JP4529989B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置における静電荷潜像を現像するための静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
従来より、電子写真方式の画像形成方法として、導電性支持体上に感光層を形成した感光体の該感光層を一様に帯電させ、次いで、露光せしめて、露光された部分の電荷を消散させて静電潜像を形成し、露光されていない部分に荷電させたトナーを付着させることによってその静電潜像を可視化させて現像し、得られた可視像を記録紙等の転写材に転写せしめ、加熱、加圧等によってその可視像を転写材に定着させる方法が、複写機、プリンター等の画像形成装置において汎用されている。
そして、そこにおけるトナーは、バインダー樹脂と着色剤、或いは更に帯電制御剤、離型剤等を溶融混練した樹脂組成物を、粉砕、分級する粉砕法により主として製造されているが、近年における画像形成装置の小型化、高速化に伴い、高画像濃度、高解像度、及び高階調等の高画質化を実現し得るトナーが強く求められているのに対して、前記粉砕法により得られるトナーは、粒子形状が不定形であって高解像度化や高階調化等には必ずしも適してはいない。
これに対して、バインダー樹脂成分のモノマーを乳化重合して得られた粒径0.05〜0.5μm程度の重合体一次粒子エマルジョンを、着色剤等の存在下に、凝集剤等を添加し、温水或いは水蒸気等により加熱しつつ攪拌、混合することによってその一次粒子を凝集させて粒径3〜9μm程度の一次粒子凝集体となし、次いで、温水或いは水蒸気等により加熱して各凝集体における一次粒子同士を融着させる乳化重合凝集法によるトナーが、高解像度及び高階調等の高画質化を実現し得るトナーとして提案されているが、この乳化重合凝集法においても、一次粒子の凝集による凝集体の粒径が均一とはなり難く、依然とし高画質化に対する市場の要求を十分に満足させ得るには到っていないのが現状である。
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、感光体の感光層に形成された静電潜像を現像して高画質の画像を形成し得るトナーとして、粒子形状が球形に近く、且つ、粒径が均一な静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、乳化重合凝集法による重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおける温度を特定の加熱方法で温度制御し、一次粒子同士を融着させるにおける固形分濃度を調整することにより、前記目的が達成できることを見出し本発明を完成した。即ち、本発明は、バインダー樹脂成分としての重合体一次粒子の水分散液を、少なくとも着色剤の存在下に、容器内で該重合体のガラス転移点より10℃高い温度未満の温度に加熱しつつ攪拌、混合して、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となし、次いで、容器内で該重合体のガラス転移点より10℃高い温度以上の温度に加熱して一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させて静電荷像現像用トナーを製造するにおいて、前記一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させるにおける一次粒子凝集体の水分散液の固形分濃度を、前記重合体一次粒子を一次粒子凝集体とするにおける重合体一次粒子の水分散液の固形分濃度より低下させるとともに、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおける前記容器をジャケット付き容器とすると共に、該ジャケット内に、減圧下で高圧水蒸気を供給して加熱する静電荷像現像用トナーの製造方法、を要旨とする。
本発明によれば、感光体の感光層に形成された静電潜像を現像して高画質の画像を形成し得るトナーとして、粒子形状が球形に近く、且つ、粒径が均一な静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、バインダー樹脂成分としての重合体一次粒子の水分散液を、少なくとも着色剤の存在下に、容器内で該重合体のガラス転移点より10℃高い温度未満の温度に加熱しつつ攪拌、混合して、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となし、次いで、容器内で該重合体のガラス転移点より10℃高い温度以上に加熱して一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させてトナーを製造する。
