JP4534644B2 - 画像読取装置 - Google Patents
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Description
このスキャナキャリッジには、スキャナを構成するCCDやレンズ、ミラー、光源等が備えられており、このキャリッジと本体との間は、フラットケーブルにて接続されている。このフラットケーブルは、光源への給電線やCCDからの出力信号を伝達する信号線として機能する。
フラットケーブルの取付構造に関する技術として、例えば、特許文献1に開示される技術がある。特許文献1の画像読取装置では、スキャナキャリッジと本体とを接続するケーブルが、S字状に曲げられて配置されるものとなっている。
キャリッジ103の移動可能な範囲は、ホーム位置(読取開始位置)Phと、同じく左端部に位置する終端位置(読取終了位置)Peと、の間である。また、フラットケーブル110と本体ケーシング102との接続箇所(コネクタ113の配設部位)は、キャリッジ103の移動範囲の中央部となっている。また、コネクタ113は、キャリッジ103の下方に設けられている。そして、フラットケーブル110の大部分は、キャリッジ103の下方で本体ケーシング102内に収容される。
これは、フラットケーブル110の長さの設定により、キャリッジ103が終端位置Peにあるときに、フラットケーブル110に弛みが生じないためである。ここで、キャリッジ103がコネクタ113に対して最も離れるのは、終端位置Peまたはホーム位置Phにある場合である。フラットケーブル110が最も引き伸ばされる際に弛みが生じないように、その長さを設定するのは、フラットケーブル110が収容される本体ケーシング102のコンパクト化を実現するためである。
これは、キャリッジ103が、終端位置Peにあるときよりもコネクタ113に接近するため、フラットケーブル110が弛まされることによる。
このとき、コネクタ12からコネクタ13へ至るフラットケーブル10の全体形状は、S字状となる。
これは、キャリッジ103がホーム位置Phにあるときに、フラットケーブル110に弛みが生じないように、フラットケーブル110の長さが設定されていることによる。特に、キャリッジ103がホーム位置Phにあるときにフラットケーブル110に弛みが生じると、その弛み部分を収容するためのスペースが必要となり、本体ケーシング102を大型化することになる。
このとき、キャリッジ103とコネクタ113の間で、フラットケーブル110が浮き上がった状態となっている。
これは、以下で説明するが、キャリッジ103がホーム位置Phより移動して、フラットケーブル110に弛みが生じた際に、フラットケーブル110に作用する張力の関係上、もっとも撓みやすい部位が撓むことによる。
このようなフラットケーブル110の浮き上がりは、次のような理由による。
このため、図6(c)に示すように、キャリッジ103がホーム位置Phにあるとき、フラットケーブル110はキャリッジ103の(ホーム位置Ph側の)先端部で直ちに下方に曲げられることになる。ここで、フラットケーブル110は、キャリッジ103の先端部で下方に押し下げられるため、この先端部からコネクタ113に至る部位で波打ったような状態にある。
この状態において、図6(d)に示すように、キャリッジ103が読取実行に伴って終端位置Peに向けて移動を開始すると、フラットケーブル110に弛みが生じ、その弛みが、前記波打ったような状態にある部位、すなわち、前記先端部からコネクタ113に至る部位、で吸収されてしまう。このようにして、キャリッジ103とコネクタ113の間で、フラットケーブル110に浮き上がりが発生してしまう。
しかしながら、フラットケーブル110の長さに余裕を持たせることは、フラットケーブル110の収容スペースを、キャリッジ103の移動範囲よりも副走査方向の外側で拡大することになり、画像読取装置のコンパクト化に反するものとなる。
しかもこの場合は、本体ケーシングとフラットケーブルとの当接が防止されても、フラットケーブルの腰によるキャリッジの浮き上がりは発生するし、コネクタとキャリッジとの間でフラットケーブルの浮き上がりも発生しうるものとなる。したがって、この場合においても、読取画像に不良を来たすことになる。
