JP4535237B2 - 五酸化アンチモンゾル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化純度の高い五酸化アンチモンゾルの製造方法に関する。
五酸化アンチモンゾルは、プラスチック、繊維などの難燃助剤、プラスチック、ガラスの表面処理剤用マイクロフィラー、無機イオン交換体、触媒成分、顔料成分等として使用されているもので、一般的には、有機塩基で安定化した高濃度ゾル(Sbとして30〜50重量%含有する。)が使用されている。
これまで五酸化アンチモンゾルは以下の方法で得られたものが知られている。
アンチモン酸アルカリ塩を陽イオン交換樹脂で脱イオンする方法(特許文献1、及び特許文献2)、
またアンチモン酸アルカリを無機酸と反応させた後に解膠する方法(特許文献3及び特許文献4)、等が知られている。
上記以外の方法としては三酸化アンチモンを高温下で過酸化水素水により酸化する方法(特許文献5、特許文献6、特許文献7、及び特許文献8)が報告されている。
更に三酸化アンチモンと過酸化水素水との酸化反応時に無機系アルカリ性物質を添加し、粒子径制御を行う方法(特許文献9、特許文献10及び特許文献11)が報告されている。
また三酸化アンチモンと過酸化水素水との酸化反応の際にSiOとして0.1〜50wt%の無機珪酸化合物の存在下に行いオルガノゾル化に際し、優れた安定性を示すゾルの製造方法(特許文献12)が開示されている。
米国特許4110247号公報 特公昭57−11848号公報 特開昭60−41536号公報 特開昭61−227918号公報 特公昭53−20479号公報 特開昭52−21298号公報 特開昭52−123997号公報 特開昭52−131998号公報 特開昭59−232921号公報 特開昭60−137828号公報 特開平2−180717号公報 特公平7−25549号公報
上述した従来の五酸化アンチモンゾルの製造方法には以下のような問題がある。
イオン交換法による五酸化アンチモンゾルは球に近い形状を有していることから、分散性が良く、安定性も良好である特徴を有している。しかし、このイオン交換法では粒子径の制御が困難であり、粒子径が小さく、透明性の高いゾルを得られない欠点や五酸化アンチモン(Sb)濃度10重量%以上で製造することが困難であり、また、イオン交換樹脂の分離、再生操作を行うため操作が煩雑等の欠点を有している。
また、高温下の酸化法では直接五酸化アンチモンとして30%程度の高濃度のゾルを得ることができるが粘度が高くなり、しかもコロイド粒子の形状は異形で分散性が悪く、表面活性が大きいため樹脂エマルジョン等との相溶性が悪いという欠点を有している。
また、酸化法により得られる五酸化アンチモンゾルの安定性を改良する方法として、五酸化アンチモンゾルの製造時に無機系アルカリ性物質を添加し、粒子径制御を行う方法が提案されている。しかしこの無機系アルカリ物質添加反応では生成する五酸化アンチモンゾルの黄色の色調が強くなる欠点を有し、コート剤用マイクロフィラーとして使用したときに制限が生じてくる。
また、無機珪酸化合物の存在下で製造されるシリカ酸化アンチモン複合ゾルは組成中にシリカを含有するため、ゾル自体の屈折率が低下する欠点を有している。
上記の従来の酸化法では、例えば反応をH/Sbモル比で2.0を越えた過剰量の3.0で行ったとしてもSb(III)がSb/Sb重量%で5%以下にすることは容易でなく、この残存するSb(III)のため一部中間酸化状態をとり、得られたゾルの黄色の色調が強く(黄色度(YI値)が高く)なり、透明コーティング材用途では使用に制限を生じるという欠点を有している。
本発明の目的は上述した従来の五酸化アンチモンゾルの製造方法の問題点を除いた、工業的に酸化純度の高い五酸化アンチモンゾルの製造方法に関する。