ここで、バインダー樹脂成分としての重合体一次粒子は、乳化重合により得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン等のα−置換アルキルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、p−ブチルスチレン、p−ノニルスチレン等の核置換アルキルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン等の核置換ハロゲン化スチレン、o−アミノスチレン、m−アミノスチレン、p−アミノスチレン等の核置換アミノ化スチレン、スルホスチレン等の核置換スルホン化スチレン、アミノスルホスチレン等のアミノスルホン化スチレン等のスチレン類、(メタ)アクリル酸〔尚、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとする。〕、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等のカルボン酸類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等のアクリレート類、(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、及び、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアルデヒド、ビニルアセテート、ビニルクロライド、ビニルアルコール、ビニルブチラール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の他ビニル化合物類等の単量体を、重合開始剤、及び、必要に応じて連鎖移動剤の存在下に、乳化剤を用いて乳化重合或いは共重合せしめたものが挙げられる。
これらの重合体或いは共重合体の中で、本発明においては、スチレン類とアクリレート類とを主構成単位とする共重合体が好ましく、更に、前記スチレン類の中の核置換スルホン化スチレンやアミノスルホン化スチレン、及び、前記カルボン酸類等のブレンステッド酸性基を有する単量体、又は、前記スチレン類の中の核置換アミノ化スチレン、前記単官能(メタ)アクリレートの中のジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ化アルキル(メタ)アクリレート、及び、前記他ビニル化合物類の中のビニルピリジン、ビニルピロリドン等の含窒素複素含有単量体等のブレンステッド塩基性基を有する単量体を構成単位として含有する共重合体が好ましく、スチレン−(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸系共重合体が特に好ましい。尚、これらのブレンステッド酸性基を有する単量体単位、又はブレンステッド塩基性基を有する単量体単位の含有量は、0.5〜10重量%であるのが好ましく、1〜5重量%であるのが更に好ましい。
又、前記重合体或いは共重合体の中で、更に、前記アクリレート類の中の多官能(メタ)アクリレート、及び、前記他ビニル化合物類の中のジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の多官能単量体、又は、前記アクリレート類の中のグリシジル(メタ)アクリレート、前記(メタ)アクリルアミド類の中のN−メチロール(メタ)アクリルアミド、及び、前記他ビニル化合物類の中の(メタ)アクリルアルデヒド等の反応性基含有単量体を構成単位として含有する共重合体が、重合体一次粒子に架橋を形成させ得る点で好ましく、これらの多官能単量体、又は反応性基含有単量体単位の含有量は、0.005〜5重量%であるのが好ましく、0.01〜3重量%であるのが更に好ましく、0.05〜1重量%であるのが特に好ましい。
又、重合開始剤としては、従来公知の水溶性重合開始剤が用いられ、具体的には、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、これらの過硫酸塩類を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤類、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物類、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類、これらの過酸化物類或いはアゾ化合物類を一成分として第一鉄塩等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤類が挙げられ、これらは2種以上を併用して用いることもできる。
又、連鎖移動剤としても、従来公知のものが用いられ、具体的には、例えば、オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジ−i−プロピルキサントゲン、ブロモトリクロロメタン、テトラクロロメタン等が挙げられ、これらは2種以上を併用して用いることもできる。
又、乳化剤としても、従来公知のカチオン系、アニオン系、或いはノニオン系界面活性剤等が用いられ、具体的には、例えば、カチオン系界面活性剤としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が、又、アニオン系界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が、又、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、モノデカノイル蔗糖等が挙げられ、これらは2種以上を併用して用いることもできる。これらの中で、アニオン系界面活性剤が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩が特に好ましい。