図6(b)に示すように、フラットケーブル110の屈曲部の開口方向が副走査方向を向いていると、フラットケーブル110の腰の作用方向も副走査方向に限定され、フラットケーブル110自体が浮き上がってキャリッジ103の移動の抵抗となったり、フラットケーブル110の張力がキャリッジ103を浮き上がらせる方向に作用することがない。
本体ケーシングと、
この本体ケーシング内で副走査方向に移動するキャリッジと、
前記キャリッジと前記本体ケーシングとを接続するフラットケーブルと、
を備えるフラットベットタイプの画像読取装置において、
前記フラットケーブルは、前記キャリッジより前記副走査方向に沿って引き出されて、その弛み部分が、このキャリッジの副走査方向一側で屈曲するように設けられると共に、
前記キャリッジには、前記フラットケーブルの屈曲部の内面に当接可能な突出部が主走査方向に複数形成され、
前記突出部の突出側先端面は、突出側に凸状となる湾曲面に形成され、
フラットケーブルは、前記突出部の突出側先端面に沿って、滑らかに屈曲される、ものである。
前記フラットケーブルの屈曲部と、前記キャリッジに形成される突出部とが、
前記副走査方向で読取開始位置側に配置される、ものである。
本体ケーシング2の上面にはプラテンガラス4が嵌め込まれており、プラテンガラス4上には読取用の原稿が載置される。
前記スキャナキャリッジ3には、原稿の一ラインを読取るスキャナ装置が備えられている。また、本体ケーシング2内には、スキャナキャリッジ3を、スキャナ装置による読取方向(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)に、移動させる移動手段が設けられている。
そして、一ラインの読取が可能なスキャナ装置を備えるスキャナキャリッジ3と、本体ケーシング2内に付設されるスキャナキャリッジ3の移動機構と、を合わせることで、画像読取装置1において、原稿の全面読取りが可能となっている。
本実施の形態の画像読取装置1では、原稿の読取に際して、スキャナキャリッジ3は、ホーム位置Phを原稿読取の始端位置として、このホーム位置Phから終端位置Peに向けて移動する。原稿の読取終了位置は、原稿サイズの大きさによるものであり、画像読取装置1で読取可能な最大サイズの原稿がプラテンガラス4上に載置された場合に、スキャナキャリッジ3は終端位置Peまで移動する。
なお、画像読取装置1にADF(自動原稿搬送装置)を付設してシートフィードタイプの画像読取装置とすることも可能であり、この場合は、スキャナキャリッジ3の移動可能範囲の適宜箇所に、ADFにより搬送される原稿の読取位置が設定される。
スキャナフレーム30には、副走査方向に沿って、主として光学系の装置が収容される第一室31と、主として電子部品が収容される第二室32と、が並列に配置されており、これらの各室は、スキャナフレーム30の内壁を利用して形成されている。
以下、説明の便宜のため、副走査方向において、ホーム位置Phのある側(図2、3等中右側)をホーム側とし、終端位置Peのある側(図2、3等中左側)を終端側とする。
第一室31はスキャナフレーム30のホーム側に配置され、第二室32はスキャナフレーム30の終端側に配置されている。
また、第二室32には、原稿の反射光を光電変換するCCD5、前記各ミラーからの反射光を屈折させてCCD5へ入射させるレンズ6、CCD5が取り付けられる基板11、ランプ7へ電力を供給するインバータ9などが備えられている。
なお、第一室31と第二室32との間の内壁にも、原稿の反射光を通過可能とするスリットが主走査方向に渡って形成されている。
フラットケーブル10の一端は、前記基板11の表面に固設されるコネクタ12に接続され、フラットケーブル10の他端は、本体ケーシング2の内部底面2aに固設されるコネクタ13に接続される。そして、両端がコネクタ12・13に接続されたフラットケーブル10により、スキャナキャリッジ3と本体ケーシング2とが接続される。
