JP4529833B2 - 積層コンデンサの構造欠陥有無判定方法、撓み限界評価方法および構造欠陥箇所推定方法 - Google Patents

積層コンデンサの構造欠陥有無判定方法、撓み限界評価方法および構造欠陥箇所推定方法 Download PDF

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Description

この発明は、複数の引出し部を有する内部電極を備える積層コンデンサについての構造欠陥の有無を判定する方法、撓み限界を評価する方法および構造欠陥が生じている箇所を推定する方法に関するものである。
この発明にとって興味ある技術が、たとえば特開平7−161570号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1では、セラミック層と内部電極とが積層された構造を有する積層セラミックコンデンサの内部クラックを検出する方法が記載されている。この内部クラック検出方法は、内部クラックの有無を検出すべき積層セラミックコンデンサについて、静電容量および誘電損失の少なくとも一方を測定し、これを、同様の方法で測定した内部クラックの無い積層セラミックコンデンサの静電容量および誘電損失と比較することにより、内部クラックの有無を検出することを特徴としている。
上記特許文献1では、内部クラックの有無の検出の対象となる積層セラミックコンデンサは、1つの内部電極について1つの引出し部を有している、最も一般的な構造のものである。これに対して、たとえば特開平11−144996号公報(特許文献2)に記載されるような積層コンデンサについては、特許文献1に記載された内部クラック検出方法を適用しても、内部クラックを確実に検出できないことがある。
特許文献2では、多数の外部端子電極を備え、1つの内部電極について、複数の引出し部を有し、各引出し部にそれぞれ外部端子電極が電気的に接続された構造を有する、等価直列インダクタンス(ESL)の低減が図られた積層コンデンサが記載されている。このような積層コンデンサにおいて、1つの内部電極から引き出された複数の引出し部のうち、たとえば1つの引出し部を分断するようなクラックが発生していたとしても、測定に用いる外部端子電極の組合せによっては、静電容量あるいは誘電損失の測定値に異常が無く、内部クラックが無いと判定してしまうことがある。
特開平7−161570号公報 特開平11−144996号公報
そこで、この発明の目的は、複数の引出し部を有する内部電極を備える積層コンデンサについて、クラックのような構造欠陥の有無を、高い信頼性をもって判定できる方法を提供しようとすることである。
上述した構造欠陥有無判定方法は、これを、積層コンデンサに撓み負荷をかけながら実施し、積層コンデンサについての撓み限界を評価する場合にも適用できる。そこで、この発明の他の目的は、信頼性の高い、積層コンデンサの撓み限界評価方法を提供しようとすることである。
また、上述した構造欠陥有無判定方法は、接続されるべき外部端子電極を選ぶことにより、これを、積層コンデンサについての構造欠陥が生じている箇所を推定する方法にも適用することができる。そこで、この発明のさらに他の目的は、信頼性の高い、積層コンデンサの構造欠陥箇所推定方法を提供しようとすることである。
この発明は、次のような構成を備える積層コンデンサに対して適用される。
すなわち、積層コンデンサは、相対向する2つの主面およびこれら主面間を連結する4つの側面を有する直方体状のコンデンサ本体を備えている。コンデンサ本体は、主面の方向に延びる複数の誘電体層、ならびにコンデンサユニットを形成するように特定の誘電体層を介して互いに対向する少なくとも1対の第1および第2の内部電極を備えている。第1および第2の内部電極は、それぞれ、側面のいずれか上にまで引き出される引出し部を形成しており、第1および第2の内部電極の少なくとも一方は、複数の引出し部を形成している複数引出し内部電極である。引出し部が引き出されたコンデンサ本体の側面上には、各引出し部にそれぞれ電気的に接続される外部端子電極が設けられている。
このような構成の積層コンデンサを対象としながら、この発明に係る構造欠陥有無判定方法は、複数引出し内部電極に形成される複数の引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の外部端子電極のうち、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りの少なくとも1つの第2の外部端子電極へと直流電流を流すことによって、直流抵抗値または直流電流値を測定し、その値に基づいて構造欠陥の有無を判定することを特徴としている。
上述の構造欠陥有無判定方法において、直流抵抗値または直流電流値を測定するとき、複数引出し内部電極に形成される複数の引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の外部端子電極のうち、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りのすべての第2の外部端子電極へと直流電流を流すようにすることが好ましい。