本願発明は第1観点として、高次金属酸化物塩であるタングステン酸塩又はモリブデン酸塩の存在下、三酸化アンチモン分散液と過酸化水素水とを反応する2〜50nmの一次粒子径を有し、且つSb /Sb 重量比が4重量%以下である五酸化アンチモン粒子を含有するゾルの製造方法、
第2観点として、高次金属酸化物塩であるタングステン酸塩又はモリブデン酸塩と三酸化アンチモンとを、その酸化物換算でMO/Sb=0.15〜10重量%の割合で存在させる第観点に記載の五酸化アンチモン粒子を含有するゾルの製造方法、及び
第3観点として、過酸化水素と三酸化アンチモンとの混合が、H/Sbモル比で2.0の割合で反応させる第1観点又は第2観点に記載の五酸化アンチモン粒子を含有するゾルの製造方法である。
本願発明の五酸化アンチモンゾルは、プラスチック、繊維などの難燃助剤、無機イオン交換体等の用途に使用される他、ゾルの一次粒子径が5〜30nmのものは、透明性、分散性に優れているため、特にプラスチック、ガラス等の透明基材の表面に塗布して屈折率の調整、紫外線遮断などを行うコーティング剤用マイクロフィラーとして有用である。
本願発明は、2〜50nmの一次粒子径を有し、且つSb/Sb重量比が4重量%以下である五酸化アンチモン粒子を含有するゾルである。
ここで、1次粒子径とは凝集形態にある粒子の直径ではなく、個々に分離した時の1個の粒子の直径であり、電子顕微鏡によって測定することができる。
上記ゾルの製造方法は、原料となる三酸化アンチモン粉末は平均粒径が100μm以下であれば使用することができるが、分散性や過酸化水素水との反応性等の観点から、特に10μm以下であることが好ましく、通常は1〜5μmの範囲の三酸化アンチモン粉末が好ましく用いられる。
本願発明で使用される高次金属酸化物塩はタングステン酸塩、及びモリブデン酸塩が上げられる。
タングステン酸塩としては、タングステン酸ナトリウム(NaWO)、タングステン酸カリウム(KWO)、タングステン酸アンモニウム((NHWO)、タングステン酸リチウム(LiWO)等が上げられ、好ましく用いられる。
モリブデン酸塩としては、モリブデン酸ナトリウム(NaMoO)、モリブデン酸カリウム(KMoO)、モリブデン酸アンモニウム((NHMoO)、等が上げられ、好ましく用いられる。
また、過マンガン酸カリウム(KMnO)、過マンガン酸ナトリウム(NaMnO・3HO)等の過マンガン酸塩や、重クロム酸アンモニウム((NHCr)、重クロム酸カリウム(KCr)、重クロム酸ナトリウム(NaCr)等の重クロム酸塩も同様の効果が得られるが、金属としての有害性が高く、着色もしており、その使用には制限がある。
本願発明の五酸化アンチモン粒子を含有するゾルは、水性媒体に分散した三酸化アンチモンを過酸化水素水で酸化して得られるものである。三酸化アンチモンと過酸化水素のモル比はH/Sbで2.0が好ましい。2.0未満では三酸化アンチモンが完全に五酸化アンチモンになるのに不十分な量であり、2.0を超えた場合はHが化学量論的に過剰であり、経済的でなく、また残存する過剰の過酸化水素による発泡や樹脂の劣化等の不具合が生じたり、この過剰な過酸化水素を除去するために触媒での分解や、活性炭での吸着などの処理工程が増えたりするため好ましくない。
本発明において高次金属酸化物塩の存在下に三酸化アンチモンと過酸化水素水とを反応させると、生成した五酸化アンチモン中に残存する三酸化アンチモンの割合が、高次金属酸化物塩を加えない無添加の場合と比べ、Sb/Sb重量比で表される、生成した五酸化アンチモン中の三酸化アンチモンの残存率の低下が認められた。すなわち高次金属酸化物塩が無添加の場合はSb/Sb重量比で表される五酸化アンチモン中の三酸化アンチモンの残存率が5%以上であるのに対し、高次金属酸化物塩の存在下に三酸化アンチモンと過酸化水素を反応させると、Sb/Sb重量比で表される三酸化アンチモンの残存率が4%以下であった。
これは三酸化アンチモンと過酸化水素水の反応時に高次酸化物の触媒作用により、効率良く酸化されたと推定される。
