JP4530900B2 - 高分子凝集剤分散液、その製造方法及び汚泥脱水方法 - Google Patents

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Description

本発明は含水汚泥を処理するために用いられる高分子凝集剤分散液、該分散液の製造方法およびそれを用いた汚泥脱水処理方法に関する。
廃水処理等の際に生じる含水汚泥を処理するために高分子凝集剤を用いることが広く行われている。通常、高分子凝集剤は水溶性の高分子であり、水に溶解した形で使用されている。しかしながら、高分子凝集剤は、一般的には極めて高分子量のため極少量の架橋成分の存在で不溶化し易く、ゲル状の不溶解分が生じやすい。不溶化反応は高温、高濃度であるほど起こりやすいので、不溶化を避けるためには低濃度で製造するなど生産性を犠牲にせざるを得ない場合も多々ある。さらに一般的にはそのような不溶解分は凝集剤として有効に作用しないといわれており、不溶解分の少ない凝集剤が称揚されてきた。
一方、不溶解分を含む架橋された高分子凝集剤(以下、架橋型高分子凝集剤ということもある)は、従来の凝集剤に対し特異な性能を持つことが報告され、特許文献1(特公平8−163号公報)では、この不溶解分を含む架橋された高分子凝集剤の水性組成物に強い剪断力をかけて均質化することにより所望の性能を有する凝集剤組成物が得られることが示されている。しかしながらこの強い剪断力をかける方法では、高分子の微粒子化と高分子性能の劣化が同時に起きるため、溶解時に粗大な膨潤粒子を生成する通常の粉末状架橋高分子凝集剤の溶液をこのような方法で均質化させた場合には所望の性能は得難かった。
従って、現在ではこのような剪断力を付加する方法などによる均質化が可能な不溶解分を含む高分子凝集剤は、逆相エマルジョン重合または逆相マイクロエマルジョン重合で製造されるのが一般的である。
しかし、このようなエマルジョン重合により重合体(高分子凝集剤)を製造するためには炭化水素油類と乳化剤が必須であり、またエマルジョン全量に対する高分子凝集剤の濃度も一般的に40%程度以下に限定されるため凝集剤あたりの単価が極めて高くなるという欠点があった。
特公平8−00163号公報
本発明は、溶解時に不溶解分が多い粉末の高分子凝集剤を用いて高性能な凝集剤分散液を形成することを目的とし、また、該粉末高分子凝集剤分散液を用いて架橋型高分子凝集剤が持つ特質と同様な性能を発揮させる汚泥脱水方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、不溶解ゲル成分の多い高分子凝集剤水溶液であっても、所定の目開きのフィルターを通し、不溶解ゲル成分を微細化することによって高性能の凝集剤溶液として使用できるようになるばかりか、汚泥処理に際し従来の分散法を用いた架橋型高分子凝集剤に対して優れた性能を発揮させることができることを見いだし本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、下記一般式で示されるカチオン性単量体5〜100重量%、アニオン性単量体0〜50重量%、非イオン性単量体0〜95重量%からなる原料単量体と、
[化1]
CH 2 =C(CR 1 )−CO−X−(CH 2 )n−NR 2 3 4
(式中、R 1 は水素原子、あるいはメチル基を示し、Xは酸素原子あるいはNH基を示し、nは1〜3の整数を示す。R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ独立に水素原子あるいは炭素数1から4のアルキル基、ベンジル基を表し、Zはハロゲン原子を表す。)
