JP4528868B1 - 車高調整用スペーサ、車高調整装置、及び車高調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リーフスプリングと車軸筒との上下間に車高調整用としてスペーサを介装する手段を採っても、それによって車輪の位置が前後方向に明確に寄ってしまうことなく意図する車高調整が行えるように、改善された車高調整ブロックを提供する。
【解決手段】車高調整用スペーサにおいて、変速機出力軸7とプロペラシャフト9の一端部と及びプロペラシャフト9の他端部とデフ装置入力軸5とのそれぞれが自在継手8,10を介して連動連結され、デフ装置4から左右に延出される車軸筒3とリーフスプリングRとの上下間に介装可能な第1車高調整ブロックS1において、リーフスプリング側の位置決め用凹又は凸部18aと、車軸筒側の位置決め用凹又は凸部17aとの前後方向位置を互いに異ならせる。第1車高調整ブロックS1の上面25は角度θで前下がり傾斜させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に後車軸の車体に対する高さ位置を変更する車高調整用スペーサ、車高調整装置、及び車高調整方法に係り、詳しくは、リーフスプリングを用いる懸架構造における車軸筒とリーフスプリングとの間に介装される車高調整用スペーサ、スペーサと長さ変更Uボルトとを用いる車高調整装置並びに車高調整方法に関するものである。
例えば、バンやトラック等においては、重荷重に対応し易く構造簡単で耐久性に富み、しかも比較的廉価に構成できる利点を有するリーフスプリング式の後輪懸架装置が多用される。後輪用リーフスプリング式懸架装置の例としては、特許文献1の図4等において開示されるように、デフ装置が内装されるデフケース(9)から左右に延びる車軸筒(符記無し)の左右端部と、前後に架設されるリーフスプリング(1)の前後略中央部分とが、一対のUボルト(5)と押え部材(7)とを用いて連結固定されている。
この種のリーフスプリング式懸架装置(以下、R式懸架装置と略称する)Kの一例が図6に、そして商用車であるバン(バン型自動車)Cに適用された場合の一例が図4にそれぞれ示されている。リーフスプリングRは、後車軸1(図8参照)の軸心Pの前方に配置される揺動支点y1と、後車軸軸心Pの後方に配置の固定支点y3に揺動可能に枢支されるアーム2の下部に形成される可動支点y2とに亘って架設されている。この場合のリーフスプリングRは、最上部の主第1リーフr1と、その下側に配置される主第2リーフr2と、最下層の補助リーフr3とで成る三枚重ね仕様であって、その前後中央からやや前寄りの位置に、デフ装置(図示省略)を内装するデフケース4から左右に延出される車軸筒3が連結固定されている。尚、本明細書においては、便宜上、デフケースと、その内部に収容される図示しないデフ装置とは同じ符号4でもって表すものとする。
デフケース4の入力軸5は、第2自在継手10を介してプロペラシャフト9の後端に連動連結されており、プロペラシャフト9の前端は、第1自在継手8を介してミッションケース6末端に配備される出力軸7に連動連結されている。ミッションケース6は、バンCの車体(車体フレーム)に対してマウントブッシュ(図示省略)を介して固定支持(浮動支持)されているのに対して、左右のリーフスプリングR,Rに左右の車軸筒3,3が連結固定されるデフケース4は可動支持されている。つまり、R式懸架装置Kを介して車体に支持されている構造により、後輪11の車体に対する上下移動、即ちストロークに伴って動くリーフスプリングRと一体的に上下移動及び左右に捩れ移動する。
図6に示すように、車軸筒3とリーフスプリングRとは、リーフスプリングRの下側に配備される板金材製の押え部材12に挿通可能な一対の軸ボルト部分13a,13a、及び車軸筒3の略上半分に巻掛けされる折り返し部分13aを有するUボルト13の一対を用いてのナット締めにより連結固定されている。車軸筒3の下側には、側面視で略台形状の脚部材14が溶着されており、その底壁14aに形成される孔14bには、リーフスプリングRに上下に貫通する状態で設けられているボルト・ナット15のボルト頭部15aが入り込んでいる。そして、ボルト・ナット15のナット15bは、押え部材12の孔12aに嵌り込んでおり、従って、車軸筒3、リーフスプリングR、及び押え部材12の三者は互いに位置決めされた状態で相対連結固定されている。尚、リーフスプリングRの内側近傍には、押え部材12の前端部12bと車体とに亘って架設されるダンパ16が若干の前倒れ姿勢で配置されている。
このような構成のR式後輪懸架装置Kにおいて、車高調整の一例として車高を下げる場合(ローダウン)には、従来、図8に示すように、脚部材14とリーフスプリングRとの上下間にブロック状のスペーサである市販ブロックSjを介装させる手段が採られる。市販ブロックSjは、直方体を呈する金属ブロック18と、その下面側に形成されるボルト頭部15a挿入用の穴部18aと、脚部材14の孔14bに挿入するためのボルト頭部17aを有して上面側に螺着装備されるボルト17とで構成されている。
しかして、リーフスプリングRに装着されるボルト15のボルト頭部15aが穴部18aに挿入され、かつ、脚部材14の孔14bにボルト頭部17aが入り込む状態で、市販ブロックSjを脚部材14とリーフスプリングRとの上下間に介装し、そして、別に用意されているロングUボルト13Lの一対を用いてナット止めすることにより、市販ブロックSjの高さ、又はそれとほぼ等しい高さh分のローダウンを行うことができる(図5も参照)。尚、主第1リーフr1と脚部材14との間には薄座シート19が介装される。
