JP5445991B2 - ナノフレーク状金属複合材料、その製造方法および表面増強ラマン散乱活性基板 - Google Patents

ナノフレーク状金属複合材料、その製造方法および表面増強ラマン散乱活性基板 Download PDF

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Description

本発明は、金属複合材料およびその製造方法に関し、より詳細には、ナノサイズからサブミクロンサイズのフレーク状を有する金属複合材料およびその製造方法に関する。
近年、カーボン、シリカ、金属または金属酸化物からなる多孔体材料は、その大きな比表面積および孔径を有することから注目されている。特に、金属または金属酸化物からなる多孔体材料は、それら金属または金属酸化物の有する特性(半導体特性、磁性、強誘電性、光触媒等)を利用した応用が期待され、研究が盛んである。
可燃性鋳型(可燃性テンプレート)を用い、金属または金属酸化物からなる多孔体を得る方法が知られている(例えば、特許文献1および2を参照。)。特許文献1の方法は、500℃以上の融点を有する化合物の前駆体と前駆体の運搬体とを含む混合物を、運搬体が超臨界流体になる状態で反応開始剤の存在下、可燃性鋳型に接触させることにより、前駆体と反応開始剤とを反応させるとともに、可燃性鋳型を反応による生成物で被覆して被覆物を得る被覆工程と、被覆物を焼成して、可燃性鋳型の少なくとも一部を消失させる焼成工程とを含む。特許文献1によれば、350℃〜450℃の温度で焼成することにより、可燃性鋳型の構造が転写された金属または金属酸化物の多孔体が得られる。
一方、特許文献2の方法は、直鎖状のポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーと水系溶媒とを混合し、混合液を加熱した後冷却するか、又は直鎖状のポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーと有機溶媒とを混合し、混合液に水を加えることにより親水性ポリマーのヒドロゲルを得る工程と、ヒドロゲルと金属イオンの水系溶媒溶液とを混合して、金属イオンを自発的に還元させるか又は還元剤により還元させて、親水性ポリマーと金属との複合体を得る工程と、複合体を水溶性有機溶剤で洗浄し、焼結する工程とを有する。特許文献2によれば、可燃性テンプレートである、金属イオンと強い配位結合を形成する直鎖状のポリエチレンイミン骨格を有する親水性ポリマーのヒドロゲルに、金属イオンを配位、還元させることによって金属ナノ粒子複合体を得、それを300℃〜1000℃の範囲で焼結することにより、ヒドロゲルが焼却され、金属ナノ粒子複合体から多孔体金属材料が得られる。
しかしながら、特許文献1および2のいずれも、テンプレートを燃焼によって除去するため、高温炉等の装置が必要であるとともに、エネルギー消費量が多いという問題がある。さらに、一旦燃焼によって焼失したテンプレートは、再利用することはできず、コスト高となるだけでなく、グリーンケミカルではない。
特開2002−226282号公報 特開2006−22367号公報
したがって、本発明の目的は、グリーンケミカルなテンプレートを用い、低エネルギー消費量のナノフレーク状金属複合材料の製造方法、それによって得られるナノサイズからサブミクロンサイズのフレーク状を有する金属複合材料およびその用途を提供することである。
発明1:フラクタル表面構造を持つ超分子組織体の除去痕跡様孔の形状を有し、前記形状の表面がフレーク状であり、前記超分子組織体は、二分子膜構造を基盤ナノ組織構造として有する、フラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体が層状に組織化されており、前記フラーレン誘導体は、(式1)で示され、(式2)で示されるフラーレン部位Aと、前記フラーレン部位に結合したベンゼン環と、前記ベンゼン環の3,4,5位それぞれに結合した第1〜第3の置換基R 、R およびR とを含み、
(式1)

(式2)

ここで、前記(式1)において、前記第1および第2の置換基R 、R のそれぞれは、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖であり、前記第3の置換基R は、水素原子であるか、または、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖のいずれかであり、前記(式2)において、(Fu)はフラーレンを、Xは水素原子またはメチル基を示し、前記フラーレン部位Aの含窒素5員環に前記ベンゼン環が結合していることを特徴とする、金属複合材料。
発明2:発明1に記載の金属複合材料において、前記金属複合材料は、金属または金属酸化物であることを特徴とする。
発明3:発明2に記載の金属複合材料において、前記金属は、Pt、Au、NiおよびTiからなる群から選択されることを特徴とする。
発明4:発明1に記載の金属複合材料において、前記金属複合材料は、基材上に位置することを特徴とする。
発明5:発明1に記載の金属複合材料において、前記金属複合材料は、多層膜であることを特徴とする。
明6:金属複合材料を製造する方法であって、水面展開法によりフラクタルな表面構造を有する超分子組織体を基材上に配置するステップと、前記超分子組織体上に金属材料を付与する付与ステップと、前記付与ステップによって得られた複合材料を前記超分子組織体の良溶媒に浸漬させる浸漬ステップとからなり、前記超分子組織体は、二分子膜構造を基盤ナノ組織構造として有する、フラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体が層状に組織化されており、前記フラーレン誘導体は、(式1)で示され、(式2)で示されるフラーレン部位Aと、前記フラーレン部位に結合したベンゼン環と、前記ベンゼン環の3,4,5位それぞれに結合した第1〜第3の置換基R 、R およびR とを含み、
(式1)

(式2)

ここで、前記(式1)において、前記第1および第2の置換基R 、R のそれぞれは、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖であり、前記第3の置換基R は、水素原子であるか、または、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖のいずれかであり、前記(式2)において、(Fu)はフラーレンを、Xは水素原子またはメチル基を示し、前記フラーレン部位Aの含窒素5員環に前記ベンゼン環が結合していることを特徴とする、方法。
明7:明6に記載の方法において、前記フラーレン部位(A)に結合するフラーレンは、C60、C70、C76、および、C84からなる群から選択されることを特徴とする。
明8:明6に記載の方法において、前記第1〜第3の置換基R、RおよびRのアルキル鎖は、それぞれ、アルキル(C2n+1)、アルコキシル(OC2n+1)、および、チオアルキル(SC2n+1)からなる群から選択され、ここで、nは、20以上の整数であることを特徴とする。
明9:明6に記載の方法において、前記金属材料は、金属または金属酸化物であることを特徴とする。
明10:明9に記載の方法において、前記金属は、Pt、Au、NiおよびTiからなる群から選択されることを特徴とする。
明11:明6に記載の方法において、前記付与ステップは、物理的気相成長法、化学的気相成長法および液相法からなる群から選択される方法を用いることを特徴とする。
明12:明6に記載の方法において、前記浸漬ステップは、室温にて少なくとも30秒間行うことを特徴とする。
明13:明6に記載の方法において、前記良溶媒は、クロロホルム、塩化メチレン、トルエンおよびベンゼンからなる群から選択されることを特徴とする。
発明14:明6に記載の方法において、前記方法は、前記浸漬ステップの前に、前記金属材料上に前記超分子組織体を追加配置する追加配置ステップと、前記浸漬ステップの前に、前記さらなる超分子組織体上に前記金属材料を追加付与する追加付与ステップと、前記追加配置ステップと前記追加付与ステップとの組をn回(nは0以上の整数)繰り返すステップとをさらに包含することを特徴とする。
発明15:明14に記載の方法において、前記追加配置ステップは、前記フラーレン誘導体と、1,4−ジオキサンとを混合するステップと、前記混合するステップによって得られた混合物を加熱するステップと、前記混合物をエージングするステップと、前記エージングするステップによって生じた沈殿を含む溶液を前記付与された金属材料上に塗布するステップとをさらに包含することを特徴とする。
発明16:発明15に記載の方法において、前記塗布するステップは、水面展開法を用いることを特徴とする。
発明17:表面増強ラマン散乱活性基板であって、基材と、基材の表面に設けられた表面増強ラマン散乱活性を示す材料が、発明1〜5のいずれかに記載の金属複合材料であることを特徴とする。
