JP4529691B2 - 基材の分割方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

基材の分割方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4529691B2
JP4529691B2 JP2005002323A JP2005002323A JP4529691B2 JP 4529691 B2 JP4529691 B2 JP 4529691B2 JP 2005002323 A JP2005002323 A JP 2005002323A JP 2005002323 A JP2005002323 A JP 2005002323A JP 4529691 B2 JP4529691 B2 JP 4529691B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting line
planned cutting
base material
silicon wafer
planned
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005002323A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006187973A (ja
Inventor
さとみ 柳沢
伸彦 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2005002323A priority Critical patent/JP4529691B2/ja
Publication of JP2006187973A publication Critical patent/JP2006187973A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4529691B2 publication Critical patent/JP4529691B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、例えばシリコンウェハー等の基材に切断予定線を設定し、この切断予定線に沿って基材を切断して複数のパーツに分割する基材の分割方法、及び、この基材を利用した液体噴射ヘッドに関する。
例えば、インクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を代表とする液体噴射ヘッドの構成部材などは、加工密度や加工精度の向上が要求される。そのため、これらの基材としては、エッチングによって微細な形状を寸法精度良く形成可能な、シリコン等が好適に用いられる。
上記記録ヘッドの場合を例に挙げると、基材としての略円形状のシリコンウェハー上に、切断予定線を縦横に設定することで構成部材(パーツ)となる領域を複数区画し、切断予定線上にエッチングによって複数の小さな貫通孔を開設してブレイクパターンを形成する。このブレイクパターンにおける隣り合う貫通孔同士を隔てる部分が脆弱部となり、この脆弱部を破断することでシリコンウェハーを切断予定線に沿って切断し、複数のパーツに分割する。シリコンウェハーを分割する方法としては、伸張性を有するシート部材(ダイシングテープ)をシリコンウェハーの表面に貼着し、このシート部材をシリコンウェハーの面方向に放射状に伸張させることでブレイクパターンで切断させる所謂エキスパンドブレイクという方法がある(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−11442号公報
ところで、上記エキスパンドブレイクにおけるシート部材では、シリコンウェハーに密着していない部分が主に伸張し、シリコンウェハーと密着している部分の伸張は少ない。そのため、例えば、シリコンウェハーに設定された切断予定線のうち、シリコンウェハーの内側(中心寄り)の切断予定線が、外側のものよりも先に切断されてしまうと、その後シート部材を伸張させても、切断部分に対応する部分ばかりが伸張してしまい、切断された部分よりも外側の切断予定線にはシート部材の張力が殆ど作用しなくなる。その結果、この外側の切断予定線が切断されず、シリコンウェハーに分割されない部分が生じてしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エキスパンドブレイクによる分割の際に、基材に設定された全ての切断予定線に沿って、より確実に切断して分割残りを防止することが可能な基材の分割方法、及び、液体噴射ヘッドを提供することにある。
本発明の基材の分割方法は、上記目的を達成するために提案されたものであり、基材の表面に切断予定線を設定し、該切断予定線に沿って貫通孔を複数開設して隣り合う貫通孔の間を脆弱部とし、該脆弱部を破断することで切断予定線に沿って前記基材を切断して複数のパーツに分割する基材の分割方法であって、
前記基材の外側に位置する切断予定線ほど、内側に位置する切断予定線よりも脆弱部の切断予定線方向の幅を短くしたことを特徴とする。