そこで、一般に多く出回っている前記直方体の市販ブロックSjを、図4に示す一般的なバンCの後輪ローダウン用として組み込んだところ、後輪11の位置が前に寄ってしまう不具合が発生した。通常、ノーマルの状態では、図4に示すように、後輪中心Pと内径dのリヤフェンダ20の湾曲中心Xとは一致するように設定されており、リヤフェンダ20の前後中央に後輪11が位置して見た目にバランスが取れている。
ところが、車高を下げるべく図8に示すように、高さhjの市販ブロックSjを組み込んだところ、予測では図5に仮想線で示すように、後輪11の中心Pがリヤフェンダ20の湾曲中心Xの直上(高さh分上)に位置するはずであるが、実際には図5に実線で示すように、ノーマル時の(元の)後輪中心である湾曲中心Xよりも距離aの分、明確に前に寄った前寄り支点Pmになってしまうという不都合が生じるのである。ホイールベースが短くなってしまうとともに、見た目のバランスも明らかに悪い。従って、市販スペーサでは使い物にならず、後輪を正規の前後位置に保持しながら車高調整ができるようにするには改善の余地が残されているものであった。
特開2005−053264号公報 特開2008−007105号公報 特開2002−052914号公報
本発明の目的は、R式懸架装置の特性を理解して検討することにより、リーフスプリングと車軸筒との上下間に車高調整用としてスペーサを介装する手段を採っても、それによって車輪の位置が前後方向に明確に寄ってしまうことなく意図する車高調整が行えるように、改善された車高調整用スペーサを提供する点にある。また、そのスペーサを有する改善された車高調整装置や車高調整方法を得ることも目的である。
請求項1に係る発明は、変速機出力軸7とプロペラシャフト9の一端部と及び前記プロペラシャフト9の他端部とデフ装置入力軸5とのそれぞれが自在継手8,10を介して連動連結され、前記デフ装置4から左右に延出される車軸筒3とこれより下方に配置されるリーフスプリングRとの上下間に介装可能な車高調整用スペーサにおいて、
前記車軸筒側の位置決め用凹又は凸部17aの前後方向位置が、前記リーフスプリング側の位置決め用凹又は凸部18aの前後方向位置よりも所定距離後方に寄せられ、かつ、前記車軸筒側の位置決め用凹又は凸部17aが上面25に対して垂直となるように形成されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車高調整用スペーサにおいて、前に行くほど上下寸法が小となるように形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、変速機出力軸7とプロペラシャフト9の一端部と及び前記プロペラシャフト9の他端部とデフ装置入力軸5とのそれぞれが自在継手8,10を介して連動連結され、前記デフ装置4から左右に延出される車軸筒3とこれより下方に配置されて前後向き姿勢のリーフスプリングRとが、それら両者3,Rの上下間に介装されるスペーサSと、前記リーフスプリングRの反車軸筒存在側に前記リーフスプリングRとの相対前後位置が規制される状態で配置される押え部材12に挿通可能な一対の軸ボルト部分13a,13a、及び前記車軸筒3に巻掛けされる折り返し部分13bを有するUボルト13と、を用いてのナット締めにより連結固定される車高調整装置において、
前記スペーサSにおける前記車軸筒側の第2位置決め用凹又は凸部17aの前後方向位置が、リーフスプリング側の第1位置決め用凹又は凸部18aの前後方向位置よりも所定距離後方に寄せられ、かつ、前記第2位置決め用凹又は凸部17aが前記スペーサSの上面25に対して垂直となるように形成され、前記Uボルト13が、前記第1位置決め用凹又は凸部18aと前記第2位置決め用凹又は凸部17aとの前後方向の位置ズレに対応して締付可能に構成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の車高調整装置において、前記スペーサSが、その上下寸法が前に行くほど小となる形状に構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、変速機出力軸7とプロペラシャフト9の一端部と及び前記プロペラシャフト9の他端部とデフ装置入力軸5とのそれぞれが自在継手8,10を介して連動連結され、前記デフ装置4から左右に延出される車軸筒3とこれより下方に配置されて前後向き姿勢のリーフスプリングRとの上下間にスペーサSを介装させ、かつ、前記リーフスプリングRの反車軸筒存在側に前記リーフスプリングRとの相対前後位置が規制される状態で配置される押え部材12に挿通可能な一対の軸ボルト部分13a,13a、及び前記車軸筒3に巻掛けされる折り返し部分13bを有するUボルト13の長さを変更することで車高調整を行う車高調整方法において、