本発明において、水分散液中で一次粒子を構成する前記重合体としては、ガラス転移点が40〜80℃のものであるのが好ましい。ガラス転移点が前記範囲未満では、トナーとしての保存安定性が悪化する傾向となり、一方、前記範囲超過では、トナーとしての定着温度が高過ぎる傾向となる。
又、重合体一次粒子としては、トナーとしての耐オフセット性等の点から、テトラヒドロフラン不溶分が15〜80重量%であるのが好ましく、20〜70重量%であるのが更に好ましい。又、テトラヒドロフラン可溶分の分子量は、重量平均分子量として30,000〜500,000であるのが好ましく、80,000〜300,000であるのが更に好ましい。
又、重合体一次粒子の平均粒径は、日機装社製「マイクロトラックUPA」を用いて測定した体積平均粒径が、0.02〜3μmであるのが好ましく、0.05〜3μmであるのが更に好ましく、0.1〜2μmであるのが特に好ましい。体積平均粒径が前記範囲未満では、凝集速度を制御しにくくなる傾向となり、一方、前記範囲超過では、凝集体としてのトナーの粒径が大きくなり過ぎる傾向となる。
尚、本発明における重合体一次粒子としては、前記乳化重合において、後述するワックス類の微粒子をシードとしてシード重合によって得られたものであるのが好ましい。
本発明において、前記重合体一次粒子の水分散液を容器内で加熱しつつ攪拌、混合して、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおいて存在させる着色剤としては、この種トナーの着色剤として一般に用いられている各種の無機系及び有機系の染顔料等が用いられ、無機系染顔料としては、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、酸化鉄、酸化マンガン、酸化銅、酸化クロム、紺青、群青等が、又、有機系染顔料としては、例えば、フタロシアニン系、アントラキノン系、キノン系、モノアゾ系、ビスアゾ系、トリスアゾ系、ポリアゾ系、トリフェニルメタン系、シアニン系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、多環キノン系、ピリリウム系、チアピリリウム系、インジゴ系、チオインジゴ系、アントアントロン系、ピラントロン系、イソインドリン系、チアジン系、ニグロシン系、ローダミン系等が、それぞれ挙げられ、これらの着色剤は、2種以上を併用して用いることもできる。
又、重合体一次粒子に対する前記着色剤の使用割合は、前記重合体一次粒子100重量部に対して1〜20重量部とするのが好ましく、2〜15重量部とするのが更に好ましい。
尚、前記着色剤の使用形態としては、着色剤を水分散液として用いるのが好ましく、前記重合体一次粒子の乳化重合における乳化剤として挙げたと同様の界面活性剤を用いた水分散液とし、その際の分散粒径は、前記と同様にして測定した体積平均粒径が、0.01〜3μmであるのが好ましい。
又、本発明において、トナーとしては、帯電制御剤を含有しているのが好ましく、その帯電制御剤を、前記重合体一次粒子の水分散液を容器内で加熱しつつ攪拌、混合して重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおいて、前記着色剤と共に共存させるのが好ましく、その帯電制御剤としては、従来公知の、例えば、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン系樹脂等の正荷電性帯電制御剤、又は、クロム、コバルト、アルミニウム、鉄等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸若しくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等の金属塩や金属錯体、ベンジル酸の金属塩や金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、4,4’−メチレンビス〔2−{N−(4−クロロフェニル)アミド}−3−ヒドロキシナフタレン〕等のヒドロキシナフタレン化合物等の負荷電性帯電制御剤等が挙げられる。中で、正荷電性帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩系化合物が、又、負荷電性帯電制御剤としては、サリチル酸若しくはアルキルサリチル酸の金属塩や金属錯体、ベンジル酸の金属塩や金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、ヒドロキシナフタレン化合物が、それぞれ好ましい。
又、重合体一次粒子に対する前記帯電制御剤の使用割合は、前記重合体一次粒子100重量部に対して0.01〜10重量部とするのが好ましく、0.1〜5重量部とするのが更に好ましい。
