JP4532880B2 - パストライザ - Google Patents
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Description
このため、供給コンベヤ2と移送コンベヤ3との移載作用面上には、被処理体Bを円滑に方向転換してのせ移すためのガイド機構が設けられている(特許文献1)。
すなわち、被処理体Bの性状の多様化としては、一方ではボトル形状の多様化であり、また他方では内容物の多様化に伴う内容物の高温化であり、それぞれに単独であるいは、それらが絡み合って工程上の不都合を生じさせていた。
具体的な被処理体Bの容器の形状の多様化としては、円形断面のものの他に多角形、四角形断面のものが市場で提供されていることが挙げられる。このうち特に容器断面が円形をしていない被処理体Bを対象としている場合には、次のような問題があった。すなわち円形断面のボトルのようなものは、移送中に供給ガイド5′等に少しでも接触すると回転運動が生じやすくこのことも助けとなって、スペースのある方に回転しながら自然に移動していく傾向が強く、所定の方向に流れを変更することが容易に行える。
それに対して、円形断面でない被処理体Bは、供給ガイド5′や他の被処理体Bに接触しても、回転運動が生じるものの自身の角部が供給ガイド5′や他の被処理体Bに再度接触するなどしてその回転が円滑になされない場合も生じ、スペースのある方に移動していく傾向が極めて弱い特性がある。
また、そこまで集団が増大しなかったとしても、自然に進行方向を変える傾向が弱い特性から、後続の被処理体Bがこれら集団にまともに衝突し、移送ゾーンにおいて本来直立した状態で移送されるべきところが、その弾みにより転倒し、そのまま移送されてしまう問題があった。更に転倒まで至らなかった場合でも、その集団内に取り込まれた際、または取り込まれた後に更に後続の被処理体Bが追突した際の衝撃により大きな圧力が生じ、被処理体Bの包装容器を傷つける問題もあった。
具体的には、その被処理体Bの内容物がお茶等である場合には、通常80℃程度で充填されるので容器素材の物性から容器本体の剛性が著しく低下しまう。このような被処理体Bの場合には、前記のようなのり移る際に転倒してしまうと、当然変形等の破損が生じる。
更に、転倒に至らなくとも、その容器自体の剛性が失われている状態では、供給コンベヤ3から移送コンベヤ2に移送する際に生じる比較的小さい圧力であっても簡単に容器自体が変形してしまう上に、その後パストライザを通過してもその変形したままで冷却されてしまうため商品的価値を失ってしまうという別の問題もあった。
一方移送コンベヤ2の下方には貯水槽104、105が設けられ、ここに前記温水及び冷水シャワー施設102、103により散水された温水処理液W1及び冷水処理液W2が貯水される。貯水された温水処理液W1及び冷水処理液W2は、図示を省略する循環ポンプによりくみあげられ再び前記温水及び冷水シャワー施設102、103に供給される。
供給コンベヤ3は、図1に示すように移送コンベヤ2の入口側に連接して設けられ、その搬送方向を移送コンベヤ2の搬送方向と直交するように構成している。
供給コンベヤ3は、具体的には多数の孔を有したキャリヤスラットが連接して無端帯状とされたバンドチェーンを適用するものであり、これが駆動モータにより駆動される。本実施例の供給コンベヤ3は、主に供給方向に被処理体Bを移動するためのメインコンベヤ31と、このメインコンベヤ31に沿って、このものと移送コンベヤ2とに挟まれるように併設されたのり移り促進用コンベヤ32との二つのコンベヤにより構成されている。なお、この二つのコンベヤの移送速度は互いに異なるように設定されているものであって、のり移り促進用コンベヤ32は、メインコンベヤ31よりも供給速度は遅く設定されている。
移送コンベヤ2は、被処理体Bをパストライザ1の処理室100の中に移送し処理させるためのコンベヤである。
