JP4399877B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解質二次電池の負極材料の改良、および正負極間に位置するセパレータの厚みと突き刺し強度を限定することにより、充放電容量および充放電サイクル寿命などの電気化学特性が改善された、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車,電気自動車,ハイブリット電気自動車等に用いられる非水電解質二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動体通信機器、携帯電子機器の主電源として利用されているリチウム二次電池は、起電力が高く、高エネルギー密度である特長を有している。負極材料としてリチウム金属を用いたリチウム二次電池は、エネルギー密度は高いが、充電時に負極にデンドライトが析出し、充放電を繰り返すことによりセパレータを突き破って正極側に達し、内部短絡を起こす恐れがあった。また、析出したデンドライトは比表面積が大きいため反応活性度が高く、その表面で電解液中の溶媒と反応して電子伝導性に欠いた固体電解質的な界面皮膜を形成する。そのため電池の内部抵抗が高くなったり、電子伝導のネットワークから孤立した粒子が存在するようになり、これらが充放電効率を低下させる要因となっている。これらの理由で負極材料としてリチウム金属を用いたリチウム二次電池は、低い信頼性、および短いサイクル寿命に問題があった。
【0003】
現在、リチウム金属に替わる負極材料として、リチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料を使用し実用化に至っている。通常、炭素材料負極には金属リチウムは析出しないため、デンドライトによる内部短絡の問題はない。しかし、炭素材料の一つである黒鉛の理論容量は372mAh/gであり、Li金属単体の理論容量の10分の1程度と少ない。
【0004】
他の負極材料として、リチウムと化合物を形成する単体金属材料および単体非金属材料が知られている。例えば、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)のリチウムを最も含む化合物の組成式は、それぞれLi22Si5、LiZnであり、この範囲では金属リチウムは通常析出しないため、デンドライトによる内部短絡の問題はない。そして、これら化合物と各単体材料との間の電気化学容量は、それぞれ4199mAh/g、410mAh/gであり、いずれも黒鉛の理論容量よりも大きい。
【0005】
またリチウムと化合物を形成する単体金属材料および単体非金属材料の他に化合物負極材料として、特開平7−240201号公報には遷移元素からなる非鉄金属の珪化物が、特開平9−63651号公報には4B族元素及びP,Sbの少なくとも一つを含む金属間化合物からなり、その結晶構造がCaF2型、ZnS型、AlLiSi型のいずれかからなる負極材料などが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような炭素材料よりも高容量の負極材料には、それぞれ以下に示すような課題がある。
【0007】
リチウムと化合物を形成する単体金属材料および単体非金属材料の負極材料は共通して、炭素負極材料にくらべて充放電サイクル特性が悪い。その理由は定かでないが以下のように考えている。
【0008】
例えばケイ素は、その結晶学的な単位格子(立方晶、空間群Fd−3m)に8個のケイ素原子を含んでいる。格子定数a=0.5420nmから換算して、単位格子体積は0.1592nm3であり、ケイ素原子1個の占める体積は19.9×10-3nm3である。ケイ素−リチウム二元系の相図から判断して、室温におけるリチウムとの電気化学的な化合物形成では、その反応の初期にケイ素と化合物Li12Si7との2相が共存しているものと考えられる。Li12Si7の結晶学的な単位格子(斜方晶、空間群Pnma)には56個のケイ素原子が含まれている。その格子定数a=0.8610nm、b=1.9737nm、c=1.4341nmから換算して、単位格子体積は2.4372nm3であり、ケイ素原子1個あたりの体積(単位格子体積を単位格子中のケイ素原子数で除した値)は43.5×10-3nm3である。この値からすると、ケイ素から化合物Li12Si7になるにあたって、材料の体積が2.19倍に膨張することになる。ケイ素と化合物Li12Si7との2相共存状態での反応はケイ素が部分的に化合物Li12Si7に変化するためにこれらの体積差が大きく、材料に大きな歪みが生じ、亀裂を生じやすく、微細な粒子になりやすいことが考えられる。更に電気化学的なリチウムとの化合物形成反応が進行すると、最終的に最もリチウムを多く含む化合物Li22Si5を生じる。Li22Si5の結晶学的な単位格子(立方晶、空間群F23)には80個のケイ素原子が含まれている。その格子定数a=1.8750nmから換算して、単位格子体積は6.5918nm3であり、ケイ素原子1個あたりの体積(単位格子体積を単位格子中のケイ素原子数で除した値)は82.4×10-3nm3である。この値は単体ケイ素の4.14倍であり、材料は大きく膨張している。負極材料にとっての放電反応では、化合物からリチウムが減少してゆく反応が起こり、材料は収縮する。このように充電時と放電時の体積差が大きいため、材料に大きな歪みが生じ、亀裂が発生して粒子が微細化するものと考えられる。さらにこの微細化した粒子間に空間が生じ、電子伝導ネットワークが分断され、電気化学的な反応に関与できない部分が増加し、充放電容量が低下するものと考えられる。
