JP4530158B2 - キャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置、記録装置、および、液体噴射装置。 - Google Patents

キャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置、記録装置、および、液体噴射装置。 Download PDF

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Description

本発明は、駆動プーリと従動プーリとの間に巻回される無端帯状のキャリッジ搬送用ベルトと、記録ヘッドを取り付けた状態で主走査方向に往復動するキャリッジとの連結保持装置、該連結保持装置を備えた記録装置、および、該連結保持装置を備えた液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
インクジェット式記録装置或いは液体噴射装置の一例としてインクジェットプリンタがある。インクジェットプリンタは、インクジェット記録ヘッドをキャリッジに備え、当該キャリッジは、主走査方向に延びるガイド手段(例えば、ガイド軸)に案内されながらキャリッジモータと、キャリッジモータの駆動を伝達するベルトとによって主走査方向に往復駆動される。
ところが、キャリッジモータの駆動に急激な速度変化が生じた場合、即ち、キャリッジを急停止や急発進させる場合、前記ベルトの張力が急激に変化する。従って、該ベルトの張力変化に伴って、該ベルトに振動が生じる。そして、ベルトの振動が、キャリッジの移動および位置決めに影響を及ぼし、被記録材への記録にも影響が生じる。
そこで従来は、特許文献1のように、ベルト側に弾性体の突起部を設け、キャリッジ側の連結部に前記突起部を嵌合させることによって、ベルトによるモータ等の振動源から伝達された主走査方向の振動がキャリッジへ伝わるのを防止する連結保持装置があった。
特開2001−071463号公報
しかしながら、物理的な波には一般に横波と縦波がある。横波は波の進行方向と振動方向が直交している波で、弦の振動や電磁波がその例である。縦波は波の進行方向と振動方向が平行している波で、音波がそうである。媒質の種類により縦波が伝播できるか、横波が伝播できるかが決まる。弾性体を媒質とする弾性波(広義の音波)には縦波と横波の両方が存在する。
そして、従来技術の連結保持装置において、振動を吸収する信頼性は十分ではなかった。より良好な記録を実行するために、縦波だけでなく横波の振動がキャリッジへ伝わるのを防止する必要がある。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、ベルトによるモータ等の振動源から伝達された横波および縦波の振動がキャリッジへ伝わるのを防止する連結保持装置を提供することにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、駆動プーリと従動プーリとの間に巻回される無端帯状のキャリッジ搬送用ベルトと、記録ヘッドを搭載した状態で主走査方向に往復動するキャリッジとの連結保持装置であって、前記キャリッジ側に形成され、弾性体である連結部を保持するホルダ部内に、前記連結部である第1の吸収部と、該第1の吸収部と協働して前記キャリッジ搬送用ベルトを挟持する第2の吸収部とを備え、前記第1の吸収部は、主走査方向において前記第2の吸収部よりも長尺に設けられていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置である。
本発明の第1の態様によれば、前記第1の吸収部は、主走査方向において前記第2の吸収部よりも長尺に設けられている。従って、前記第1の吸収部は、前記第2の吸収部と対向する位置よりはみ出た部分を有する。該はみ出た部分は、前記第2の吸収部と協働して前記キャリッジ搬送用ベルトを挟持していない。即ち、該はみ出た部分は、圧縮されていない状態であり弾性力を十分に有している。その結果、該はみ出た部分は、前記キャリッジ搬送用ベルトと当接しているので、該ベルトの横波振動、および縦波振動を吸収することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記第1の吸収部、および前記第2の吸収部は、主走査方向において、中央揃えに配設されていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置である。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記第1の吸収部、および前記第2の吸収部は、主走査方向において、中央揃えに配設されている。従って、前記第1の吸収部は、主走査方向において、該第1の吸収部の両側に前記はみ出た部分を有する。即ち、キャリッジが主走査方向のどちらへ移動する場合であっても、該はみ出した部分は、ベルトの横波振動、および縦波振動を吸収することができる。