JP4534265B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマー電解質を備えた二次電池の負極材料の改良により充放電容量および充放電サイクル寿命などの電気化学特性が改善された非水電解質二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機電解液を用い、炭素材料を負極活物質、リチウム含有複合酸化物を正極活物質とするリチウムイオン二次電池は、水溶液系の二次電池に比べて電圧、エネルギー密度が高く、かつ低温特性が優れている。また、負極にリチウム金属を用いていないことからサイクル安定性、安全性にも優れており、急速に実用化されている。また、有機電解液を含有する高分子(ポリマー)ゲル状電解質を用いたリチウムポリマー電池も薄型・軽量の新電池系として開発されつつある。ポリマー電解質電池はArmandらによってポリエチレンオキサイドと電解質塩から成るポリマー電解質を用いた電池が提案されて以来(Second International Meeting on Solid Electrolytes, Extended Abstracts, p20-22 (1978), 米国特許第4,303,748号)、種々の研究が行われている。例えば、「導電性高分子」緒方直哉編 講談社、(1990)や 「Polymer Electrolyte Reviews」, Vols.1 and 2, Elsevier, London (1987,1989)に各種ポリマー電解質材料が記載されているが、室温でのイオン伝導度が10-4〜10-5S/cmのレベルに止まっている。イオン伝導度を向上させる別のアプローチとして、有機電解液の溶媒を可塑剤として含有させることにより、10-3S/cmレベルのイオン伝導度を容易に達成できるタイプの電解質が提案され(J.Electrochem.Soc.,137, 1657(1990), 米国特許第5085952号, 同第5223353号, 同第5275750号など)、ポリマーゲル電解質と呼ばれている。このポリマーゲル電解質を用いたポリマー電池はイオン伝導度の向上により、リチウムイオン電池と同程度の特性が期待されるが、容量面では正負極合剤中にもポリマーを含有することが必要であるため、活物質量(密度)が低下する。従って、同一の正負極材料を用いた場合リチウムポリマー二次電池はリチウムイオン電池よりもエネルギー密度が低下するという課題がある。
【0003】
負極材料として高容量であるリチウム金属を用いた場合は、充電時に負極にデンドライト状の析出がおこり、充放電を繰り返すことによりポリマーゲル電解質を突き破って正極側に達し、内部短絡を起こす恐れがあった。また、析出したリチウムは比表面積が大きいため反応活性度が高く、ポリマーゲル電解質の可塑剤(溶媒)と反応して不活性化し、充放電効率を低下させる。これらの理由で負極材料としてリチウム金属を用いたリチウム二次電池は、低い信頼性、および短いサイクル寿命に問題があった。
【0004】
現在、リチウム金属に替わる負極材料として、リチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料を使用し実用化に至っている。通常、炭素材料負極には金属リチウムは析出しないため、デンドライトによる内部短絡の問題はない。しかし、炭素材料の一つである黒鉛の理論容量は372mAh/gであり、Li金属単体の理論容量の10分の1程度と少ない。
【0005】
他の負極材料として、リチウムと化合物を形成する単体金属材料および単体非金属材料が知られている。例えば、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)のリチウムを最も含む化合物の組成式は、それぞれLi22Si5、Li22Sn5、LiZnであり、この範囲では金属リチウムは通常析出しないため、デンドライトによる内部短絡の問題はない。そして、これら化合物と各単体材料との間の電気化学容量は、それぞれ4199mAh/g、993mAh/g、410mAh/gであり、いずれも黒鉛の理論容量よりも大きい。またリチウムと化合物を形成する単体金属材料および単体非金属材料の他に化合物負極材料として、特開平7−240201号公報には遷移元素からなる非鉄金属の珪化物が、特開平9−63651号公報には4B族元素及びP,Sbの少なくとも一つを含む金属間化合物からなり、その結晶構造がCaF2型、ZnS型、AlLiSi型のいずれかからなる負極材料などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような炭素材料よりも高容量の負極材料には、それぞれ以下に示すような課題がある。
