JP4535414B2 - リニヤスケールにおける原点信号の自動設定装置 - Google Patents

リニヤスケールにおける原点信号の自動設定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二物体間の相対移動量を測定するリニヤスケールにおける原点信号の自動設定装置及び調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械等において、被加工物に対する工具の相対移動量を正確に測定することは、精密加工を行う上で極めて重要であり、このための測定装置が種々製品化されている。
そのひとつとして、光学格子を2枚重ね合わせることにより得られるモアレ縞を利用した光学式スケールが従来から知られている。この光学式スケールは、図7に示すように透明のガラススケール100の一面に透光部と非透光部が所定のピッチで配列するよう格子(刻線)を設けたメインスケール101と、透明のガラススケール102の一面に透光部と非透光部が所定のピッチで配列するよう格子(刻線)を設けたインデックススケール103とを有し、同図(a)に示すように、このメインスケール101にインデックススケール103を微小間隔を持って対向させるとともに、同図(b)に示すように、メインスケール101の格子に対し微小角度傾けられるようにインデックススケール103の格子を配置している。
【0003】
なお、メインスケール101及びインデックススケール103に設けた格子は、ガラススケール100、102にクロムを真空蒸着し、エッチングすることにより形成された同一ピッチの格子により形成されている。
このように配置すると、図7(c)に示すモアレ縞が発生する。このモアレ縞の間隔はWとなり、間隔W毎に暗い部分あるいは明るい部分が発生する。この暗い部分あるいは明るい部分は、メインスケール101に対し、インデックススケール103が相対的に左右に移動する方向に応じて上から下、あるいは下から上に移動していく。この場合、メインスケール101及びインデックススケール103の格子のピッチをP、相互の傾斜角度をθ[rad]とすると、モアレ縞の間隔Wは、
W=P/θ
と示され、モアレ縞の間隔Wは、光学的に格子間隔Pを1/θ倍に拡大した間隔とされていることになる。このため、格子が1ピッチP移動すると、モアレ縞はWだけ変位することになり、Wの上下方向の変化を読み取ることにより、ピッチP内の移動量を精密に測定することができるようになる。
【0004】
例えば、図8に示すようにモアレ縞の変化を光学的に検出する光電変換素子110をインデックススケールに設け、メインスケールの反対側に光源を設けるようにして、メインスケール101に対しインデックススケール103を相対的に移動させながら、この光電変換素子110に流れる電流の変化を読み取る。
すなわち、モアレ縞のパターンがAの状態となっていると、光電変換素子110に照射される光量は最も多くなり、光電変換素子110に流れる電流は最大値I1 となる。次に、相対的に移動してBの状態になると光電変換素子110に照射される光量はやや減少し、その電流はI2 となり、更に、移動してCの状態になると光電変化素子110には最も少ない光量が照射され、その電流も最も小さいI3 となる。そして、更に移動してDの状態になると光電変換素子110に照射される光量はやや増加し、その電流はI2 となり、Eの状態になるまで移動すると、再び最も光量の多い位置となり、その電流は最大値I1 となる。
このように、光電変換素子110に流れる電流は正弦波状に変化するとともに、その変化が1周期経過した時に、格子間隔Pだけメインスケール101とインデックススケール103とが相対的に移動したことになる。
【0005】
図8においては、光電変換素子110を一つだけ設けるようにしたが、図9に示すように、一周期(間隔W)と90゜ずらせて2つの光電変換素子111、112を設けるようにすると、A相の光電変換素子111に流れる電流に対してB相の光電変換素子112に流れる電流は、図10に示すように90゜偏移した電流となる。すなわち、A相の光電変換素子111に流れる電流をサイン波とすると、B相の光電変換素子112に流れる電流はコサイン波となる。
この場合、メインスケール101とインデックススケール103との相対的な移動方向により、A相の光電変換素子111に流れる電流に対するB相の光電変換素子112に流れる電流の位相は90゜進相あるいは90゜遅相となるため、90゜ずらせて配置した2つの光電変換素子を設けると、両者の間の位相を検出することにより相対的な移動方向を検出することができる。
なお、A相信号及びB相信号を180°反転した−A相信号及び−B相信号も同時に出力されるようになっている。反転した信号を利用するのは、検出信号に含まれる直流成分を除去すると共に、信号の信頼性及び高速追従性の確保のためである。