上記構成によれば、より外側の切断予定線ほど、より切断され易くなるので、エキスパンドブレイクによる分割の際に、外側の切断予定線から優先的に切断されるようにすることができる。そのため、内側の切断予定線が外側の切断予定線よりも先に切断されてこの外側の切断予定線が切断されないといった不具合を防止することができ、その結果、基材をより確実に分割することが可能となる。
上記構成において、切断予定線における外側の脆弱部の幅を、当該切断予定線の中心側の脆弱部の幅よりも短くすることが望ましい。
この構成によれば、切断予定線において、より外側の脆弱部ほど脆弱になるので、エキスパンドブレイクによる分割の際に、外側の脆弱部から順次破断されるようにすることができる。これにより、比較的長い切断予定線でも、先に外側の脆弱部を破断させることで、その後は内側の脆弱部に応力を集中させることができ、同一長さの切断予定線を一遍に切断するより場合よりも確実に切断させることが可能となる。
上記構成において、他の切断予定線との交点を境にして脆弱部の幅を異ならせるのが望ましい。
また、本発明の液体噴射ヘッドは、液体を吐出するノズル開口に通ずる圧力発生室又は共通液体室の少なくとも一方の液体流路となる部分が形成された流路形成部材が、上記の何れかの構成の分割方法で分割して得られたパーツにより構成されていることを特徴とする。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面等を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の説明は、本発明の液体噴射ヘッドとして、インクジェット式記録装置(液体噴射装置の一種。以下、単にプリンタという)に搭載されるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を例に挙げて行う。
図1は、本実施形態における記録ヘッド1の概略斜視図、図2は、記録ヘッド1の要部断面図である。例示した記録ヘッド1は、カートリッジ基台2(以下、「基台」という)、駆動用基板5、ケース10、流路ユニット11、及び、アクチュエータユニット13を主な構成要素としている。基台2は、例えば、エポキシ系樹脂等の合成樹脂によって成型されており、その上面にはフィルタ3を介在させた状態でインク導入針4が複数取り付けられている。これらのインク導入針4には、インクを貯留したインクカートリッジ(図示せず)が装着されるようになっている。
駆動用基板5は、図示せぬプリンタ本体側からの駆動信号を圧電振動子19へ供給するための配線パターンが形成されると共に、プリンタ本体側との接続のためのコネクタ6や抵抗やコンデンサ等の電子部品8等を実装している。コネクタ6にはFFC(フレキシブルフラットケーブル)等の配線部材が接続され、駆動用基板5は、このFFCを介してプリンタ本体側から駆動信号を受けるようになっている。そして、この駆動用基板5は、パッキンとして機能するシート7を介在させた状態で、インク導入針4とは反対側の基台2の底面側に配置される。
ケース10は、合成樹脂製の中空箱体状部材であり、先端面(下面)には流路ユニット11を接合し、内部に形成された収容空部12内にはアクチュエータユニット13を収容し、流路ユニット11側とは反対側の基板取付面14には駆動用基板5を取り付けるようになっている。また、このケース10の先端面側には、金属製の薄板部材によって作製されたヘッドカバー16が、流路ユニット11の外側からその周縁部を包囲するように取り付けられる。このヘッドカバー16は、流路ユニット11やケース10を保護すると共に、流路ユニット11のノズルプレート25を接地電位に調整し、記録紙等から発生する静電気によるノイズ等の障害を防止する機能を果たす。
上記アクチュエータユニット13は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子19(圧力発生素子の一種)と、この圧電振動子19が接合される固定板20と、駆動用基板5からの駆動信号を圧電振動子19に伝達するための、TCP(テープキャリアパッケージ)等の配線部材21等から構成される。各圧電振動子19は、固定端部側が固定板20上に接合され、自由端部側が固定板20の先端面よりも外側に突出している。即ち、各圧電振動子19は、所謂片持ち梁の状態で固定板20上に取り付けられている。また、各圧電振動子19を支持する固定板20は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。そして、アクチュエータユニット13は、固定板20の背面を、収納空部12を区画するケース内壁面に接着することで収納空部12内に収納・固定されている。
流路ユニット11は、弾性板23、流路形成基板24(本発明における流路形成部材に相当)、及びノズルプレート25を積層した状態で接着剤等で接合して一体化することにより作製されており、共通インク室27(本発明における共通液体室に相当)からインク供給口28及び圧力発生室29を通り、インクが吐出されるノズル開口30に至るまでの一連のインク流路(本発明における液体流路に相当)が形成された部材である。流路形成基板24は、インク流路となる部分、具体的には、共通インク室27となる空部、インク供給口28となる溝部、及び、ノズル開口30に通ずる圧力発生室29となる空部を隔壁で区画した状態で、ノズルプレート25に開設されたノズル開口30に対応させて複数形成した板状の部材である。本実施形態において、流路形成基板24は、基材であるシリコンウェハーをエッチング処理することによって作製されている。