【0007】
リチウムと化合物を形成する単体金属材料および単体非金属材料の負極材料は共通して、炭素負極材料にくらべて充放電サイクル特性が悪い。その理由は定かでないが以下のように考えている。
【0008】
例えばケイ素は、その結晶学的な単位格子(立方晶、空間群Fd-3m)に8個のケイ素原子を含んでいる。格子定数a=0.5420nmから換算して、単位格子体積は0.1592nm3であり、ケイ素原子1個の占める体積は19.9×10-3nm3である。ケイ素−リチウム二元系の相図から判断して、室温におけるリチウムとの電気化学的な化合物形成では、その反応の初期にケイ素と化合物Li12Si7との2相が共存しているものと考えられる。Li12Si7の結晶学的な単位格子(斜方晶、空間群Pnma)には56個のケイ素原子が含まれている。その格子定数a=0.8610nm、b=1.9737nm、c=1.4341nmから換算して、単位格子体積は2.4372nm3であり、ケイ素原子1個あたりの体積(単位格子体積を単位格子中のケイ素原子数で除した値)は43.5×10-3nm3である。この値からすると、ケイ素から化合物Li12Si7になるにあたって、材料の体積が2.19倍に膨張することになる。ケイ素と化合物Li12Si7との2相共存状態での反応はケイ素が部分的に化合物Li12Si7に変化するためにこれらの体積差が大きく、材料に大きな歪みが生じ、亀裂を生じやすく、微細な粒子になりやすいことが考えられる。更に電気化学的なリチウムとの化合物形成反応が進行すると、最終的に最もリチウムを多く含む化合物Li22Si5を生じる。Li22Si5の結晶学的な単位格子(立方晶、空間群F23)には80個のケイ素原子が含まれている。その格子定数a=1.8750nmから換算して、単位格子体積は6.5918nm3であり、ケイ素原子1個あたりの体積(単位格子体積を単位格子中のケイ素原子数で除した値)は82.4×10-3nm3である。この値は単体ケイ素の4.14倍であり、材料は大きく膨張している。負極材料にとっての放電反応では、化合物からリチウムが減少してゆく反応が起こり、材料は収縮する。このように充電時と放電時の体積差が大きいため、材料に大きなひずみが生じ、亀裂が発生して粒子が微細化するものと考えられた。さらにこの微細化した粒子間に空間が生じ、電子伝導ネットワークが分断され、電気化学的な反応に関与できない部分が増加し、充放電容量が低下するものと考えられる。
【0009】
亜鉛は結晶学的な単位格子(六方晶、空間群P63/mmc)に2個の亜鉛原子を含んでいる。格子定数a=0.2665nm、c=0.4947nmから換算して、単位格子体積は0.030428nm3であり、亜鉛原子1個の占める体積は15.2×10-3nm3である。亜鉛−リチウム二元系の相図から判断すると、いくつかの化合物を経て、最終的に最もリチウムを多く含む化合物LiZnを生じる。LiZnの結晶学的な単位格子(立方晶、空間群Fd-3m)には8個の亜鉛原子が含まれている。その格子定数a=0.6209nmから換算して、単位格子体積は0.2394nm3であり、亜鉛原子1個あたりの体積(単位格子体積を単位格子中の亜鉛原子数で除した値)は29.9×10-3nm3である。この値は単体亜鉛の1.97倍であり、材料は膨張する。
【0010】
このように亜鉛もケイ素と同様に充放電反応による負極材料の体積変化が大きく、また体積差の大きな2つの相が共存する状態の変化を繰り返すことにより、材料に亀裂を生じ、粒子が微細化するものと考えられる。微細化した材料は、粒子間に空間が生じ、電子伝導ネットワークが分断され、電気化学的な反応に関与できない部分が増加し、充放電容量が低下するものと考えられる。すなわちリチウムと化合物を形成する単体金属材料および単体非金属材料の負極材料に共通した大きな体積変化と、これによる組織変化が、炭素負極材料にくらべて充放電サイクル特性が悪い理由であると推察している。
【0011】
一方、上述の単体材料と異なり、遷移元素からなる非鉄金属の珪化物や4B族元素及びP,Sbの少なくとも一つを含む金属間化合物からなり、その結晶構造がCaF2型、ZnS型、AlLiSi型のいずれかからなる負極材料などは、サイクル寿命特性の改善された負極材料としてそれぞれ特開平7−240201号公報、特開平9−63651号公報に提案されている。特開平7−240201号公報に示された遷移元素からなる非鉄金属の珪化物負極材料を用いた電池は実施例と比較例に示された1サイクル目、50サイクル目、100サイクル目の電池容量から、リチウム金属負極材料と比較して充放電サイクル特性は改善されているが、天然黒鉛負極材料と比較して電池容量は最大でも12%程度しか増加していない。よって、その明細書には明言されていないが、遷移元素からなる非鉄金属の珪化物負極材料は黒鉛負極材料に比べて大幅な容量増加は実施されていないと思われる。また、特開平9−63651号公報に示された材料は、その実施例と比較例にLi-Pb合金負極材料よりも充放電サイクル特性が改善されており、かつ黒鉛負極材料よりも高容量であることが示されている。しかし、10〜20サイクルまでの充放電サイクルで放電容量の減少が著しく、最も良好と思われるMg2Snにおいても約20サイクル後には初期容量の70%程度に減少していることから、充放電サイクル特性が悪いと考えられる。
