JP4529293B2 - 形態転写材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、形態転写材の製造方法に関し、より詳しくは金属および/または金属酸化物からなる多孔質の形態転写材を得るのに好適な形態転写材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属または金属酸化物からなる多孔体は、その大きな比表面積のために触媒等に適用可能であり、近年注目を集めている。特に、光触媒や半導体として機能する金属酸化物からなる多孔体や、貴金属からなる多孔体はその応用範囲の広さから特に重要視されている。
【0003】
貴金属である白金の多孔体を作製する方法としては、白金前駆体を還元剤溶液により白金金属に還元し、微粒子等を作製する化学的合成法や、白金前駆体溶液に電場を印加し電極表面に白金を析出させる電気化学的合成法が知られている。また、金属または金属酸化物の多孔体の製造方法としては、金属または金属酸化物の前駆体を超臨界流体を用いて基材に担持したのち基材を除去する方法が知られている(国際公開99/10167号公報、特開平11−263616号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電気化学的合成法により作製される白金多孔体、いわゆる白金黒の比表面積は20m2/g程度であり比表面積が不充分であるという問題があった。また、国際公開99/10167号公報および特開平11−263616号公報においては、基材を除去するための加熱を650〜750℃で10時間程度行うため、白金が粒成長し比表面積が低下するという問題があった。また、エネルギー消費量が多く、多孔体を安価に製造することが困難であるという問題も存在していた。
【0005】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、エネルギー消費量が少なく効率的な形態転写材の製造方法であって、比表面積が充分に大きい金属や金属酸化物の多孔体を得るのに特に適した方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、形質転写材の製造にあたり、特定の酸素濃度および温度で加熱する焼成工程を実施することにより、少ないエネルギー消費量で効率的に形質転写材が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明の形態転写材の製造方法は、
(1)500℃以上の融点を有する化合物の前駆体と該前駆体の運搬体とを含む混合物を、該運搬体が超臨界流体になる状態で反応開始剤の存在下、可燃性鋳型に接触させることにより、前記前駆体と前記反応開始剤とを反応させるとともに、前記可燃性鋳型を前記反応による生成物で被覆して被覆物を得る被覆工程と、
(2)前記被覆物を焼成して、前記可燃性鋳型の少なくとも一部を焼失させる焼成工程と、を含む形態転写材の製造方法であって、
前記焼成は、酸素濃度1〜15容量%の雰囲気下、350〜450℃で実施することを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、前記化合物は金属および/または金属酸化物であることが好ましく、前記可燃性鋳型は多孔質炭素材料であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の形質転写材の製造方法は、被覆工程と焼成工程を含む方法であって、焼成工程を上記酸素濃度および温度で実施することを特徴としている。
【0010】
被覆工程において用いられる「前駆体」とは、焼成工程における加熱により得られる化合物の前駆体である。本発明においては焼成工程における加熱を350〜450℃で行うことから、前駆体は、500℃以上の融点を有する化合物の前駆体でなければならない。
【0011】