上記の圧力発生室29は、ノズル開口30の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。また、共通インク室27は、インクカートリッジに挿入されたインク導入針4側からのインクが導入される室である。そして、この共通インク室27に導入されたインクは、インク供給口28を通じて各圧力発生室29に供給される。弾性板23は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この弾性板23の圧力発生室29に対応する部分には、圧電振動子19の自由端部の先端を接合するための島部32が形成されており、この部分がダイヤフラム部として機能する。また、弾性板23は、共通インク室27となる空部の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部33としても機能する。このコンプライアンス部33に相当する部分については弾性フィルムだけにしている。
そして、この記録ヘッド1において、上記駆動用基板5から配線部材21を通じて駆動信号が供給されると、圧電振動子19が素子長手方向に伸縮し、これに伴い島部32が圧力発生室29に近接する方向或いは離隔する方向に移動する。これにより、圧力発生室29の容積が変化し、圧力発生室29内のインクに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル開口30からインク滴(液滴の一種)が吐出される。
図3は、上記流路形成基板24の基材となるシリコンウェハー35の平面図である。このシリコンウェハー35は、表面37が結晶方位面(110)面に設定され、厚さが流路形成基板24の厚さに等しい400μmに設定されたシリコン単結晶基板である。このシリコンウェハー35の表面37上に、流路形成基板24となる基板領域24´を複数(本実施形態では10箇所)区画し、各領域24´に上記インク流路となる部分をエッチングによって形成する。また、同じくエッチングによって細長く小さな貫通孔40(図4参照)を横方向の切断予定線L1上に複数穿設してブレイクパターンが形成されている。また、この切断予定線L1に直交する縦方向の切断予定線L2上にも、同様にして貫通孔を複数列設することでブレイクパターンが形成されている。
図3における切断予定線L1は、(110)面上であって、この(110)面に直交する第1の(111)面の面方向に設定されている。この切断予定線L1は、本実施形態においては、シリコンウェハー35における最も外側に位置する第1切断予定線L1a、この第1切断予定線L1aに対して平行且つ1つ内側(シリコンウェハー35の中心C寄り)に位置する第2切断予定線L1b、及び、最も内側、即ち、シリコンウェハー35の中心Cを通り、切断予定線L1a,L1bに平行な第3切断予定線L1cから構成されている。また、縦方向の切断予定線L2は、第1の(111)面に垂直な軸方向に設定されている。なお、第1の(111)面は、エッチング処理における基準面となるオリエンテーションフラット(所謂オリフラ)OFを構成している。
図4は、シリコンウェハー35における切断予定線L1上に形成されたブレイクパターンの構成を説明する一部拡大図である。なお、同図では、切断予定線L1のうち、第2切断予定線L1bの場合を例示している。
本実施形態においては、ブレイクパターンの周囲を、シリコンウェハー35の厚さ方向の途中までエッチング(所謂ハーフエッチング)することで、他の部分よりも薄い薄肉部41を設けている。そして、切断予定線L1において隣り合う貫通孔40同士を隔てる部分が脆弱部48となり、この脆弱部48と貫通孔40とを交互に複数配置してブレイクパターンが構成されている。このブレイクパターンにおける貫通孔40は、第1の(111)面42を長辺とし、該第1の(111)面42に交差すると共に(110)面に直交する第2の(111)面43を短辺とした、細長い平行四辺形状に形成されている。上記第2の(111)面43は、第1の(111)面42に対して(110)面(表面37)上で約70°の角度で交差する。なお、この貫通孔40の形状は一例であって、例示したものには限定されない。
そして、このようなブレイクパターンが形成されたシリコンウェハー35に外力を加えると、脆弱部48が破断する。これによりシリコンウェハー35は、切断予定線に沿って切断され、個々のパーツ、即ち、流路形成基板24に分割されるようになっている。本実施形態では、シリコンウェハー35を分割する方法としては、伸張性を有するシート部材(ダイシングテープ)を分割前のシリコンウェハー35の表面に貼着し、このシート部材をシリコンウェハー35の面方向に放射状に伸張させることでブレイクパターンを破断させる所謂エキスパンドブレイクが採用されている。
