JP4528738B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンに関し、詳しくは、オイル分離性能が高いエンジンに関するものである。
従来のエンジンとして、本発明と同様、クランクケース内のブローバイガスを膨張室を介してヘッドカバーから排出するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この種のエンジンでは、膨張室でブローバイガスが膨張した際、ブローバイガス中のオイルミストが凝縮し、ブローバイガスからオイルが分離される利点がある。
しかし、上記従来のエンジンでは、膨張室が単一であるため、問題が生じている。
実開平4−71719号公報(第1図参照)
上記従来技術では、次の問題がある。
《問題》 オイル分離性能が低い。
膨張室が単一であるため、膨張室内でブローバイガス中のオイルミストが凝縮しても、そのオイルの一部は後続のブローバイガスによって再ミスト化され、膨張室から連れ出されることがあり、オイル分離性能が低い。
本発明は、上記問題点を解決することができるエンジン、すなわち、オイル分離性能が高いエンジンを提供することを課題とする。
(請求項1と請求項3に係る発明に共通する発明特定事項)
請求項1と請求項3に係る発明に共通する発明特定事項は、次の通りである。
図1に例示するように、クランクケース(1)のブローバイガス(2)を膨張室を介してヘッドカバー(3)から排出するようにした、エンジンにおいて、
ヘッドカバー(3)の天井部にブリーザ室(4)を設け、シリンダ中心軸線(1a)と平行な向きに見て、ブリーザ室(4)を長手状に形成し、その長手方向を前後方向、幅方向を左右横方向、前後方向の一方を前として、ブリーザ室(4)の前寄りにブリーザ室入口(5)を設け、ブリーザ室(4)の後寄りにブリーザ室出口(6)を設け、このブリーザ室入口(5)とブリーザ室出口(6)の間に左右横方向に向けた複数の隔壁(7)(8)(9)(10)(11)を前後方向に並べ、
この複数の隔壁(7)(8)(9)(10)(11)でブリーザ室(4)に前後方向に並ぶ複数の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)を設け、各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)に流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)をあけ、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から下流側の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)にブローバイガスを流出させるようにし、
各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)を各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)の左右横端寄りに配置し、前後で隣り合う各隔壁の流出口は左右逆の横端寄りに配置し、
各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)を各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から遠い側の側壁(18)(19)から各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)に向けて導出した、エンジン。
(請求項1に係る発明に固有の発明特定事項)
図1に例示するように、所定の膨張室(8a)(10a)の左右横一方寄りで、この膨張室(8a)(10a)の底壁の前寄りに前側隆起部(8c)(10c)を設け、この前側隆起部(8c)(10c)をその膨張室(8a)(10a)の出口となる流出口(8b)(10b)の前側正面で上向きに隆起させた、ことを特徴とするエンジン。
(請求項3に係る発明に固有の発明特定事項)
請求項3に係る発明に固有の発明特定事項は、次の通りである。
図1に例示するように、所定の膨張室(9a)(11a)の左右横一方寄りで、この膨張室(9a)(11a)の底壁の後寄りに後側隆起部(9c)(11c)を設け、この後側隆起部(9c)(11c)をその膨張室(9a)(11a)の入口となる流出口(8b)(10b)の後側正面で上向きに隆起させた、ことを特徴とするエンジン。
(請求項1に係る発明)
効果1》 オイル分離性能が高い。
図1、図2に例示するように、この複数の隔壁(7)(8)(9)(10)(11)でブリーザ室(4)に前後方向に並ぶ複数の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)を設け、各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)に流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)をあけ、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から下流側の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)にブローバイガスを流出させるようにしたので、上流の膨張室内で凝縮したオイルの一部が後続のブローバイガスによって再ミスト化されても、このオイルミストは下流の膨張室で再凝縮され、膨張室からのオイルの連れ出しを抑制することができ、オイル分離性能が高い。
効果2》 オイル分離性能を高めることができる。
