JP5395418B2 - 鎖状五酸化アンチモン微粒子の製造方法および該微粒子を含む被膜付基材 - Google Patents
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Description
、それぞれ約1:2.1:2モルの割合で反応させてアンチモン酸カリウムを形成させた
後、脱イオンを行うことにより2〜100nmの粒子径を有するSb2O3のコロイドゾル
を製造する方法が開示されている。また、三酸化アンチモンと過酸化水素を反応させて酸化アンチモンのコロイドゾルを形成する際に、反応系にLi,K,Na,Mg,Ca,Ba,
リン酸ナトリウムなどの無機系アルカリ物質をSb2O3に対して1.5〜30モル%添加すると、Sb2O3とH2O2との反応速度が加速され、微細粒子径のコロイド状酸化アンチモ
ンが得られることも知られている。
反応させて酸化アンチモンのコロイドゾルを形成させる際に、Sb2O3とH2O2とのモル
比を1:1.25〜1.8とし、且つ反応系に無機アルカリ物質を添加することを特徴とした微細な粒子径で化学的に安定なコロイド状酸化アンチモンの製造方法が記載されている。
し、次いでこのゲルを分離、水洗後、アミンなどの有機塩基で解膠すると高濃度で低粘度の安定な五酸化アンチモンゾルが得られることが開示されている。
重量%が0.2〜5.0%になるよう添加すると、有機溶媒で溶媒置換してオルガノゾル化する際に安定性に優れた五酸化アンチモンゾルが得られることが開示されている。
ることにより、有機溶媒を加えても凝集しない特性を有するコロイド粒子の表面が三価及び/又は四価の金属で覆われた五酸化アンチモンゾル製造方法が開示されている。
[1](a)固形分濃度が0.1〜5重量%の範囲にあるアンチモン酸アルカリ水溶液を陽
イオン交換樹脂で処理してアンチモン酸(ゲル)分散液を調製したのち、
(c)アンチモン酸(ゲル)分散液に、酸を、酸のモル数(MA)と五酸化アンチモン
のモル数(MS)とのモル比(MA)/(MS)が0.002〜0.5の範囲となるように
添加することを特徴とする鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法。
[2]アンチモン酸(ゲル)分散液を調製したのち、
(b)アンチモン酸(ゲル)分散液の固形分濃度を1〜20重量%に調整する[1]の鎖
状五酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法
[3](c)酸を添加したのち、さらに、
(d)得られた鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液を30〜250℃の温度範囲で熟成する[1]または[2]の鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法。
[4]前記(c)または(d)ののち、
(e)得られた鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液を洗浄する[1]〜[3]の鎖状酸化アンチモ
ン微粒子分散液の製造方法。
[5]酸として硫酸またはリン酸を用いる[1]〜[4]の鎖状酸化アンチモン微粒子分散液の製
造方法。
[6]前記[1]〜[4]の製造方法で得られたものであり、平均粒子径が5〜50nmの範囲に
ある五酸化アンチモン微粒子が鎖状に連結し、平均連結数が2〜30個の範囲にあることを特徴とする鎖状五酸化アンチモン微粒子。
[7]体積抵抗値が5〜2000Ω・cmの範囲にある[5]の鎖状五酸化アンチモン微粒子。[8]前記[5]または[6]の鎖状五酸化アンチモン微粒子と被膜形成用マトリックスとを含む
被膜が基材表面上に形成されてなる被膜付基材。
鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法
先ず、本発明に係る鎖状酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法について説明する。
工程(a)
まず、本発明では、(a)固形分濃度が0.1〜5重量%の範囲にあるアンチモン酸アルカリ水溶液を陽イオン交換樹脂で処理してアンチモン酸(ゲル)分散液を調製する。本発明に用いるアンチモン酸アルカリ水溶液としては、本願出願人の出願による特開平2−180717号公報に開示した酸化アンチモンゾルの製造方法で用いられるアンチモン酸アルカリ水溶液が好適である。
0〜2.5:0.8〜1.5好ましくは、1:2.1〜2.3:0.9〜1.2とし、三酸化ア
ンチモンとアルカリ物質を含む系に、過酸化水素を三酸化アンチモン1mole当り、0.2mole/hr以下の速度で添加して得られる。
い。これらのアルカリ物質は、得られるアンチモン酸溶液を安定化させる効果を有する。
r〜0.15mole/hrの範囲が好ましい。また、三酸化アンチモンに対する過酸化水素のモル比が小さくなるにしたがって得られる鎖状酸化アンチモン微粒子の一次粒子の粒子径は小さくなる傾向を示すが、モル比を小さくしすぎると未溶解の三酸化アンチモンが多くなることがある。またモル比を大きくしすぎても、得られる鎖状酸化アンチモン微粒子の一次粒子の粒子径が大きくなりすぎてしまうことがある。
陽イオン交換樹脂で処理する際のアンチモン酸アルカリ水溶液の濃度は固形分として0.01〜5重量%、さらには0.1〜3重量%の範囲にあることが好ましい。
工程(b)
本発明では、工程(a)についで、アンチモン酸(ゲル)分散液の固形分濃度を1〜20重量%、さらには2〜15重量%に調整することが好ましい。なお、工程(a)の段階で前記濃度範囲にある場合は、濃度調整の必要はないが、前記範囲で高濃度に調整することが望ましい。
アンチモン酸(ゲル)分散液の固形分濃度が1重量%未満の場合は鎖状化が充分進行せず、単分散粒子が残存する場合があり、高収率で鎖状五酸化アンチモン微粒子を得られない場合がある。
工程(c)
ついで、アンチモン酸(ゲル)分散液に酸を、酸のモル数(MA)と五酸化アンチモン
のモル数(MS)とのモル比(MA)/(MS)が0.002〜0.5、好ましくは0.0
05〜0.4の範囲となるように添加する。
中でも多塩基性酸(オキソ酸)である、硫酸、リン酸は容易に鎖状化する傾向があり、しかも高収率で鎖五状酸化アンチモン微粒子が得られるので好適に用いることができる。
MS)とのモル比(MA)/(MS)が多すぎると、鎖状粒子を構成する五酸化アンチモン
