JP4533051B2 - 内孔体を有する連続鋳造用ノズル - Google Patents

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この発明は、溶融金属の連続鋳造において使用される内孔体を有する連続鋳造用ノズル、特にドロマイト質内孔体を設けたアルミナカーボン質連続鋳造用ノズルに関する。
例えば浸漬ノズルは、溶融金属の連続鋳造において、タンディッシュとモールド間に使用されているが、この浸漬ノズルは、アルミキルド鋼のようにアルミナ等の介在物を含有する溶鋼の鋳造に使用する場合は、溶鋼中のアルミナ介在物等が内孔に付着して詰まる問題がある。尚、ここで言う内孔には吐出口を含む。
この対策としては、内孔にガスを吹き込んだり、あるいは内孔表面にアルミナ等が付着しにくい難付着性材質を配置したりする手段が採られている。この中で、アルミナ等が付着しにくい難付着性材質としては、ドロマイト、ライム、あるいはカルシウムジルコネート等のようにCaOを含有する材質が挙げられる。このCaO含有材質によれば、内孔表面において、鋼中のAlがCaOと反応して低融点化合物を生成し溶鋼流とともに流出するために詰りが発生しにくいとされている。
このCaO含有材質を内孔へ配置する方法としては、成形時に一体成形する方法、内孔表面に流し込み成形する方法、あるいは別に円筒状の内孔体を製造しておきモルタル等を介して内孔へ装着する方法等が知られている。
特に、浸漬ノズルの内孔へドロマイト質内孔体を配置する場合には、内孔体の熱膨張が浸漬ノズル本体より大きくなるために、モルタルのみでは熱膨張を吸収できず内孔体の熱膨張によって浸漬ノズル本体を押し割る問題あるいは内孔体が破損する問題がある。一般的な浸漬ノズル本体は、鱗状黒鉛を10〜30質量%含有しているため熱膨張率が小さい。
この浸漬ノズル本体と内孔体との熱膨張率の差による内孔体の破損や浸漬ノズル本体の押し割り等の防止策が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、黒鉛を含有しないドロマイト質その他の耐火骨材で成形された円筒状内孔体を複数に分割し、それぞれの間に目地部を設けて浸漬ノズルの内孔内面に配置し、これによって、熱膨張差による発生応力を緩和し耐スポーリング性を向上させることが開示されている。しかしながら、この方法では内孔体に設けた目地部のみでは膨張吸収代が不十分で、例えば内孔体に浸漬ノズル本体の材質であるアルミナカーボン質よりも熱膨張の大きいドロマイト質等の材質を使用する場合には、内孔体の熱膨張により内孔体や浸漬ノズル本体に発生する応力は、分割した内孔体間の目地部だけでは十分に緩和することができないという問題がある。
また、特許文献2には、CaOを70質量%以上含有する内孔体を浸漬ノズルの内孔に配置する際に、その内孔体の熱膨張により浸漬ノズル本体が圧迫されないように、浸漬ノズル本体と内孔体との間に空間を設けることが提案されている。しかしながら、本発明者が、CaOを含有する内孔体(ドロマイト質内孔体)を、アルミナカーボン質浸漬ノズルの内孔に空間を設けて配置して、実炉で使用してみたところ、使用時間が長くなると浸漬ノズルが変形する問題が発生することがわかった。つまり、使用時には内孔体は膨張することで浸漬ノズル本体に接触することになり、接触した部位においては内孔体中のCaOと浸漬ノズル本体のアルミナとが反応することで内孔体及び浸漬ノズル本体の耐熱性が大幅に低下するために、軟化変形すると推定する。
実公平7−18467号公報 特開平7−232249号公報