スキャナフレーム30のホーム側には前記第二室32が配置されているが、この第二室32のホーム側は開口しており、この開口を覆うように前記基板11が配置されている。コネクタ12は、スキャナフレーム30の内側(終端側)で基板11に固設されており、コネクタ12に接続されるフラットケーブル10は、一旦、スキャナフレーム30の内部へと引き出される。
また、第二室32の前記開口は基板11により上部は閉鎖されるが下方は開放されており、スキャナフレーム30のホーム側端部30hと基板11との間に、フラットケーブル10を挿通可能な開口である挿通口33が形成されている。
そして、コネクタ12より延出するフラットケーブル10が、スキャナフレーム30の内部でU字を描くように一回折り返された後、スキャナフレーム30の外側へ引き出される。
なお、フラットケーブル10は、第二室32内のスキャナフレーム30の内壁に固定具14を介して固定されている。このため、スキャナキャリッジ3が移動してフラットケーブル10が引っ張られるなどしても、固定具14よりコネクタ12に至るフラットケーブル10の形状(折り返し形状)は変化しない。
なお、図5(a)に示すように、スキャナキャリッジ3が終端位置Pe付近に到達している場合には、フラットケーブル10が引き伸ばされて、そのまま折り返されることなく、コネクタ13に到達する。
前述したように、スキャナキャリッジ3が内部底面2a上のコネクタ13よりもホーム側に位置する場合には、スキャナキャリッジ3より引き出されたフラットケーブル10は、コネクタ13との間で折り返される。ここで、フラットケーブル10が最大限引き伸ばされるのは、スキャナキャリッジ3がホーム位置Phにある場合または終端位置Peにある場合である。
したがって、スキャナキャリッジ3がホーム位置Phにある場合には、折り返されるフラットケーブル10が、各ガイドリブ30aの丸みを帯びた突出側先端に全面的に接触する。このとき、フラットケーブル10は、ガイドリブ30aの突出側先端の丸みに沿って、滑らかに屈曲される。このため、各ガイドリブ30aにフラットケーブル10が引っ掛かったり、急角度で折り曲げられて、その部位に屈曲の癖が付けられるような不具合もない。
これは、フラットケーブル10の長さの設定により、スキャナキャリッジ3が終端位置Peにあるときに、フラットケーブル10に弛みが生じないためである。ここで、スキャナキャリッジ3がコネクタ13に対して最も離れるのは、終端位置Peまたはホーム位置Phにある場合であるが、このような場合にフラットケーブル10に弛みが生じないように、フラットケーブル10の長さが設定されている。
これは、スキャナキャリッジ3が、終端位置Peにあるときよりもコネクタ13に接近するため、フラットケーブル10が弛まされることによる。
このとき、コネクタ12からコネクタ13へ至るフラットケーブル10の全体形状は、S字状となる。
これは、スキャナキャリッジ3がホーム位置Phにあるときに、フラットケーブル10に弛みが生じないように、フラットケーブル10の長さが設定されていることによる。
このため、フラットケーブル10に弛みの無い状態でも、スキャナキャリッジ3より引き出されたフラットケーブル10が、U字状に折り返されることになる。
このとき、スキャナキャリッジ3の移動によるフラットケーブル10の弛みは、スキャナキャリッジ3がホーム位置Phにある際に、ガイドリブ30a・30a・・・によって癖をつけられたフラットケーブル10の屈曲部Bを成長させることで、吸収される。つまり、スキャナキャリッジ3が終端位置Peに向かうにつれて、屈曲部Bが副走査方向でスキャナキャリッジ3より離間していくことになる。このため、スキャナキャリッジ3の移動によるフラットケーブル10の弛みが、スキャナキャリッジ3よりコネクタ13に至る部位で屈曲し、その屈曲を成長させることで、吸収されることがない。したがって、フラットケーブル10に浮き上がりが発生して、スキャナキャリッジ3と接触したりすることがない。
第一の発明の画像読取装置は、本体ケーシングと、この本体ケーシング内で副走査方向に移動するキャリッジと、前記キャリッジと前記本体ケーシングとを接続するフラットケーブルと、を備えるフラットベットタイプの画像読取装置である。
