JP4529331B2 - ディスクの記録及び/又は再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクをチャッキングして記録及び/又は再生を行なう記録及び/又は再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音声や映像の記録及び/又は再生用のディスクとしてコンパクトディスク(以下、単にCDという)や、デジタルバースタイルディスク(DVD)があり、これらのディスクの記録及び/又は再生装置も市場に多く出回っている。例えば車載用のCDの再生方式としては、複数枚のコンパクトディスク(以下、単にCDという)をマガジンに収容してマガジン単位でまとめて複数枚のCDを一度に交換するとともに選択したCDを順に再生する方式のものと、その都度に一枚ずつCDを交換して再生する方式のものとがある。
【0003】
後者の方法のディスクの記録及び/又は再生装置は、車室内のインダッシュの定められた空間に収容される。この車載用のディスクの記録及び/又は再生装置は、1DINサイズと呼ばれる一定の寸法の略直方体のケース内にφ120mmのCDを挿入して一枚ずつ再生するようになっている。
【0004】
従来のディスクの記録及び/又は再生装置は、ケースの内部から移動台が引き出され、移動台上のトレイに形成された円形のディスク用凹部にCDを載せてケースの内部に移動台が挿入されると、トレイ上で位置決めされたCDに対し、スピンドルモータの出力軸に取り付けられたターンテーブルを上昇させ、ターンテーブルから突出するツメをCDの孔に嵌合してCDをターンテーブルに装着するチャッキングを行ない、スピンドルモータによりCDを回転させながら光ピックアップをCDの半径方向へ移動させ、CDの再生を行なう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、CDをディスク用凹部に載置する際に、置く前のCDの位置がずれていると、CDから手を離したときにCDがディスク用凹部に入り込まずに手間取ることがある。
【0006】
また、夜にCDを再生する場合はディスク用凹部の位置を視覚的に認識することができず、不便である。
【0007】
更に、ディスク用凹部に載置されているCDを取り出すのも困難を伴なう場合がある。
【0008】
そこで本発明は、斯かる課題を解決したディスクの記録及び/又は再生装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するための本発明の構成は、ケースに移動ユニットを設けるとともに当該移動ユニットにディスクを載置するための載置部を設け、当該移動ユニットを前記ケースの内部と外部との間で移動可能に設けたディスクの記録及び/又は再生装置において、ディスクが載置される部分の外周部であって、ディスクが載置される部分の略中心を通る直線上に、前記載置部におけるディスクが載置される部分が認識できる発光手段を設けた。さらに、前記発光手段を設けた位置に対応する前記載置部に切欠部を設けると共に、前記載置部における前記切欠部には、当該切欠部に沿った円弧部を有する半透明部材が取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるディスクの記録及び/又は再生装置の実施の形態を説明する。この実施の形態は、ディスクの記録及び/又は再生装置を車載用のCDのディスクプレーヤに適用したものである。
【0011】
<構成>
(A)ディスクの記録及び/又は再生装置の全体構成
図1,3,6,7,10に示すように、ディスクの記録及び/又は再生装置は大きく分けて、ケース1と、CDを載せてケース1の内部へ引き込む移動ユニット2と、移動ユニット2を駆動する移動用駆動手段3と、CDがケース1の内部に引き込まれた状態で移動ユニット2をロックするロック手段4と、移動ユニット2上でCDをチャッキングして回転させるディスク駆動手段5と、回転するCDから情報を読み取るピックアップユニット6と、前記ケース1を収容して取り付ける外枠10(図10)とで構成される。
【0012】
(B)ケース
