JP4528876B2 - 多層耐火物構造の炉の解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多層耐火物構造の炉の解体方法に関し、炉内の内壁の一部がアスベストを含有する耐火物で形成された多層耐火物構造の炉の解体に利用できる。
従来、内部の高熱に耐えるために、鉄製の外皮(鉄皮)の内側に耐火煉瓦等の耐火物を多層に張った多層耐火物構造の炉が用いられている。
このような多層耐火物構造の炉は、高炉、非鉄溶鉱炉、ガラス溶解炉、これらの炉に熱風を供給するための熱風炉、更に薄板用連続処理設備における焼鈍炉、各種の鋼材を加熱するための加熱炉として利用されている。
多層耐火物構造の炉の一例として、高炉に熱風を供給するための熱風炉について説明する。
熱風炉には内燃式と外燃式がある。内燃式の熱風炉では、炉内に燃焼部と蓄熱部とが一体に収容される(例えば特許文献1)。外燃式の熱風炉では、燃焼部と蓄熱部とが別の炉体とされ、連結管により互いの上端が連結される(例えば特許文献2,特許文献3)。
何れの形式でも、燃焼部においてバーナーで高温の燃焼ガスを生成し、これを蓄熱部に通して蓄熱する。十分に蓄熱されたら、蓄熱部に空気を逆向きに通し、これにより熱風を生成している(例えば特許文献4)。
熱風炉の炉壁は、内部の高熱に耐えるために、鉄製の外皮(鉄皮)の内側に耐火煉瓦等の耐火物を張って構成される。炉壁の耐火煉瓦は、炉芯方向へ多層に重ねて厚みを稼ぎ、部分に応じて必要な耐熱性能を確保している。さらに、炉壁の耐火物としては、耐火煉瓦と鉄皮との間に張られた断熱性の煉瓦やボード、鉄皮内面に吹き付けられた断熱性の被覆材が用いられる。
内燃式の熱風炉では、このような炉壁の内側に燃焼部と蓄熱部とが形成される。これらの燃焼部および蓄熱部の間には耐火物による仕切りが形成される。
外燃式の熱風炉では、燃焼部および蓄熱部となる各炉体において前述した耐火物を有する炉壁が形成される。
内燃式の熱風炉の蓄熱部、あるいは外燃式の蓄熱部の炉体内には、蓄熱用耐火物として蓄熱煉瓦が充填される。蓄熱煉瓦は、通気孔がありかつ熱容量が大きいことが特徴であるが、基本的に耐火煉瓦と同様な耐火物であり、例えば六角柱状のギッター煉瓦が用いられる(例えば特許文献5)。
熱風炉は、数十年に及ぶ耐久性を有するものであるが、稼働に伴って内部の耐火物が劣化し、その更新のために炉内の古い耐火物の解体が必要となる。解体すべき耐火物としては、炉壁の耐火物のほか、内燃式の仕切り部分の耐火物、蓄熱材としての耐火物があり、これらの解体には重機を用いた大規模な作業が必要である(例えば特許文献1,特許文献3)。
特開2003−34812号公報 特開2004−68136号公報 特許3017655号公報 特開2006−241500号公報 特開2004−315921号公報
前述の通り、熱風炉は数十年単位で解体が必要となる。解体にあたって、一部の熱風炉では耐火物の取り扱いに十分な注意が必要である。
数十年前に構築された古い熱風炉では、特に鉄皮に近い部分の耐火物として、安価で断熱性が優れたアスベストが利用されている。例えば、アスベストは鉄皮の内側に吹き付け被覆されたり、ボード状の断熱材中に含有されていたりする。
アスベスト(石綿)とは、岩石を形成する鉱物のうち、蛇紋石の群に属する繊維状のケイ酸塩鉱物、すなわちクリソタイル(白石綿)および角閃石の群に属する繊維状ケイ酸塩鉱物、すなわち、アクチノライト、アモサイト(茶石綿)アンソフィライト、クロシドライト(青石綿)、トレモライト又は、これらの一又は二以上を含有する混合物をいう。
近年、アスベストは人体に対する危険性が問題となり、アスベストを使用した建物等の解体には「石綿障害予防規則」等により飛散防止を含む厳重なアスベスト対策が要求されている。具体的には、第1に、作業場所の隔離・負圧化、セキュリティーゾーンの設置、第2に、湿潤剤を散布しての解体作業、第3に、アスベスト解体屑の二重袋詰め、第4に、特別管理産業廃棄物としての運搬・処分など、厳重な管理の下で作業に従事しなければならない。
従来の解体方法では、炉内の上方から機械または手作業により2〜3mずつ解体してゆく。この際、炉壁および炉内の耐火物は、アスベスト含有耐火物も非含有耐火物も一括解体され、混合した状態で廃棄物となる。このような廃棄物は、その全量に対してアスベスト対策が必要となる。
従来の熱風炉の解体において、一つの炉で生じる廃棄物の量は、例えば3000〜6000トンにのぼる。このような多量の廃棄物に対してアスベスト対策を実施する必要があると、熱風炉の解体における作業負荷が膨大なものになり、期間および費用の面でも大きな負担となる。