【0009】
また、亜鉛は結晶学的な単位格子(六方晶、空間群P63/mmc)に2個の亜鉛原子を含んでいる。格子定数a=0.2665nm、c=0.4947nmから換算して、単位格子体積は0.030428nm3であり、亜鉛原子1個の占める体積は15.2×10-3nm3である。亜鉛−リチウム二元系の相図から判断すると、いくつかの化合物を経て、最終的に最もリチウムを多く含む化合物LiZnを生じる。LiZnの結晶学的な単位格子(立方晶、空間群Fd−3m)には8個の亜鉛原子が含まれている。その格子定数a=0.6209nmから換算して、単位格子体積は0.2394nm3であり、亜鉛原子1個あたりの体積(単位格子体積を単位格子中の亜鉛原子数で除した値)は29.9×10-3nm3である。この値は単体亜鉛の1.97倍であり、材料は膨張する。
【0010】
このように亜鉛もケイ素と同様に充放電反応による負極材料の体積変化が大きく、また体積差の大きな2つの相が共存する状態の変化を繰り返すことにより、材料に亀裂を生じ、粒子が微細化するものと考えられる。微細化した材料は、粒子間に空間が生じ、電子伝導ネットワークが分断され、電気化学的な反応に関与できない部分が増加し、充放電容量が低下するものと考えられる。
【0011】
すなわちリチウムと化合物を形成する単体金属材料および単体非金属材料の負極材料に共通した大きな体積変化と、これによる組織変化が、炭素負極材料にくらべて充放電サイクル特性が悪い理由であると推察している。
【0012】
一方、上述の単体材料と異なり、遷移元素からなる非鉄金属の珪化物や4B族元素及びP,Sbの少なくとも一つを含む金属間化合物からなり、その結晶構造がCaF2型、ZnS型、AlLiSi型のいずれかからなる負極材料などは、サイクル寿命特性の改善された負極材料としてそれぞれ特開平7−240201号公報、特開平9−63651号公報に提案されている。
【0013】
特開平7−240201号公報に示された遷移元素からなる非鉄金属の珪化物負極材料を用いた電池は実施例と比較例に示された1サイクル目、50サイクル目、100サイクル目の電池容量から、リチウム金属負極材料と比較して充放電サイクル特性は改善されているが、天然黒鉛負極材料と比較して電池容量は最大でも12%程度しか増加していない。よって、その明細書には明言されていないが、遷移元素からなる非鉄金属の珪化物負極材料は黒鉛負極材料に比べて大幅な容量増加は実施されていないと思われる。
【0014】
また、特開平9−63651号公報に示された材料は、その実施例と比較例にLi−Pb合金負極材料よりも充放電サイクル特性が改善されており、かつ黒鉛負極材料よりも高容量であることが示されている。しかし、10〜20サイクルまでの充放電サイクルで放電容量の減少が著しく、最も良好と思われるMg2Snにおいても約20サイクル後には初期容量の70%程度に減少している。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部を、固相Bによって被覆した複合粒子で、前記固相Aはケイ素または亜鉛を構成元素として含み、前記固相Bは固相Aの構成元素であるケイ素、亜鉛のいずれかと、前記構成元素を除いて、周期表の2族元素、遷移元素、12族、13族元素、ならびに炭素を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素との固溶体、または金属間化合物である材料を用い、前記セパレータの厚みが15μm以上40μm以下であり、かつ前記セパレータの突き刺し強度が200g以上411g以下にすることで負極材料の膨張によって生じる正負極間の内部短絡を抑制することができ、高容量かつ充放電サイクル特性の優れた非水電解質二次電池を提供することを目的としている。
【0016】
本発明で用いられる負極材料は、固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部を、固相Bによって被覆した複合粒子で、前記固相Aはケイ素または亜鉛を構成元素として含み、前記固相Bは固相Aの構成元素であるケイ素、亜鉛のいずれかと、前記構成元素を除いて、周期表の2族元素、遷移元素、12族、13族元素、ならびに炭素を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素との固溶体、または金属間化合物である材料(以下、“複合粒子”と呼ぶ)を用いることで固相Aにより高容量、かつ固相Bが固相Aの充放電で起きる膨張・収縮を抑える役割を担って充放電サイクル特性の優れた負極材料を提供し、さらに正負極間に位置するセパレータの厚みが15μm以上40μm以下であり、かつ前記セパレータの突き刺し強度が200g以上411g以下であることを特徴とする非水電解質二次電池とするものである。
【0017】
本発明の負極材料で固相Aは高容量のケイ素、亜鉛の少なくともいずれかを構成元素として含むことから主として充放電容量の高容量化に寄与しているものと考えられる。また固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部を被覆している固相Bは充放電サイクル特性の改善に寄与しており、固相Bに含有されるリチウム量は、通常、金属、固溶体、金属間化合物、それぞれ単独の場合より少ない。
【0018】