全原料単量体に対し1ppm以上、5000ppm以下の架橋性単量体を、逆相エマルジョン重合及び逆相マイクロエマルジョン重合以外の重合方法により共重合して得られたカチオン性あるいは両性の架橋型高分子凝集剤であって、4重量%食塩水溶液中に溶解した0.5重量%濃度の高分子凝集剤水溶液500gを80メッシュの篩いで濾過した際、篩い上の不溶解分が10g以上である該高分子凝集剤を、少なくともその一部を膨潤含水ゲルとなした後、目開き10ミクロンから500ミクロンの濾過部材を通過させて膨潤ゲルを微細化し、水に分散させることを特徴とする高分子凝集剤分散液の製造方法に存する。
また、本発明の他の要旨は、該製造方法により得られた高分子凝集剤分散液を汚泥と混合処理し、処理汚泥を脱水することを特徴とする脱水方法に存する。
本発明方法によれば、従来エマルション重合やマイクロエマルジョン重合でなければ得難かった架橋型凝集剤が有する機能を、安価で取り扱いが容易な粉末状の高分子凝集剤により溶解時にその性能を劣化させることなく、且つ十分に発揮させることができる。
また、本発明で得られる高分子凝集剤分散液は、特に屎尿、都市下水、食品加工等の余剰汚泥もしくは余剰汚泥比率の高い混合生汚泥等の処理に顕著な効果を示すので、汚泥の凝集・脱水効率を高めることが出来る。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明に用いる高分子凝集剤は、通常粉末状の高分子凝集剤であり、その高分子凝集剤を4重量%食塩水溶液中に溶解した0.5重量%濃度の高分子凝集剤溶液500gを80メッシュの篩いで濾過した際、篩い上の不溶解分量が10g以上である高分子凝集剤である。
高分子凝集剤が架橋型高分子凝集剤としての特異な性能を発揮するのには、上記高分子凝集剤溶液の不溶解分がより多いもの、具体的には篩い上の不溶解分が30g以上であることが好ましく100g以上の不溶解分があってもよい。不溶解分の量は、高分子凝集剤の分子量及び架橋の度合いにより変化するので、本発明の高分子凝集剤は、所望の性能を得るためにこれらを適宜設定することにより製造される。ここで、不溶解分量とは、後述する測定方法で算出される量を意味する。
<高分子凝集剤の製造方法>
本発明に使用される高分子凝集剤としては、アニオン性、カチオン性、および両性のいずれも使用可能であるが、好ましくはカチオン性或いは両性の高分子凝集剤である。
高分子凝集剤を製造するための原料単量体としては、特に制限されず、公知のエチレン性不飽和結合及び要すれば官能基を有する化合物単量体から所望の性能に応じ適宜選定して使用される。
カチオン性基を有する単量体としては、例えば下記一般式で示される、ジアルキルアミノ(メタ)アクリレート、ジアクリルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドなどが用いられる。
H2C=C(R1)-CO-X-(CH2)n-NRRRZ
(式中、R1は水素原子、あるいはメチル基を示し、Xは酸素原子あるいは窒素原子を示し、nは1〜3の整数を示す。R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子あるいは炭素数1から4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)ベンジル基等を表し、Zはフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子を表す。)
両性凝集剤を得る際の重合に使用するアニオン性基を有する単量体としては、カルボキシル基あるいはスルホン基を有するビニル重合可能な単量体が用いられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等があげられる。
この他に非イオン性の単量体成分を共重合することもできる。非イオン性の単量体としてはアクリルアミド、メタクリルアミド等が用いられる。
所望の高分子凝集剤の特性により、単量体中の上記各単量体の組成割合は異なるが、通常、カチオン性単量体は5−100重量%、アニオン性単量体は0−50重量%、そして非イオン性単量体は0−95重量%の範囲で用いられる。