かかる前駆体としては、金属の前駆体および/または金属酸化物の前駆体が好ましく、具体的には、Pt前駆体、Rh前駆体、Pd前駆体、Ir前駆体、Ru前駆体、CeO2前駆体、RhO2前駆体、Rh2O3前駆体、RuO2前駆体、TiO2前駆体、SnO2前駆体、ZnO前駆体、Nb2O5前駆体、NbO2前駆体、InO3前駆体、ZrO2前駆体、La2O3前駆体、Ta2O5前駆体、WO3前駆体、Fe2O3前駆体、SiO2前駆体、NiO前駆体、Cu2O前駆体、Al2O3前駆体、SrTiO3前駆体、BaTiO3前駆体、CaTiO3前駆体、PbTiO3前駆体、BaZrO3前駆体、PbZrO3前駆体、CeZrO4前駆体、を例示することができる。
【0012】
Pt前駆体は、Pt塩化物、Pt酢酸塩等のPt有機酸塩、Ptのアセチルアセトネート等のPt錯体であることが好ましく、Rh前駆体、Pd前駆体、Ir前駆体およびRu前駆体についても、Pt前駆体と同様の化学構造を有していることが好ましい。また、TiO2前駆体は、Tiのアルコキシド、アセチルアセトネート、有機酸塩、硝酸塩、オキシ塩化物、または塩化物であることが好ましい。同様に、TiO2以外の酸化物の前駆体においても、それぞれ含有する金属のアルコキシド、アセチルアセトネート、有機酸塩、硝酸塩、オキシ塩化物、または塩化物であることが好ましい。なお、上記のうち複合酸化物前駆体は、含有する金属の複合アルコキシドの他に、含有するそれぞれの金属のアルコキシド、アセチルアセトネート、有機酸塩、硝酸塩、オキシ塩化物、または塩化物、の混合物を用いることができる。例えば、BaTiO3前駆体は、BaとTiの複合アルコキシドの他に、BaアルコキシドとTiアルコキシドの混合物とすることができる。
【0013】
本発明においては、前駆体としてPt前駆体またはTiO2前駆体を用いることが好ましく、Pt前駆体としては上述した、白金塩化物、白金酢酸塩、白金アセチルアセトネートが好ましく、TiO2前駆体としては、チタンn−ブトキシド{Ti[O(CH2)3CH3]4}、チタンイソプロポキシド{Ti[OCH(CH3)2]4}、チタンエトキシド{Ti(OC2H5)4}等のチタンアルコキシドが好ましい。
【0014】
被覆工程において用いられる「運搬体」とは、上述した前駆体を運搬して可燃性鋳型と接触させることができる物質をいう。被覆工程において運搬体は超臨界流体になる条件で用いられるため、運搬体は超臨界流体となりうる物質でなければならない。なお、運搬体は、少なくとも超臨界流体となる条件で、前駆体を溶解または分散可能なものであることが好ましい。
【0015】
運搬体としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン等の脂肪族または脂環式炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール;二酸化炭素、水、アンモニア、塩素、クロロホルム、フレオン類、硫化水素等を挙げることができる。なお、前駆体の運搬体に対する溶解度を調整するために、運搬体に対して、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素をエントレーナ(助溶剤)として添加することもできる。
【0016】
本発明において「運搬体が超臨界流体となる状態」とは、運搬体が臨界温度以上に加熱され流体となった状態を意味する。運搬体の圧力に関しては特に制限はないが、臨界圧力以上とすることが好ましい。例えば、二酸化炭素の臨界温度は31℃であるため、運搬体として二酸化炭素を用いた場合は、前駆体と運搬体の混合物を31℃以上に加熱した状態で可燃性鋳型に接触させればよい。
【0017】
超臨界流体は、液体と同等の溶解能力と、気体に近い拡散性および粘性を有するため、可燃性鋳型が複数の細孔を有する多孔体であっても、その細孔の深部まで、容易且つ迅速に前駆体を運搬することができる。
【0018】
被覆工程において上記前駆体を可燃性鋳型に接触させる場合には、反応開始剤を存在させた状態で行う。ここで「反応開始剤」とは、前駆体と反応して生成物を与える物質をいい、「生成物」とは、焼成工程における酸素濃度1〜15容量%の雰囲気下350〜450℃での加熱により、500℃以上の融点を有する化合物を与える物質をいう。例えば、前駆体がチタンアルコキシドである場合は、例えば、水が反応開始剤として機能し、チタンアルコキシドと水が反応して生成物(チタンアルコキシドの加水分解物および/またはチタンアルコキシドの加水分解縮合物)が得られ、これが焼成工程における加熱により、500℃以上の融点を有する化合物である酸化チタン(TiO2)へと変化する。