この発明が解決しようとする課題は、熱膨張が大きくしかも連続鋳造用ノズル本体との反応性の高い内孔体を配置した連続鋳造用ノズル、特にドロマイト質内孔体を設けたアルミナカーボン質連続鋳造用ノズルにおいて、内孔体の熱膨張による連続鋳造用ノズルの押し割りあるいは内孔体の破損を防止し、しかも内孔体と連続鋳造用ノズル本体との反応による内孔体や連続鋳造用ノズルの耐用性低下を防止することである。
本発明の内孔体を有する連続鋳造用ノズルは、 連続鋳造用ノズル本体の内孔に、一つの段差部を有する内孔拡径部を形成し、この内孔拡径部の段差部側に燃焼性材質層または空間と非反応質層とを介して内孔体を装着し、そして内孔体を前記燃焼性材質層または空間と非反応質層とを介して段差部とで挟むように内孔拡径部へ内孔体固定部材を挿入固定することで、拡径凹部へ内孔体を配置した内孔体を有する連続鋳造用ノズルであって、前記非反応質層の厚みは0.1〜10mmであり、前記内孔体がドロマイト質で、本体がアルミナカーボン質浸漬ノズルからなり、前記非反応質層が、MgOを50質量%以上含有し、前記内孔体の使用温度における熱膨張率をS%とすると、0.2S%〜2S%に相当する空間または燃焼性材質層を確保することを特徴とする。
空間で内孔体の熱膨張を吸収することで、内孔体による連続鋳造用ノズルの割れ破損を防止するとともに内孔体自体の損傷を防止する。また、内孔体と連続鋳造用ノズル本体が直接接触することがないため、内孔体と連続鋳造用ノズルとの反応に起因する変形を防止することができる。そして空間と非反応質層を同時に形成する構造とするために、拡径凹部に内孔体を配置した。拡径凹部には上流側と下流側とに段差部を有するため、内孔体はこれらの段差部に挟まれることで使用中に固定されることになる。この構造によって、内孔体の外面と連続鋳造用ノズル本体の内孔面との間に空間を設けて配置しても、内孔体をずれることなく保持することができる。
また、この空間の代わりに燃焼性材質層を配置しておいて使用前の予熱中にそれを消失させて空間とすることもできる。この予熱中に空間を得るための燃焼性材質としては、連続鋳造における通常の予熱温度等で、燃焼消失するものであればよく、例えば、パラフィン、ワックス、紙、プラスチック製シート等が利用できる。
連続鋳造用ノズル本体の内孔に、一つの段差部を有する内孔拡径部を形成し、この内孔拡径部に燃焼性材質層または空間と非反応質層とを介して内孔体を装着した後、内孔体固定部材を挿入固定することで、内孔拡径部に拡径凹部を形成しこの拡径凹部に内孔体を配置することができる。このような製法とすることで、空間の幅や非反応質層の厚みを高精度で管理することができるので、押し割り防止効果や反応防止効果がさらに高まる。さらに製造時に内孔体を連続鋳造用ノズル本体の内孔へ容易に挿入することができるので作業が簡便になる。
本発明においては、内孔体としてドロマイト質内孔体と、連続鋳造用ノズルとしてアルミナカーボン質浸漬ノズルとの組み合わせに適用すると著しい効果が得られる。浸漬ノズルは厚みが薄く外周面が拘束されずに使用されており、外周面が拘束状態で使用される上ノズルなどと比較すると、内孔体の熱膨張による押し割れがより発生しやすいためである。そしてドロマイト質内孔体は、熱膨張が非常に大きいためである。従って、ドロマイト質内孔体を配置した浸漬ノズルにおいて押し割りと反応を抑制することで浸漬ノズルの詰りがなくなるため浸漬ノズルの耐用性が飛躍的に向上する。また鋳造中にノズル詰りによる操業障害も抑制することができる。
