以下、本発明に係る画像読取装置を、画像読取装置1に具体化した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。そして、当該画像読取装置1におけるシート排出口22側を装置の前側と規定し、シート排出口22に対向した場合に左手に来る側を左側と規定して、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、図2以降に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。
(画像読取装置の概略構成)
本実施形態に係る画像読取装置1は、本体筐体5を構成する第1筐体10と第2筐体15の間に形成される搬送ガイド部20に沿ってシートを搬送して、読取部40によって当該シートから画像を読取可能に構成されており、図1等に示すように、搬送部25と、読取部40と、回路基板60とを有している。
(本体筐体の構成)
本実施形態に係る本体筐体5は、画像読取装置1における各構成を収容しており、第1筐体10と、第2筐体15を相互に連結して構成されている。第1筐体10は、画像読取装置1における本体筐体5の下側部分を構成しており、後述する第1読取部50や、回路基板60等の各種構成装置を収容している。
第1筐体10の上面には、下側案内面10Gが形成されており、後述するように、搬送ガイド部20の下側部分を構成する。図1、図2に示すように、下側案内面10Gは、第1筐体10の上面後方側から前方に向かうにつれて下り傾斜している。そして、第1筐体10は、下側案内面10Gの前方側近傍に左右方向(図1紙面に垂直な方向)に延びる回動軸(図示せず)を中心として、当該第1筐体10の上方に位置する第2筐体15を開閉可能に支持している。
そして、第2筐体15は、画像読取装置1における本体筐体5の上側部分を構成しており、後述する第2読取部55等の各種構成装置を収容している。当該第2筐体15の下面には、上側案内面15Gが形成されており、第1筐体10の下側案内面10Gに沿うように、第2筐体15の下面後方側から前方に向かうにつれて下り傾斜している。
図1に示すように、第1筐体10の下側案内面10Gと、第2筐体15の上側案内面15Gとは、シートが通過可能な所定の間隔を有して互いに対向している。下側案内面10Gと、上側案内面15Gは、第1筐体10に対して第2筐体15を閉じ、相互に対向するように配置することで、シートが搬送される搬送ガイド部20及びシート搬送経路Rを構成する。図2に示すように、第2筐体15を第1筐体10に対して上方に離間させることで、搬送ガイド部20を開放することができる。
(搬送ガイド部の構成)
上述したように、搬送ガイド部20は、第1筐体10に対して第2筐体15を閉じた場合に、下側案内面10Gと上側案内面15Gとの間に形成され、シート搬送経路Rとして機能する。搬送ガイド部20は、シート導入口21と、シート排出口22とを接続しており、画像の読取対象であるシートが搬送される部分である。
本実施形態におけるシートは、例えば、用紙やOHPシート等を用いることができる。そして、本実施形態においては、幅の広いものでは、レターサイズやA4サイズの用紙等を用いることができ、幅の狭いものでは、葉書等を用いることができる。
図1に示すように、シート導入口21は、第1筐体10における下側案内面10Gの後端縁と、第2筐体15における上側案内面15Gの後端縁との隙間によって構成されており、左右方向へシートの幅よりも長い寸法を有している。従って、本実施形態に係る画像読取装置1は、シート導入口21を介して、搬送ガイド部20内部にシートを挿入することができる。
そして、シート排出口22は、第1筐体10における下側案内面10Gの前端縁と、第2筐体15における上側案内面15Gの前端縁との隙間によって構成されており、左右方向へシートの幅よりも長い寸法を有している。従って、本実施形態に係る画像読取装置1は、搬送ガイド部20内部を搬送されたシートを、シート排出口22から排出することができる。
シート搬送経路Rは、第1筐体10の下側案内面10Gと、第2筐体15の上側案内面15Gとに上下方向から挟まれてなる通路であり、シート導入口21から前方に向かうにつれて下り傾斜しており、シート排出口22に接続されている。シート搬送経路Rは、後側のシート導入口21から挿入されたシートを、前側のシート排出口22へ案内する。