【0019】
本発明においては、上述のように前駆体として白金アセチルアセトネートおよびチタンアルコキシド等を用いることが好ましいことから、反応開始剤としては加水分解反応を生じせしめる化合物が好適であり、具体的には、水やOH基を有する化合物を例示することができる。水やOH基を有する化合物は、被覆工程において積極的に添加してもよいが、可燃性鋳型が吸着水を有している場合や可燃性鋳型表面にOH基が存在する場合は、これらの添加は必ずしも必要でない。なお、反応開始剤を添加する場合には可燃性鋳型に付着させることが好ましい。
【0020】
被覆工程において用いられる「可燃性鋳型」は、焼成工程における酸素濃度1〜15容量%の雰囲気下350〜450℃の加熱により燃焼し焼失するものであればよく特に制限されないが、多孔質の可燃性鋳型であることが好ましく、炭素材料からなるものであることが好ましい。可燃性鋳型としては多孔質炭素材料が特に好ましく、このような可燃性鋳型としては活性炭が例示できる。
【0021】
被覆工程においては、前駆体と運搬体の混合物を、運搬体が超臨界流体になる状態(すなわち、運搬体の臨界温度以上)で反応性開始剤の存在下、可燃性鋳型に接触させるため、可燃性鋳型の表面は、前駆体と反応開始剤との反応による生成物により被覆される。可燃性鋳型が多孔体である場合は孔の内部の鋳型表面も生成物により被覆される。この場合において、生成物は連続皮膜を形成して可燃性鋳型を被覆してもよいが、必ずしも連続皮膜を形成しなくてもよい。
【0022】
焼成工程においては、被覆工程で得られた上記生成物で被覆された可燃性鋳型を焼成して、生成物を500℃以上の融点を有する化合物へと変化させるとともに、可燃性鋳型の少なくとも一部を焼失させる。ここで、「焼失」とは、焼成による燃焼等により、可燃性鋳型が気化、液化または収縮等して、可燃性鋳型が形状を保たなくなること、また、形状が失われることをいう。
【0023】
本工程においては、酸素濃度1〜15容量%の雰囲気下、350〜450℃で加熱(焼成)を行わなければならない。このような条件で焼成を行うことにより、少ないエネルギー消費量で効率的に形態転写材を製造することが可能となる。焼成工程における酸素濃度が1容量%未満である場合は、得られる形態転写材の熱安定性が不充分となる。すなわち、形態転写材の加熱減量が大きくなりすぎて、実用に適さなくなってしまう。一方、酸素濃度が15容量%を超す場合は、例えば多孔質炭素材料を用いて形態転写材を作製した場合に、得られる形態転写材の比表面積を充分に大きくすることができない。
【0024】
また、加熱温度が350℃未満の場合は、酸素濃度を1〜15容量%とした場合であっても、焼成により得られる形態転写材の加熱減量が大きくなりすぎて、実用に適さない。加熱温度が450℃を超す場合は、例えば多孔質炭素材料を用いて酸素濃度を1〜15容量%として形態転写材を作製した場合であっても、比表面積を充分に大きくすることができない。なお、焼成工程における焼成時間は得に制限されないが、10時間未満とすることが好ましい。10時間以上の焼成を行った場合は、低エネルギー消費量および効率性という本発明の特徴が充分に発揮されない傾向にある。また、比表面積が減少する傾向にある。
【0025】
焼成工程においては、可燃性鋳型は上記のようにその一部が焼失すればよいが、得られる形態転写材を高温で用いるような場合においては、焼失しなかった可燃性鋳型が使用途中に燃焼し、これにより形態転写材の使用目的を達成できない場合が考えられるため、可燃性鋳型は焼成工程において実質的にすべて焼失させることが好ましい。
【0026】
可燃性鋳型として多孔質の可燃性鋳型(好ましくは、多孔質炭素材料)を用いた場合は、焼成工程の実施することにより得られる形態転写材は、500℃以上の融点を有する化合物の多孔体となる。したがって、得られる可燃性鋳型は、非常に大きい表面積(比表面積)を有するものとなり、当該化合物の性質にしたがって、様々な機能を発揮する。