【0012】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、高容量で充放電サイクル特性に優れた新規負極材料を用いることにより、サイクル特性および信頼性に優れた、高エネルギー密度の非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部を、固相Bによって被覆した複合粒子で、前記固相Aはケイ素、亜鉛の少なくとも一種を構成元素として含み、前記固相Bは固相Aの構成元素であるケイ素、亜鉛のいずれかと、前記構成元素を除いて、周期表の2族元素、遷移元素、12族元素、13族元素、ならびに炭素を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素との固溶体または金属間化合物である材料を用いることで、固相Aにより高容量、かつ固相Bが固相Aの充放電で起きる膨張・収縮を抑える役割を担い、高容量で充放電サイクル特性の優れた負極材料を提供することができる。この複合粒子を負極材料として用いることにより、ポリマーゲル電解質電池の従来の課題を解決することを目的としている。
【0014】
本発明の負極材料で固相Aは高容量のケイ素、亜鉛の少なくともいずれかを構成元素として含むことから主として充放電容量の高容量化に寄与しているものと考えられる。また固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部を被覆している固相Bは充放電サイクル特性の改善に寄与しており、固相Bに含有されるリチウム量は、通常、金属、固溶体、金属間化合物、それぞれ単独の場合より少ない。
【0015】
本発明のポリマーゲル電解質のポリマーはポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドまたはその誘導体を骨格とするポリマーである。アルキレンオキサイドは比較的低融点のポリマー材料であり、リチウム塩の溶解度が大きく、取り扱いが容易である特徴を有している。イオン伝導度が低いという課題は有機溶媒を可塑剤として用いることにより解決される。
【0016】
本発明のポリマーゲル電解質のポリマーはフッ化ビニリデン、6フッ化プロピレン、4フッ化エチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルの群の中から選ばれた2種または3種の共重合体である。特に好ましくはフッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンの共重合体である。この共重合体は化学的安定性に優れており、また熱溶着することも可能である。さらに、フタル酸エステルなどの可塑剤とともにテトラハイドロフラン(THF)、アセトンなどの溶媒に溶解し、キャスト・乾燥してフィルムを作製した後エーテルなどの溶媒で可塑剤を溶出することにより、多孔質フィルムが得られる。この多孔質フィルムに電解液を注液するとゲル電解質が得られることから、一体化した電極構成を作製した後、最後に電解液を注液ゲル化することができる。
【0017】
本発明のポリマーゲル電解質のポリマーはポリアクリロニトリルまたはポリアクリロニトリルを主成分とし、アクリル酸メチル、ビニルピロリドン、酢酸ビニルなどとの共重合体を骨格とするポリアクリロニトリル系ポリマーである。また、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂などとのポリマーアロイとして用いることも可能である。ポリアクリロニトリル系ポリマーは最も汎用性に富む高分子材料の一つであり、ジメチルホルムアミドなどの溶媒に溶解あるいは有機電解液と加熱し溶解したものをキャストしてフィルム化することも可能であり、不織布状の多孔質体に有機電解液を含浸し、加熱・冷却することによりゲル状フィルムを得ることができることなど取り扱いが容易であり、さらに難燃性であるという特徴を有している。
【0018】
