JP4530507B2 - 蒸気トラップ診断装置、及び、蒸気トラップ診断方法 - Google Patents

蒸気トラップ診断装置、及び、蒸気トラップ診断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気トラップの作動の良否を診断する蒸気トラップ診断装置及び蒸気トラップ診断方法に関し、特にフロート式蒸気トラップの作動診断に好適な蒸気トラップ診断装置及び蒸気トラップ診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、蒸気トラップの作動診断については、次の(イ)〜(ハ)の如き方式が知られている。
【0003】
(イ)振動センサと温度センサを備える検出器をトラップのケース外面に当て付けた状態で、それらセンサによりトラップの振動及び温度を検出する。
そして、判定用の参照データとして別に採取してある同形式トラップについての蒸気圧力ごとの振動と蒸気漏れ量との相関データから、検出温度に対応する蒸気圧力についての振動と蒸気漏れ量との相関関係を抽出し、その抽出した相関関係上で検出振動に対応する蒸気漏れ量を読み取ることで、診断対象のトラップが蒸気漏れの作動不良を生じているか否かを判定する(例えば、特開昭62−212542号公報参照)。
【0004】
(ロ)トラップの入口側接続管路に、小穴を有するもぐり堰状の隔壁によりUトラップ状に形成したセンサ室を設け、このセンサ室の入口側に、内部ドレンの水位を検出する水位センサ、及び、内部ドレンの温度を検出する温度センサを設ける。
そして、トラップで蒸気漏れが生じたときには、それに伴うセンサ室入口側でのドレン水位の低下を水位センサにより検知することで、トラップの蒸気漏れを検出し、また、トラップでドレンの排出詰まりが生じたときには、それに伴い水位上昇してセンサ室に滞留するドレンの温度低下を温度センサにより検知することで、トラップのドレン排出詰まりを検出する(例えば、特開平6−137490号公報参照)。
【0005】
(ハ)トラップ全体の表面温度状態を放射温度センサにより検出し、その検出したトラップ全体の表面温度状態を画像表示する。
そして、判定用の参照データとして別に採取してある蒸気圧力などの条件ごとの正常トラップについてのトラップ全体表面温度データから、診断対象トラップに条件合致する正常トラップについてのトラップ全体表面温度データを抽出し、この抽出したトラップ全体表面温度データと検出したトラップ全体の表面温度状態とを比較することで、診断対象トラップにおける内部ドレンの滞留状態が正常か否などを判定して、診断対象トラップの作動の良否を判定する(例えば、特開平6−129600号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記(イ)〜(ハ)の従来方式では夫々、次の如き問題があった。
【0007】
(イ)の従来方式の問題点
・判定用の参照データとして、蒸気圧力ごとの振動と蒸気漏れ量との相関データを別に採取する必要があり、そのデータ採取に大きな手間と経費を要する。
・振動検出おいてトラップ接続配管を伝う外乱振動の影響が大きく、これが診断精度の低下要因になる。
【0008】
(ロ)の従来方式の問題点
・トラップの接続管路にセンサ室を設けるため装置設置に手間がかかり、また、配管の分解が許されない既設設備については、診断装置を追加設置することができない。
・水位センサ(特に電極式水位センサ)は一般に、温度センサに比べドレン水質や微細異物に原因する性能劣化を生じ易く、このことが診断精度の低下要因になる。
・ドレン温度は使用蒸気圧力によって異なる為、滞留ドレンの温度低下検出によりドレンの排出詰まりを的確に検出するには、診断対象トラップごとに、その使用蒸気圧力に応じた判定基準のドレン温度を設定する必要があり、そのトラップごとの温度設定に手間を要する。
【0009】
(ハ)の従来方式の問題点
・判定用の参照データとして、蒸気圧力などの条件ごとの正常トラップについての全体表面温度データを別に採取する必要があり、そのデータ採取に大きな手間と経費を要する。
・内部ドレンの滞留状態を認識できる程度の精度でトラップ全体の表面温度状態を検出するには、放射温度センサ及び付随機器に高価なものを要し、装置コストが高く付く。
【0010】
これらの実情に鑑み、本発明の主たる課題は、従来方式における上記の如き問題を効果的に解消する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1に係る発明では、蒸気トラップ診断装置を構成するのに、
トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態のいずれにおいても蒸気の存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
トラップが正常作動している状態ではドレンの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
前記蒸気側ケース内特定箇所の温度、又は、その蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出する蒸気側温度センサ、
及び、前記ドレン側ケース内特定箇所の温度、又は、そのドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出するドレン側温度センサを設け、
これら蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサ夫々の検出温度を表示する、又は、両温度センサの検出温度差を表示する、又は、両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行する診断手段を設ける。
【0012】
つまり、上記の如き蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がケース内に存在する蒸気トラップ(代表的にはフロート式の蒸気トラップ)では、トラップが正常作動している状態及び閉弁不良で蒸気漏れを生じている状態のいずれにおいても、蒸気側のケース内特定箇所に蒸気が存在することから、その蒸気側ケース内特定箇所やその箇所に対応位置するケース部分の温度は、トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態のいずれにおいても内部蒸気に依存した高温になる。
【0013】
一方、ドレン側のケース内特定箇所については、トラップが正常作動している状態ではドレンが存在するのに対し、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所になることから、そのドレン側ケース内特定箇所やその箇所に対応位置するケース部分の温度は、トラップが正常作動している状態では内部ドレンに依存した低温になり、これに対し、トラップが蒸気漏れを生じている状態では内部蒸気に依存した高温になる。
