以下に、本発明に係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の報知制御装置であるナビゲーション装置を備えたナビゲーションシステムであって、移動体である例えば車両の移動に関する情報を報知して、走行を案内誘導する構成を例示して説明する。なお、本発明におけるナビゲーションシステムとしては、車両の走行を案内誘導する構成に限らず、いずれの移動体の移動を案内誘導する構成が対象となる。図1は、本実施の形態に係るナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。図2は、スピーカが配設された車両の平面図である。図3は、一般地図情報を構成する表示用データのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図4は、一般地図情報を構成するマッチングデータのテーブル構造を模式的に示す概念図である。図5は、ナビゲーション装置を構成する処理部の概略構成を示すブロック図である。なお、以下において、観光地や有名な建造物などをエリアポイントと、少なくとも1つのエリアポイントが存在する所定の領域をエリアと、それぞれ適宜称して説明する。また、移動体の現在位置近傍など任意の場所を示す地図を一般地図と、特定のエリアを示す地図をエリア地図と、それぞれ適宜称して説明する。
〔ナビゲーションシステムの構成〕
図1において、100はナビゲーションシステムである。このナビゲーションシステム100は、移動体である例えば図2に示すような車両1の移動状況に対応して移動に関する案内を報知するシステムである。なお、移動体としては、車両1に限らず、飛行機、船舶などいずれの移動体が対象となる。そして、このナビゲーションシステム100は、ナビゲーション装置200と、右フロントスピーカ300(以下、右FS300と称す)と、左フロントスピーカ400(以下、左FS400と称す)と、右リアスピーカ500(以下、右RS500と称す)と、左リアスピーカ600(以下、左RS600と称す)と、などを備えている。なお、右FS300、左FS400、右RS500、左RS600は、本発明の報知手段である発音手段として機能する。また、右FS300、左FS400、右RS500、左RS600をまとめて表現する際には、スピーカ300,400,500,600と適宜称して説明する。
右FS300は、図2に示すように、例えば車両1の右側のドアを構成する右ドア部11など車両1の室内空間における前方右側(以下、右前部と称す)に配設されている。また、左FS400は、例えば車両1の左側のドアを構成する左ドア部12など前方左側(以下、左前部と称す)に配設されている。さらに、右RS500は、例えばリアダッシュボード13の右側部分など後方右側(以下、右後部と称す)に配設されている。また、左RS600は、例えばリアダッシュボード13の左側部分など後方左側(以下、左後部と称す)に配設されている。スピーカ300,400,500,600は、ナビゲーション装置200により制御され、ナビゲーション装置200からスピーカ信号Sspを適宜取得する。そして、このスピーカ信号Sspの後述するサウンドスケープデータを音により出力する。なお、スピーカ300,400,500,600は、図示しない楽曲再生装置により再生される音声データなども適宜出力可能である。
ナビゲーション装置200は、例えば移動体としての車両1に搭載される車載型、携帯型、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯型パーソナルコンピュータなどである。ナビゲーション装置200は、このナビゲーション装置200が有する後述する一般地図情報に基づいて、現在位置や目的地に関する情報、目的地までのルート探索や表示、最寄りの所定の施設の検索やその表示あるいは施設のサービス内容に関する情報の表示、エリアに存在する特定地点としてのエリアポイントの景観に対応する画像あるいは音の出力などを実施する。なお、以下において、エリアポイントの景観に対応する画像をランドスケープと、エリアポイントの景観に対応する音をサウンドスケープと、それぞれ適宜称して説明する。そして、このナビゲーション装置200は、センサ部210と、VICS(Vehicle Information Communication System:道路交通情報通信システム)受信部220と、入力部230と、報知手段である表示手段および地図表示手段としての表示部240と、音声出力部250と、記憶手段260と、メモリ270と、演算手段としての処理部280と、などを備えている。
センサ部210は、移動体である例えば車両1の移動の状態、すなわち現在位置や走行状況などを検出して処理部280にセンサ信号Sscとして出力する。このセンサ部210は、例えば図示しないGPS(Global Positioning System)受信部と、図示しない速度センサ、方位角センサおよび加速度センサなどの各種センサなどにて構成されている。