以上、多層耐火物構造の炉の一例として、高炉用の熱風炉の解体について説明したが、他の用途の多層耐火物構造の炉、例えば非鉄溶鉱炉用熱風炉、ガラス溶解炉、更に薄板用連続処理設備における焼鈍炉、各種の鋼材を加熱するための加熱炉においても、同様な課題がある。すなわち、十数年以前に構築された多層耐火物構造の炉は、いずれも鉄皮に近い部分の耐火物として、安価で断熱性に優れたアスベストが使用されている。このため、前述した各炉の解体においては、先に熱風炉で説明したものと同様な課題を有している。
本発明の主な目的は、多層耐火物構造の炉における解体費用(アスベスト処理費用)を低減できるとともに解体期間を短縮できる多層耐火物構造の炉の解体方法を提供することである。
本発明は、外皮と、前記外皮の内側を覆いかつアスベストを含有する含有耐火物で形成された含有層と、前記含有層の内側を覆いかつアスベストを含有しない非含有耐火物で多層に形成された非含有層と、を有する多層耐火物構造の炉の解体方法であって、
前記非含有層のうち前記含有層に接する少なくとも最外側の一層と前記含有層とを残部として残して前記非含有層を炉芯側から解体する一次解体工程を行った後、作業場所の隔離・負圧化、セキュリティゾーンの設置および湿潤剤の散布を含むアスベスト対策のもとで前記残部を解体する二次解体工程を行うことを特徴とする。
このような本発明では、一次解体工程により前記残部以外の解体が行われる。つまり、外皮(一般に鉄皮)の内側に設置された耐火物(炉壁耐火物)のうち残部を除く部分が解体できる。一次解体工程ではアスベストを含む残部の解体を行わないため、アスベスト対策の必要はなく、アスベスト対策を行う場合に比べて作業負荷を大幅に低減できる。次に、二次解体工程において、残部の解体が行われる。二次解体工程においては、アスベスト対策のもとで残部の耐火物を処理するため、残部に含まれるアスベストに対する安全性を確保できる。この際、残部は十分に少なくできるため、作業負荷を低減することができる。
一例として、アスベストを使用した高炉用の熱風炉において、炉内に使用されている耐火物は3000〜6000トンにも及ぶが、本発明によればアスベストとして解体する残部の量は100〜200トンに低減することができる。
通常の熱風炉は、内燃式でも外燃式でも、炉壁耐火物の内側に蓄熱用耐火物が充填されており、その量は1000〜2000トンに達する。
本発明の一次解体工程においては、前述した蓄熱用耐火物および炉壁耐火物(残部を除く)の両方を解体してゆくことが望ましい。これにより、アスベスト対策が必要な残部を最小限にすることができる。ただし、炉壁耐火物の解体に先立って蓄熱用耐火物を解体しておいてもよいし、一次解体工程では蓄熱用耐火物だけを解体するとしてもよい。本発明においては、解体を対象とする例えば熱風炉におけるアスベスト含有耐火物層の炉心側に設けられている非含有耐火物層の劣化度合いにより、適宜その方法を選択すればよい。なお、内燃式熱風炉の場合、前記蓄熱用耐火物には蓄熱煉瓦の他に仕切も含まれる。
本発明において、前記一次解体工程は、前記非含有層を炉芯側から解体した後、前記残部を前記外皮に固定する残部固定工程を行うことが望ましい。
このような本発明では、一次解体工程で残部を薄く残した場合でも、これを固定することでその剥落を防止することができ、残部を最小限にしてアスベスト対策のための作業負荷を軽減しつつ、安全性を確保できる。
本発明において、炉内を縦方向に複数の区画に区分し、各区画において前記一次解体工程および前記二次解体工程を順次行うとともに、これらの各工程を各区画で順次ずらせて実施することが望ましい。
このような本発明では、他の区画で一次解体または二次解体を実施しつつ、先行する区画において新規内壁の設置を開始することもでき、一次解体、二次解体、設置を全体として進める場合に比べて工程の待ち時間を低減し、全体としての作業期間を短縮できる。
本発明において、前記二次解体工程では、前記残部の解体で生じた解体屑を炉内で更に破砕することが望ましい。
このような本発明では、二次解体工程において解体する残部が、アスベストを含む前記含有耐火物とともに前記非含有層の少なくとも最外側の一層を含むため、解体屑の概略直径が100〜400mmと大きく、アスベスト廃棄専用袋への袋詰めに際し、充填効率が低い。そこで、炉内で補助的な破砕を行うことで、作業効率の向上および処分体積の低減を図ることができる。
なお、炉内での追加的な破砕および袋詰めは、従来の炉外に設置された気密設備における破砕および袋詰めと併用してもよい。