前記Uボルト13及び/又は前記押え部材12を変形可能な材料によって作成するとともに、前記スペーサSにおける前記車軸筒側の第2位置決め用凹又は凸部17aの前後方向位置が、リーフスプリング側の第1位置決め用凹又は凸部18aの前後方向位置よりも所定距離後方に寄せられ、かつ、前記第2位置決め用凹又は凸部17aが前記スペーサSの上面25に対して垂直となるように形成され、ナット締めに伴って前記Uボルト13をなじみ変形又は前記押え部材12のナット当接面12cを変形させることにより、前記第1位置決め用凹又は凸部18aと前記第2位置決め用凹又は凸部17aとの前後方向の位置ズレに対応させて締付けることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の車高調整方法において、前記スペーサSとして、その上下寸法が前に行くほど小となる形状のものを用いることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、詳しくは実施形態の項にて説明するが、市販ブロックを用いたときに後輪が明確に前方に寄ってしまい、フェンダ等の車体と車輪との配置バランスが悪く外観が芳しくなくなるとともにホイールベースが短小化する不都合が解消又は抑制され、スペーサを設けないノーマル仕様と同等の前後位置に車輪が配置できて良好な外観及びホイールベースを維持しながら車高を所望寸法で低くする車高調整が可能となる。その結果、R式懸架装置の特性を理解して検討することにより、車軸筒とこれより下方に配置されるリーフスプリングとの上下間に車高調整用としてスペーサを介装する手段を採っても、それによって車輪の位置が前後方向に明確に寄ってしまうことなく意図する車高調整が行えるように、改善された車高調整用スペーサを提供することができる。
請求項2の発明によれば、上面を傾斜させる等により、前に行くほど上下寸法が小となることにより、前記効果に加えて、スペーサを付設することに起因してデフ装置側の自在継手の屈折角が増大することが相殺され、ノーマル仕様のときと変わらぬ良好な伝動状態、又はノーマル仕様よりもさらに円滑な伝動状態を得ることもでき、よりトータル機能に優れる利点が追加される。
請求項3の発明による車高調整装置や請求項5の発明による車高調整方法によれば、請求項1の発明と同等の作用効果を得ることができ、請求項4の発明による車高調整装置や請求項6の発明による車高調整方法によれば、請求項2の発明と同等の作用効果を得ることができる。
車高調整用スペーサの側面図(実施例1) 図1のスペーサの正面図 スペーサがリーフスプリング式後輪懸架装置に組込まれたバン後部の側面図 スペーサが装備されないノーマル状態のバン後部の側面図 従来のスペーサ装備時の後輪が前に寄る不具合を示す要部の側面図 リーフスプリング式後輪懸架装置の概略構造を示す側面図 図6の懸架装置を有するバンの伝動装置関係の懸架動作を示す模式図 従来のスペーサを装備した場合の要部の寸法関係を示す側面図 従来のスペーサを装備した場合の懸架動作を示す要部の模式図 本発明のスペーサを装備した場合の懸架動作を示す要部の模式図 実施例2による車高調整用スペーサの側面図
以下に、本発明による車高調整用スペーサ、車高調整装置、並びに車高調整方法の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。尚、実施例における車高調整用スペーサSは、実施例1のスペーサSである第1スペーサS1、及び実施例2のスペーサSである第2スペーサS2を含む総称である。
本発明による車高調整ブロック(車高調整用スペーサの一例)Sは、図1,図2、及び図11に示すように、変速機出力軸7とプロペラシャフト9の前端部(一端部の一例)とが第1自在継手8を介して連動連結されるとともに、プロペラシャフト9の後端部(他端部の一例)とデフ装置4の入力軸5とが第2自在継手10を介して連動連結され、デフ装置4から左右に延出される車軸筒3とリーフスプリングRとの上下間に介装可能なものである。その特徴構成は、リーフスプリング側の位置決め用穴部(「第1位置決め用凹又は凸部」の一例)18aの前後方向位置よりも、車軸筒側の位置決め用ボルト頭部(「第2位置決め用凹又は凸部」の一例)17aの前後方向位置を所定距離後方に寄せることにある。尚、デフケース4と左右の車軸筒3,3との総称をアクスルケースと呼ぶことある。
実施例1による第1車高調整ブロックS1(S)は、図1,図2に示すように、アルミ合金製でほぼ直方体を呈するブロック18と、その下端部に形成される穴部18aと、上端部に螺装されるキャップボルト(六角穴付ボルト)17とで構成されている。ブロック18は、底面21、左右側面22,22、前面23、後面24、及び上面25を有し、全ての角は面取り加工されている。この第1車高調整ブロックS1は、デフケース(デフ装置)4から左右に延出される車軸筒3とリーフスプリングRとの上下間に介装されて、ノーマル状態に比べて車体の高さ位置を下げる車高ダウン(ローダウン)ためのものである。これは、図3,図4に示すように、車軸筒3がリーフスプリングRより上に配置される構造のものであり、特許文献3(図1参照)に示されるように、車軸筒がリーフスプリングより下に配置される構造の場合には、車体の高さ位置が上がる車高アップになる。
ブロック18の下部には、前後及び左右でそれぞれ中央に位置して底面21に開口する位置決め用で上向きの穴部18aが形成されている。上面25は、後面24から前面23に寄るほど高さが低くなるように角度θで前下がりする傾斜面に形成されている。ブロック18の上部には、左右中央で、かつ、前後中心Lbから後面24側に距離bだけ寄った位置、即ち後方ズレ量bでもって上面25に開口するナット穴26が形成されている。ナット穴26はキャップボルト17の螺装用であって、雌ねじ部26aと、雌ねじ部26aより径がやや大で上面25に開口する直筒部26bとを有し、上面25に対して垂直に、即ちブロック垂直線Lbに対して角度θ傾いて形成されている。