ケース1は、図3に示すように、底板1aと、左側板1bと、右側板1cと、背板1dとで成り立っており、板材を切り欠き、折り曲げ、また組み合わせて構成されている。そして、左側板1b,右側板1cと一体に形成されて夫々背面側で折り曲げた結合板1e,1fの部分が背板1dの左右と結合されてケース1の剛性が確保されている。
【0013】
(C)移動ユニット
ケース1の内部には、移動ユニット2が設けられている。移動ユニット2は第一移動台8と第二移動台9とで構成されている。第一移動台8は第一ガイド手段を介してケース1に移動自在に設けられ、第二移動台9は第二ガイド手段を介して第一移動台8に移動自在に設けられている。第一移動台8は、底板8aと左側板8bと右側板8cとで構成され、第二移動台9は、底板9aと左側板9bと右側板9cとで構成されている。
【0014】
前記第一ガイド手段は、ケース1の底板1a,左側板1b,右側板1cに前後方向に沿って形成されたガイド孔10a,10b,10cと、第一移動台8の底板8a,左側板8b,右側板8cに下方又は外側へ向かって突出するガイドピン10d,10e,10fとで構成され、ガイドピン10d,10e,10fがガイド孔10a,10b,10cに遊嵌されている。
【0015】
前記第二ガイド手段は、第一移動台8の底板8aの右側と中央部近傍に前後方向に沿って形成されたガイド孔11a,11bと、第二移動台9の底板9aの背後側に下方へ向かって突出する単一のガイドピン11c及び一対のガイドピン11dとで構成され、単一のガイドピン11cがガイド孔11aに、一対のガイドピン11dがガイド孔11bに遊嵌されている。ガイド孔11a,11bからの抜けを防止するため、ガイドピン11c,11dは径大部となっている。
【0016】
ケース1と移動可能な第一移動台8と第二移動台9との各部材間には、遊びが生じないように一方を他方へ向かって付勢する板バネが設けられている。即ち、以下のようになっている。第一移動台8の左右方向での遊びを防止するため、第一移動台8の右側板8cの外側には両端がケース1の右側板1cの内側を押圧する板バネ12の中央部が結合されている。第二移動台9の左右方向での遊びを防止するため、第二移動台9の右側板9cの内側には第一移動台8の右側板8cの内側を押圧する図示しない板バネが取り付けられている。第一移動台8の上下方向での遊びを防止するため、第一移動台8の底板8aにおける背面側の下面には、図3,図5に示すようにH形状の板バネ16がネジ17を介して設けられている。板バネ16は複数の屈曲部を有し、第二移動台9を押圧する4つの上押圧部16aと、ケース1を挿圧する図示しない4つの下押圧部とが形成されている。4つの上押圧部16aは第一移動台8に形成された4つの切欠部18から上方へ突出している。
【0017】
(D)移動用駆動手段
移動ユニット2を駆動して第二移動台9をケース1の外へ引き出したり、あるいはケース1内へ挿入したりするために移動用駆動手段3が第一移動台8に設けられている。移動用駆動手段3は、ケース1に対する第一移動台8の駆動と、第一移動台8に対する第二移動台9の駆動との双方の駆動を単一の移動用駆動源である移動用モータで行うように構成されている。即ち、図3,4,6,7に示すように、ケース1と移動可能な第一移動台8と第二移動台9とのうちの中間に位置する第一移動台8に単一の移動用モータ20によって駆動される一対の歯車21,22が設けられる一方、ケース1と第二移動台9とには歯車21,22に夫々噛み合うラック36,37が設けられている。以下、これについて詳細に説明する。
【0018】
図3に示すように、第一移動台8の背後側の左側には、底板8aを切り欠いて曲げ成形することにより、底板8aよりも少し高い高台8dが形成される一方、第二移動台9の左側には、高台8dが下方へ入り込むための高台9dと、前記歯車21,22の干渉から逃げるための堀下台9eとが形成されている。
【0019】
高台8dの下面であって前面側には前記歯車21,22が回転自在に設けられ、図6のように双方の歯車21,22に噛み合うピニオンギヤ部25aと、平歯車部25bとを有する歯車25が設けられている。高台8dの背後側には前記移動用モータ20が取り付けられ、移動用モータ20の上半分と下半分とが夫々高台8dの上下から略半分ずつ突出している。この移動用モータ20と前記歯車25とが歯車群を介して連動連結されている。即ち、図6,図7のようになっている。