ところで、上記エキスパンドブレイクによってシリコンウェハー35を分割する際、例えば、各切断予定線L1a〜L1cのうちの第2切断予定線L1bが、これよりも外側の第1切断予定線L1aよりも先に切断されてしまうと、その後シート部材をいくら伸張させても、切断部分に対応する部分ばかりが伸びてしまう。その結果、第1切断予定線L1aにはシート部材の張力が作用し難くなり、この第1切断予定線L1aが切断できなくなるという問題が生じる。
そこで、上記シリコンウェハー35の外側に位置する切断予定線ほど、内側の切断予定線よりも脆弱部48の切断予定線方向の幅W(図4参照)を短く設定することで、外側の切断予定線ほど脆弱にし、エキスパンドブレイクの際に、外側の切断予定線から優先的に切断されるようにしている。そして、本実施形態においては、貫通孔40の形状を工夫することで脆弱部48の幅を調整するようにしている。具体的には、シリコンウェハー35の表面37、つまり(110)面をエッチングによって浸食させると、この(110)面に対して傾斜した第3の(111)面44が出現するが、この第3の(111)面44を利用して脆弱部48の幅を調整する。以下、この点について、より詳細に説明する。なお、以下では、横方向の切断予定線L1を例に挙げて説明するが、縦方向の切断予定線L2についても本発明を適用することができる。
図5(a)〜(e)は、第2切断予定線L1bにおける貫通孔40の形成過程を説明する状態遷移図、図6(a)〜(e)は、図5の各状態におけるA−A´線断面図である。切断予定線に沿って貫通孔40を開設してブレイクパターンを作製するためには、まず、熱酸化処理によって、シリコンウェハー35の表面37(表側と裏側の(110)面)に、厚さ1μm〜2μm程度のシリコン酸化膜(SiO)49(以下、単に酸化膜49という。)を形成する。酸化膜49を形成する方法としては、例示したものには限らず、他の方法、例えば、CVD(化学蒸着法)やイオン注入法などを採用することもできる。また、シリコン酸化膜には限らず、ホウ素やガリウム原子を添加した所謂p型シリコン膜や、ヒ素やアンチモン原子を添加したn型シリコン膜などを形成しても良い。
その後、樹脂レジストを用いて、貫通孔40に対応する部分が開口したレジストパターンを設け、フッ化水素酸(所謂フッ酸)水溶液などのエッチング溶液によって、開口部に露出した酸化膜49を除去することで、図5(a)、図6(a)に示すように、エッチングに対するマスクパターンを形成する。
酸化膜49によるマスクパターンを形成したならば、例えば、温度78℃、濃度20重量%に調整された水酸化カリウム(KOH)水溶液からなるエッチング溶液を用いて、シリコンウェハー35の表面37(表側と裏側の(110)面)を異方性エッチングする(第1エッチング工程)。この第1エッチング工程を開始すると、図5(b)、図6(b)に示すように、表面37((110)面)に対して約30度傾斜した第3の(111)面44が出現する。エッチングの浸食は、この第3の(111)面44に垂直な方向に、表側と裏側から同時に進行していき、しばらくするとシリコンウェハー35の厚さ方向を貫通する(図5(c)、図6(c))。本実施形態において、この第1エッチング工程は、160〜180分程度行われる。
次に、貫通孔40の周囲に薄肉部41を、貫通孔40の形成と同時進行で形成する。そのため、図5(d)、図6(d)に示すように、薄肉部41を形成する部分の酸化膜49を除去した後、さらにエッチングを進める(第2エッチング工程)。この第2エッチング工程では、温度78℃、濃度37重量%に調整された水酸化カリウム水溶液が用いられ、薄肉部41における表面37からの深さが80μmになるまで行われる。この例では、薄肉部41の深さが80μmに達した時点でエッチングを停止させると、図5(e)、図6(e)に示すように、第3の(111)面44の縁EGが鋭角部46の頂点に至る前に浸食が止まる。これにより、貫通孔40が形成されると共に、その鋭角部46には、第3の(111)面44から成る残存部47が形成される。例示した第2切断予定線L1bの場合、残存部47の大きさは、脆弱部48の幅W(図4参照)が250μmとなるように設定されている。なお、本実施形態において、脆弱部48の幅Wとは、貫通孔40における第2の(111)面43と残存部47の縁とが成す角の頂点Vと、隣の貫通孔40の頂点Vとの間の切断予定線L1方向の距離である(図4参照)。
上記残存部47の大きさは、上記第1エッチング工程のエッチング時間を変更することで調整することができる。つまり、第1エッチング工程におけるエッチング時間をより長く設定することで残存部47をより小さくすることができ、最終的には第3の(111)面44を全て浸食して残存部47を設けないようにすることもできる。また、逆に、第1エッチング工程におけるエッチング時間をより短くすることで残存部47の大きさをより大きくすることができる。なお、残存部47の大きさは、例示したエッチング時間のみに限らず、エッチング溶液の濃度や温度を変更することによっても調整することができる。