【0014】
したがって、このような蒸気トラップについて、上記の如き蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサを設けるとともに、診断手段として、それら蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサ夫々の検出温度を表示する手段、又は、両温度センサの検出温度差を表示する手段を設ければ、両温度センサの検出温度差が通常温度差(すなわち、内部蒸気と内部ドレンとの温度差)よりも小さくなったとき、蒸気漏れの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がともに蒸気の存在箇所になったものとして、その診断手段の表示に基づき対象蒸気トラップでの蒸気漏れの有無を判定することができる。
【0015】
また、診断手段として、両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行する手段を設ければ、同様に両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき、蒸気漏れの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がともに蒸気の存在箇所になったものとして、その蒸気漏れの発生に対し異常報知や異常記録などの所要の異常対応処理を自動的に実行させることができる。
【0016】
そして、蒸気トラップのケース内における蒸気(飽和蒸気)とドレン(凝縮水)との温度差Δtssは、トラップの形式によらず、また、使用蒸気圧力によらずほぼ一定の普遍的な値(一般に6℃deg〜10℃deg程度)であって、上記の蒸気漏れ検出では、この一定の温度差Δtssが両温度センサの検出温度どうしの間に存在するか否かにより蒸気漏れの有無を判定するから、先述の(イ)〜(ハ)の従来方式の如く判定用の参照データとして蒸気圧力ごとのデータを別に採取したり、使用蒸気圧力に応じた判定基準温度をトラップごとに設定するといった必要がなく、その分、手間と経費を効果的に軽減できる。
【0017】
また、上記構成では、温度センサのみを用いることから、(イ),(ロ)の従来方式で見られるような配管伝播の外乱振動や水位センサの早期劣化に原因する診断精度の低下も回避でき、しかも、温度センサを蒸気トラップ本体に装備する点で、接続配管途中にセンサ室を設ける(ロ)の従来方式に比べ、装置の装備を容易にし得るとともに、(ハ)の従来方式の如くトラップ全体の表面温度状態を放射温度センサにより検出するに比べ、温度センサ及び付随機器も簡易なものですむ。
【0018】
〔2〕請求項2に係る発明では、蒸気トラップ診断装置を構成するのに、
トラップが正常作動している状態では蒸気の存在箇所となり、かつ、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態ではドレンの存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態のいずれにおいてもドレンの存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
前記蒸気側ケース内特定箇所の温度、又は、その蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出する蒸気側温度センサ、
及び、前記ドレン側ケース内特定箇所の温度、又は、そのドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出するドレン側温度センサを設け、
これら蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサ夫々の検出温度を表示する、又は、両温度センサの検出温度差を表示する、又は、両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行する診断手段を設ける。
【0019】
つまり、上記の如き蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がケース内に存在する蒸気トラップ(代表的にはフロート式の蒸気トラップ)では、トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態のいずれにおいても、ドレン側のケース内特定箇所にドレンが存在することから、そのドレン側ケース内特定箇所やその箇所に対応位置するケース部分の温度は、トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態のいずれにおいても内部ドレンに依存した低温になる。
【0020】
一方、蒸気側のケース内特定箇所については、トラップが正常作動している状態では蒸気が存在するのに対し、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態ではドレンの存在箇所になることから、その蒸気側ケース内特定箇所やその箇所に対応位置するケース部分の温度は、トラップが正常作動している状態では内部蒸気に依存した高温になり、これに対し、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態では内部ドレンに依存した低温になる。
【0021】
したがって、このような蒸気トラップについて、上記の如き蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサを設けるとともに、診断手段として、それら蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサ夫々の検出温度を表示する手段、又は、両温度センサの検出温度差を表示する手段を設ければ、両温度センサの検出温度差が通常温度差(内部蒸気と内部ドレンとの温度差)よりも小さくなったとき、ドレン排出詰まりの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がともにドレンの存在箇所になったものとして、その診断手段の表示に基づき対象蒸気トラップでのドレン排出詰まりの有無を判定することができる。
【0022】
また、診断手段として、両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行する手段を設ければ、同様に両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき、ドレン排出詰まりの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がともにドレンの存在箇所になったものとして、そのドレン排出詰まりの発生に対し異常報知や異常記録などの所要の異常対応処理を自動的に実行させることができる。