本発明の第1実施形態の熱風炉を示す縦断面図。 前記第1実施形態の熱風炉を示す横断面図。 前記第1実施形態のドーム部の壁体を示す拡大断面図。 前記第1実施形態のコニカル部の壁体を示す拡大断面図。 前記第1実施形態の直胴部の壁体を示す拡大断面図。 前記第1実施形態の解体手順を示す図。 前記第1実施形態の第1区画の一次解体工程を示す縦断面図。 前記第1実施形態の残部固定に用いる固定板を示す正面図。 前記第1実施形態の残部固定を示す拡大断面図。 前記第1実施形態の第2区画の一次解体工程を示す縦断面図。 前記第1実施形態の二次解体工程を示す図。 前記第1実施形態の第2区画の二次解体工程を示す縦断面図。 本発明の第2実施形態の解体手順を示す図。 本発明の第3実施形態の熱風炉を示す縦断面図。 本発明の第4実施形態の冷延鋼板用連続焼鈍処理装置を示す模式図。 前記第4実施形態における炉体を示す拡大断面図。 本発明の第5実施形態の熱風炉を示す横断面図。 前記第5実施形態の熱風炉を示す縦断面図。 前記第5実施形態の要部を示す拡大横断面図。 前記第5実施形態の要部を示す斜視図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1および図2には、本発明に基づく多層耐火物構造の炉の一例として本発明が適用された熱風炉1が示されている。
図1において、熱風炉1は基礎2上に設置された炉体3を有する。炉体3は円筒状の直胴部6と、直胴部6の上部にやや大径に形成されたコニカル部5と、コニカル部5の上面に設置された半球状のドーム部4とを有する。
図2は直胴部6の水平断面形状を示す。同図にも示すように、直胴部6の内部には図中左側に燃焼室7が形成され、残りの部分が蓄熱室8とされている。
燃焼室7は、耐火煉瓦で形成された断面円弧状の仕切71を有し、その内側に上下に延びるガス通路72を有する(図2参照)。仕切71の下端にはガス通路72内に高温の燃焼ガスを送り込むバーナー73が設置されている(図1参照)。
蓄熱室8は、六角柱状の蓄熱煉瓦81が配列され、これにより蓄熱室8の全体を埋める蓄熱体82が形成されている(図2参照)。蓄熱体82は蓄熱室8の底部に設置される支持体83により支持されている(図1参照)。
蓄熱体82において、蓄熱煉瓦81は、それぞれ上下に貫通する通気孔を有し、かつ各々の通気孔が互いに連続するように配列されており(図示省略)、蓄熱体82の上面側から支持体83まで、全体として通気が可能である。
炉体3には、燃料導入口1A、外気連通口1B、熱風取出口1Cが形成されている。
燃料導入口1Aは、直胴部6の燃焼室7側の下部に形成され、バーナー73に連通されている。
外気連通口1Bは、直胴部6の蓄熱室8側の下部に形成され、支持体83下方の中空部分に連通されている。
熱風取出口1Cは、直胴部6の蓄熱室8側の中間高さに形成され、燃焼室7のガス通路72に連通されている。
このような熱風炉1においては、熱風取出口1Cを閉じた状態で、燃料導入口1Aから高炉炉頂ガス等の燃料をバーナー73に導入して燃焼させる。燃焼ガスはガス通路72を上昇してドーム部4内で折り返し、蓄熱体82を通過して外気連通口1Bから排出される。蓄熱体82においては、通過する高温の燃焼ガスにより蓄熱される。
所定の蓄熱が行われたら、バーナー73を停止させ、熱風取出口1Cを開いて高炉に接続し、外気連通口1Bから外気を導入する。導入された外気は、蓄熱体82を通過する間に加熱され、高温となってドーム部4内で折り返し、ガス通路72ないし熱風取出口1Cから熱風として取り出される。
このような高温の燃焼ガス等に耐えるために、炉体3には耐火物による耐熱構造が採用されている。
炉体3を構成するドーム部4,コニカル部5,直胴部6は、炉壁としてそれぞれ鉄製の外皮である鉄皮41,51,61と、その内側に張られた断熱煉瓦および耐火煉瓦を主体とする耐火物42,52,62とを有する。
コニカル部5,直胴部6において、前述した燃焼室7の仕切71および蓄熱室8の蓄熱体82は、それぞれ耐火物52,62の内側に設置される。
ドーム部4,コニカル部5,直胴部6においては、各々に要求される耐火性能に応じて耐火物42,52,62の構成が選択される。
図3に示すように、ドーム部4においては、鉄皮41の内側にはキャスタブル421が吹き付けにより形成され、その内側に断熱煉瓦422および耐火煉瓦423が張られている。
このようなドーム部4において、キャスタブル421、断熱煉瓦422、耐火煉瓦423はアスベストを含有しない非含有耐火物に該当し、これらが本発明における非含有層42Bに該当する。
ここで、ドーム部4にはアスベストを含有する含有耐火物は使用されておらず、本発明の含有層に該当する部分はないとともに、アスベスト対策が必要ないため本発明の残部も設定されない。従って、ドーム部4の一次解体工程では、後述する通り耐火煉瓦423からキャスタブル421までの非含有層42Bが一括して解体される。
図4に示すように、コニカル部5においては、鉄皮51の内側にはキャスタブル521が吹き付けにより形成され、その内側に茶石綿を含む断熱ボード522が張られ、その内側に断熱煉瓦523,524および耐火煉瓦525が張られている。