また本発明で使用する負極材料は、高容量のケイ素または亜鉛を構成元素として含む核粒子を微細化が起こりにくい固溶体または金属間化合物で被覆したものであり、被覆層の固溶体または金属間化合物が、電気化学的なリチウムの吸蔵・放出に伴って起こるケイ素または亜鉛を構成元素として含む核粒子の結晶構造変化すなわち大きな体積変化を拘束することができ、ケイ素または亜鉛を構成元素として含む核粒子の微細化を抑制する。これにより、高効率な電気化学反応系を実現することができ、充放電容量劣化の少ない高容量の非水電解質二次電池用負極材料となる。しかしながら、リチウムの吸蔵・放出に伴って起こるケイ素または亜鉛を構成元素として含む核粒子の大きな体積変化を拘束することは可能ではあるといえども、やはり被覆粒子全体として、ある程度の体積変化はみられる。
【0019】
そのため、充電時に負極材料が膨張することにより、負極板表面に存在する負極材料または導電材等が正負極間に位置するセパレータを部分的に突き破って、正負極間で微少短絡を起こす問題が発生した。本発明の負極材料の充放電による体積変化は黒鉛材料より大きく、黒鉛材料を負極に用いた従来の非水電解質二次電池より顕著に起きる現象と思われる。
【0020】
このとき、正負極間に位置するセパレータの厚みが15μm以上40μm以下であり、かつ前記セパレータの突き刺し強度が200g以上であるとき、負極材料の充電時の膨張による正負極間の微少短絡を抑制することができ良好な充放電サイクル特性を得ることができることが分かった。
【0021】
つまり正負極間に位置するセパレータの厚みが15μm以下であると、セパレータの厚みが薄いため、充電時に負極材料が膨張することにより、負極板表面に存在する負極材料または導電材等が正負極間に位置するセパレータを部分的に突き破って、正負極間で微少短絡を起こす現象が生じ、良好な充放電サイクル特性を得ることができなかった。またセパレータの厚みが15μm以上であれば、充電時に負極材料が膨張しても、セパレータを突き破るには至らないものと考えられる。しかしセパレータの厚みが40μm以上になると電池容器内に占めるセパレータの体積が増加し、その分リチウムの吸蔵・放出が可能な正極と負極の充填量が減少するため、黒鉛材料を負極に用いた従来の非水電解質二次電池より初期の充放電容量が低下することになり、高容量の非水電解質二次電池が実現できなくなる。さらに本発明に使用するセパレータは、その物性の指標である『突き刺し強度』を限定したものとした。この『突き刺し強度』の測定方法は、セパレータを50mm×50mmに切り取り、両端部5mmを治具に固定し、径が1mmでその先端が0.5Rの針を突き刺し速度2mm/secでセパレータ中心部に対し突き刺し試験を行い、破断に至る最大荷重値を求めることで突き刺し強度を算出した。このようにして求めた突き刺し強度の値が200g以下のとき、セパレータの厚みが15μm以上であっても充電時に負極材料が膨張して、正負極間で微少短絡を起こす現象が生じ、良好な充放電サイクル特性を得ることができなかった。
【0022】
本発明に用いられるセパレータとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、一定温度以上で孔を閉塞し、抵抗をあげる機能を持つことが好ましい。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレン、ポリエチレンなどの単独又は組み合わせたオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維などからつくられたシートや不織布または織布が用いられる。セパレータの孔径は、電極シートより脱離した正負極材料、結着剤、導電剤が透過しない範囲であることが望ましく、例えば、0.01〜1μmであるものが望ましい。空孔率は、電子やイオンの透過性と素材や膜圧に応じて決定されるが、一般的には30〜80%であることが望ましい。
【0023】
本発明に用いられる正極及び負極は、リチウムイオンを電気化学的かつ可逆的に挿入・放出できる正極活物質や負極材料に導電剤、結着剤等を含む合剤層を集電体の表面に塗着して作製されたものである。
【0024】
本発明に用いられる複合粒子の製造方法の一つとしては、複合粒子を構成する各元素の仕込み組成分の溶融物を、乾式噴霧法、湿式噴霧法、ロール急冷法及び回転電極法などで急冷、凝固させ、その凝固物を、仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相線温度より低い温度で熱処理するという方法がある。溶融物の急冷凝固により、核粒子として固相A粒子、そしてその固相A粒子の周囲の全面または一部を被覆する固相Bを析出させ、その後の熱処理により、各固相A,Bの均一性を高めることを目的にしているが熱処理をしない場合でも、請求項1記載の複合粒子を得ることができる。また上記冷却方法以外の方法においても十分に冷却可能な方法であれば用いることができる。
【0025】
その他の製造方法としては、固相Aの粉末の表面に、固相Bを形成するのに必要な固相Aに含まれる元素以外の元素からなる付着層を形成させ、それを、仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相線温度より低い温度で熱処理するという方法がある。この熱処理により、固相A中の成分元素が付着層に拡散して、被覆層として固相Bが形成される。この付着層の形成方法としては、メッキ法またはメカニカルアロイング法などによって行うことができる。メカニカルアロイング法においては熱処理を必要としなくても良い。その他、付着層を形成可能な方法であれば用いることができる。
【0026】