【0020】
高台8dを貫通する貫通軸27が軸受を介して回転自在に設けられ、貫通軸27の上端に固着したプーリ29と移動用モータ20の出力軸に固着したプーリ30とに、ベルト31が掛けられている。プーリ29,30とベルト31とは歯付のものが用いられている。貫通軸27の下端にはピニオンギヤ32が固着され、ピニオンギヤ32は、高台8dの下面に設けられた平歯車部33aとピニオンギヤ部33bとからなる歯車33と、歯車34と、平歯車部35aとピニオンギヤ部35bとからなる歯車35とを介して歯車25に連動連結されている。
【0021】
第二移動台9における高台9dの右側の鉛直部9fと、ケース1における左側板1bの内側とには、ラック36,37が設けられている。ケース1の内部に第二移動台9が完全に収容された状態で第二移動台9をロックする前記ロック手段(後述する)4を構成するため、図6に示すように、ラック36,37は、固定されて動かない固定ラック38,39と、固定ラック38,39に対して一歯分だけラックの長さ方向へ移動自在な可動ラック40,41とで構成されている。可動ラック40,41は固定ラック38,39と一体になって歯車21,22に噛み合う協働部40a,41aと、独立して歯車21,22に噛み合う独立部40b,41bとで構成される。固定ラック38,39の上に可動ラック40,41の協働部40a,41aが摺動自在に設けられている。また、図7に示すように、可動ラック40,41を案内するために、可動ラック40,41には突起40c,40c・突起41c,41cが形成される一方、第二移動台9,ケース1にはガイド孔42a・ガイド孔43a,43b(図3)が形成されている。そして、独立部40b,41bを固定ラック38,39へ向かって押圧するように可動ラック40,41を付勢する付勢手段として、図7に示すように、第二移動台9に形成した軸46を囲繞するようにして設けたバネ47の一端が可動ラック40に形成された孔40dに挿通され、他端が第二移動台9と一体に形成されたバネ掛け部48に掛けられる一方、可動ラック41のロッド部41dとケース1の左側板1bから内側へ突出させて設けたバネ掛け部44とを囲繞するようにして圧縮コイルバネ45が設けられている。
【0022】
(E)ロック手段
第二移動台9をケース1の内部でロックするためのロック手段4は、図7に示すように、ケース1における底板1aの前面中央側に立設したロックピン50と、第二移動台9の下面であって前面中央側に回動自在に設けたロックレバー51等により構成される。ロックレバー51は固定軸52に回動自在に設けられ、ロックレバー51の基端部に一体に形成された係合部51aが、第二移動台9の底板9aに形成した切欠部53を介して底板9aの上方へ突出している。固定軸52における底板9aの上方へ突出した部分を囲繞するように設けたバネ54の一端が底板9aから突出して形成されたバネ受け55とロックレバー51の基端部との間に掛けられており、ロックレバー51はバネ54によりロックピン50をロックする方向へ付勢されている。ケース1に設けた前記ロックピン50は、前記固定軸52とは干渉しないように、図7における固定軸52の少し左の上下方向の軌道に沿って移動し、バネ54の付勢力が加わって図7(a)のようにロックレバー51が傾いた状態では、ロックピン50はロックレバー51の先端によって拘束されて上方へは動けず、ロックピン50はロックされる。ロックピン50は第一移動台8を貫通した状態でロックレバー51を設けた第二移動台9の下面に届くので、第一移動台8の底板8aには、ロックピン50が貫通して移動できるようにするための長孔56が形成されている。
【0023】
(F)ディスク駆動手段