このようなコニカル部5において、断熱ボード522はアスベストを含有する含有耐火物に該当し、断熱ボード522およびその外側のキャスタブル521が本発明における含有層52Aに該当する。キャスタブル521はアスベストを含有しない非含有耐火物に該当するが、キャスタブル521の解体にはその内側の断熱ボード522の解体が必須であるため、これらの断熱ボード522およびキャスタブル521を併せて含有層52Aとする。断熱煉瓦523,524および耐火煉瓦525はアスベストを含有しない非含有耐火物に該当し、これらの断熱煉瓦523,524および耐火煉瓦525が本発明における非含有層52Bに該当する。
ここで、非含有層52Bのうち含有層52Aに接する少なくとも一層である最外側の断熱煉瓦523と、含有層52Aのキャスタブル521および断熱ボード522とにより、本発明における残部52Cが構成される。後述する一次解体工程では、残部52Cを残して耐火物の解体が行われる。
図5に示すように、直胴部6においては、鉄皮61の内側には青石綿を含むスラグウール層621が吹き付けにより形成され、その内側に茶石綿を含む断熱ボード622が張られ、その内側に断熱煉瓦623,624および耐火煉瓦625が張られている。
このような直胴部6において、スラグウール層621および断熱ボード622はアスベストを含有する含有耐火物に該当し、これらのスラグウール層621および断熱ボード622が本発明における含有層62Aに該当する。断熱煉瓦623,624および耐火煉瓦625はアスベストを含有しない非含有耐火物に該当し、これらの断熱煉瓦623,624および耐火煉瓦625が本発明における非含有層62Bに該当する。
ここで、非含有層62Bのうち含有層62Aに接する少なくとも一層である最外側の断熱煉瓦623と、含有層62Aのスラグウール層621および断熱ボード622とにより、本発明における残部62Cが構成される。後述する一次解体工程では、残部62Cを残して耐火物の解体が行われる。
このような熱風炉1に対して、炉内の耐火物の解体ないし新規耐火物の設置を行うために、次のような手順を実行する。
図6において、解体作業の開始にあたり、先ず区画設定を行う(処理S11)。
図7に示すように、本実施形態では、直胴部6の上端近傍に仕切線3Aを設定し、仕切線3Aより上の直胴部6,コニカル部5,ドーム部4を第1区画とし、仕切線3Aより下の直胴部6を第2区画とする。
次に、ドーム部4内壁面の作業を行うための足場を組む(図6の処理S12)。
図7に示すように、足場43は蓄熱室8の蓄熱煉瓦81上に設置する。燃焼室7にはガス通路72が開口しているため、これを蓋44で覆う。なお、蓋44には後述する一次解体で生じる廃棄物を投下するための廃棄口を開けておく。
この際、燃焼室7の下部では、バーナー73を撤去するとともに、燃料導入口1Aを挿通してコンベア74を設置し、後述する一次解体の際に上方から投棄される耐火物を受け、ダンプトラック75へ搬出するように準備しておく。
これらの準備ができたら、第1区画の一次解体を行う(図6の処理S13)。
第1区画の一次解体では、足場43を利用してドーム部4の炉壁に対する一次解体を行い、足場43を撤去した後、コニカル部5から直胴部6へと続く燃焼室7の仕切71の耐火煉瓦、および蓄熱室8の蓄熱煉瓦81を、それぞれの上面から順次解体してゆく。並行して、仕切71および蓄熱煉瓦81の解体に伴って炉内に露出したコニカル部5および直胴部6の内壁に対する一次解体を行う。
炉壁の一次解体においては、本発明に基づいて、非含有層の少なくとも最外側の一層と含有層とを残部として残して非含有層を炉芯側から解体する。
ドーム部4においては、図3に示すように、非含有層42Bであるキャスタブル421、断熱煉瓦422、耐火煉瓦423が一括して除去される。ドーム部4においては残部として残す部分がないため、続く二次解体工程は省略される。
コニカル部5においては、図4に示すように、断熱煉瓦524および耐火煉瓦525の二層だけを解体し、非含有層52Bのうち最外側の断熱煉瓦523と、含有層52Aであるキャスタブル521および断熱ボード522とを、残部52Cとして残す。
直胴部6においては、図5に示すように、耐火煉瓦625および断熱煉瓦624だけを解体し、非含有層62Bのうち最外側の断熱煉瓦623と、含有層62Aであるスラグウール層621および断熱ボード622とを、残部62Cを残す。
これら各部の一次解体により、ドーム部4の炉壁は鉄皮41だけとなり、コニカル部5および直胴部6においては鉄皮51,61およびその内側に残る残部52C,62Cだけになる。これらの残部52C,62Cは、当初の耐火物52,62に比べて薄くなったことで鉄皮51,61から剥離等しやすくなる。
このため、残部52C,62Cと鉄皮51,61との接合を補助するべく、本発明に基づく残部固定工程を実施する。この残部固定工程により、残部52C,62Cの脱落が防止され、安全に解体を行うことができる。
残部固定工程は、各部の一次解体の間に残部52C,62Cを除く耐火物52,62の解体と並行して行う。