本発明に用いられる負極用導電剤は、電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケル等の金属粉末類およびポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、アセチレンブラック、炭素繊維が特に好ましい。導電剤の添加量は、特に限定されないが、負極材料に対して1〜50重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ましい。また本発明の負極材料はそれ自身電子伝導性を有するため、導電材を添加しなくても電池として機能させることは可能である。
【0027】
本発明に用いられる負極用結着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。本発明において好ましい結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体を挙げる事ができ、これらの材料を単独又は混合物として用いることができる。またこれらの材料の中でより好ましい材料は、スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体である。
【0028】
本発明に用いられる負極用集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケルあるいはチタンを処理させたものなどが用いられる。特に、銅あるいは銅合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
【0029】
本発明に用いられる正極材料には、リチウム含有または非含有の化合物を用いることができる。例えば、LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi1-yyz、LixMn24 、LixMn2-yMyO4(M=Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうち少なくとも一種)、(ここでx=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3)があげられる。ここで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減する。ただし、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物およびそのリチウム化合物、ニオブ酸化物およびそのリチウム化合物、有機導電性物質を用いた共役系ポリマー、シェブレル相化合物等の他の正極材料を用いることも可能である。また、複数の異なった正極材料を混合して用いることも可能である。正極活物質粒子の平均粒径は、特に限定はされないが、1〜30μmであることが好ましい。
【0030】
本発明で使用される正極用導電剤は、用いる正極材料の充放電電位において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独又はこれらの混合物として含ませることができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、アセチレンブラックが特に好ましい。導電剤の添加量は、特に限定されないが、正極材料に対して1〜50重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ましい。カーボンやグラファイトでは、2〜15重量%が特に好ましい。
【0031】
本発明に用いられる正極用結着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。本発明に於いて好ましい結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン架橋体を挙げる事ができ、これらの材料を単独又は混合物として用いることができる。またこれらの材料の中でより好ましい材料はポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。
【0032】
本発明に用いられる正極用集電体としては、用いる正極材料の充放電電位において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてステンレス鋼、アルミニウム、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボンあるいはチタンを処理させたものが用いられる。特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群、不織布体の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
【0033】
電極合剤には、導電剤や結着剤の他、フィラー、分散剤、イオン伝導体、圧力増強剤及びその他の各種添加剤を用いることができる。フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、電極合剤に対して0〜30重量%が好ましい。
【0034】
本発明における負極板と正極板の構成は、少なくとも正極合剤面の対向面に負極合剤面が存在していることが好ましい。
【0035】