【0027】
例えば、前駆体として、Pt前駆体、TiO2前駆体、SnO2前駆体、ZnO前駆体、Nb2O5前駆体、NbO2前駆体、InO3前駆体、ZrO2前駆体、La2O3前駆体、Ta2O5前駆体、WO3前駆体、Fe2O3前駆体、SiO2前駆体、NiO前駆体、Cu2O前駆体、Al2O3前駆体、SrTiO3前駆体、BaTiO3前駆体、CaTiO3前駆体、PbTiO3前駆体、BaZrO3前駆体、PbZrO3前駆体を用いた場合は、焼成工程を実施することにより、これらがそれぞれ、Pt、TiO2、SnO2、ZnO、Nb2O5、NbO2、InO3、ZrO2、La2O3、Ta2O5、WO3、Fe2O3、SiO2、NiO、Cu2O、Al2O3、SrTiO3、BaTiO3、CaTiO3、PbTiO3、BaZrO3、PbZrO3へと変化するが、これらのうち、Ptには触媒機能が期待でき、TiO2、SnO2、ZnO、Nb2O5、InO3、ZrO2、La2O3、Ta2O5、SrTiO3およびBaTiO3は酸化物半導体として機能することが期待できる。また、TiO2、SnO2、ZnO、WO3、Fe2O3、SiO2、NiO、Cu2OおよびNbO2は光触媒として機能することが期待でき、SrTiO3、BaTiO3、CaTiO3、PbTiO3、BaZrO3およびPbZrO3は、ペロブスカイト型構造を有し高誘電率を発揮することが期待される。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
形態転写材(白金)の製造
(実施例1)
オートクレーブ(容量:1000mL)に、白金前駆体(白金アセチルアセトナート)5gとエントレーナー(助溶剤)としてのアセトン(40mL)を入れ、活性炭(大阪ガス社製、M30、比表面積:3100m2/g)8gを入れた試料バスケットをオートクレーブ上部に固定して、二酸化炭素ボンベから二酸化炭素(運搬体)を導入して、148.6℃に加熱して96時間保持した。この時の圧力は29.0MPaであった。その後、活性炭を管状炉(ヒータ:アサヒ理化社製、AMF−N、石英管:49〜50φ×600mm)中で、酸素濃度10容量%の雰囲気下、350℃で5時間加熱することにより焼成を行い、活性炭を焼失(除去)させ形態転写材(多孔体)を得た。なお、用いた活性炭には水が吸着していたため、これが白金前駆体の反応開始剤として機能した。
得られた形態転写材について、150〜950℃での熱重量変化を熱重量測定計(TGA)で測定した。また、窒素吸着によるBET比表面積を以下のようにして求めた。すなわち、形態転写材を液体窒素温度(−196℃)に冷却して窒素ガスを導入し、重量法によりその吸着量を求め、次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットし吸着等温線を得、この吸着等温線からBET等温吸着式を用いて算出した。TGAによる重量減とBET比表面積を以下の表1に示す。なお、得られた形態転写材を、熱安定性および比表面積の観点から評価し、良好なものを○、良好とは言えないものを×として、表1に示した。
【0030】
(実施例2〜4)
焼成時の温度を、それぞれ400℃、420℃、450℃とした他は、実施例1と同様にして形態転写材を得た。さらに、実施例1と同様にして熱重量変化およびBET比表面積を求め、○および×の評価を行った。結果を以下の表1に示す。
【0031】
(比較例1〜3)
焼成時の温度を、それぞれ300℃、500℃、600℃とした他は、実施例1と同様にして形態転写材を得た。さらに、実施例1と同様にして熱重量変化およびBET比表面積を求め、○および×の評価を行った。結果を以下の表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
(実施例4〜6)
焼成時の温度を420℃とし、酸素濃度を、それぞれ1、5、15体積%とした他は、実施例1と同様にして形態転写材を得た。さらに、実施例1と同様にして熱重量変化およびBET比表面積を求め、○および×の評価を行った。結果を以下の表2に示す。