図1、図2に例示するように、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)を各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)の左右横端寄りに配置し、前後で隣り合う各隔壁の流出口は左右逆の横端寄りに配置したので、各膨張室でのブローバイガスの吹き抜けが起こりにくく、オイル分離性能を高めることができる。
効果3》 オイル分離性能を高めることができる。
図1、図2に例示するように、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)を各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)の左右横端寄りに配置し、前後で隣り合う各隔壁の流出口を左右逆の横端寄りに配置し、各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)は、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から遠い側の側壁(18)(19)から各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)に向けて導出したので、各膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)の入口となる各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)から前向きに流入したブローバイガスの少なくとも一部を、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)の後側の各隔壁(8)(9)(10)(11)に衝突させて後ろ向きに反転させた後、前側の隔壁(7)(8)(9)(10)に衝突させて前向きに反転させることが可能となる。このため、各膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)全体にブローバイガスが循環し、各膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)の各壁面でオイルミストが凝縮し、オイル分離性能を高めることができる。
《効果4》 オイル分離性能を高めることができる。
図1〜図3に例示するように、所定の膨張室(8a)(10a)の左右横一方寄りで、この膨張室(8a)(10a)の底壁の前寄りに前側隆起部(8c)(10c)を設け、この前側隆起部(8c)(10c)をその膨張室(8a)(10a)の出口となる流出口(8b)(10b)の前側正面で上向きに隆起させたので、後側の隔壁(8)(10)に衝突させて前向きに反転させたブローバイガスの少なくとも一部を、前側隆起部(8c)(10c)の案内でその膨張室(8a)(10a)の天井壁(8d)(10d)に向けて偏向させることが可能となる。このため、膨張室(8a)(10a)の天井壁(8d)(10d)でもオイルミストが凝縮し、オイル分離性能を高めることができる。
請求項2に係る発明)
請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果5》 オイル分離性能を高めることができる。
図1〜図3に例示するように、所定の膨張室(9a)(11a)の左右横一方寄りで、この膨張室(9a)(11a)の底壁の後寄りに後側隆起部(9c)(11c)を設け、この後側隆起部(9c)(11c)をその膨張室(9a)(11a)の入口となる流出口(8b)(10b)の後側正面で上向きに隆起させたので、その膨張室(9a)(11a)の入口となる流出口(8b)(10b)から後向きに流入したブローバイガスの少なくとも一部を、後側隆起部(9c)(11c)の案内でその膨張室(9a)(11a)の天井壁(9d)(11d)に向けて偏向させることが可能となる。このため、膨張室(9a)(11a)の天井壁(9d)(11d)でもオイルミストが凝縮し、オイル分離性能を高めることができる。
(請求項3に係る発明)
請求項1に係る発明の効果1〜3に加え、請求項2に係る発明の効果5を奏する。
請求項4に係る発明)
請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイル分離性能を高めることができる。
図1に例示するように、所定の隔壁(8)(9)(10)(11)を各流出口(8b)(9b)(10b)(11b)に沿って導出端から前側の膨張室(8)(9)(10)(11)に向けて前向きに折り曲げたので、各膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)の後側の隔壁(8)(9)(10)(11)に沿って流出口(8b)(9b)(10b)(11b)に向かって流れるオイルは、前向きの折り曲げ部分によって堰止められ、流出口(8b)(9b)(10b)(11b)からの流出が抑制される。このため、各膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)からのオイルの連れ出しが抑制され、オイル分離性能を高めることができる。
請求項5に係る発明)
請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイル分離性能を高めることができる。
図1、図2に例示するように、ブリーザ室(4)を天井部(13)と床部(14)とからなる分割構造とし、天井部(13)を床部(14)に固定する締結具(15)の取付ボス(16)を所定の膨張室(9a)の左右横他方寄りで、この膨張室(9a)の横内周壁に沿わせ、この取付ボス(16)をその膨張室(9a)の出口となる流出口(9b)の前側正面で横向きに隆起させたので、前記前側の隔壁(8)に衝突させて後向きに反転したブローバイガスの少なくとも一部を取付ボス(16)の案内で横向きに偏向することが可能となる。このため、膨張室(9a)の全体にブローバイガスが循環し、この膨張室(9a)の各壁面でオイルミストが凝縮し、オイル分離性能を高めることができる。
