JP4070428B2 - 周波数可変フィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数可変フィルタに関し、特に、フィルタの中心周波数や帯域幅あるいは共振器の共振周波数を外部信号により変化させる周波数可変フィルタに適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の周波数可変フィルタ及び可変共振器では、フィルタの中心周波数や帯域幅、あるいは共振器の共振周波数を外部信号より調節する方法には、大きく分けて以下の示すような方法が知られている。
【0003】
(1)伝送線路の近傍や空洞共振器へ調整ねじを挿入したり、あるいは空洞共振器の大きさを物理的に変化させるなどの機械的な調整方法が良く知られている。
【0004】
(2)電気的調整手段としては、例えば、特開2000−100659では、電圧で調整する可変容量キャパシタで回路の共振周波数を調整し、チューナブルフィルタを実現している。また、特開2000−357905、特開平9−205324、特開平7−321509では、ダイオードをスイッチとして用いることにより、制御電圧によって共振器の共振周波数を変化させることにより,周波数可変フィルタを実現している。
【0005】
(3)特開2000−151205では、空洞共振器内に導体板を置き、この導体板と空洞共振器を光導電素子で接続し、光導電素子に光を照射して光導電素子のインピーダンスを変化させることにより空洞共振器の共振周波数を調整して、チューナブルフィルタを実現している。
【0006】
このように、従来の周波数可変フィルタ及び可変共振器では、フィルタの中心周波数や帯域幅、あるいは共振器の共振周波数を外部より制御する場合、外部からの制御信号は電気信号が一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0008】
従来の周波数可変フィルタ及び可変共振器の共振周波数を外部より制御する方法の内で、前述する(1)の調整ねじの挿入量を増減するというような機械的制御方法は、制御信号としての電気信号と親和性が悪い。このような方法では、制御のための電気信号をモータなどにより機械的な信号に変換しなければならず、非常に複雑な装置の構成となってしまう問題があった。
【0009】
また、前述する(3)の光導電素子に光を照射する方法についても、制御のための電気信号をいったん光に変換しなければならず、複雑な装置構成となってしまうという問題があった。
【0010】
一方、前述する(2)の可変容量キャパシタやダイオードのようなアクティブ素子を組み合わせる方法については、フィルタの中心周波数や帯域幅あるいは共振器の共振周波数を直接電気的に制御することができる。制御信号から制御手段まですべてを電気的に処理することが可能となるので、装置の構成は前記の機械的調整方法に比べれば簡単になる。しかしながら、この(2)の方法では、フィルタや共振器にアクティブ素子を実装するなどの手間が必要であった。
【0011】
本発明の目的は、周波数可変フィルタに能動素子などを実装することなく、フィルタの中心周波数や帯域幅あるいは共振器の共振周波数を電気的に制御することが可能となる簡易な構成の周波数可変フィルタを提供することにある。
【0012】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0014】
(1)誘電率が電気的制御信号により変化する誘電体材料からなる誘電体層と、前記誘電体層を介して対向する、もしくは前記誘電体層の同一面に並行して配置される第1の電極と複数の第2の電極とにより構成される複数の可変共振器と、前記第1の電極と前記複数の第2の電極のそれぞれとの間にそれぞれ電圧を印加する複数の電源とを備え、前記複数の可変共振器が隣接する可変共振器間で電磁結合されている周波数可変フィルタであって、前記電源から前記第1の電極と前記各第2の電極間に印加する電圧を制御し、前記誘電体層の誘電率を変化させ前記複数の可変共振器の共振周波数を変化させ、中心周波数及び帯域幅を可変とする周波数可変フィルタ
【0015】