【0006】
以上説明した原理を利用した光学式スケールの斜視図の概要を図11に示す。
この図において、細長いメインスケール101の一面には蒸着されたクロムにより形成された同一ピッチの格子が刻線されており、このメインスケール101を抱持するコの字形ホルダ104の一面にインデックススケール103が固着されている。このインデックススケール103のメインスケールに対向する面には、メインスケール101と同様に蒸着されたクロムにより形成された同一ピッチの格子が刻線されており、このインデックススケール103の裏側には光電変換素子113が設けられている。
【0007】
さらに、図12に示すようにコの字形ホルダ104のメインスケール101の反対側に位置する面には、光源105を配置してメインスケール101とインデックススケール103を透過する光を光電変換素子113によって検出するように構成している。
そして、メインスケール101とインデックススケール103とは互いに移動可能とされている。
なお、前記したようにメインスケール101の格子(刻線)に対してインデックススケール103の格子(刻線)は微小間隔を持って対向しているとともに、微小角度傾けられるようにされている。
【0008】
このように構成された光学式スケールの原理構造の横断面図12から、光源105から照射された光はガラス製のメインスケール101を透過し、さらにガラス製のインデックススケール103を透過した後、光電変換素子113によりモアレ縞として受光される。
この光電変換素子113からは前記図10に示す互いに90゜の位相差を有するA相の信号とB相の信号とが出力され、この2つの信号から前記のように移動方向及び移動距離を測定することができる。
なお、光電変換素子113には3個の光電変換素子が設けられているが、そのうちの2つは上記A相の信号とB相の信号とを出力し、残る一つは基準レベルの信号を出力している。そして、この基準レベルの光電変換素子により受光された光量を、正弦波状に変化しているA相、またはB相の平均信号レベル(ゼロレベル)となるように設定することにより、さらに精度の高い検出信号とすることができるようになる。
【0009】
ところで、このように構成された光学式スケールは、NC工作機械に取りつけられて被加工物と工具との相対的移動量を測定しているが、一般に数値制御する場合は原点からの移動量としてプログラムされるため、この相対的移動量は原点からの移動量として測定する必要がある。そこで、通常メインスケールに予め原点位置が設けられ、この原点位置をインデックススケールが通過した時に原点が検出され、この原点検出信号はNC装置に供給されてNC装置をリセットすることにより、原点位置をNC装置にセッティングするようにしていた。
そこで、上記したような光電式リニヤスケールにおいて図13(a)に示すようにメインスケール101の刻線位置とは異なる所定のトラック位置に、基準点となる原点Zを示す刻線(格子)109を設け、この原点となる格子109、及びインデックススケール103を通過する光をモアレ縞として検出する光電変換素子を配置しておくと、メインスケール101とインデックススケール103が特定の位置関係になっているときだけを原点の信号として検出することができるようになる。
【0010】
すなわち、図13(b)に示すように、この原点Zの位置においてもメインスケール101の1ピッチPの間で11の場合と同様に変化する太線の信号Szが原点位置検出信号として検出されるから、この原点位置検出信号Szの波形のピーク点を、例えば同図(b)に示すように所定のレベルTHでクリップして原点パルス信号Pzを形成すると、この原点パルス信号Pzの立ち上がり点をメインスケールの原点Zとするか、原点パルス信号Pzのピーク位置を検出してメインスケールの原点Zとすることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この原点の位置検出信号Sz(以下、「原点信号Z」という。)は、一般的にメインスケール101とインデックススケール103の相対的な移動によって検出されるが、原点信号Zは前記A相信号、またはB相信号に対して非同期で動作していたので、図13(c)に示すように、A相信号とB相信号の1ピッチの間の位相領域(1、2、3、4で表示される4つの位相エリア)のどこで原点信号ZのピークP(以下、「Z相」ともいう)が検出されるかは、原点信号Zを出力させてからでなければ分からなかった。図13(c)では、1ピッチ内の位相エリア1で原点信号ZのピークPが検出されている。
【0012】
アナログ出力型スケールにおいては、Z相が、A相、B相に対して、図13(c)に示すようにある決まった位相エリア1〜4(同期)で出力せることがほぼ規格化されている。このため、スケールを調整する際、通常はz相の検出タイミングを調整するという手法をとり、タイミングを合わせている。