図3に示すように、前記第二移動台9には再生ユニット59が設けられている。再生ユニット59にはディスク駆動手段5とピックアップユニット6とが組み込まれている。CDが第二移動台9の中央に位置してかつ再生用の光ピックアップ60がCDの半径方向へ走行するように設定する場合に、第二移動台9の底板9aの面積を最も小さくできるのは、光ピックアップ60の走行方向が底板9aの対角線の方向となる場合であり、そのような目的を満たす位置に支持部を構成するユニットベース61が配置されている。図3,4のように3本の支柱62が第二移動台9の底板9aに立設され、支柱62にゴム製の緩衝材を介してユニットベース61が位置決めされている。
【0024】
ユニットベース61における、第二移動台9の中央と対応する位置に、ディスク駆動手段5が設けられている。即ち、ユニットベース61の下面に図示しないスピンドルモータが取り付けられ、ユニットベース61を貫通して上方へ突出したスピンドルモータの出力軸66には、CDを回転させるためのターンテーブル67が固着されている。ターンテーブル67の中央には、CDの中央の孔へ嵌め込む円柱形の凸部67aが形成されている。また、CDをターンテーブル67上でチャッキングするとともに小さな力を加えればCDをターンテーブル67上に装着しあるいはターンテーブル67から取り外すことができるチャッキング手段が設けられている。
【0025】
チャッキング手段の構成を以下に説明する。凸部67aの外周部には120度間隔で等配に3つの凹部が形成されている。図示しないストッパ部を有するツメ68が半径方向へ移動自在な状態で凹部に収容され、図示しないバネにより外側へ付勢されている。ツメ68には、CDを装着する際と取り外す際とにCDから受ける力を、凸部67aの中心へ向かってツメ68を押圧する力に変換することになるテーパ部が形成されている。
【0026】
ユニットベース61に組み込まれたピックアップユニット6について説明する。ユニットベース61には、ターンテーブル67の中心を通る線に沿ってスリット61aが形成されている。そして、光ピックアップ60をスリット61aに沿って案内する図示しないガイド手段と、光ピックアップ60をスリット61aに沿って往復駆動する図示しない走行駆動手段とが設けられているが、これらの構成は既存の構成と同じなので説明を省略する。
【0027】
(G)トレイ等
図3に示すように、第二移動台9における第一移動台8上の移動用モータ20と対応する隅部が切り欠かれており、当該移動用モータ20が第二移動台9の上方へ突出している。そして、図1,図4のように再生ユニット59と移動用モータ20とを除いた部分を埋めるような形状に成形したプリント板81が第二移動台9の上に結合されている。プリント板81には、第二移動台9が第一移動台8上から最も移動した位置で移動用モータ20の回転を止めるリミットスイッチ83と第二移動台9が第一移動台8と完全に重なった位置で移動用モータ20の回転を止めるリミットスイッチ84とが設けられ、第一移動台8にはリミットスイッチ83のドグを動かすための切欠部8eとリミットスイッチ84のドグを動かすための段部8fとが形成されている。
【0028】
図3に示すように、第二移動台9の上には、略正方形の樹脂からなるトレイ(載置部)85が、前記再生ユニット59を取り付けた支柱62にねじ込むネジ等を介して取り付けられている。トレイ85には再生ユニット59が嵌まり込む切欠部85aが形成されており、トレイ85は前記プリント板81及び移動用モータ20を覆っている。トレイ85にはCDを載せるための円形のディスク用凹部85bが形成されている。そして、CDを半径方向に挟んでトレイ85上に載せたり取り除いたりするために一対の切欠部85cが形成され、円弧部(切欠部)86aを有する半透明部材86がトレイ85の下面側から取り付けられ、夫々の切欠部85cに半透明部材86の一部が嵌まり込んでいる。このほか、トレイ85上のCDを取り除く際に中指又は人差し指でターンテーブル67の凸部67aを押さえて親指でCDの外周部を持ち上げるための円形の親指用凹部85dが、トレイ85の前面側の左右の隅部に形成されている。なお、図5の左右の半透明部材86における円弧部86aどうしの距離Aは、CDの直径よりもやや小さい値のA=11.5cmとされ、CDの装着と取り外しが容易となる。
【0029】