そして、第2切断予定線L1bよりも外側に位置する第1切断予定線L1aでは、図7(a)に示すように、第2切断予定線L1bよりも残存部47を小さく調整することで、脆弱部48の幅Wを最も短い210μmに設定する。また、第2切断予定線L1bよりも内側に位置する第3切断予定線L1cでは、図7(b)に示すように、第2切断予定線L1bよりも残存部47をより大きくすることで、脆弱部48の幅Wを最も長い300μmに設定する。このようにして、シリコンウェハー35の外側に位置する切断予定線ほど、内側の切断予定線よりも脆弱部48の切断予定線方向の幅を短く設定すると、外側の切断予定線ほど脆弱になる。これにより、エキスパンドブレイクの際に、外側の切断予定線から優先的に切断されるようにすることができる。これにより、全ての切断予定線を残すことなく切断することができ、より確実にシリコンウェハー35を個々のパーツに分割することが可能となる。
ここで、図8は、図3における領域Aの拡大図である。本実施形態においては、切断予定線の外側に位置する脆弱部48の幅Wを、この切断予定線の中心側の脆弱部48の幅Wよりも短くしている。例えば、図8に例示した第2切断予定線L1bの場合、縦方向の切断予定線L2との交点Pを境にして外側(図における左側)では、脆弱部48の幅Wを230μmに設定し、交点Pよりも中心側(図における右側)では、脆弱部48の幅Wを250μmに設定している。このようにすると、より外側の脆弱部48ほど脆弱になるので、エキスパンドブレイクによるシリコンウェハー35の分割時に、切断予定線の外側の脆弱部48から順次破断していく。これにより、比較的長い切断予定線でも、先に外側の脆弱部を破断させることで、その後は内側の脆弱部に応力を集中させることができ、同一長さの切断予定線を一度に切断する場合よりも確実に切断させることが可能となる。
以上の工程を経てブレイクパターンを形成したならば、次にエキスパンドブレイクによってシリコンウェハー35をブレイクパターンで切断し、個々のパーツ(流路形成基板24)に分割する(エキスパンドブレイク工程)。
図9は、このエキスパンドブレイク工程を説明する模式図である。エキスパンドブレイク工程では、まず、ブレイクパターンが形成されたシリコンウェハー35の表面に、伸張性を有するシート部材51(ダイシングテープ)を貼着する。このシート部材51の周縁部には、内径がシリコンウェハー35の外径(例えば、150mm)よりも大きく(例えば、180mm)設定された輪状の保持リング52が取り付けられている。
そして、シート部材51が貼着された状態のシリコンウェハー35は、図9(a)に示すように、テーブル53の上に載置され、その上方には、内径が保持リング52と揃えられたエキスパンドリング54が配置される。この状態でエキスパンドリング54を下方に降下させると、エキスパンドリング54が保持リング52に当接する。その後、エキスパンドリング54をさらに降下させると、これに伴って、図9(b)に示すように、シート部材51が伸張し、シリコンウェハー35は、中心から放射状に引っ張られる。これにより、シリコンウェハー35の外側の切断予定線から優先的に切断されていき、その結果、シリコンウェハー35は、全ての切断予定線で確実に切断され、個々のパーツに分割される。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
以上においては、記録ヘッド1の流路形成基板24が、シリコンウェハー35を分割して得られたパーツにより構成された例を示したが、これには限らず、例えば、シリコンウェハーを用いて半導体素子等を作製する場合においても、本発明を適用することができる。
また、流路形成基板24の基材としては、シリコンウェハー35に限らず、他の基材を用いることも可能である。
また、以上では、液体噴射ヘッドとして、インクジェット式記録ヘッド1を例に挙げて説明したが、本発明は他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも本発明を適用することができる。
記録ヘッドの構成を説明する分解斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 流路形成基板の基材となるシリコンウェハーの平面図である。 第2切断予定線に沿って形成されたブレイクパターンの構成を説明する拡大図である。 (a)〜(e)は、図4のブレイクパターンにおける貫通孔の形成過程を説明する状態遷移図である。 (a)〜(e)は、図5の各状態におけるA−A´線断面図である。 (a)は、第1切断予定線に沿って形成されたブレイクパターンの構成を説明する拡大図、(b)は、第3切断予定線に沿って形成されたブレイクパターンの構成を説明する拡大図である。 図3における領域Aの拡大図である。 (a)、(b)は、エキスパンドブレイクについて説明する模式図である。
符号の説明
1 記録ヘッド,2 カートリッジ基台,3 フィルタ,4 インク導入針,5 駆動用基板,6 コネクタ,7 シート,8 電子部品,10 ケース,11 流路ユニット,12 収容空部,13 アクチュエータユニット,14 基板取付面,16 ヘッドカバー,19 圧電振動子,20 固定板,21 フレキシブルケーブル,23 弾性板,24 流路形成基板,25 ノズルプレート,27 共通インク室28 インク供給口,29 圧力発生室,30 ノズル開口,32 島部,35 シリコンウェハー,37 シリコンウェハーの表面,40 貫通孔,42 第1の(111)面,43 第2の(111)面,44 第3の(111)面,46 鋭角部,47 残存部,48 脆弱部,49 酸化膜,51 シート部材,52 保持リング,53 テーブル,54 エキスパンドリング