内孔体と拡径凹部との間に設ける空間の大きさは、内孔体の熱膨張率はもちろんであるが、非反応質層の膨張収縮量、連続鋳造用ノズル本体の熱膨張率、及び連続鋳造用ノズルの使用条件を考慮して決まるものである。例えばドロマイト質内孔体をアルミナカーボン質浸漬ノズルの内孔に配置する場合においては、空間の大きさは内孔体の使用温度における熱膨張率をS%とすると、0.2S%〜2S%に相当する大きさであることがより好ましい。例えば、内孔体の外径が100mm、使用温度である1550℃での内孔体の熱膨張率Sが2.0%であれば、空間の大きさは外径の0.4〜4%に相当する量、つまり0.4〜4mmとなる。この場合、片側に設ける空間の大きさ(幅)は、内孔体と拡径凹部との間の空間を均一にした場合には1/2の0.2〜2mmとなる。0.2S未満の場合には、内孔体の膨張代が不足して内孔体が破損したり連続鋳造用ノズルが割れる場合がある。2S%を超える場合には、隙間が大きくなりすぎて溶鋼による溶損が発生しやすくなる可能性がある。この空間は使用中になくなることがベターであるが、使用中に隙間が残っておりその隙間に溶鋼が侵入しても上記の範囲内であれば大きな影響を与えるものではない。実際に使用後のノズルを観察してみると隙間に溶鋼が侵入している場合もあるが悪影響を及ぼしていないことを確認している。
この空間は、内孔体の外周面だけではなく、内孔体の長さ方向、すなわち、軸方向にも前記と同様に確保する。また、燃焼性材質層を配置する場合においても燃焼性材質層の厚みとして同様に適用できる。
非反応質層とは、使用中に連続鋳造用ノズル本体材質と内孔体の双方と反応して軟化変形や異常溶損などの悪影響を及ぼしにくい材質である。その成分は、内孔体に含まれる主要成分と連続鋳造用ノズルの主要成分との関係で決まってくる。
特に内孔体がドロマイト質でかつアルミナカーボン質浸漬ノズルの場合、非反応質層は、浸漬ノズルの主成分であるAl、さらに内孔体中のCaOとも低融点物質を生成しない点からMgOを主体とするものが好ましい。MgOの含有量としては50質量%以上、好ましくは80質量%以上さらに好ましくは90質量%以上含有する非反応質層が好適である。
MgO以外としては、ジルコニア、窒化物、炭化物等の原料を必要に応じて含有することもできる。さらには、Al或いはSiOを合計で20質量%以下、好ましくは10質量%以下含有するかさらに好ましくは含有せず、MgOが50質量%以上、好ましくは80質量%以上さらに好ましくは90質量%以上含有する非反応質層が好適である。AlやSiOはCaOと反応して低融点物質を生成するために含有しない方が良いが、20質量%までであれば使用しても悪影響は少ない。MgOが50質量%未満であればモルタルの強度が不足し剥離等が発生することがあり非反応質層として機能しなくなる。
この非反応質層の厚みは、連続鋳造用ノズルの使用時間、温度、鋼種等の使用条件によって、また非反応質層の反応性や可縮性の程度によって異なるが、0.1〜10mm、より好ましくは0.5〜5mmである。10mmを超えると当該部分の溶損や摩耗が生じ易くなり、0.1mmよりも小さいと反応を抑制する効果が小さくなる。
非反応質層は、モルタル、吹き付け材、刷毛塗りコーティング材、流し込み材、液状又は粉状材等の諸形態の上記好適な組成の非反応質材料を、塗布、吹き付け、あるいは浸漬して膜を形成する等、適宜な方法で形成できる。
本発明においては、内孔体がCaOを20質量%以上含有しかつアルミナカーボン質連続鋳造用ノズルへ適用する場合に、押し割りや軟化変形を抑制する効果が大きい。このため、ノズル詰りを抑制することができ、連続鋳造用ノズルの耐用性が飛躍的に向上する。また鋳造中にノズル詰りによる操業障害も抑制することができる。
ドロマイト質内孔体は、ドロマイト質原料を主成分として製造され、CaOを20質量%以上含有し、円筒形状をしている。具体的には、ドロマイトクリンカーを主原料とした配合を使用し、バインダーを加えて成形し熱処理したもの等である。ドロマイトクリンカーは、CaOとMgOの比を任意の割合にした合成ドロマイトクリンカー、天然のドロマイトを熱処理したもの等を使用することができる。