しかし、z相の検出素子を調整することはかなり困難であるため、本出願人は先に、フォトセルで検出されたA(−A)相信号、及びB(−B)相信号を入れ替えることを提案した。
しかしながら、この調整作業は、手作業により信号の選択をするためのチップジャンパー等を付け替えて変更することによって行われるため、かなり困難な作業であった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の原点位置設定装置はかかる問題点を解消することを目的としてなされたもので、
請求項1の発明は、移動方向に対して等間隔な目盛を設けたスケールと、
前記スケールの相対的な移動量を正弦波状のA相信号、該A相信号を反転した−A相信号、前記A相信号に対して90度移相されているB相信号、該B相信号を反転した−B相信号からなる4組の計測信号として検出すると共に、前記スケールの原点通過位置を示す原点信号を検出する検出手段と、前記4組の計測信号の極性をそれぞれ2値信号に変換する変換手段と、前記4組の計測信号から相互に90度の位相差を有するA相計測信号、及びB相計測信号形成する信号合成手段と、前記信号合成手段に対して前記4組の計測信号を選択的に供給するスイッチング手段と、前記変換手段の出力データに基づいて前記スイッチング手段を切換制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は前記信号合成手段から出力される前記A相計測信号、またはB相計測信号の所定の位相領域と、前記原点信号の出力タイミングが一致するように前記スイッチング手段を制御するように構成した。
【0014】
また、請求項2に記載の発明では、移動方向に対して等間隔な目盛を設けたスケールと、前記スケールの相対的な移動量を正弦波状のA相信号、該A相信号を反転した−A相信号、前記A相信号に対して90度移相されているB相信号、該B相信号を反転した−B相信号からなる4組の計測信号として検出すると共に、前記スケールの原点通過位置を示す原点信号を検出する検出手段と、
前記4組の計測信号から相互に90度の位相差を有するA相計測信号、及びB相計測信号形成する信号合成手段と
前記A相計測信号、及びB相計測信号の極性を2値信号に変換する変換手段と、
前記信号合成手段に対して前記4組の計測信号を選択的に供給するスイッチング手段と、前記変換手段の出力データに基づいて前記スイッチング手段を切換制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は前記信号合成手段から出力される前記A相計測信号、またはB相計測信号の所定の位相領域と、前記原点信号の出力タイミングが一致するように前記スイッチング手段を制御するように構成した。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のリニヤスケールにおける原点信号の自動設定装置の実施の態様を以下の図面に従い説明する。
【0016】
図1は、本発明の原点信号の自動設定装置の実施の態様の第1の例を示し、A相、−A相、B相、−B相用の検出素子11〜15からなるフォトセルと、原点検出用のフォートセル15からなる検出手段10、検出された各相の信号を所定のレベルとなるように増幅する電流/電圧増幅器21,22,23,24(以下、I/V変換器)を備えている増幅手段20、各相用の信号の極性を2値信号に変換するコンパレータ31〜34、アナログマトリックススイッチ(以下、AMスイッチという)40、差動増幅器60a、60bより構成されている。AMスイッチ40は、4入力1出力のものを使用する。
【0017】
検出手段10からの各信号は、I/V変換器21〜24によって電流/電圧変換され所定のレベルとされた後、AMスイッチ40に入力されるとともに、コンパレータ31〜34によって信号の極性は2値信号に変換され、CPU50に入力される。AMスイッチ40に入力された各相の信号は、出力信号SA、−SA、SB、−SBとして出力され、出力信号SA、−SAは、差動増幅器60aによって加算されて計測用のA相信号として出力され、SB、−SBは、差動増幅器60bによって加算されて計測用のB相信号として出力される。
【0018】
原点信号Zは、A/D変換器50bによってアナログ/デジタル変換後、CPU50に入力され、CPU(制御部)50は原点信号Zの発生タイミングをサンプリングして記憶する、そしてこのタイミングで、Z相ピーク時のA相、−A相、B相、−B相の位相の状態を上記コンパレータ31〜34の出力データから判別する。
【0019】