本発明による金属複合材料は、フラクタルな表面構造を持つ超分子組織体の除去痕跡様孔の形状を有し、その形状の表面がフレーク状である。これにより、本発明による金属複合材料は、全体として球状材料が潰れた形状の集合体の様態であり、その表面のフレーク状により表面積の大きな多孔性を有することができる。このような金属複合材料は、その材料に応じて、光触媒、磁性、ナノエレクトロニクスに適用され得る。また、本発明による金属複合材料は、強い表面増強ラマン散乱活性を示すので、表面増強ラマン散乱活性基板に好適である。
本発明による金属複合材料の製造方法は、フラクタル表面構造を有する超分子組織体上に金属材料を付与する付与ステップと、付与ステップによって得られた複合材料を超分子組織体の良溶媒に浸漬させる浸漬ステップとからなる。付与ステップにより、テンプレートである超分子組織体上および内部に所望の金属材料が付与される。次いで、浸漬ステップにより、テンプレートである超分子組織体のみが除去される。その結果、超分子組織体をテンプレート(鋳型)として、金属材料に構造転写した上述の金属複合材料を得ることができる。付与ステップは、所望の金属材料を任意の方法で付与すればよいので、有機/金属材料をテンプレートに含浸させて反応させる等の手間の要するプロセスを要しない。また、浸漬ステップは、良溶媒に浸漬させるだけで、超分子組織体を除去することができるので、従来の燃焼等の手間を要し、かつ、エネルギー消費の多いプロセスを要しない。また、良溶媒に溶解した超分子組織体を回収して、再度、テンプレートとして利用できるので、グリーンケミカルである。このように、本発明の製造方法によれば、超分子組織体をテンプレートとして金属複合材料を容易に得ることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明による金属複合材料の模式図を示す。
図1では、基材110上に位置する金属複合材料100を示す。本発明による金属複合材料100は、超分子組織体120をテンプレートとして、超分子組織体120の形状を金属材料130に構造転写したものである。詳細には、金属複合材料100は、超分子組織体120を除去することによって生じる除去痕跡様孔の形状140を有し、これにより多孔性である。また、超分子組織体120は、フラクタル表面構造を有しており(より詳細には、後述するように、超分子組織体120のフラクタル表面構造を形成するフラーレン構造体160の表面は、フレーク状150を有しており)、超分子組織体120を除去
した際に、このフラクタル表面構造に基づいて、除去痕跡様孔の形状140の表面はフレーク状150となる。これにより、金属複合材料100の比表面積が大きくなる。なお、図1の左図は、単層膜の超分子組織体120に金属材料130が付与された状態(本明細書では複合材料とも呼ぶ)を示し、図1の右図は、超分子組織体120が除去された後の単層膜の金属複合材料100を示す。
テンプレートとして機能する超分子組織体120は、二分子膜構造を基盤ナノ組織構造として有する、フラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体160が層状に組織化されたものである。具体的には、フラーレン誘導体は、(式1)で示され、(式2)で示されるフラーレン部位Aと、フラーレン部位Aに結合した第1〜第3の置換基R、RおよびRとを含む。
(式1)

(式2)
ここで、(式1)において、第1および第2の置換基RおよびRのそれぞれは、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖であり、第3の置換基Rは、水素原子であるか、または、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖のいずれかである。炭素原子が20個以上であれば、得られる超分子組織体が必ずフラクタルな表面構造を有するため、多孔性の金属複合材料を得ることができる。また、(式2)において、(Fu)はフラーレンを、Xは水素原子またはメチル基を示し、フラーレン部位Aの含窒素五員環にベンゼン環が結合している。
フラーレン(Fu)は、C60、C70、C76およびC84からなる群から選択される。これらのフラーレンは、工業的に製造されており、入手可能である。好ましくは、フラーレンは、C60である。これは、C60が、極めて高いIh対象性を有し、最も安定かつ安価であるので、取り扱いが簡便であるとともに、化学修飾も容易であるためである。
第1〜第3の置換基R、RおよびRの例示的なアルキル鎖(ただし、第3の置換基R3が水素原子でない場合)は、それぞれ、アルキル(C2n+1)、アルコキシル(OC2n+1)、および、チオアルキル(SC2n+1)からなる群から選択される。ここでも上述したように、n≧20を満たす。
(式1)で示されるフラーレン誘導体が形成する二分子膜構造は、フラーレン部位Aのπ−π相互作用により互いに集合するように、かつ、第1〜第3の置換基R、RおよびRのファンデルワールス力により互いに集合するように配列した構造である。二分子膜構造に配列したフラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体160は、上述の二分子膜構造がランダムに組織化した構造であり、表面にフラクタルな構造を持つフラワー状の形状を有する。フラーレン構造体160の表面はフレーク状150である。超分子組織体120は、フラーレン構造体160を層状に組織化したものである(なお、このような超分子組織体120の構造、特性の詳細については、本願発明者らによる特願2007−148818を参照されたい)。
金属複合材料100を構成する金属材料130(図1では、超分子組織体120の表面および内部に位置する)は、金属に基づく材料であれば任意であるが、半導体特性、磁性、強誘電性、光触媒等の特性を利用する観点から金属または金属酸化物が好ましい。
より具体的には、金属は、磁性材料および磁気記録媒体として利用可能なNi、CuおよびCo、半導体材料として利用可能なAl、SiおよびAlN、GaN等の化合物半導体、高反射率、高腐食性および高い熱導率を有するAgPdおよびAgMg、導電性・加工性に優れ工業用途で多用されるAu、および、高耐食性を示すTiを含む。これらの中でも、Pt、Au、NiおよびTiは、製造上容易にできる点から好ましい。また、金属酸化物は、光触媒として利用可能なTiO、絶縁性コート剤として利用可能なSiO、AlおよびMgO、透明導電膜として利用可能なIn、ITO、IZO(In−ZnO)およびAZO(Al−ZnO)、および、耐磨耗・研磨研剤用基板であるFeおよびCrを含む。これらの金属材料は一例であり、本発明の金属材料130は、金属に基づく特性を発現可能な任意の材料を用いることができる。
図1に示すように、本発明による金属複合材料100を基材110上に配置すれば、取り扱いが簡便となるので好ましい。なお、基材110は、例えば、Si基板、石英基板、プラスチック基板、マイカ、金属等であるが、これらに限定されない。また、基材110の形状は必ずしも平板である必要はなく、任意であり、後述する、超分子組織体120が付与される平滑表面を有せば、球面であってもよい。
次に、本発明による金属複合材料100の製造プロセスを説明する。
図2は、本発明による金属複合材料100を製造するフローチャートである。図1および図2を参照し、ステップごとに説明する。
ステップS210:金属材料130を超分子組織体120上に付与する。金属材料130および超分子組織体120は、図1を参照して説明したとおりである。金属材料130の付与は、物理的気相成長法、化学的気相成長法および液相法からなる群から選択される方法によって行われる。物理的気相成長法は、例えば、抵抗加熱、蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、MBE、PLD等である。化学的気相成長法は、具体的には、CVD、MOCVD等である。液相法は、例えば、電解メッキ、無電解メッキ、ゾルゲル法等である。中でも、物理的気相成長法におけるスパッタは、超分子組織体120の全体(表面、細部および裏側まで)に金属材料130を付与することができるので、好ましい。このようにして、超分子組織体120に金属材料130が付与された複合材料が得られる(図1の左図)。
なお、図1を参照して説明したように、超分子組織体120が基材110上に配置されていれば、取り扱いが簡便なため好ましい。超分子組織体120を製造し、基材110上に配置するプロセスを説明する。
図3は、超分子組織体を基材上に配置するフローチャートである。
ステップS310:フラーレン誘導体と1,4−ジオキサンとを混合する。フラーレン誘導体は、上述のフラーレン誘導体と同一であるため、重複して説明するのを避ける。また、上述のフラーレン誘導体は、例えば、本願発明者らによる特開2007−137809号公報に記載される製造方法によって製造される。1,4−ジオキサンは、フラーレン誘導体に対して室温にて貧溶媒である。