さらにこのドロマイト質内孔体は、黒鉛を使用しないか、あるいは黒鉛が3質量%以下がより好ましい。黒鉛は、耐スポーリング性を向上する目的で、連続鋳造用浸漬ノズルによく使用されているが、特にドロマイトを使用した場合には、溶損を促進しやすい傾向になるためにできるだけ少ない方が好ましいからである。つまり、本発明の連続鋳造用ノズルへの内孔体の配置構造により、熱膨張が極めて大きくしかも反応性の高いドロマイト質内孔体を使用することが可能となるので、押し割りと内孔体の耐用低下の問題が解決するため連続鋳造用ノズルの耐用性が大きく向上するのである。
このドロマイト質内孔体は、例えばドロマイトクリンカー50〜85質量%、マグネシアクリンカー15〜50質量%からなる主骨材部100に対して、適量のバインダーを添加して、混練、成形後熱処理して得られる。バインダーとしては、耐火物で一般的に使用されている、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フラン樹脂、ピッチ、及び/またはタール等の有機質を使用することができる。
アルミナカーボン質とは、上ノズル、下部ノズル、プレート、浸漬ノズルあるいはロングノズル等に一般的に使用されている材質である。例えばアルミナを主体とする耐火原料に、黒鉛、シリカ、スピネル、炭化珪素、及び/またはマグネシア等を添加し、適量の有機バインダーを添加して、混練、成形後、熱処理して製造される。
浸漬ノズルにおいては、例えばパウダーラインにジルコニアカーボン材質等を配置しているものもあるが、本発明で言うアルミナカーボン質浸漬ノズルは本体材質がAlを主成分とするものであり、このように部位によって異材質を配置したものも当然含む。
この発明の内孔体を有する連続鋳造用ノズルは、予熱時あるいは使用中の割れ破損や軟化変形による損傷等がなく、耐用性及び耐付着性等に優れたものである。
また、不要な溶鋼流の乱れも生じることなく、安定した鋳造条件を維持することができる。
さらに、内孔体をドロマイト質でかつアルミナカーボン質浸漬ノズルへ適用する場合には、浸漬ノズルの耐用性が飛躍的に向上し、しかも鋳造中にノズル詰りによる操業障害を抑制することができる。
以下、この発明の実施の形態を、図1と図2に示す溶鋼の連続鋳造用の浸漬ノズルに適用した実施例に基づいて説明する。
図1は、この発明の第1の実施例を示す縦断面図である。
同図において、1は浸漬ノズルの本体を示し、この浸漬ノズル本体1の内孔2に拡径凹部3が設けられており、この拡径凹部3の表面は非反応質層6を有している。この拡径凹部3には、拡径凹部3を構成する下流側の段差部11の上面に円筒状の内孔体4が固定されることなく載っている。内孔体4の側面及び上端面は浸漬ノズル本体1との間に膨張吸収代としての空間10を有している。内孔体4外周面と浸漬ノズル本体1との間に設けた空間10の幅は均等に1.5mm、内孔体4上端面と浸漬ノズル本体1との間に設けた空間10の幅は10mm、非反応質層6の厚さは2mmである。
浸漬ノズル本体1はアルミナカーボン質、内孔体4はドロマイト材質(1550℃の熱膨張率は2.0%)、非反応質層6はマグネシアモルタルである。
また、拡径凹部3は、内孔体4が使用中に外れないように保持する目的で設けるもので、浸漬ノズル本体1の内孔2の途中で内径の広がった部分である。すなわち、上流側から下流側へ段差部11を持っていったん拡径し、下流側で再び段差部11によってもとの内径にもどっている。この2つの段差部11は、拡径凹部3へ装着する内孔体4が使用中にずれないようにするために設けている。図1では段差部11により水平面を形成しているが、ある程度斜めになっていても特に問題はない。