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記第2の吸収部は、前記巻回されたキャリッジ搬送用ベルトの内側に設けられていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置である。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果に加え、前記第2の吸収部は、前記巻回されたキャリッジ搬送用ベルトの内側に設けられている。即ち、前記第1の吸収部と比較して、主走査方向に短い前記第2の吸収部が、前記ベルトの内周に配設される。従って、前記主走査方向に短い分、前記駆動プーリ、および前記従動プーリと当接する虞がない。即ち、前記主走査方向に短い分、前記キャリッジの主走査距離を長く設定することができる。
本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記第1の吸収部と一体に形成され、前記ホルダ部から主走査方向へ突出して前記キャリッジ搬送用ベルトと当接する第3の吸収部が設けられていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置である。
本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記第1の吸収部と一体に形成され、前記ホルダ部から主走査方向へ突出して前記キャリッジ搬送用ベルトと当接する第3の吸収部が設けられている。即ち、該第3の吸収部は、前記ホルダ部から突出しているため、圧縮されていない状態であり弾性力を十分に有している。従って、該第3の吸収部は、前記キャリッジ搬送用ベルトと当接しているので、より効果的に該ベルトの横波振動、および縦波振動を吸収することができる。
さらに、該第3の吸収部は、主走査方向において、ホルダ部から前記ベルトに対して、該ベルトを押し出す、あるいは、引き寄せるように力を付与することも可能である。前者は、該第3の吸収部と当接するベルトの位置において、キャリッジに向かって押す縦波(近づいてくる波)と相殺させることができる。一方の後者は、キャリッジを引っ張る縦波(離れていく波)と相殺させることができる。
本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれか一の態様において、前記第1の吸収部、および前記第2の吸収部は、主走査方向において側視コ字状に一体形成されていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置である。
本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記第1の吸収部、および前記第2の吸収部は、主走査方向において側視コ字状に一体形成されている。従って、部品点数を減らしてシンプルな構造にすることができる。
本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれか一の態様において、前記連結部は、前記ホルダ部と係合可能な突起部を備えていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置である。
本発明の第6の態様によれば、第1から第5のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記連結部は、前記ホルダ部と係合可能な突起部を備えている。従って、該連結部は、前記ホルダ部に対しての位置ずれを防止することができる。
本発明の第7の態様は、駆動プーリと従動プーリとの間に巻回される無端帯状のキャリッジ搬送用ベルトと、記録ヘッドを搭載した状態で主走査方向に往復動するキャリッジと、これらを連結保持する連結保持装置とを備える記録装置であって、前記連結保持機構は、上記第1から第6の態様のいずれか一つに記載された連結保持装置であることを特徴とする。
本発明の第7の態様によれば、記録装置は、上記第1から第6の態様のいずれか一つに記載された前記連結保持装置を備えているので、記録装置において、上記第1から第6の態様のいずれか一つに記載された作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第8の態様は、駆動プーリと従動プーリとの間に巻回される無端帯状のキャリッジ搬送用ベルトと、液体噴射ヘッドを搭載した状態で主走査方向に往復動するキャリッジと、これらを連結保持する連結保持装置とを備える液体噴射装置であって、前記キャリッジ側に形成され、弾性体である連結部を保持するホルダ部内に、前記連結部である第1の吸収部と、該第1の吸収部と協働して前記キャリッジ搬送用ベルトを挟持する第2の吸収部とを備え、前記第1の吸収部は、主走査方向において前記第2の吸収部よりも長尺に設けられていることを特徴とする液体噴射装置である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すのは、本発明に係る記録装置の概略を示す全体斜視図である。また、図2に示すのは、本発明に係る記録装置の概略を示す全体平面図である。