本発明のポリマーゲル電解質のポリマーはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートまたはその誘導体を骨格とし、メタクリル酸エチル、スチレン、酢酸ビニルなどとの共重合体であるポリエステル系ポリマーである。また、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル系樹脂などとのポリマーアロイとして用いることも可能である。ポリエステル系ポリマーは最も汎用性に富む高分子材料の一つであり、化学的安定性に優れ、フレキシブルで機械的強度が強いフィルムを作製することが可能である。
【0019】
本発明のポリマーゲル電解質のポリマーはメタクリレートとエチレンオキサイドの共重合体である。メタクリルエチル、ジメタクリルエチレングリコールなどと分子量10000以下のポリエチレンオキサイドの混合溶液に有機電解液と重合開始剤を加えた溶液を正負極電極上にキャストした後、熱または紫外線照射などにより、電極上で直接重合し、ゲル電解質層を形成することが可能である。
【0020】
さらに本発明のポリマーゲル電解質のセパレータ部には、微粒子分散剤、フィラー、不織布などの構造補強材が含まれている。構造補強材としては有機電解液やポリマー材料と化学変化を起こさない微粒子繊維状材料であれば何でも用いることができるが、表面を疎水化処理(例えばシランカップリング処理)したシリカ、アルミナなどの酸化物の微粒子(粒径1μm以下)あるいはポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマーの繊維もしくは不織布を用いることができる。構造補強材の添加量は特に限定されないが、ポリマーゲル電解質セパレータ部の0〜40重量%の範囲が好ましい。本発明の新負極材料およびポリマー材料と組み合わせることにより、サイクル特性および信頼性に優れた、高エネルギー密度のリチウムポリマー二次電池を提供することを目的とする。
【0021】
本発明に用いられる正極及び負極は、リチウムイオンを電気化学的かつ可逆的に挿入・放出できる正極材料や負極材料に導電剤、ポリマー材料等を含む合剤層を集電体の表面に塗着して作製されたものである。
【0022】
本発明で用いられる負極材料は、固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部を、固相Bによって被覆した複合粒子で、前記固相Aはケイ素、亜鉛の少なくとも一種を構成元素として含み、前記固相Bは固相Aの構成元素であるケイ素、亜鉛のいずれかと、前記構成元素を除いて、周期表の2族元素、遷移元素、12族、13族元素、ならびに炭素を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素との固溶体、または金属間化合物である材料(以下、“複合粒子”と呼ぶ)である。
【0023】
本発明に用いられる複合粒子の製造方法の一つとしては、複合粒子を構成する各元素の仕込み組成分の溶融物を、乾式噴霧法、湿式噴霧法、ロール急冷法及び回転電極法などで急冷、凝固させ、その凝固物を、仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相線温度より低い温度で熱処理するという方法がある。溶融物の急冷凝固により、核粒子として固相A粒子、そしてその固相A粒子の周囲の全面または一部を被覆する固相Bを析出させ、その後の熱処理により、各固相A,Bの均一性を高めることにより、請求項1記載の複合粒子を得ることができる。また上記冷却方法以外の方法においても十分に冷却可能な方法であれば用いることができる。その他の製造方法としては、固相Aの粉末の表面に、固相Bを形成するのに必要な固相Aに含まれる元素以外の元素からなる付着層を形成させ、それを、仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相線温度より低い温度で熱処理するという方法がある。この熱処理により、固相A中の成分元素が付着層に拡散して、被覆層として固相Bが形成される。この付着層の形成方法としては、メッキ法またはメカニカルアロイング法などによって行うことができる。その他、付着層を形成可能な方法であれば用いることができる。
【0024】
本発明に用いられる負極用導電剤は、電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、アセチレンブラック、炭素繊維が特に好ましい。導電剤の添加量は、特に限定されないが、負極材料に対して1〜50重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ましい。また本発明の負極材料はそれ自身電子伝導性を有するため、導電材を添加しなくても電池として機能させることは可能である。