本発明に用いられる非水電解質は、溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩とから構成されている。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネ−ト(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種または二種以上を混合して使用する。なかでも環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合系または環状カーボネートと鎖状カーボネート及び脂肪族カルボン酸エステルとの混合系が好ましい。
【0036】
これらの溶媒に溶解するリチウム塩としては、例えばLiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO22、LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、イミド類等を挙げることができ、これらを使用する電解液等に単独又は二種以上を組み合わせて使用することができるが、特にLiPF6を含ませることがより好ましい。
【0037】
本発明における特に好ましい非水電解質は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを少なくとも含み、支持塩としてLiPF6を含む電解液である。これら電解質を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極材料や負極材料の量や電池のサイズによって必要量を用いることができる。支持電解質の非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、0.2〜2mol/lが好ましい。特に、0.5〜1.5mol/lとすることがより好ましい。
【0038】
さらに、放電や充放電特性を改良する目的で、他の化合物を電解質に添加することも有効である。例えば、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ピリジン、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、クラウンエーテル類、第四級アンモニウム塩、エチレングリコールジアルキルエーテル等を挙げることができる。
【0039】
また、ポリマー材料に、溶媒とその溶媒に溶解するリチウム塩とから構成される有機電解液を吸収保持させたものを正極合剤、負極合剤に含ませ、さらに有機電解液を吸収保持するポリマーからなる多孔性のセパレータを正極、負極と一体化した電池を構成することも可能である。このポリマー材料としては、有機電解液を吸収保持できるものであればよいが、特にフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体が好ましい。
【0040】
電池の形状はコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型、電気自動車等に用いる大型のものなどいずれにも適用できる。
【0041】
また、本発明の非水電解質二次電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いることができるが、特にこれらに限定されるわけではない。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
(表1)に本実施例で用いた負極材料(材料A〜材料L)の固相Aと固相Bの成分(単体元素,金属間化合物,固溶体)、仕込み時の元素比率、溶融温度、および固相線温度を示す。本実施例で以下に具体的な製造方法を示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004399877
【0045】
負極材料を構成する各元素の粉体またはブロックを、(表1)に示す仕込み比率で溶解槽に投入し、(表1)に示す溶融温度で溶解し、その溶融物をロール急冷法で急冷、凝固させ、凝固物を得た。続いて、その凝固物を(表1)に示す仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相線温度より10℃〜50℃程度低い温度で不活性雰囲気下で20時間熱処理を行った。この熱処理品をボールミルで粉砕し、篩で分級することにより45μm以下の粒子にした材料A〜材料Lを得た。これらの材料は電子顕微鏡観察結果から固相A粒子の周囲の全面または一部が固相Bによって被覆されていることが確認できた。
【0046】
図1に本発明における円筒型電池の縦断面図を示す。正極板5及び負極板6がセパレーター7を介して複数回渦巻状に巻回されて電池ケース1内に収納されている。そして、上記正極板5からは正極リード5aが引き出されて封口板2に接続され、負極板6からは負極リード6aが引き出されて電池ケース1の底部に接続されている。電池ケースやリード板は、耐有機電解液性の電子伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が用いられる。特に、電池ケースはステンレス鋼板、Al−Mn合金板を加工したもの、正極リードはアルミニウム、負極リードはニッケルが最も好ましい。また、電池ケースには、軽量化を図るため各種エンジニアリングプラスチックス及びこれと金属の併用したものを用いることも可能である。8は絶縁リングで極板群4の上下部にそれぞれ設けられている。そして、電解液を注入し、封口板を用いて電池缶を形成する。このとき、安全弁を封口板として用いることができる。