(2)誘電率が電気的制御信号により変化する誘電体材料からなる誘電体層と、前記誘電体層を介して対向する、もしくは前記誘電体層の同一面に並行して配置される第1の電極と複数の第2の電極群とにより構成される複数の可変共振器と、前記第1の電極と前記第2の電極群の各第2電極それぞれとの間にそれぞれ電圧を印加する複数の電源とを備え、前記各第2の電極群はその中の各第2の電極が隣接する電極間で第1の電磁結合がされ一つの可変共振器として動作し、前記複数の可変共振器が隣接する可変共振器間で前記第1の電磁結合より弱い第2の電磁結合されている周波数可変フィルタであって、前記各電源から前記第1の電極と前記第2の電極群の各第2の電極間に印加する電圧を制御し、前記誘電体層の誘電率を変化させ前記複数の可変共振器の共振周波数を変化させ、中心周波数及び帯域幅を可変とする周波数可変フィルタ。
【0017】
前述した(1)(2)の手段によれば、電源から一対の電極に印加する電圧を制御することによって、誘電体層の誘電率が変化して電磁結合される可変共振器の共振周波数が変化する。その結果、周波数可変フィルタの中心周波数及び帯域幅が変化するので、周波数可変フィルタに能動素子などを実装することなく、中心周波数及び帯域幅を直接電気的に制御できる比較的簡単な構成となる。このように能動素子が不要であり構造が非常に簡単であるため、製造コストを低減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、発明の実施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の可変高周波伝送路を用いた可変共振器の概略構成を説明するための図である。ただし、実施の形態1の可変共振器は、マイクロストリップ可変共振器である。図1において、101は液晶層、102はセラミクス基板、103はストリップ導体、104はグランド電極、105は制御電圧源、106は入出力線路を示す。
【0021】
図1に示すように、実施の形態1の可変共振器は、液晶層101と、この液晶層101を介して対向配置される2枚のセラミクス基板(第1及び第2のセラミクス基板102a,102b)と、伝送路であるストリップ導体103と、グランド電極104と、制御電圧源105と、入出力線路106とから構成される。
【0022】
一方のセラミクス基板である第1のセラミクス基板102aの対向面にはストリップ導体103が形成されている。このストリップ導体103は、蒸着などの周知の方法により第1のセラミクス基板102aの対向面に形成された導体薄膜であり、周知のエッチングなどの方法で所望の形状に加工される。このストリップ導体103には、一方の辺には入力ポートとなる入出力線路106aが形成され、この入出力線路106aが形成された辺に対向する辺には出力ポートとなる入出力線路106bが形成される。さらには、実施の形態1では、ストリップ導体103に制御電圧源105からの電圧を印加するための図示しない制御電圧用線路が形成され、第1のセラミクス基板102aの側面部分に接続可能に取り出される構成となっている。従って、第1のセラミクス基板102aの対向面には、ストリップ導体103と、このストリップ導体103の入出力ポートとなる入出力線路106a,106bと、制御電圧源105に接続される制御電圧用線路とが形成される。
【0023】
一方、他方のセラミクス基板である第2のセラミクス基板102bの対向面にはグランド電極104となる電極が形成され、第2のセラミクス基板102bの側面部分に接続可能に取り出される構成となっている。
【0024】
従って、第1のセラミクス基板102aと第2のセラミクス基板102bとの対向面を対向させ、2枚のセラミクス基板102a,102bとの間に液晶を封入した後に、封止することによって、液晶層101を誘電体基板とし、ストリップ導体103とグランド電極104で構成したマイクロストリップ共振器となる。ただし、図1では共振器の両端に信号の入出力線路106a,106bが付加されているが、この入出力線路106a,106bは、可変共振器の動作とは関係ないことはいうまでもない。また、液晶層101は、液晶溶液を含浸させた樹脂を、第1のセラミクス基板102aと第2のセラミクス基板102bとで挟み込む構成とすることによって、液晶層101を所定の厚さに容易に保持できる。
【0025】