本発明で得られた五酸化アンチモンゾルは黄色度(YI値)の低減による、色調改善効果が認められた。これも効率的な酸化により、酸化純度が向上したことによると推定している。通常の三酸化アンチモンと過酸化水素水との反応では、例えば三酸化アンチモンと過酸化水素水のモル比(H/Sb)を3.0と過剰にして行ったとしても、生成した五酸化アンチモン中に残留する三酸化アンチモンの割合は、Sb/Sb重量比を約5%以下にすることが困難である。
この高次金属酸化物塩の添加は三酸化アンチモンの添加前が良い。高次金属酸化物塩を分散した水性媒体に所定量の三酸化アンチモンと過酸化水素水を加えて攪拌下に反応を行う。三酸化アンチモンと過酸化水素水の添加順序は特に限定されないが、速やかに三酸化アンチモンと過酸化水素水をモル比(H/Sb)が2.0の比率になるように添加することが好ましい。すなわち高次酸化物塩を溶解後に三酸化アンチモンを分散し、最後に過酸化水素水を添加することが好ましい。
この反応で三酸化アンチモンと過酸化水素水の添加は所定量の三酸化アンチモンと過酸化水素水を加えるものであるが、三酸化アンチモンと過酸化水素水の添加は一度に添加する方法と、何回かに分けて行う方法をとる事が出来る。一度に添加する方法でも、数回に分けて添加する方法でも、1回毎に添加される三酸化アンチモンと過酸化水素のモル比はH/Sbで2.0を維持することが好ましい。使用される過酸化水素水は濃度30〜60重量%であり、通常35重量%で好ましく用いられる。
また粒子径制御材であるアンチモンの同属元素化合物(例えばリン酸、ヒ酸等)の添加、併用により更に酸化効率が向上する。同属元素化合物(例えばリン酸、ヒ酸等)の添加量はPやAsで示される酸化物に換算して、Sbに対して0〜20重量%の範囲で添加することができる。
反応時の高次金属酸化物塩の添加量は酸化物MO換算でSbに対して、MO/Sbの重量比で0.15〜10重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%である。0.15重量%未満でも良いが効果が小さく、また10重量%を越えても添加効果としては飽和となるため効率的でない。
反応温度としては、30〜100℃、好ましくは70℃〜100℃が良い。
三酸化アンチモンと過酸化水素水の反応は酸化発熱反応であるため場合によっては反応槽を冷却しながら行うか、還流用コンデンサーを設置して行うことが好ましい。本発明において反応はSbとして1重量%〜20重量%で行われ、好ましくは5重量%〜15重量%である。1重量%以下でも良いが濃度が希薄過ぎ、反応槽の容積効率が低下し、経済的でない。また20重量%を越えて行っても良いが、反応が酸化発熱反応であるため、温度制御が難しくなり、また粒子間の二次凝集が増し、分散性も低下する。
本発明で得た五酸化アンチモンゾルはpHが2〜4で、そのままでも安定である。また本発明で得た五酸化アンチモンゾルは酸化純度が高いため、用途によってはゾルの安定性を阻害しない程度に五酸化アンチモンゾルの表面の酸性度や陽イオン交換能を制御するために水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基や三酸化アンチモンで処理することによりpHを4〜10に調整することができる。
無機塩基の添加量は酸化物換算でMO/Sbモル比として0〜0.8で、0.8以上であると無機塩基が過剰になり、ゾルの安定性が低下する。三酸化アンチモンの添加量は粒子径にもよるがSb/Sbモル比として、0〜0.4で、0.4以上では、制御効果としては飽和になる。
このゾル表面を三酸化アンチモンで処理したものはX線回折測定の結果、含水五酸化アンチモン(Sb・nHO)構造であり、Sb13のような中間酸化物ではないことを確認した。