この発明に係る積層コンデンサの撓み限界評価方法は、前述した構成の積層コンデンサを対象としながら、積層コンデンサを基板上に実装し、基板に撓み負荷をかけかつ当該撓み負荷を次第に増大させることによって、積層コンデンサを次第に大きい撓み量で撓ませながら、複数引出し内部電極に形成される複数の引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の外部端子電極のうち、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りの少なくとも1つの第2の外部端子電極へと直流電流を流すことによって、直流抵抗値または直流電流値を測定し、その値が急激に変化した時点での撓み量をもって撓み限界と評価することを特徴としている。
上述した撓み限界評価方法においても、直流抵抗値または直流電流値を測定するとき、複数引出し内部電極に形成される複数の引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の外部端子電極のうち、少なくとも1つの外部端子電極から残りのすべての第2の外部端子電極へと直流電流を流すようにすることが好ましい。
この発明に係る構造欠陥箇所推定方法は、前述したような構成の積層コンデンサを対象としながら、複数引出し内部電極に形成される複数の引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の外部端子電極のうち、1つの第1の外部端子電極から残りの少なくとも1つの第2の外部端子電極へと直流電流を流すことによって直流抵抗値または直流電流値を測定することを、外部端子電極の複数の組合せの各々について実施し、外部端子電極の複数の組合せの各々について測定された値を比較して、異常に高い値を示したものがある場合、この異常に高い値を示した組合せに関与する外部端子電極に接続される引出し部またはその近傍において構造欠陥が生じていると推定することを特徴としている。
この発明に係る積層コンデンサの構造欠陥有無判定方法によれば、複数引出し内部電極について、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りの少なくとも1つの第2の外部端子電極へと直流電流を流すことによって、直流抵抗値または直流電流値を測定し、その値に基づいて構造欠陥の有無を判定するようにしているので、静電容量や誘電損失の測定による場合に比べて、信頼性の高い判定が可能である。
上述した直流抵抗値または直流電流値を測定するとき、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りのすべての第2の外部端子電極へと直流電流を流すようにすれば、すべての引出し部が関与した状態で直流抵抗値または直流電流値を測定することができるため、1回の測定により、構造欠陥の有無を確実に判定することができるようになる。
この発明に係る積層コンデンサの撓み限界評価方法によれば、積層コンデンサを次第に大きい撓み量で撓ませながら、複数引出し内部電極について、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りの少なくとも1つの第2の外部端子電極へと直流電流を流すことによって、直流抵抗値または直流電流値を測定し、その値が急激に変化した時点での撓み量をもって撓み限界と評価するようにしているので、たとえば静電容量や誘電損失を測定する場合に比べて、信頼性の高い評価が可能である。
上述した撓み限界評価方法において、直流抵抗値または直流電流値を測定するとき、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りのすべての第2の外部端子電極へと直流電流を流すようにすれば、すべての引出し部が関与した状態で直流抵抗値または直流電流値を測定することができるので、1回の測定によって撓み限界を確実に評価することができるようになる。
この発明に係る積層コンデンサの構造欠陥箇所推定方法によれば、複数引出し内部電極について、1つの第1の外部端子電極から残りの少なくとも1つの第2の外部端子電極へと直流電流を流すことによって直流抵抗値または直流電流値を測定することを、外部端子電極の複数の組合せの各々について実施し、これら組合せの各々について測定された直流抵抗値または直流電流値を比較して、異常に高い値を示したものがある場合、この異常に高い値を示した組合せに関与する外部端子電極に接続される引出し部またはその近傍において構造欠陥が生じていると推定するようにしているので、高い信頼性をもって、構造欠陥が生じている箇所を推定することができる。
図1には、この発明の対象となる積層コンデンサの一例が示されている。ここで、図1(a)は、積層コンデンサ1の外観を示す平面図であり、同(b)は、積層コンデンサ1の内部構造を第1の断面をもって示す平面図であり、同(c)は、積層コンデンサ1の内部構造を第1の断面とは異なる第2の断面をもって示す平面図である。