【0023】
そして、前述の如く、蒸気トラップのケース内における蒸気(飽和蒸気)とドレン(凝縮水)との温度差Δtssは、トラップの形式によらず、また、使用蒸気圧力によらずほぼ一定の普遍的な値であって、上記のドレン排出詰まり検出では、この一定の温度差Δtssが両温度センサの検出温度どうしの間に存在するか否かによりドレン排出詰まりの有無を判定するから、先述の(イ)〜(ハ)の従来方式の如く判定用の参照データとして蒸気圧力ごとのデータを別に採取したり、使用蒸気圧力に応じた判定基準温度をトラップごとに設定するといった必要がなく、その分、請求項1に係る発明と同様に、手間と経費を効果的に軽減できる。
【0024】
また、その他の点についても請求項1に係る発明と同様に、上記構成では、温度センサのみを用いることから、(イ),(ロ)の従来方式で見られるような配管伝播の外乱振動や水位センサの早期劣化に原因する診断精度の低下も回避でき、しかも、温度センサを蒸気トラップ本体に装備する点で、接続配管途中にセンサ室を設ける(ロ)の従来方式に比べ、装置の装備を容易にし得るとともに、(ハ)の従来方式の如くトラップ全体の表面温度状態を放射温度センサにより検出するに比べ、温度センサ及び付随機器も簡易なものですむ。
【0025】
〔3〕請求項3に係る発明では、蒸気トラップ診断装置を構成するのに、
トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態の夫々では蒸気の存在箇所となり、かつ、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態ではドレンの存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態の夫々ではドレンの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
前記蒸気側ケース内特定箇所の温度、又は、その蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出する蒸気側温度センサ、
及び、前記ドレン側ケース内特定箇所の温度、又は、そのドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出するドレン側温度センサを設け、
これら蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサ夫々の検出温度を表示する、又は、両温度センサの検出温度差を表示する、又は、両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行する診断手段を設ける。
【0026】
つまり、上記の如き蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がケース内に存在する蒸気トラップ(代表的にはフロート式の蒸気トラップ)では、トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態の夫々において、蒸気側のケース内特定箇所に蒸気が存在するのに対し、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態では、蒸気側のケース内特定箇所がドレンの存在箇所になることから、その蒸気側ケース内特定箇所やその箇所に対応位置するケース部分の温度は、トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態の夫々では内部蒸気に依存した高温になり、これに対し、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態では内部ドレンに依存した低温になる。
【0027】
一方、ドレン側のケース内特定箇所については、トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態の夫々においてドレンが存在するのに対し、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所になることから、そのドレン側ケース内特定箇所やその箇所に対応位置するケース部分の温度は、トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態の夫々では内部ドレンに依存した低温になり、これに対し、トラップが蒸気漏れを生じている状態では内部蒸気に依存した高温になる。
【0028】
したがって、このような蒸気トラップについて、上記の如き蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサを設けるとともに、診断手段として、それら蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサ夫々の検出温度を表示する手段、又は、両温度センサの検出温度差を表示する手段を設ければ、両温度センサの検出温度差が通常温度差(内部蒸気と内部ドレンとの温度差)よりも小さくなったとき、蒸気漏れの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がともに蒸気の存在箇所になった、あるいは、ドレン排出詰まりの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がともにドレンの存在箇所になったものとして、その診断手段の表示に基づき、対象蒸気トラップでの蒸気漏れやドレン排出詰まりの作動不良の有無を判定することができる。
【0029】
また、診断手段として、両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行する手段を設ければ、同様に両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき、蒸気漏れの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がともに蒸気の存在箇所になった、あるいは、ドレン排出詰まりの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がともにドレンの存在箇所になったものとして、それら蒸気漏れやドレン排出詰まりの作動不良発生に対し異常報知や異常記録などの所要の異常対応処理を自動的に実行させることができる。
【0030】
そして、前述の如く、蒸気トラップのケース内における蒸気(飽和蒸気)とドレン(凝縮水)との温度差Δtssは、トラップの形式によらず、また、使用蒸気圧力によらずほぼ一定の普遍的な値であって、上記の作動不良検出では、この一定の温度差Δtssが両温度センサの検出温度どうしの間に存在するか否かにより蒸気漏れやドレン排出詰まりの作動不良の有無を判定するから、先述の(イ)〜(ハ)の従来方式の如く判定用の参照データとして蒸気圧力ごとのデータを別に採取したり、使用蒸気圧力に応じた判定基準温度をトラップごとに設定するといった必要がなく、その分、請求項1,2に係る発明と同様に、手間と経費を効果的に軽減できる。