更に、有機塩基、カルボン酸を添加することにより分散安定性を向上させることができる。本発明で使用する有機塩基としてはトリエタノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミンなどのアルキルアミン類、第4級アンモニウムハイドロオキサイド、グアニジンハイドロオキサイド等が挙げられる。この中で特にアルキルアミンが好ましい。有機塩基の添加量はSbに対して1〜30重量%で、好ましくは2〜20重量%である。30重量%以上添加しても良いが、それ以上添加しても分散効果は向上しない。
本発明で使用するカルボン酸としてはギ酸、酢酸などのモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸等のジカルボン酸、また乳酸、酒石酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、グルコン酸、マンデル酸等のオキシカルボン酸が上げられる。この中で特にオキシカルボン酸が好ましい。カルボン酸の添加量はSbに対して0〜30重量%で、好ましくは0.5〜10重量%である。
また得られたゾルの濃度を高めたいときには、常法の方法、例えば、蒸発法、限外濾過法等により濃縮することができる。さらにゾルの安定性を高めるためには、上記記載の有機塩基類及びカルボン酸を用いてpHを5〜8に調整後、濃縮する事が好ましい。
上記の改質五酸化アンチモンゾルは、分散媒を水から親水性有機溶媒に置換することができる。親水性有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアミド等の直鎖アミド類、N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール等のグリコールエーテル類、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類等が挙げられる。
上記の水と親水性有機溶媒との置換は、通常の方法、例えば、減圧あるいは常圧の蒸留置換法、限外濾過膜による置換法等が挙げられる。
実施例1
攪拌機付き2L反応フラスコ中に、純水1693.1gにタングステン酸ソーダ2水塩(稀産金属(株)、NaWO・2HO、WOに換算して69.1重量%含有する。)10.42g(WOに換算して7.20gを含有する。)を溶解し、次いで三酸化アンチモン(広東三国製、Sb含有量は99.5重量%)130.4gを分散させた後、35重量%の過酸化水素水86.6gを添加し、加熱、反応させた。H/Sbモル比は2.0、WO/Sbの割合は5.5重量%であった。
反応時の液温は85〜90℃であった。反応終了後、90℃で1時間、攪拌を保持し、1906gの黄白色のゾルを得た。得られたゾルは一次粒子径15〜25nm、pH2.50、電導度575μs/cm、Sbは7.28重量%、Sbは0.20重量%であり、残存率(Sb/Sb)は2.7重量%であった。
実施例2
攪拌機付き2L反応フラスコ中に、純水1688gにタングステン酸ソーダ2水塩(稀産金属(株)製、NaWO・2HO、WOに換算して69.1重量%を含有する。)10.42g(WOに換算して7.20gを含有する。)を溶解し、次いで三酸化アンチモン(広東三国製、Sb含有量は99.5重量%)130.4gを分散させた後、85%リン酸水溶液5.14gと35重量%の過酸化水素水86.6gを添加し、加熱、反応させた。H/Sbモル比は2.0、WO/Sbの割合は5.5重量%、P/Sb重量比は2.4重量%であった。
反応時の液温は85〜90℃であった。反応終了後、90℃で1時間、攪拌を保持し、1903gの淡黄色のゾルを得た。得られたゾルは一次粒子径8〜15nm、pH2.22、電導度2910μs/cm、Sbは7.46重量%、Sbは0.04重量%であり、残存率(Sb/Sb)は0.5重量%であった。このゾル1509.4gに25%NaOH水溶液22.4g、ジイソプロピルアミン6.6g、酒石酸0.94g添加、調整し、ロータリーエバポレーターにより濃縮を行い、改質五酸化アンチモン水性ゾル333.2gを得た。得られたゾルは比重1.484、pH4.66、全Sbは34.0重量%、色差計(透過光)による測定から黄色度(YI値)59.8であった。