の一次粒子が50nmを越えて大きくなりすぎたり、凝集粒子となる場合がある。
前記工程(c)についで、(d)得られた鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液を30〜250℃、好ましくは50〜200℃の温度範囲で熟成することが好ましい。
工程(e)
得られた分散液は、必要に応じて(e)洗浄してもよい。
洗浄することによって、得られる鎖状酸化アンチモン微粒子分散液中のイオン夾雑物を低減することができるので、高濃度にしても分散安定性に優れた鎖状五酸化微粒子分散液を得ることができる。
また、鎖状酸化アンチモン微粒子分散液の濃度は固形分(酸化アンチモン換算)として1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%の範囲にあることが好ましい。
、工程(d)での温度により制御され、連鎖数は、工程(c)での酸の量および濃度によって制御されるところが大きい。
微鏡写真を撮影し、約100個の鎖状粒子が存在する領域内の鎖状五酸化アンチモン微粒子について連結数を数え、これを平均して求める。また、鎖状粒子を構成する五酸化アンチモン微粒子の平均粒子径は、鎖状粒子を構成する五酸化アンチモン微粒子の中の最大の粒子と最小の粒子との平均値を前記約100個の鎖状酸化アンチモン微粒子のそれぞれについて求め、さらにこれらの値を平均値として表した。
積:0.5cm2)を有する)を用い、まず、架台電極上にセルをおき、内部に試料紛体0.6gを充填し、円柱状突起を有する上部電極の突起を挿入し、油圧機にて上下電極を加圧し、100kg/cm2(9.80MPa)加圧時の抵抗値(Ω)と試料の高さ(cm)を
測定し、抵抗値に断面積を乗じ、高さで除することによって求めることができる。
被膜付基材
本発明に係る鎖状五酸化アンチモン微粒子を用いた被膜付基材は、前記鎖状五酸化アンチモン微粒子と被膜形成用マトリックスとを含む被膜が単独でまたは他の被膜とともに基材表面上に反射防止、帯電防止、ハードコート等の目的で形成されている。
[実施例]
以下に示す実施例により、本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(1)の調製
純水1800gに苛性カリ(旭硝子(株)製:純度85重量%)57gを溶解した溶液中に三酸化アンチモン(住友金属鉱山(株)製:KN 純度98.5重量%)111gを懸濁させた。この懸濁液を95℃に加熱し、次いで、過酸化水素水(林純薬(株)製:特級、純度35重量%)32.8gを純水110.7gで希釈した水溶液を9時間で添加(0.1mole/hr)し、三酸化アンチモンを溶解し、その後11時間熟成した。冷却後、得られた溶液から1000gを取り、この溶液を純水6000gで希釈した後(五酸化アンチモン
換算濃度:0.8重量%)、陽イオン交換樹脂層(三菱化学(株)製:pk-216)に通して脱
イオン処理を行った。このときのpHは2.1、電導度は2.4mS/cmであり、五酸化
アンチモン換算濃度で0.8重量%であった。
化アンチモン微粒子分散液(1)のpHは3.0、電導度は0.1mS/cmであった。
ハードコート膜形成用塗布液(H-1)の調製
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(1)を溶媒置換により水をエチルセロソルブ/エタノ
ール混合溶媒(重量比=44/66)に置換し、固形分濃度20重量%に調整した。この分散液200gにアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニデック17-824-9、固形分濃度79重量%)203gとエチルセロソルブ264gとを混合してハードコート膜形成用塗布液(H-1)を調製した。
ハードコート膜付基材(F-1)の製造
ハードコート膜形成用塗布液(H-1)をPETフィルム(厚さ:188μm、屈折率:1.65)にバーコーター法で塗布し、80℃で1分間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm)を1分間照射して硬化させ、ハードコート膜付基材(F-1)を調製した。このときの
ハードコート膜の厚さは5μmであった。
また、全光線透過率およびヘーズをヘーズメーター(スガ試験機(株)製)により測定し、結果を表1に示す。
鉛筆硬度の測定
JIS−K−5400に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
耐擦傷性の測定
#0000スチールウールを用い、荷重500g/cm2で50回摺動し、膜の表面を
目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示す。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
密着性
反射防止膜付基材(F-1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付
け100個の升目を作り、これにセロハンテープ(登録商標)を接着し、ついで、セロハンテープ(登録商標)を剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することによって密着性を評価した。結果を表1に示す。
評価基準:
残存升目の数95個以上 :◎
残存升目の数90〜94個:○
残存升目の数85〜89個:△
残存升目の数84個以下 :×
[実施例2]
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(2)の調製
実施例1において、濃度10重量%の硫酸を0.12g添加した以外は実施例1と同様にして鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(2)を調製した。酸化アンチモン微粒子(一次粒
子)の平均粒子径は10nm、平均連結数は2であった。また熟成後の最終的に得られた鎖状酸化アンチモン微粒子の収率は83重量%であった。
ハードコート膜形成用塗布液(H-2)の調製
実施例1において、鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(2)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜形成用塗布液(H-2)を調製した。
