JP4531488B2 - 豆類の殺菌方法 - Google Patents
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Description
中でも、豆類の加工食品は、一般的に、原料豆を浸漬工程、水煮工程、加熱加圧工程等を経て殺菌処理される。
また、レトルト食品の前段階の予備殺菌等に利用する固形物や固形物含有液状物の殺菌方法としては、例えば、固形物と液状物とを別々に加熱殺菌し、殺菌後、両者を混合して、袋又は容器内に充填し、密封することを特徴とする固形物含有液状物の殺菌方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献1の殺菌方法では、濃い色の豆類と薄い色の豆類とで相互に色移り(着色)する点で満足し得るものではなかった。
また、上記の豆類の殺菌方法でレトルト処理を行ったレトルト包装製品は、過酷なレトルト殺菌処理処理に耐えることができ、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、内容物である煮豆の色移りが抑えられ、味覚、品質等の変質を起こさない官能的に極めて優れ、耐熱性、耐圧性、ヒートシール性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、耐寒衝撃性、印刷適性にも優れるものである。
本発明に係る豆類の殺菌方法は、先ず、原材料である濃い色の豆類と薄い色の豆類とを別々の水槽に水に1時間〜24時間程度、重曹水に浸漬する重曹水浸漬工程8、18と、水煮槽で水と塩、砂糖等の調味量を適宜加え、50℃〜105℃で1分〜2分程度、豆類を茹でる水煮工程10、20と、水煮で得られた濃い色の豆類と薄い色の豆類を混合する混合工程12と、当該混合豆を一定量分ずつ耐熱性包装袋に充填して密封する充填工程14と、得られた包装体を50℃〜140℃で、0.12MPa〜0.34MPaの圧力を加えて、10分〜20分で加熱加圧する加熱加圧工程16とを具備する殺菌処理方法である。
重曹水浸漬が1時間未満であると、味がしみ込みにくいので好ましくなく、24時間を超えると豆の皮が剥けて外観、食感が悪くなるので好ましくない。
前記の加熱加圧工程では、80℃〜140℃で、0.12MPa〜0.34MPaの圧力を加えて且つ10分〜20分で加熱加圧することによって、得られた煮豆を充分に殺菌できるので好ましい。
上記のレトルト包装袋の基本となる層構成としては、外側から、最外層として基材フィルム層と、中間層としてガスバリア層と、最内層としてヒートシール層とを各層間に接着層を介して順次積層する積層フィルムである。
次に、本発明において、豆類のレトルト殺菌用包装袋を構成する材料、その製造法等について説明する。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下「PETフィルム」ともいう。)、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム(以下「PPフィルム」ともいう。)、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロン樹脂等の等のポリアミドフィルムの単層、ないし、2層以上からなる多層積層フィルムを好適に用いることができる。一般的には、2軸延伸加工を施すことにより、耐熱性、耐衝撃性をさらに向上させたものが用いられる。基材フィルムの厚さは特に限定されないが、5〜20μmのものが通常使用される。
なお、上記の基材フィルムに無機酸化物の蒸着膜、あるいはバリア樹脂等のコーティング膜して使用してもよい。
具体的には、例えば、2軸延伸フィルムの片面ないし両面に酸化アルミニウム蒸着膜、シリカ蒸着膜等の無機蒸着膜、塩化ビニリデン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂等のバリア性のコーティング膜等を形成したフィルムを使用することができる。
また、前記の無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の薄膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した積層体の状態でもよく、また、使用する金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸化物の薄膜を構成することもできる。
次に、本発明において、ポリエルテル樹脂フィルムの上に、無機酸化物の蒸着膜を形成する方法について説明すると、かかる方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