実施例3
攪拌機付き1L反応フラスコ中に、純水788.1gにタングステン酸ソーダ2水塩(稀産金属(株)製、NaWO・2HO、WOに換算して69.1重量%を含有する。)1.94g(WOに換算して1.34gを含有する。)を溶解し、次いで三酸化アンチモン(広東三国製、Sb含有量は99.5重量%)60.68gを分散させた後、85%リン酸水溶液2.39gと35重量%の過酸化水素水40.27gを添加し、加熱、反応させた。H/Sbモル比2.0、WO/Sbの割合は2.2重量%、P/Sb重量比は2.4重量%であった。
反応時の液温は80〜95℃であった。反応終了後、90℃で1時間、攪拌を保持し、886.5gの淡黄色のゾルを得た。得られたゾルは一次粒子径8〜15nm、pH2.2、電導度2230μs/cm、WOは0.15重量%、Sbは7.27重量%、Sbは0.21重量%であり、残存率(Sb/Sb)は2.9重量%であった。
実施例4
攪拌機付き10L反応フラスコ中に、純水8478gにタングステン酸ソーダ2水塩(稀産金属(株)製、NaWO・2HO、WOに換算して69.1重量%を含有する。)10.42g(WOに換算して7.20gを含有する。)を溶解し、次いで三酸化アンチモン(広東三国製、Sb含有量は99.5重量%)652.0gを分散させた後、85%リン酸水溶液25.72gと35重量%の過酸化水素水432.7gを添加し、加熱、反応させた。H/Sbモル比2.0、WO/Sbの割合は1.1重量%、P/Sb重量比は2.4重量%であった。
反応時の液温は80〜95℃であった。反応終了後、90℃で1時間、攪拌保持し、9596gの淡黄色のゾルを得た。得られたゾルは一次粒子径8〜15nm、pH2.1、電導度2130μs/cm、WOは0.075重量%、Sbは7.21重量%、Sbは0.26重量%であり、残存率(Sb/Sb)は3.6重量%であった。
実施例5
攪拌機付き3L反応フラスコ中に、純水2117.9gにモリブデン酸ソーダ(純正化学(株)製、NaMoO・2HO、MoOに換算して58.6重量%を含有する。)1.54g(MoOに換算して0.90gを含有する。)を溶解し、次いで三酸化アンチモン(広東三国製、Sb含有量は99.5重量%)163.0gを分散させた後、85%リン酸水溶液6.43gと35重量%の過酸化水素水108.2gを添加し、加熱、反応させた。H/Sbモル比2.0、MoO/Sbの割合は0.55重量%、P/Sb重量比は2.4重量%であった。
反応時の液温は80〜95℃であった。反応終了後、90℃で1時間、攪拌を保持し、2396.0gの淡緑色のゾルを得た。得られたゾルは一次粒子径10〜15nm、pH2.2、電導度1530μs/cm、MoOは0.15重量%、Sbは7.26重量%、Sbは0.22重量%であり、残存率(Sb/Sb)は3.0重量%であった。
実施例6
攪拌機付き3L反応フラスコ中に、実施例4で得たゾルを2399g仕込み、攪拌下、25%NaOH水溶液35.6g、ジイソプロピルアミン14.4g、酒石酸2.70g添加し、限外濾過膜により濃縮を行い、改質五酸化アンチモン水性ゾル524.7gを得た。得られたゾルは比重1.454、pH4.83、全Sbは34.3重量%、色差計(透過光)による測定から黄色度(YI値)60.2であった。更にこのゾル359.6gを攪拌機付き1L反応フラスコで常圧下、メタノール3Lを少しずつ加えながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した改質五酸化アンチモンメタノールゾル365gを得た。このゾルは一次粒子径8〜15nm、比重1.146、粘度1.8mPa・s、pH8.3、全Sbは32.1重量%、水分2.5%、透過率52%であった。
実施例7