安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけても良い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁のほかに電池ケースの内圧上昇の対策として、電池ケースに切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは、独立に接続させてもよい。また、過充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる化合物を合剤の中あるいは電解質の中に含ませることができる。内圧を上げる化合物としてはLi2CO3、LiHCO3、Na2CO3、NaHCO3、CaCO3、MgCO3などの炭酸塩などがあげられる。キャップ、電池ケース、シート、リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知られている化合物や混合物を用いることができる。
【0047】
負極板6は、得られた前記負極材料75重量%に対し、導電剤である炭素粉末20重量%と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量%を混合し、これらを脱水N−メチルピロリジノンに分散させてスラリーを作製し、銅箔からなる負極集電体上に塗布し、乾燥後、圧延して作製した。
【0048】
一方、正極板5は、コバルト酸リチウム粉末85重量%に対し、導電剤の炭素粉末10重量%と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量%を混合し、これらを脱水N−メチルピロリジノンに分散させてスラリーを作製し、アルミ箔からなる正極集電体上に塗布し、乾燥後、圧延して作製した。
【0049】
また有機電解液にはエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの体積比1:1の混合溶媒に、LiPF6を1.5モル/リットル溶解したものを使用した。
【0050】
(実施例1)
実施例1においては、正負極間に位置するセパレータの突き刺し強度を300g程度付近に限定し、かつセパレータの厚みが(1)10μm、(2)13μm、(3)15μm、(4)20μm、(5)30μm、(6)40μm、(7)45μmとした。なおセパレータの材質はポリエチレン製の微多孔膜を用いた。
【0051】
以上のようにして、(表1)に示す材料A〜Lを負極に用い、セパレータの厚みの異なった電池を作製した(例えば、負極材料Aを用い、セパレータが10μmのとき、電池A-(1)と表わす。)。これらのうち、電池(3)、(4)、(5)、(6)は実施例、電池(1)、(2)、(7)は比較例として用いた電池である。尚、作製した円筒型電池は直径18mm、高さ650mmである。これらの電池を100mAの定電流で、まず4.1Vになるまで充電した後、100mAの定電流で2.0Vになるまで放電する充放電サイクルを繰り返した。また充放電は20℃の恒温槽の中で行った。尚、充放電は100サイクルまで繰り返し行い、初期の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比を容量維持率として(表2)〜(表13)に示す。
【0052】
【表2】
Figure 0004399877
【0053】
【表3】
Figure 0004399877
【0054】
【表4】
Figure 0004399877
【0055】
【表5】
Figure 0004399877
【0056】
【表6】
Figure 0004399877
【0057】
【表7】
Figure 0004399877
【0058】
【表8】
Figure 0004399877
【0059】
【表9】
Figure 0004399877
【0060】
【表10】
Figure 0004399877
【0061】
【表11】
Figure 0004399877
【0062】
【表12】
Figure 0004399877
【0063】
【表13】
Figure 0004399877
【0064】
また同様の円筒型電池を、負極材料に黒鉛材料を用いて作製したところ、初期の放電容量で1510mAh、100サイクル目の容量維持率で92%が得られた。
【0065】
(表2)〜(表13)を見て明らかなように、セパレータの突き刺し強度が300g程度の時、セパレータの厚みが15μm以上40μm以下である電池(3)〜(6)で黒鉛材料を用いて作成した電池より高容量でかつ容量維持率が85%以上と充放電サイクル特性が優れていることがわかった。これに対してセパレータの厚みが15μm以下であった電池(1)、(2)は容量維持率が60%以下となり十分な特性を得ることができなかった。
【0066】
この容量劣化が生ずる原因は、各電池(A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L)の電池(1)、(2)では充電時の負極材料の体積膨張により、負極板表面に存在する負極材料または導電材等が正負極間に位置するセパレータを部分的に突き破って、正負極間で微少短絡を起こす現象が生じ、良好な充放電サイクル特性を得ることができなかったものと考えられる。
【0067】
一方、各電池(A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L)の電池(7)では、微少短絡によるサイクル劣化はないものの、電池容器内に占めるセパレータの体積が増加し、その分リチウムの吸蔵・放出が可能な正極と負極の充填量が減少するため初期の放電容量が黒鉛材料を負極として用いた電池と同程度となり、高容量電池の実現が不可能であった。