制御電圧源105は、出力の何れか一方の出力がストリップ導体103に接続される図示しない制御電源用線路に接続され、他方の出力がグランド電極104に接続され、共振器の共振周波数に応じて調整された直流、あるいは低周波交流電圧信号を、ストリップ導体103とグランド電極104との間に印加する構成となっている。従って、制御電圧源105の出力電圧に応じて、液晶層101の誘電率が変化することとなるので、マイクロストリップ可変共振器の共振周波数を制御することができる。ただし、図1では、制御電圧源105の信号出力側がストリップ導体103に接続され、グランド側がグランド電極104に接続される場合を示している。
【0026】
可変共振器の共振周波数をf、共振器の物理長をLとした場合、下記の数1となる。
【0027】
【数1】
Figure 0004070428
ただし、Cは光の速度、εeffはマイクロストリップの実効誘電率であり液晶の誘電率εの関数である。
【0028】
この数1より、制御電源105の電圧を調整(制御)することによって、液晶の誘電率εが変化して、共振周波数fを調整できることがわかる。
【0029】
ただし、液晶層101で使用される液晶は、高周波に対して誘電率異方性を有し、細長い液晶分子の長軸方向の誘電率は、短軸方向のものに比べて高い.その誘電率異方性は、可能な限り使用周波数の範囲を大きく変化できるため、誘電率異方性が大きなネマティック液晶、コーステリック液晶、スメクティック液晶、またはこれら液晶の混合液晶を選択して用いることができる。ただし、高速性を得るには低粘性かつ高弾性のネマティック液晶が適している。特に、屈折率異方性の大きなシアノビフェニル系、ターフェニル系、ピリジン系、ピリミジン系およびトラン系のネマティック液晶が最適である。一方、スメクティック液晶を用いる場合には、自発分極を有して高速応答を示す強誘電性液晶が有用である。
【0030】
一方、これらの液晶を包含するための樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリビニールアルコール、またはこれらの共重合体(例えばアクリル・ウレタン共重合体)などが適当である。また、液晶層101は、純粋な液晶のみならず、液晶が小滴状もしくは連通状態で樹脂に分散された構造の液晶・樹脂複合体(J.W.Doane,N・A・Vaz,B.G.Wu and S.Zumer,“Field controlled light scattering from nematicmicrodroplets,”Appl.Pbys.Lett,VOl.48,no.4,pp.269−271(1986))、あるいは、繊維などに液晶を含浸させた繊維含浸液晶などを利用した構造も有効である。すなわち、繊維を絡み合わせて形成した平板状部材あるいは多孔質膜に液晶を含浸させた繊維誘電体により誘電体層である液晶層101を形成してもよいことはいうまでもない。この場合には、液晶層101の厚さは繊維を絡み合わせて形成した平板状部材あるいは多孔質膜によって保持されることとなるので、例えば第1及び第2のセラミクス基板102a,102bを筐体とするかわり、柔軟性を有する合成樹脂として例えばポリイミドを筐体として用いることによって、可変共振器の配置形状による特性を変化させることなく、配置位置に応じてその形状に変形させることが可能となる。その結果、可変共振器を機器に組み込む際の部品配置の自由度を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0031】
なお、実施の形態1の可変共振器では、液晶層101に電圧(電界)を印加する電極としてストリップ導体103を用いる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、第1のセラミクス基板102aに電圧印加用の電極を設け、この電極とグランド電極104とに制御電圧源105を接続する構成としてもよいことはいうまでもない。さらには、実施の形態1の可変共振器の側面部分である液晶層101の側面に電極を設ける構成としてもよいことはいうまでもない。