記録装置100の本体の背面側には、被記録材としての用紙が積層される給紙カセット101が、着脱可能に設けられている。給紙カセット101の最上位に積層された用紙は、給送用モータ104によって駆動する給送ローラ(図示せず)によりピックアップされて、用紙ガイド103に案内されながら搬送方向の下流側の搬送ローラ(図示せず)へと給送される。搬送ローラまで給送された用紙は、搬送用モータ(図示せず)によって駆動する搬送ローラにより、さらに搬送方向の下流側の記録部143へと搬送される。記録部143は、用紙を下方から支持するプラテン105と、プラテン105の上方側に対向するように設けられたキャリッジ107とによって構成される。そのうち、キャリッジ107は、主走査方向へ延びたキャリッジガイド軸153に案内されながらキャリッジモータ102によって駆動する。
具体的には、図2中、左側である80桁側に設けられキャリッジモータ102によって駆動する駆動プーリ150と、図2中、右側である1桁側に設けられている従動プーリ151との間に無端帯状のキャリッジ搬送用ベルト152が巻回されている。そして、キャリッジ側に設けられた連結保持機構が、キャリッジ搬送用ベルト152と連結されている。従って、キャリッジモータ102の駆動によって、キャリッジ107が主走査方向へ移動することができる。さらに、キャリッジ107の底面部には、用紙へ向かってインクを吐出する記録ヘッド106が設けられている。記録部143で記録された用紙は、さらに下流側へと搬送され排紙ローラ(図示せず)によって記録装置100の正面側から排出される。
また、記録装置100の本体の下方には、インクカートリッジ(図示せず)が装填され、インク供給針(図示せず)を介してインク供給路(図示せず)へとインクが供給される。さらに、インク供給チューブ110を介してキャリッジ107の記録ヘッド106まで供給される。そして、記録ヘッド106のフラッシング時、およびクリーニング時には、1桁側に設けられたインク吸引装置200においてインクの吐出・吸引動作が行われる。
図3に示すのは、本発明に係るキャリッジとその周辺を背面側からみた斜視図である。
図3に示す如く、キャリッジ107の下方には、記録ヘッド106が設けられており、記録ヘッド106は、下面のノズル開口形成面106bに、インクを吐出するノズル開口によって形成されるノズル開口列106aを備えている。また、キャリッジガイド軸153は、キャリッジ107の一部に挿通されキャリッジ107を主走査方向へ案内するように設けられている。そして、キャリッジ側には、連結保持装置300が設けられており、連結保持装置300は、キャリッジ搬送用ベルト152と連結する連結部301と、連結部301を保持するホルダ部302とから構成されている。連結部301には、第1の吸収部303および第2の吸収部304が設けられており以下に説明する。
図4に示すのは、本発明に係る連結部であり、そのうち、同図(A)が連結部の背面側からみた斜視図、同図(B)が背面図、そして同図(C)が側面図である。
図4(A)および(B)に示す如く、連結部301の上側には、第1の吸収部303が設けられており、下側の第1の吸収部303と対向する位置には、第2の吸収部304が設けられている。ここで、第1の吸収部303の当接面の主走査方向の長さをa、第2の吸収部304の当接面の主走査方向の長さをbとすると、

第1の吸収部303の長さa > 第2の吸収部304の長さb

の関係が成り立つように設けられている。
また、第1の吸収部303の主走査方向における両側には、第3の吸収部305がホルダから突出するように設けられている。さらに、第1の吸収部303の上側には、ホルダ部302と係合する抜け止め突起部306が設けられている。またさらに、第1の吸収部303において、第2の吸収部304と対向する面には、キャリッジ搬送用ベルト152に設けられた第2の歯部152a(図5参照)と係合する第1の歯部303aが形成されている。そして、連結部301は左右対称、即ち、中心揃えに構成されている。
また、図4(C)に示す如く、連結部301は、側視コ字状であり第1の吸収部303および第2の吸収部304は一体に形成されている。
図5に示すのは、本発明に係る連結部の作用を示す背面図である。
図5(A)に示す如く、キャリッジ搬送用ベルト152に設けられた第2の歯部152aが、第1の吸収部303に設けられた第1の歯部303aと嵌合すると共に、第1の吸収部303と第2の吸収部304とに挟持・保持されている。ここで、第1の歯部303a、および第2の歯部152aは直歯であり、キャリッジ搬送用ベルト152の第2の歯部152aが形成された面と反対面、即ち、内周面には第3の歯部152bが形成されている。第3の歯部152bは斜歯であり、駆動プーリ150および従動プーリ151に設けられた図示しない斜歯と係合するように設けられている。