尚、前記帯電制御剤の使用形態としても、帯電制御剤を水分散液として用いるのが好ましく、前記重合体一次粒子の乳化重合における乳化剤として挙げたと同様の界面活性剤を用いた水分散液とし、その際の分散粒径は、前記と同様にして測定した体積平均粒径が、0.01〜3μmであるのが好ましい。
又、本発明において、トナーとしては、転写材への定着時の離型性等の改良のためにワックス類を含有しているのが好ましく、そのワックス類を、前記重合体一次粒子の乳化重合においてシードとして用いてシード重合するか、或いは、前記重合体一次粒子を前記着色剤の存在下に攪拌、混合して一次粒子凝集体となすにおいて共存させるか、のいずれかの方法によるのが好ましく、前者乳化重合におけるシードとして用いるのが特に好ましい。
そのワックス類としては、従来公知の、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ワックス、低分子量ポリエステル等のポリエステル系ワックス、パラフィン系ワックス、水添ヒマシ油、カルナバワックス等の植物系ワックス、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基を有するシリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸、エイコサノール等の高級アルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の高級脂肪酸と、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、モンタニルアルコール等の一価の高級アルコール、或いはグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステル系ワックス、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が挙げられる。又、低分子量ポリテトラフルオロエチレン等も有用であり、これらのワックス類は、2種以上を併用して用いることもできる。
これらのワックス類の中で、高級脂肪酸と、一価の高級アルコール或いは多価アルコールとのエステル系ワックスが好ましく、そのエステルとしての炭素数が20〜100のものが更に好ましく、炭素数が30〜60のものが特に好ましい。これらの好ましいエステル系ワックスとしては、具体的には、例えば、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、グリセリンのモンタン酸(部分)エステル、ペンタエリスリトールのステアリン酸(部分)エステル等が挙げられる。
尚、本発明におけるこれらのワックス類としては、融点が30〜100℃であるのが好ましく、40〜90℃であるのが更に好ましく、50〜80℃であるのが特に好ましい。融点が前記範囲未満では、トナーとして、転写材への定着時の離型性等が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、低温での定着性が劣る傾向となる。
又、重合体一次粒子に対する前記ワックス類の使用割合は、前記重合体一次粒子100重量部に対して0.1〜25重量部とするのが好ましく、5〜15重量部とするのが更に好ましい。
前記ワックス類は、前述したように、前記重合体一次粒子の乳化重合におけるシードとして用いるのが好ましく、その使用形態としては、前記重合体一次粒子の乳化重合における乳化剤として挙げたと同様の界面活性剤を用いてワックス類微粒子の水分散液とし、その際の分散粒径は、ホリバ社製「LA−500」を用いて測定した平均粒径が、0.01〜3μmであるのが好ましく、0.1〜2μmであるのが更に好ましく、0.3〜1.5μmであるのが特に好ましい。
更に、本発明において、トナーとしては、トナーの粘着性、凝集性、流動性、帯電性、表面抵抗等の改質のために公知の各種内添剤、例えば、シリコーンオイル、シリコーンワニス等を含有していてもよく、それらの内添剤を、前記重合体一次粒子を前記着色剤の存在下に攪拌、混合して一次粒子凝集体となすにおいて共存させることができる。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、好ましくは前記ワックス類の微粒子をシードとしてシード重合により得られた前記重合体一次粒子の水分散液を、前記着色剤の存在下、好ましくは前記帯電制御剤等の共存下に、容器内で該重合体のガラス転移点より10℃高い温度未満の温度に加熱しつつ攪拌、混合して、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となし、次いで、容器内で該重合体のガラス転移点より10℃高い温度以上の温度に加熱して一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させて静電荷像現像用トナーを製造するにおいて、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおける前記容器をジャケット付き容器とすると共に、該ジャケット内に、減圧下で高圧水蒸気を供給して加熱するものである。