前記半透明部材86の部分から光を放出することにより、載せるCDの位置決めを可能にするため、プリント板81における半透明部材86と対応する位置には、発光ダイオード(発光手段)92が夫々設けられている。
【0030】
(H)パネル枠・移動パネル
図9に示すように、外枠10が設けられ、外枠10内の上部に収容して前記ケース1が取り付けられている。そして、外枠10の前面側には樹脂製のパネル枠87が取り付けられている。パネル枠87には第一移動台8,第二移動台9を引き出し・挿入するための開口部87aが形成されている。
【0031】
一方、図3に示すように、第二移動台9の前面側には樹脂製のサブパネル88が取り付けられている。移動パネル88には水平方向へ貫通する長孔状の貫通孔が形成され、貫通孔の左端には第二移動台9をケース1の外部へ引き出し・挿入するための挿脱スイッチ89が挿入され、貫通孔88の右端にはCDを回転させるためのスタートスイッチ90が挿入されている。挿脱スイッチ89,スタートスイッチ90は、いずれもスライド可能で、かつ貫通孔から抜け落ちないようになっている。貫通孔における挿脱スイッチ89,スタートスイッチ90の間には半透明部材91が挿入されて固着されている。
【0032】
次に、パネル枠87と移動パネル88との関係を、図9に基づいて説明する。第二移動台9がケース1の内部に完全に収容された状態ではパネル枠87の開口部87aが移動パネル88によって閉塞されるようになっている。手前側へ引き出された移動パネル88が開口部87aへ引き込まれる際に、多少の位置ずれがあっても最終的には適正な位置へ案内され、かつ隙間があっても内部が見えないようにするための構成が採用されている。即ち、開口部87aの高さ寸法及び幅寸法の大きさについて前面側に比べて背面側の方が小さく設定されて内周面にテーパ87bが形成されており、サブパネル88の外周面には開口部87aの内周面との隙間が均一になるようにテーパ88bが形成されている。これにより、パネル枠87と移動パネル88との隙間寸法はG=0.5mmとなっている。
【0033】
図1,図4に示すように、前記プリント板81における前記挿脱スイッチ89,スタートスイッチ90と対応する位置には、スイッチ93,94が設けられている。また、プリント板81における挿脱スイッチ89,スタートスイッチ90,半透明部材91と対応する位置には発光ダイオード95が夫々設けられている。
【0034】
(I)フロントパネル
図9に示すように、パネル枠87には、操作パネルすなわちフロントパネル100が開閉可能に設けられている。フロントパネル100は、図示しないフレキシブルなハーネス等を介してケース10の内部と電気的に接続されており、図10に示すように、CDがケース1の内部へ挿入された状態で、操作するための操作釦98等と、再生される曲名や音の強弱等を表示するための表示部99とを有する。
パネル枠87とフロントパネル100との関係を図9に基づいて説明する。フロントパネル100はパネル枠87の前面凹部87cに嵌め込まれている。ガイドピン105とガイド孔106とにより案内されて左右方向へスライド自在なスライド部材101がパネル枠87の左右に設けられ、夫々のスライド部材101における図9中の左端にピン102を介してフロントパネル100の下部が回動自在に結合されている。一方、パネル枠87の左右には上下方向へ向かうガイド溝104が形成され、フロントパネル100の上部に設けられたピン103がガイド溝104に遊嵌されている。そして、前記スライド部材101を往復駆動するための駆動手段として、図示しないパネル用モータが設けられている。
【0035】
<作用>
次に、CDをケース1内に収容して再生するための手順について説明する。
【0036】
(A)移動台の引き出し
まず、パネル枠87の前面凹部87c内のフロントパネル100を下げて開くために、フロントパネル100の操作面に設けた所定の操作釦98を押し、パネル用モータを回転させる。すると、図9(a)の状態からスライド部材101が図9(b)中の左へ移動し、フロントパネル100の下部が左方へ移動するとともにピン103がガイド溝104に沿って下方へ移動し、フロントパネル100の操作面が上を向いた図9(b)の状態に開く。