CPU50は、Z相の発生タイミングが図3に示す各相信号のピッチPのどの位相エリアと同期しているかを検知し、Z相の発生タイミングが出力されている位相エリアと次の位相エリアが共に正である信号を出力信号SA相信号とし、原点信号のピークが出力されている位相エリアが正で、次の位相エリアが負となる信号を出力SB相信号となるように、AMスイッチ40の接続状態を変更する。
なお、選択したAMスイッチ40の切り換え制御データは、EEPROM50aに記憶させておく。
【0020】
図2は、本発明の実施の態様の原点信号の自動設定の概念を示す波形図である。
この図のおいて、各リサージュ波形は、先に示したようにスケールが移動することによって検出される正弦波状の信号を示しており、1Pはスケールの刻線間を通過する周期を示す。
A相信号(以下、A相という)、A相信号を反転させた−A相信号(以下、−A相という。)、B相信号(以下、B相という。)、B相信号を反転させた−B相信号(以下、−B相という。)は、時間t0〜t1及び時間t1〜t2の間に1ピッチの信号として出力されたもので、1ピッチ(以下、1Pという。)間のA相、−A相、B相、−B相の信号を4つの位相エリア(0〜90度,90〜180度,180〜270度,270〜360度)に分け、次の図3にで示すように0〜90度の位相エリアを▲1▼、90〜180度の位相エリアを▲2▼、以下同様に▲3▼、▲4▼の位相エリアを設定する。図2の波形パターンP1〜P4はこの位相エリアの特定のエリア、例えばA相信号及びB相信号が共に正となる極性で斜線で示したZ相信号が出力されるていることを示す。
【0021】
図3は、A相信号に対してB相信号進んでいるときに、A相、−A相、B相、−B相の信号が、1P内の各位相エリアで正の信号の場合を1、負の信号の場合を0とし、図2に示したように各位相エリアに原点信号Z1〜Z4が出力された場合を2値信号1,0でパターン化したものである。
【0022】
前述のように、アナログ出力型スケールにおいては、Z相が、計測信号となるA相、B相に対して、A相、B相が共に正の位相エリアで出力させることがほぼ規格化されている。
このため、スケールを調整する際、検出されたA(−A)相、B(−B)相の信号をZ相信号のタイミングに合わせて選択するという手法をとることができる。 つまり、Z相の出るタイミングにあわせて、フォトセルから検出されたA相、−A相、B相、−B相の信号を入れ替えることで、Z相の原点信号が計測用のA相信号、及びB相信号の決められた位相領域に入るようにしている。
【0023】
各発生タイミングを示す原点信号をZ1〜Z4とすると、この信号の出力発生タイミングと図2の波形パターンP1〜P4、および図3の極性パターンとの関係は、次の通りに表記される。
Figure 0004535414
【0024】
Z相の出力のタイミングで計測用のA相、B相が共に正の位相エリアとなるように調整するには、A(−A)相、B(−B)相の信号を入れ替えることで位相を変化させるようにする。
つまり、図3から明らかなように、位相エリア▲1▼では原点信号のピークが出力されているタイミングで位相エリヤが正となり、次の位相エリアも正である信号を計測用のA相信号とし、この信号を形成するために差動増幅器の60aに入力されるSA信号としてA相信号を、−SA信号として−A相信号を選択する。
また、この位相エリアでは計測用のB相信号を形成する差動増幅器60bには、SB信号としてB相信号を、−SB信号として−B相信号を取り込むようにAMスイッチを制御する。
【0025】
このように、波形パターン1は、原点信号Z1の発生タイミングが位相エリア1と同期している場合であり、位相エリア▲1▼で出力されたA相、B相は共に正であるので、各相の信号をそのまま出力信号SA、SBとして取り込み、その反転信号を−SA信号、−SBとして取り込めばよいことになる。
A→SA −A→−SA、B→SB −B→−SB
【0026】
波形パターン2は、原点信号Z4の発生タイミングが位相エリア▲4▼と同期している場合である。各相の信号中で、原点信号のピークが出力されている位相エリアと次の位相エリアが共に正の信号は、検出されたB相の信号であるので、B相信号を出力信号SA相信号として取り込み、原点信号のピークが出力されている位相エリアが正で、次の位相エリアが負の信号は、−A相信号であるのでこの信号を出力信号SB相信号として取り込めばよいことになる。
B→SA −B→−SA、−A→SB A→−SB
【0027】
波形パターン3は、原点信号Z2の発生タイミングが位相エリア▲2▼と同期している場合である。各相の信号中で、原点信号のピークが出力されている位相エリアと次の位相エリアが共に正の信号は検出された−B相であるので、−B相信号を出力信号SA相信号として取り込み、原点信号のピークが出力されている位相エリアが正で、次の位相エリアが負の信号は、A相信号であるので出力信号SBとして取り込めばよいことになる。
−B→SA B→−SA、A→SB −A→−SB
【0028】