ここで、前記重合体一次粒子の水分散液を加熱しつつ攪拌、混合して、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすには、内部に攪拌装置を備え、外部に高圧水蒸気供給口及び排出口、並びに減圧吸引口を備えたジャケットを有する容器内で、、水分散液を攪拌、混合しながら、水分散液の温度を温度センサーで検知し、その検知温度に基づいて、ジャケット内の高圧水蒸気の供給量を制御すると共にジャケット内の減圧度を制御することにより水分散液の温度を制御しつつ、加熱することにより行われる。
ここで、容器としては、鉄等の金属製であって、内壁部をステンレス張り、グラスライニング、或いは弗素樹脂コーティング等した、通常、ジャケット付き竪置円筒型のものが用いられ、又、攪拌装置としては、各種形状のものが用いられ、例えば、市販のフルゾーン翼(神鋼パンテック社製)、サンメラー翼(三菱重工業社製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業社製)、Hi−Fミキサー翼(綜研化学社製)、ダブルヘリカルリボン翼(神鋼パンテック社製)、及びアンカー翼等が挙げられる。これらの攪拌翼の中で、ダブルヘリカルリボン翼、アンカー翼が好ましく、ダブルヘリカルリボン翼が特に好ましい。尚、容器内には、バッフルが設けられてもよい。
又、前記重合体一次粒子の水分散液を前記容器内で加熱しつつ攪拌、混合して、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となす際の温度は、重合体のガラス転移点(Tg)より10℃高い温度(Tg+10℃)未満の温度とし、重合体のガラス転移点より10℃低い温度(Tg−10℃)から重合体のガラス転移点より5℃高い温度(Tg+5℃)の範囲とするのが好ましい。又、この凝集に要する時間は、通常0.5〜8時間、好ましくは1〜4時間とする。
又、ジャケット内に供給する高圧水蒸気は、飽和水蒸気とするのが好ましく、水分散液の温度を前記範囲内の一定温度に制御するためには、ジャケット内の減圧度を10〜95kPaの範囲とするのが好ましい。
更に、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおいては、重合体一次粒子の凝集を効率的に行い、且つ、一次粒子凝集体を所望の範囲の粒径とするために、水分散液に凝集剤を添加するのが好ましく、その凝集剤としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸第二鉄等の無機塩、酢酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム等の有機塩等が挙げられ、中で、アルミニウム塩が好ましく、硫酸アルミニウムが特に好ましい。
又、前記凝集剤の水分散液への添加量は、水分散液の固形分100重量部に対して、0.05〜25重量部とするのが好ましく、0.1〜15重量部とするのが更に好ましく、0.1〜10重量部とするのが特に好ましい。
尚、好ましくは前記ワックス類の微粒子をシードとしてシード重合により得られた前記重合体一次粒子の水分散液を、前記着色剤の存在下、好ましくは前記帯電制御剤等の共存下に、前記容器内で加熱しつつ攪拌、混合して、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおいて、一次粒子凝集体の粒子形状を均一化すると共に球形化すること等を目的として、前記重合体一次粒子の製造におけると同様にして得られ、前記重合体一次粒子の平均粒径より小さい平均粒径を有する重合体微粒子を、前記重合体一次粒子100重量部に対して10重量部以下の量で共存させるのが好ましい。
又、一次粒子凝集体の粒径の均一化等の点から、重合体一次粒子を一次粒子凝集体とするにおける重合体一次粒子の水分散液の固形分濃度を、10〜40重量%とするのが好ましく、10〜20重量%とするのが更に好ましい。又、容器内の水分散液の攪拌効率の点から、水分散液の体積を容器体積の1/10〜2/3の範囲とするのが好ましく、1/5〜3/5の範囲とするのが更に好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、以上の方法により得られた一次粒子凝集体を、引き続いて、凝集体としての粒子に安定性を付加し、又、凝集粒子を球形化するために、容器内で加熱して一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させるものであるが、その一次粒子同士の融着においても、前述した重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおけると同様に、ジャケット付き容器を用いる共に、該ジャケット内に、減圧下で高圧水蒸気を供給して加熱する方法を適用するのが好ましい。従って、容器内で重合体一次粒子を一次粒子凝集体となした後、その一次粒子凝集体の水分散液をその容器内に留め、一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させるのが好ましい。