積層コンデンサ1は、相対向する2つの主面2および3ならびにこれら主面2および3間を連結する4つの側面4、5、6および7を有する直方体状のコンデンサ本体8を備えている。コンデンサ本体8は、主面2および3の方向に延びる、たとえば誘電体セラミックからなる複数の誘電体層9、ならびにコンデンサユニットを形成するように特定の誘電体層9を介して互いに対向する少なくとも1対の第1および第2の内部電極10および11を備えている。
第1の内部電極10が図1(b)に示されているように、図1(b)は、第1の内部電極10が通る断面を示している。また、第2の内部電極11が図1(c)に示されているように、図1(c)は、第2の内部電極11が通る断面を示している。
第1の内部電極10は、相対向する2つの側面4および6の各々上にまでそれぞれ引き出される4つの引出し部12、13、14および15を形成している。これら引出し部12〜15が引き出された側面4および6の各々上には、引出し部12〜15に電気的に接続される外部端子電極16、17、18および19がそれぞれ設けられている。
他方、第2の内部電極11は、相対向する2つの側面4および6の各々上までそれぞれ引き出される4つの引出し部20、21、22および23を形成している。これら引出し部20〜23は、上述した引出し部12〜15が引き出された位置とは異なる位置にまで引き出されている。また、引出し部20〜23が引き出された側面4および6の各々上には、引出し部20〜23に電気的に接続される外部端子電極24、25、26および27がそれぞれ設けられている。
外部端子電極24〜27は、前述した外部端子電極16〜19がそれぞれ設けられた位置とは異なる位置に位置していて、複数の外部端子電極16〜19と複数の外部端子電極24〜27とは、交互に隣り合うように配置されている。
なお、積層コンデンサ1がより大きな静電容量を与え得るようにするため、第1の内部電極10と第2の内部電極11とが対向する部分の数は複数とされ、複数のコンデンサユニットを形成するようにされる。たとえば、第1および第2の内部電極10および11の組の数が複数とされる。
このような積層コンデンサ1において、内部電極10および11の各々が複数の引出し部12〜15および20〜23を備え、これら引出し部12〜15および20〜23の各々にそれぞれ電気的に接続されるように、外部端子電極16〜19および24〜27が設けられているので、内部電極10および11に流れる電流を種々の方向に向けることができる。そのため、電流によって誘起される磁束が相殺され、自己インダクタンスの発生が抑制され、その結果、等価直列インダクタンス(ESL)の低減が図られる。
上記の積層コンデンサ1について、その構造欠陥の有無を判定する方法について説明する。
この構造欠陥有無判定方法では、積層コンデンサに備える内部電極のうち、複数の引出し部を形成している内部電極、すなわち複数引出し内部電極に注目される。図1に示した積層コンデンサ1については、第1および第2の内部電極10および11が双方とも複数引出し内部電極であるので、構造欠陥有無判定方法を実施するにあたっては、第1および第2の内部電極10および11の一方または双方が注目される。
図2は、構造欠陥有無判定方法を実施している際の結線状態の一例を示す図である。図2において、図1(a)に示した積層コンデンサ1が示され、図1(a)に示した要素に相当の要素には同様の参照符号が付されている。
図1(b)に示すように、第1の内部電極10に形成される複数の引出し部12〜15にそれぞれ電気的に接続される複数の外部端子電極16〜19は、2つのグループに分けられる。この実施形態では、外部端子電極16および17からなる第1グループと外部端子電極18および19からなる第2グループとに分けられる。そして、第1グループの外部端子電極16および17が共通に直流電源31の一方端に接続され、第2グループの外部端子電極18および19が共通に直流電源31の他方端に接続される。
この状態で、第1のグループの外部端子電極16および17から第2のグループの外部端子電極18および19へと直流電流を流すことによって、直流抵抗値が測定される。この直流抵抗値に関して、引出し部12〜15のいずれかまたはその近傍においてクラック等の構造欠陥が生じていて、これが引出し部12〜15のいずれかを分断している場合には、測定された直流抵抗値が異常に高くなる。このことから、測定された直流抵抗値に基づいて構造欠陥の有無を判定することができる。
上述した実施形態では、直流電源31の一方端に外部端子電極16および17が接続され、直流電源31の他方端に外部端子電極18および19が接続されたが、たとえば、直流電源31の一方端に外部端子電極16のみが接続され、直流電源31の他方端に外部端子電極17〜19が接続されるというように、直流電源31の一方端および他方端にそれぞれ接続される外部端子電極16〜19の各グループは互いに同数でなくてもよい。