このドロマイト質内孔体4を有する浸漬ノズルは、あらかじめ成形した円筒形のドロマイト質内孔体4の内孔を除く外面に、所定厚みのワックスとマグネシアモルタルを塗布しておきアルミナカーボン質浸漬ノズルを成形する時に内孔2に配置しておき、一体成形によって製造した。加熱時に、ワックスは消失することで空間10が形成され、さらにマグネシアモルタルは浸漬ノズル本体1側に形成されるので、浸漬ノズル本体1の拡径凹部3に非反応質層6と空間10を介してドロマイト質内孔体4が配置された構造となる。
尚、内孔体4はフリーになっているため、運搬中にがたつきを防止するために、一部を有機系の接着材等で固定したり、テープで固定したり、あるいは隙間固定材を挿入する等しても問題ない。
浸漬ノズルの配合は、アルミナ質原料及び燐状黒鉛を主体とした配合にフェノール樹脂を添加して混練したものを使用した。ドロマイト質内孔体4は、ドロマイトクリンカー80質量%、マグネシアクリンカー15質量%、及びフェノールレジン5質量%からなる配合を混練し加圧成形することで得た。マグネシアモルタルはマグネシアクリンカーにフェノール樹脂を添加して混練したものである。
図2は、浸漬ノズル本体1の内孔2に拡径凹部3を有し、拡径凹部3の上流側の段差部11は、内孔を有する円筒状の内孔体固定部材8によって形成されている。この内孔体固定部材8は、拡径凹部3から上端までの内孔を形成し、そして浸漬ノズル本体1の内孔2に設けた突出部12に保持され、浸漬ノズル本体1との間にはモルタル9が充填されている。拡径凹部3には、内孔体4が膨張吸収代としての燃焼性材質層5と非反応質層6を介して配置されている。浸漬ノズル本体1はアルミナカーボン質、内孔体4はドロマイト質、非反応質層6はマグネシアモルタル、燃焼性材質層5はパラフィンである。この図において突出部12は、内孔拡径部7にさらに内径が拡径する段差として形成されているが、内孔体固定部材8の上下方向へのずれを防止する目的で形成するものであり、突出部が他の構造でも良い。例えば、浸漬ノズルの外周面から中心軸方向に貫通する孔を形成し、内孔体固定部8の外周に設けた受け穴にノズルの外周面からピンを挿入し固定することもできる。
図2の浸漬ノズルは以下の方法で製造した。まず、浸漬ノズル本体1、内孔体4、及び内孔体固定部材8は以下の方法で、それぞれ製造したものを後から組み立てた。浸漬ノズル本体1は、実施例1と同じ配合を混練して成形し熱処理した。成形時には内孔拡径部7と突出部12を形成するために芯棒に2つの段差を設けたものを使用した。ドロマイト質内孔体4も実施例1と同様の配合を使って混練、成形後熱処理した。また、内孔体固定部材8も浸漬ノズルと同様に製造した。マグネシアモルタルは実施例1と同じものである。
次に、ドロマイト質内孔体4の外面に燃焼性材質層5としてパラフィンを均一な厚みで塗布しその上に非反応質材料6としてマグネシアモルタルを塗布した。このドロマイト質内孔体4を浸漬ノズル本体1の内孔拡径部7に挿入し、下流側の段差部11に保持した。さらに上流側から浸漬ノズルと接する面にアルミナ系モルタル9を塗布した内孔体固定部材8を内孔拡径部7に挿入した。
図3、図4及び図5は、浸漬ノズルの内孔において吐出口部に円筒状の内孔体を配置した例である。すなわち、その浸漬ノズル本体1の吐出口部の内孔2は拡径凹部3を有し、拡径凹部3の下流側の段差部11は、内孔を有する円盤状の内孔体固定部材8によって形成されている。この内孔体固定部材8は、拡径凹部3からの下流側の段差部を形成し、そして浸漬ノズル本体1の内孔2内で突出部12に保持されている。拡径凹部3には、内孔体4が膨張吸収代としての空間10と非反応質層6を介して配置されている。浸漬ノズル本体1はアルミナカーボン質、内孔体4はドロマイト材質、非反応質層6はマグネシアモルタルである。この図において突出部12は、拡径凹部3にさらに内径が拡径する段差として形成されているが、これは内孔体固定部材8のずれを防止する目的で形成するものであり、突出部が他の構造でも良い。浸漬ノズルの吐出口部は、外周に貫通孔を有する押え外筒13を設けることで、内孔固定部材8を固定している。