【0032】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2の可変高周波伝送路を用いた周波数可変フィルタの概略構成を説明するための図である。ただし、実施の形態2の周波数可変フィルタは、チューナブルマイクロストリップフィルタであり、実施の形態1の可変共振器と同様の構成を有する可変共振器を複数個組み合わせた構成である。このような構成のチューナブルマイクロストリップフィルタは、例えば、小西良弘,“マイクロ波回路の基礎とその応用”,総合電子出版,pp.370,付図10.3と同様なものである。なお、実施の形態では、両端が開放される第1〜第3のストリップ導体203〜205を並列結合させた並列結合型のフィルタであるが、ストリップ導体は、3に限定されるものではなく、2以上でよいことはいうまでもない。
【0033】
図2において、201は液晶層、202はセラミクス基板、203は第1のストリップ導体、204は第2のストリップ導体、205は第3のストリップ導体、206はグランド電極、207は第1の制御電圧源、208は第2の制御電圧源、209は第3の制御電圧源、210は入出力線路を示す。
【0034】
図2に示すように、実施の形態2の周波数可変フィルタは、液晶層201と、この液晶層201を介して対向配置される2枚のセラミクス基板(第1及び第2のセラミクス基板202a,202b)と、第1〜第3のストリップ導体203〜205と、グランド電極206と、第1〜第3の制御電圧源207〜209とから構成される。
【0035】
実施の形態2の周波数可変フィルタでは、第2のセラミクス基板202bは実施の形態1のセラミクス基板102bと同様の構成である。一方、第1のセラミクス基板202aの対向面には、第1〜第3のストリップ導体203〜205がそれぞれ離間され、延在方向にずらされて形成されている。ただし、第1〜第3のストリップ導体203〜205は、実施の形態1と同様に、蒸着等の周知の方法により第1のセラミクス基板202aの対向面に形成された導体薄膜であり、周知のエッチングなどの方法で所望の形状に加工される。また、第1のストリップ導体203には入力ポートとなる入出力線路210aが離間して形成され、第3のストリップ導体205には出力ポートとなる入出力線路210aが離間して形成されている。さらには、実施の形態2では、第1〜第3のストリップ導体203〜205にそれぞれ対応する第1〜第3の制御電圧源207〜209からの電圧を印加するための図示しない制御電圧用線路がそれぞれ形成され、第1のセラミクス基板202aの側面部分に接続可能に取り出される構成となっている。従って、第1のセラミクス基板202aの対向面には、第1〜第3のストリップ導体203〜205と、実施の形態2の周波数可変フィルタの入出力ポートとなる入出力線路210a,210bと、第1〜第3の制御電圧源207〜209に接続される3本の制御電圧用線路とが形成される。
【0036】
従って、第1のセラミクス基板202aと第2のセラミクス基板202bとの対向面を対向させ、2枚のセラミクス基板202a,202bとの間に液晶を封入した後に、封止することによって、液晶層201を誘電体基板とすることによって、チューナブルマイクロストリップフィルタとなる。ただし、図2では周波数可変フィルタの両端に信号の入出力線路210a,210bが付加されているが、この入出力線路210a,210bは、周波数可変フィルタの動作とは関係ないことはいうまでもない。
【0037】
このような構成とすることによって、第1〜第3のストリップ導体203〜205は、実施の形態1の可変共振器と同様に、それぞれ可変共振器を構成する。そして、このように構成された共振器が電磁結合することにより、マイクロストリップフィルタを構成する。
【0038】
実施の形態2の周波数可変フィルタの中心周波数は、フィルタを構成する共振器の共振周波数により決まるので、実施の形態1に示すように、第1〜第3の制御電圧源207〜209の出力電圧をそれぞれ調整し、第1〜第3のストリップ導体203〜205とグランド電極206との間に印加する制御電圧を調整することによって、中心周波数を調整できる。
【0039】
一方、高周波信号は、第1〜第3のストリップ導体203〜205に対応する3つの可変共振器の電磁結合によって伝送されることとなり、この結合量は特願2000−312906号公報に開示されるように、液晶層201の誘電率の変化により調整できるので、第1〜第3の制御電圧源207〜209の出力電圧をそれぞれ調整し、第1〜第3のストリップ導体203〜205とグランド電極206との間に印加する制御電圧を調整することによって、周波数可変フィルタの帯域が調整されることとなる。
【0040】
