JP4536081B2 - インクジェット記録材料 - Google Patents
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Description
このような中、紙支持体を用いた記録材料が溶剤インクプリンタで記録される様になってきている。これは塩化ビニルフィルムの環境負荷が大きいことから、これを避ける動きがあることが理由であると考えられる。
しかしながら、特許文献1記載の発明では溶剤インクプリンタで記録した際のインクが乾くまでの時間が非常に長く(以降、インク速乾性という)ハンドリングしにくい欠点があり、また溶剤インクの溶剤が蒸散した後に塗層にクラックが生じ記録品質を著しく低下させることがある。また特許文献2記載の発明では速乾性は確保できるものの、インクが付着した箇所を乾燥後に擦った場合にインクが塗層から欠落してしまう事(以降、耐スクラッチ性という)があった。
本発明のインク受容層には、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、色味調整剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など各種の添加剤を添加することもできる。
(インク受容層塗工液の調整)
水40部に湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)10部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。ついで引張り強さ35MPa、伸び480%の、ポリオールとしてポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンの濃度35質量%のラテックス257部を添加・混合しインク受容層塗工液を得た。
坪量157g/m2の紙支持体(三菱製紙株式会社製ダイヤフォーム)上に、インク受容層塗工液をマイヤーバーを用いて乾燥後の塗抹量が10g/m2となるように塗工し、熱風型乾燥器を用いて乾燥させた。ついで塗層表面のベック平滑度が400秒となるようにカレンダーを用いて処理し実施例1のインクジェット記録材料を得た。
インク受容層塗工液のポリウレタンラテックスに代え、引張り強さ40MPa、伸び700%の、ポリオールとしてポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンラテックスを用いた以外は実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を作製した。
インク受容層塗工液のポリウレタンラテックスに代え、引張り強さ50MPa、伸び600%の、ポリオールとしてポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンラテックスを用いた以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を作製した。
ポリウレタンラテックス257部の添加に代え、ポリウレタンラテックス114部を添加する以外は実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を作製した。
ポリウレタンラテックス257部の添加に代え、ポリウレタンラテックス34部を添加する以外は実施例1と同様にして実施例5のインクジェット記録材料を作製した。
インク受容層塗工液を乾燥後の塗抹量を5.5g/m2となるように塗工する以外は実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録材料を作製した。
インク受容層塗工液を乾燥後の塗抹量を14g/m2となるように塗工する以外は実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録材料を作製した。
インク受容層塗工液を乾燥後の塗抹量を3.5g/m2となるように塗工する以外は実施例1と同様にして実施例8のインクジェット記録材料を作製した。
インク受容層塗工液を乾燥後の塗抹量を18g/m2となるように塗工する以外は実施例1と同様にして実施例9のインクジェット記録材料を作製した。
湿式合成シリカ10部を添加しない以外は実施例1と同様にして比較例1のインクジェット記録材料を作製した。
湿式合成シリカの添加部数10部の代わりに3部とすること以外は実施例1と同様にして比較例2インクジェット記録材料を作製した。
水40部の代わりに水400部を使用し、湿式合成シリカ10部の代わりに100部使用すること以外は実施例1と同様にして比較例3のインクジェット記録材料を作製した。
インク受容層塗工液のポリウレタンラテックスに代え、引張り強さ22MPa、伸び750%の、ポリオールとしてポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンラテックスを用いた以外は実施例1と同様にして比較例4のインクジェット記録材料を作製した。
インク受容層塗工液のポリウレタンラテックスに代え、引張り強さ45MPa、伸び800%の、ポリオールとしてポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンラテックスを用いた以外は実施例1と同様にして比較例5のインクジェット記録材料を作製した。
インク受容層塗工液のポリウレタンラテックスに代え、引張り強さ47MPa、伸び430%の、ポリエステル系ポリウレタンラテックスを用いた以外は実施例1と同様にして比較例6のインクジェット記録材料を作製した。
インク受容層塗工液のポリウレタンラテックスに代え、引張り強さ55MPa、伸び300%のポリカーボネート系ポリウレタンラテックスを用いた以外は実施例1と同様にして比較例7のインクジェット記録材料を作製した。
湿式合成シリカの代わりに、平均粒子径4μmの軽質炭酸カルシウムを使用する以外は実施例1と同様にして比較例8のインクジェット記録材料を作製した。
(発色濃度評価)
所定の評価画像を印字した後、室温にて24時間乾燥後、グラタグマククベス製光学濃度計にて黒色印字部の画像濃度を測定した。1.5以上の値であれば十分な発色濃度であると言える。
所定の評価画像を印字した後、室温にて30分放置後、印字部をコピー用紙と重ね合わせ、印字部のコピー用紙への転写を目視で観察した。評価基準としてA(転写がなく非常に良好)、B(若干転写が見られるが実用上問題ない)、C(転写が見られ実用上問題となる可能性がある)、D(転写が顕著に見られ実用上問題となる)に分類し評価した。
インクジェット記録材料を20℃の水に24時間浸漬した後取り出し、直ちにインク受容層表面を指にて5回強くこすり、インク受容層の欠落状況を目視で観察した。評価基準としてはA(まったくインク受容層の欠落が観察されず良好)、B(若干欠落が観察されるが実用上問題ない)、C(欠落が見られ実用上問題となる可能性がある)、D(欠落が顕著に見られ実用上問題となる)に分類し評価した。
所定の評価画像を印字した後、室温にて24時間乾燥後、印字部にコピー用紙を重ね合わせた。その上に質量1kg、直径53mmの分銅を置き横にコピー用紙とともに横に引いた後のコピー用紙への印字部発色成分の付着状況を目視で観察した。評価基準としてはA(まったく発色成分が付着しておらず良好な耐スクラッチ性)、B(若干付着が見られるが実用上問題ない)、C(付着が見られ実用上問題となる可能性がある)、D(付着が顕著で実用上問題となる)に分類し評価した。
Claims (2)
- 紙支持体に、インク受容層が形成されているインクジェット記録材料において、該インク受容層に、ポリエーテルポリオールを原料としてなるポリウレタン樹脂とシリカを含有し、ポリウレタン樹脂とシリカの質量比が95:5〜50:50であり、かつ該ポリウレタン樹脂の、JIS K 7311に規定される引張り強さが30〜70MPa、伸びが300〜700%であり、シリカの粒子径が0.1μm以上10μm以下であることを特徴とするインクジェット記録材料。
- 該インク受容層の乾燥後の塗抹量が5〜15g/m2である請求項1記載のインクジェット記録材料。
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