上記の浸漬ノズルは以下の方法で製造した。まず、浸漬ノズル本体1、内孔体4、内孔体固定部材8、及び押え外筒13は以下の方法で、それぞれ製造したものを後から組み立てた。浸漬ノズル本体1は、実施例1と同じ配合を混練して成形し熱処理した。吐出口部には、成形時に2つの段差を有する芯棒を使うことで図5に示すように突出部12を有する内孔拡径部7を形成した。ドロマイト質内孔体4も実施例1と同様の配合を使って混練、成形後熱処理した。また、内孔体固定部材8及び押え外筒13も浸漬ノズルと同様に製造した。マグネシアモルタルは実施例1と同じものである。
次に、ドロマイト質内孔体4の外面に燃焼性材質層としてパラフィンを均一な厚みで塗布しその上に非反応質層6としてマグネシアモルタルを塗布した。このドロマイト質内孔体4を浸漬ノズル本体1の内孔拡径部7に挿入し、上流側の段差部に保持した。さらに下流側から浸漬ノズルと接する面にアルミナ系モルタルを塗布した内孔体固定部材8を内孔拡径部7に挿入した。最後に押え外筒13を接合材を介して装着した。その後加熱することでパラフィンを除去した。
この図2の浸漬ノズルを使用して実際のタンディッシュに取り付けてアルミキルド鋼を300t鋳造したところ、押し割り及び軟化変形は全くなく、しかもノズル閉塞することなく使用することができた。これに対して、図2で内孔体4と浸漬ノズル本体1との間に空間のみを配置したものは、鋳造後、浸漬ノズル本体には内孔体との接触による異常溶損が認められた。また、図2の構造で空間を配置せずマグネシアモルタル(非反応質層6)のみを使用したものは、予熱中に浸漬ノズルに割れが生じ、使用中止となった。
このように、これまで、ドロマイト質内孔体を浸漬ノズルに配置した場合、実炉では満足に使用することさえ出来なかったが、本発明により内孔体の熱膨張による連続鋳造用ノズルの押し割りあるいは内孔体の破損を防止し、しかも内孔体と連続鋳造用ノズル本体との反応による内孔体や連続鋳造用ノズルの耐用性低下を防止することで実炉で問題なく使用することが可能となった。
この発明は、上部ノズル、下部ノズル、スライディングノズルプレート、浸漬ノズル、及びロングノズル等の連続鋳造用ノズルに適用できる。
この発明の第1の実施例を示す縦断面図である。 この発明の第2の実施例を示す縦断面図である。 この発明の第3の実施例を示す縦断面図である。 この発明の第3の実施例を示す図3におけるA−A断面図である。 この発明の第3の実施例における吐出口部の参考図である
符号の説明
1 浸漬ノズル本体
2 浸漬ノズル本体の内孔
3 拡径凹部
4 内孔体
5 燃焼性材質層
6 非反応質層
7 内孔拡径部
8 内孔体固定部材
9 アルミナ系モルタル
10 空間
11 段差部
12 突出部
13 押え外筒

Claims (1)

  1. 連続鋳造用ノズル本体の内孔に、一つの段差部を有する内孔拡径部を形成し、この内孔拡径部の段差部側に燃焼性材質層または空間と非反応質層とを介して内孔体を装着し、そして内孔体を前記燃焼性材質層または空間と非反応質層とを介して段差部とで挟むように内孔拡径部へ内孔体固定部材を挿入固定することで、拡径凹部へ内孔体を配置した内孔体を有する連続鋳造用ノズルであって、
    前記非反応質層の厚みは0.1〜10mmであり、
    前記内孔体がドロマイト質で、本体がアルミナカーボン質浸漬ノズルからなり、
    前記非反応質層が、MgOを50質量%以上含有し、
    前記内孔体の使用温度における熱膨張率をS%とすると、0.2S%〜2S%に相当する空間または燃焼性材質層を確保することを特徴とする
    内孔体を有する連続鋳造用ノズル。
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