本発明において、無機酸化物の蒸着膜形成法について具体的に説明すると、上記のような金属の酸化物を原料とし、これを加熱してポリエルテル樹脂フィルム、の上に蒸着する真空蒸着法、または原料に金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させてポリエルテル樹脂フィルムの上に蒸着する酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて蒸着膜を形成することができる。
かかる印刷層は、例えば、通常のインキ組成物を使用してオフセット印刷あるいはグラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷、その他等の通常の印刷法等によって形成することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、線状低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム、アイオノマ−樹脂フィルム、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂フィルム、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂フィルム、エチレン−メタクリル酸共重合体フィルム、エチレン−プロピレン共重合体フィルム、メチルペンテン樹脂フィルム、ポリブテン樹脂フィルム、酸変性ポリオレフィン系樹脂等の樹脂のフィルムを使用することができる。そのフィルムの厚さとしては、10〜300μm、好ましくは、20〜100μm位が望ましい。本発明においては、上記のようなヒ−トシ−ル性フィルムのなかでも、特に、ヒ−トシ−ル性を有するため、レトルト耐性に優れる無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを使用することが好ましい。特に温度120℃以上のハイレトルト(HTST)には、融点が145〜165℃の無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを使用することが好ましい。
本発明においては、上記のヒ−トシ−ル性を有する無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムのなかでも、具体的には、エチレン−プロピレンコポリマ−を主成分とし、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等の樹脂から製膜したフィルムを使用することが好ましい。
また、必要に応じ、これにオレフィン系ゴム成分を添加し、更に所望の添加剤を任意に添加し、充分に混練してなる組成物を、例えば、押し出し成形等によりフィルム化してなるヒ−トシ−ル性を有する無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムを使用することが望ましい。
ウレタン系接着剤としては、レトルト用として使用されているタイプのものであればいずれも利用することが可能であり、たとえば、2液反応型ポリウレタン系接着剤としてポリエステルポリオールなどの水酸基を有するポリオール成分とジイソシアネートなどのイソシアネート基を有するポリイソシアネート成分とからなり、水酸基とイソシアネート基の反応でウレタン結合を形成し硬化するもの等を用いることができる。
前記のウレタン系接着剤のコート量は、乾燥重量として0.5〜5.0g/m2程度が好ましいものである。
公知のもので衛生的に支障のないものであればそれ以外の使用も可能である。
その製袋方法としては、上記の積層体を、ヒ−トシ−ル性フィルムの食品に接する面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態のレトルト用包装袋を製造することができる。
この得られた包装体をレトルト装置等の加熱殺菌槽内に装填し、周囲から熱水、蒸気等を噴射し吹き付けて加熱殺菌処理をするスプレー式レトルト処理槽内やシャワー式レトルト槽内にパウチを一定時間保持して熱水と接触させて殺菌することができる。
ここで、スプレー式レトルト殺菌処理は、トレーの各段の四隅にスプレー部を設け、前記のスプレー部から熱水を扇状に散布し、トレー上に載置された前記の包装体にスプレー状に降り注ぐことにより、加熱加圧処理を行うものである。
また、シャワー式レトルト殺菌処理は、レトルト殺菌処理をする処理槽内に積層されたトレーの上方に多数の小孔が均一に設けられたシャワープレートを配設し、そこから熱水を包装体にシャワー状に降り注ぐことにより加熱加圧処理を行うものである。
上記の煮豆を充填包装したレトルト包装製品は、過酷なレトルト殺菌処理処理に耐えることができ、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、内容物である煮豆の色移りがなく、味覚、品質等の変質を起こさない官能的に極めて優れ、耐熱性、耐圧性、ヒートシール性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、耐寒衝撃性、印刷適性等に優れるものである。