Claims (4)

  1. 基材の表面に切断予定線を設定し、該切断予定線に沿って貫通孔を複数開設して隣り合う貫通孔の間を脆弱部とし、該脆弱部を破断することで切断予定線に沿って前記基材を切断して複数のパーツに分割する基材の分割方法であって、
    前記基材の外側に位置する切断予定線ほど、内側に位置する切断予定線よりも脆弱部の切断予定線方向の幅を短くしたことを特徴とする基材の分割方法。
  2. 切断予定線における外側の脆弱部の幅を、当該切断予定線の中心側の脆弱部の幅よりも短くしたことを特徴とする請求項1に記載の基材の分割方法。
  3. 前記切断予定線において、他の切断予定線との交点を境にして脆弱部の幅を異ならせたことを特徴とする請求項2に記載の基材の分割方法。
  4. 液体を吐出するノズル開口に通ずる圧力発生室又は共通液体室の少なくとも一方の液体流路となる部分が形成された流路形成部材が、請求項1から請求項3の何れかに記載の基材の分割方法で分割して得られたパーツにより構成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法
JP2005002323A 2005-01-07 2005-01-07 基材の分割方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法 Expired - Fee Related JP4529691B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005002323A JP4529691B2 (ja) 2005-01-07 2005-01-07 基材の分割方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005002323A JP4529691B2 (ja) 2005-01-07 2005-01-07 基材の分割方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006187973A JP2006187973A (ja) 2006-07-20
JP4529691B2 true JP4529691B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=36795594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005002323A Expired - Fee Related JP4529691B2 (ja) 2005-01-07 2005-01-07 基材の分割方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4529691B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4386088B2 (ja) 2007-03-22 2009-12-16 セイコーエプソン株式会社 シリコンウェハの加工方法及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2012510384A (ja) * 2008-12-02 2012-05-10 オセ−テクノロジーズ ビーブイ インクジェットプリントヘッドの製造方法
JP6324743B2 (ja) * 2014-01-31 2018-05-16 住友電工デバイス・イノベーション株式会社 半導体装置の製造方法
JP2014112719A (ja) * 2014-02-24 2014-06-19 Lintec Corp 半導体ウエハ
JP6672647B2 (ja) 2015-09-08 2020-03-25 セイコーエプソン株式会社 Memsデバイス、液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0511442U (ja) * 1991-07-23 1993-02-12 ローム株式会社 テープ伸張装置
JPH06188669A (ja) * 1992-12-18 1994-07-08 Rohm Co Ltd コンデンサ内蔵型圧電発振子用パッケージベース基板
JP2002313754A (ja) * 2001-04-16 2002-10-25 Seiko Epson Corp シリコンウェハーのブレークパターン、シリコン基板、及び、ブレークパターンの作製方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0511442U (ja) * 1991-07-23 1993-02-12 ローム株式会社 テープ伸張装置
JPH06188669A (ja) * 1992-12-18 1994-07-08 Rohm Co Ltd コンデンサ内蔵型圧電発振子用パッケージベース基板