また、上述した実施形態では、直流電源31の一方端に外部端子電極16および17が接続されたとき、直流電源31の他方端には残りのすべての外部端子電極である外部端子電極18および19が接続されたが、構造欠陥有無判定方法の信頼性が低下することが許容されるならば、たとえば、直流電源31の一方端に外部端子電極16のみが接続され、直流電源31の他方端に外部端子電極18のみが接続されてもよい。
また、図1(c)に示すように、第2の内部電極11に形成される複数の引出し部20〜23にそれぞれ電気的に接続される複数の外部端子電極24〜27についても、図2に示すように、直流電源32に接続して、直流抵抗値を測定し、当該直流抵抗値に基づいて構造欠陥の有無を判定するようにしてもよい。
前述した直流電源31による直流抵抗値の測定と上述の直流電源32による直流抵抗値の測定とは、これら両者を実施すれば、構造欠陥有無判定に関してより高い信頼性が得られるが、このような利点を望まないならば、いずれか一方のみが実施されてもよい。
次に、この発明に係る構造欠陥有無判定方法による判定の信頼性を確認するために実施した実験例について説明する。
この実験例では、図1に示すような構造の積層コンデンサ1であって、良品の場合には、静電容量が10nFであり、図2に示すような結線状態で測定した直流抵抗値が32mΩのものを用いた。
実施例では、図2に示した結線状態によって直流抵抗値を測定し、それが40mΩを越えたものを構造欠陥がある、すなわち不良と判定した。
比較例1では、特許文献1に記載の方法に基づいて、静電容量が9nF未満となったものを不良と判定した。
比較例2では、超音波探傷装置によって構造欠陥が確認されたものを不良とした。
これら実施例、比較例1および比較例2の各々において、不良として検出された試料数が、表1の「検出した初期不良数」の欄に示されている。
次いで、実施例、比較例1および比較例2の各々について、不良として検出されなかった試料について、信頼性試験を実施し、その結果、不良となった試料数を求めた。この結果が、表1の「信頼性試験後の不良数」の欄に示されている。
Figure 0004529833
表1に示すように、比較例1および比較例2では、「信頼性試験後の不良数」が比較的多いのに対し、実施例では、これが0個となっている。このことから、実施例による構造欠陥有無判定方法は、高い信頼性を有していることがわかる。
次に、図1に示した積層コンデンサ1について、その撓み限界を評価する方法について説明する。
撓み限界評価方法では、積層コンデンサ1を基板上に実装し、基板に撓み負荷をかけかつ当該撓み負荷を次第に増大させることによって、積層コンデンサ1を次第に大きい撓み量で撓ませることを除けば、前述した構造欠陥有無判定方法の場合と同様の結線状態が適用される。すなわち、図2に示した結線状態は、撓み限界評価方法においても採用される。
図2を参照して、外部端子電極16および17が共通に直流電源31の一方端に接続され、外部端子電極18および19が共通に直流電源32の他方端に接続されることによって、外部端子電極16および17から外部端子電極18および19へと直流電流が流され、直流抵抗値が測定される。
また、外部端子電極24および25が共通に直流電源32の一方端に接続され、外部端子電極26および27が共通に直流電源32の他方端に接続されることによって、外部端子電極24および25から外部端子電極26および27へと直流電源が流され、直流抵抗値が測定される。
上述のような直流抵抗値の測定は、前述したように、積層コンデンサ1を次第に大きい撓み量で撓ませながら実施される。そして、測定されている直流抵抗値が急激に変化した時点での撓み量をもって撓み限界と評価される。
この撓み限界評価方法においても、前述した構造欠陥有無判定方法の場合と同様、図2に一例を示した結線状態に関して、種々の変形が可能である。
次に、上述した撓み限界評価方法を具体的に実施した実験例について説明する。
Figure 0004529833
表2には、JIS C 5101−10:1999「電子機器用固定コンデンサ−第10部:品種別通則:固定積層磁器チップコンデンサ」における「耐プリント板曲げ性」に準じた方法で、撓み量を次第に大きくしながら測定した直流抵抗の測定値が示されている。表2において、「第1の直流抵抗」は、図2における直流電源31からの直流電流による直流抵抗値の測定結果であり、「第2の直流抵抗」は、直流電源32からの直流電流による直流抵抗値の測定結果であり、これら「第1の直流抵抗」および「第2の直流抵抗」は同時に測定されたものである。
表2に示すように、撓み量が増加しても、それが4.2mmに達するまでは、第1および第2の直流抵抗値の各々は、35〜36mΩ近辺に留まっている。しかしながら、撓み量が4.2mmに達したとき、第1および第2の直流抵抗値は、ともに、54mΩ前後にまで急激に大きくなっている。このことから積層コンデンサ1の撓み限界は、4.2mmであると評価することができる。
なお、撓み量が4.2mmに達し、直流抵抗値が急激に増大した試料について、研磨を行ない、クラックの有無を評価したところ、クラックの存在が認められた。
次に、図1に示した積層コンデンサ1について、その構造欠陥が生じている箇所を推定する方法について説明する。