【0034】
(比較例4〜5)
焼成時の温度を420℃とし、酸素濃度を、それぞれ0.1、20体積%とした他は、実施例1と同様にして形態転写材を得た。さらに、実施例1と同様にして熱重量変化およびBET比表面積を求め、○および×の評価を行った。結果を以下の表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
形態転写材(酸化チタン)の製造
(実施例7)
オートクレーブ(容量:1000mL)に、酸化チタン前駆体(チタンイソプロポキシド)5mLとエントレーナー(助溶剤)としてのイソプロパノール(40mL)を入れ、活性炭(大阪ガス社製、M30、比表面積:3100m2/g)8gを入れた試料バスケットをオートクレーブ上部に固定して、二酸化炭素ボンベから二酸化炭素(運搬体)を導入して、150.2℃に加熱して3時間保持した。この時の圧力は30.5MPaであった。その後、活性炭を管状炉(ヒータ:アサヒ理化社製、AMF−N、石英管:49〜50φ×600mm)中で、酸素濃度10容量%の雰囲気下、350℃で5時間加熱することにより焼成を行い、活性炭を焼失(除去)させ形態転写材(多孔体)を得た。なお、用いた活性炭には水が吸着していたため、これが酸化チタン前駆体の反応開始剤として機能した。得られた形態転写材を用いて、実施例1と同様にして熱重量変化およびBET比表面積を求め、○および×の評価を行った。結果を以下の表3に示す。
【0037】
(実施例8〜10)
焼成時の温度を、それぞれ400℃、420℃、450℃とした他は、実施例7と同様にして形態転写材を得た。さらに、実施例7と同様にして熱重量変化およびBET比表面積を求め、○および×の評価を行った。結果を以下の表3に示す。
【0038】
(比較例6〜8)
焼成時の温度を、それぞれ300℃、500℃、600℃とした他は、実施例7と同様にして形態転写材を得た。さらに、実施例7と同様にして熱重量変化およびBET比表面積を求め、○および×の評価を行った。結果を以下の表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
(実施例11〜13)
焼成時の温度を420℃とし、酸素濃度を、それぞれ1、5、15体積%とした他は、実施例7と同様にして形態転写材を得た。さらに、実施例7と同様にして熱重量変化およびBET比表面積を求め、○および×の評価を行った。結果を以下の表2に示す。
【0041】
(比較例9〜10)
焼成時の温度を420℃とし、酸素濃度を、それぞれ0.1、20体積%とした他は、実施例7と同様にして形態転写材を得た。さらに、実施例7と同様にして熱重量変化およびBET比表面積を求め、○および×の評価を行った。結果を以下の表4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、エネルギー消費量が少なく効率的な形態転写材の製造方法であって、比表面積が充分に大きい金属や金属酸化物の多孔体を得るのに特に適した方法を提供することが可能となる。
Claims (3)
- 500℃以上の融点を有する化合物の前駆体と該前駆体の運搬体とを含む混合物を、該運搬体が超臨界流体になる状態で反応開始剤の存在下、可燃性鋳型に接触させることにより、前記前駆体と前記反応開始剤とを反応させるとともに、前記可燃性鋳型を前記反応による生成物で被覆して被覆物を得る被覆工程と、
前記被覆物を焼成して、前記可燃性鋳型の少なくとも一部を焼失させる焼成工程と、を含む形態転写材の製造方法であって、
前記焼成は、酸素濃度1〜15容量%の雰囲気下、350〜450℃で実施することを特徴とする方法。 - 前記化合物は、金属および/または金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記可燃性鋳型は、多孔質炭素材料であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
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