ハードコート膜付基材(F-2)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(H-2)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜付基材(F-2)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであ
った。得られたハードコート膜について表面抵抗、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表1に示す。
[実施例3]
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(3)の調製
実施例1において、濃度10重量%の硫酸を5.8g添加した以外は実施例1と同様にして鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(3)を調製した。酸化アンチモン微粒子(一次粒子
)の平均粒子径は20nm、平均連結数は10であった。また熟成後の最終的に得られた鎖状酸化アンチモン微粒子の収率は88重量%であった。
ハードコート膜形成用塗布液(H-3)の調製
実施例1において、鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(3)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜形成用塗布液(H-3)を調製した。
ハードコート膜付基材(F-3)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(H-3)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜付基材(F-3)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであ
った。
得られたハードコート膜について表面抵抗、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表1に示す。
[実施例4]
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(4)の調製
実施例1において、熟成温度を50℃にした以外は同様にして鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(4)を調製した。酸化アンチモン微粒子(一次粒子)の平均粒子径は8nm、平
均連結数は5であった。また、熟成後の最終的に得られた鎖状酸化アンチモン微粒子の収率は85重量%であった。
ハードコート膜形成用塗布液(H-4)の調製
実施例1において、鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(4)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜形成用塗布液(H-4)を調製した。
ハードコート膜付基材(F-4)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(H-4)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜付基材(F-4)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであ
った。
[実施例5]
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(5)の調製
実施例1において、熟成温度を200℃にした以外は同様にして鎖状酸化アンチモン微
粒子分散液(5)を調製した。酸化アンチモン微粒子(一次粒子)の平均粒子径は12nm
、平均連結数は5であった。また、熟成後の最終的に得られた鎖状酸化アンチモン微粒子の収率は88重量%であった。
ハードコート膜形成用塗布液(H-5)の調製
実施例1において、鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(5)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜形成用塗布液(H-5)を調製した。
ハードコート膜付基材(F-5)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(H-5)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜付基材(F-5)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであ
った。
[実施例6]
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(6)の調製
実施例1において、濃度10重量%の硫酸0.58gの代わりに濃度10重量%のリン酸0.58gを用いた以外は同様にして鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(6)を調製した
。
ハードコート膜形成用塗布液(H-6)の調製
実施例1において、鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(6)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜形成用塗布液(H-6)を調製した。
ハードコート膜付基材(F-6)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(H-6)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜付基材(F-6)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであ
った。
得られたハードコート膜について表面抵抗、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表1に示す。
[実施例7]
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(7)の調製