JP2002313754A (ja) * 2001-04-16 2002-10-25 Seiko Epson Corp シリコンウェハーのブレークパターン、シリコン基板、及び、ブレークパターンの作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006187973A (ja) 2006-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4529691B2 (ja) 基材の分割方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法
JP2011206920A (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
US10147621B2 (en) Adhesive tape separating tool, manufacturing apparatus of semiconductor chip, manufacturing apparatus of MEMS device manufacturing apparatus of liquid ejecting head, and separating method of adhesive tape
JP2018099833A (ja) Memsデバイス、液体噴射ヘッド、液体噴射装置、memsデバイスの製造方法、液体噴射ヘッドの製造方法、及び、液体噴射装置の製造方法
TWI584964B (zh) 流路零件、液體噴出頭及液體噴出裝置
JP2006175668A (ja) ブレイクパターン形成方法、及び、液体噴射ヘッド
JP4529692B2 (ja) 結晶性基材の分割方法、及び、液体噴射ヘッドの製造方法
JP2009096128A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5088487B2 (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法
JP2009233870A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP4635685B2 (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2009190349A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2012218188A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2009154433A (ja) 液体噴射ヘッドおよびその製造方法
JP2007276307A (ja) 液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドの製造方法及び液滴吐出装置の製造方法
JP5838648B2 (ja) シリコンウェハーのブレイクパターン、シリコンウェハー、および、シリコン基板
JP2013146885A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、液体噴射ヘッドの製造方法
JP2009220507A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
US7659128B2 (en) Method of processing silicon wafer and method of manufacturing liquid ejecting head
JP4737420B2 (ja) シリコンウェハの加工方法及びシリコンウェハ、並びに液体噴射ヘッドの製造方法
JP2008251798A (ja) 結晶基板のエッチング方法及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2007067100A (ja) シリコンデバイスの製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2020015275A (ja) 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP2008200906A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2005271215A (ja) シリコンデバイスの製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法並びに液体噴射ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100412

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100518

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4529691

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees