JP4532388B2 - 通信ケーブルの収容構造 - Google Patents
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また、請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の本発明において、前記収容路の内壁を構成する段部を略円形状に形成し、この段部の円弧を略等分する4位置に延在するように、前記ケーブル押え手段を形成したことを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の本発明において、前記収容路は、第1の収容路と、この第1の収容路の側方に形成された第2の収容路とを備え、前記第1の収容路と前記第2の収容路との両方に延出するように、前記ケーブル押え手段を形成したことを特徴とする。
また、この発明によれば、段部の円弧を略等分する4位置にケーブル押え手段を延在させることで、通信ケーブルとケーブル押え手段との相対関係がその上下左右において対称になり、巻き入れ作業を各方向に対して同様に行えばよいので、光ファイバの収容作業が一層容易になる。また、段部の円周上の各位置において通信ケーブルの飛び出しが均一に防止されるので、通信ケーブルを一層安定的に収容できる。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本発明は、概略的に、通信機器の筐体の内部に引き込まれた通信ケーブルを、当該筐体の内部に収容するための通信ケーブルの収容構造に関する。ここで、通信機器には、通信ケーブルを固定する必要が生じ得る全ての機器が該当し、具体的には、上述した光受信機や、屋内における光ファイバの終端装置(ONU:Optical Network Unit)が該当する。また、通信ケーブルの具体的構造や名称は任意であり、上述した光ファイバの他、同軸ケーブルを含む通信ケーブルが該当する。以下の実施の形態においては、光受信機に光ファイバを収容する場合について説明する。
以下に添付図面を参照して、本実施の形態の具体的内容について詳細に説明する。
最初に、光受信機の基本構成を説明する。図1は本実施の形態に係る光受信機の正面図、図2は図1の光受信機の底面図、図3はカバー部を開いた状態における図1の光受信機の正面図、図4は光受信機における信号の伝送経路を概念的に示す信号系統図である。なお、以下の説明においては、図1のX方向を左右方向、図1のY方向を上下方向、図2のZ方向を前後方向とする。
次に、余長処理部24の詳細について説明する。図6及び図7は図5の光ファイバトレイ20の要部拡大図、図8は図5のA−A矢視断面図、図9は図8のB部の拡大図、図10は図8のC部の拡大図である。これら各図において、余長処理部24は、ベース部25、外壁部26、第1の段部27、及び、2つの第2の段部28を備えて構成されている。そして、外壁部26と第1の段部27との相互間(ベース部25の前面)には第1の収容路40が形成され、ベース部25と第2の段部28との相互間(第1の段部27の前面)には第2の収容路41が形成されている。これら第1の収容路40と第2の収容路41は、光ファイバの余長部分を処理するためのスペースであり、特許請求の範囲における収容路に対応する。これら各領域の明確化のため、図11には外壁部26及び第2の収容路41(第1の段部27)、図12には第1の収容路40(ベース部25)をそれぞれ斜線領域として示す。
ここで、余長処理部24には、複数のファイバ押え50が形成されている。このファイバ押え50は、第1の収容路40又は第2の収容路41に収容された光ファイバの飛び出しを防止するためのもので、特許請求の範囲におけるケーブル押え手段に対応する。具体的には、外壁部26の上面から第1の段部27又は第2の段部28に向けて、第1の段部27の区画壁の上面から第2の段部28に向けて、さらに、第2の段部28の上面から第2の段部28に向けて、それぞれファイバ押え50が突設されている。ここで、これらファイバ押え50の先端部と、第1の段部27や第2の段部28との相互間には、前後方向に若干の隙間が形成されており、この隙間を介して、光ファイバOF1〜OF6を第1の収容路40又は第2の収容路41に対して出し入れすることができる。
これら複数のファイバ押え50のうち、一部のファイバ押え(図3、5においてファイバ押え50a〜50eとして区別する)は、その突出方向における対向部の上方に延出している。具体的には、ファイバ押え50aは、第1の収容路40及び第2の収容路41の両方を略完全に横断して、その先端部を第2の段部28の上方に延在させており、ファイバ押え50b〜50dは、第2の収容路41を略完全に横断して、その先端部を第2の段部28の上方に延在させており、同様に、ファイバ押え50eは、第1の収容路40を略完全に横断して、その先端部を第1の段部27の上方に延在させている。従って、図3に示すように、平面的には、これらファイバ押え50a〜50eと、その対向部である第1の段部27又は第2の段部28との間に隙間がなく、第1の収容路40や第2の収容路41に収容された光ファイバOF1〜OF6が前方側に飛び出すことを一層効果的に防止することができる。
また、これらファイバ押え50a〜50eは、第1の収容路40又は第2の収容路41の外側から内側に向けて突設されている。すなわち、第1の収容路40は、外壁部26と第1の段部27とによって区画されているが、その外側に位置する外壁部26から、その内側に位置する第1の段部27に向けて突出するように、ファイバ押え50a、50c〜eが形成されている。また、第2の収容路41は、第1の段部27と第2の段部28とによって区画されているが、その外側に位置する第1の段部27から、その内側に位置する第2の段部28に向けて突出するように、ファイバ押え50bが形成されている。従って、ファイバ押え50a〜50eの基部が第1の収容路40や第2の収容路41の外側に位置することになり、ファイバ押え50a〜50eと外壁部26や第1の段部27との相互間には平面方向(上下左右方向)にも前後方向にも隙間が生じないので、第1の収容路40や第2の収容部に巻き取り収容された光ファイバOF1〜OF6が自己の弾性力によって外側に拡張した場合にも、これら光ファイバOF1〜OF6の飛び出しを一層確実に防止できる。さらに、第2の段部28の周囲に巻き取られている光ファイバOF1〜OF6を取り出す場合には、この光ファイバOF1〜OF6の一部を引っ張るだけで、光ファイバOF1〜OF6が形成している輪を徐々に小さくし、最終的には第1の段部27や第2の段部28と略同径あるいはそれ以下の径として、これら第1の段部27と第2の段部28とファイバ押え50との前後方向の隙間から光ファイバを容易に取り出すことができる。
次に、各ファイバ押え50の具体的な形状について説明する。ケーブル押え50は、図6、7に示すように、平面形状を略鋭角の三角形状としており、その幅が基部51から先端部52に至るに伴って細くなるように形成されている。このため、ケーブル押え50は、その基部51においては、光ファイバトレイ20に対する強固な接合強度を有する一方で、その先端部52においては、弾性変形可能であり、このケーブル押え50の弾性力に抗しつつ、その上方から光ファイバOF1〜OF6を押し入れることができる等、光ファイバOF1〜OF6の収容作業が一層容易になる。特に、ケーブル押え50を先鋭形状としているので、その先端部52と第1の段部27や第2の段部28との前後方向の隙間に光ファイバOF1〜OF6を挿通させる際に、この光ファイバOF1〜OF6が先端部52に引っ掛かることを防止でき、光ファイバOF1〜OF6の収容作業が一層容易になる。
次に、各ファイバ押え50の具体的な形成位置について説明する。図3、5に示すように、第2の段部28の平面形状は略円形状とされている。ここで、この第2の段部28の円弧を略等分する4位置の各々に延在するように、ファイバ押え50a〜50dが形成されている。すなわち、第2の段部28の略最上方、略最右方、略最下方、及び、略最左方のそれぞれの上方に、ファイバ押え50a〜50dの先端部が延在している。このため、第2の段部28の円周に沿うようにして、第2の収容路41に光ファイバOF1〜OF6を巻き入れる際、光ファイバOF1〜OF6とファイバ押え50a〜50dとの相対関係がその上下左右において対称になり、巻き入れ作業を上下左右の各方向に対して同様に行えばよいので、光ファイバOF1〜OF6の収容作業が一層容易になる。また、第2の段部28の円周上の各位置において光ファイバOF1〜OF6の飛び出しが均一に防止されるので、光ファイバOF1〜OF6を一層安定的に収容できる。
また、図5〜10に示すように、第1の段部27や第2の段部28には、複数の凹部27a、28aが形成されている。凹部28aは、図8〜10に示すように、第2の収容路41に向う側を開放され、かつ、その最後面を第1の段部27の前面と略面一状とされることで、第2の収容路41に連通している。また、断面の図示は省略するが、凹部27aも同様に、第1の収容路40に向う側を開放され、かつ、その最後面をベース部25の前面と略面一状とされることで、第1の収容路40に連通している。そして、このような凹部27a、28aの上方に、各ファイバ押え50の先端部を延在させている。従って、本実施の形態のようにファイバ押え50を第1の段部27や第2の段部28の上方に延出させた場合においても、このファイバ押え50と第1の収容路40や第2の収容部との相互間に凹部27a、28aの深さに対応したスペースが形成され、このスペースを介して光ファイバの出し入れを行なうことができるので、光ファイバの収容作業が一層容易になる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
本発明の適用対象は、上述したような光受信機には限られず、光ファイバ収納箱や光コンバータ、その他、光ファイバOF1〜OF6の如き通信ケーブルを固定可能な機器であれば、どの様な機器に対しても同様に適用可能である。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、光ファイバトレイ20からの光ファイバOF1〜OF6の飛び出しを完全に防止できない場合であっても、その飛び出し防止効果が従来より若干でも向上している限りにおいて、本発明の課題が達成されている。
ファイバ押え50の形成位置は、図示の位置に限定されない。例えば、図示よりもさらにファイバ押え50の数を増やすこともでき、あるいは、一部のファイバ押え50を省略することもできる。また、必ずしも全てのファイバ押え50の先端部を対向部の上方に延出させる必要はなく、一部のファイバ押え50のみを延出させてもよい。
10、101 筐体
11 ベース部
12 カバー部
13 引き込み口
20、103 光ファイバトレイ
21 ファイバ固定部
22 スプライス固定部
23 フィルタ固定部
23a、23b 可動壁
24、104 余長処理部
25 ベース部
26 外壁部
26a 第1の外壁部
26b 第2の外壁部
26c 第3の外壁部
27 第1の段部
28 第2の段部
30、102 光電変換ユニット
31 接続端子
40 第1の収容路
41 第2の収容路
42 ガイド
50(50a〜50e)、107 ファイバ押え
51 基部
52 先端部
52a 面取り部
105 外壁
106 内壁
OF1〜OF6 光ファイバ
MS1〜MS3 メカニカルスプライス
F1 WDMフィルタ
Claims (10)
- 通信機器の筐体の内部に引き込まれた通信ケーブルを、当該筐体の内部に収容するための収容構造であって、
前記通信ケーブルを収容する収容路と、
前記収容路の上方に突出するケーブル押え手段とを備え、
前記ケーブル押え手段を、その突出方向における対向部の上方に延出させ、
前記収容路の内壁を構成する段部を形成し、
この段部には前記収容路に連通する凹部を形成し、
前記凹部の上方に前記ケーブル押え手段を延在させ、
前記凹部の側壁面を、この段部の前面と前記収容路の前面とを連通する傾斜面に形成すると共に、前記収容路側に円心を有すると共に前記収容路に至るに伴って深くなる略半球状に形成したこと、
を特徴とする通信ケーブルの収容構造。 - 前記収容路を円弧状に形成し、前記ケーブル押え手段を前記収容路の外側から内側に向けて突設したこと、
を特徴とする請求項1に記載の通信ケーブルの収容構造。 - 前記ケーブル押え手段の幅を、その基部から先端部に至るに伴って細くしたこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載の通信ケーブルの収容構造。 - 前記ケーブル押え手段の先端部に、面取り部を形成したこと、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の通信ケーブルの収容構造。 - 前記収容路の内壁を構成する段部を略円形状に形成し、この段部の円弧を略等分する4
位置に延在するように、前記ケーブル押え手段を形成したこと、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の通信ケーブルの収容構造。 - 前記収容路は、第1の収容路と、この第1の収容路の側方に形成された第2の収容路とを備え、
前記第1の収容路と前記第2の収容路との両方に延出するように、前記ケーブル押え手段を形成したこと、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の通信ケーブルの収容構造。 - 前記収容路の内壁を構成する段部は、第1の段部と、当該第1の段部のさらに前方側に形成された第2の段部であって、当該第2の段部の前面が前記収容路の外壁部の上面と同じ高さに位置するように配置された第2の段部とを備え、
前記第1の収容路を、前記収容路の外壁部と前記第1の段部とによって区画し、
前記第2の収容路を、前記第1の段部と前記第2の段部とによって区画し、
前記第2の段部は、前記第2の収容路に連通する前記凹部を備え、
前記第1の収容路と前記第2の収容路との両方に延出するように形成された前記ケーブル押え手段を、前記収容路の外壁部の上面から第2の段部の前記凹部の上方に延在させると共に、前記ケーブル押え手段の先端部が前記第2の段部の前面とほぼ同じ高さに位置するように配置したこと、
を特徴とする請求項6に記載の通信ケーブルの収容構造。 - 前記収容路の内壁を構成する段部は、第1の段部と、当該第1の段部のさらに前方側に形成された第2の段部であって、当該第2の段部の前面が前記収容路の外壁部の上面と同じ高さに位置するように配置された第2の段部とを備え、
前記第1の収容路を、前記収容路の外壁部と前記第1の段部とによって区画し、
前記第1の段部は、前記第1の収容路に連通する前記凹部を備え、
前記第1の収容路に延出するように形成された前記ケーブル押え手段を、前記収容路の外壁部の側面から第1の段部の前記凹部の上方に延在させたこと、
を特徴とする請求項6又は7に記載の通信ケーブルの収容構造。 - 前記収容路の内壁を構成する段部は、第1の段部と、当該第1の段部のさらに前方側に形成された第2の段部であって、当該第2の段部の前面が前記収容路の外壁部の上面と同じ高さに位置するように配置された第2の段部とを備え、
前記第1の収容路を、前記収容路の外壁部と前記第1の段部とによって区画し、
前記第2の収容路を、前記第1の段部と前記第2の段部とによって区画し、
前記第1の収容路と前記第2の収容路との両方に延出するように形成された前記ケーブル押え手段を、前記収容路の外壁部の上面から第2の段部の上方に延在させると共に、前記ケーブル押え手段の先端部が前記第2の段部の前面とほぼ同じ高さに位置するように配置し、
前記第1の収容路に、前記通信ケーブルと他の前記通信ケーブルを接続するためのメカニカルスプライスを着脱自在に固定可能なスプライス固定部を設けたこと、
を特徴とする請求項6又は7のいずれか一項に記載の通信ケーブルの収容構造。 - 前記筐体に、当該筐体の外部から当該筐体の内部へ前記通信ケーブルを引き込み、あるいは、当該筐体の内部から当該筐体の外部へ前記通信ケーブルを引き出すための引き込み口を設け、
前記第1の収容路における前記引き込み口付近に、前記スプライス固定部を配置したこと、
を特徴とする請求項9に記載の通信ケーブルの収容構造。
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