なお、要求スペックによって異なるものの、近時生産能率の向上が更に求められている現状では、毎分500本程度の性能が発揮できる速度で、移送コンベヤ2が走行する。
この供給ガイド5は、図1に示すように複数の供給ガイドユニット50が供給コンベヤ3の移載側端辺部と反対側にその長手方向に沿って列をなすように配設されてなるものであり、その設定態様は、移送コンベヤ3の有効移送幅を移送方向前方に向かっていくに従い徐々に狭めた階段状になるように構成している。
この供給ガイドユニット50は、ガイド本体55と基盤56とにより構成される。
まず基盤56は、供給コンベヤ2に対し、その移載作用面の反対側長手方向に沿うようにして設けられた一例として角パイプ状の取付フレーム4に支持される平面状部材であって、前記供給コンベヤ3の幅方向に覆い被るように固定されている。
この基盤56は、一部が突起したほぼ野球のホームベースのような五角形状の平面状部材であり、その自由端側奥方には2個の固定部材53を列状に配し、この列が互いに平行になるような二列を構成するように計4個の固定部材53が配置されている。
更に、この2列に配置した固定部材53の間に、長尺の調整ボルト54を回転自在に支持することができるボルト受け54aが具えられている。そして、前記固定部材53が以下に述べるガイド本体55をスライド自在に支持するものであって、直接的には、ガイド本体55におけるスライドロッド52aを支持する。
このものは、ガイド板要素51とスライドメンバーを構成するスライドロッド52aと連結板52bとを具えて成る。
被処理体Bの案内作用を実質的に担うガイド板要素51は、ほぼ垂直に配置した例えば平板状部材を用い、このものを湾曲して複数の平面を構成するように形成したものであり、本実施例では案内作用面51a、案内解除面51b、退避誘導面51c、退避形成面51dを有するように形成している。なお、退避誘導面51cと退避形成面51dとは、本実施例のような屈曲部を有する二つの平面で構成されている場合のほか、例えばこれらの二つの作用平面が一つの曲面で連続しているものや、二つの作用面が実質一つの平面のみで構成されているものであっても構わない。
更に、このガイド板要素51の背面(案内作用をする面と反対側の面)に、2本の平行なスライドロッド52aの一端を固定する。そしてスライドロッド52aの他端同士は、連結板52bによって連結固定し、これらが全体としてガイド本体55の組立構造を構成する
そして前記の連結板52bは、調整ボルト54を嵌め合わせて保持するためのナット部54bを有しており、このナット部54bと基盤56に設けられたボルト受け54aとにより調整ボルト54をスライドロッド52aと平行に設置する。
更に、これらの供給ガイドユニット50が実際の使用では多数基連設され供給ガイド5を構成するものであるが、この場合、ガイド板要素51における案内解除面51bを供給方向に延長した線と、その供給ガイドユニット50の退避誘導面51cと退避部形成面51dと、その次の隣り合った供給ガイドユニット50における案内作用面51aとにより、ほぼ平面視三角形状の領域である退避部Sを形成する。
この導入案内パネルユニット6は、例えば平板状部材を湾曲して形成したものなどが用いられており、供給ガイドユニット50が固定されている取付フレーム4に取り付けられている。
また終端部パネルユニット7は、例えば平板状部材が用いられており、供給ガイドユニット50が固定されている取付フレーム4とパストライザ本体部とに取り付けられている終端部パネル保持部材71を用いて固定されている。
〔始動前の設定〕