架橋型高分子凝集剤としての特異な性能を発揮する、本発明の不溶解分が多い高分子凝集剤としての重合体を製造する方法としては、(a)重合体を後架橋する方法および(b)重合時に架橋させる方法が挙げられるが、後者の(b)重合時に架橋させる方法が好ましい。これらの架橋にあたっては公知の方法が用いられる。
(a) 重合体を後架橋する方法
重合体を後架橋する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(a−1) 水溶性重合体を、加熱などにより後架橋(自己架橋)させる方法
(a−2) 重合体の製造時に反応性の官能基をもつ単量体、即ち架橋反応性単量体を共重合しておき、重合反応後に該官能基を反応させて自己架橋させる方法
共重合させる反応性の官能基をもつ単量体(架橋反応性単量体)としては、グリシジルアクリレート、アクロレイン、メチロールアクリルアミドなどが例示される。
(a−3) 官能基を2以上有する反応性架橋剤を重合体に添加し後架橋させる方法
反応性架橋剤としてはグリオキザール、ジエポキシ化合物、エピクロロヒドリンなどがあげられる。
(b) 重合時に架橋させる方法
重合時に架橋する方法としては、主成分としてのエチレン性不飽和結合を有する化合物単量体と一緒に多官能性の単量体を用いる方法が一般的である。多官能性の単量体はエチレン性不飽和結合を2以上有する単量体であれば特に制限はなく、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルアミン等が例示される。
以上説明した(a)及び(b)の方法などを用いて架橋された高分子凝集剤を得ることができるが、これらの架橋の度合いは少なすぎれば架橋型としての高分子凝集剤の性質が得られず、強すぎれば水に対する膨潤度が小さくなるため凝集剤としての機能が弱くなる。通常、架橋剤または架橋性単量体の添加量としては、重合体又は原料全単量体に対して1ppm以上が好ましく、3ppm以上がより好ましく、5000ppm以下が好ましく、1000ppm以下がより好ましい。
高分子凝集剤を得るための重合方法としては逆相エマルジョン重合及び逆相マイクロエマルジョン重合以外の方法であれば、いかなる重合方法でもよい。重合は、通常、水等の溶媒中ラジカル重合開始剤を用いて行われ、重合様式としては、例えば、断熱重合法やシート重合法等の水溶液重合、逆相懸濁重合、沈殿重合などが好ましく用いられる。
これらの方法により得られた高分子凝集剤は、既知の方法により、粉末状、ゲル状、分散液状等にすることができ、例えば断熱重合等の方法で凝集剤を製造し、得られた15〜80重量%濃度の含水ゲルを裁断した細粒物のような物とすることもできる。本発明方法は、粉末状の高分子凝集剤に対し、特に効果的である。
本発明の高分子凝集剤は、4重量%食塩水溶液中に溶解した0.5重量%濃度の高分子凝集剤溶液500gを80メッシュの篩いで濾過した際、篩い上の不溶解分量が10g以上である高分子凝集剤である。ここで、高分子凝集剤の不溶解分は、以下の方法により測定される。
撹拌翼を装備した500ccビーカーに脱塩水477.5gを入れ、撹拌下、高分子凝集剤粉末2.5gを少しずつママコにならないように添加する。攪拌下2時間後に、この凝集剤溶液に食塩20gを加え、その後さらに30分撹拌し不溶解性の膨潤ゲルを含む4重量%食塩水溶液中に溶解した0.5重量%濃度の高分子凝集剤溶液500gを得る。この溶液全量をあらかじめ秤量した80メッシュのステンレス製の篩上にあけ、この上へ別途調製した4重量%食塩水溶液500gを流し込みながら膨潤ゲルから凝集剤が溶解した液を洗い流す。ペーパータオル等で篩い下の付着水分を拭き取り、篩を秤量する。この秤量値から予め秤量した篩の重量を引いた値を不溶解分(単位:g)とする。