また、前述したように、第1の吸収部303の長さaは、第2の吸収部304の長さbより長く設けられている。従って、第1の吸収部303の主走査方向における両側には、第2の吸収部304と対向しない非対向部303bが生じる。先ず、非対向部303bの作用効果について説明する。
ここで、キャリッジ搬送用ベルト152を挟持・保持している弾性体の第1の吸収部303および第2の吸収部304は、ホルダ部内に保持されている。即ち、第1の吸収部303および第2の吸収部304は、図5(A)の図中、上下方向、即ち、キャリッジ搬送用ベルト面に対して垂直方向に押圧・圧縮されている。従って、押圧・圧縮された部分では、キャリッジ搬送用ベルト152を伝搬してきた振動を効果的に吸収することができない虞がある。
ところが、非対向部303bでは、第2の吸収部304と対向しないので、強い力で押圧・圧縮されることがない。即ち、適度な弾性力を保ちながらキャリッジ搬送用ベルト152と当接・押圧することができる。従って、キャリッジ搬送用ベルト152を伝搬してきた振動を効果的に吸収することができる。具体的には、振動は、横波振動F1と縦波振動F2の2種類あり、キャリッジ107の移動方向、即ち、主走査方向と直交方向に振動する横波振動F1と、主走査方向に振動する縦波振動F2とがある。
ここで、主走査方向と直交方向に振動する縦波振動F2は、キャリッジ搬送用ベルト152の内周面から外周面へ向かう方向、即ち、キャリッジ搬送用ベルト152の面に垂直方向と、駆動プーリ150および従動プーリ151の回転軸方向、即ち、副走査方向とが考えられるが、前者のキャリッジ搬送用ベルト152の面に垂直方向の方が大きく、キャリッジ107に影響を及ぼすと考えられる。
横波振動F1がキャリッジ搬送用ベルト152を伝搬してくると、非対向部303bの厚みが、厚み方向(キャリッジ搬送用ベルト152の面に垂直方向)に横波振動F1を吸収することができる。また、縦波振動F2がキャリッジ搬送用ベルト152を伝搬してくると、非対向部303bの主走査方向の長さが、長さ方向(主走査方向)に縦波振動F2を吸収することができる。
続いて、第3の吸収部305の作用効果について説明する。
図5(B)に示す如く、第1の吸収部303の主走査方向の両側には、ホルダ部302から突出してキャリッジ搬送用ベルト152と当接・押圧するように第3の吸収部305が設けられている。第3の吸収部305は、ホルダ部302の外側に設けられているので、全くホルダ部302によって圧縮されていない状態であり弾性力を十分に備えている。従って、横波振動F1がキャリッジ搬送用ベルト152を伝搬してくると、第3の吸収部305の厚みが、厚み方向(キャリッジ搬送用ベルト152の面に垂直方向)に横波振動F1を吸収することができる。また、縦波振動F2がキャリッジ搬送用ベルト152を伝搬してくると、第3の吸収部305の主走査方向の長さが、長さ方向(主走査方向)に縦波振動F2を吸収することができる。
続いて、他の実施形態における第3の吸収部について説明する。
[他の実施例1]
図6および図7に示すのは、本発明の他の実施例に係る連結部を示す背面図である。
図6(A)に示す如く、第1の当接突起部307aが、第3の吸収部307の主走査方向両端のキャリッジ搬送用ベルト152と対向する位置に設けられている。第1の当接突起部307aは、第3の吸収部307によって主走査方向の外側へ付勢すると共に、キャリッジ搬送用ベルト152を押圧している。従って、第1の当接突起部307aがキャリッジ搬送用ベルト152を押圧している分力のうち、キャリッジ搬送用ベルト152の面に垂直方向の分力を、横波振動F1する力と相殺させることができる。また、第1の当接突起部307aがキャリッジ搬送用ベルト152を押圧している分力のうち、主走査方向の分力を、縦波振動F2する力と相殺させることができる。この構成は、縦波のうち、特に、キャリッジ107へ向かってくる縦波(押す力)に対して有効である。
[他の実施例2]
図6(B)に示す如く、第3の吸収部308は、主走査方向両端へ向かって肉薄に形成され、キャリッジ搬送用ベルト152と当接・押圧する面の圧力が均等になるように設けられている。従って、キャリッジ搬送用ベルト152を伝搬してくる横波振動F1および縦波振動F2を、第3の吸収部308の当接面で均等に分散させて吸収することができる。
[他の実施例3]
図7(A)に示す如く、第2の当接突起部309aが、第3の吸収部309の主走査方向両端のキャリッジ搬送用ベルト152と対向する位置に設けられている。第2の当接突起部309aは、第3の吸収部309によって主走査方向の内側へ付勢すると共に、キャリッジ搬送用ベルト152を押圧している。従って、第2の当接突起部309aがキャリッジ搬送用ベルト152を押圧している分力のうち、キャリッジ搬送用ベルト152の面に垂直方向の分力を、横波振動F1する力と相殺させることができる。また、第2の当接突起部309aがキャリッジ搬送用ベルト152を押圧している分力のうち、主走査方向の分力を、縦波振動F2する力と相殺させることができる。この構成は、縦波のうち、特に、キャリッジ107から遠ざかっていく縦波(引く力)に対して有効である。
[他の実施例4]