又、一次粒子同士の融着における温度は、重合体のガラス転移点(Tg)より10℃高い温度(Tg+10℃)以上とし、重合体のガラス転移点より20℃高い温度(Tg+20℃)から重合体のガラス転移点より80℃高い温度(Tg+80℃)の範囲で、且つ、重合体一次粒子の軟化点以下の温度範囲とするのが好ましい。又、この融着に要する時間は、通常1〜24時間、好ましくは2〜10時間とする。
尚、一次粒子凝集体の粒径の均一化等の点から、一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させるにおける一次粒子凝集体の水分散液の固形分濃度を、重合体一次粒子を一次粒子凝集体とするにおける重合体一次粒子の水分散液の固形分濃度より低下させるのが好ましく、後者固形分濃度(C1 )に対して前者固形分濃度(C2 )を、0.3C1 〜0.8C1 の範囲とするのが更に好ましい。
又、一次粒子凝集体における前記一次粒子同士の融着時に一次粒子凝集体同士の凝集、融着等を防止するために、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となした後、水分散液に界面活性剤を添加するか、又は/及び、pH調整剤を添加してpHを上げるのが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により得られるトナー粒子は、コールター社製マルチサイザーを用いて測定した体積平均粒径〔Dv (μm)〕が通常3〜12μm、好ましくは4〜10μm、更に好ましくは5〜9μm、特に好ましくは6〜8μmのものであり、又、粒径5.0μm以下の粒子の割合が12個数%以下、15.0μm以上の粒子の割合が1体積%以下であり、粒度分布を表す指標として、該体積平均粒径〔Dv (μm)〕の個数平均粒径〔Dn (μm)に対する比〔Dv /Dn 〕が1.25以下であるのが好ましく、1.22以下であるのが更に好ましく、1.20以下であるのが特に好ましい。尚、該比〔Dv /Dn 〕の下限は理論的には1.00であるが、実際には、製造上の点等から、1.03程度が限界であり、通常1.05程度となる。
又、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用いて、下記式により求められる円形度の50%累積頻度における円形度が、0.92〜1.0であるのが好ましく、0.94〜1.0であるのが更に好ましい。尚、ここで、「円形度の50%累積頻度における円形度」とは、下記式により求められる円形度0〜1を横軸としその累積頻度0〜100%を縦軸とした分布曲線において、その50%累積頻度における円形度を言う。
円形度=粒子投影像の面積と同面積の円の周長/粒子投影像の周長
本発明の製造方法により得られるトナー粒子は、通常、前記製造方法により得られたトナーと、無機質微粉末又は/及び有機質微粉末とを、例えばヘンシェルミキサー等の混合機により均一に攪拌、混合し、無機質微粉末又は/及び有機質微粉末で前記トナー粒子の表面を被覆することにより流動性を付与した状態で用いられる。その際の無機質微粉末としては、従来公知の、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、タルク、ハイドロタルサイト等の金属酸化物・水酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸金属塩、窒化チタン、窒化珪素等の窒化物、炭化チタン、炭化珪素等の炭化物、及び、フェライト、マグネタイト等の磁性粉等が、又、有機質微粉末としては、従来公知の、例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂等の樹脂、及び、例えば、オレイン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸金属塩等が、それぞれ挙げられる。これらの中で、無機質微粉末としてはアルミナ、シリカ、チタニアが好ましく、又、有機質微粉末としてはスチレン樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
尚、これら微粉末の平均粒径は、無機質微粉末においては0.01〜1μmであるのが好ましく、0.01〜0.5μmであるのが更に好ましい。又、有機質微粉末においては、0.05〜3μmであるのが好ましく、0.1〜1μmであるのが更に好ましい。又、これらの微粉末は、トナー粒子100重量部に対して0.01〜10重量部の量で用いられる。
又、本発明におけるトナーとしては、トナーを磁力により静電潜像部に搬送するためのキャリアとしてのフェライト、マグネタイト等の磁性粉を共存させる磁性二成分用、又は、それらの磁性粉をトナー中に含有させた磁性一成分用、或いは、トナーに磁性粉を用いない非磁性一成分用のいずれとしても用いられるが、非磁性一成分用、又は磁性一成分用としてもちいるのが好ましい。尚、キャリアとしての磁性粉としては、例えば、ポリ弗化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の弗素樹脂等で表面処理されたものが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