GPS受信部は、図示しない人工衛星であるGPS衛星から出力される航法電波を図示しないGPSアンテナにて受信する。そして、GPS受信部は、受信した航法電波に対応した信号に基づいて現在位置の擬似座標値を演算し、GPSデータとして処理部280に出力する。
また、センサ部210のセンサである速度センサは、移動体である例えば車両1に配設され、車両1の走行速度に対応して変動する信号に基づいて、車両1の走行速度や実際の加速度を検出する。この速度センサは、例えば車軸や車輪の回転により出力されるパルス信号や電圧値などを読み取る。そして、速度センサは、読み取ったパルス信号や電圧値などの速度検出情報を処理部280へ出力する。センサである方位角センサは、車両1に配設され、図示しないいわゆるジャイロセンサを有し、車両1の方位角すなわち車両1が前進する走行方向を検出する。この方位角センサは、検出した走行方向に関する移動方向情報である走行方向情報を処理部280へ出力する。センサである加速度センサは、車両1に配設され、車両1の走行方向における加速度を検出する。この加速度センサは、検出した加速度を、例えばパルスや電圧などによる検出情報であるセンサ出力値に変換し、処理部280へ出力する。
VICS受信部220は、図示しないVICSアンテナを有し、このVICSアンテナにより交通に関する情報を取得する。具体的には、図示しないVICSから、例えばビーコンやFM多重放送などにより、渋滞、交通事故、工事、交通規制などの交通情報(以下、VICSデータと称す)を取得する。そして、取得した交通に関する情報を処理部280にVICS信号Sviとして出力する。
入力部230は、例えばキーボードやマウスなどで、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。この操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えばナビゲーション装置200の動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、取得する情報の内容や取得する条件などの設定、探索する経路に関する設定、車両1の移動状況である走行状態を表示させるなどが例示できる。そして、入力部230は、設定事項の入力操作により、所定の操作信号Sinを処理部280へ適宜出力して設定させる。なお、この入力部230としては、操作ボタンや操作つまみなどの入力操作に限らず、例えば表示部240に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作など、各種設定事項を設定入力可能ないずれの構成が適用できる。
表示部240は、処理部280にて制御され処理部280からの画像データの画像信号Sdpを画面表示させる。画像データとしては、例えば一般地図情報や後述する特定エリア地図情報あるいは検索情報などの画像データの他、図示しないTV受信機で受信したTV画像データ、外部装置など光ディスクや磁気ディスク、メモリカードなどの記録媒体に記録されドライブやドライバなどにて読み取った画像データ、メモリ270からの画像データなどである。この表示部240としては、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。
音声出力部250は、例えば図示しないスピーカなどの発音手段を有する。この音声出力部250は、処理部280にて制御され、処理部280からの音声データなどの音声信号Sadを発音手段から音声により出力する。音声により出力する情報としては例えば車両1の走行方向や走行状況、交通状況、車両1の走行を案内する上で運転者などの搭乗者に報知する。なお、発音手段は、例えばTV受信機で受信したTV音声データや記録媒体さらにはメモリ270などに記録された音声データなどをも適宜出力可能である。また、音声出力部250は、発音手段を設けた構成に限らず、スピーカ300,400,500,600を利用する構成としてもよい。
記憶手段260は、例えば図3および図4に示すような第1の地図情報としての一般地図情報と、第2の地図情報としての特定エリア地図情報と、などを格納、すなわち読み出し可能に記憶する。この記憶手段260としては、HD(Hard Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、光ディスク、メモリカードなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどが例示できる。