構造欠陥箇所推定方法においても、複数引出し内部電極に注目される。図3は、構造欠陥箇所推定方法を実施している際の結線状態の一例を示す図である。図3には、図1(a)に示した積層コンデンサ1が示され、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号が付されている。
図3に示した実施形態では、上述の複数引出し内部電極として、図1(b)に示した第1の内部電極10が選択される。第1の内部電極10には、複数の引出し部12〜15が形成され、これら引出し部12〜15にそれぞれ外部端子電極16〜19が電気的に接続されている。
図3に示した結線状態では、上述した外部端子電極16〜19のうち、1つの外部端子電極16が直流電源41の一方端に接続され、残りの3つの外部端子電極17〜19が共通して直流電源41の他方端に接続されている。したがって、図3に示した結線状態では、外部端子電極16から外部端子電極17〜19へと直流電源が流され、それによって直流抵抗値が測定される。
次に、結線状態が変更され、外部端子電極17から外部端子電極16、18および19へと直流電源が流れるようにされ、その状態で直流抵抗値が測定され、次いで、外部端子電極18から外部端子電極16、17および19へと直流電流が流れるようにされ、その状態で直流抵抗値が測定され、次いで、外部端子電極19から外部端子電極16〜18へと直流電流が流れるようにされ、その状態で直流抵抗値が測定される。
このように外部端子電極16〜19の複数の組合せの各々について直流抵抗値の測定を行ない、これら直流抵抗値を比較して、異常に高い値を示したものがあるかどうかが確認され、異常に高い値を示したものがある場合には、この異常に高い値を示した組合せに関与する外部端子電極に接続される引出し部またはその近傍において構造欠陥が生じていると推定される。
一例について、表3を参照して説明する。
Figure 0004529833
表3には、外部端子電極の組合せが、外部端子電極を示す参照符号「16」〜「19」をもって示されている。表3に示した結果によれば、外部端子電極の組合せに関して、「18」と「16+17+19」との組合せ、より詳細には、外部端子電極18から外部端子電極16、17および19へと直流電流を流すような組合せにおいて、直流抵抗値が異常に高い値を示している。このことから、外部端子電極18に接続される引出し部14(図1(b)参照)またはその近傍において構造欠陥が生じていると推定することができる。
上述した外部端子電極16〜19の組合せは、1つの外部端子電極と他の1つの外部端子電極との組合せであってもよい。表4には、このような組合せの例が示されている。
Figure 0004529833
表4では、外部端子電極16から外部端子電極18へと直流電流を流したとき、外部端子電極17から外部端子電極18へと直流電流を流したとき、および外部端子電極18から外部端子電極19へと直流電流を流したとき、直流抵抗値が異常に高い値を示している。このことから、外部端子電極18が直流抵抗値を異常に高くしたことに関与していることがわかり、この外部端子電極18に接続される引出し部14またはその近傍において構造欠陥が生じていると推定できる。
上述したような構造欠陥箇所推定方法は、第2の内部電極14に関連して実施されてもよく、第1および第2の内部電極10および11の双方について実施されてもよい。
以上、この発明に係る積層コンデンサの構造欠陥有無判定方法、撓み限界評価方法および構造欠陥箇所推定方法の各々の好ましい実施形態について説明したが、この発明は、これら実施形態に限定されるものではない。たとえば、適用される積層コンデンサに関しては、内部電極の引出し部の数、引出し部の位置等に関して、種々に変更することができる。
また、上記実施形態では、直流抵抗値で比較したが、これに代えて、直流電流値を用いても同様の結果が得られる。
この発明が適用される積層コンデンサの一例を示すもので、(a)は、積層コンデンサ1の外観を示す平面図であり、(b)は、積層コンデンサ1の内部構造を第1の内部電極10が通る断面をもって示す平面図であり、(c)は、積層コンデンサ1の内部構造を第2の内部電極11が通る断面をもって示す平面図である。 この発明による構造欠陥有無判定方法および撓み限界評価方法を実施している際の結線状態の一例を示す図である。 この発明による構造欠陥箇所推定方法を実施している際の結線状態の一例を示す図である。
符号の説明
1 積層コンデンサ
2,3 主面
4〜7 側面
8 コンデンサ本体
9 誘電体層
10,11 内部電極
12〜15,20〜23 引出し部
16〜19,24〜27 外部端子電極
31,32,41 直流電源

Claims (5)