シート搬送経路Rが延びる方向である搬送方向は、後側上方から前側下方に向かう下り傾斜した方向である。換言すると、搬送方向は、第1筐体10の下側案内面10Gと、第2筐体15の上側案内面15Gとに上下方向から挟まれてなる通路が延びる方向である。搬送方向の上流側はシート導入口21側であり、搬送方向の下流側はシート排出口22側である。そして、搬送方向と直交する幅方向は、画像読取装置1の左右方向に相当し、図1、図2における紙面に垂直な方向である。シート搬送経路Rに対して高さ方向の一方側は、搬送ガイド部20における下側案内面10G側である。シート搬送経路Rに対して高さ方向の他方側は、搬送ガイド部20における上側案内面15G側である。
(搬送部の構成)
そして、搬送部25は、上流側搬送部30と、下流側搬送部35とを有しており、シート導入口21から搬送ガイド部20内部に挿入されたシートを、シート排出口22に向かって搬送する。
上流側搬送部30は、搬送ガイド部20における搬送方向上流側(即ち、シート導入口21よりも搬送方向下流側で、読取部40よりも搬送方向上流側)において、搬送ガイド部20に沿って配設されており、上流側駆動ローラ31と、上流側従動ローラ32とを有している。
上流側駆動ローラ31は、搬送ガイド部20における下側案内面10G側に回転可能に配設されており、第1読取部50よりもシート導入口21側に位置している。当該上流側駆動ローラ31は、駆動源(図示せず)によって回転駆動する上流側駆動軸に形成されており、上流側従動ローラ32と協働することで、搬送ガイド部20内部に位置するシートを搬送方向下流側へ搬送する。
そして、上流側従動ローラ32は、搬送ガイド部20における上側案内面15G側に回転可能に配設されており、第2読取部55よりもシート導入口21側に位置している。当該上流側従動ローラ32は、搬送ガイド部20を介して、上流側駆動ローラ31と対向する位置に配設されており、バネ部材(図示せず)の付勢力によって、上流側駆動ローラ31に押し付けられている。
即ち、当該上流側搬送部30においては、上流側駆動ローラ31及び上流側従動ローラ32は、バネ部材(図示せず)の付勢力によって互いに接触している為、搬送ガイド部20に案内されるシートを、上流側駆動ローラ31と上流側従動ローラ32で挟持して、当該シートに対して搬送力を伝達することができる。
そして、下流側搬送部35は、搬送ガイド部20における搬送方向下流側(即ち、読取部40よりも搬送方向下流側で、シート排出口22よりも搬送方向上流側)において、搬送ガイド部20に沿って配設されており、下流側駆動ローラ36と、下流側従動ローラ37とを有している。
下流側駆動ローラ36は、搬送ガイド部20における下側案内面10G側に回転可能に配設されており、第1読取部50よりシート排出口22側に位置している。当該下流側駆動ローラ36は、駆動源(図示せず)によって回転駆動する下流側駆動軸に形成されており、下流側従動ローラ37と協働することによって、搬送ガイド部20内部に位置するシートを、搬送方向下流側に搬送し、シート排出口22から排出する。
そして、下流側従動ローラ37は、搬送ガイド部20における上側案内面15G側に回転可能に配設されており、第2読取部55よりもシート排出口22側に位置している。当該下流側従動ローラ37は、搬送ガイド部20を介して、下流側駆動ローラ36と対向する位置に配設されており、バネ部材(図示せず)の付勢力によって、下流側駆動ローラ36に押し付けられている。
そして、当該下流側搬送部35では、下流側駆動ローラ36及び下流側従動ローラ37は、バネ部材(図示せず)の付勢力によって互いに接触している為、搬送ガイド部20に案内されるシートを、下流側駆動ローラ36と下流側従動ローラ37で挟持して、当該シートに対して搬送力を伝達して、シート排出口22から排出することができる。
(読取部の構成)
読取部40は、上流側搬送部30と下流側搬送部35の間に配設されており、搬送ガイド部20内部を搬送されるシートから画像を読み取る。図1〜図3に示すように、当該読取部40は、第1読取部50と、第2読取部55を有している。
図3に示すように、第1読取部50は、上流側搬送部30と下流側搬送部35との間において、第1筐体10の下側案内面10Gに沿って配設されており、搬送ガイド部20内部のシート搬送経路Rに沿って搬送されるシートの一面(下面)から画像を読み取る。当該第1読取部50は、イメージセンサを含む読取ユニット100等を第1センサ収納部51内部に収納しており、第1センサ収納部51における搬送ガイド部20側に、コンタクトガラス120を有して構成されている。
