JPH0610087B2 - 微粉末状三酸化アンチモン―五酸化アンチモン無定形複合酸化物の製造方法 - Google Patents

微粉末状三酸化アンチモン―五酸化アンチモン無定形複合酸化物の製造方法

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JPH0610087B2
JPH0610087B2 JP10828585A JP10828585A JPH0610087B2 JP H0610087 B2 JPH0610087 B2 JP H0610087B2 JP 10828585 A JP10828585 A JP 10828585A JP 10828585 A JP10828585 A JP 10828585A JP H0610087 B2 JPH0610087 B2 JP H0610087B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《発明の目的》 《産業上の利用分野》 本発明は微粉末状三酸化アンチモン−五酸化アンチモン
(以下「Sb2O3−Sb2O5」という。)無定形複合酸化物の製
造方法に関する。
本発明による微粉末状Sb2O3−Sb2O5無定形複合酸化物は
各種合成樹脂の難燃助剤、触媒あるいは顔料等として用
いられるほか、電子あるいは光学等の材料としても有効
利用が期待される。
《従来の技術》 従来3価および5価の酸化アンチモンはおのおの単独に
製造され、3価のものは乾式法で、5価のものは湿式法
で硫化アンチモンあるいは金属アンチモンの酸化処理、
またはアンチモン酸ソーダの酸分解等の方法で製造され
ていた。
これら従来法による各酸化アンチモンは、おのおの他方
を数パーセント以下程度含有してはいるものの、それ以
上のパーセントの含有品を任意に製造することは不可能
であった。
また、難燃助剤の主流である三酸化アンチモンは乾式法
により製造されるため、平均粒径は0.5〜3μと光波
長領域に近く、優れた難燃効果を示す反面、隠蔽力が強
く、透明性を必要とする製品に用いると白濁不透明とな
り、しかも粒度分布の広い粒子しか得られなかった。ま
た、五酸化アンチモンも酸化処理時または酸分解時、原
料よりの不純物が混入する場合が多く、高純度の粉末の
ものを得にくいという問題があった。さらにまた、上記
の方法で無定形の酸化アンチモンを得ることはすこぶる
困難であった。
《発明が解決しようとする問題点》 本発明は、アンチモン(III)アルコキシド(以下「Sb
(III)アルコキシド」と記す。)とアンチモン(V)アルコ
キシド(以下「Sb(V)アルコキシド」と記す。)との
液相における低温反応によって、反応に大がかりな装置
を要せず、分子サイズの微粒子で高純度のSb2O3−Sb2O5
無定形複合酸化物を製造する方法を提供することにより
上記従来の酸化アンチモンも問題点を解決するものであ
る。
本発明によれば、透明性あるいは導電性等の物性がおの
おの異なるSb(III)アルコキシドとSb(V)アルコキシ
ドとを液相で種々の組成比で混合し、複合化することが
できるから各種用途に応じ所望の物性のものを得られ
る。また、出発原料であるアルコキシドの蒸留精製、反
応により得られた複合酸化物の洗浄等、工程上でいくつ
かの精製工程を入れることで純度を上げることが容易で
ある。さらにまた、混合割合をSb(III)アルコキシド
25〜75重量%とSb(V)アルコキシド75〜25重
量%にすることにより、目的とする無定形複合酸化物を
得ることができる。
《発明の構成》 《問題点を解決するための手段》 本発明は、Sb(III)アルコキシドおよびSb(V)アルコ
キシド、すなわちSb(OR)3およびSb(OR)5(Rはアルコー
ルのアルキル基)を混合して反応させ、この反応生成物
を加水分解してSb2O3−Sb2O5無定形複合酸化物を製造す
る方法に関する。
本発明において「アルコキシド」とはアルコールのOH
基の水素元素を金属元素アンチモンで置換した化合物を
いう。本発明における出発物質としてのアンチモン化合
物には塩化物等のハロゲン化合物があり、アルコキシド
を作るアルコールとしては、メタノール、エタノール、
イソプロパノールおよびターシヤリーブタノール等が用
いられ、アンチモンアルコキシドの調製はアンモニア法
あるいはナトリウム等のアルカリ金属との複合アルコキ
シドから他方金属化合物との置換反応であるナトリウム
法でも可能である。混合割合をSb(III)アルコキシド
25〜75重量%とSb(V)アルコキシド75〜25重
量%となるよう混合することが重要である。
また、2種のSbアルコキシドの混合および反応は有機
溶媒中で行うことが好ましい。これは混合の便宜を図
り、反応を促進させるとともに後述の加水分解により生
じる沈澱物の組成をアルコキシド混合組成に一致させる
ためである。この有機溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンおよび前述のアルコールが適当である。反
応温度は各Sbアルコキシドが分解する温度未満であれ
ば差し支えないが、取り扱いの便宜上0〜120℃が望
ましい。上記混合および反応による反応生成物の加水分