【0068】
(実施例2)
実施例2においては、正負極間に位置するセパレータの厚みを15μmに限定し、かつセパレータの突き刺し強度が(8)152g、(9)204g、(10)303g、(11)411gを用意した。なおセパレータの材質はポリエチレン製の微多孔膜を用いた。
【0069】
以上のようにして、(表1)に示す材料Aを負極に用い、セパレータの突き刺し強度の異なった電池を作製した(例えば、負極材料Aを用い、セパレータの突き刺し強度が152gのとき、電池A-(8)と表わす。)。これらのうち、電池(9)、(10)、(11)は実施例、電池(8)は比較例として用いた電池である。尚、作製した円筒型電池は直径18mm、高さ650mmである。これらの電池を100mAの定電流で、まず4.1Vになるまで充電した後、100mAの定電流で2.0Vになるまで放電する充放電サイクルを繰り返した。また充放電は20℃の恒温槽の中で行った。尚、充放電は100サイクルまで繰り返し行い、初期の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比を容量維持率として(表14)に示す。
【0070】
【表14】
Figure 0004399877
【0071】
(表14)を見て明らかなように、セパレータの突き刺し強度が200g以上である電池(9)〜(11)で容量維持率が85%以上と充放電サイクル特性が優れていることがわかった。これに対してセパレータの突き刺し強度が200g以下であった電池(8)は容量維持率が40%程度となり十分な特性を得ることができなかった。
【0072】
この容量劣化が生ずる原因は、電池(8)ではセパレータの突き刺し強度が小さいため、充電時の負極材料の体積膨張により、負極板表面に存在する負極材料または導電材等が正負極間に位置するセパレータを部分的に突き破って、正負極間で微少短絡を起こす現象が生じ、良好な充放電サイクル特性を得ることができなかったものと考えられる。
【0073】
なお実施例2では、セパレータの厚みを本発明で限定する15μm以上40μm以下の範囲の中で一番小さい値である15μmに限定して、突き刺し強度の違うセパレータを用意して電池を作成したが、本発明で限定する厚みで突き刺し強度が200g以上であれば、微少短絡を起こさないことは実施例1、2の結果から容易に推察できる。
【0074】
また実施例2では、負極材料に材料Aのみを用いたが、その他の材料B〜Lにおいても同様な効果が得られた。
【0075】
さらに本実施例では、セパレータの材質がポリエチレン製の微多孔膜を用いたが、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの単独又は組み合わせたオレフィン系ポリマーを用いても同様な効果が得られた。
【0076】
なお本実施例で用いた負極材料を構成する元素は、固相AがSiの場合、2族元素としてMg、遷移元素としてCoおよびNi、12族元素としてZn、13族元素としてAl、14族元素としてSnを用いたが、これら以外の各族の元素を用いても同様な効果が得られた。また固相AがZnの場合、2族元素としてMg、遷移元素としてCuおよびV、12族元素としてCd、13族元素としてAl、14族元素としてGeを用いたが、これら以外の各族の元素を用いても同様な効果が得られた。
【0077】
また負極材料構成元素の仕込み比率については、特に限定されたものではなく、相が2相になり、1相(固相A)が主にSi,Znを主体とした相で、もう一つ別の相(固相B)がその周りを一部または全部を被覆するような状態になればよく、仕込み組成を特に限定するものではない。相Bは(表1)に示した固溶体,金属間化合物のみからなるだけではなく、それぞれの各固溶体,金属間化合物を構成している元素やそれ以外の元素が微量存在している場合も含まれる。
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来の炭素質材料を負極材料としたものよりも高容量で、かつサイクル特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における円筒型電池の縦断面図
【符号の説明】
1 電池ケース
2 封口板
3 絶縁パッキング
4 極板群
5 正極板
5a 正極リード
6 負極板
6a 負極リード
7 セパレータ
8 絶縁リング

Claims (1)

  1. 非水電解質、セパレータ、およびリチウムの吸蔵・放出が可能な正極と負極を備えた非水電解質二次電池において、前記負極は、固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部を、固相Bによって被覆した複合粒子で、前記固相Aはケイ素または亜鉛を構成元素として含み、前記固相Bは固相Aの構成元素であるケイ素、亜鉛のいずれかと、前記構成元素を除いて、周期表の2族元素、遷移元素、12族、13族元素、ならびに炭素を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素との固溶体、または金属間化合物である材料を用い、前記セパレータの厚みが15μm以上40μm以下であり、かつ前記セパレータの突き刺し強度が200g以上411g以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
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