第1センサ収納部51は、搬送ガイド部20のシート搬送経路Rを構成する下側案内面10Gに沿った位置に開口部を有する凹状に形成されており、画像読取装置1の左右方向に沿って、長辺を有する略箱型をなす。
読取ユニット100は、Contact Image Sensor(以後、「CIS」と略す)により構成されるイメージセンサを有しており、搬送ガイド部20のシート搬送経路R側に読取面を備えて構成されている。当該読取ユニット100の長辺方向は、画像読取装置1の左右方向に沿っている。読取ユニット100における読取面には、長辺方向に沿って列設された撮像素子等が配設されている。読取ユニット100の長辺方向は、読取ユニット100の主走査方向に該当する。
図1〜図3に示すように、第1読取部50における読取ユニット100は、読取面が上方(即ち、搬送ガイド部20のシート搬送経路R)側となる態様で、第1センサ収納部51内部に収納される。即ち、読取ユニット100の読取面は、シート搬送経路Rに面している。そして、読取ユニット100に対しては、フラットケーブル70の一端が接続されており、フラットケーブル70の他端は、回路基板60に接続されている。当該読取ユニット100は、フラットケーブル70が接続された状態のままで、第1センサ収納部51に対して着脱可能に収納される(図4、図5参照)。この点については、後に詳細に説明する。
そして、第1読取部50において、コンタクトガラス120は、第1センサ収納部51における搬送ガイド部20側に配設されており、所謂「プラテンガラス」として機能する。当該コンタクトガラス120は、下側案内面10Gの一部を構成している為、第1読取部50の読取ユニット100は、搬送ガイド部20のシート搬送経路Rに沿って搬送されるシートの一面の画像を、コンタクトガラス120を介して読み取ることができる。
そして、第2読取部55は、上流側搬送部30と下流側搬送部35との間において、第2読取部55の上側案内面15Gに沿って配設されており(図3参照)、搬送ガイド部20内部のシート搬送経路Rに沿って搬送されるシートの一面(上面)から画像を読み取る。当該第2読取部55は、搬送ガイド部20を介して、第1読取部50と対向する位置に配設されている。図3に示すように、第2読取部55は、イメージセンサを含む読取ユニット100等を第2センサ収納部56内部に収納しており、第2センサ収納部56における搬送ガイド部20側に、コンタクトガラス120を有して構成されている。
第2センサ収納部56は、搬送ガイド部20のシート搬送経路Rを構成する上側案内面15Gに沿った位置に開口部を有する凹状に形成されており、画像読取装置1の左右方向に沿って、長辺を有する略箱型をなす。
第2読取部55においても、読取ユニット100は、Contact Image Sensor(以後、「CIS」と略す)により構成されるイメージセンサを有しており、搬送ガイド部20のシート搬送経路R側に読取面を備えて構成されている。当該読取ユニット100の長辺方向は、画像読取装置1の左右方向に沿っている。読取ユニット100における読取面には、長辺方向に沿って列設された撮像素子等が配設されている。読取ユニット100の長辺方向は、読取ユニット100の主走査方向に該当する。
第2読取部55における読取ユニット100は、読取面が下方(即ち、搬送ガイド部20のシート搬送経路R)側となる態様で、第2センサ収納部56内部に収納されている(図1〜図3参照)。即ち、読取ユニット100の読取面は、シート搬送経路Rに面している。尚、第2読取部55においても、読取ユニット100に対しては、フラットケーブル70の一端が接続されており、フラットケーブル70の他端は、回路基板60に接続されている。又、第2読取部55における読取ユニット100は、第1読取部50と同様に、フラットケーブル70が接続された状態のままで、第2センサ収納部56に対して着脱可能に収納される。
そして、第2読取部55において、コンタクトガラス120は、第2センサ収納部56における搬送ガイド部20側に配設されており、所謂「プラテンガラス」として機能する。この第2読取部55のコンタクトガラス120は、上側案内面15Gの一部を構成している為、第2読取部55の読取ユニット100は、搬送ガイド部20のシート搬送経路Rに沿って搬送されるシートの一面の画像を、コンタクトガラス120を介して読み取ることができる。
(回路基板の構成)