ベヘン酸ベヘニルを主成分とするエステルワックス(日本油脂社製「ユニスターM2222SL」)21重量部とステアリン酸ステアリルを主成分とするエステルワックス(日本油脂社製「ユニスターM9676」)9重量部との混合物を、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬社製「ネオゲンSC」、有効成分66重量%)1.67重量部と共に、脱塩水68.33重量部に加えて、90℃にて高圧剪断下で乳化することにより、ホリバ社製「LA−500」を用いて測定した平均粒径0.34μmのエステルワックス微粒子のエマルジョンを作製した。
次いで、内容積3リットルの攪拌装置付き反応器に、前記で得られたエステルワックス微粒子のエマルジョン43重量部と脱塩水401重量部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した後、8%過酸化水素水溶液1.6重量部と8%アスコルビン酸水溶液1.6重量部を添加し、引き続いて、スチレン78重量部、ブチルアクリレート22重量部、アクリル酸3重量部、ヘキサンジオールジアクリレート0.9重量部、及び連鎖移動剤としてのオクチルメルカプタン0.38重量部と2−メルカプトエタノール0.01重量部、の混合物、並びに、15重量%「ネオゲンSC」水溶液1重量部と脱塩水25重量部との乳化剤水溶液を5時間かけて加えると共に、8%過酸化水素水溶液9重量部と8%アスコルビン酸水溶液9重量部を6時間かけて加えた後、更に30分間保持して、攪拌下にエステルワックス微粒子をシードとして乳化共重合させ、冷却することにより、スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸−ヘキサンジオールジアクリレート共重合体の一次粒子エマルジョンを得た。得られた共重合体一次粒子は、ガラス転移点53℃、テトラヒドロフラン不溶分15重量%、テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量196,000、日機装社製「マイクロトラックUPA」を用いて測定した体積平均粒径0.21μmのものであった。
一方、内容積60リットルの攪拌装置付き反応器に、15重量%「ネオゲンSC」水溶液5重量部と脱塩水372重量部との乳化剤水溶液を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した後、8%過酸化水素水溶液1.6重量部と8%アスコルビン酸水溶液1.6重量部を添加し、引き続いて、スチレン88重量部、ブチルアクリレート12重量部、アクリル酸2重量部、ヘキサンジオールジアクリレート0.4重量部、及び連鎖移動剤としてのブロモトリクロロメタン0.5重量部と2−メルカプトエタノール0.01重量部、の混合物、並びに、15重量%「ネオゲンSC」水溶液2.5重量部と脱塩水24重量部との乳化剤水溶液を5時間かけて加えると共に、8%過酸化水素水溶液9重量部と8%アスコルビン酸水溶液9重量部を6時間かけて加えた後、更に30分間保持して、攪拌下に乳化共重合させ、冷却することにより、スチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸−ヘキサンジオールジアクリレート共重合体微粒子エマルジョンを得た。得られた共重合体微粒子は、ガラス転移点85℃、テトラヒドロフラン不溶分5重量%、テトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量54,000、日機装社製「マイクロトラックUPA」を用いて測定した体積平均粒径0.083μmのものであった。
次いで、内容積1m3 、バッフル付きダブルヘリカル翼を備えたジャケット付き凝集槽容器に、前記で得られた共重合体一次粒子エマルジョンを固形分として95重量部仕込み、均一に混合しながら着色剤としてのピグメントブルー15:3の水分散液(大日精化工業社製「EP−700 Blue GA」、固形分濃度35重量%、平均粒径0.15μm)を固形分として4.6重量部添加して均一に混合した後、硫酸アルミニウム水溶液を硫酸アルミニウムとして0.4重量部滴下し攪拌しつつ、ジャケット内の減圧度を12.8kPaとすると共に高圧水蒸気を供給し、30分かけて50℃に昇温して1時間保持し、更にジャケット内の減圧度を18.3kPaとして、5分かけて58℃に昇温して30分保持し、引き続いて攪拌しながら、帯電制御剤として、予め調整した、4,4’−メチレンビス〔2−{N−(4−クロロフェニル)アミド}−3−ヒドロキシナフタレン〕の水分散液(乳化剤4重量%を含む固形分濃度24重量%、平均粒径0.20μm)を固形分として0.1重量部、前記で得られた共重合体微粒子エマルジョンを固形分として5重量部、硫酸アルミニウム水溶液を硫酸アルミニウムとして0.04重量部を順次添加し、共重合体一次粒子を凝集させ、その一次粒子凝集体としての体積平均粒径が7.4μmとなった時点で、20重量%「ネオゲンSC」水溶液37.5重量部、及び純水を総液量100重量部に対して0.5重量部を加えて凝集を停止させた。引き続いて、ジャケット内の減圧度を92.7kPaとし、70分かけて97℃に昇温して3時間保持することにより、一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させ、冷却、濾過、水洗、乾燥することによりトナー粒子を製造した。
