JP4528926B2 - 電界放出型素子の駆動装置及びその駆動方法 - Google Patents
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Description
又、前記電界放出型素子は、管内が真空雰囲気の電界放出型蛍光管であってもよい。
又、前記電界放出型素子の前記陰極は、炭素材料からなる電界放出部を有してもよい。
又、前記電界放出型素子の前記電界放出部は、基体に設けられた複数の突起部と前記突起部の表面に形成された花弁状の炭素薄片群とを有してもよい。
又、前記花弁状の炭素薄片群は、複数の層のグラフェンシートで構成されてもよい。
又、駆動パルス周期が1m秒以下で駆動されてもよい。
このように、常時、非線形閾値電圧以上の電圧を電界放出型素子の陰極及び陽極の間に出力しないことにより、非線形閾値電圧以上の電圧による悪影響を緩和するとともに高い電界放出特性を得ることができる。
この電界放出型ランプ10は、棒状の陰極11と、陰極11との間隔を例えば0.1mm〜6mm空けて対向する陽極12,12と、これらを10−6Torr程度に真空封止する硝子管13とを備えている。陽極12の陰極11との対向面には、蛍光体14,14が塗料されている。輝度を均一化するように、陽極12の陰極11との距離が等間隔であることが望ましい。硝子管13の両端には、陰極11に導通する陰極導通配線15と、陽極12に導通する陽極導通配線16とが、形成されている。
図2は、陰極11の部分拡大断面図である。
図3(a)は、複数の花弁状炭素薄膜集合体のコロニーのSEM写真であり、図3(b)は、花弁状炭素薄膜集合体単体を示す模式図であり、図3(c)は、花弁状炭素薄膜集合体を拡大したSEM写真である。
図4は、花弁状炭素薄膜集合体を示す断面図である。
陰極11は、図2のように、導電性の基体20と基体20上の所定位置に固着された複数の粒状の突起物21とから構成された基材22と、粒状の突起物21上に花弁状の炭素薄片を高密度に密集してなる花弁状炭素薄片群23と、基体20上に形成させた平面状炭素薄片集合膜24と、から構成されている。
基材22を構成する粒状の突起物21は、グラファイトが成長可能で且つ約950℃以上の温度(製造時の熱処理温度)に耐えうるダイヤモンド、モリブデン、SiC,SiN等の材料の微粒子から構成されている。突起物21の粒径は、5μm〜30μm程度である。また、基体20上の突起物21の配置密度は、例えば、104個/cm2〜107個/cm2程度である。
まず、基体30をエタノールとアセトンで、それぞれ10分間超音波洗浄する。続いて、粒径10μm〜30μmの窒化ケイ素等のセラミック粒子、ダイヤモンド、炭化珪素の少なくとも何れかを含む微粒子(砥粒)1gを有機溶剤(エタノール)25mlに加えた懸濁液を作成し、十分に攪拌する。有機溶剤には、微粒子が有機溶剤内で均等に分散されるように、有機溶剤の比重を微粒子の比重に近似させるような添加剤を加えてもよい。
その後、基体20を取り出し、エタノールとアセトンで、それぞれ10分間超音波洗浄を施す。以上の工程により、基体20の表面にダイヤモンドからなる粒状の突起物21が固着した基材22が形成される。
この基材22を、DC(直流)プラズマCVD装置の処理容器内の下部電極上に載置する。
図5は、花弁状炭素薄片群23を有する陰極11を備えた炭素系電界放出素子の電流電圧特性を示す特性図である。
図6は、電界放出型ランプ10に印加する電圧を示す図である。
一般的な炭素系電界放出素子の陰極と陽極との間に電圧を印加し、その電流電圧特性を調べると、その電流電圧特性がトンネル効果に依存することから、図5のように、ファウラー・ノルドハイムの式に近似した大きな非線形を持つ。
陰極11の電界放出部の花弁状炭素薄片群23から電子が放出され、その電子が加速されて陽極12表面に塗布された蛍光体14に入り、蛍光体14が起されて発光する。このとき、放出された電子は高電圧によって十分加速されているので、比較的発光効率の低い蛍光体14の表面のみにとどまることなく蛍光体14の深さ方向に進入することができるため、効率的に電子の持つ運動エネルギーによって蛍光体14を励起することができ発光効率を向上できる。
出力信号Sを非線形閾値電圧V1以上の電位から低くしているため電子の放出は低減もしくはなくなるが、駆動装置1では、この周期を人の視覚的分解能を越えるように1m秒以下と短い駆動パルス周期に設定しているので、再び非線形閾値電圧V1以上にして電流密度を増大するまでの短い低電圧期間、蛍光体14の残光でランプの輝度は継続して維持され、ちらつきを生じることはない。
(1) 陰極11に、ナノ構造の複数の花弁状炭素薄片群23を所定位置に選択的に設けることができ、また花弁状炭素薄片群23の炭素薄片23aが密集しているために電界放出部の単位面積当たりの数が多いので、電流密度を高くすることができる。
図7は、蛍光体の発光状態を示す説明図であり、同図(a)は直流電圧を印加した場合の発光状態であり、同図(b)は、図7(a)と同程度の輝度を得るために本発明のパルス駆動を行った場合の発光状態である。
蛍光体14の表面を動画像として5秒間撮影し、蛍光体14の各位置における輝度の標準偏差σ1を求め、グレースケールで示す(標準偏差が高い方を白、低い方を黒とする)と、直流駆動の場合は、図8(a)のように、256階調での標準偏差σ1が50となり、パルス駆動の場合には図8(b)のように、標準偏差σ1が5となる。則ち、パルス駆動を行うことで、各場所での輝度のばらつきと、時間方向の輝度のばらつきの両方が低減されていることが確認された。
Claims (9)
- 電界放出型素子の陰極及び陽極の間に、印加電圧に対して一次関数的に電流が増大する線形領域と電流の増加がなだらかになる非線形領域との間の閾値電圧である非線形閾値電圧以上の電圧と、電流密度10μA/cm2を越える閾値電圧以上であって且つ前記非線形閾値電圧未満の電圧と、を交互に出力することを特徴とする電界放出型素子の駆動装置。
- 前記非線形閾値電圧以上の電圧は周期的に出力されることを特徴とする請求項1に記載の電界放出型素子の駆動装置。
- 前記電界放出型素子は、管内が真空雰囲気の電界放出型蛍光管であることを特徴とする請求項1又2に記載の電界放出型素子の駆動装置。
- 前記電界放出型素子の前記陰極は、炭素材料からなる電界放出部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電界放出型素子の駆動装置。
- 前記電界放出型素子の前記電界放出部は、基体に設けられた複数の突起部と前記突起部の表面に形成された花弁状の炭素薄片群とを有することを特徴とする請求項4に記載の電界放出型素子の駆動装置。
- 前記花弁状の炭素薄片群は、複数の層のグラフェンシートで構成されていることを特徴とする請求項5に記載の電界放出型素子の駆動装置。
- 駆動パルス周期が1m秒以下で駆動されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電界放出型素子の駆動装置。
- 電界放出型素子の陰極及び陽極の間に、印加電圧に対して一次関数的に電流が増大する線形領域と電流の増加がなだらかになる非線形領域との間の閾値電圧である非線形閾値電圧以上の電圧と、電流密度10μA/cm2を越える閾値電圧以上であって且つ前記非線形閾値電圧未満の電圧と、を交互に出力することを特徴とする電界放出型素子の駆動方法。
- 駆動パルス周期が1m秒以下で駆動されることを特徴とする請求項8に記載の電界放出型素子の駆動方法。
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