そして、回路基板60は、第1筐体10内の下部に配設されており、CPU、ROM及びRAM等からなる制御回路を有している。回路基板60には、ACアダプタ及び給電コードを介して、家庭用コンセントから電力が供給される。回路基板60は、フラットケーブル70を介して、読取部40における各読取ユニット100と電気的に接続されており、読取ユニット100による画像の読取に関する制御を行う。又、回路基板60は、第1筐体10内部に配設された駆動源(図示せず)に電気的に接続されており、当該駆動源に電力を供給して制御することで、モータ及び伝達ギヤ群を介して、搬送部25によるシートの搬送制御を行う。
(画像読取装置によるシートの画像読取動作)
上述のように構成された画像読取装置1において、シートの画像を読み取る際の画像読取動作について説明する。シートの画像を読み取る場合、回路基板60は、駆動源(図示せず)に駆動力を発生させるように制御する。これにより、画像読取装置1は、シート導入口21から搬送ガイド部20内部に挿入されたシートを、上流側搬送部30の上流側駆動ローラ31と、上流側従動ローラ32の協働によって、シート搬送経路Rに沿って、搬送方向下流側へ搬送する。
上流側搬送部30によってシートが搬送方向下流側へ搬送されると、回路基板60は、読取部40を構成する第1読取部50及び第2読取部55を制御して、シート搬送経路Rに沿って搬送されるシートの両面から画像を読み取る。読取部40による画像の読取動作は、搬送部25によるシートの搬送動作と並行して実行される。
読取部40によって画像が読み取られたシートは、読取部40よりも搬送方向下流側へ搬送されると、下流側搬送部35の下流側駆動ローラ36及び下流側従動ローラ37によって挟持される。画像読取装置1は、回路基板60によって下流側搬送部35の駆動制御を行うことで、当該シートを、シート排出口22から本体筐体5の外部に排出される。
(読取ユニット着脱時におけるフラットケーブルの動作)
ここで、本実施形態に係る画像読取装置1においては、読取部40における読取ユニット100のメンテナンス作業を行う際に、第1筐体10に対して第2筐体15を回動させて、搬送ガイド部20を開放することによって、当該読取ユニット100を、フラットケーブル70を接続した状態で、センサ収納部(第1センサ収納部51又は、第2センサ収納部56)に対して着脱することが可能である。
読取ユニット100のメンテナンス作業時に有効に作用する構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下の説明においては、第1読取部50における読取ユニット100のメンテナンス作業を例に挙げて説明する。第2読取部55の読取ユニット100に対するメンテナンス作業に関しては、第1読取部50に係る構成と略同様である為、その説明を省略する。
上述したように、本実施形態に係る画像読取装置1においては、第1筐体10に対して第2筐体15が開閉可能に連結されている。従って、図2に示すように、第1筐体10に対して第2筐体15を回動させることによって、搬送ガイド部20を開放することができ、第1筐体10の下側案内面10Gを露出させることができる。
第1筐体10の下側案内面10Gには、第1読取部50の第1センサ収納部51が形成されており、当該第1センサ収納部51の内部には、読取ユニット100が着脱可能に収納されている。図4に示すように、第1読取部50における読取ユニット100には、コネクタ部113Aが形成されており、フラットケーブル70の端部が接続されている。当該コネクタ部113Aは、第1センサ収納部51内部に収納された場合に、搬送方向下流側(画像読取装置1の前方側)に位置するように配設されており、フラットケーブル70の端部は、搬送方向上流側を向いて、コネクタ部113Aに対して接続される。
フラットケーブル70は、所謂、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)であって、可撓性を有する帯状のケーブルである。フラットケーブル70は、読取ユニット100のコネクタ部113Aと、回路基板60とを電気的に接続しており、読取ユニット100によって読み取られた画像データを、回路基板60に伝達する。
そして、回路基板60から伸びるフラットケーブル70には、ケーブル固定部材80がフラットケーブル70を包むように取り付けられており、当該ケーブル固定部材80は、フェライトコアによって構成されており、フラットケーブル70における高周波ノイズを低減する為のノイズフィルタとして機能し得る。