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3の可変高周波伝送路を用いた周波数可変フィルタの概略構成を説明するための図である。ただし、実施の形態3の周波数可変フィルタは、チューナブルマイクロストリップフィルタであり、実施の形態2と同様に、実施の形態1の可変共振器と同様の構成を有する可変共振器を複数個組み合わせた構成である。
【0041】
図3において、301は液晶層、302はセラミクス基板、303は第1の可変共振器、304は第2の可変共振器、305は第3の可変共振器、306はグランド電極、307は第1の制御電圧源、308は第2の制御電圧源、309は第3の制御電圧源、310は入出力線路を示す。
【0042】
図3から明らかなように、実施の形態3の周波数可変フィルタは、実施の形態2の周波数可変フィルタの第1〜第3のストリップ導体203〜205をそれぞれ3つのストリップ導体で構成する、すなわち第1〜第3の可変共振器303〜305を形成するストリップ導体を3つのストリップ導体で構成し、この3つのストリップ導体にそれぞれ異なる制御電圧源を設け、3つのストリップ導体とグランド電極306との間に印加する電圧を調整可能としたものである。
【0043】
このような構成とすることによって、中心周波数と帯域幅をほぼ独立に調整できるようにしたものである。
【0044】
以下、図4に本実施の形態3の第1〜第3の可変共振器を形成するストリップ導体の概略構成を説明するための図を示し、以下、図4に基づいて図3に示す実施の形態3の周波数可変フィルタの構成を説明する。ただし、前述するように、実施の形態3の周波数可変フィルタは、第1〜第3の可変共振器303〜305を構成するストリップ導体と、各ストリップ導体とグランド電極306との間に印加する第1〜第3の制御電圧源307〜309の接続形態とが異なるのみで他の構成は実施の形態2と同様となる。従って、以下の説明では、第1〜第3の可変共振器303〜305の内、第2の可変共振器304について詳細に説明する。
【0045】
図4において、401は第1のストリップ導体、402は第2のストリップ導体、403は第3のストリップ導体、404は第4のストリップ導体、405は第5のストリップ導体を示す。
【0046】
図4に示すように、第2の可変共振器304(第2の可変共振器304を形成するストリップ導体)は、直線上に配列された第1のストリップ導体401と、第2のストリップ導体402と、第3のストリップ導体403とから形成される。ただし、実施の形態3では、第1のストリップ導体401と第2のストリップ導体402との間隔、及び第2のストリップ導体402と第3のストリップ導体403との間隔は、それぞれ隣接する第1及び第3の可変共振器303,305を形成するストリップ導体との間隔より小さい間隔で離間される構成となっている。
【0047】
従って、第2の可変共振器304を形成する第1のストリップ導体401と第2のストリップ導体402、及び第2のストリップ導体402と第3のストリップ導体403と結合は、隣接する可変共振器を構成するストリップ導体との結合(例えば、第1のストリップ導体401と第4のストリップ導体404との間隔や、第3のストリップ導体403と第5のストリップ導体405との間隔)よりも密な容量結合となっている。その結果、第1〜第3のストリップ導体401〜403は、容量結合により電磁結合して、ひとつの可変共振器として動作する。ただし、前述した実施の形態2に示すように、第2の可変共振器304は、離間して配置された第1の可変共振器303及び第3の可変共振器305とも電磁結合することとなる。すなわち、第1のストリップ導体401と第4のストリップ導体404、及び第3のストリップ導体403と第5のストリップ導体405とがそれぞれ電磁結合する。
【0048】
その結果、第1〜第3の可変共振器303〜305によって、実施の形態3の周波数可変フィルタであるマイクロストリップフィルタが形成される。
【0049】
このとき、実施の形態3の周波数可変フィルタでは、前述するように、一の可変共振器(第2の可変共振器304)において、第1〜第3のストリップ導体401〜403は、図示しない制御電圧信号線を介して第1〜第3の制御電圧源307〜309にそれぞれ接続されており、第1〜第3のストリップ導体401〜403とグランド電極306との間に印加する制御電圧を独立に調整できるようになっている。