底面21はリーフスプリングRに搭載される面であり、穴部18aは、リーフスプリングRのボルト・ナット15のボルト頭部15aが挿入可能である。尚、穴部18aの前後それぞれにはノック穴27が形成されており、これは、ローダウン量を増すべく別の直方体で高さの低い扁平な調整用ブロック(図示省略)の上面から立設されるノックピンを密嵌合させての位置定め状態で下方に重ねるためのものである。調整用ブロックの高さ例としては0.5インチのものがあり、図1に示す高さ3インチの車高調整ブロックSの下に調整用ブロックを1個重ねて使用すれば3.5インチローダウン用の車高調整ブロックにでき、2枚重ねて使用すれば4インチローダウン用の車高調整ブロックにできる。
ナット穴27に螺装されるキャップボルト17は、図10や図1の仮想線で示すように、脚部14の底面14aに開口する孔14bに嵌め入れられて、第1車高調整ブロックS1と車軸筒3との前後左右の位置決めを行うためのものである。ブロック18に組み付けられているキャップボルト17は、角度θで前下がり傾斜し、かつ、前後中心Lbから後方に寸法bで位置ズレされて螺装(螺着)されている。故に、詳しくは後述するが、第1車高調整ブロックS1が介装されたR式後輪懸架装置Kにおいては、車軸筒3、即ちデフケース4のリーフスプリングRに対する側面視における相対角度は、ノーマル状態に比べて角度θだけ前下がりする。尚、図9,10では、プロペラシャフト9とその伝動上流側を省略してある。
実施例2による第2車高調整ブロックS2は、図11に示すように、上面25に傾斜が無く水平であり、かつ、キャップボルト17の前後中心Lbからの後方ズレ量がiとされた以外は第1車高調整ブロックS1と同じである。従って、同じ箇所には同じ符号を記し、その説明が為されたものとする。この第2車高調整ブロックS2は、上面25が底面21と平行であって完全な直方体のブロック18に形成されており、ナット穴26の後方ズレ量iは第1車高調整ブロックS1のナット穴26の後方ズレ量bよりも小(i<b)に設定されている。ナット穴26の中心は当然ながら前後中心Lbに平行であって底面21に垂直である。
次に、ノーマル状態のR式懸架装置Kに市販ブロックSjを組み込むと、何故に後輪11が前に寄ってしまうのか(その原因は何か)、そして、本発明ではそれをどのような工夫によって克服して車高調整ブロックSを得たか、等について詳細に説明する。
まず、ノーマル状態の後輪懸架装置及び伝動系について説明する。基本項目は段落番号「0003」〜「0005」にて述べており、ここでは要点について言及する。図4,図6に示すように、ミッションケース(変速機の一例)6の出力軸7とプロペラシャフト9の前端部(一端部の一例)とが第1自在継手8を介して連動連結され、かつ、プロペラシャフト9の後端部(他端部の一例)とデフ装置4の入力軸5とが第2自在継手10を介して連動連結されている。出力軸7に比べて後輪中心(後車軸軸心)Pの高さ位置は低いので、第1自在継手8の高さ位置よりも第2自在継手10の方が低い。
図4は装備空車状態(エンジンオイル、燃料、ラジエータ液、等の必要となる液体類が全て装備され、かつ、搭乗員がゼロの状態)を示しており、R式後輪懸架装置Kはある程度リーフスプリングRが撓んだ状態にある。そして、図6は、その図4の状態(装備空車状態)での姿勢にあるR式後輪懸架装置Kを側面視で示したものである。図6において、後輪中心Pの高さ位置は揺動支点y1よりも少し、即ち寸法c高く、可動支点y2よりは低い。そして、車軸筒3に固着されている脚部材14の底面14aと、後輪中心Pを通る入力軸5の中心線、即ちデフケース4の中心線4aが側面視にて為す角度であるデフケース角αを、後輪中心Pを底面14aと平行なラインを用いて表すものとする。次に、そのデフケース角αについて説明する。
図7に示すように、R式後輪懸架装置Kによる(ダンパ16の伸縮量による)後輪中心Pの最伸位置(後輪11が車体に対して最も下がる位置)をP1、最圧位置(後輪11が車体に対して最も上がる位置)をP2とし、P2−P1が後輪11の全懸架ストロークAである。その懸架ストロークがA/2のときの後輪中心Pである中央位置Pcのときに、入力軸5の軸心5aとプロペラシャフト9の軸心9aとが一直線に並んで第2自在継手10の屈折角Qが0となるようにデフケース角αを決める。すると、半ストローク位置での後輪中心Pcからのストローク量が共にA/2で等しい最伸位置P1での第2自在継手10の屈折角Qと、最圧位置P2での第2自在継手10の屈折角Qとが略等しくなり、後輪懸架による第2自在継手10の屈折角Qの最大値を小さく設定できて、極力円滑な伝動状態を得ることができる。
ところで、前支点によるリーフスプリングRによる後輪中心Pの懸架ストロークによる軌跡は、図6,7に示すように、揺動支点y1を中心とした半径fの揺動軌跡Tyと、リーフスプリングRの撓みによる後方への寄り移動軌跡(図示省略)との和になり、理論上は前後に移動しない移動軌跡Te、即ち後輪中心Pを通る垂直線(絶対垂直線)Ltに一致するように設計されるのが望ましい。実車による後輪懸架ストローク実験においては、図6に示すように、最圧位置P2に近づくに連れて若干前による湾曲軌跡である実験軌跡Tjが得られた。しかしながら、全懸架ストロークが150mmにおいて、最も前に寄る最圧位置P2での寄り量が1〜3mmと極僅かであるから、後輪11の(後輪中心Pの)懸架による移動軌跡Teは垂直線Ltであるとみなして差し支えない。