ここで、一般地図情報は、第1の地図としての一般地図に関する情報である。また、一般地図情報は、移動経路の探索処理や、特定のエリアに対応するランドスケープやサウンドスケープを出力させる処理である景観データの出力処理などの際に用いられる情報である。この一般地図情報は、例えば図3に示すようないわゆるPOI(Point Of Interest)データである表示用データVMと、例えば図4に示すようなマッチングデータMMと、移動経路探索用地図データと、などを備えている。
表示用データVMは、例えばそれぞれ固有の番号が付加された複数の表示用メッシュ情報VMxを備えている。すなわち、表示用データVMは、一部の領域に関する表示用メッシュ情報VMxに複数分割され、表示用メッシュ情報VMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、表示用メッシュ情報VMxは、適宜一部の領域に関する下層の表示用メッシュ情報VMxにさらに複数分割されていてもよい。
そして、表示用メッシュ情報VMxは、例えば交差点の名称などの名称情報VMxAと、第1の経路情報および領域経路情報としても機能する道路情報VMxBと、背景情報VMxCと、にて構成されている。名称情報VMxAは、その領域における他要素データである例えば交差点の名称や地域の名称などを絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。道路情報VMxBは、その領域における道路要素データである経路としての道路を絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。背景情報VMxCは、他要素データである著名な場所や建造物などを示すマークや、その著名な場所や建造物などを示す他要素データである画像情報などを絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。
一方、マッチングデータMMは、表示用データVMと同様に、例えばそれぞれ固有の番号が付加された一部の領域に関するマッチングメッシュ情報MMxに複数分割され、マッチングメッシュ情報MMxが縦横に複数連続して構成されている。なお、マッチングメッシュ情報MMxは、適宜一部の領域に関する下層のマッチングメッシュ情報MMxにさらに複数分割されていてもよい。また、マッチングメッシュ情報MMxは、表示用メッシュ情報VMxと異なる領域を表すデータ構造、すなわち分割される領域の縮尺が異なっていてもよい。
そして、マッチングデータMMは、例えば車両1の移動状態を一般地図情報に重畳させて表示させる際に、車両1を表す表示が道路上ではなく建物上に位置するなどの誤表示を防止するため、車両1を表す表示が道路上に位置するように表示を修正するマップマッチング処理に利用される。このマッチングデータMMは、複数のリンク列ブロック情報を有している。
リンク列ブロック情報は、図4に示すように、道路を構成し地点を表す地点情報としてのノードNを結ぶ線分である線分情報としてのリンクLが、所定の規則性で複数関連付けられたデータのテーブル構造である。具体的には、道路の所定の長さ例えば甲州街道や青梅街道などの連続する道路のように、リンクLが折れ線上にそれぞれ連なった連続するリンク列となるもので関連付けられている。そして、リンクLは、各リンクL毎に付加された固有の番号である線分固有情報(以下、リンクIDという。)と、リンクLが結ぶ2つのノードNを表す固有の番号などのノード情報とを有している。また、リンクLは、VICSリンクに関連付けられ、VICSデータと地図表示との位置関係が対応するようになっている。
また、ノードNは、各道路の交差点や屈曲点、分岐点、合流点などの結節点に相当する。そして、ノードNに関する情報は、リンク列ブロック情報におけるノードN毎に付加された固有の番号である地点固有情報と、各ノードNが存在する位置の座標情報と、交差点や分岐点などの複数のリンクが交差する分岐位置か否かの分岐情報であるフラグ情報と、を有している。
さらに、マッチングデータMMのリンク列ブロック情報には、道路の構成に関する情報、例えば車線数、本線か否か、国道や県道、有料道路などの種別やトンネル内などの構成などが関連付けられている。これら道路の構成に関する情報により、表示用データVMに対応して道路を地図表示可能となっている。
また、移動経路探索用地図情報は、例えばマッチングデータMMと同様のテーブル構造、すなわち道路を表すノードNのように地点を表す地点情報とリンクLのように地点を結ぶ線分情報とを有したテーブル構造で、各移動経路を探索するために道路を表すための情報構造となっている。
特定エリア地図情報は、第2の地図としてのエリア地図に関する情報である。また、特定エリア地図情報は、景観データの出力処理の際に利用される情報である。この特定エリア地図情報は、それぞれのエリアに対応する複数のエリア別情報を備えている。そして、エリア別情報は、エリア表示用データと、特定地点関連情報としてのランドスケープデータと、特定地点関連情報としてのサウンドスケープデータと、などを備えている。