【0050】
このように形成されたフィルタの中心周波数は、フィルタを構成する共振器の共振周波数により決定されるので、可変共振器の共振周波数が変化するごとく、中心周波数が調整できる。すなわち、実施の形態3では、一の可変共振器(例えば、第2の可変共振器304)を構成する第1〜第3のストリップ導体401〜403にそれぞれに接続する第1〜第3の制御電圧源307〜309の電圧をそれぞれ調整することによって、第1〜第3のストリップ導体401〜403の電気長Lを調整できるので共振周波数が変化し、中心周波数を調整することができる。
【0051】
特に、一の可変共振器(例えば、第2の可変共振器304)を構成する第2のストリップ導体402は、隣接する可変共振器(例えば、第1もしくは第3の可変共振器303,305)とは電磁結合していないので、第2のストリップ導体402に接続している制御電圧源308の電圧を調整して電気長Lを変化させることによって、隣接する可変共振器との結合量を変化させることなく、第2の可変共振器304の電気長Lを調整でき、もっぱらフィルタの中心周波数を調整することができる。また、特願2000−312906号公報に開示されるように、第1の制御電圧源307と第3の制御電圧源309とを調整することにより、例えば第1のストリップ導体401と第4のストリップ導体404のとの結合量を調整できるので、結果として第1〜第3の可変共振器303〜305の結合量を調整できる。これにより、実施の形態3の制御電圧源307,309を調整することで、もっぱらフィルタの帯域の調整が可能となる。
【0052】
なお、実施の形態1〜3では、可変共振器、チューナブルフィルタに用いる伝送線路の形態としてマイクロストリップ線路を例示したが、本発明における伝送線路はマイクロストリップ線路だけに制限されるものではなく、同軸線路、コプレーナ線路、ストリップ線路などの高周波信号の伝搬媒体として誘電体を使った伝送線路すべてに応用可能である。例えば、図5に示すコプレーナ線路を用いた可変共振器では、501は液晶層、502はセラミック基板、503はストリップ導体、504はグランド電極、505は制御電圧源、506は入出力線路を示す。このコプレーナ線路を用いた可変共振器は、前述する図1に示すマイクロストリップ線路を用いた可変共振器のグランド電極104を、ストリップ導体103及び入出力線路106と同じ平面(共平面)に移した構造としている他は、図1に示す実施の形態1の可変共振器と同様の構造となる。従って、コプレーナ線路を用いた可変共振器においても、実施の形態1の可変共振器と同様に、制御電圧源505の出力電圧に応じて、液晶層501の誘電率を変化させることができるので、可変共振器の共振周波数を制御することが可能となる。
【0053】
また、実施の形態1〜3では、誘電体層である液晶層101,201,301,501を介して対向配置されるストリップ導体103,203〜205,401〜405,503とグランド電極104,206,306,504とに制御電圧源105,207〜209,307〜309,505からの電圧を印加し液晶層101,201,301,501の誘電率を変化させる構成としたが、これに限定されることはなく、例えばグランド電極104,206,306,504が形成される面やストリップ導体103,203〜205,401〜405,503が形成される面のように、液晶層101,201,301,501の同一面に並行して配置される一対の電極を設け、この一対の電極に制御電圧源105,207〜209,307〜309,505からの電圧を印加し液晶層101,201,301,501の誘電率を変化させる構成としてもよいことはいうまでもない。
【0054】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0055】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0056】
(1)制御電源から誘電体層に印加する電圧の大きさ及び/又は方向を制御することによって、誘電体層の誘電率が変化することとなるので、可変共振器に能動素子などを実装することなく、可変共振器の共振周波数を直接制御することができる。
【0057】