運転開始に先立ち、適宜経験則として得られたデータ等に基づく以下の要素に適した設定を行う。まず被処理体Bの大きさや形状やその移送される単位時間あたりの数量等の違いに応じて、供給ガイド5を構成する供給ガイドユニット50の数やその位置を定める。更に、被処理体Bが、供給コンベヤ3から移送コンベヤ2へののり移りが円滑に転倒等することなく、また一カ所に集中することなく行われるように、それぞれの供給ガイドユニット50のガイド本体55の突き出し設定位置を調整する。この操作は供給ガイドユニット50に具えられた調整ボルト54を締めこんだり、緩めたりすることにより調整する。すなわち、調整ボルト54は常時その前端は、ボルト受け54aに支持され、その位置を変えずに回転する、一方それに螺合した連結板52bのナット部54bを移動させ供給ガイドユニット50の位置設定を行うものであって、図2に示すように適宜の可動ストロークが設定されている。もちろん、この調整ボルト54の回転は手動で行ってもよいし、他のモータ等のアクチュエータにより行ってもよい。
更に、この一連の案内作用面51aの組み合わせに適した終端部パネルユニット7の傾きと位置を得るように、パストライザ1と取付フレーム4に固定されている終端部パネル保持部材71の固定状態を解除して、パネル部を適宜な位置や傾きになるように調整した後、再度固定して設定する。
まず、図3−1と図3−2に被処理体Bが供給コンベヤ3から移送コンベヤ2へのり移るモデル態様を示す。図3−1と図3−2は、その被処理体Bののり移りの状態を観念的に示すために、特定の被処理体Bである被処理体b1〜b5に注目して、これらを限定的に図示したものである。
まず、供給コンベヤ3の幅方向に一列に並んだうち、最も移送コンベヤ2寄りの被処理体b1に関する移載状況を説明する。
この被処理体b1については、経験則的に早い段階で移送コンベヤ2にのり移る傾向が確認されている。すなわち多数の被処理体Bが供給コンベヤ3により供給コンベヤ3の移送方向奥方に送られることにより、最も移送コンベヤ2と離れた位置にある被処理体b5が、導入案内パネルユニット6の傾斜部に接しその移送方向が規制されながら移送コンベヤ3方向に寄せられるように移動する。この結果、その隣りにある被処理体b4や被処理体b3や被処理体b2も被処理体b5の動きに影響されて、それらは移送コンベヤ2方向に押しやられる。
そして被処理体b1は、これらが移送コンベヤ2方向にせり上がってくることから直接的には隣り合った被処理体b2によって供給コンベヤ3のメインコンベヤ31から押し出され、のり移り促進用コンベヤ32に移載される。
更に図3−1の(3)に示すように、被処理体b2等がせり上がってくることにより、被処理体b1の重心がのり移り促進用コンベヤ32から外れて、移送コンベヤ2に移った場合には、被処理体b1は、のり移り促進用コンベヤ32の搬送作用から脱し、移送コンベヤ3の移送作用によりパストライザ1の処理室100へ移送される。
なお、この図3−1や図3−2では、概念的に説明するために、同時期に供給コンベヤ3にのせ込まれた一列に並ぶ被処理体Bのみを限定的に図示しその動きについて述べたが、実際には供給コンベヤ3を構成するのり移り促進コンベヤ32は、供給コンベヤ3のメインコンベヤ31よりも移送速度が遅いから、のり移り促進コンベヤ32の移送作用を受けている被処理体Bは、メインコンベヤ31上に在って隣り合う被処理体Bを相対的にあたかも見送るようにして供給方向に移送されていく。従って、のり移り促進コンベヤ32の上に押し出された被処理体Bは、同時期に供給コンベヤ3に入ったコンベヤ幅方向に隣り合った被処理体Bによって押し出される場合もあるが、その後方からきた別の被処理体Bによって押し出される。
前述のように、被処理体b1から被処理体b4までが、移送コンベヤ2への移載が完了した後に、更に残った被処理体b5は供給ガイド5をこえて、終端部パネルユニット7にまで送られ、この終端部パネルユニット7の平面部材により進行方向を規制され移送コンベヤ2への移載が完了する。
次に、非円形断面をした被処理体Bが供給コンベヤ3から移送コンベヤ2への移載中に、何らかの原因によって被処理体Bが面同士で接触しあって小さな集団を形成してしまうブロッキング状態になってしまう場合がある。