この場合、実施例1で述べる実車においては、図6に示すように、後輪11が最伸位置P1にあるときには、その最伸位置P2と揺動始点y1とは同じ高さ位置にあり、従って、後輪中心Pは常に揺動始点y1の高さより高い位置にあることになる。このような位置関係に設定されている本実施例のR式懸架装置においては、後輪11の懸架ストローク量の如何に拘らず入力軸5の傾斜角、即ちデフケース4の姿勢は一定(又はほぼ一定)になることがわかる。これらのことから、図4に示すバンC(ノーマル仕様)の装備空車状態(後輪中心P)でのデフケース角αが規定されるので、同時に脚部材14の底面14aの角度関係も定まる。
底面14aの水平線Lhに対する角度は、リーフスプリングRの姿勢、詳しくは主第1リーフr1の前後中間部分での姿勢で決まるのであるが、図4や図6に示すように、装備空車状態では若干前下がり姿勢であること、即ち、角度βで前倒れ傾斜していることが分かる。故に、図8,図9に示すように、リーフスプリングRと車軸筒3との上下間に市販ブロックSjを介装する手段では、その市販ブロックSjの高さhjと前倒れ角βとに起因して後輪中心Pが前に寄ってしまうことが知見された。その前方への位置ズレ量a(前述の距離a)は、a=hj×sinβで求められる。ここで、市販ブロックSjの高さhj=100mm、前倒れ角β=5°とすれば、a≒8.72mmになる。これが段落番号「0009」にて述べた不都合の正体(原因)である。つまり、装備空車状態におけるリーフスプリングRの車軸筒3を載置する箇所での上面が前倒れ傾斜しているからである。
従って、市販ブロックSjを介装すると後輪11が距離aでもって前方に位置ズレしてしまう不都合を解消する手段の例として、図1や図11に示すように、リーフスプリング側の位置決め用凹部である穴部18aに対して、車軸筒側の位置決め用凸部であるキャップボルト17の前後方向位置を後方にずらして形成してある。つまり、本発明による第1及び第2車高調整ブロックS1,S2においては、これらを装備することで市販ブロックSjを装備した場合に後輪中心Pが前方に距離a寄ってしまう不都合が生じない(又はほぼ生じない)ように構成されており、それによってノーマル仕様の後輪中心Pと前後位置が結果的に同じ又はほぼ同じになるのである。
本発明による各車高調整ブロックSでは、ブロック18の前後中央にある穴部18aに対してキャップボルト17、即ちナット穴26の位置が後方に寄せて形成されている。市販ブロックSjの高さhjと同じ高さh2を有する図11に示す第2車高調整ブロックS2では、ナット穴26の後方ズレ量iを、i≒a、正確にはi=h2×tanβ、となるように設定されており、aを用いた式で表すと、i=(a×h2)/(hj×cosβ)である。例として、第2車高調整ブロックS2の高さh2=100mm、β=5°とすれば、i=100×tan5°=8.75mmとなる。尚、第1車高調整ブロックS1の後方ズレ量bが、第2車高調整ブロックS2の後方ズレ量iより大きい理由は後述する。
さて、ノーマル仕様を示す図7において、第2自在継手10の中心10aと第1自在継手8の中心8aとを結ぶライン、即ちプロペラシャフト9の軸心9Aを、後輪中心Pが最伸位置P1のときを最伸軸心9A1、後輪中心Pが最圧位置P2のときを最圧軸心9A2、後輪中心Pが中央位置Pcのときを中央軸心9Acとすると、バンCの実車における水平線Lhと為す各角度の実測値は次のようである。即ち、最伸位置P1における最伸軸心9A1は6°10′の後下がり角、最圧位置P2における最圧軸心9A2は0°即ち水平線Lhであり、中央位置Pcにおける中央軸心9Acは3°00′の後下がり角であった。
中央位置Pcにおけるデフケース4の中心線4aの水平線Lhに対する角度eと中央軸心9Acの水平線Lhに対する角度とは同じ(3°00′)であり、かつ、懸架ストロークの如何に拘らずデフケース4の姿勢は一定(又は略一定)であるから、最圧位置P2での第2自在継手10の屈折角Q2は、Q2=中心線4aの角度−最圧軸心9A2の角度であり、実測値ではQ2=3°−(0°)=3°であった。最伸位置P1での第2自在継手10の屈折角Q1は、Q1=最伸軸心9A1の角度−中心線4aの角度であって、実測値ではQ1=6°10′−3°=3°10′であり、上側の屈折角Q2と大差ない状態(Q1≒Q2)になっている。これにより、後輪11の全懸架ストロークAにおいて第2自在継手10の屈折角Qが3°10′以下(3°10′≦Q≦0°)という小さな角度内になり、動力の円滑な伝動に寄与している。
上述の第2自在継手10の屈折角Qの範囲は、懸架ストロークAの半分の位置を基準にして割り出したものであるが、屈折角Qの最大値をより小とすべく、下側の屈折角Q1と上側の屈折角Q2とが同値になる場合のプロペラシャフト9の中心線9aの角度にデフケース4の中心線4aの角度を合致させる、という設計手法を採っても良く、そうすれば第2自在継手10の屈折角Qの最大値をさらに減じることが可能となって好都合である。この場合、デフケース4の中心線4aの角度は、半分の懸架ストローク量(A/2)となる位置を基準とする前述の場合の角度(3°00′)より極僅か(0°10′前後)大きくなると予測される。
ここで、高さhjを有して後輪11が前に距離a寄る市販ブロックSjを設けた市販ブロック仕様の場合に、第2自在継手10の屈折角Qがどのようになるかについて求めてみた。図9に示すように、市販ブロックSjを介装した場合には、最圧位置を決めるべく車体フレームに垂設されるゴム製ストッパー(図示省略)を高さの低いものに取り換えた条件において、全懸架ストローク量がノーマル仕様に比べて明確に減った0.8A(約20%減の120mm)になり、当然ながら最圧位置P2はノーマル仕様より高さ約hj(正確にはhj×cosβ)分高く(車体に対して)なる。