  1. 相対向する2つの主面およびこれら主面間を連結する4つの側面を有する直方体状のコンデンサ本体を備え、前記コンデンサ本体は、前記主面の方向に延びる複数の誘電体層、ならびにコンデンサユニットを形成するように特定の前記誘電体層を介して互いに対向する少なくとも1対の第1および第2の内部電極を備え、前記第1および第2の内部電極は、それぞれ、前記側面のいずれか上にまで引き出される引出し部を形成しており、前記第1および第2の内部電極の少なくとも一方は、複数の前記引出し部を形成している複数引出し内部電極であり、前記引出し部が引き出された前記側面上には、各前記引出し部にそれぞれ電気的に接続される外部端子電極が設けられている、積層コンデンサについての構造欠陥の有無を判定する方法であって、
    前記複数引出し内部電極に形成される複数の前記引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の前記外部端子電極のうち、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りの少なくとも1つの第2の外部端子電極へと直流電流を流すことによって、直流抵抗値または直流電流値を測定し、その値に基づいて構造欠陥の有無を判定する、積層コンデンサの構造欠陥有無判定方法。
  2. 前記直流抵抗値または直流電流値を測定するとき、前記複数引出し内部電極に形成される複数の前記引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の前記外部端子電極のうち、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りのすべての第2の外部端子電極へと直流電流を流すことが行なわれる、請求項1に記載の積層コンデンサの構造欠陥有無判定方法。
  3. 相対向する2つの主面およびこれら主面間を連結する4つの側面を有する直方体状のコンデンサ本体を備え、前記コンデンサ本体は、前記主面の方向に延びる複数の誘電体層、ならびにコンデンサユニットを形成するように特定の前記誘電体層を介して互いに対向する少なくとも1対の第1および第2の内部電極を備え、前記第1および第2の内部電極は、それぞれ、前記側面のいずれか上にまで引き出される引出し部を形成しており、前記第1および第2の内部電極の少なくとも一方は、複数の前記引出し部を形成している複数引出し内部電極であり、前記引出し部が引き出された前記側面上には、各前記引出し部にそれぞれ電気的に接続される外部端子電極が設けられている、積層コンデンサについての撓み限界を評価する方法であって、
    前記積層コンデンサを基板上に実装し、前記基板に撓み負荷をかけかつ当該撓み負荷を次第に増大させることによって、前記積層コンデンサを次第に大きい撓み量で撓ませながら、前記複数引出し内部電極に形成される複数の前記引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の前記外部端子電極のうち、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りの少なくとも1つの第2の外部端子電極へと直流電流を流すことによって、直流抵抗値または直流電流値を測定し、その値が急激に変化した時点での撓み量をもって撓み限界と評価する、積層コンデンサの撓み限界評価方法。
  4. 前記直流抵抗値または直流電流値を測定するとき、前記複数引出し内部電極に形成される複数の前記引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の前記外部端子電極のうち、少なくとも1つの第1の外部端子電極から残りのすべての第2の外部端子電極へと直流電流を流すことが行なわれる、請求項3に記載の積層コンデンサの撓み限界評価方法。
  5. 相対向する2つの主面およびこれら主面間を連結する4つの側面を有する直方体状のコンデンサ本体を備え、前記コンデンサ本体は、前記主面の方向に延びる複数の誘電体層、ならびにコンデンサユニットを形成するように特定の前記誘電体層を介して互いに対向する少なくとも1対の第1および第2の内部電極を備え、前記第1および第2の内部電極は、それぞれ、前記側面のいずれか上にまで引き出される引出し部を形成しており、前記第1および第2の内部電極の少なくとも一方は、複数の前記引出し部を形成している複数引出し内部電極であり、前記引出し部が引き出された前記側面上には、各前記引出し部にそれぞれ電気的に接続される外部端子電極が設けられている、積層コンデンサについての構造欠陥が生じている箇所を推定する方法であって、
    前記複数引出し内部電極に形成される複数の前記引出し部にそれぞれ電気的に接続される複数の前記外部端子電極のうち、1つの第1の外部端子電極から残りの少なくとも1つの第2の外部端子電極へと直流電流を流すことによって直流抵抗値または直流電流値を測定することを、前記外部端子電極の複数の組合せの各々について実施し、前記外部端子電極の複数の組合せの各々について測定された値を比較して、異常に高い値を示したものがある場合、この異常に高い値を示した組合せに関与する前記外部端子電極に接続される前記引出し部またはその近傍において構造欠陥が生じていると推定する、積層コンデンサの構造欠陥箇所推定方法。
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