〔レトルト用包装袋の製造〕
厚み12μmの2軸延伸リエチレンテレフタレートフィルム(以下「PET」という。)の片面に文字、記号、図形等からなる所望の印刷絵柄をグラビア印刷した。
次に、前記のPETフィルムの印刷面にポリウレタン系接着剤を3.5g/m2 (乾燥状態)塗布し、片面に酸化アルミニウム蒸着膜を形成する12μmのPETフィルムの蒸着なし面とをドライラミネーション法によりラミネートして積層フィルムを作製した。
次に、前記の積層フィルムの酸化アルミニウム蒸着膜の形成面に、ポリウレタン系接着剤を3.5g/m2 (乾燥状態)塗布し、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(以下「CPP」という。)とを順次ドライラミネーション法で積層して、層構成がPETフィルム12μm/印刷層/接着剤層/PETフィルム12μm/酸化アルミニウム蒸着膜/接着剤層/CPPフィルム70μm(内面)の実施例1のレトルト包装袋用積層フィルムを作製し、40℃×30分間エージングした。
次いで、得られた積層フィルムを用いて130mm×170mmの大きさに2枚切り取り、CPPフィルムを相対向するように配置し、縦2辺、横1辺を10mm幅で熱圧着(条件200℃、2kg/cm2、0.5秒)してレトルト包装袋を製造した。
〔重曹水浸漬工程〕
色の濃い豆類としてピ−ナッツ8個、黒豆7個を準備し、色の薄い豆類としてえだ豆34個とひよこ豆18個を準備して、前記の色の濃い豆類と色の薄い豆類を別々に重曹を0.5重量%添加した重曹水に15時間浸漬させた。
〔水煮工程〕
前記の色の濃い豆類と色の薄い豆類を別々に食塩3重量%の食塩水に95℃〜100℃で1分間加熱した。
〔加熱加圧工程〕
上記で製造したレトルト用包装袋に前記の色の濃い豆類と色の薄い豆類を充填包装し、しかる後、スプレー式レトルト加熱殺菌装置(メーカー名:株式会社日阪製作所製)で120℃、15分加圧加熱して、レトルト殺菌処理を行った。
また、上記で製造した煮豆を充填したレトルト処理包装体は、耐熱性、耐圧性、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、内容物の味覚、品質等の変質を起こさなず、官能的に極めて優れ、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、印刷適性にも優れるものであった。
色の濃い豆類として小豆18個、ピ−ナッツ8個、金時豆7個を準備し、色の薄い豆類としてえだ豆34個を準備して、前記の色の濃い豆類と色の薄い豆類を別々に重曹を0.5重量%添加した重曹水に15時間浸漬させた。
〔水煮工程〕
前記の色の濃い豆類と色の薄い豆類を別々に糖度35度の水溶液中で水温105℃で1分間加熱した。
〔水浸漬工程〕
前記の色の濃い豆類と色の薄い豆類を別々に糖度35度の水溶液に4時間浸漬させた。
〔加熱加圧工程〕
前記の色の濃い豆類と色の薄い豆類を実施例1と同じ仕様のレトルト用包装袋に充填し、しかる後、スプレー式レトルト加熱殺菌装置(メーカー名:株式会社日阪製作所製)で120℃、15分加圧加熱して、レトルト殺菌処理を行った。
また、実施例2で得られたレトルト処理包装体は、実施例1と同様の作用効果が得られ、即ち耐熱性、耐圧性、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れ、内容物の味覚、品質等の変質を起こさなず、官能的に極めて優れ、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、印刷適性にも優れるものであった。
8 重曹水浸漬(濃色豆)
10 水煮(濃色豆)
12 混合
14 充填包装
16 加熱加圧
18 重曹水浸漬(薄色豆)
20 水煮(薄色豆)
22 加工製品(殺菌処理済み)
Claims (3)
- 色の異なる一種または二種以上の豆類を色が濃い豆類および色が薄い豆類に分けて別々に重曹水に浸漬する工程と、
調味料を加えて蒸煮する工程と、
蒸煮した両者の内容物を混合して耐熱性包装袋に充填して密封する工程と、
加熱加圧殺菌する工程とを具備し、
前記の豆類の相互の色移りを抑制することを特徴とする豆類の殺菌方法。 - 前記の蒸煮する工程では、50℃〜105℃で且つ1分〜2分で豆類を茹でることを特徴とする請求項1に記載の豆類の殺菌方法。
- 前記の加熱加圧殺菌する工程では、80℃〜140℃、かつ、0.12MPa〜0.34MPaの圧力を加え、かつ、10分〜20分で殺菌処理することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の豆類の殺菌方法。
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