市販ブロック仕様では、装備空車状態での後輪中心PをPjと呼び、最伸位置P1jでの第1自在継手8の中心8aと第2自在継手10の中心10aとを結ぶプロペラシャフト9の軸心9Aを9A1jと呼ぶ。同様に、最圧位置P2jでのプロペラシャフト軸心を9A2jと呼ぶものとする。図9において、最伸軸心9A1jの実測値は2°の後下がり角で、最圧軸心9A2jの実測値は2°50′の後上がり角であった。デフケース4の中心線4aの水平線Lhに対する角度は前上がり角3°一定であるから、最伸位置P1jでの第2自在継手10の屈折角Q1jは、Q1j=3°−2°=1°である。そして、最圧位置P2jでの屈折角Q2jは、Q2j=3°+2°50′=5°50′である。
つまり、市販ブロック仕様では、第2自在継手10の屈折角Qが最伸位置P1jと最圧位置P2jとで大きく異なってしまうとともに、最大屈折角がQ2j(5°50′)となり、ノーマル仕様での最大屈折角の値である3°10′(Q1)よりかなり大きくなってしまう。一般的な等速ジョイントである第2自在継手10の性能上、屈折角は5°50′は許容範囲内ではあるが、その値は少ない方が望ましい。故に、第2自在継手10の屈折角Q、及びその上下の振分け角度の均一性の各点ではノーマル仕様より劣る。
そこで、市販ブロックSjに代えて第2車高調整ブロックS2を装備した第2車高調整ブロック仕様とすれば、後輪中心Pが前に寄る不都合が解消され、見ためのバランスが良いとともに、ホイールベースも適正値に維持される効果が得られる。しかしながら第2車高調整ブロックS2を装備した場合、図示は省略するが、前述した第2自在継手10の屈折角Qが上側の方が下側より大きくなってしまう傾向が、市販ブロックSjを装備した場合と同様に表れてしまうことになる。従って、第2車高調整ブロックS2を設けた状態でバンCを走行させても性能上(第2自在継手10の性能上)の問題は無いのであるが、ノーマル仕様よりも屈折角Qの最大値が大きくなって第2自在継手10における伝動の円滑さの点で若干不利になるので、その点では更なる改善の余地が残されている。
前記さらなる改善要望に答えるべく開発されたのが第1車高調整ブロックS1である。図10に、第1車高調整ブロックS1をリーフスプリングRと車軸筒3との上下間に介装した第1車高調整ブロック仕様であるときの要部側面図が示されている。即ち、第1車高調整ブロックS1は、前述したように上面25が角度θで前倒れ傾斜しているから、最伸位置P1での第2自在継手10の屈折角Q1が市販ブロックSj(第2車高調整ブロックS2)の場合よりも大となり、逆に、最圧位置での第2自在継手10の屈折角Q2が市販ブロックSj(第2車高調整ブロックS2)の場合よりも小となり、ほぼノーマル仕様と同等の状態とすることができる。例えば、上面25の前倒れ角θを2°45′とすれば、上側の屈折角Q2の最大値は、5°−2°45′=2°15′になり、下側の屈折角Q1の最大値は、−30′+2°45′=2°15′となる。尚、図10において、末尾にs1が付けられている符号は、第1車高調整ブロックS1のものを示している(例:10as1やP1s1等)。
つまり、前倒れ角θを適宜に選択設定すれば、全懸架ストローク量が縮小されている第1車高調整ブロック仕様での第2自在継手10の屈折角Qの最大値を、ノーマル仕様と同条件に設定したり、ノーマル仕様の屈折角Qよりも小さく、かつ、上下の屈折角Q2,Q1を等しく(又はほぼ等しく)設定することが可能になる。但し、第1車高調整ブロックS1の上面が角度θで前倒れしているので、第2車高調整ブロックS2を設ける場合に比べて後輪中心Pがさらに前に寄ってしまうことになるので、その分、ナット穴26の後方ズレ量bは、第2車高調整ブロックS2のときの後方ズレ量iよりも大きくする必要がある。これが第1車高調整ブロックS1の後方ズレ量bが、第2車高調整ブロックS2での後方ズレ量iよりも大きくなる理由である。
ここで、第1車高調整ブロックS1の最大高さをh1、脚部材14の底面14aから後輪中心P迄の高さをgとすると(図7,図10を参照)、後輪中心Pの前後位置ズレを0とするための式は、b=[〔h1−(h1×tanβ)/2〕−g]×sinβ+g×sin(β+θ)となる。例として、h1=100、g=52、β=5°、θ=2°45′、とすれば、b=[〔100−(100×tan5°)/2〕−52]×sin5°+52×sin7°45′≒43.63×0.0872+52×0.135≒10.82mm。つまり、第1車高調整ブロックS1におけるナット穴26の後方ズレ量bの例は10.82mmであり、第2車高調整ブロックS2の後方ズレ量iの例8.75mmよりも大(b>i≒a)である。
さて、ノーマル仕様では、図6に示すように、Uボルト13の軸ボルト部分13aは押え部材12の内底面(ナット当接面の一例)12cに対して直交(垂直)する状態に設定されており、それによってナット締結面(ナット面又はワッシャ面)が内底面12cと平行となり、良好な螺装状態が得られるようになっている。ところが、第1及び第2のいずれの車高調整ブロックS1,S2でもナット穴26が前後中心Lbに対して後方に位置ズレしており、Uボルトを単に長く(軸ボルト部分13aを延長する手段)しただけでは軸ボルト部分13aが内底面12cに対して直交せず、その状態でナットを締め付けるとナット面又はワッシャ面が内底面12cに対して若干傾くことになって都合が悪い。