次に、図10の状態で移動パネル88の挿脱スイッチ89を押す。すると、移動用モータ20が回転を開始し、移動用モータ20の回転力が歯車群を介して歯車25へ伝わり、歯車21,22が同一方向へ回転する。すると、図6の歯車21,22が噛み合っている可動ラック40,41が、矢印で示すように相互に反対方向へ移動する。このとき、図8のように、最初に例えば固定ラック38に対して可動ラック40が一歯分のsだけ移動する。図7(a)の状態から一方の可動ラック40が図中の下方へsだけ移動すると、可動ラック40の段部40eが係合部51aを図中の下方へ押し、ロックレバー51がバネ54の付勢力に抗して固定軸52を中心として回動し、図7(b)のようにロックレバー51の先端がロックピン50の軌道から外れる。そして、一歯分のsだけずれた状態で、固定ラック38・可動ラック40の双方に沿って歯車21が転がる一方、固定ラック39・可動ラック41の双方に沿って歯車22が転がり、第一移動台8に対してケース1と第二移動台9とが相互に反対方向へ突出することになる。見方を変えれば、ケース1に対して第一移動台8が前面側へ移動し、第一移動台8に対して第二移動台9が前面側へ移動することになる。これにより、移動パネル88がパネル枠87の開口部87aから出たのちに第一移動台8と第二移動台9とが順に開口部87aから突出し、第二移動台9の略全体がケース1の外へ出て図4及び図5のCDの排出状態となる。そして、リミットスイッチ83のドグが切欠部8eに入り込むと、移動用モータ20の回転が止まる。
【0037】
(B)ディスクの装着と移動台の挿入
このあと、親指と中指とでCDを半径方向から挟み、トレイ85上に載せ、ターンテーブル67の凸部67aをCDの孔へ挿入させてCDの中心部近傍を下方へ押す。すると外側へ向かって図示しないバネで押されるツメ68によりCDがターンテーブル67上でチャッキングされる。なお、夜間等の暗いときにCDをチャッキングするには発光ダイオード92により一対の半透明部材86と単一の半透明部材91とが光るようになりCDの載置位置が明確になるようになっている。
そしてスタートスイッチ90を押すと、前記移動用モータ20が前記とは反対の方向へ回転し、第一移動台8,第二移動台9がケース1の内部に挿入され、ターンテーブル67が回転し、光ピックアップ60が走行して、CDが再生される。尚、スタートスイッチ90の代わりに挿脱スイッチ89を押すと、移動用モータ20が同様に反対方向に回転し、第一移動台8,第二移動台9がケース1内に挿入される(但し、この場合はCDの再生は行わない)挿入状態となる(図1及び図2の状態。但し図1及び図2ではCDは図示していない)。この時、開口部87aの内周面にはテーパ87bが形成され、移動パネル88の外周面にはテーパ88bが形成されているので、双方のテーパが相互に案内の機能を果たし、移動パネル88が開口部87aに円滑に嵌まり込む。
【0038】
第一移動台8,第二移動台9がケース1の内部に収容されると、ロックピン50が第二移動台9の下面に沿って相対的に前面側へ移動し、バネ54の付勢力に抗してロックレバー51が回動させられ、その後に復帰する。つまり、第一移動台8,第二移動台9が完全にケース1内に収容されるとロックピン50はロックレバー51の先端によりロックされる。このとき、リミットスイッチ84のドグが段部8fと係合し、移動用モータ20の回転が止まる。また、歯車21,22は固定ラック38,39から外れた位置まで移動して少し回転するので、歯車21,22は可動ラック40,41のみと噛み合って可動ラック40,41を一歯分だけ前記と逆方向へ移動させて元の位置へ戻させることになる。
【0039】
(C)ディスクの再生
以上のようにしてケース1の内部へCDを収容したら、その後にフロントパネル100を、前記とは逆の手順で動かして閉じる。このあと、フロントパネル100上の図示しないスタートスイッチを操作してもよいが、パネル枠87上の前記スタートスイッチ90を既に操作したので、ロックピン50がロックレバー51によってロックされた後に、スピンドルモータが回転してターンテーブル67上のCDが回転を開始すると同時に、光ピックアップ60がスリット61a内をCDの半径方向に沿って移動し、CDの再生が行われる。