波形パターン4は、原点信号Z3の発生タイミングが位相エリア▲3▼と同期している場合である。各相の信号中で、原点信号のピークが出力されている位相エリアと次の位相エリアが共に正の信号は、検出された−A相であるので、−A相信号を出力信号SA相信号として取り込み、原点信号のピークが出力されている位相エリアが正で、次の位相エリアが負の信号は、−B相信号であるので出力信号SBとして取り込めばよいことになる。
−A→SA A→−SA、−B→SB B→−SB
なお、パターン4は、このまま使用すると、極性が逆転してしまうので、後の処理で、−A相、−B相を入れ替えて使う必要がある。
【0029】
図4は、上記したように検出されるB相の信号がA相の信号に対して位相が進んでいるときに適応されるAMスイッチ40の切り換え回路を示し、41〜46は連動してP1〜P4を選択するように制御されるものである。
初期設定を示している図4の各スイッチ41〜44の位置は波形パターンP1の接続状態とされる。CPU50によって検知された各相の位相の状態がこのパターン1であれば、スイッチの接続は変更されず、そのまま、出力信号SA、−SA、SB、−SBとして出力され、差動増幅器60a、60bによって加算されて、計測用のA相信号、B相信号として出力される。
【0030】
同様に、検出された各相信号の位相の状態が、波形パターン2の状態であれば、各スイッチ41〜44は、P2の接点に切り替えられ、同様にパターンP3であれば、各スイッチ41〜44は、P3の接点に切り替えられ、パターンP4であれば、各スイッチ41〜44は、P4の接点を選択して切り替えられ、Z相の発生タイミングが、常にA相信号、B相信号が正である位相の位相エリアと同期することになる。
【0031】
図5は、実施の態様の第1の例の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS11において、まずA相信号、−A相信号、B相信号、−B相信号の4つの各相信号を検出し、ステップS12において原点信号を検出する。次いで、ステップS13において4つの各相信号を、図3に示されているような極性に対応したデジタル信号化を行い、ステップS14においては、原点信号のデジタル信号化を行う。
【0032】
次いで、ステップ15において、原点信号の発生タイミングを検出して、原点信号の発生タイミングが、図3に示す、Z1〜Z4の何れのタイミングと同期しているか検出する。ステップS16では、ステップ15で検出された原点信号の発生タイミングが1P内のどの位相エリア(4つの各相信号の4つの極性タイミング)であるかを特定する。つまり、4つの各相信号の極性タイミングがパターンP1〜P4の何れかを特定することになる。
【0033】
各相信号と原点信号の同期タイミングが特定されると、ステップ17において、同期している各相信号の極性タイミングを、予めCPU50に記憶されている所定の各相信号の極性タイミング(本例の場合は、パターンP1の極性タイミング)と一致するように、CPU50はAMスイッチ40のスイッチを切替えるよう制御するため、AMスイッチ40は、所定の極性タイミングを持つA相信号、−A相信号、B相信号、−B相信号を出力することができる(ステップS18)。
【0034】
図6は、本発明の第2の実施の形態を示すブロック図であり、図1と同一機能の部材は、同一の図番が付されている。
図6においてAMスイッチ40は、先に示した図1の例と同様にマトリックス接続を使用した4個のスイッチにより構成される。
本実施の形態では差動増幅器60a、60bから出力された計測用のA相信号、B相信号の極性をコンパレータ70a、70bにより2値化し、デジタル信号AD、BDとしてCPU50に取り込んでいる。
【0035】
スケールが移動することによって変化する計測用のA相信号、B相信号を2値化されたAD信号、BD信号のパターンは、「11」→「10」→「00」→「10」と変化するので、この変化の中で原点信号が出力されたタイミングで「11」のパターンとなるようにAMスイッチ40を制御し、選択されたA(−A)相信号、B(−B)相信号を差動増幅器60(a、b)に供給する。
なお、AMスイッチ40の構成は、図4と同様なので説明は、省略する。
【0036】
ところで、原点信号Zが出力されるZ相の信号タイミングと、90度移相しているA相信号とB相信号の各位相エリヤ▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼の関係は、先に図3で示したように、4つのパターン以外に考えられないから、この実施例の場合も結果的にはAMスイッチ40の切換回路は図1の場合と特に変更されることはない。
【0037】