請求項6に係る発明)
請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイル分離性能を高めることができる。
図1、図2に例示するように、ブリーザ室(4)を天井部(13)と床部(14)とからなる分割構造とし、天井部(13)を床部(14)に固定する締結具(15)の取付ボス(16)を所定の膨張室(10a)の左右横他方寄りで、この膨張室(10a)の横内周壁に沿わせ、この取付ボス(18)をその膨張室(10a)の入口となる流出口(9b)の後側正面で横向きに隆起させたので、その膨張室(10a)の入口となる流出口(9b)から後向きに流入したブローバイガスの少なくとも一部を、取付ボス(16)の案内で横向きに偏向することが可能となる。このため、膨張室(10a)の全体にブローバイガスが循環し、この膨張室(10a)の各壁面でオイルミストが凝縮し、オイル分離性能を高めることができる。
(請求項7に係る発明)
請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイル分離性能を高めることができる。
図1、図2、図3(A)〜(D)に例示するように、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)を後方にいくにつれて次第に通路断面積が小さくなるようにしたので、ブローバイガスの圧力低下に合わせて、通路断面積を絞り、ブローバイガス膨張時のオイル分離を適正化することができ、オイル分離性能を高めることができる。
(請求項8に係る発明)
請求項1から請求項7のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 オイル分離性能を高めることができる。
図1、図4(B)に例示するように、ブリーザ室出口(6)にブリーザ弁(17)を設けたので、膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)によるオイル分離に加え、ブリーザ弁(17)でもオイルを分離することができ、オイル分離性能を高めることができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図6は本発明の実施形態に係るエンジンを説明する図で、この実施形態では、立型の多気筒ディーゼルエンジンについて説明する。
本発明の実施形態の概要は、次の通りである。
図5、図6に示すように、クランクケース(1)を備えたシリンダブロック(20)の上部にシリンダヘッド(21)を組み付け、シリンダヘッド(21)の上部にヘッドカバー(3)を組み付けている。シリンダブロック(20)の前部にラジエータファン(22)を配置し、シリンダブロック(20)の後部にフライホイル(23)を配置している。ヘッドカバー(3)には膨張室を備えたブリーザ室(4)を備え、クランクケース(1)内のブローバイガス(2)を膨張室を介してヘッドカバー(3)から排出するようにしている。
ブリーザ室の構成は、次の通りである。
図1に示すように、ヘッドカバー(3)の天井部にブリーザ室(4)を設け、シリンダ中心軸線と平行な向きに見て、ブリーザ室(4)を長手状に形成し、その長手方向を前後方向、幅方向を左右横方向、前後方向の一方を前として、ブリーザ室(4)の前寄りにブリーザ室入口(5)を設け、ブリーザ室(4)の後寄りにブリーザ室出口(6)を設け、このブリーザ室入口(5)とブリーザ室出口(6)の間に左右横方向に向けた複数の隔壁(7)(8)(9)(10)(11)を前後方向に並べている。前から順に第1隔壁(7)、第2隔壁(8)、第3隔壁(9)、第4隔壁(10)、第5隔壁(11)である。
図1に示すように、この複数の隔壁(7)(8)(9)(10)(11)でブリーザ室(4)に前後方向に並ぶ複数の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)を設け、各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)に流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)をあけ、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から下流側の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)にブローバイガスを流出させるようにしている。前から順に第1膨張室(8a)、第2膨張室(9a)、第3膨張室(10a)、第4膨張室(11a)、第5膨張室(12a)で、前から順に第1流出口(7b)、第2流出口(8b)、第3流出口(9b)、第4流出口(10b)、第5流出口(11b)である。第1膨張室(8a)には底壁にオイル落下孔(24)を設けている。
各隔壁の構造は、次の通りである。
図1に示すように、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)を各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)の左右横端寄りに配置し、前後で隣り合う各隔壁の流出口は左右逆の横端寄りに配置し、各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)を各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から遠い側の側壁(18)(19)から各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)に向けて導出している。具体的には、第1流出口(7b)と第3流出口(9b)と第5流出口(11b)とは、いずれも左側に配置し、第2流出口(8b)と第4流出口(10b)とは、いずれも右側に配置している。第1隔壁(7)を除く他の隔壁(8)(9)(10)(11)を各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)に沿って導出端から前側の膨張室(8)(9)(10)(11)に向けて前向きに折り曲げている。