【0031】
また、その他の点についても請求項1,2に係る発明と同様に、上記構成では、温度センサのみを用いることから、(イ),(ロ)の従来方式で見られるような配管伝播の外乱振動や水位センサの早期劣化に原因する診断精度の低下も回避でき、しかも、温度センサを蒸気トラップ本体に装備する点で、接続配管途中にセンサ室を設ける(ロ)の従来方式に比べ、装置の装備を容易にし得るとともに、(ハ)の従来方式の如くトラップ全体の表面温度状態を放射温度センサにより検出するに比べ、温度センサ及び付随機器も簡易なものですむ。
【0032】
なお、蒸気トラップの作動不良が蒸気漏れである場合には、ドレン側温度センサの検出温度が上昇し、また、蒸気トラップの作動不良がドレンの排出詰まりである場合には、蒸気側温度センサの検出温度が降下するから、請求項3に係る発明の実施において、作動不良が蒸気漏れであるかドレンの排出詰まりであるかの判別が必要な場合には、両温度センサの検出温度差の縮小がドレン側温度センサの検出温度上昇により生じたものか、蒸気側温度センサの検出温度降下により生じたものかを判別するようにすればよい。そして、この判別についても、単に検出温度の上昇ないし降下を検知するだけですむことから、判別用の参照データを別に採取する必要はない。
【0033】
また、請求項1〜3に係る発明の実施において、前記設定閾値には、前述の一定温度差Δtssよりも小さい範囲で適当な値を設定すればよいが、場合によっては、この設定閾値を複数段に設けて、両温度センサの検出温度差が各設定閾値よりも小さくなるごとに、異なる異常対応処理を診断手段に実行させるようにしてもよい。
【0034】
〔4〕請求項4に係る発明では、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明の実施にあたり、
前記蒸気側温度センサ及び前記ドレン側温度センサを対象トラップのケース外面側に取り付けた状態で、
前記蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を前記蒸気側温度センサにより検出し、かつ、前記ドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を前記ドレン側温度センサにより検出する構造にする。
【0035】
つまり、この構造によれば、例えば、蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサを対象トラップのケースに対し貫通状態や埋め込み状態に装備するに比べ、それら温度センサの対象トラップに対する装備を容易にして、装置の製作を容易することができ、また、分解が許されない既設の蒸気トラップに対しても、そのケース外面側へのセンサの取り付けにより診断装置を容易に追加装備することができる。
【0036】
ちなみに、作動不良検出に水位センサを用いる場合は、センサ検出端をケース内に臨ませる必要があることから、水位センサをケース貫通状態に装備する形態を採らざるを得ず、この点で、対象トラップに対するセンサ装備が難しくなるとともに、分解が許されない既設蒸気トラップへの追加装備にも対応することができない。
【0037】
なお、ケース外面側への両温度センサの取り付けは、取り外し操作が自在なもの、あるいは、取り外し操作が不能な固着的なもののいずれであってもよいが、請求項4に係る発明の実施において、対象トラップのケース外面側への両温度センサの取り付けを取り外し操作が自在なものにすれば、前述の如くトラップの形式や蒸気圧力に拠らない普遍的な温度差Δtssを判定基準とすることとも相俟って、複数の蒸気トラップを順次に診断する可搬式の診断装置としても優れたものにすることができる。
【0038】
〔5〕請求項5に係る発明では、請求項4に係る発明の実施にあたり、
前記蒸気側温度センサ及び前記ドレン側温度センサを取り付けたセンサホルダを設け、
このセンサホルダを、それに装備の連結部を介して対象トラップのケース外面側に取り付けることで、前記蒸気側温度センサ及び前記ドレン側温度センサを対象トラップのケース外面側に取り付け固定する構造にする。
【0039】
つまり、この構造によれば、対象トラップに対するセンサホルダの取り付け操作だけで、蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサを対象トラップのケース外面側に対し容易に取り付け固定することができ、これにより、装置の製作や既設蒸気トラップに対する診断装置の追加装備を一層容易にすることができる。
【0040】
また、対象トラップに対する上記連結部を介してのセンサホルダの取り付けを取り外し操作が自在なものにすれば、可搬式の診断装置として使用する場合に、複数の蒸気トラップに対する両温度センサの付け換えを一層容易にすることができる。
【0041】
〔6〕請求項6に係る発明では、請求項5に係る発明の実施にあたり、
前記センサホルダに、前記蒸気側温度センサの検出端と前記ドレン側温度センサの検出端と前記連結部との相対位置を調整する調整手段を設ける。
【0042】
つまり、この構成によれば、センサホルダをそれに装備の連結部を介して対象トラップに取り付けることで、蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサを対象トラップのケース外面側に取り付け固定することにおいて、上記調整手段による相対位置の調整により、対象トラップのケース外面に対する温度センサ検出端の位置調整を行なうことができ、これにより、構造の異なる複数の蒸気トラップに対しても同一のセンサホルダを使用しながら適切な温度検出を行なうことができて、汎用性に一層優れた装置にすることができる。
【0043】
そして、構造の異なる複数の既設トラップ夫々に診断装置を追加装備する場合や、可搬式の診断装置として構造の異なる複数の蒸気トラップを順次に診断する場合に特に有利なものとなる。
【0044】
なお、上記調整手段は、両温度センサの検出端をセンサホルダの連結部に対して各別に相対位置調整するもの、あるいは、両温度センサの検出端をセンサホルダの連結部に対して一体的に相対位置調整するもの、あるいは、一方の温度センサの検出端のみをセンサホルダの連結部に対して相対位置調整するもののいずれであってもよく、必要に応じて、いずれかの調整形態を選択すればよい。
【0045】
〔7〕請求項7に係る発明では、蒸気トラップ診断方法として、
トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態のいずれにおいても蒸気の存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