【0025】
本発明に用いられる負極用集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケルあるいはチタンを処理させたものなどが用いられる。特に、銅あるいは銅合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
【0026】
本発明に用いられる正極材料には、リチウム含有遷移金属酸化物を用いることができる。例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-yO2、LixCoyM1-yOz、LixNi1-yMyOz、LixMn2O4、LixMn2-yMyO4(M=Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうち少なくとも一種)、(ここでx=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3)があげられる。ここで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。ただし、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物のリチウム化合物、ニオブ酸化物のリチウム化合物、有機導電性物質を用いた共役系ポリマー、シェブレル相化合物等の他の正極材料を用いることも可能である。また、複数の異なった正極材料を混合して用いることも可能である。正極材料の粒子の平均粒径は、特に限定はされないが、1〜30μmであることが好ましい。
【0027】
本発明で使用される正極用導電剤は、用いる正極材料の充放電電位において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、アセチレンブラックが特に好ましい。導電剤の添加量は、特に限定されないが、正極材料に対して1〜50重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ましい。カーボンやグラファイトでは、2〜15重量%が特に好ましい。
【0028】
本発明に用いられる正極用集電体としては、用いる正極材料の充放電電位において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてステンレス鋼、アルミニウム、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボンあるいはチタンを処理させたものが用いられる。特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群、不織布体の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
【0029】
正負極の電極の結着剤には、通常セパレータ部に用いているポリマーと同一のポリマーを結着剤として用いるが、電極の強度および電極と集電体の接着強度を向上させるために別の結着剤を併用することも可能である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体を挙げる事ができ、これらの材料を単独又は混合物として用いることができる。
【0030】
本発明における負極板と正極板の構成は、少なくとも正極合剤面の対向面に負極合剤面が存在していることが好ましい。
【0031】
本発明のポリマー電解質に用いられる非水電解質は、溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩とから構成されている。可塑剤としても作用する非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネ−ト(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種または二種以上を混合して使用する。なかでも環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合系または環状カーボネートと鎖状カーボネート及び脂肪族カルボン酸エステルとの混合系が好ましい。
【0032】
これらの溶媒に溶解するリチウム塩としては、例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO2)2、LiAsF6、LiN(CF3SO2)2、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、イミド類等を挙げることができ、これらを使用する電解液等に単独又は二種以上を組み合わせて使用することができるが、特にLiPF6を含ませることがより好ましい。