図7(B)に示す如く、第3の当接突起部310aが、第3の吸収部310の主走査方向両端のキャリッジ搬送用ベルト152と対向する位置に設けられている。第3の当接突起部310aは、第3の吸収部310によって、キャリッジ搬送用ベルト152の面に対して垂直方向へ押圧している。従って、キャリッジ搬送用ベルト152の面に垂直方向の押圧力を、横波振動F1する力と相殺させることができる。また、第3の当接突起部310aは、第1の吸収部303と離間して設けられていると共に、キャリッジ搬送用ベルト152と面接触することができるので、より効果的に縦波振動F2に追従することができる。即ち、第3の当接突起部310aおよび第3の吸収部310で縦波振動F2を吸収することができる。この構成は、縦波のうち、キャリッジ107へ向かってくる縦波(押す力)、およびキャリッジ107から遠ざかっていく縦波(引く力)の両方に対して有効である。
本実施形態のキャリッジ搬送用ベルト152とキャリッジ107との連結保持装置300は、駆動プーリ150と従動プーリ151との間に巻回される無端帯状のキャリッジ搬送用ベルト152と、記録ヘッド106を搭載した状態で主走査方向に往復動するキャリッジ107との連結保持装置300であって、キャリッジ側に形成され、弾性体である連結部301を保持するホルダ部内に、連結部301である第1の吸収部303と、第1の吸収部303と協働してキャリッジ搬送用ベルト152を挟持する第2の吸収部304とを備え、第1の吸収部303は、主走査方向において第2の吸収部304よりも長尺に設けられている。
その結果、第1の吸収部303は、第2の吸収部304と対向する位置よりはみ出た部分としての非対向部303bを有する。非対向部303bは、第2の吸収部304と協働してキャリッジ搬送用ベルト152を挟持していない。即ち、非対向部303bは、圧縮されていない状態であり弾性力を十分に有している。従って、非対向部303bは、キャリッジ搬送用ベルト152と当接しているので、キャリッジ搬送用ベルト152の横波振動F1、および縦波振動F2を吸収することができ、用紙に良好な記録を実行することができる。
そのうち本実施形態の第1の吸収部303、および第2の吸収部304は、主走査方向において、中央揃えに配設されている。
その結果、第1の吸収部303は、主走査方向において、第1の吸収部303の両側に非対向部303bを有する。即ち、キャリッジ107が主走査方向のどちらへ移動する場合であっても、非対向部303bは、キャリッジ搬送用ベルト152の横波振動F1、および縦波振動F2を吸収することができる。
また、本実施形態の第2の吸収部304は、巻回されたキャリッジ搬送用ベルト152の内側に設けられている。即ち、第1の吸収部303と比較して、主走査方向に短い第2の吸収部304が、キャリッジ搬送用ベルト152の内周に配設されている。
その結果、主走査方向に短い分、駆動プーリ150、および従動プーリ151と当接する虞がない。即ち、主走査方向に短い分、キャリッジ107の主走査距離を長く設定することができる。
本実施形態において、第1の吸収部303と一体に形成され、ホルダ部302から主走査方向へ突出してキャリッジ搬送用ベルト152と当接する第3の吸収部305(307〜310)が設けられている。即ち、第3の吸収部305(307〜310)は、ホルダ部302から突出しているため、圧縮されていない状態であり弾性力を十分に有している。
その結果、第3の吸収部305(307〜310)は、キャリッジ搬送用ベルト152と当接しているので、より効果的に該ベルトの横波振動F1、および縦波振動F2を吸収することができる。
さらに、第3の吸収部305(307〜310)は、主走査方向において、ホルダ部302からキャリッジ搬送用ベルト152に対して、キャリッジ搬送用ベルト152を押し出す、あるいは、引き寄せるように力を付与することも可能である。前者は、第3の吸収部305(307〜310)と当接するベルトの位置において、キャリッジ107に向かって押す縦波(近づいてくる波)と相殺させることができる。一方の後者は、キャリッジ107を引っ張る縦波(離れていく波)と相殺させることができる。
また、本実施形態において、第1の吸収部303、および第2の吸収部304は、主走査方向において側視コ字状に一体形成されている。
その結果、部品点数を減らしてシンプルな構造にすることができる。
さらに、本実施形態の連結部301は、ホルダ部302と係合可能な突起部としての抜け止め突起部306を備えている。
その結果、連結部301は、ホルダ部302に対しての位置ずれを防止することができる。
尚、第1の吸収部、第2の吸収部、および第3の吸収部の弾性体の硬さは、振動の大きさによって適宜設定変更させることが可能であり、それぞれが異なった硬さであってもよいのは勿論である。キャリッジ搬送用ベルトの張力やキャリッジモータのトルク等によって発生する振動数・振幅が変化し、それに伴って吸収部の硬度、大きさ、および形状の設定変更することは言うまでもない。さらに、上記説明では、振動を例に説明したが、キャリッジモータの急な速度変化に伴う衝撃をも吸収することができるのは勿論である。