前記キャリッジとしては、スキャナ装置が備えられるスキャナキャリッジ3に限定されるものではなく、光源とミラーのみを備えるミラーキャリッジであってもよく、電装品が搭載されたキャリッジのように本体側とフラットケーブルを介して接続することを要するキャリッジであれば、他の構成であっても良い。
以上構成により、フラットケーブル10に生じる弛み部分が、スキャナキャリッジ3の副走査方向一側に位置すると共に、屈曲した状態となる。前述では、このフラットケーブル10の屈曲部と、この屈曲部からスキャナキャリッジ3および底面2aの双方に伸びる延出部とを合わせて、U字状の屈曲と表現している。
なお、フラットケーブル10の弛み部分が、このスキャナキャリッジ3の副走査方向一側で屈曲する構成であれば、フラットケーブルが、キャリッジと本体ケーシングの内部側面との間に接続される構成や、キャリッジと本体ケーシングの内部上面との間に接続される構成であっても良い。
また、キャリッジ内でのフラットケーブルの引き出し形状も問うものではなく、本実施の形態の様に、スキャナキャリッジ3内でフラットケーブル10を一回折り返すような形状に限定されるものではない。
これら複数のガイドリブ30a・30a・・・は、スキャナフレーム30より引き出されるフラットケーブル10の幅内に配置されている。そして、スキャナキャリッジ3がホーム位置Phに移動すると、すなわちフラットケーブル10に弛みが生じない状態となると、ガイドリブ30a・30a・・・にフラットケーブル10の内面が当接する。ここで、フラットケーブル10の弛み部分はU字状に屈曲しているが、この屈曲部の内面が、ガイドリブ30a・30a・・・と当接するものである。
このため、キャリッジの移動範囲の限界点(前記ホーム位置Ph等)で、フラットケーブルに弛みがないようにフラットケーブルの長さを設定しても、キャリッジの移動によりフラットケーブルが浮き上がることがない。つまり、フラットケーブルの収容スペースを確保するために、本体ケーシングを大型化する必要がない。したがって、装置全体のコンパクト化と、浮き上がったフラットケーブルとキャリッジとの接触による読取画像の不良発生防止とが、同時に実現される。
なお、突出側先端面が、突出側に凸状となる湾曲面に形成される突出部の構成は、本実施の形態(U字状のガイドリブ30a)でなくても、突出側先端が湾曲した弧状部材とキャリッジの先端とを連結してなる丸みを帯びた矢印状部材により、前記突出部を構成するものであっても良く、構成を限定するものではない。
このため、フラットケーブルが、前記突出部に引っ掛かったり、急角度で折り曲げられて、その部位に屈曲の癖が付けられるような不具合もない。
このため、キャリッジの進行方向前側に前記屈曲部が位置する場合よりも、フラットケーブルの腰によりキャリッジが受ける抵抗が小さく、読取画像の不良が発生しにくい。
2 本体ケーシング
3 スキャナキャリッジ
10 フラットケーブル
30 スキャナフレーム
30a リブ(突出部)
Ph ホーム位置(読取開始位置)
Pe 終端位置
B 屈曲部
Claims (2)
- 本体ケーシングと、
この本体ケーシング内で副走査方向に移動するキャリッジと、
前記キャリッジと前記本体ケーシングとを接続するフラットケーブルと、
を備えるフラットベットタイプの画像読取装置において、
前記フラットケーブルは、前記キャリッジより前記副走査方向に沿って引き出されて、その弛み部分が、このキャリッジの副走査方向一側で屈曲するように設けられると共に、
前記キャリッジには、前記フラットケーブルの屈曲部の内面に当接可能な突出部が主走査方向に複数形成され、
前記突出部の突出側先端面は、突出側に凸状となる湾曲面に形成され、
フラットケーブルは、前記突出部の突出側先端面に沿って、滑らかに屈曲される、
ことを特徴とするの画像読取装置。 - 前記フラットケーブルの屈曲部と、前記キャリッジに形成される突出部とが、
前記副走査方向で読取開始位置側に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
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