本発明の高分子凝集剤分散液を製造するにあたり、まず凝集剤は水と混合することにより少なくともその一部を膨潤ゲルの状態となすが、その際、高分子凝集剤の濃度は実使用時の濃度とするのがよい。高分子凝集剤を水と混合して使用する実使用時の濃度は、通常0.05重量%以上であって、通常1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下である。
高分子凝集剤と水とを前記の濃度になるように混合し、少なくとも高分子凝集剤の一部が膨潤したゲル状態とするが、この際凝集剤は完全に溶解している必要はなく、含有する不溶解分も膨潤ゲル状であってもよい。次いで、この膨潤ゲルを濾過部材に擦りつけ、通過させることにより微細化し、水に分散させる。したがって濾過部材は目開きがおおきすぎれば粗大な不溶解ゲルが残り、細かすぎれば濾過に長時間を要し効率が低下する。よって濾過部材の目開きは10ミクロン〜500ミクロン、好ましくは10ミクロン〜200ミクロンが好ましい。
本発明方法では、膨潤ゲルを所定の目開きの濾過部材を通過させることにより微細化するが、自重力による単なる濾過では不溶解分が濾過部材の網上に残るだけであり、微細化による性能の向上効果は得られない。本発明では不溶解分ゲルを含めた全膨潤ゲルを濾過部材に擦りつける等の圧力付加により微細化することが必要となる。濾過部材は押し潰しの力に耐える材質であれば特に制限されないが、通常は金網が用いられる。
濾過部材に膨潤ゲルを擦りつけ通過させる方法としては、小スケールの場合は細かい篩い等の金網の上に膨潤ゲル含有の溶解液を載せ、ゲルをヘラ等で押しつけ通過させる方法で調液する。大スケールの場合は筒状濾過部材に膨潤ゲルを弾性のある部材で製作されたローラーで押し潰し濾過する形式の溶解装置の使用が称揚される。なお、膨潤ゲルが大きい場合は、予めカッター等で切断した後濾過部材を通過させてもよい。
本発明の方法により得られる高分子凝集剤分散液の性能が従来の凝集剤より高い理由は定かではないが、従来凝集剤としての性能を発揮しないとされた不溶解分も微細粒子として分散液中に含有されていることが、機能向上に寄与しているものと推察される。それは架橋型凝集剤の膨潤粒子はその機能を発揮するのに粒子の大きさもしくは表面積が関係するとされており、不溶解分である架橋ゲルもある程度以下の粒径にすれば、逆相エマルジョン重合等で製造した微粒子と同様の機能性を発揮できると思われるからである。その上、本発明の方法によればホモジナイザーのような強い剪断力が凝集剤溶液にかかる方法とは異なり比較的緩和な条件で膨潤ゲルを微細化できるため、凝集反応に寄与するゲル微粒子表面高分子鎖の過度の切断が起こりにくい。またホモジナイザーのような機器での微粒子化では粒度のばらつきが避けられないが、本発明の方法によれば所定の目開きの濾過部材を通すため均一な微粒子化が行えるので均質化も達せられる。
これらの理由により、粉末高分子凝集剤でも架橋型凝集剤の特性を維持しつつ従来の溶解方法によるよりも優れた性能の凝集剤分散液が得られるものと推定される。
また通常、粉末高分子凝集剤の溶解に関してはママコと呼ばれる不溶解、あるいは難溶解部分ができないように少量ずつ撹拌下、水に添加するのが一般的である。しかし本発明方法の場合は、多少のママコができても微細化することで水に分散、溶解させるので実用上問題はなく、溶解操作を簡略化できる。
本発明方法で得られた高分子凝集剤分散液は、凝集処理の対象となる汚泥スラリー等と混合して凝集処理を行い、凝集された汚泥は脱水等の処理が行われる汚泥脱水方法に用いられる。
対象の汚泥としては屎尿処理場、下水処理場、食品加工場、化学工場等からの余剰汚泥、下水処理場等からの混合生汚泥、生汚泥および消化汚泥があげられ、特に本発明の高分子凝集剤分散液は余剰汚泥、混合生汚泥に特に顕著な効果をあらわす。
対象の汚泥の性状によっては2種以上の本発明の不溶解分含有凝集剤を併用したり、本発明の不溶解分含有凝集剤とそれ以外の通常の他の高分子凝集剤、無機凝結剤等を併用してもよい。
本発明の高分子凝集剤分散液は、その濃度及び汚泥の種類・状態にもよるが、通常汚泥に対し、凝集剤の濃度が5〜1000ppmとなるように添加して使用される。