そこで、ロングUボルト13L(13)を、屈曲変位可能となる材料製とすることにより、図3や図10に示すように、ナット締めに伴って一対の軸ボルト部分13aが湾曲に撓り、ナット締結面が内底面12cに平行又はほぼ平行になり、良好に螺装することが可能となっている。尚、図面理解状、図10においては、軸ボルト部分13aが見て分る程度の湾曲に描いてあるいが、実際にはロングUボルト13Lの長さに比べてナット締結面の傾き角は極小さく、見た目には殆ど直線のように見えることを記しておく。
つまり、車軸筒3と前後向き姿勢のリーフスプリングRとが、それら両者3,Rの上下間に介装される車高調整ブロックSと、リーフスプリングRの反車軸筒存在側にリーフスプリングRとの相対前後位置が規制される状態で配置される押え部材12に挿通可能な一対の軸ボルト部分13a,13a、及び車軸筒に巻掛けされる折り返し部分13bを有するUボルト13と、を用いてのナット締めにより連結固定される車高調整装置において、車高調整ブロックSにおけるリーフスプリング側の穴部(「第1位置決め用凹又は凸部」の一例)18aの前後方向位置よりも、車軸筒側のボルト頭部(「第2位置決め用凹又は凸部」の一例)17aの前後方向位置を所定距離後方に寄せるとともに、Uボルト13(13L)が、穴部18aとボルト頭部17aとの前後方向の位置ズレに対応して締付可能に構成されている、のである。
なお、一対の軸ボルト部分13aを、予め内底面12cに対して直交するよう、極僅かに湾曲形成してある成形ロングUボルト13Lとしても良い。これらのように、ロングUボルト13Lを、屈曲変形可能な材料製とすることや、予め軸ボルト部分13aを湾曲形成しておくこと、等を総称して「Uボルト13(13L)が、穴部18aとボルト頭部17aとの前後方向の位置ズレに対応して締付可能に構成されている」と表現するものと定義する。
本発明では、第1車高調整ブロックS1とロングUボルト13Lと、第2車高調整ブロックS2とロングUボルト13Lとのそれぞれが車高調整装置Bを構成している。つまり、リーフスプリングRとの相対前後位置が規制される状態の押え部材12に挿通可能な一対の軸ボルト部分13a,13a、及び車軸筒3に巻掛けされる折り返し部分13bを有するUボルト13L(13)と、を用いてのナット締めにより連結固定される構造であって、車高調整ブロックSにおけるリーフスプリング側の第1位置決め用凹又は凸部18aの前後方向位置よりも、車軸筒側の第2位置決め用凹又は凸部17aの前後方向位置を所定距離後方に寄せるとともに、Uボルト13L(13)が、第1位置決め用凹又は凸部18aと第2位置決め用凹又は凸部17aとの前後方向の位置ズレに対応して締付可能に構成されている車高調整装置Bである。
また、車軸筒3と前後向き姿勢のリーフスプリングRとの上下間に車高調整ブロックSを介装させ、かつ、リーフスプリングRの反車軸筒存在側にリーフスプリングRとの相対前後位置が規制される状態で配置される押え部材12に挿通可能な一対の軸ボルト部分13a,13a、及び車軸筒3に巻掛けされる折り返し部分13bを有するUボルト13の長さを変更することで車高調整を行う車高調整方法の工夫でもある。即ち、Uボルト13及び/又は押え部材12を変形可能な材料によって作成するとともに、車高調整ブロックSにおけるリーフスプリング側の第1位置決め用凹又は凸部18aの前後方向位置よりも、車軸筒側の第2位置決め用凹又は凸部17aの前後方向位置を所定距離後方に寄せておき、ナット締めに伴ってUボルト13をなじみ変形又は押え部材12のナット当接面12cを変形させることにより、第1位置決め用凹又は凸部18aと第2位置決め用凹又は凸部17aとの前後方向の位置ズレに対応させて締付けることができる車高調整方法である。
〔別実施例〕
変速機出力軸よりもデフ装置入力軸の方が高い位置にある機種において、車軸筒とリーフスプリングとの上下間に車高調整ブロックを介装して車高を下げる(ローダウン)場合に、第2自在継手の屈折角最大値の抑制を行うには、上下寸法が後方に行くほど小さくなる車高調整ブロックを用いると良い。例えば、図1に示す第1車高調整ブロックS1の前後を反転させて用いることが可能である。また、参考に記すが、リーフスプリングが下方下がりする等により、車軸筒が載置される箇所が後下がりしている場合には、第1位置決め用凹又は凸部よりも第2位置決め用凹又は凸部が前に寄る前方ズレ量を有する車高調整ブロック、及びそれを用いた車高調整装置、並びに車高調整方法を採用できる。
さらに、上面25が前下がり傾斜し、かつ、底面21が前上がり傾斜する上下両面斜めのブロック18(図示省略)でも良く、要は「前に行くほど上下寸法が小となるように形成されている」であれば良い。そして、リーフスプリング側の位置決め用凹又は凸部の前後方向位置よりも、車軸筒側の位置決め用凹又は凸部の前後方向位置を後方に寄せるズレ量は、対象となる機種、具体的にはR式懸架装置の構成寸法等に応じて適宜に設定することが可能である。参考に記すが、後輪中心位置が前後にズレないようにするためには、穴部18aに対してキャップボルト17が相対的に前に位置ズレする構成もありうる。また、ブロック18の材料としては、アルミ合金塊の他、鋳鉄や鍛鉄、チャンネル材、型鋼、或は細断された肉厚角パイプ材(アルミ押出し材等)などでも良いし、形状としては、いずれかの面に凹凸や起伏があるとか、孔や穴があるとかでも良く、種々の変更が可能である。