膨張室の構成は、次の通りである。
図1に示すように、第1膨張室(8a)と第3膨張室(10a)の右寄りで、この第1膨張室(8a)と第3膨張室(10a)の底壁の前寄りに前側隆起部(8c)(10c)を設け、この前側隆起部(8c)(10c)を第1膨張室(8a)と第3膨張室(10a)の出口となる第2流出口(8b)と第4流出口(10b)の前側正面で上向きに隆起させている。
図1に示すように、第2膨張室(9a)と第4膨張室(11a)の右寄りで、この第2膨張室(9a)と第4膨張室(11a)の底壁の後寄りに後側隆起部(9c)(11c)を設け、この後側隆起部(9c)(11c)を第2膨張室(9a)と第4膨張室(11a)の入口となる第2流出口(8b)と第4流出口(10b)の後側正面で上向きに隆起させている。
図1と図2に示すように、ブリーザ室(4)を天井部(13)と床部(14)とからなる分割構造とし、天井部(13)を床部(14)に固定する締結具(15)の取付ボス(16)を第2膨張室(9a)の左寄りで、この膨張室(9a)の横内周壁に沿わせ、この取付ボス(16)を第2膨張室(9a)の出口となる第3流出口(9b)の前側正面で横向きに隆起させている。
図1と図2に示すように、天井部(13)を床部(14)に固定する締結具(15)の取付ボス(16)を第4膨張室(10a)の左寄りで、この膨張室(10a)の横内周壁に沿わせ、この取付ボス(18)を第4膨張室(10a)の入口となる第3流出口(9b)の後側正面で横向きに隆起させている。
図1、図2、図3(A)〜(D)に示すように、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)を後方にいくにつれて次第に通路断面積が小さくなるようにしている。また、図1、図4に示すように、ブリーザ室出口(6)にブリーザ弁(17)を設けている。
本発明の実施形態に係るエンジンで用いるヘッドカバーで、天井部を取り外した平面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンで用いるヘッドカバーで、天井部の底面図である。 図3(A)は図1のA−A線断面図、図3(B)は図1のB−B線断面図、図3(C)は図1のC−C線断面図、図3(D)は図1のD−D線断面図、図3(E)は図1のE−E線断面図である。 図4(A)は図2の天井部の一部平面図、図4(B)は図4(A)のB−B線断面図で、床部と組み合わせた断面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの平面図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの側面図である。
(1) クランクケース
(1a) シリンダ中心軸線
(2) ブローバイガス
(3) ヘッドカバー
(4) ブリーザ室
(5) ブリーザ室入口
(6) ブリーザ室出口
(7) 第1隔壁
(8) 第2隔壁
(9) 第3隔壁
(10) 第4隔壁
(11) 第5隔壁
(8a) 第1膨張室
(9a) 第2膨張室
(10a) 第3膨張室
(11a) 第4膨張室
(12a) 第5膨張室
(7b) 第1流出口
(8b) 第2流出口
(9b) 第3流出口
(10b) 第4流出口
(11b) 第5流出口
(8c) 前側隆起部
(9c) 後側隆起部
(10c) 前側隆起部
(11c) 後側隆起部
(8d) 第1天井壁
(9d) 第2天井壁
(10d) 第3天井壁
(11d) 第4天井壁
(12d) 第5天井壁
(13) 天井部
(14) 床部
(15) 締結具
(16) 取付ボス
(17) ブリーザ弁
(18) 左の側壁
(19) 右の側壁

Claims (8)

  1. クランクケース(1)内のブローバイガス(2)を膨張室を介してヘッドカバー(3)から排出するようにした、エンジンにおいて、
    ヘッドカバー(3)の天井部にブリーザ室(4)を設け、シリンダ中心軸線(1a)と平行な向きに見て、ブリーザ室(4)を長手状に形成し、その長手方向を前後方向、幅方向を左右横方向、前後方向の一方を前として、ブリーザ室(4)の前寄りにブリーザ室入口(5)を設け、ブリーザ室(4)の後寄りにブリーザ室出口(6)を設け、このブリーザ室入口(5)とブリーザ室出口(6)の間に左右横方向に向けた複数の隔壁(7)(8)(9)(10)(11)を前後方向に並べ、
    この複数の隔壁(7)(8)(9)(10)(11)でブリーザ室(4)に前後方向に並ぶ複数の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)を設け、各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)に流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)をあけ、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から下流側の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)にブローバイガスを流出させるようにし、
    各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)を各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)の左右横端寄りに配置し、前後で隣り合う各隔壁の流出口は左右逆の横端寄りに配置し、