得られたトナー粒子は、コールター社製マルチサイザーを用いて測定した体積平均粒径〔Dv 〕が7.4μm、体積平均粒径〔Dv 〕の個数平均粒径〔Dn 〕に対する比〔Dv /Dn 〕が1.11であり、又、粒径5.0μm以下の粒子の割合が2.1個数%、15.0μm以上の粒子の割合が0.8体積%で、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用いて測定した円形度が0.94であって、粒子形状が球形に近く、且つ、粒径が均一なものであった。
比較例1
共重合体一次粒子を凝集させて一次粒子凝集体となす際、及び、一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させる際、ジャケット内を減圧とせずに高圧水蒸気を供給して加熱した外は、実施例1におけると同様にして、トナー粒子を製造した。得られたトナー粒子は、コールター社製マルチサイザーを用いて測定した体積平均粒径〔Dv 〕が7.4μm、体積平均粒径〔Dv 〕の個数平均粒径〔Dn 〕に対する比〔Dv /Dn 〕が1.10であり、又、粒径5.0μm以下の粒子の割合が15個数%、15.0μm以上の粒子の割合が0.5体積%で、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用いて測定した円形度が0.94のものであった。

Claims (10)

  1. バインダー樹脂成分としての重合体一次粒子の水分散液を、少なくとも着色剤の存在下に、容器内で該重合体のガラス転移点より10℃高い温度未満の温度に加熱しつつ攪拌、混合して、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となし、次いで、容器内で該重合体のガラス転移点より10℃高い温度以上の温度に加熱して一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させて静電荷像現像用トナーを製造するにおいて、前記一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させるにおける一次粒子凝集体の水分散液の固形分濃度を、前記重合体一次粒子を一次粒子凝集体とするにおける重合体一次粒子の水分散液の固形分濃度より低下させるとともに、重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおける前記容器をジャケット付き容器とすると共に、該ジャケット内に、減圧下で高圧水蒸気を供給して加熱することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおけるジャケット内の減圧度を、10〜95kPaの範囲とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおける水分散液の温度を、重合体のガラス転移点より10℃低い温度から重合体のガラス転移点より5℃高い温度の範囲とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおいて、着色剤を水分散液として用いる請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 重合体一次粒子を一次粒子凝集体となすにおいて、着色剤と共に帯電制御剤を共存させる請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 帯電制御剤を、水分散液として用いる請求項5に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  7. 重合体一次粒子が、融点30〜100℃のワックス微粒子をシードとするシード重合によって得られたものである請求項1乃至6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  8. 重合体一次粒子が、スチレン−(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸系共重合体である請求項1乃至7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  9. 容器内で一次粒子凝集体の水分散液を加熱して一次粒子凝集体における一次粒子同士を融着させるにおいて、該容器をジャケット付き容器とすると共に、該ジャケット内に、減圧下で高圧水蒸気を供給して加熱する請求項1乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. ジャケット付き容器が、その内部にダブルヘリカルリボン翼を備える、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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