図8において、残部固定には長尺の鉄板を用いた固定板91を用いる。固定板91には所定間隔で固定孔92が形成されている。固定孔92は固定板91の長手方向に延びるスリット状にする。固定孔92をスリット状とすることで、固定棒94に対する位置ずれ等にも対応可能である。
なお、固定板91としては、鉄に限らず、例えば鉄以外の他の金属、ベニヤ板等の木材、合成樹脂材料など、他の材質のものを用いてもよい。
固定板91として、前述した鉄板等、剛性を有する材料を用いる場合、固定する炉壁内面の曲率に応じて予め湾曲させておくことが望ましい。
固定板91としては、可撓性を有するもの、例えば合成樹脂材料あるいは金属製でも薄い板材などを用いたもの、としてもよい。可撓性を有する材料であれば、固定する炉壁内面の曲率に応じて現場で湾曲させることも容易である。
固定板91としては、長尺の板材に限らず、シート状あるいは幅の広い板材を用いてもよい。このような場合、広い面積にわたって前述した残部を押さえることができ、例えばドーム部4などの下向きで剥離が生じ易い残部に対して有効である。
残部固定工程の具体的手順は以下の通りである。
図9において、例えば直胴部6では、一次解体により耐火煉瓦625および断熱煉瓦624(図5参照)が解体され、鉄皮61の内側には残部62C(断熱煉瓦623、断熱ボード622およびスラグウール層621)が残されている。
ここで、残部62Cの内側から鉄皮61の内面までドリルで孔93を開ける。この際、アスベスト分の飛散を避けるために、孔開けと並行して孔93には湿潤剤を注入する。
孔93が開いたら、鉄皮61の内面に固定棒94の一端を溶接する。この溶接にはスタッド溶接を採用することが好ましい。更に、固定棒94の他端を固定板91の固定孔92に挿通させ、固定棒94にナット95を螺合させて締め付け固定する。これにより、固定板91は固定棒94を介して鉄皮61に固定され、固定板91により残部62Cの内面が押さえられ、残部62Cの脱落を防止することができる。
なお、残部固定工程において、固定板91を設置する上下方向の間隔は、固定する残部の強度等に応じて適宜選択する。つまり、残部の厚みが薄く、強度が期待できない場合には、設置間隔を密にし、逆に残部が厚く、あるいは比較的強度のある耐熱ボード主体である場合など、間隔を粗にしてもよい。
残部の強度が十分に期待できる場合、残部固定工程は省略してもよい。
図7に戻って、第1区画の一次解体(図6の処理S13)が完了すると、炉壁の仕切線3Aより上の部分は残部52C(図5参照)だけになる。
ここで、仕切線3A位置に中間デッキ30を設置する(図6の処理S14)。
図10において、中間デッキ30は、鉄骨を組んで円盤状に形成され、表面には鉄板を張って作業用の床面として利用できる。
中間デッキ30の周辺は、直胴部6の鉄皮61の内側に固定される。この固定にあたっては、残部62Cを貫通する必要がある。この貫通にあたっては、前述した固定板91の設置に準じた湿潤剤による局部的なアスベスト対策を実施する。
中間デッキ30の設置(図6の処理S14)ができたら、その上方の第1区画において二次解体(図6の処理S15)を開始するとともに、下方の第2区画においては一次解体(図6の処理S21)を開始する。
二次解体においては、本発明に基づいて、アスベスト対策のもとで残部を解体する。具体的には、以下に示す二次解体工程を実施する。
二次解体工程では、前述した残部(前述した残部52C,62C)の解体を行うため、その工程の全般にわたってアスベスト対策を実施する。
図11において、二次解体工程では、先ず、アスベスト対策を開始する(処理S51)。具体的には、区画内の密封および内部減圧等の条件を確認するとともに、廃棄物処理のための封止容器の搬入、搬出経路の汚染防止設備の設置などである。
準備が整ったら、残部を順次解体してゆく(処理S52)。解体した残部については、炉内の区画内部で破砕し(処理S53)、封止容器に入れて搬出して二重封止を行う(処理S54)。
これらの処理S52〜S54が区画内の全ての残部に対して完了したら(処理S55)、当該区画におけるアスベスト対策を終了し(処理S56)、当該区画の二次解体工程が完了する。
なお、アスベスト対策は、実施地域時期に応じた法政省令や自治体規則などに応じて定められた条件を満足するように適宜設定する。
解体した残部の炉内破砕は必須ではなく、炉外へ搬出したのち破砕してもよい。
第1区画での二次解体(図6の処理S15)と並行して、第2区画での一次解体(図6の処理S21)が行われる。
第2区画の一次解体は、前述した第1区画と同様に行われる。
第2区画の一次解体にあたっては、中間デッキ30から作業用のゴンドラ31を吊り下げ、燃焼室7のガス通路72内を昇降させ、解体に伴って下降してゆく耐火物(仕切71および蓄熱煉瓦81)の上面への作業員の往来および資材の補給などを確保する。