    各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)を各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から遠い側の側壁(18)(19)から各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)に向けて導出し、
    所定の膨張室(8a)(10a)の左右横一方寄りで、この膨張室(8a)(10a)の底壁の前寄りに前側隆起部(8c)(10c)を設け、この前側隆起部(8c)(10c)をその膨張室(8a)(10a)の出口となる流出口(8b)(10b)の前側正面で上向きに隆起させた、ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載したエンジンにおいて、
    所定の膨張室(9a)(11a)の左右横一方寄りで、この膨張室(9a)(11a)の底壁の後寄りに後側隆起部(9c)(11c)を設け、この後側隆起部(9c)(11c)をその膨張室(9a)(11a)の入口となる流出口(8b)(10b)の後側正面で上向きに隆起させた、ことを特徴とするエンジン。
  3. クランクケース(1)内のブローバイガス(2)を膨張室を介してヘッドカバー(3)から排出するようにした、エンジンにおいて、
    ヘッドカバー(3)の天井部にブリーザ室(4)を設け、シリンダ中心軸線(1a)と平行な向きに見て、ブリーザ室(4)を長手状に形成し、その長手方向を前後方向、幅方向を左右横方向、前後方向の一方を前として、ブリーザ室(4)の前寄りにブリーザ室入口(5)を設け、ブリーザ室(4)の後寄りにブリーザ室出口(6)を設け、このブリーザ室入口(5)とブリーザ室出口(6)の間に左右横方向に向けた複数の隔壁(7)(8)(9)(10)(11)を前後方向に並べ、
    この複数の隔壁(7)(8)(9)(10)(11)でブリーザ室(4)に前後方向に並ぶ複数の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)を設け、各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)に流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)をあけ、各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から下流側の膨張室(8a)(9a)(10a)(11a)(12a)にブローバイガスを流出させるようにし、
    各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)を各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)の左右横端寄りに配置し、前後で隣り合う各隔壁の流出口は左右逆の横端寄りに配置し、
    各隔壁(7)(8)(9)(10)(11)を各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)から遠い側の側壁(18)(19)から各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)に向けて導出し、
    所定の膨張室(9a)(11a)の左右横一方寄りで、この膨張室(9a)(11a)の底壁の後寄りに後側隆起部(9c)(11c)を設け、この後側隆起部(9c)(11c)をその膨張室(9a)(11a)の入口となる流出口(8b)(10b)の後側正面で上向きに隆起させた、ことを特徴とするエンジン。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載したエンジンにおいて、
    所定隔壁(8)(9)(10)(11)を各流出口(8b)(9b)(10b)(11b)に沿って導出端から前側の膨張室(8)(9)(10)(11)に向けて前向きに折り曲げた、ことを特徴とするエンジン。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載したエンジンにおいて、
    ブリーザ室(4)を天井部(13)と床部(14)とからなる分割構造とし、天井部(13)を床部(14)に固定する締結具(15)の取付ボス(16)を所定の膨張室(9a)の左右横他方寄りで、この膨張室(9a)の横内周壁に沿わせ、この取付ボス(16)をその膨張室(9a)の出口となる流出口(9b)の前側正面で横向きに隆起させた、ことを特徴とするエンジン。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載したエンジンにおいて、
    ブリーザ室(4)を天井部(13)と床部(14)とからなる分割構造とし、天井部(13)を床部(14)に固定する締結具(15)の取付ボス(16)を所定の膨張室(10a)の左右横他方寄りで、この膨張室(10a)の横内周壁に沿わせ、この取付ボス(18)をその膨張室(10a)の入口となる流出口(9b)の後側正面で横向きに隆起させた、ことを特徴とするエンジン。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載したエンジンにおいて、
    各流出口(7b)(8b)(9b)(10b)(11b)を後方にいくにつれて次第に通路断面積が小さくなるようにした、ことを特徴とするエンジン。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載したエンジンにおいて、
    ブリーザ室出口(6)にブリーザ弁(17)を設けた、ことを特徴とするエンジン。
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