実施例1において、濃度10重量%の硫酸0.58gの代わりに濃度10重量%の硝酸0.37gを用いた以外は同様にして鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(7)を調製した。
また熟成後の最終的に得られた鎖状酸化アンチモン微粒子の収率は83重量%であった。ハードコート膜形成用塗布液(H-7)の調製
実施例1において、鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(7)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜形成用塗布液(H-7)を調製した。
ハードコート膜付基材(F-7)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(H-7)を用いた以外は同様にしてハ
ードコート膜付基材(F-7)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであ
った。
得られたハードコート膜について表面抵抗、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表1に示す。
[比較例1]
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(R1)の調製
純水1800gに苛性カリ(旭硝子(株)製:純度85重量%)57gを溶解した溶液中に三酸化アンチモン(住友金属鉱山(株)製:KN 純度98.5重量%)111gを懸濁させた。この懸濁液を95℃に加熱し、次いで、過酸化水素水(林純薬(株)製:特級、純度35重量%)32.8gを純水110.7gで希釈した水溶液を9時間で添加(0.1mole/hr)し、三酸化アンチモンを溶解し、その後11時間熟成した。冷却後、得られた溶液から1000gを取り、この溶液を純水6000gで希釈した後、陽イオン交換樹脂層(三菱化学(株)製:pk-216)に通して脱イオン処理を行った。このときのpHは2.1、電導度は
2.4mS/cmであり、五酸化アンチモン換算濃度で0.8重量%であった。
度が1.0mS/cmになるまで脱イオン処理を行った。脱イオン処理して得た溶液を温度
70℃で10時間熟成した後、限外濾過膜で濃縮して固形分濃度14重量%(酸化アンチモン換算)の鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(R1)を調製した。得られた鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(R1)のpHは3.0、電導度は0.1mS/cmであった。
ハードコート膜形成用塗布液(RH-1)の調製
実施例1において、鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(R1)を用いた以外は同様にしてハードコート膜形成用塗布液(RH-1)を調製した。
ハードコート膜付基材(RF-1)の製造
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(RH-1)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(RF-1)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは5μmであった。
得られたハードコート膜について表面抵抗、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表1に示す。
[比較例2]
鎖状酸化アンチモン微粒子分散液(R2)の調製
純水1800gに苛性カリ(旭硝子(株)製:純度85重量%)57gを溶解した溶液中に三酸化アンチモン(住友金属鉱山(株)製:KN 純度98.5重量%)111gを懸濁させた。この懸濁液を95℃に加熱し、次いで、過酸化水素水(林純薬(株)製:特級、純度35重量%)32.8gを純水110.7gで希釈した水溶液を9時間で添加(0.1mole/hr)し、三酸化アンチモンを溶解し、その後11時間熟成した。冷却後、得られた溶液から1000gを (五酸化アンチモン換算濃度:5.7%)、陽イオン交換樹脂層(三菱化学(株)製:pk-216)に通して脱イオン処理を行った。このとき脱イオン処理品は白濁し、凝集した。
Claims (5)
- (a)固形分濃度が0.1〜5重量%の範囲にあるアンチモン酸アルカリ水溶液を陽イオン交換樹脂で処理してアンチモン酸(ゲル)分散液を調製したのち、
(c)アンチモン酸(ゲル)分散液に、無機酸あるいは有機酸を、酸のモル数(MA)と五酸化アンチモンのモル数(MS)とのモル比(MA)/(MS)が0.002〜0.5の範囲となるように添加することを特徴とする、平均粒子径が5〜50nmの範囲にある五酸化アンチモン微粒子が鎖状に連結し、平均連結数が2〜30個の範囲にあり、かつ体積抵抗値が5〜2000Ω・cmの範囲にある、鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法。 - アンチモン酸(ゲル)分散液を調製したのち、
(b)アンチモン酸(ゲル)分散液の固形分濃度を1〜20重量%に調整することを特徴とする請求項1に記載の鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法 - (c)酸を添加したのち、さらに、
(d)得られた鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液を30〜250℃の温度範囲で熟成することを特徴とする請求項1または2に記載の鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法。 - 前記(c)または(d)ののち、
(e)得られた鎖状五酸化アンチモン微粒子分散液を洗浄することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鎖状酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法。 - 酸として硫酸またはリン酸を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鎖状酸化アンチモン微粒子分散液の製造方法。
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