フラーレン誘導体の濃度を変化させることによって、超分子組織体の構造を制御することができる。詳細には、フラーレン誘導体の濃度を高く(例えば、3mM)すると、後述のフラーレン構造体は、ミクロサイズのディスク状となり、フラーレン誘導体の濃度を低く(例えば、1mM)すると、フラーレン構造体はマイクロメートルサイズの球状となる。このように、フラーレン誘導体の濃度を調整するだけで、フラーレン構造体の構造を制御できる、すなわち、テンプレートである超分子組織体の構造を制御できる。さらに、超分子組織体の構造の制御は、フラーレン誘導体の濃度の調整だけでなく、フラーレン誘導体の有する第1〜第3の置換基R、RおよびRの数および/または長さを調整しても達成できる。いずれにしても、フラーレン構造体の表面はフレーク状を有しており、超分子組織体がフラクタル表面構造を有し得る。
ステップS320:ステップS310で得られる混合物を加熱する。加熱によって、フラーレン誘導体を1,4−ジオキサン中に均一に溶解させることができる。均一に溶解させるために、加熱は、60℃〜70℃の温度範囲で、0.5時間〜2時間行われる。加熱もマイルドな条件かつ短時間でよいため、高価な装置を必要とせず、工業的に好ましい。
ステップS330:加熱後溶解した混合物をエージングする。これにより自己組織化的にフラワー状のフラーレン構造体160が得られる。十分に自己組織化させるためには、エージングは、室温(15℃〜30℃の温度範囲)にて、12時間〜24時間行われる。なお、自己組織化したフラワー状のフラーレン構造体160は、黒茶色の沈殿(析出物)として目視できる。この際の収率は、100%であるので、歩留まりもよく、大量生産も可能である。
ステップS340:沈殿を含む溶液を基材110に塗布する。これにより、フラーレン構造体160が層状に組織化された超分子組織体120が得られる。基材110への塗布は、滴下法、浸漬法、スピンコート法、水面展開膜法等の任意の方法を採用できる。水面展開膜法は、上記溶液を水面上に広げ、空気と
水との界面に形成された超分子組織体120を、引上げ法により基材110に塗布する方法である。このような水面展開膜法は、自身の有するフラクタル表面構造による超撥水性により、良質な超分子組織体120が空気と水との界面に自己組織化的に形成されるため好ましい。また、形成される超分子組織体120の大きさに制限はなく、大面積化も可能とする。基材110は、図1を参照して説明したとおりである。以上、ステップS310〜S340を経て、超分子組織体120が製造されるとともに、基材110に塗布される。
再度、図2を参照し、ステップS210に続いて説明する。
ステップS220:ステップS210で得られた複合材料を超分子組織体120の良溶媒に浸漬させる。これにより、超分子組織体120が除去され、金属材料130のみが残り、金属複合材料100が得られる(図1の右図)。超分子組織体120の良溶媒は、クロロホルム、塩化メチレン、トルエンおよびベンゼンからなる群から選択される。これらは、いずれも超分子組織体120の良溶媒であるとともに、市販にて入手可能である。浸漬は、室温(5℃〜30℃の範囲)にて、少なくとも30秒行う。30秒より短いと、超分子組織体120が残留する場合がある。ステップS220に続いて、超純水で洗浄し、乾燥させてもよい。
以上説明したように、ステップS210およびS220によって、本発明の金属複合材料100が得られる。本発明によれば、付与ステップ(S210)は、所望の金属材料130を任意の方法で付与すればよいので、従来技術に示されるような有機/金属材料をテンプレートに含浸させて反応させる等の手間の要するプロセスを要しない。また、浸漬ステップ(S220)は、良溶媒に浸漬させるだけで、超分子組織体120を除去することができるので、従来技術に示される燃焼等の手間を要し、かつ、エネルギー消費の多いプロセスを要しない。このように、本発明による製造方法によれば、従来に比べてプロセス時間を短縮化できるとともに、エネルギー消費量を削減できる。また、良溶媒に溶解した超分子組織体120を回収して、再度、テンプレートとして利用できるので、グリーンケミカルである。
(実施の形態2)
図4は、本発明による別の金属複合材料の模式図を示す。
金属複合材料400は、多層膜になっている以外は金属複合材料100と同様である。金属複合材料400は、金属材料130が付与された多層膜(図4では5層)の超分子組織体120(1)〜120(5)から超分子組織体120を除去することによって得られる。図4の左図は、多層膜の超分子組織体120に金属材料130が付与された状態(すなわち、複合材料)を示し、図4の右図は、超分子組織体120が除去された後の多層膜の金属複合材料400を示す。
金属複合材料400が多層膜の場合、すべての層が同じ金属材料であってもよいし、各層ごとに異なる金属材料であってもよく、組み合わせは任意である。このようなヘテロな材料からなる金属複合材料400は、電気・磁気特性の制御、さらには力学特性のチューニングも可能にする。これにより、電子の流れ、電気伝導(電荷)および磁性(スピン)の制御が可能になるので、新規なエレクトロニクス・スピンエレクトロニクスデバイスの開発に寄与する。
図5は、本発明による金属複合材料400を製造するフローチャートである。図4および図5を参照し、ステップごとに説明する。
ステップS510:図2のステップS210と同様に、超分子組織体120(1)上に金属材料130を付与する。
ステップS520:ステップS510に続いて、超分子組織体120(2)を金属材料130上に追加配置する。超分子組織体120(2)の金属材料130上への追加配置は、図3を参照して説明したステップS310〜ステップS340のうちステップS340において、基材110に替えて、ステップS510で得られた複合材料(超分子組織体120(1)上の金属材料130)を適用すればよい。
ステップS530:ステップS520で得られた超分子組織体120(2)上に金属材料130を追加付与する。なお、ステップS530は、ステップS210およびステップS510と同様である。
ステップS540:次いで、ステップS520とステップS530との組をn回(nは0以上の整数)繰り返す。詳細には、nが0の場合には、2層の多層膜からなる複合材料となり、nが1以上の場合には、3層以上の多層膜からなる複合材料となる。これにより、2層上の多層膜からなる複合材料が得られる。図4の多層膜の金属複合材料400を得る場合、ステップS520とステップS530との組は4回(n=4)繰り返される。これにより、図4の左図に示される、金属材料130/超分子組織体120(5)/金属材料130/超分子組織体120(4)/金属材料130/超分子組織体120(3)/金属材料130/超分子組織体120(2)/金属材料130/超分子組織体120(1)の積層構造((金属材料130/超分子組織体120)(5)とも称する)からなる複合材料が得られる。なお、ステップS510およびステップS530は、すべて同じ金属材料であってもよいし、一部/すべて異なる金属材料であってもよく、材料設計に応じて適宜選択される。これにより、ヘテロな材料からなる金属複合材料を得ることができる。繰返しの回数nは、任意である。
ステップS550:図2のステップS220と同様に、ステップS510〜ステップS540で得られた複合材料を良溶媒に浸漬させる。浸漬条件は、層数に係わらず、図2のステップS220と同様である。
以上、ステップS510〜ステップS550によって、多層膜からなる金属複合材料が得られる。このように、金属材料の任意の組み合わせが可能であることから、本発明の製造方法は、材料設計に極めて有利である。
以上、実施の形態1および2において詳述したように、本願発明者らは、超分子組織体120をテンプレートとして用いることにより、超分子組織体120が構造転写された金属複合材料100、400を得ることに成功した。金属複合材料100、400は、超分子組織体120を構成するフラーレン構造体160の球状を反映し、球状材料が潰れた形状の集合体の様態である。その結果、超分子組織体120は除去痕跡様の形状140を有し、全体として多孔性である。また、金属複合材料100、400の表面は、超分子組織体120のフラクタル表面構造、すなわち、フラーレン構造体160のフレーク状の表面
150を反映し、フレーク状150であり、比表面積が大きい。フラーレン構造体160のフレーク状の表面150は、ナノサイズ〜サブミクロンサイズを有し、同様に、金属複合材料100、400のフレーク状の表面150もまた、ナノサイズ〜サブミクロンサイズを有する。
このようなナノサイズ〜サブミクロンサイズのフレーク状の表面150を有する金属複合材料100、400は、例えば、金属材料に触媒作用がある場合、高速不均一触媒反応に有利である。また、基材上に位置する金属複合材料100、400を用いれば、微粒子が敷き詰められた基板において生じる、ナノサイズの微粒子界面で増強される赤外またはラマン分光のシグナルと同様の効果(SERS活性)が得られる。このような特性を利用して、本発明の金属複合材料100、400を表面増強ラマン散乱活性基板(SERS活性基板)に適用してもよい。さらに、フレーク状の表面150による比表面積の大きな金属複合材料10、400であれば、生体組織との親和性が増加するので、接着性の向上が期待できる。
このような金属複合材料100、400は、多孔性に加えて、金属材料130の各種特性を利用した各種用途(磁性材料、(強)誘電体材料、半導体材料、透明導電膜、光触媒、研磨剤等)に用いられる。