以上述べたように、本発明による第1及び第2車高調整ブロックS1,S2を用いれば、市販ブロックSjを用いたときに後輪が明確に前方に寄ってしまい、バランスが悪く外観が芳しくなくなるとともにホイールベースが短小化する不都合が解消又は抑制され、ノーマル仕様と同等の前後位置に後輪が配置できて良好な外観及びホイールベースを維持しながら車高を所望寸法で下げることができる。そして、上面25を角度θで前下がり傾斜させてある第1車高調整ブロックS1を用いれば、前記効果に加えて、車高調整ブロックSを付設することに起因して第2自在継手10の屈折角Qが増大することが相殺され、ノーマル仕様のときと変わらぬ良好な伝動状態、又はノーマル仕様よりもさらに円滑な伝動状態を得ることもでき、よりトータル機能に優れる利点が追加される。
また、市販ブロックSjを用いてローダウンさせる場合は、後輪中心、即ちデフケースが前に寄って伝動系の全体前後長が短縮化されるので、一対の自在継手部分における不都合が生じるおそれがある。例えば、筒状の出力軸7と第1自在継手8の入力軸(図示省略)とが前後移動可能にトルク伝達すべくスプライン嵌合されている構成において、継手入力軸が出力軸7に想定以上に深く入り込んでオイルシールを損傷させる、といった不都合である。ところが、本発明による車高調整ブロックSを使用すれば、後輪中心位置、即ちデフケース位置が前に寄らないので、前述のような市販ブロックSjを用いた時の不都合(ミッションケースに軸が深く入りこんでオイルシールを損傷させるおそれ)が回避されるという利点もある。
3 車軸筒
4 デフ装置
5 デフ装置入力軸
7 変速機出力軸
8,10 自在継手
9 プロペラシャフト
12 押え部材
12c ナット当接面
13 Uボルト
13a 軸ボルト部分
13b 折り返し部分
17a 車軸筒側の第2位置決め用凹又は凸部
18a リーフスプリング側の第1位置決め用凹又は凸部
25 上面
R リーフスプリング
S スペーサ

Claims (6)

  1. 変速機出力軸とプロペラシャフトの一端部と及び前記プロペラシャフトの他端部とデフ装置入力軸とのそれぞれが自在継手を介して連動連結され、前記デフ装置から左右に延出される車軸筒とこれより下方に配置されるリーフスプリングとの上下間に介装可能な車高調整用スペーサであって、
    前記車軸筒側の位置決め用凹又は凸部の前後方向位置が、前記リーフスプリング側の位置決め用凹又は凸部の前後方向位置よりも所定距離後方に寄せられ、かつ、前記車軸筒側の位置決め用凹又は凸部が上面に対して垂直となるように形成されている車高調整用スペーサ。
  2. 前に行くほど上下寸法が小となるように形成されている請求項1に記載の車高調整用スペーサ。
  3. 変速機出力軸とプロペラシャフトの一端部と及び前記プロペラシャフトの他端部とデフ装置入力軸とのそれぞれが自在継手を介して連動連結され、前記デフ装置から左右に延出される車軸筒とこれより下方に配置されて前後向き姿勢のリーフスプリングとが、それら両者の上下間に介装されるスペーサと、前記リーフスプリングの反車軸筒存在側に前記リーフスプリングとの相対前後位置が規制される状態で配置される押え部材に挿通可能な一対の軸ボルト部分、及び前記車軸筒に巻掛けされる折り返し部分を有するUボルトと、を用いてのナット締めにより連結固定される車高調整装置であって、
    前記スペーサにおける前記車軸筒側の第2位置決め用凹又は凸部の前後方向位置が、リーフスプリング側の第1位置決め用凹又は凸部の前後方向位置よりも所定距離後方に寄せられ、かつ、前記第2位置決め用凹又は凸部が前記スペーサの上面に対して垂直となるように形成され、前記Uボルトが、前記第1位置決め用凹又は凸部と前記第2位置決め用凹又は凸部との前後方向の位置ズレに対応して締付可能に構成されている車高調整装置。
  4. 前記スペーサが、その上下寸法が前に行くほど小となる形状に構成されている請求項3に記載の車高調整装置。
  5. 変速機出力軸とプロペラシャフトの一端部と及び前記プロペラシャフトの他端部とデフ装置入力軸とのそれぞれが自在継手を介して連動連結され、前記デフ装置から左右に延出される車軸筒とこれより下方に配置されて前後向き姿勢のリーフスプリングとの上下間にスペーサを介装させ、かつ、前記リーフスプリングの反車軸筒存在側に前記リーフスプリングとの相対前後位置が規制される状態で配置される押え部材に挿通可能な一対の軸ボルト部分、及び前記車軸筒に巻掛けされる折り返し部分を有するUボルトの長さを変更することで車高調整を行う車高調整方法であって、
    前記Uボルト及び/又は前記押え部材を変形可能な材料によって作成するとともに、前記スペーサにおける前記車軸筒側の第2位置決め用凹又は凸部の前後方向位置が、リーフスプリング側の第1位置決め用凹又は凸部の前後方向位置よりも所定距離後方に寄せられ、かつ、前記第2位置決め用凹又は凸部が前記スペーサの上面に対して垂直となるように形成され、ナット締めに伴って前記Uボルトをなじみ変形又は前記押え部材のナット当接面を変形させることにより、前記第1位置決め用凹又は凸部と前記第2位置決め用凹又は凸部との前後方向の位置ズレに対応させて締付ける車高調整方法。
  6. 前記スペーサとして、その上下寸法が前に行くほど小となる形状のものを用いる請求項5に記載の車高調整方法。
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