図4(a)の終端部パネルユニット7付近では、そのブロッキング状態が発生している。このブロッキング状態は、被処理体Bが互いに面同士で接触しており、またいずれの被処理体Bもこれらに対して移送コンベヤ方向に押し出すこともできない。従って仮にこの退避部Sが存在しない場合には、これらの被処理体Bの後方から新たに被処理体Bが送られてきても、そのままブロッキングしている集団に取り込まれて、ブロッキング状態を拡大させてしまうことになってしまう。
しかし、この退避部Sが移送コンベヤ2と離れた位置に引込んだ状態で存在していることから、ブロッキング状態であってその一部に面同士が接触していない被処理体Bが含まれていれば、それを起点にして図4(b)のようなブロッキング解消の作用が働く。
まず図4(b)1では、ブロッキングが発生し、そのブロッキング状態の形成最後尾付近にて被処理体B3が後方から移送された被処理体Bにより過剰な押圧を受け、その過剰な押圧が連鎖的に被処理体B1に伝わる。
次に図4(b)2に示すように、この作用により被処理体B1は退避部Sに押し出されて、再び、退避部Sを構成する隣りの供給ガイドユニット50の案内作用面51aの案内作用を受け移送コンベヤ2方向に案内されながら移動する。
このとき、図4(b)3に示すように、この被処理体B1自体が他の被処理体Bを移送コンベヤ2方向に押し出す役目を担い、また、被処理体B1が占有していたスペースは、被処理体B2や被処理体B3などがブロッキング状態を脱するためのスペースとしての機能を担うこととなる。
2 移送コンベヤ
3 供給コンベヤ
31 メインコンベヤ
32 のり移り促進用コンベヤ
4 取付フレーム
41 取付部材
5 供給ガイド
50 供給ガイドユニット
51 ガイド板要素
51a 案内作用面
51b 案内解除面
51c 退避誘導面
51d 退避形成面
52a スライドロッド
52b 連結板
53 固定部材
54 調整ボルト
54a ボルト受け
54b ナット部
55 ガイド本体
56 基盤
6 導入案内パネルユニット
7 終端部パネルユニット
71 終端部パネル保持部材
100 処理室
101 排出コンベヤ
102 温水シャワー施設
103 冷水シャワー施設
104 貯水槽
105 貯水槽
B 被処理体(ボトル)
S 退避部
W1 温水処理液
W2 冷水処理液
Claims (4)
- 被処理体を加熱処理するパストライザにおける移送コンベヤと、この移送コンベヤの移送方向と直交する移送方向を有し前記パストライザへ被処理体を供給する供給コンベヤと、これら移送コンベヤと供給コンベヤとの接続部に設けらる供給ガイドとを具え、この供給ガイドにより供給コンベヤから方向転換を伴いながら被処理体を移送コンベヤに移載し、そこで加熱処理を行うパストライザにおいて、
前記供給ガイドは、隣接する少なくとも2以上の供給ガイドユニットにより構成されており、且つ各供給ガイドユニットは、ガイド板要素を具え、このガイド板要素は案内方向分力成分として移送方向への成分を有する案内作用面と、これに続く案内解除面とを具え、且つ各供給ガイドユニットは、各別に設定位置を調整できるよう、互いに全て調整方向を前記案内作用面と平行としたことを特徴とするパストライザ。
- 前記供給ガイドは、供給方向の奥方に行くにつれて供給ガイドユニットの案内解除面と、移送コンベヤとの間隔が狭まるように配置したことを特徴とする請求項1記載のパストライザ。
- 前記供給ガイドユニットには、退避部があり、この退避部は隣り合う供給ガイドユニットの案内作用面と連続するように配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のパストライザ。
- 前記供給コンベヤは、メインコンベヤと、のり移り促進用コンベヤとにより構成され、のり移り促進コンベヤは、移送コンベヤ側に設けられると共にメインコンベヤより供給速度を遅く設定されていることを特徴とする請求項1、2または3記載のパストライザ。
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