【0040】
(D)移動台からのディスクの取り出し
再生の終了後は、フロントパネル100を開いたのち、挿脱スイッチ89を押して第二移動台9を再びケース1の外へ引き出し、ターンテーブル67からCDを取り外す。この場合、一対の円弧部86aの位置でCDを挟持して上へ引いてもよく、中指又は人差し指を凸部67aに当てた状態で親指用凹部85dへ親指を入れて持ち上げるようにしてもよい。CDを外した後は再び挿脱スイッチ89を押し、第二移動台9をケース1の中へ収容し、フロントパネル100を閉じる。
【0041】
なお、本実施の形態はディスクの記録及び/又は再生装置をディスクの再生を行うディスクプレーヤに適用したものであるが、ディスクの記録装置又はディスクの記録及び再生を行う装置に適用してもよい。そして、CDはφ120mmのものを用いたがφ80mmのものを再生することもできる。
【0042】
また、ディスクが載置される部分の外周の、円弧の一部又は全部に沿って発光手段を設けるようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、請求項1〜5に係るディスクの記録及び/又は再生装置によれば、載置部におけるディスクが載置される部分が認識できる位置に切欠部又は発光手段又はこれらの双方を設けたので、触覚あるいは視覚あるいはこれらの双方によりディスクが載置される部分を認識することが容易となり、載置部上にディスクを載せる際のディスクの位置決めが容易である。
【0044】
請求項6に係るディスクの記録及び/又は再生装置によれば、載置部におけるディスクが載置される部分の外周部に凹部を形成したので、凹部に指を入れることにより載置部上のディスクを指で挟んで容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディスクの記録及び/又は再生装置の実施の形態を示す斜視図。
【図2】本発明によるディスクの記録及び/又は再生装置の実施の形態を示す平面図。
【図3】本発明によるディスクの記録及び/又は再生装置の実施の形態を示す分解斜視図。
【図4】本発明によるディスクの記録及び/又は再生装置の実施の形態に係り、移動台がケースから引き出された状態を示す斜視図。
【図5】本発明によるディスクの記録及び/又は再生装置の実施の形態に係り、移動台がケースから引き出された状態を示す平面図。
【図6】本発明によるディスクの記録及び/又は再生装置の実施の形態に係り、移動台を駆動するための移動用駆動手段の斜視図。
【図7】移動用駆動手段およびロック手段の構成と作用とを説明するための平面図。
【図8】ロック手段の作用を説明するための平面図。
【図9】パネル枠と移動パネルとフロントパネルとの関係を示す構成図。
【図10】フロントパネルが開いた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…ケース
8…第一移動台
9…第二移動台
85…トレイ
85b…ディスク用凹部
85c…切欠部
85d…親指用凹部
86…半透明部材
86a…円弧部
92…発光ダイオード
Claims (2)
- ケースに移動ユニットを設けるとともに当該移動ユニットにディスクを載置するための載置部を設け、当該移動ユニットを前記ケースの内部と外部との間で移動可能に設けたディスクの記録及び/又は再生装置において、
ディスクが載置される部分の外周部であって、ディスクが載置される部分の略中心を通る直線上に、前記載置部におけるディスクが載置される部分が認識できる発光手段を設け、
前記発光手段を設けた位置に対応する前記載置部に切欠部を設けると共に、
前記載置部における前記切欠部には、当該切欠部に沿った円弧部を有する半透明部材が取り付けられている
ディスクの記録及び/又は再生装置。 - 前記載置部におけるディスクが載置される部分の外周部に、ディスクを取り外すための凹部を形成した
請求項1に記載のディスクの記録及び/又は再生装置。
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