凝集処理された汚泥は脱水されるが、脱水機の形式には特に制限はなく、ベルトプレス脱水、遠心脱水、スクリュープレス脱水、真空脱水、多重円盤式脱水等が用いられる。
本発明の高分子凝集剤分散液は、汚泥処理を行った場合、特にろ水性および含水率などの凝集性能が優れているため、汚泥を密に凝集させ処理効率を高めると共に汚泥を焼却処分する際はその焼却のための燃料費を節約することができる。
以下に本発明を実施例により、更に具体的に説明するが本発明はその趣旨に反しない限り以下の本実施例に限られるものではない。
なお、以下の合成例において、重合体(高分子凝集剤)の不溶解分は次の方法により測定した。
<不溶解分の測定方法>
撹拌翼を装備した500ccビーカーに脱塩水477.5gを入れ、撹拌下少しずつママコにならないように凝集剤粉末2.5gを添加し、2時間後に食塩20gを加えた後さらに30分撹拌し不溶解性の膨潤ゲルを含む4%食塩水溶液中に溶解した0.5重量%濃度の高分子凝集剤溶液500gを得た。この溶液全量をあらかじめ秤量した80メッシュのステンレス製の篩にあけ、ここへ別に調製した4%食塩水溶液500gを流し込みながら膨潤ゲルから凝集剤が溶解した液を洗い流す。ペーパータオル等で篩い下の付着水分を拭き取り、篩を秤量する。この値から篩の重量を引いた値を不溶解分(単位:g)とする。
<合成例>
合成例1
2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド及びアクリルアミドの80:20(重量比)混合物の55%水溶液にポリエチレングリコール(14)ジアクリレート40ppm、次亜リン酸37ppm、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン20ppmを加えた。この溶液を脱酸素後、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み厚さ20mmにステンレス板上に流延し下部からは冷水をスプレー状に噴霧しつつ上部よりケミカルランプを照射し、重合をおこなった。照度はフィルム上で0.5W/mとし、最高温到達後さらに20分間照射した。得られた板状の重合体ゲルを5mm角に裁断し、60℃で14時間乾燥後粉砕した。粉砕後目開き0.5ミリの篩いで篩分し、0.5ミリ以下の粉末(凝集剤A)を得た。得られた粉末重合体の不溶解分は112gであり、4重量%食塩水中の0.5%濃度水溶液の粘度(ηS)は53.1(mPa・s)であった。
合成例2〜5及び比較合成例1〜3
合成例1と同様の方法で原料モノマー組成、及び次亜リン酸の量を表1に記載の如く変えて重合体を合成し、凝集剤B〜Hを得た。得られた重合体の組成と物性を表1に示した。
Figure 0004530900
*モノマー組成:括弧内の数値は全モノマー中の重量%(残部はアクリルアミド)
DME:2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
Aa:アクリル酸
PEGDM:ポリエチレングリコール(14)ジアクリレート
MBAM:N,N’−メチレンビスアクリルアミド
<凝集剤分散液の調製>
前記合成例で合成した重合体(凝集剤)から以下の方法で分散液を調製した。
(分散方法イ:本発明の方法)
円筒状の濾過部材(目開き200ミクロンまたは20ミクロン)と、この濾過部材の内面に接しながら回転する弾性体のローラーと高分子凝集剤水溶液を移送するポンプとを具備する回転式の凝集剤連続溶解供給システム(ダイヤニトリックス株式会社製RCSS瞬間連続溶解システム)を用いて高分子凝集剤分散溶液の調整を行った。
すなわち高分子凝集剤の濃度が0.2重量%になるように高分子凝集剤を水に一定速度で供給した後、得られた高分子凝集剤の膨潤ゲルを、上記凝集剤連続溶解供給システムにより濾過部材の内面から外面に押しだして、高分子凝集剤を処理水に均一分散させて高分子凝集剤分散溶液を調製した。