攪拌機付き10L反応フラスコ中に、実施例4で得たゾル7197gを仕込み、液温を90〜95℃に加熱し、三酸化アンチモンを(Sb(改質分))/(Sb(ゾル分))モル比で0.2である97.8g添加し、更に90℃で1時間熟成し、改質を行った。得られたゾルはpH2.18、電導度1850μs/cm、全Sbは8.9重量%、粒子径は電子顕微鏡観察の結果、7〜12nmであった。このゾルに25%NaOH水溶液99.5g、ジイソプロピルアミン45.4g、酒石酸5.3g添加、調整し、限外濾過膜により濃縮を行い、改質五酸化アンチモン水性ゾル1631.1gを得た。得られたゾルは一次粒子径10〜15nm、比重1.526、pH6.02、全Sbは38.0重量%であった。更にこのゾルを攪拌機付き3L反応フラスコに移し、常圧下、メタノール13Lを少しずつ加えながら水を留去することにより、水性ゾルの水をメタノールで置換した改質五酸化アンチモンメタノールゾル2000gを得た。このゾルは比重1.134、粘度1.3mPa・s、pH6.4、全Sbは30.8重量%、水分2.9%、透過率74%であった。
比較例1
攪拌機付き1L反応フラスコ中に、純水792.9g、次いで三酸化アンチモン(広東三国製、Sb含有量は99.5重量%)60.33gを分散させた後、35重量%の過酸化水素水40.07gを添加し、加熱、反応させた。H/Sbモル比は2.0であった。
反応時の液温は85〜95℃であった。反応終了後、90℃で1時間、攪拌を保持し、885.0gの黄白色のゾルを得た。得られたゾルは一次粒子径15〜25nm、pH2.1、電導度430μs/cm、Sbは6.83重量%、Sbは0.60重量%であり、残存率(Sb/Sb)は8.8重量%であった。このゾル800gに25%NaOH水溶液11.9g、ジイソプロピルアミン4.2g、酒石酸0.61g添加、調整し、ロータリーエバポレーターにより濃縮を行い、改質五酸化アンチモン水性ゾル185.1gを得た。得られたゾルは比重1.416、pH4.22、全Sbは32.4重量%、色差計(透過光)による測定から黄色度(YI値)145.2であった。
比較例2
攪拌機付き1L反応フラスコ中に、純水785.8g、次いで三酸化アンチモン(広東三国製、Sb含有量は99.5重量%)60.33gを分散させた後、85%リン酸水溶液2.49gと35重量%の過酸化水素水40.07gを添加し、加熱、反応させた。H/Sbモル比は2.0、P/Sb重量比は2.4重量%であった。
反応時の液温は80〜95℃であった。反応終了後、90℃で1時間、攪拌を保持し、887.5gの黄色のゾルを得た。得られたゾルは一次粒子径10〜15nm、pH2.1、電導度1830μs/cm、Sbは7.08重量%、Sbは0.38重量%であり、残存率(Sb/Sb)は5.4重量%であった。
本願発明の五酸化アンチモンゾルは、プラスチック、繊維などの難燃助剤、無機イオン交換体等の用途に使用される他、ゾルの一次粒子径が5〜30nmのものは、透明性、分散性に優れているため、特にプラスチック、ガラス等の透明基材の表面に塗布して屈折率の調整、紫外線遮断などを行うコーティング剤用マイクロフィラーとして有用である。

Claims (3)

  1. 高次金属酸化物塩であるタングステン酸塩又はモリブデン酸塩の存在下、三酸化アンチモン分散液と過酸化水素水とを反応する2〜50nmの一次粒子径を有し、且つSb /Sb 重量比が4重量%以下である五酸化アンチモン粒子を含有するゾルの製造方法。
  2. 高次金属酸化物塩であるタングステン酸塩又はモリブデン酸塩と三酸化アンチモンとを、その酸化物換算でMO/Sb=0.15〜10重量%の割合で存在させる請求項1に記載の五酸化アンチモン粒子を含有するゾルの製造方法。
  3. 過酸化水素と三酸化アンチモンとの混合が、H/Sbモル比で2.0の割合で反応させる請求項1又は2に記載の五酸化アンチモン粒子を含有するゾルの製造方法。
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