変特性高周波伝送路の応
用としての同軸線路の概略構成を説明するための図であ
る。
【図6】液晶可変移相器の液晶厚さと挿入損(誘電損、
導体損)の関係の一例を計算した図である。
【符号の説明】
11,12…セラミクス基板 13…二周波駆
動用液晶 14…導体線路(金属ライン) 15…グランド
面(金属膜) 16…配向膜 17…制御電源 18…高周波信号 21…繊維含浸
液晶 22…中心導体 23…外部導体 24…ロール状に巻きつけ制御電源 25…制御電源 31…液晶分子 32…高周波電
界の方向 41a…ポリイミドフィルム 41b…ポリイ
ミドフィルム 42…高周波信号 51…中心導体 52…外部導体 53…ポリイミ
ドフィルム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波信号を伝送する伝送路と、誘電体
    層を介在して前記伝送路に平行に形成される面電極とを
    備える可変高周波伝送路において、前記誘電体層は繊維
    を絡み合わせて形成した平板状部材あるいは多孔質膜に
    液晶を含浸させた繊維誘電体からなり、当該可変高周波
    伝送路は柔軟性を有する筐体に封止されることを特徴と
    する可変高周波伝送路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の可変高周波伝送路にお
    いて、前記伝送路と前記面電極との間に制御信号を印加
    する制御電源とを備えることを特徴とする可変高周波伝
    送路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の可変高周波伝送路にお
    いて、前記液晶は二周波駆動用液晶であり、前記制御電
    源は前記二周波駆動用液晶のクロスオーバ周波数をはさ
    む複数の周波数の制御信号を供給することを特徴とする
    可変高周波伝送路。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内の何れか1項に記載
    の可変高周波伝送路において、前記筐体は前記内面側に
    前記伝送路が形成された第1の柔軟板と、内面側に前記
    面電極が形成された第2の柔軟板とからなり、前記繊維
    誘電体を前記第1の柔軟板と前記第2の柔軟板とで挟持
    することを特徴とする可変高周波伝送路。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3の内の何れか1項に記載
    の可変高周波伝送路において、前記伝送路に巻き付けら
    れた繊維誘電体の外周部が前記面電極に覆われており、
    前記筐体は前記面電極の外周及びその側面を覆うように
    形成されることを特徴とする可変高周波伝送路。
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