トラップが正常作動している状態ではドレンの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
そのケースのうち前記蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度、及び、前記ドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を検出し、
これら検出温度の差に基づいてトラップ作動の良否を判定する。
【0046】
つまり、この方法によれば、上記の如き蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がケース内に存在する蒸気トラップにつき、前述した請求項1に係る発明と同様にして、蒸気漏れの有無を判定することができ、そのことで、請求項1に係る発明と同様の効果を得ることができる。
【0047】
〔8〕請求項8に係る発明では、蒸気トラップ診断方法として、
トラップが正常作動している状態では蒸気の存在箇所となり、かつ、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態ではドレンの存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態のいずれにおいてもドレンの存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
そのケースのうち前記蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度、及び、前記ドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を検出し、
これら検出温度の差に基づいてトラップ作動の良否を判定する。
【0048】
つまり、この方法によれば、上記の如き蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がケース内に存在する蒸気トラップにつき、前述した請求項2に係る発明と同様にして、ドレン排出詰まりの有無を判定することができ、そのことで、請求項2に係る発明と同様の効果を得ることができる。
【0049】
〔9〕請求項9に係る発明では、蒸気トラップ診断方法として、
トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態の夫々では蒸気の存在箇所となり、かつ、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態ではドレンの存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態の夫々ではドレンの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
そのケースのうち前記蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度、及び、前記ドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を検出し、
これら検出温度の差に基づいてトラップ作動の良否を判定する。
【0050】
つまり、この方法にれば、上記の如き蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所がケース内に存在する蒸気トラップにつき、前述した請求項3に係る発明と同様にして、蒸気漏れやドレン排出詰まりの作動不良の有無を判定することができ、そのことで、請求項3に係る発明と同様の効果を得ることができる。
【0051】
また必要に応じ、両温度センサの検出温度差の縮小がドレン側温度センサの検出温度上昇により生じたものか、蒸気側温度センサの検出温度降下により生じたものかを判別することで、作動不良が蒸気漏れであるかドレンの排出詰まりであるかの判別も行なうことができる。
【0052】
なお、請求項7〜9に係る発明の実施において、蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度、及び、ドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を検出するにあたっては、それら外面温度を各別の温度センサにより検出する形態、あるいは、同一の温度センサにより順次に検出する形態のいずれを採用してもよい。
【0053】
【発明の実施の形態】
図1,図2はフロート式の蒸気トラップを示し、1は蒸気使用装置からのドレン排出管路を接続するトラップ入口、2はトラップでの分離ドレンWを排出するトラップ出口であり、蓋3aとともにケース3を形成するケース本体部3bには、トラップ入口1及びトラップ出口2を形成するとともに、トラップ入口1に常時連通しかつ下部弁口4を介してトラップ出口2に連通する弁室5を形成してある。
【0054】
弁室5には、室内ドレンWの水位変動に伴う上下動により下部弁口4を開閉する球状のフロート6を内装してあり、トラップ入口1からドレンWが蒸気Sとともに流入する通常使用状態では、同図2に示す如く、下部弁口4が室内ドレンWに水没した状態においてフロート6によりドレン流入量に応じた開度に調整され、これにより、蒸気Sの漏出が阻止された状態で、ドレンWのみが下部弁口4を通じてトラップ出口2へ連続的に分離排出される。
【0055】
また、トラップ入口1からのドレンWの流入が無くなると、下部弁口4が水位低下した室内ドレンWに水没した状態においてフロート6により閉塞され、この水没下での下部弁口4の閉塞により蒸気Sの漏出が確実に阻止される。
【0056】
7は下部弁口4の開閉操作不良の原因となる異物を捕捉するフィルタ、8は多孔部材により形成したフィルタ支持具であり、ドレンW及び蒸気Sは、これらフィルタ7及びフィルタ支持具8を通じてトラップ入口1から弁室5に流入する。
【0057】
9は蓋3aに形成した上部弁口、10は感温素子により開閉動作する上部弁体であり、蒸気使用装置側の状況変化などでトラップ入口1から空気が流入した際には、感温素子の温度低下側への動作による上部弁体10の開き作動で上部弁口9が開かれ、この上部弁口9を通じて流入空気が急速排出される。そして、トラップ入口1から高温の蒸気S及びドレンWが流入する状態になると、感温素子の温度上昇側への動作による上部弁体10の閉じ作動で上部弁口9が閉じられて、通常のドレン分離状態に戻る。
【0058】