【0033】
本発明における特に好ましい非水電解質は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを少なくとも含み、支持塩としてLiPF6を含む電解液である。これら電解質を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極材料や負極材料の量や電池のサイズによって必要量を用いることができる。支持電解質の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、0.2〜2mol/lが好ましい。特に、0.5〜1.5mol/lとすることがより好ましい。
【0034】
さらに、放電や充放電特性を改良する目的で、他の化合物を電解質に添加することも有効である。例えば、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ピリジン、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、クラウンエーテル類、第四級アンモニウム塩、エチレングリコールジアルキルエーテル等を挙げることができる。
【0035】
電池の形状はコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型、電気自動車等に用いる大型のものなどいずれにも適用できる。
【0036】
また、本発明のリチウムポリマー二次電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いることができるが、特にこれらに限定されるわけではない。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】
負極材料の製造方法
表1に本実施例で用いた負極材料(材料A〜材料S)の固相Aと固相Bの成分(単体元素,金属間化合物,固溶体)、仕込み時の元素比率、溶融温度、および固相線温度を示す。本実施例で以下に具体的な製造方法を示す。
【0039】
負極材料を構成する各元素の粉体またはブロックを、表1に示す仕込み比率で溶解槽に投入し、表1に示す溶融温度で溶解し、その溶融物をロール急冷法で急冷、凝固させ、凝固物を得た。続いて、その凝固物を表1に示す仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相線温度より10℃〜50℃程度低い温度で不活性雰囲気下で20時間熱処理を行った。この熱処理品をボールミルで粉砕し、篩で分級することにより45μm以下の粒子にした材料A〜材料Sを得た。これらの材料は電子顕微鏡観察結果から固相A粒子の周囲の全面または一部が固相Bによって被覆さていることが確認できた。
【0040】
【表1】
【0041】
扁平型非水電解質電池の製造方法
図1は扁平型非水電解質電池の断面図を示し、1はアルミニウムラミネート製の電池ケース、2はリード部溶着シール、3はアルミニウム製の正極リード、5は活物質としてリチウム含有複合酸化物などを用いた正極板、6はポリエチレンオキサイドなどのポリマー材料と電解液および構造補強材からなるゲルポリマー電解質のセパレータ部、7は活物質として本発明の新負極材料を用いた負極板、4は銅製の負極リードである。電解質ポリマー材料は分子量80万から200万のポリエチレンオキサイド(PEO)を用い、アセトンとエチレンカーボネイト(EC)などの混合溶液に溶解し、さらに活物質である本発明の複合粒子と導電材のカーボンブラックをこの溶液に混合分散させたペーストを負極集電体である銅製芯材に塗着し、アセトンを乾燥除去した後所定寸法に切断することにより負極板7が得られた。正極5は活物質のリチウム含有複合酸化物と導電剤のカーボンブラックを同様にPEO溶液に混合分散したペーストを正極集電体であるアルミニウム製芯材に塗着し、同様に加工することにより得られた正極板である。セパレータ部6はPEOを有機電解液に加熱溶解し構造補強材であるポリプロピレン製不織布に含浸後、冷却してゲル電解質層を形成したものである。正極板5、セパレータ部6と負極板7を積層加圧して電極群とし、電池ケース1内に入れた後、開口部のラミネートフィルムを熱溶着し、扁平型電池とした。ゲル化あるいは電極、セパレータ部の接合が不十分な場合は、封口前に加熱工程を組み込むことも可能である。
【0042】
(実施例A〜L)