第1筐体10は、第1センサ収納部51よりも搬送方向下流側に、ケーブル収納部11を有している。図1〜図5に示すように、当該ケーブル収納部11は、第1センサ収納部51に形成された開口を介して、第1センサ収納部51内部と連通しており、読取ユニット100のコネクタ部113Aと、回路基板60とを接続するフラットケーブル70を収納している。当該ケーブル収納部11は、搬送ガイド部20(シート搬送経路R)の下部を構成する下側案内面10Gから離間する方向(画像読取装置1における下方)に拡がっており、フラットケーブル70を下方に突出するように撓んだ状態で収納している(図4、図5参照)。
そして、第1筐体10の内部には、規制部12及び係止片13が、回路基板60よりも画像読取装置1の前方側であって、ケーブル収納部11よりも画像読取装置1の後方側となる位置に形成されている。規制部12は、第1センサ収納部51よりも搬送方向下流側であって、ケーブル収納部11よりも搬送方向上流側において、シート搬送経路Rから離間する方向(即ち、画像読取装置1の下方)に向かって突出形成されている。
図1〜図5に示すように、係止片13は、規制部12と協働することによって、読取ユニット100のコネクタ部113Aから回路基板60への経路上の所定位置に、フラットケーブル70に配設されたケーブル固定部材80を保持している。当該係止片13は、回路基板60よりも画像読取装置1の前方側であって、規制部12よりも画像読取装置1の後方側において、下方に向かって突出形成されている。
上述したように、フラットケーブル70は、回路基板60から、ケーブル収納部11を経由して、読取ユニット100のコネクタ部113Aに対して接続されており、ケーブル固定部材80がフラットケーブル70を包むように取り付けられている。
図4に示すように、ケーブル固定部材80を、規制部12と係止片13の間に取り付けて固定すると、フラットケーブル70は、回路基板60から係止片13下端部の下方を経由して、規制部12と係止片13の間を上下方向に向かって伸びるように配置される。
そして、フラットケーブル70は、ケーブル固定部材80の上面を介して、ケーブル固定部材80と規制部12の間に至る。当該フラットケーブル70は、ケーブル固定部材80と規制部12の協働によって、搬送ガイド部20(シート搬送経路R)の下部を構成する下側案内面10G近傍で固定される。ケーブル固定部材80と規制部12の協働によって、フラットケーブル70が固定された位置を「固定位置70F」という。
フラットケーブル70は、ケーブル固定部材80と規制部12の間を介して、固定位置70Fから下方へ延び、規制部12下端よりも下方を経由して、ケーブル収納部11に至る。そして、フラットケーブル70は、規制部12の作用によって、ケーブル収納部11内部において、下方へ撓んだ折り返し部70Sを有する状態で収納される。そして、フラットケーブル70は、下方に撓んだ折り返し部70Sを有する状態で収納されているケーブル収納部11から、第1センサ収納部51の開口部を介して、読取ユニット100のコネクタ部113Aに接続される。
(センサ収納部に対する読取センサの取り外し動作)
第1読取部50の読取ユニット100に対するメンテナンス作業に際して、作業者は、第1筐体10に対して第2筐体15を回動させて、搬送ガイド部20を開放することで、第1筐体10の下側案内面10Gを露出させる(図2参照)。その後、作業者は、コネクタ部113Aを介してフラットケーブル70が接続された状態のまま、下側案内面10Gの第1センサ収納部51から、読取ユニット100を取り外す。
図4に示すように、読取ユニット100が第1センサ収納部51に収納されている場合に、フラットケーブル70は、下側に撓んだ折り返し部70Sが画像読取装置1の底部に位置する状態で、ケーブル収納部11内部に収納されている。これにより、コネクタ部113Aを介してフラットケーブル70が接続された状態のまま、読取ユニット100を第1センサ収納部51から取り外した場合、第1センサ収納部51から所定以上の距離引き離すことができる。
図2に示すように、画像読取装置1では、第1筐体10に対して第2筐体15を回動させ、下側案内面10Gを露出させた場合であっても、第1筐体10に対する第2筐体15の回動範囲は、所定範囲内に制限されている。この点、本実施形態に係る画像読取装置1によれば、フラットケーブル70が接続された状態のまま、読取ユニット100を第1センサ収納部51から取り外した場合、第1センサ収納部51から所定以上の距離引き離すことができる為、読取ユニット100のメンテナンス作業(例えば、コネクタ部113Aに対するフラットケーブル70の着脱作業や、読取ユニット100の交換作業等)を行う為の作業スペースを十分に確保し得る。