このフロート式の蒸気トラップでは、トラップが図2に示す如く正常作動しているときには、弁室5のドレン水位が適正範囲内で上下変化するのに対し、下部弁口4の閉じ不良で蒸気漏れが生じると、図3に示す如く弁室5のドレン水位が大きく低下し、また、下部弁口4の開き不良やトラップ出口2側の異物詰まり等でドレンWの排出詰まりが生じると、図4に示す如く弁室5のドレン水位が大きく上昇するが、このようなドレンWの水位変化において、トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態の夫々では蒸気Sの存在箇所となり、かつ、トラップがドレンWの排出詰まりを生じている状態ではドレンWの存在箇所となる特定のケース内箇所Xs(以下、蒸気側のケース内特定箇所と称す)が弁室5の上部に存在する。
【0059】
また、トラップが正常作動している状態及びドレンWの排出詰まりを生じている状態の夫々ではドレンWの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気Sの存在箇所となる特定のケース内箇所Xw(以下、ドレン側のケース内特定箇所と称す)が弁室5の下部に存在する。
【0060】
11は、このような蒸気側及びドレン側ケース内特定箇所Xs,Xwの存在を利用して、蒸気漏れやドレン排出詰まりといったトラップの作動不良を検出する後付け式(ないし可搬式)の蒸気トラップ診断装置であり、その構成については、トラップケース3のうち蒸気側のケース内特定箇所Xsに対応位置するケース部分3s(すなわち、弁室5の上部における蒸気側ケース内特定箇所Xsに内面が臨むケース部分)の外面温度tsを検出する蒸気側の温度センサ12を設けるとともに、トラップケース3のうちドレン側のケース内特定箇所Xwに対応位置するケース部分3w(すなわち、弁室5の下部におけるドレン側ケース内特定箇所Xwに内面が臨むケース部分)の外面温度twを検出するドレン側の温度センサ13を設けてある。
【0061】
そして、診断手段として、これら蒸気側及びドレン側の温度センサ12,13から有線式(ないし無線式)の伝送手段により信号を受けて、両温度センサ12,13夫々の検出温度ts,twを表示するとともに、両温度センサ12,13の検出温度差Δt(=ts−tw)が設定閾値Δtsよりも小さくなったとき、蒸気漏れの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所Xs,Xwがともに高温蒸気Sの存在箇所になった、あるいは、ドレン排出詰まりの発生で蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所Xs,Xwがともに低温ドレンWの存在箇所になったとして、トラップの作動不良を示す異常報知を行なう診断表示器14を設けてある。
【0062】
また、この診断表示器14は、両温度センサ12,13の検出温度差Δtの縮小が主にドレン側温度センサ13の検出温度twの上昇によるものか、あるいは、主に蒸気側温度センサ12の検出温度tsの降下によるものかを判別し、検出温度差Δtの縮小が主にドレン側温度センサ13の検出温度twの上昇によるものであった場合には、上記異常報知として蒸気漏れを示す異常報知を行ない、他方、検出温度差Δtの縮小が主に蒸気側温度センサ12の検出温度tsの降下によるものであった場合には、上記異常報知としてドレン排出詰まりを示す別種の異常報知を行なう構成にしてある。
【0063】
蒸気側及びドレン側の温度センサ12,13はセンサホルダ15に予め取り付けてあり、また、このセンサホルダ15には、それをトラップケース3の外面側に取り付けるネジクランプ式の連結部16を設けてあり、これにより、後付け式(ないし可搬式)の診断装置として、両温度センサ12,13の検出端を各々の検出対象ケース部分3s,3wの外面に当接させる状態に両温度センサ12,13をトラップケース3に取り付けるにあたっては、上記ネジクランプ式の連結部16によりセンサホルダ15をトラップケース3に取り付けるだけで、両温度センサ12,13をトラップケース3の外面側に適切に取り付け固定できるようにしてある。
【0064】
なお、トラップ内部における蒸気SとドレンWとの温度差Δtssは一般に6℃deg〜10℃deg程度であることから、前記設定閾値Δtsには、その一般温度差Δtssよりも十分に小さい値(例えば2℃deg程度の値)を設定してある。
【0065】
また、トラップ入口1から空気が流入した場合や蒸気使用機器の運転を停止した場合などにも、蒸気側温度センサ12の検出温度tsやドレン側温度センサ13の検出温度twはトラップ正常作動状態での温度と異なるものになるが、これらの場合の検出温度ts,twは、蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所Xs,Xwに蒸気SやドレンWが存在する場合とは明らかに異なる温度であることから区別でき、上記の診断表示器14では、この区別をもって異常報知の誤実施を防止するようにしてある。
【0066】
〔別実施形態〕
次に別の実施形態を列記する。
【0067】
図5に示すセンサホルダ15では、蒸気側温度センサ12及びドレン側温度センサ13をボルト17,18によりセンサホルダ15に取り付ける構造において、それらボルト17,18のボルト孔17a,18aを長穴にし、この長穴17a,18aの範囲でセンサホルダ15における各温度センサ12,13の固定位置(換言すれば、連結部16に対する相対位置)を上下に調整できるようにしてある。
【0068】
つまり、このように各温度センサ12,13の検出端と連結部16との相対位置を調整する調整手段をセンサホルダ15に設けることにより、トラップケース3に対するセンサホルダ15を用いた温度センサ12,13の取り付けにおいて、ケース3の外面に対する温度センサ検出端の接触位置を対象トラップの構造に応じて適宜調整できるようにしてもよい。
【0069】
なお、調整手段は、上記の如き長穴構造に限らず、どのような調整構造のものであってもよく、また、上下方向のみの位置調整に限らず、横方向への位置調整やトラップケース3に対する遠近方向への位置調整も可能な構造にしてもよい。
【0070】
図5において、19は蒸気側温度センサ12及びドレン側温度センサ13の夫々をトラップケース3に向けて弾性付勢するバネであり、このように各温度センサ12,13を適当な付勢手段によりトラップケース3に向けて弾性付勢することで、温度センサ検出端のトラップケース外面に対する接触を一層確実化するようにしてもよい。
【0071】
前述の如きセンサホルダ15を用いず、蒸気側温度センサ12及びドレン側温度センサ13を適当な取付手段により個別に対象トラップのケース外面側に取り付けるようにしてもよく、また場合によっては、各温度センサ12,13の検出端を対象トラップのケース3に埋め込む構造を採用して、蒸気側及びドレン側ケース内特定箇所Xs,Xwの夫々に対応位置するケース部分3s,3wの温度ts,twを検出したり、各温度センサ12,13の検出端を対象トラップのケース内における蒸気側及びドレン側ケース内特定箇所Xs,Xwの夫々に臨ませる構造を採用して、蒸気側及びドレン側ケース内特定箇所Xs,Xwの温度ts,twを直接に検出するようにしてもよい。