正極材料としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を、負極活物質として前記新負極材料A〜Lを用い、図1に示した扁平型リチウムポリマー二次電池を作製したものを実施例A〜Lとした。電解液はエチレンカーボネイト(EC)とエチルメチルカーボネイト(EMC)を体積比1:1で混合した混合溶媒に、電解質である6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.0モル・dm-3の濃度に溶解させたものを用いた。
【0043】
(実施例M,N)
ポリマー材料としてフッ化ビニリデン-6フッ化プロピレン共重合体を用い、本発明の負極用複合粒子材料Cと導電材のカーボンブラックを結着剤兼電解質ポリマーのフッ化ビニリデン-6フッ化プロピレン共重合体と混合し、溶剤のN-メチルピロリドン、可塑剤のフタル酸ジブチルの溶液に混合分散して得られたペーストを負極集電体である銅製芯材に塗着し、乾燥後所定寸法に切断することにより負極板7が得られた。正極5は活物質のLiCoO2と導電剤のカーボンブラックを同様にフッ化ビニリデン-6フッ化プロピレン共重合体、N-メチルピロリドン、フタル酸ジブチル溶液に混合分散したペーストを正極集電体であるアルミニウム製芯材に塗着し、同様に加工することにより得られた正極板である。セパレータ部6はフッ化ビニリデン-6フッ化プロピレン共重合体と構造補強材材である疎水性処理を行った酸化珪素微粒子を同様の溶液に分散ペースト化し、塗着・乾燥して得られたものである。正極板5、セパレータ部6と負極板7を熱ローラーで溶着した後、ジエチルエーテル中に可塑剤のフタル酸ジブチルを溶出させることにより、多孔質ポリマー電極群が得られた。この電極群を電池ケース1内に入れた後、実施例A〜Lと同じ有機電解液を注液し、ゲルポリマー電解質を形成した。最後に開口部のラミネートフィルムを熱溶着した電池を実施例Mとし、負極材料Gを用い同様に構成した電池を実施例Nとした。
【0044】
(実施例O,P)
ポリマー材料としてポリアクリロニトリル(PAN)を用い、溶剤のジメチルホルムアミドに溶解させた溶液に、本発明の負極用複合粒子材料Cと導電材のカーボンブラックを混合分散させたペーストを負極集電体である銅製芯材に塗着し、同様にLiCoO2の正極を作製し、次に正負極板をアセトンまたはエタノールで洗浄しジメチルホルムアミドを除去した。セパレータ部6にはPAN製不織布状フィルムを用い、正極板5、セパレータ部6と負極板7を積層して電極群を作製し、実施例A〜Lと同じ有機電解液を注液した後、熱板に挟み込み加熱圧縮、冷却することにより電極群の一体化と電解液のゲル化を行い、電池ケース1に挿入・封止した電池を実施例Oとし、負極材料Gを用い同様に構成した電池を実施例Pとした。
【0045】
(実施例Q,R)
ポリマー材料としてポリブチレンテレフタレートとメタクリル酸エチルとの共重合体であるポリエステル系ポリマーを用い、ギ酸と酢酸エチルの混合溶剤に溶解し、さらに本発明の負極用複合粒子材料Cと導電材のペーストを調合し、塗着乾燥して負極7を作製した。同様にLiCoO2の正極を作製し、セパレータ部6はポリエステル系ポリマーを構造補強材であるポリプロピレン製不織布に含浸後、乾燥により溶剤を除去して多孔質化した。正極板5、セパレータ部6と負極板7を積層して電極群を作製し、実施例A〜Lと同じ有機電解液を注液した後、熱板に挟み込み加熱圧縮、冷却することにより電極群の一体化と電解液のゲル化を行い、電池ケース1に挿入・封止した電池を実施例Qとし、負極材料Gを用い同様に構成した電池を実施例Rとした。
【0046】
(実施例S,T)
エチレン−メタクリル酸共重合体のNa+イオン架橋体を結着剤とし、増粘材のカルボキルメチルセルロースを加えた水溶液に本発明の負極用複合粒子材料Cと導電材のカーボンブラックを混合分散させたペーストを負極集電体である銅製芯材に塗着し、乾燥後所定寸法に切断することにより負極板7を作製し、同様にLiCoO2の正極板5を作製した。ジメタクリルエチレングリコールと分子量10000以下のポリエチレンオキサイドの混合溶液に実施例A〜Lと同じ有機電解液と光重合開始剤および構造補強材のポリプロピレン製フィラーを加えた溶液を正負極板5,7上にキャストした後、アルゴン雰囲気下で紫外線照射を行い極板上で直接重合し、極板表面にゲル電解質層を形成した正負極を積層した電池を実施例Sとし、負極材料Gを用い同様に構成した電池を実施例Tとした。
【0047】
(比較例U)
負極材料として球状黒鉛を、ポリマー材料はPEOをそれぞれ用い実施例A〜Lと同様に構成した電池を比較例Uとした。
【0048】