また、本願発明者らは、超分子組織体120がテンプレートとして機能すること、さらに、超分子組織体120は容易に回収でき、テンプレートとして再利用可能であるためグリーンケミカルであることを見出したが、テンプレートとして機能する超分子組織体120は、実施の形態1および2で特定された超分子組織体に必ずしも限定する必要はなく、本発明の方法を種々の超分子組織体にも適用し、新規な形状を有する材料を得ることも想定の範囲内である。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
金属材料130(図1)がPtである金属複合材料100(図1)をSi基板(MEMC Electronic Materials製, p型, 鏡面研磨ウェハ)およびTEMグリッド(具体的には、カーボン支持膜が付与されたCu製グリッド)上に形成した。Si基板は、アセトン洗浄し、純窒素ガスフローにより乾燥させた。具体的な手順を説明する。
(式3)に示す、(3)および(4)の式で示されるフラーレン誘導体3,4,5C2060を特開2007−137809号公報に基づいて合成した。式(3)のフラーレン部位Aは式(4)で示され、フラーレン(Fu)は、C60であった。得られたフラーレン誘導体6〜8mgを1,4−ジオキサン4mLに溶解させた(図3のステップS310)。
(式3)
次に、ホットプレートを用いて、混合物を70℃まで加熱し、2時間保持した(図3のステップS320)。フラーレン誘導体が1,4−ジオキサンに完全に溶解したのを目視にて確認した。その後、溶液を室温(20℃)まで放冷し、12時間エージングした(図3のステップS330)。溶液の底部に黒茶色の析出物が目視にて確認できた。
析出物を含む1,4−ジオキサン溶液をマイクロシリンジにて取り出し、Si基板およびTEMグリッド上に塗布した(図3のステップS340)。塗布は、滴下法によって行った。塗布後、Si基板およびTEMグリッドを自然乾燥させ、余剰の溶液を除去した。このようにして、Si基板およびTEMグリッド上に超分子組織体120が付与された基板(以降では、それぞれ、3,4,5C2060/Si基板および3,4,5C2060/TEMグリッドと称する)を得た。
次いで、3,4,5C2060/Si基板および3,4,5C2060/TEMグリッド上に金属材料130としてPtを付与した(図2のステップS210)。付与は、イオンスパッタ(e−1030 ion sputter, Hitachi)により行った。スパッタ条件は、真空度10Pa、電流値10mA、蒸着時間30秒、温度20℃であった。これにより3,4,5C2060/Si基板および3,4,5C2060/TEMグリッド上それぞれにPtが約2nm付与された(以降では、それぞれ、Pt/3,4,5C2060/Si基板およびPt/3,4,5C2060/TEMグリッドと称する)。走査型電子顕微鏡SEM(S−4800, Hitachi)を用いて、Pt/3,4,5C2060/Si基板を観察した。SEMの観察条件は、加速
電圧10kVであった。観察結果を図6に示し後述する。
その後、Pt/3,4,5C2060/Si基板およびPt/3,4,5C2060/TEMグリッドそれぞれをクロロホルムに60秒浸漬させた(図2のステップS220)。浸漬によって、3,4,5C2060が除去されたPt/Si基板およびPt/TEMグリッドを得た。SEMを用いてPt/Si基板を、走査型透過電子顕微鏡STEM(S−4800, Hitachi)を用いて、Pt/TEMグリッドを観察した。STEMの観察条件は、加速電圧30kVであった。それぞれの結果を図7〜図9に示し後述する。
ラマン分光(BeamLok 2060−RS with Horiba Jobin−Yvon T64000 Micro Raman Spectrometer, Spectra−Physics)を用いて、3,4,5C2060/Si基板、Pt/3,4,5C2060/Si基板およびPt/Si基板の物質の同定を行った。結果を図10に示し後述する。
エネルギー分散型X線分析装置を備えた透過電子顕微鏡TEM−EDX(JEM−2100F, JEOL)を用いて、Pt/TEMグリッドの組成分析を行った。TEMによる観察結果、EDXによる元素マッピングの結果、および、EDXによるスペクトルをそれぞれ、図11〜図13に示し、後述する。また、高分解能透過電子顕微鏡HRTEM(JEM−2100F、JEOL)を用いて、Pt/Si基板を観察した。観察結果を図14に示し、後述する。
金属材料130(図4)がPtである多層膜からなる金属複合材料400(図4)をSi基板および石英基板上に形成した。石英基板には予めAuが付与されている。実施例1で合成されたフラーレン誘導体3,4,5C2060を用いた。具体的な手順を説明する。
実施例1と同様に、フラーレン誘導体6〜8mgを1,4−ジオキサン4mLに溶解させ(図3のステップS310)、ホットプレートを用いて、混合物を70℃まで加熱し、2時間保持した(図3のステップS320)。次いで、溶液を室温(20℃)まで放冷し、12時間エージングし(図3のステップS330)、析出物を含む1,4−ジオキサン溶液をマイクロシリンジにて取り出し、Si基板および石英基板上にそれぞれ塗布した(図3のステップS340)。このようにして、Si基板および石英基板上に超分子組織体120(1)(図4)が付与された基板(以降では、3,4,5C2060/Si基板および3,4,5C2060/石英基板と称する)を得た。
3,4,5C2060/Si基板および3,4,5C2060/石英基板上に金属材料130としてPtを付与した(図5のステップS510)。次いで、それぞれの基板上に、上述の析出物を含む1,4−ジオキサン溶液をマイクロシリンジにて取り出し、塗布した(図5のステップS520)。再度、それぞれの基板上にPtを付与した(図5のステップS530)。次いで、図5のステップS520およびステップS530を4回繰返(図5のステップS540)し、(Pt/3,4,5C2060(5)/Si基板、および、(Pt/3,4,5C2060(5)/石英基板を得た。(5)で示す文字は、Ptと3,4,5C2060との組がSi基板および石英基板上のそれぞれに5層積層されていることを示す。なお、ステップS510およびステップS530におけるPtの付与は、実施例1のステップS210におけるPtの付与と同様の条件で行った。(Pt/3,4,5C2060(5)/石英基板の表面および断面を、SEMを用いて観察した。観察結果を図15に示し詳述する。(Pt/3,4,5C2060(5)/Si基板の表面を、光学顕微鏡を用いて観察した。観察結果を図17に示し後述する。
その後、(Pt/3,4,5C2060(5)/Si基板、および、(Pt/3,4,5C2060(5)/石英基板のそれぞれをクロロホルムに60秒浸漬させた(図5のステップS550)。浸漬条件は、実施例1のステップS220と同様であった。浸漬によって、3,4,5C2060が除去されたPt(5)/Si基板およびPt(5)/石英基板を得た。(5)で示す文字は、PtがSi基板および石英基板上のそれぞれに5層積層されていることを示す。Pt(5)/石英基板の表面および断面を、SEMを用いて観察した。観察結果を図16に示し詳述する。Pt(5)/Si基板の表面を、光学顕微鏡を用いて観察した。観察結果を図18に示し後述する。
金属材料130(図1)がAuである金属複合材料100(図1)をTEMグリッド(具体的には、カーボン支持膜が付与されたCu製グリッド)上に形成した。金属材料130(図1)として、Ptに替えてAuを用いた以外は、実施例1と同様であるため説明を省略する。以降では、得られたAuからなる単層膜の金属複合材料100(図1)をAu/TEMグリッドと称する。
実施例1と同様に、STEMを用いて、Au/TEMグリッドを観察した。観察結果を図19に示す。実施例1と同様に、TEM−EDXを用いて、Au/TEMグリッドの組成分析を行った。TEMによる観察結果、EDXによる元素マッピングの結果、および、EDXによるスペクトルをそれぞれ、図20〜図22に示し、後述する。
金属材料130(図4)がAuである多層膜からなる金属複合材料400(図4)をSi基板上に形成した。金属材料130(図4)として、Ptに替えてAuを用いた以外は、実施例2と同様であるため説明を省略する。以降では、Auと3,4,5C2060とからなる複合材料を(Au/3,4,5C2060(5)/Si基板と称し、3,4,5C2060を除去したAuからなる多層膜の金属複合材料400(図4)をAu(5)/Si基板と称する。
SEMを用いて、(Au/3,4,5C2060(5)/Si基板、および、Au(5)/Si基板を観察した。観察結果を図23〜図26に示し詳述する。ラマン分光を用いて、(Au/3,4,5C2060(5)/Si基板、および、Au(5)/Si基板の物質の同定を行った。結果を図27に示し後述する。図27には、参考のため、図10の3,4,5C20600/Si基板の結果も合わせて示す。
金属材料130(図1)がTiである金属複合材料100(図1)をTEMグリッド(具体的には、カーボン支持膜が付与されたCu製グリッド)上に形成した。金属材料130(図1)として、Ptに替えてTiを用いた以外は、実施例1と同様であるため説明を省略する。以降では、得られたTiからなる単層膜の金属複合材料100(図1)をTi/TEMグリッドと称する。
実施例1と同様に、STEMを用いて、Ti/TEMグリッドを観察した。観察結果を図28および図29に示す。実施例1と同様に、TEM−EDXを用いて、Ti/TEMグリッドの組成分析を行った。TEMによる観察結果、EDXによる元素マッピングの結果、および、EDXによるスペクトルをそれぞれ、図30〜図32に示し、後述する。また、HRTEMを用いて、Ti/TEMグリッドを観察した。観察結果を図33に示し、後述する。
金属材料130(図1)がNiである金属複合材料100(図1)をTEMグリッド(具体的には、カーボン支持膜が付与されたCu製グリッド)上に形成した。金属材料130(図1)として、Ptに替えてNiを用いた以外は、実施例1と同様であるため説明を省略する。以降では、得られたNiからなる単層膜の金属複合材料100(図1)をNi/TEMグリッドと称する。
実施例1と同様に、TEM−EDXを用いて、Ni/TEMグリッドの組成分析を行った。TEMによる観察結果、EDXによる元素マッピングの結果、および、EDXによるスペクトルをそれぞれ、図34〜図36に示し、後述する。
金属材料130(図1)がAuである金属複合材料100(図1)をSi基板および石英基板上に形成した。実施例1で合成したフラーレン誘導体3,4,5C2060 1mMとなるよう1,4−ジオキサン4mL中に準備した(図3のステップS310)。
次に、ホットプレートを用いて、混合物を70℃まで加熱し、30分間保持した(図3のステップS320)。フラーレン誘導体が1,4−ジオキサンに完全に溶解したのを目視にて確認した。その後、溶液を室温(20℃)まで放冷し、エージングした(図3のステップS330)。溶液の底部に黒茶色の析出物が目視にて確認できた。析出物をSEM(Philips製, XL30)により観察した。観察結果を図37に示し後述する。
析出物を含む1,4−ジオキサン溶液をSi基板および石英基板(Hellma Optik製)上に塗布した(図3のステップS340)。石英基板は、ピラニア溶液(HSO:H=70:30)に浸漬させて洗浄し、超純水でリンスされている。
塗布は、水面展開膜法によって行った。詳細には、容器内に水をはり、この水上に析出物を含む1,4−ジオキサン溶液を広げ、空気と水との界面に超分子組織体120を形成した。次いで、容器にSi基板および石英基板を垂直方向に浸漬させ、引上げた(垂直引き上げ法)。これにより、超分子組織体120が、水面からSi基板および石英基板の表面に移り塗布される。塗布後、Si基板および石英基板を自然乾燥させ、余剰の溶液を除去した。このようにして、Si基板および石英基板上に超分子組織体120が付与された基板(以降では、それぞれ、(3,4,5C2060LB/Si基板および(3,4,5C2060LB/石英基板と称する)を得た。
次いで、(3,4,5C2060LB/Si基板および(3,4,5C2060LB/石英基板上それぞれに金属材料130としてAuを50nm付与した(図2のステップS210)。Auは、MTM−20の膜厚コントローラを備えたJFC−1300 JEOL 自動スパッタコータにより付与した。なお、実際のAuの膜厚は、QCM膜厚モニタにより測定した。これらをAu/(3,4,5C2060LB/Si基板およびAu/(3,4,5C2060LB/石英基板と呼ぶ。
その後、Au/(3,4,5C2060LB/Si基板およびAu/(3,4,5C2060LB/石英基板それぞれをクロロホルムに60秒浸漬させた(図2のステップS220)。浸漬によって、3,4,5C2060が除去された金属複合材料AuLB/Si基板およびAuLB/石英基板を得た。AuLB/Si基板について、SEM観察を行った。観察結果を図39〜図41に示し後述する。
金属材料130(図1)がAuである金属複合材料100(図1)をSi基板上に形成した。実施例7において、フラーレン誘導体3,4,5C2060の濃度を3mMにした以外は同様のため説明を省略する。以降ではAuからなる金属複合材料100(図1)をAu’LB/Si基板と称する。実施例7と同様に、1,4−ジオキサン中の析出物(フラーレン構造体)およびAu’LB/Si基板についてSEM観察を行った。観察結果を図38および図42に示し後述する。
以上の実施例1〜実施例8の実験条件を表1に示す。
図6は、実施例1のPt/3,4,5C2060/Si基板のSEM像を示す図である。
図6より、Ptを付与した後も超分子組織体(3,4,5C2060)のフラワー状の形状が維持されていることが分かる。このことは、Ptの付与によっても超分子組織体の形状が維持されているので、テンプレートとして機能することを示唆する。
図7は、実施例1のPt/Si基板のSEM像を示す図である。
図8は、実施例1のPt/Si基板の別のSEM像を示す図である。
図7および図8は、図6(挿入図)と比較して、フラワー状の形状が潰れた形状(球体形状が潰れた形状)が維持されていることを示す。また、その表面は、フレーク状であり、ナノサイズ〜サブミクロンサイズであることを確認した。本発明による金属複合材料は、フレーク状の表面を有するため、比表面積が大きいことが示唆される。
図9は、実施例1のPt/Si基板の別のSTEM像を示す図である。
図7および図8と同様に、フラワー状の形状が潰れた形状(球体形状が潰れた形状)が維持されており、その表面は、ナノサイズ〜サブミクロンサイズのフレーク状であることが確認された。また、図9によれば、フラワー状の形状が潰れた形状の中が一部空洞であり、Pt/3,4,5C2060/Si基板をクロロホルムに浸漬させること(図2のステップS220)によって、超分子組織体(3,4,5C2060)のみが除去されたことが示唆される。本発明による金属複合材料は、フラワー状の形状が潰れた形状であるとともに、内部に一部空洞も有していることから、多孔性であることが示唆される。
図10は、実施例1のラマンスペクトルを示す図である。
3,4,5C2060/Si基板およびPt/3,4,5C2060/Si基板のスペクトルによれば、フラーレン(C60)に特徴的なピーク(フラーレンのペンタゴナルピッチモード)が1463cm−1に観察された。一方、Pt/Si基板のスペクトルは、1463cm−1に何らピークを示さなかった。これにより、Pt/3,4,5C2060/Si基板をクロロホルムに浸漬させること(図2のステップS220)によって、超分子組織体のみが確実に除去されたことが確認された。
図11は、実施例1のPt/TEMグリッドのTEM像を示す図である。
図12は、図11のTEM像に対応するPtマッピングを示す図である。
図11および図12は、Pt/TEMグリッドの同じ領域を示しており、それぞれ対応している。また、図12のコントラストの明るく示される領域は、Ptが位置することを示す。図11および図12によれば、フラワー状の形状が潰れた形状に沿って、Ptが位置していることが分かる。
図13は、実施例1のPt/TEMグリッドのEDXスペクトルを示す図である。
図13は、PtおよびCの顕著なピークを示した。なお、Cは、超分子組織体(3,4,5C2060)ではなく、TEMグリッド上のカーボン支持膜によるものである。このことからも、超分子組織体をテンプレートとして、Ptからなる金属複合材料が得られたことが示される。
図14は、実施例1のPt/Si基板のHRTEM像を示す図である。
図14は、約3〜4nm径の領域にPtの格子像をはっきり示した。このことからも、超分子組織体にPtの微粒子が付与(吸着)され、超分子組織体が除去された後も、超分子組織体の形状を維持していることに加えて、金属複合材料を構成するPtは、Pt単結晶格子を有するナノ粒子構造から構成されていることが確認された。
以上、図6〜図14により、超分子組織体(3,4,5C2060)がテンプレートとして機能し、超分子組織体の構造が転写された金属複合材料が得られることが分かった。また、テンプレートを除去する際に、従来のような燃焼を不要とするので、エネルギー消費がなく好ましい。
図15は、実施例2の(Pt/3,4,5C2060(5)/石英基板の断面(A)および表面(B)のSEM像を示す図である。
図15(A)より、Ptと超分子組織体(3,4,5C2060)とを交互に積層しても、超分子組織体のフラワー状の形状が維持された積層構造の複合材料が得られたことが確認された。図15(B)の表面構造もまた、Ptが付与されても超分子組織体のフラワー状の形状が維持されていることを示した。
図16は、実施例2のPt(5)/石英基板の断面(A)および表面(B)のSEM像を示す図である。
図16(A)より、図15(A)と比較して、金属複合材料は、フラワー状の形状が潰れているものの、積層構造であり、多孔性であることが確認された。図16(B)の表面構造は、本発明の金属複合材料は、フラワー状の形状が潰れて、積層構造により重なり合い、結果として多孔性でその表面がフレーク状であることを示した。
図17は、実施例2の(Pt/3,4,5C2060(5)/Si基板の光学顕微鏡写真を示す図である。
図17のコントラストから、サブミリメートルの広い範囲に、Ptと超分子組織体との積層構造からなる複合材料が首尾よく形成されていることが示される。