したがって、CPU50は先に示したAMスイッチ40の切換マトリックス回路を使用して切り換え制御を行えば良く、例えば、スケールを動かして原点信号が出力されたタイミングで、上記2値化された信号AD、BDが共に1.1となるまでAMスイッチ40の接点P1、P2、P3、P4を切り換えて行けば、少なくとも3回の切り換え制御を実行するだけで、原点位置の設定が自動的に行われる筈である。
【0038】
なお、原点信号の発生タイミングと、A相信号、B相信号の位相位置は、上記例に限らず、AMスイッチのマトリックス接続回路を変更することにより1ピッチ内のどの位相エリアにも設定できることはいうまでもない。
また光学式リニアスケールに限定されることなく、例えば磁気的に相対的な移動量を検出するスケールに適応することも可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したように、スケールが原点信号を通過するだけで、最適な原点信号の発生タイミングとA相信号、B相信号の位相位置とを自動的に調整ができるので、調整作業が簡単になる。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の態様を示す原点設定の装置のブロック図である。
【図2】本発明の原点信号の発生タイミングをA相信号とB相信号で示した波形図である。
【図3】各相信号の1ピッチの位相エリア毎の極性と、Z相の発生タイミングの位置するタイミングの関係を極性パターンとして示すパターン図である。
【図4】本発明の実施の態様のアナログマトリックススイッチの回路構成を示す回路図である。
【図5】本発明の原点設定を行う際、CPUに関わる信号処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の態様の第2の例を示す原点設定装置のブロック図である。
【図7】光学式スケールの原理図、及びモアレ縞を示す図である。
【図8】モアレ縞の移動を示す図である。
【図9】光電変換素子を設置する位置を示す図である。
【図10】−A相信号と−B相信号との波形図である。
【図11】光学式スケールの斜視図である。
【図12】光学式スケールの断面図である。
【図13】原点位置を検出する格子と、その検出波形を示す説明図である。
【符号の説明】
10 フォトセル、31〜34 コンパレータ、40 アナログマトリックススイッチ、50 CPU、60 差動増幅器

Claims (2)

  1. 移動方向に対して等間隔な目盛を設けたスケールと、
    前記スケールの相対的な移動量を正弦波状のA相信号、該A相信号を反転した−A相信号、前記A相信号に対して90度移相されているB相信号、該B相信号を反転した−B相信号からなる4組の計測信号として検出すると共に、前記スケールの原点通過位置を示す原点信号を検出する検出手段と、
    前記4組の計測信号の極性をそれぞれ2値信号に変換する変換手段と、
    前記4組の計測信号から相互に90度の位相差を有するA相計測信号、及びB相計測信号形成する信号合成手段と
    前記信号合成手段に対して前記4組の計測信号を選択的に供給するスイッチング手段と、
    前記変換手段の出力データに基づいて前記スイッチング手段を切換制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は前記信号合成手段から出力される前記A相計測信号、またはB相計測信号の所定の位相領域と、前記原点信号の出力タイミングが一致するように前記スイッチング手段を制御するように構成したことを特徴とするリニヤスケールにおける原点自動設定装置。
  2. 移動方向に対して等間隔な目盛を設けたスケールと、
    前記スケールの相対的な移動量を正弦波状のA相信号、該A相信号を反転した−A相信号、前記A相信号に対して90度移相されているB相信号、該B相信号を反転した−B相信号からなる4組の計測信号として検出すると共に、前記スケールの原点通過位置を示す原点信号を検出する検出手段と、
    前記4組の計測信号から相互に90度の位相差を有するA相計測信号、及びB相計測信号形成する信号合成手段と
    前記A相計測信号、及びB相計測信号の極性を2値信号に変換する変換手段と、
    前記信号合成手段に対して前記4組の計測信号を選択的に供給するスイッチング手段と、
    前記変換手段の出力データに基づいて前記スイッチング手段を切換制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は前記信号合成手段から出力される前記A相計測信号、またはB相計測信号の所定の位相領域と、前記原点信号の出力タイミングが一致するように前記スイッチング手段を制御するように構成したことを特徴とするリニヤスケールにおける原点自動設定装置。
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