以上のような各部分に対する炉内耐火物の解体および炉壁の解体の繰り返しにより、第2区画での一次解体(図6の処理S21)が行われる。
第1区画においては、二次解体(処理S15)が完了した後、残部がなくなった鉄皮の内側に新たな耐火物を設置し、炉壁を再生する(図6の処理S16)。このために、第1区画内には適宜足場を組む。
一方、第2区画においては、一次解体(処理S21)に続いて、二次解体(処理S22)および耐火物設置(処理S23)を実施する。
第2区画における二次解体(処理S22)および耐火物設置(処理S23)は、基本的に第1区画と同様な手順で行う。この際、第2区画は直胴部6が縦に長いため、中間デッキ30から吊り下げられた作業用ゴンドラを用いる。
図12において、中間デッキ30にはウインチが設置され、このウインチにはワイヤを介してゴンドラ32が吊り下げられている。
ゴンドラ32は、鉄骨を組んで円盤状に形成され、表面には鉄板を張って作業用の床面として利用できる。ゴンドラ32の外周は、残部62Cとの間に、昇降時に干渉が生じないように所定の間隔を有する。
このような作業用のゴンドラ32を用いて残部62Cを上方から底部まで解体してゆくことで、第2区画での二次解体(図6の処理S22)が行われる。
二次解体により、炉体3内の底部には残部を解体した解体屑181が積み上げられる。解体屑181は、炉体3内の底部に設置されたコンベア182および破砕装置183を用いて更に細かく破砕され、専用袋180に詰められて炉外へ搬出される。炉体3の外部に気密区画187を設置し、この区画にコンベア184および破砕装置185を設置し、これらのコンベア184および破砕装置185により解体屑181の粉砕を行ってもよく、炉内のコンベア182および破砕装置183および炉外のコンベア184および破砕装置185を併用してもよい。何れの場合も、外部への出入りにあたってセキュリティーゾーン186を設け、アスベスト成分の流出を防止する。
二次解体が完了したら、同様にゴンドラ32を用いて鉄皮61の内側に対する耐火物設置(図6の処理S23)を実施する。
第1区画の耐火物設置(図6の処理S16)および第2区画の耐火物設置(図6の処理S23)がともに完了したら、中間デッキ30を撤去し(図6の処理S17)、これにより炉体3の耐火物が更新される。
以上の実施形態においては、本発明の適用により、アスベストを含有していない耐火物については、アスベスト処理なしで解体することができる。それにより、従来のように、アスベスト含有耐火物と含有しない耐火物とを一括して解体処理していた際の処理量(例えば約7000m3)に対し、アスベスト処理が必要な耐火物(アスベスト含有耐火物と一部の含有しない耐火物)の量が7分の1(約1000m3)とすることができ、アスベスト処理量を大幅に減量することができた。
また、前記実施形態では、炉内に中間デッキ30を設置することで、その上部および下部の空間においてそれぞれ解体作業を並行して行うことができ、作業期間の重複化によって全体としての解体期間を約1ヶ月短縮することができた。
さらに、アスベスト含有耐火物の解体屑を炉内で破砕することにより、アスベスト処理の量を減らすことができ、炉外で処理した場合約1000m3であるのに対し、約700m3に減らすことができた。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、具体的な各部構成などは実施にあたって適宜変形などすることができる。
前述した第1実施形態では炉体3の内部に第1区画および第2区画という二つの区画を設定したが、これは3つ以上としてもよい。各区画の間にはそれぞれ中間デッキを設置し、各区画においてそれぞれアスベスト対策が行えるようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
図13に示す第2実施形態では、第1〜第3の区画を設定するとともに、各々の間に中間デッキA,Bを設置し、各区画で順次一次解体ないし二次解体が行われるようにしている。
第1区画において、処理S11〜S17は図6と同様である。但し、処理S14,S17は中間デッキAに対する処理となる。
第2区画において、処理S21〜S23は図6と同様である。但し、処理S14,S17は中間デッキAに対する処理となり、中間デッキBに対する処理S31,S35が追加される。
第3区画において、各処理S31〜S35は図6に対して追加されるものであるが、これらはそれぞれ図6における第2区画の処理S14,S21〜S23,S17に準じた内容である。
このような本実施形態でも、前述した実施形態と同様な効果が得られるほか、区画を増やすことで、並行処理の比率を増すことができる。
この場合でも、煩雑な処理が集中する二次解体は区画毎に順次ずれて実施できるため、設備の共用等の面で効率的な処理を行うことができる。