(溶解方法ロ:比較溶解方法)
撹拌翼を装備した500ccビーカーに水を入れ穏やかな撹拌下、すこしづつママコにならないように凝集剤粉末を添加した。30分後に攪拌機を取り外し、ホモジナイザー(特殊機化工業株式会社製T.K.ホモミクサーM型)を装着し、9000rpm,30秒間の条件で剪断して均一分散させ、高分子凝集剤水溶液を調製した。
(溶解方法ハ:比較溶解方法)
撹拌翼を装備した500ccビーカーに水を入れ穏やかに撹拌下、すこしづつママコにならないように凝集剤粉末を添加、その後2時間撹拌して溶解した。
<汚泥の凝集処理>
上記溶解方法で調製した0.2重量%凝集剤分散溶液を、各種汚泥300mlに、表2に示す添加量で添加し、30秒間スパチュラで撹拌して汚泥を凝集させた。
凝集処理により得られた凝集汚泥を以下のように評価した。
a)ろ水性:凝集汚泥を48メッシュの濾布で濾過し、10秒間の濾水量を測定してろ水性を評価した。
b)脱水性:上記の濾過物を0.1MPaの圧力で60秒間圧搾し、これにより得られた汚泥ケーキの含水率を測定して脱水性を評価した。
その結果を高分子凝集剤の種類及び溶解方法と共に表2に示した。
Figure 0004530900
表中の記号の説明(溶解法)
イ:前記の溶解方法イによる。但し括弧内の数値は濾過部材の目開き(単位:ミクロン)である。
ロ:前記の溶解方法ロによる。
ハ:前記の溶解方法ハによる。

Claims (6)

  1. 下記一般式で示されるカチオン性単量体5〜100重量%、アニオン性単量体0〜50重量%、非イオン性単量体0〜95重量%からなる原料単量体と、
    [化1]
    CH 2 =C(CR 1 )−CO−X−(CH 2 )n−NR 2 3 4
    (式中、R 1 は水素原子、あるいはメチル基を示し、Xは酸素原子あるいはNH基を示し、nは1〜3の整数を示す。R 2 、R 3 、R 4 はそれぞれ独立に水素原子あるいは炭素数1から4のアルキル基、ベンジル基を表し、Zはハロゲン原子を表す。)
    全原料単量体に対し1ppm以上、5000ppm以下の架橋性単量体を、逆相エマルジョン重合及び逆相マイクロエマルジョン重合以外の重合方法により共重合して得られたカチオン性あるいは両性の架橋型高分子凝集剤であって、4重量%食塩水溶液中に溶解した0.5重量%濃度の高分子凝集剤水溶液500gを80メッシュの篩いで濾過した際、篩い上の不溶解分が10g以上である該高分子凝集剤を、少なくともその一部を膨潤含水ゲルとなした後、目開き10ミクロンから500ミクロンの濾過部材を通過させて膨潤ゲルを微細化し、水に分散させることを特徴とする高分子凝集剤分散液の製造方法。
  2. 高分子凝集剤が、上記一般式においてXが酸素原子であるジアルキルアミノ(メタ)アクリレートカチオン性単量体60〜100重量%の高分子凝集剤であることを特徴とする請求項1に記載の高分子凝集剤分散液の製造方法。
  3. 架橋性単量体が、全原料単量体に対し3ppm以上、1000ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子凝集剤分散液の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法で得られた高分子凝集剤分散液。
  5. 請求項4に記載の高分子凝集剤分散液で汚泥を混合処理し、処理汚泥を脱水することを特徴とする汚泥脱水方法。
  6. 汚泥が余剰汚泥、混合生汚泥のいずれかであることを特徴とする請求項5の汚泥脱水方法。
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JPH11262645A (ja) * 1998-03-19 1999-09-28 Miyama Kk ミキシング装置

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