(センサ収納部に対する読取センサの装着動作)
第1読取部50の読取ユニット100に対するメンテナンス作業を行った後、作業者は、
コネクタ部113Aを介してフラットケーブル70が接続された状態のまま、読取ユニット100を、下側案内面10Gの第1センサ収納部51内部に収納する。
図5に示すように、第1センサ収納部51から読取ユニット100を取り外した状態においても、フラットケーブル70は、規制部12の作用によって、ケーブル収納部11内部において、下側に撓んだ折り返し部70Sを有する状態で収容されている。この為、当該画像読取装置1によれば、作業者が読取ユニット100を第1センサ収納部51内に収納する際に、第1センサ収納部51の内部において、フラットケーブル70の折り返し部70Sを下方へ移動させることができる。
即ち、当該画像読取装置1によれば、読取ユニット100を第1センサ収納部51に取り付ける際に、可撓性を有するフラットケーブル70の復元力の影響を抑制しつつ、フラットケーブル70をケーブル収納部11内に対して、より円滑に収納することができ、もって、読取部40のメンテナンス作業に関する作業性を向上させることができる。
又、フラットケーブル70の折り返し部70Sは、ケーブル収納部11内部において、下側に撓んだ状態となるように、フラットケーブル70を折り返して形成されている為、フラットケーブル70の復元力は、ケーブル収納部11内部において、画像読取装置1の前後方向に作用する。従って、当該画像読取装置1によれば、折り返し部70Sに基づくフラットケーブル70の復元力が、読取部40(第1読取部50、第2読取部55)の読取ユニット100に作用することを抑制し得る。
以上説明したように、本実施形態に関する画像読取装置1は、第1筐体10及び第2筐体15からなる本体筐体5と、搬送部25と、読取部40と、回路基板60と、フラットケーブル70とを有しており、第1読取部50及び第2読取部55によって、第1筐体10と第2筐体15の間に形成される搬送ガイド部20に沿って搬送されるシートから画像を読み取ることができる。
図1〜図5に示すように、第1読取部50において、読取ユニット100は、第1センサ収納部51に対して着脱可能に配設されており、フラットケーブル70は、読取ユニット100を第1センサ収納部51内部に収納した場合、ケーブル収納部11内部において、下側に撓んだ折り返し部70Sを有する状態で収納されている。これにより、当該画像読取装置1によれば、読取ユニット100にフラットケーブル70が接続されたままの状態で、第1センサ収納部51から読取ユニット100をある程度の距離引き離すことができ(図5参照)、読取ユニット100のメンテナンス作業を行う為の作業スペースを十分に確保し得る。
当該画像読取装置1において、読取ユニット100のコネクタ部113Aには、フラットケーブル70の端部が搬送方向上流側に向いて接続され(図3等参照)、ケーブル収納部11は、下側案内面10Gから離間する方向(画像読取装置1の下方)に向かって広がっている為、読取ユニット100を第1センサ収納部51内部に収納する際に、フラットケーブル70の復元力の影響を抑制しつつ、フラットケーブル70をケーブル収納部11内部に収納することができ、もって、読取ユニット100のメンテナンス作業に関する作業性を向上させることができる。
又、当該画像読取装置1によれば、フラットケーブル70は、ケーブル収納部11内部おいて、下側に突出するように撓んだ折り返し部70Sを有しているので、第1センサ収納部51に対する読取ユニット100の収容作業において、フラットケーブル70をケーブル収納部11内部に収納させる際に、折り返し部70Sを下方へ移動させることができ、より円滑に、ケーブル収納部11内にフラットケーブル70を収納することができる。
そして、折り返し部70Sは、フラットケーブル70を下側へ突出するように撓んで構成されている為、フラットケーブル70の復元力は、ケーブル収納部11内において、画像読取装置1の前後方向に作用する。従って、当該画像読取装置1によれば、折り返し部70Sに基づくフラットケーブル70の復元力が読取ユニット100に作用することを抑制することができ、もって、読取ユニット100による読取性能の低下を抑制し得る。