【0072】
また、請求項7〜9に係る発明の蒸気トラップ診断方法を実施するにあたっては、温度センサを対象トラップに取り付け装備する形態に換え、温度センサを作業者が手で支持した状態で、そのセンサ検出端を対象ケース部分3s,3wの外面に当て付ける形態を採るようにしてもよい。
【0073】
前述の実施形態では、トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態の夫々では蒸気Sの存在箇所となり、かつ、トラップがドレンWの排出詰まりを生じている状態ではドレンWの存在箇所となるケース内箇所を蒸気側ケース内特定箇所Xsにするとともに、
トラップが正常作動している状態及びドレンWの排出詰まりを生じている状態の夫々ではドレンWの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気Sの存在箇所となるケース内箇所をドレン側ケース内特定箇所Xwにして、
それらケース内特定箇所Xs,Xwの検出温度差や、それらケース内特定箇所Xs,Xwに対応位置するケース部分3s,3wの検出温度差に基づき、トラップの作動不良(すなわち、蒸気漏れとドレン排出詰まり)を検出するようにしたが、
これに換え、トラップがドレンWの排出詰まりを生じている状態においてドレンWの存在箇所となるか否かにかかわらず、少なくともトラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態の夫々において蒸気Sの存在箇所となるケース内箇所を蒸気側ケース内特定箇所Xsにするとともに、
トラップが正常作動している状態ではドレンWの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気Sの存在箇所となるケース内箇所をドレン側ケース内特定箇所Xwにして、
それらケース内特定箇所Xs,Xwの検出温度差や、それらケース内特定箇所Xs,Xwに対応位置するケース部分3s,3wの検出温度差に基づき、トラップの作動不良(この場合は蒸気漏れ)を検出するようにしてもよい。
【0074】
また場合によっては、トラップが正常作動している状態では蒸気Sの存在箇所となり、かつ、トラップがドレンWの排出詰まりを生じている状態ではドレンWの存在箇所となるケース内箇所を蒸気側ケース内特定箇所Xsにするとともに、
トラップが蒸気漏れを生じている状態において蒸気Sの存在箇所となるか否かにかかわらず、少なくともトラップが正常作動している状態及びドレンWの排出詰まりを生じている状態の夫々においてドレンWの存在箇所となるケース内箇所をドレン側ケース内特定箇所Xwにして、
それらケース内特定箇所Xs,Xwの検出温度差や、それらケース内特定箇所Xs,Xwに対応位置するケース部分3s,3wの検出温度差に基づき、トラップの作動不良(この場合はドレン排出詰まり)を検出するようにしてもよい。
【0075】
前述の実施形態では、診断手段として、蒸気側及びドレン側温度センサ12,13夫々の検出温度ts,twを表示するとともに、それら検出温度ts,twの差Δtが設定閾値Δtsよりも小さくなったとき所定の異常対応処理として異常報知を行なう表示診断器14を設けたが、診断手段は、蒸気側及びドレン側温度センサ12,13夫々の検出温度ts,twや、それら検出温度ts,twの差Δtを表示するだけのものであってもよい。
【0076】
また、検出温度ts,twの差Δtが設定閾値Δtsよりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行させる場合、その所定異常対応処理は、異常報知に限らず、異常の記録、蒸気使用装置の制御など、どのようなものであってもよい。
【0077】
フロート式の蒸気トラップは動作原理上、上記の如き蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所Xs,Xwがケース内に明瞭に形成されることから、本発明による蒸気トラップ診断装置及び診断方法は、フロート式蒸気トラップの作動診断に特に適しているが、本発明による蒸気トラップ診断装置及び診断方法は、フロート式の蒸気トラップに限らず、上記の如き蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所Xs,Xwがケース内に形成される蒸気トラップであれば、どのような形式の蒸気トラップに対しても適用できる。
【0078】
また、種々の形式の蒸気トラップに対し、上記の如き蒸気側及びドレン側のケース内特定箇所Xs,Xwがケース内に形成される構造改変を施した上で、本発明の蒸気トラップ診断装置及び診断方法を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の全体構成図
【図2】蒸気トラップの正常作動状態を示す断面図
【図3】蒸気トラップの蒸気漏れ状態を示す断面図
【図4】蒸気トラップのドレン排出詰まり状態を示す断面図
【図5】別実施形態を示す全体構成図
【符号の説明】
3 ケース
3s,3w ケース部分
12 蒸気側温度センサ
13 ドレン側温度センサ
14 診断手段
15 センサホルダ
16 連結部
17,18 調整手段
S 蒸気
ts,tw 温度
Δt 検出温度差
Δts 設定閾値
W ドレン
Xs 蒸気側ケース内特定箇所
Xw ドレン側ケース内特定箇所

Claims (9)

  1. トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態のいずれにおいても蒸気の存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
    トラップが正常作動している状態ではドレンの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
    前記蒸気側ケース内特定箇所の温度、又は、その蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出する蒸気側温度センサ、
    及び、前記ドレン側ケース内特定箇所の温度、又は、そのドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出するドレン側温度センサを設け、
    これら蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサ夫々の検出温度を表示する、又は、両温度センサの検出温度差を表示する、又は、両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行する診断手段を設けてある蒸気トラップ診断装置。
  2. トラップが正常作動している状態では蒸気の存在箇所となり、かつ、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態ではドレンの存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
    トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態のいずれにおいてもドレンの存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
    前記蒸気側ケース内特定箇所の温度、又は、その蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出する蒸気側温度センサ、
    及び、前記ドレン側ケース内特定箇所の温度、又は、そのドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出するドレン側温度センサを設け、
    これら蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサ夫々の検出温度を表示する、又は、両温度センサの検出温度差を表示する、又は、両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行する診断手段を設けてある蒸気トラップ診断装置。
  3. トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態の夫々では蒸気の存在箇所となり、かつ、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態ではドレンの存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
    トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態の夫々ではドレンの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
    前記蒸気側ケース内特定箇所の温度、又は、その蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出する蒸気側温度センサ、
    及び、前記ドレン側ケース内特定箇所の温度、又は、そのドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の温度を検出するドレン側温度センサを設け、
    これら蒸気側温度センサ及びドレン側温度センサ夫々の検出温度を表示する、又は、両温度センサの検出温度差を表示する、又は、両温度センサの検出温度差が設定閾値よりも小さくなったとき所定の異常対応処理を実行する診断手段を設けてある蒸気トラップ診断装置。
  4. 前記蒸気側温度センサ及び前記ドレン側温度センサを対象トラップのケース外面側に取り付けた状態で、
    前記蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を前記蒸気側温度センサにより検出し、かつ、前記ドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を前記ドレン側温度センサにより検出する構造にしてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の蒸気トラップ診断装置。
  5. 前記蒸気側温度センサ及び前記ドレン側温度センサを取り付けたセンサホルダを設け、
    このセンサホルダを、それに装備の連結部を介して対象トラップのケース外面側に取り付けることで、前記蒸気側温度センサ及び前記ドレン側温度センサを対象トラップのケース外面側に取り付け固定する構造にしてある請求項4記載の蒸気トラップ診断装置。
  6. 前記センサホルダに、前記蒸気側温度センサの検出端と前記ドレン側温度センサの検出端と前記連結部との相対位置を調整する調整手段を設けてある請求項5記載の蒸気トラップ診断装置。
  7. トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態のいずれにおいても蒸気の存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
    トラップが正常作動している状態ではドレンの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
    そのケースのうち前記蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度、及び、前記ドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を検出し、
    これら検出温度の差に基づいてトラップ作動の良否を判定する蒸気トラップ診断方法。
  8. トラップが正常作動している状態では蒸気の存在箇所となり、かつ、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態ではドレンの存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
    トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態のいずれにおいてもドレンの存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
    そのケースのうち前記蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度、及び、前記ドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を検出し、
    これら検出温度の差に基づいてトラップ作動の良否を判定する蒸気トラップ診断方法。
  9. トラップが正常作動している状態及び蒸気漏れを生じている状態の夫々では蒸気の存在箇所となり、かつ、トラップがドレンの排出詰まりを生じている状態ではドレンの存在箇所となる蒸気側のケース内特定箇所と、
    トラップが正常作動している状態及びドレンの排出詰まりを生じている状態の夫々ではドレンの存在箇所となり、かつ、トラップが蒸気漏れを生じている状態では蒸気の存在箇所となるドレン側のケース内特定箇所とがケース内に存在する蒸気トラップについて、
    そのケースのうち前記蒸気側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度、及び、前記ドレン側ケース内特定箇所に対応位置するケース部分の外面温度を検出し、
    これら検出温度の差に基づいてトラップ作動の良否を判定する蒸気トラップ診断方法。
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