図18は、実施例2のPt(5)/Si基板の光学顕微鏡写真を示す図である。
図18は、図17に比べ、光透過性が増し、Si基板においてランダムに光が散乱し、多色に可視化されていることを示す。このことから、(Pt/3,4,5C2060(5)/Si基板をクロロホルムに浸漬させること(図5のステップS550)によって、積層構造からなる複合材料においても超分子組織体のみが除去されたことが示唆される。
図15〜図18から、サブミリメートルの広い領域においても、超分子組織体の除去が行われ、多層膜からなる金属複合材料が得られることが示された。サイズに制限がないことは、製造上極めて有利である。
図19は、実施例3のAu/TEMグリッドのSTEM像を示す図である。
図19によれば、フラワー状の形状が潰れた形状(球体形状が潰れた形状)が維持されており、その表面は、ナノサイズ〜サブミクロンサイズのフレーク状であることが確認された。また、図19によれば、フラワー状の形状が潰れた形状の中が一部空洞であり、Au/3,4,5C2060/TEMグリッドをクロロホルムに浸漬させること(図2のステップS220)によって、超分子組織体(3,4,5C2060)のみが除去されたことが示唆される。実施例1と同様に、金属材料の種類に係わらず、フラワー状の形状が潰れた形状であるとともに、内部に一部空洞も有する多孔性の金属複合材料が得られることが分かった。
図20は、実施例3のAu/TEMグリッドのTEM像を示す図である。
図21は、図20のTEM像に対応するAuマッピングを示す図である。
図20および図21は、Au/TEMグリッドの同じ領域を示しており、それぞれ対応している。また、図21のコントラストの明るく示される領域は、Auが位置することを示す。図20および図21によれば、フラワー状の形状が潰れた形状に沿って、Auが位置していることが分かる。
図22は、実施例3のAu/TEMグリッドのEDXスペクトルを示す図である。
図22は、AuおよびCの顕著なピークを示した。なお、Cは、超分子組織体(3,4,5C2060)ではなく、TEMグリッド上のカーボン支持膜によるものである。このことからも、超分子組織体(3,4,5C2060)をテンプレートとして、Auからなる金属複合材料が得られたことが示される。
図23は、実施例4の(Au/3,4,5C2060(5)/Si基板のSEM像を示す図である。
図24は、実施例4の(Au/3,4,5C2060(5)/Si基板の別のSEM像を示す図である。
図23および図24は、Auと超分子組織体(3,4,5C2060)とを交互に積層しても、超分子組織体のフラワー状の形状が維持された積層構造の複合材料が得られたことを示した。
図25は、実施例4のAu(5)/Si基板のSEM像を示す図である。
図26は、実施例4のAu(5)/Si基板の別のSEM像を示す図である。
図25より、本発明の金属複合材料は、フラワー状の形状が潰れて、多層積層により重なり合い、結果として多孔性でその表面がフレーク状であることが確認された。図26は、表面がナノサイズからサブミクロンサイズのフレーク状であることを示した。図23〜図26から、Auと3,4,5C2060との積層構造からなる複合材料から超分子組織体(3,4,5C2060)を除去(図5のステップS550)すると、超分子組織体の構造が一部潰れるものの、全体として超分子組織体の構造が維持された多層膜からなる金属複合材料が得られることが示唆される。
図27は、実施例4のラマンスペクトルを示す図である。
3,4,5C2060/Si基板および(Au/3,4,5C2060(5)
Si基板のスペクトルによれば、フラーレン(C60)に特徴的なピーク(フラーレンのペンタゴナルピッチモード)が1463cm−1に観察された。一方、Au(5)/Si基板のスペクトルは、1463cm−1に何らピークを示さなかった。これにより、(Au/3,4,5C2060(5)/Si基板をクロロホルムに浸漬させること(図5のステップS550)によって、超分子組織体(3,4,5C2060)のみが確実に除去されたことが確認された。
図28は、実施例5のTi/TEMグリッドのSTEM像を示す図である。
図29は、実施例5のTi/TEMグリッドの別のSTEM像を示す図である。
図28および図29によれば、本発明の金属複合材料は、ナノサイズ〜サブミクロンサイズのフレーク状の表面を有し、多孔性であることが確認された。実施例1、実施例3と同様に、金属材料の種類に係わらず、フラワー状の形状が潰れた形状であるとともに、内部に一部空洞も有する多孔性の金属複合材料が得られることが分かった。
図30は、実施例5のTi/TEMグリッドのTEM像を示す図である。
図31は、図30のTEM像に対応するTiマッピングを示す図である。
図30および図31は、Ti/TEMグリッドの同じ領域を示しており、それぞれ対応している。また、図31のコントラストの明るく示される領域は、Tiが位置することを示す。図30および図31によれば、フラワー状の形状が潰れた形状に沿って、Tiが位置していることが分かる。
図32は、実施例5のTi/TEMグリッドのEDXスペクトルを示す図である。
図32は、TiおよびCの顕著なピークを示した。なお、Cは、超分子組織体(3,4,5C2060)ではなく、TEMグリッド上のカーボン支持膜によるものである。また、わずかながらOのピークも検出された。これは、表面Tiの一部が酸化し、TiOになったためと考えられる。このことからも、超分子組織体(3,4,5C2060)をテンプレートとして、Tiからなる金属複合材料が得られたことが示される。
図33は、実施例5のTi/TEMグリッドのHRTEM像を示す図である。
図33は、約3〜4nm径の領域にTiの格子像をはっきり示した。このことからも、超分子組織体(3,4,5C2060)にTiの微粒子が付与(吸着)され、超分子組織体が除去された後も、超分子組織体の形状を維持していることに加えて、金属複合材料を構成するTiは、Ti単結晶格子を有するナノ粒子構造から構成されていることが確認された。
図34は、実施例6のNi/TEMグリッドのTEM像を示す図である。
図35は、図34のTEM像に対応するNiマッピングを示す図である。
図34および図35は、Ni/TEMグリッドの同じ領域を示しており、それぞれ対応している。また、図35のコントラストの明るく示される領域は、Niが位置することを示す。図34および図35によれば、フラワー状の形状が潰れた形状に沿って、Niが位置していることが分かる。
図36は、実施例6のNi/TEMグリッドのEDXスペクトルを示す図である。
図36は、NiおよびCの顕著なピークを示した。なお、Cは、超分子組織体(3,4,5C2060)ではなく、TEMグリッド上のカーボン支持膜によるものである。また、わずかながらOのピークも検出された。これは、表面Niの一部が酸化し、NiOになったためと考えられる。このことからも、超分子組織体(3,4,5C2060)をテンプレートとして、Niからなる金属複合材料が得られたことが示される。
図37は、実施例7のフラーレン構造体のSEM像を示す図である。
図38は、実施例8のフラーレン構造体のSEM像を示す図である。
図37および図38より、フラーレン誘導体の濃度によって、フラーレン構造体の構造が異なることが分かる。詳細には、図37に示すフラーレン構造体は、マイクロメートルサイズのフラワー状の球体であり、その表面は、ナノメートルスケールの皺の寄ったフレーク状である。一方、図38に示すフラーレン構造体は、ミクロサイズのディスク状である。実施例8のフラーレン構造体の細部(図示せず)によれば、皺の寄ったフレーク状の表面であることを確認した。このように、用いるフラーレン誘導体の濃度を変化させることによって、フラーレン構造体160(図1)、さらに超分子組織体120(図1)の構造を制御することができることが示唆される。
図39は、実施例7のAuLB/Si基板のSEM像を示す図である。
図40は、実施例7のAuLB/Si基板の別のSEM像を示す図である。
図41は、実施例7のAuLB/Si基板のさらに別のSEM像を示す図である。
図39〜図41によれば、実施例3と同様に、実施例7のAuLB/Si基板においても、テンプレートである超分子組織体のフラワー状の形状が潰れた形状(球体形状が潰れた形状)が維持されており、その表面は、ナノサイズ〜サブミクロンサイズのフレーク状であることが確認された。特に、図39によれば、Auが極めて均一な膜であり、Si基板全体を均一に覆っていることが示され、このことから超分子組織体120(図1)の付与に水面展開膜法が好ましいことが示唆される。また、図40および図41によれば、フラワー状の形状が潰れた形状の大きさは、数マイクロメートルであり、花びらに類似のフレーク状の厚さは、50nm〜80nmの範囲であった。
図42は、実施例8のAu’LB/Si基板のSEM像を示す図である。
図42によれば、実施例8のAu’LB/Si基板においても、テンプレートである超分子組織体のディスク状の形状が潰れた形状が維持されていることが分かる。図示しないが、潰れた形状の表面がフレーク状であることを確認した。
以上、実施例3と実施例7および8とから、基材110(図1)上に超分子組織体120(図1)を形成する方法として滴下法および水面展開膜法を説明したが、いずれの方法であっても目的とする金属複合材料100(図1)が得られることが分かった。特に、水面展開膜法を採用すれば、均一な超分子組織体120が得られるため、均一な金属複合材料100を得るに好ましい。
実施例7で得られたAuLB/石英基板を用いて、金属複合材料のSERS活性について調べた。表面増強ラマン散乱活性(SERS活性)の評価に先立って、AuLB/石英基板についてUV−vis−NIR分光測定を行った。
図43は、実施例7のAuLB/石英基板のUV−vis−NIRスペクトルを示す図である。
図44は、実施例7のAuLB/石英基板の別のUV−vis−NIRスペクトルを示す図である。
図44は、図43の波長500nm〜1075nmの領域を拡大して示す。図43および図44によれば、AuLB/石英基板は、2つの吸収帯を示した。1つは、横モードのプラズモンに相当する278nmを中心とする吸収帯であり、もう1つは、縦モードのプラズモンに相当する約700nm〜近赤外領域にわたる吸収帯であった。このことから、励起波長として1064nmの光を用いて、SERS活性を評価するできることを確認した。
SERS効果を評価するためのモデル分子としてSERS活性の研究分野で周知の4−アミノチオフェノール(4−ATP)を採用した。4−ATPの単層膜をAuLB/石英基板に付与した。具体的には、AuLB/石英基板をOプラズマで2分間処理し、表面の不純物有機種を完全に除去した後、AuLB/石英基板を、4−ATP(2mM)を含有するエタノール溶液中に少なくとも24時間浸漬させた。これにより、自己組織化的にAuLB/石英基板上に4−ATP単層膜が形成される(4−ATP/AuLB/石英基板)。その後、4−ATP/AuLB/石英基板を溶液から取り出し、純エタノールで洗浄し、純窒素ガスで乾燥させた。
4−ATP/AuLB/石英基板について、表面増強ラマン散乱(SERS)スペクトルを室温にて測定した。測定は、励起源として波長1064nmのNd/YAGレーザを用い、Ge検出器を備えたFT−ラマン分光計(Bruker RFS 100/S)により行った。レーザの分解能は4cm−1であり、レーザパワーは約50mWであった。比較のため、固体4−ATP、および、4−ATP/Au/石英基板(テンプレートとして超分子組織体を用いることなく、石英基板上に直接実施例7と同条件でAu薄膜を形成し、その上に4−ATP単層膜を形成した試料)についても同様にSERSスペクトルを測定した。測定結果を図45および図46に示す。
図45は、4−ATP/AuLB/石英基板および4−ATP/Au/石英基板のSERSスペクトルを示す図である。
図46は、固体4−ATPのSERSスペクトルを示す図である。
図45より、本発明の金属複合材料(すなわち、超分子組織体をテンプレートとして構造転写によるAu薄膜)上の4−ATPのスペクトルの強度は、フラットな金属材料(すなわち、テンプレートを用いることなく得られたAu薄膜)上の4−ATPのスペクトルのそれに比べて、60倍以上増大することが分かった。このことから、超分子組織体をテンプレートとして構造転写により得られる金属複合材料は、そのフレーク状の表面によって、SERS効果を増大できることが示唆される。
図45の4−ATP/AuLB/石英基板のスペクトルのうち、1587cm−1、1079cm−1および391cm−1に相当するピークは、強いSERS効果を示し、aモードである。1177cm−1および1003cm−1に相当するピークは、金属表面から4−ATP単層膜への電荷移動を示し、bモードである。なお、aモードおよびbモードのピークは、いずれも、SERS効果を示す。
次に、図45の4−ATP/AuLB/石英基板のスペクトルと、図46の固体4−ATPスペクトルとから、4−ATPの増強因子(EF)について調べた。増強因子(EF)は、次式によって求められる。
EF=ISERSbulk/Ibulksurf…(A)
ここで、ISERSおよびIbulkは、それぞれ、4−ATP/AuLB/石英基板および固体4−ATPの垂直モードの強度である。なお、増強因子の算出には、1079cm−1、1003cm−1および391cm−1のピーク強度を採用した。
surfおよびNbulkは、それぞれ、光が照射された表面に位置する分子数、および、照射量内のバルク(固体4−ATP)中に存在する分子数である。Nbulkは、固体4−ATPの密度(1.18g/cm)およびレーザスポットサイズ(直径約100μm、深さ約180μm)から得られ、約8×1015であった。Nsurfは、1つの4−ATP分子が占有する面積は約0.20nmであり、かつ、各4−ATP分子はAuLB/石英基板を完全に覆っていると仮定すると、活性表面積から算出される。
ここで、活性表面積を算出するため、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定を行った。CV測定は、Gamry Reference 600 ポテンショスタット/ガルバノスタット/ZRA装置を用いて3電極式で行った。Auプレート上に実施例7と同様の手順で金属複合材料としてAuを形成し、作用電極とした。Auプレートの面積は0.785cmであった。補助電極および参照電極は、それぞれ、Ptリング、および、Ag/AgCl(飽和KCl)であった。測定条件は、Au酸化物が剥離された領域を通過した電荷量を400μC/cmと仮定し、走査速度100mV/s、HSO(1M)中にて行った。測定結果を図47に示す。
図47は、本発明による金属複合材料としてAuのサイクリックボルタモグラムを示す図である。
Au酸化物の剥離された領域からの電荷は、約2.54mCであり、電極部分の活性表面積は約6.35×10−4であった。なお、この値は、テンプレートとして超分子組織体を用いることなく直接Auプレート上に形成されたAu薄膜の活性表面積の約10倍であった(図示せず)。このことからも、本発明による金属複合材料が、大きな比表面積を有することが確認される。
以上より、レーザスポット領域内の実際のSERS活性表面積は約6.35×10−8となり、Nsurfは3.2×1011と算出された。各1079cm−1、1003cm−1および391cm−1のピークに対して、ISERS、Ibulk、NsurfおよびNbulkの値を(A)式に代入すると、EF1079、EF1003およびEF391は、それぞれ、約2.4×10、8.2×10および1.1×10と算出された。得られた増強因子EFは、既存のAuからなるSERS活性基板に匹敵する値であり、本発明の金属複合材料もまたSERS活性基板として機能し得ることが確認された。
なお、これらの値は、4−ATPがAuLB/石英基板全体を覆っているものとして算出した。実際の誤差を調べるために、作用電極として4−ATP/Au/Auプレートと、Au(4−ATP未修飾Au)/Auプレートとのそれぞれについて、CV測定を行った。なお、作用電極のAuは、いずれも、テンプレートとして超分子組織体を用いて構造転写によって得られた金属複合材料である。KCl水溶液(0.1M)中にて作用電極でのKFe(CN)のサイクリックボルタンメトリを測定した。測定結果を図48に示す。
図48は、作用電極として4−ATP/Au/AuプレートおよびAu/AuプレートのKFe(CN)のサイクリックボルタモグラムを示す図である。
図48に示されるように、作用電極として4−ATP/Au/Auプレートを用いた場合の曲線と、Au/Auプレートを用いた場合の曲線とは、完全に一致しなかった。これは、4−ATPのAu表面への被覆により、KFe(CN)の酸化還元応答が一部阻害されていることを意味する(4−ATPにより完全に覆われた場合は、KFe(CN)の応答は完全の阻害されてしまう)。したがって、4−ATPは、金属複合材料Auを完全に覆っていないことを示している。このことから、増強因子EFを求める際に4−ATPがAuLB/石英基板全体を覆っているものと仮定したが、実際には、4−ATPはAuLB/石英基板の一部のみを覆っていることが確認された。このような誤差を考慮すれば、上述の増強因子EFは、下限に過ぎず、10〜10となることが予想される。このような値は実用に十分適しており、本発明の金属複合材料がSERS活性基板に適用可能であることが示された。また、本発明の金属複合材料であれば、製造が容易であり、かつ、再現性もよいので、好ましい。
上述したように、本発明によれば、超分子組織体をテンプレートとして金属材料に構造が転写された金属複合材料が得られる。このような金属複合材料は、金属材料の特性に応じて、光触媒、磁性、半導体、誘電体、ナノエレクトロニクスに適用され得る。また、本発明によれば、テンプレートである超分子組織体は、再生可能なグリーンケミカルであるとともに、燃焼を不要とするため低エネルギー消費量で金属複合材料を得ることができる。