前述した各実施形態では、内燃式の熱風炉について説明したが、外燃式の熱風炉でも同様の処理を行うことができる。
〔第3実施形態〕
図14に示す第3実施形態では、蓄熱炉又は燃焼炉100の全体が蓄熱室又は燃焼室とされ、その炉体は鉄皮101とアスベスト含有および非含有の耐火煉瓦積みで構成された多層耐火物構造102とで構成されている。このような外燃式熱風炉の蓄熱炉又は燃焼炉100においても、本発明を適用することができ、前述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第3実施形態においては、解体した耐火物の搬出のために、蓄熱炉又は燃焼炉100の外部に搬出専用のシュート110を設置している。シュート110は、蓄熱炉又は燃焼炉100に沿って垂直に延びる直胴部111と、この直胴部111から分岐した複数の枝管部112とで構成され、枝管部112は蓄熱炉又は燃焼炉100の炉壁を貫通して炉内へ連通され、炉内から耐火物を投下可能である。シュート110の下端は解放されており、一般耐火物を自然落下させ、収集・排出処理を行うことができる。
このような専用のシュート110を用いる場合、複数の炉の間に直胴部111を設置し、複数の炉で同じ直胴部111等を共用してもよい。このような直胴部111等の共用化により、さらに費用および期間の短縮を図ることができる。
前述した各実施形態では高炉に熱風を供給する熱風炉について説明したが、本発明は他の用途の多層耐火物構造の炉、例えば非鉄溶鉱炉用熱風炉、ガラス溶解炉、更に薄板用連続処理設備における焼鈍炉、各種の鋼材を加熱するための加熱炉にも適用でき、前記各実施形態と同様な効果を得ることができる。〔第4実施形態〕
図15には冷延鋼板用連続焼鈍処理装置200が示されている。この装置は、冷延鋼板210を導入する側(図中右側)から加熱帯201、均熱帯202、一次冷却帯203、過時効帯204、二次冷却帯205を有する。各部には搬送ロール211が設置されて冷延鋼板210がジグザグ状に送られる。各部には加熱装置(図示省略)が設置され、通過する冷延鋼板210を所定温度に加熱あるいは保温可能である。
図16には、前述した冷延鋼板用連続焼鈍処理装置200のうち、加熱帯201および均熱帯202の炉体220の構造が示されている。加熱帯201および均熱帯202は、冷延鋼板210に対する炉内での加熱温度が高いため、アスベストを含有する多層耐火物構造の炉体220となっている。具体的には、鉄皮221の内側には、耐火物としてアスベストを含有する断熱ボード222が二層に張られ、その内側にアスベストを含有しない耐火煉瓦223が二層に張られている。本発明はこのような炉体220を有する加熱帯201および均熱帯202を炉として、その解体にも適用でき、前記各実施形態と同様な効果を得ることができる。
前述した各実施形態では、アスベストを含有する耐火物の残部が脱落しないように、長尺の固定板91を用いたが、この固定板91を固定する手段としては耐火物を貫通する固定棒94に限らず、異なる方法で固定してもよい。
〔第5実施形態〕
図17から図20には、本発明の第5実施形態が示されている。本実施形態は、前述した第1実施形態と同様な熱風炉1の直胴部6において、アスベストを含有する耐火物の残部62Cを鉄皮61に固定するために、複数の環状の固定板191を用いるとともに、これらを複数の縦材192で一括して支持する。
図17および図18に示すように、鉄皮61の内側には残部62Cが残され、残部62Cの内側に沿って縦材192が配置されている。縦材192は、直胴部6の連続方向(垂直方向)に延びる長尺の板材であり、直胴部6の周方向に所定間隔で配列されている。これらの縦材192を順次連結するように、複数の固定板191が設置されている。
固定板191は、長尺の板材を円弧状に曲げたものであり、複数の円弧状の固定板191を連結することにより、全体として炉内の周方向に沿った円環を形成する。このような固定板191による円環は、さらに直胴部6の連続方向である垂直方向に沿って複数が所定間隔で配列されている。これらにより、固定板191で形成された複数の円環は、周囲に配列された複数の縦材192で相互に連結され、いわばバスケット状の構造が形成されている。
図19および図20には固定板191と縦材192との接続部分が示されている。
固定板191の両端はそれぞれ折り曲げられてフランジ193、194とされている。一方のフランジ193は縦材192に溶接等により固定されている。他方のフランジ194は縦材192に沿わされ、他の固定板191のフランジ193に対向されている。但し、固定板191のフランジ194側は縦材192とは固定されておらず、固定板191はフランジ193側だけで縦材192に固定されている。すなわち、1本の固定板191は1本の縦材192にのみ固定され、1本の縦材192は複数の途中位置に固定板191を有する櫛状を形成する。この櫛状を順次連結することで、任意の周長のバスケット状の構造が得られるようになっている。