解は、反応溶媒中に脱炭酸した蒸留水を直接加えること
により行うことができる。この加水分解のための反応温
度はアルコキシドの調製時同時Sbアルコキシドが分解
せず、しかも取り扱いの容易な0〜120℃の範囲が適
当である。この加水分解により粉末状の沈殿物が生成す
る。この沈澱物を遠心分離またはろ過により加水分解か
ら分離し、必要により真空乾燥を行えば、粉末状のSb2O
3−Sb2O5無定形複合酸化物が得られる。このSb2O3−Sb2
O5無定形複合酸化物であることの確認は、沈澱物のX線
回折、熱分析、電子顕微鏡観察および定量分析により行
われる。
《実施例》 本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。これら
は、なんら本発明の技術的範囲を限定するものではな
い。
《実施例1》 おのおのSbCl3およびSbCl5とイソプロパノール
とをベンゼン溶媒中でアンモニア法により反応させ、お
のおのアルコキシドを得た。これらSb(III)−イソプ
ロポキシド、Sb(iOPr)3とSb(V)−イソプロポキシド、
Sb(iOPr)5の2種のアルコキシドを種々の組成比で混合
し、ベンゼン溶媒とともに80℃で還流しながら反応さ
せた。この反応生成物を脱炭酸した蒸留水を大過剰加え
て65〜75℃で加水分解したことろ粉状の沈澱物が生
成した。この沈澱物を遠心分離により加水分解液から分
離洗浄した後、70℃で一昼夜乾燥して粉体を得た。
この粉体を200〜1000℃の温度範囲で段階的に熱
処理し、X線回折により融解揮発に至るまでの結晶化の
有無を、また電導度測定装置により水溶液電導性を測定
した。さらにポリ塩化ビニル樹脂とのヒートロールシー
トを作成して、酸素指数式燃焼性測定装置により難燃性
を、またカラーメーターにより透明性を調べた。その結
果を第1表に示す。
X線回折、熱分析および電子顕微鏡観察の結果、Sb(I
II)−Sb(V)複合アルコキシドの加熱還流加水分解は、
Sb(III)Sb(V)O4であるとされる結晶相の四酸化アン
チモン、すなわちSb24を生成せず、Sb(III)過剰
あるいはSb(V)過剰領域で、おのおのの価数酸化物と
の混合物と観察されるものも存在するが、ほとんど無定
形であった。全体的には200〜300オングストロー
ム程度の板状粒子が数珠状に連なった構造であった。
表中X線回折の結果の▲印は小ピーク、△印は中ピーク
強度を、一は分解揮発を示す。難燃性および透明性は、
樹脂配合比、塩化ビニル100部、可塑剤50部、安定
剤3部、Sb2O3-Sb2O5複合酸化物3部の樹脂シートの酸
素指数式難燃性測定装置による酸素指数値およびカラー
メーターによる光透過率L値で表示したものである。な
お、酸化アンチモン無添加の酸素指数および光透過率の
ブランク値はおのおの25.8および8.7であった。
《実施例2》 Sb(III)イソプロポキシドとSb(V)イソプロポキシドとを
種々の組成比で混合し、キシレン溶媒とともに100な
いし120℃で還流しながら反応させた。この反応生成
物を脱炭酸した蒸留水を反応理論量10倍量加えて80
〜100℃で加水分解したところ、粉状の沈澱物が生成
した。この沈澱物をろ過により加水分解液から分離洗浄
した後、50℃で2Hr真空乾燥して粉体を得た。この
粉体を200〜1000℃の温度範囲で段階的に熱処理
し、X線回折および熱分析により融解揮発に至るまでの
結晶化の有無を調べた。この結果を第2表に示す。
これによれば、キシレン溶媒下での加熱還流加水分解物
はいずれも無定形であって、仮焼後のX線回折の結果か
ら四酸化アンチモンSb2O4の生成が低温側に移動した
が、全体的には実施例1とほとんど同様であった。表中
▲印は小ピークを示す。
《発明の効果》 本発明によれば、Sb(III)アルコキシドおよびSb
(V)アルコキシドの組成比を目的に応ずる割合に混合
する反応とその加水分解反応とにより目的組成の超微細
粉末Sb2O3−Sb2O5無定形複合酸化物を得ることができ
る。これは透明性において三酸化アンチモン単独品より
も優れており、各種合成樹脂の難燃助剤としても使用さ
れるばかりでなく、高純度、高導電性および無定形であ
るため、触媒あるいは顔料等に使用されるほか、電子あ
るいは光学材料としての有効利用が期待できるものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンチモン(III)アルコキシド25〜7
    5重量%とアンチモン(V)アルコキシド75〜25重量
    %とを混合して反応させることにより、複合あるいは混
    合アルコキシドを作り、この反応生成物を加水分解する
    ことを特徴とする微粉末状三酸化アンチモン−五酸化ア
    ンチモン無定形複合酸化物の製造方法
JP10828585A 1985-05-22 1985-05-22 微粉末状三酸化アンチモン―五酸化アンチモン無定形複合酸化物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0610087B2 (ja)

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