(2)制御電源から可変共振回路の誘電体層に印加する電圧の大きさ及び/又は方向を変えることによって、誘電体層の誘電率が変化することとなり、可変共振器の共振周波数を可変することができるので、当該周波可変フィルタに能動素子などを実装することなく、中心周波数及び/又は帯域幅を直接制御することができる。
【0058】
(3)能動素子が不要であり構造が非常に簡単であるため、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の可変高周波伝送路を用いた可変共振器の概略構成を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態2の可変高周波伝送路を用いた周波数可変フィルタの概略構成を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態3の可変高周波伝送路を用いた周波数可変フィルタの概略構成を説明するための図である。
【図4】本実施の形態3の第1〜第3の可変共振器を形成するストリップ導体の概略構成を説明するための図である。
【図5】コプレーナ線路を用いた可変共振器の概略構成を説明するための図である。
【符号の説明】
101…液晶層 102…セラミクス基板
103…ストリップ導体 104…グランド電極
105…制御電圧源 106…入出力線路
201…液晶層 202…セラミクス基板
203…第1のストリップ導体 204…第2のストリップ導体
205…第3のストリップ導体 206…グランド電極
207…第1の制御電圧源 208…第2の制御電圧源
209…第3の制御電圧源 210…入出力線路
301…液晶層 302…セラミクス基板
303…第1の可変共振器 304…第2の可変共振器
305…第3の可変共振器 306…グランド電極
307…第1の制御電圧源 308…第2の制御電圧源
309…第3の制御電圧源 310…入出力線路
401…第1のストリップ導体 402…第2のストリップ導体
403…第3のストリップ導体 404…第4のストリップ導体
405…第5のストリップ導体 501…液晶層
502…セラミック基板 503…ストリップ導体
504…グランド電極 505…制御電圧源
506…入出力線路

Claims (4)

  1. 誘電率が電気的制御信号により変化する誘電体材料からなる誘電体層と、前記誘電体層を介して対向する、もしくは前記誘電体層の同一面に並行して配置される第1の電極と複数の第2の電極とにより構成される複数の可変共振器と、前記第1の電極と前記複数の第2の電極のそれぞれとの間にそれぞれ電圧を印加する複数の電源とを備え、前記複数の可変共振器が隣接する可変共振器間で電磁結合されている周波数可変フィルタであって、前記電源から前記第1の電極と前記各第2の電極間に印加する電圧を制御し、前記誘電体層の誘電率を変化させ前記複数の可変共振器の共振周波数を変化させ、中心周波数及び帯域幅を可変とすることを特徴とする周波数可変フィルタ
  2. 誘電率が電気的制御信号により変化する誘電体材料からなる誘電体層と、前記誘電体層を介して対向する、もしくは前記誘電体層の同一面に並行して配置される第1の電極と複数の第2の電極群とにより構成される複数の可変共振器と、前記第1の電極と前記第2の電極群の各第2電極それぞれとの間にそれぞれ電圧を印加する複数の電源とを備え、前記各第2の電極群はその中の各第2の電極が隣接する電極間で第1の電磁結合がされ一つの可変共振器として動作し、前記複数の可変共振器が隣接する可変共振器間で前記第1の電磁結合より弱い第2の電磁結合されている周波数可変フィルタであって、前記各電源から前記第1の電極と前記第2の電極群の各第2の電極間に印加する電圧を制御し、前記誘電体層の誘電率を変化させ前記複数の可変共振器の共振周波数を変化させ、中心周波数及び帯域幅を可変とすることを特徴とする周波数可変フィルタ。
  3. 請求項1または2に記載の可変共振器において、前記誘電体層は液晶層からなることを特徴とする周波数可変フィルタ
  4. 請求項1または2に記載の可変共振器において、前記誘電体層は繊維を絡み合わせて形成した平板状部材あるいは多孔質膜に液晶を含浸させた繊維誘電体からなることを特徴とする周波数可変フィルタ
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