実施例A〜Tと比較例Uのポリマーゲル電解質電池を、それぞれ20℃で5mAの定電流で4.1Vまで充電し、5mAの定電流で2.0Vまで放電する充放電サイクルを行った。充放電サイクルは100サイクルまで行い、初期放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比を容量維持率として、表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
本実施例で用いたポリマーゲル電解質はいずれも10-3S/cmレベルのイオン伝導度を有している。
【0051】
なお本実施例で用いた負極材料を構成する元素は、固相AがSiの場合、2族元素としてMg、遷移元素としてCoおよびNi、12族元素としてZn、13族元素としてAl、14族元素としてSnを用いたが、これら以外の各族の元素を用いても同様な効果が得られた。また固相AがZnの場合、2族元素としてMg、遷移元素としてCuおよびV、12族元素としてCd、13族元素としてAl、14族元素としてGeを用いたが、これら以外の各族の元素を用いても同様な効果が得られた。また負極材料構成元素の仕込み比率については、特に限定されたものではなく、相が2相になり、1相(固相A)が主にSi,Znを主体とした相で、もう一つ別の相(固相B)がその周りを一部または全部を被覆するような状態になればよく、仕込み組成を特に限定するものではない。さらに、相Aは、Si、Znのみからだけではなく、各元素以外の元素、例えば、O,C,N,S,Ca,Mg,Al,Fe,W,V,Ti,Cu,Cr,Co,P等の元素が微量存在している場合も含まれる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、ポリマーゲル電解質を用いた電池に、従来の炭素材料よりも高容量で、かつサイクル特性に優れた本発明の新負極材料を用いることにより、サイクル特性および信頼性に優れた、高エネルギー密度の非水電解質二次電池が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解質二次電池の一実施例の断面図
【符号の説明】
1 電池ケース
2 リード部溶着シール
3 正極リード
4 負極リード
5 正極
6 ポリマーゲル電解質
7 負極
Claims (7)
- リチウム含有複合酸化物を活物質とし、導電材とポリマー材料からなる正極とリチウムの挿入・脱離反応が可能な合金材料を活物質とし、導電材とポリマー材料からなる負極と有機電解液を含有するポリマーゲル電解質とを備え、前記活物質が固相Aからなる核粒子の全面または一部を固相Bによって被覆した複合粒子で、前記固相Aはケイ素、亜鉛のいずれかからなり、前記固相Bは固相Aの構成元素であるケイ素、亜鉛に対しては同じ材料と、前記構成元素を除いて周期表の2族元素、アクチノイドを除く遷移元素、12族、13族元素、ならびに炭素と鉛を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素との固溶体または金属間化合物の材料であることを特徴とする非水電解質二次電池。
- 前記正・負極のポリマー材料とポリマーゲル電解質のポリマーがポリアルキレンオキサイドまたはその誘導体を骨格とするポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正・負極のポリマー材料とポリマーゲル電解質のポリマーがフッ化ビニリデン、6フッ化プロピレン、4フッ化エチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルの群の中から選ばれた2種または3種の共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正・負極のポリマー材料とポリマーゲル電解質のポリマーが、ポリアクリロニトリルまたはその共重合体を骨格とするポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正・負極のポリマー材料とポリマーゲル電解質のポリマーが、ポリエステルまたはその誘導体を骨格とするポリエステル系ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正・負極のポリマー材料とポリマーゲル電解質のポリマーが、ポリメタクリレートとポリエチレンオキサイドの共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記ポリマーゲル電解質に、アルミナ、シリカなどの疎水性処理を行った微粒子、ポリオレフィン系の繊維、不織布などから選ばれた構造補強材が1種または複数含まれていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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