対向するフランジ193、194はボルトで連結されている。フランジ193にはボルト195が貫通され、その頭部はフランジ193に溶接等により固定されている。ボルト195の軸部はフランジ194の挿通孔に通され、位置決めナット196および締め付けナット197によりフランジ194に固定されている。ボルト195における位置決めナット196の位置を適宜選択することで、フランジ193、194の間隔が調整でき、固定板191が形成する円環の周長を残部62Cの内側に合わせて調整することができる。このような調整により、固定板191は、縦材192に接続される端部を除き、中間の大部分で残部62Cに押しつけられ、残部62Cの脱落防止として機能できる。
縦材192の上下端部には支持部材198が溶接等により接続され、支持部材198は残部62Cがない部分で鉄皮61の内側に溶接等により固定されている。これらの支持部材198により縦材192ないし固定板191の全てが鉄皮61に支持され、従ってアスベストを含有する残部62Cを貫通する部分等は一切必要がない。
このような本実施形態によれば、炉内の残部62Cを押さえるために固定棒等を残部62Cに貫通させる必要がないため、アスベストを含有する耐火物の飛散の可能性をさらに低減でき、飛散防止のための作業をさらに簡略化することができる。
なお、固定板191としては、長尺の板材に限らず、シート状あるいは幅の広い板材を用いてもよく、縦材192とともに形成されるバスケット状の構造を面で連続した円筒状の構造とすることもでき、単なる残部の押さえに限らず、アスベストを含有する残部を被覆する機能も持たせることができる。
本発明は、多層耐火物構造の炉の解体方法に関し、炉内の内壁の一部がアスベストを含有する耐火物で形成された熱風炉の解体に利用できる。
1…多層耐火物構造の炉である熱風炉
2…基礎
3…炉体
4…ドーム部
5…コニカル部
6…直胴部
7…燃焼室
8…蓄熱室
30…中間デッキ
31,32…ゴンドラ
41,51,61…鉄皮
42,52,62…耐火物
52A,62A…含有層
42B,52B,62B…非含有層
52C,62C…残部
43…足場
44…蓋
71…仕切
72…ガス通路
73…バーナー
81…蓄熱煉瓦
82…蓄熱体
91…固定板
94…固定棒
100…多層耐火物構造の炉である蓄熱炉又は燃焼炉
101…外皮
102…含有耐火物および非含有耐火物を含む多層耐火物構造
191…固定板
192…縦材 201,202…多層耐火物構造の炉である加熱帯および均熱帯
221…外皮
222…含有耐火物である断熱ボード
223…非含有耐火物である耐火煉瓦
421,521…非含有耐火物であるキャスタブル
422,523,524,623,624…非含有耐火物である断熱煉瓦
423,525,625…非含有耐火物である耐火煉瓦
522,622…含有耐火物である断熱ボード
621…含有耐火物であるスラグウール層

Claims (4)

  1. 外皮と、前記外皮の内側を覆いかつアスベストを含有する含有耐火物で形成された含有層と、前記含有層の内側を覆いかつアスベストを含有しない非含有耐火物で多層に形成された非含有層と、を有する多層耐火物構造の炉の解体方法であって、
    前記非含有層のうち前記含有層に接する少なくとも最外側の一層と前記含有層とを残部として残して前記非含有層を炉芯側から解体する一次解体工程を行った後、作業場所の隔離・負圧化、セキュリティゾーンの設置および湿潤剤の散布を含むアスベスト対策のもとで前記残部を解体する二次解体工程を行うことを特徴とする多層耐火物構造の炉の解体方法。
  2. 請求項1に記載された多層耐火物構造の炉の解体方法において、
    前記一次解体工程は、前記非含有層を炉芯側から解体した後、前記残部を前記外皮に固定する残部固定工程を行うことを特徴とする多層耐火物構造の炉の解体方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載された多層耐火物構造の炉の解体方法において、
    炉内を縦方向に複数の区画に区分し、各区画において前記一次解体工程および前記二次解体工程を順次行うとともに、これらの各工程を各区画で順次ずらせて実施することを特徴とする多層耐火物構造の炉の解体方法。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載された多層耐火物構造の炉の解体方法において、
    前記二次解体工程では、前記残部の解体で生じた解体屑を炉内で更に破砕することを特徴とする多層耐火物構造の炉の解体方法。
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