図4、図5に示すように、読取ユニット100のコネクタ部113Aと、フラットケーブル70の固定位置70Fとの間に、規制部12を有しており、当該規制部12は、搬送ガイド部20のシート搬送経路Rから離間する方向(画像読取装置1の下方)へ突出形成されている為、前記コネクタ部113Aと前記固定位置70Fとの間に位置する前記フラットケーブル70と接触することによって、フラットケーブル70の折り返し部70Sを、ケーブル収納部11内部に確実に形成することができる。これにより、当該画像読取装置1によれば、ケーブル収納部11内にフラットケーブル70を収納する際に、折り返し部70Sをシート搬送経路Rから離間する方向(画像読取装置1の下方)へ移動させることができ、より円滑に、ケーブル収納部11内にフラットケーブル70を収納し得る。
そして、図4に示すように、読取ユニット100部のコネクタ部113Aは、前記読取ユニット100部を第1センサ収納部51内部に収納した場合に、前記規制部12よりも前記搬送方向上流側に位置する為、前記読取ユニット100部を第1センサ収納部51内部に収納する際に、フラットケーブル70の復元力の影響を抑制しつつ、フラットケーブル70を円滑に前記ケーブル収納部11内に収納することができる。即ち、当該画像読取装置1によれば、読取ユニット100のメンテナンス作業に関し、特に、読取ユニット100を第1センサ収納部51に収納する際の作業性を向上させることができる。
そして、ケーブル固定部材80は、回路基板60から伸びるフラットケーブル70を包むように取り付けられており、図4、図5に示すように、規制部12よりも搬送方向上流側において、規制部12及び係止片13と協働することで、前記規制部12よりも前記搬送方向上流側にケーブル固定部材80を固定することができる。これにより、当該画像読取装置1によれば、搬送ガイド部20の下部を構成する下側案内面10G近傍の固定位置70Fで、フラットケーブル70の一部を固定することができる。これにより、当該画像読取装置1によれば、ケーブル収納部11内において、フラットケーブル70を下側に突出するように撓んだ折り返し部70Sを有した状態で、フラットケーブル70を収納することができ、読取ユニット100のメンテナンス作業に関する作業性を向上させることができる。
尚、上述した実施形態において、画像読取装置1は、本発明における画像読取装置の一例である。本体筐体5は、本発明における装置本体の一例である。そして、第1筐体10は、本発明における第1筐体の一例であり、第2筐体15は、本発明における第2筐体の一例である。又、搬送ガイド部20及びシート搬送経路Rは、本発明における搬送経路の一例であり、搬送部25は、本発明における搬送部の一例である。読取部40、第1読取部50、第2読取部55は、本発明における読取部の一例であり、回路基板60は、本発明における基板の一例である。そして、フラットケーブル70は、本発明におけるフラットケーブルの一例である。又、コネクタ部113Aは、本発明におけるコネクタ部の一例である。そして、ケーブル収納部11は、本発明におけるケーブル収納部の一例である。そして、折り返し部70Sは、本発明における折り返し部の一例であり、規制部12は、本発明における規制部の一例である。ケーブル固定部材80は、本発明におけるケーブル固定部材の一例である。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した実施形態においては、本発明を、第1読取部50及び第2読取部55を有する画像読取装置1に適用していたが、この態様に限定されるものではない。シートを搬送しつつ、読取部によってシートの画像を読み取ることができる画像読取装置であれば、本発明を適用することができる。
又、上述した実施形態においては、規制部12は、搬送ガイド部20のシート搬送経路Rから離間する方向として、画像読取装置1の下方に突出形成されていたが、この態様に限定されるものではない。規制部12の突出方向は、搬送ガイド部20のシート搬送経路Rから離間する方向であればよく、画像読取装置1の構成に応じて適宜変更することができる。
そして、上述した実施形態では、ケーブル固定部材80を、フェライトコアによって構成することによって、フラットケーブル70における高周波ノイズを低減する為のノイズフィルタとして機能させていたが、この態様に限定されるものではない。本発明においては、ケーブル固定部材80として、固定位置70Fにおいてフラットケーブル70を固定することができれば、ノイズフィルタとして機能させない構成であってもよい。