本発明による金属複合材料の模式図 本発明による金属複合材料100を製造するフローチャート 超分子組織体を基材上に配置するフローチャート 本発明による別の金属複合材料の模式図 本発明による金属複合材料400を製造するフローチャート 実施例1のPt/3,4,5C2060/Si基板のSEM像を示す図 実施例1のPt/Si基板のSEM像を示す図 実施例1のPt/Si基板の別のSEM像を示す図 実施例1のPt/Si基板の別のSTEM像を示す図 実施例1のラマンスペクトルを示す図 実施例1のPt/TEMグリッドのTEM像を示す図 図11のTEM像に対応するPtマッピングを示す図 実施例1のPt/TEMグリッドのEDXスペクトルを示す図 実施例1のPt/Si基板のHRTEM像を示す図 実施例2の(Pt/3,4,5C2060(5)/石英基板の断面(A)および表面(B)のSEM像を示す図 実施例2のPt(5)/石英基板の断面(A)および表面(B)のSEM像を示す図 実施例2の(Pt/3,4,5C2060(5)/Si基板の光学顕微鏡写真を示す図 実施例2のPt(5)/Si基板の光学顕微鏡写真を示す図 実施例3のAu/TEMグリッドのSTEM像を示す図 実施例3のAu/TEMグリッドのTEM像を示す図 図20のTEM像に対応するAuマッピングを示す図 実施例3のAu/TEMグリッドのEDXスペクトルを示す図 実施例4の(Au/3,4,5C2060(5)/Si基板のSEM像を示す図 実施例4の(Au/3,4,5C2060(5)/Si基板の別のSEM像を示す図 実施例4のAu(5)/Si基板のSEM像を示す図 実施例4のAu(5)/Si基板の別のSEM像を示す図 実施例4のラマンスペクトルを示す図 実施例5のTi/TEMグリッドのSTEM像を示す図 実施例5のTi/TEMグリッドの別のSTEM像を示す図 実施例5のTi/TEMグリッドのTEM像を示す図 図30のTEM像に対応するTiマッピングを示す図 実施例5のTi/TEMグリッドのEDXスペクトルを示す図 実施例5のTi/TEMグリッドのHRTEM像を示す図 実施例6のNi/TEMグリッドのTEM像を示す図 図34のTEM像に対応するNiマッピングを示す図 実施例6のNi/TEMグリッドのEDXスペクトルを示す図 実施例7のフラーレン構造体のSEM像を示す図 実施例8のフラーレン構造体のSEM像を示す図 実施例7のAuLB/Si基板のSEM像を示す図 実施例7のAuLB/Si基板の別のSEM像を示す図 実施例7のAuLB/Si基板のさらに別のSEM像を示す図 実施例8のAu’LB/Si基板のSEM像を示す図 実施例7のAuLB/石英基板のUV−vis−NIRスペクトルを示す図 実施例7のAuLB/石英基板の別のUV−vis−NIRスペクトルを示す図 4−ATP/AuLB/石英基板および4−ATP/Au/石英基板のSERSスペクトルを示す図 固体4−ATPのSERSスペクトルを示す図 本発明による金属複合材料としてAuのサイクリックボルタモグラムを示す図 作用電極として4−ATP/Au/AuプレートおよびAu/AuプレートのKFe(CN)のサイクリックボルタモグラムを示す図
符号の説明
100、400 金属複合材料
110 基材
120、120(1)、120(2)、120(3)、120(4)、120(5)
超分子組織体
130 金属材料
140 除去痕跡様孔の形状
150 フレーク状
160 フラーレン構造体

Claims (17)

  1. フラクタル表面構造を持つ超分子組織体の除去痕跡様孔の形状を有し、前記形状の表面がフレーク状であり、
    前記超分子組織体は、二分子膜構造を基盤ナノ組織構造として有する、フラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体が層状に組織化されており、
    前記フラーレン誘導体は、(式1)で示され、(式2)で示されるフラーレン部位Aと、前記フラーレン部位に結合したベンゼン環と、前記ベンゼン環の3,4,5位それぞれに結合した第1〜第3の置換基R 、R およびR とを含み、
    (式1)

    (式2)

    ここで、前記(式1)において、前記第1および第2の置換基R 、R のそれぞれは、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖であり
    前記第3の置換基R は、水素原子であるか、または、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖のいずれかであり、
    前記(式2)において、(Fu)はフラーレンを、Xは水素原子またはメチル基を示し、前記フラーレン部位Aの含窒素5員環に前記ベンゼン環が結合していることを特徴とする、金属複合材料。
  2. 請求項1に記載の金属複合材料において、前記金属複合材料は、金属または金属酸化物であることを特徴とする、金属複合材料。
  3. 請求項2に記載の金属複合材料において、前記金属は、Pt、Au、NiおよびTiからなる群から選択されることを特徴とする、金属複合材料。
  4. 請求項1に記載の金属複合材料において、前記金属複合材料は、基材上に位置することを特徴とする、金属複合材料。
  5. 請求項1に記載の金属複合材料において、前記金属複合材料は、多層膜であることを特徴とする、金属複合材料。
  6. 金属複合材料を製造する方法であって、
    水面展開法によりフラクタルな表面構造を有する超分子組織体を基材上に配置するステップと、
    前記超分子組織体上に金属材料を付与する付与ステップと、
    前記付与ステップによって得られた複合材料を前記超分子組織体の良溶媒に浸漬させる浸漬ステップと
    からなり、
    前記超分子組織体は、二分子膜構造を基盤ナノ組織構造として有する、フラーレン誘導体が組織化されたフラーレン構造体が層状に組織化されており、
    前記フラーレン誘導体は、(式1)で示され、(式2)で示されるフラーレン部位Aと、前記フラーレン部位に結合したベンゼン環と、前記ベンゼン環の3,4,5位それぞれに結合した第1〜第3の置換基R 、R およびR とを含み、
    (式1)

    (式2)

    ここで、前記(式1)において、前記第1および第2の置換基R 、R のそれぞれは、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖であり、前記第3の置換基R は、水素原子であるか、または、少なくとも20個の炭素原子を含むアルキル鎖のいずれかであり、前記(式2)において、(Fu)はフラーレンを、Xは水素原子またはメチル基を示し、前記フラーレン部位Aの含窒素5員環に前記ベンゼン環が結合していることを特徴とする、方法。
  7. 請求項6に記載の方法において、前記フラーレン部位(A)に結合するフラーレンは、C60、C70、C76、および、C84からなる群から選択されることを特徴とする、方法。
  8. 請求項6に記載の方法において、前記第1〜第3の置換基R、RおよびRのアルキル鎖は、それぞれ、アルキル(C2n+1)、アルコキシル(OC2n+1)、および、チオアルキル(SC2n+1)からなる群から選択され、ここで、nは、20以上の整数であることを特徴とする、方法。
  9. 請求項6に記載の方法において、前記金属材料は、金属または金属酸化物であることを特徴とする、方法。
  10. 請求項9に記載の方法において、前記金属は、Pt、Au、NiおよびTiからなる群から選択されることを特徴とする、方法。
  11. 請求項6に記載の方法において、前記付与ステップは、物理的気相成長法、化学的気相成長法および液相法からなる群から選択される方法を用いることを特徴とする、方法。
  12. 請求項6に記載の方法において、前記浸漬ステップは、室温にて少なくとも30秒間行うことを特徴とする、方法。
  13. 請求項6に記載の方法において、前記良溶媒は、クロロホルム、塩化メチレン、トルエンおよびベンゼンからなる群から選択されることを特徴とする、方法。
  14. 請求項6に記載の方法において、前記方法は、
    前記浸漬ステップの前に、前記金属材料上に前記超分子組織体を追加配置する追加配置ステップと、
    前記浸漬ステップの前に、前記さらなる超分子組織体上に前記金属材料を追加付与する追加付与ステップと、
    前記追加配置ステップと前記追加付与ステップとの組をn回(nは0以上の整数)繰り返すステップと
    をさらに包含することを特徴とする、方法。
  15. 請求項14に記載の方法において、前記追加配置ステップは、
    前記フラーレン誘導体と、1,4−ジオキサンとを混合するステップと
    前記混合するステップによって得られた混合物を加熱するステップと、
    前記混合物をエージングするステップと、
    前記エージングするステップによって生じた沈殿を含む溶液を前記付与された金属材料上に塗布するステップと
    をさらに包含することを特徴とする、方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、前記塗布するステップは、水面展開法を用いることを特徴とする、方法。
  17. 基材と、前記基材の表面に設けられた表面増強ラマン散乱活性を示す材料とからなる表面増強ラマン散乱活性基板であって、
    前記表面増強ラマン散乱活性を示す材料は、請求項1〜5のいずれかに記載の金属複合材料であることを特徴とする、表面増強ラマン散乱活性基板。
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