また、副走査方向の横波振動、即ち、キャリッジ搬送用ベルトの幅方向の横波振動が考えられる。この振動を吸収するために、第3の吸収部と同様にキャリッジ搬送用ベルトの幅方向のいずれかと当接させるように設けることができるのは勿論である。
さらに、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係る記録装置の概略を示す全体斜視図 本発明に係る記録装置の概略を示す全体平面図 本発明に係るキャリッジとその周辺を背面側からみた斜視図 本発明に係る連結部の斜視図、背面図、および側面図 本発明に係る連結部の作用を示す背面図 本発明の他の実施例に係る連結部を示す背面図 本発明の他の実施例に係る連結部を示す背面図
符号の説明
100 記録装置、101 給紙カセット、102 キャリッジモータ、
103 用紙ガイド、104 給送用モータ、105 プラテン、106 記録ヘッド、
106a ノズル開口列、106b ノズル開口形成面、107 キャリッジ、
110 インク供給チューブ、143 記録部、200 インク吸引装置、
150 駆動プーリ、151 従動プーリ、152 キャリッジ搬送用ベルト、
152a 第2の歯部、152b 第3の歯部、153 キャリッジガイド軸、
300 連結保持装置、301 連結部、302 ホルダ部、303 第1の吸収部、
303a 第1の歯部、303b 非対向部、304 第2の吸収部、
305 第3の吸収部、306 抜け止め突起部、307 第3の吸収部(他の実施例1)、
307a 第1の当接突起部、308 第3の吸収部(他の実施例2)、
309 第3の吸収部(他の実施例3)、309a 第2の当接突起部、
310 第3の吸収部(他の実施例4)、310a 第3の当接突起部、
F1 横波振動、F2 縦波振動

Claims (8)

  1. 駆動プーリと従動プーリとの間に巻回される無端帯状のキャリッジ搬送用ベルトと、記録ヘッドを搭載した状態で主走査方向に往復動するキャリッジとの連結保持装置であって、
    前記キャリッジ側に形成され、弾性体である連結部を保持するホルダ部内に、
    前記連結部である第1の吸収部と、
    該第1の吸収部と協働して前記キャリッジ搬送用ベルトを挟持する第2の吸収部とを備え、
    前記第1の吸収部は、主走査方向において前記第2の吸収部よりも長尺に設けられていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置。
  2. 請求項1において、前記第1の吸収部、および前記第2の吸収部は、主走査方向において、中央揃えに配設されていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置。
  3. 請求項1または2において、前記第2の吸収部は、前記巻回されたキャリッジ搬送用ベルトの内側に設けられていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記第1の吸収部と一体に形成され、前記ホルダ部から主走査方向へ突出して前記キャリッジ搬送用ベルトと当接する第3の吸収部が設けられていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、前記第1の吸収部、および前記第2の吸収部は、主走査方向において側視コ字状に一体形成されていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、前記連結部は、前記ホルダ部と係合可能な突起部を備えていることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置。
  7. 駆動プーリと従動プーリとの間に巻回される無端帯状のキャリッジ搬送用ベルトと、記録ヘッドを搭載した状態で主走査方向に往復動するキャリッジと、これらを連結保持する連結保持装置とを備える記録装置であって、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された連結保持装置であることを特徴とするキャリッジ搬送用ベルトとキャリッジとの連結保持装置を備えた記録装置。
  8. 駆動プーリと従動プーリとの間に巻回される無端帯状のキャリッジ搬送用ベルトと、液体噴射ヘッドを搭載した状態で主走査方向に往復動するキャリッジと、これらを連結保持する連結保持装置とを備える液体噴射装置であって、
    前記キャリッジ側に形成され、弾性体である連結部を保持するホルダ部内に、
    前記連結部である第1の吸収部と、
    該第1の吸収部と協働して前記キャリッジ搬送用ベルトを挟持する第2の吸収部とを備え、
    前記第1の吸収部は、主走査方向において前記第2の吸収部よりも長尺に設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
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