エリア表示用データは、特定のエリアに対応するエリア地図を一般地図と同一の縮尺または異なる縮尺で表示させるデータであり、例えば表示用データVMの表示用メッシュ情報VMxと略同一に構成されている。そして、このエリア表示用データは、特定地点位置情報としても機能するエリアポイントデータと、第2の経路情報としても機能するエリア道路データと、にて構成されている。エリアポイントデータは、エリアに存在するエリアポイントを絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。エリア道路データは、エリアに存在する道路を絶対座標との位置関係で所定の位置に配置表示させるデータのテーブル構造に構成されている。
ランドスケープデータは、エリアに存在する少なくとも1つのエリアポイントに関連付けられている。このランドスケープデータは、関連付けられたエリアポイントに対応する画像を表示させるデータである。例えば凱旋門やエッフェル塔など建造物に関連付けられたランドスケープデータは、走行中の車両の車窓から臨む建造物や風景の画像を表示させるためのデータである。
サウンドスケープデータは、ランドスケープデータと同様に、エリアに存在する少なくとも1つのエリアポイントに関連付けられている。このサウンドスケープデータは、関連付けられたエリアポイントに対応する音を出力させるデータである。例えばイタリアのフィレンツェに関連付けられたサウンドスケープデータは、教会の鐘の音を出力させるデータである。
さらに、記憶手段260には、例えば一般地図情報における所定の地点の情報を取得するための検索情報が記憶されている。すなわち、検索情報は、一般地図情報上で順次細分化される領域となる都道府県名、市町村名、地区名、地点名などの内容やガイダンスなどの各種情報や、地点としての施設などに関する施設関連情報などで、例えば階層状に項目情報が関連付けられたツリー構造のテーブル構造となっている。
また、記憶手段260には、例えば一般地図情報における所定の地点の情報を取得するための検索情報が記憶されている。すなわち、検索情報は、一般地図情報上で順次細分化される領域となる都道府県名、市町村名、地区名、地点名などの内容やガイダンスなどの各種情報や、地点としての施設などに関する施設関連情報などで、例えば階層状に項目情報が関連付けられたツリー構造のテーブル構造となっている。
メモリ270は、入力部230で入力操作される設定事項、処理部280で取得したり生成した各種情報、音楽データや画像データなどを適宜読み出し可能に記憶する。また、メモリ270は、ナビゲーション装置200全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。このメモリ270としては、例えば停電などにより突然電源が落ちた際にも記憶が保持される構成のメモリ、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)メモリなどを用いることが望ましい。なお、メモリ270としては、HD、DVD、光ディスクなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
処理部280は、図示しない各種入出力ポート、例えば右FS300に接続される右フロントスピーカポート、左FS400に接続される左フロントスピーカポート、右RS500に接続される右リアスピーカポート、左RS600に接続される左リアスピーカポート、VICSアンテナが接続されるVICS受信ポート、GPS受信部が接続されるGPS受信ポート、各種センサがそれぞれ接続されるセンサポート、入力部230が接続されるキー入力ポート、表示部240が接続される表示制御ポート、音声出力部250が接続される音声制御ポート、記憶手段260が接続される記憶ポート、メモリ270が接続されるメモリポートなどを有する。そして、処理部280は、各種プログラムとして、図5に示すように、現在位置情報取得手段としての現在位置認識手段281と、目的地情報取得手段としての目的地認識手段282と、表示制御手段283と、経路設定手段としての経路処理手段284と、第1の地図情報取得手段、第2の地図情報取得手段、比較手段および特定地点位置認識手段としても機能する合成地図情報生成手段285と、報知制御手段としても機能する近傍ポイント情報生成手段286と、報知制御手段としても機能するランドスケープ設定手段287と、報知制御手段および移動方向認識手段としても機能するサウンドスケープ設定手段288と、報知制御手段および地図表示制御手段としても機能する案内報知手段289と、マップマッチング手段290と、情報検索手段291と、などを備えている。
現在位置認識手段281は、車両1の現在位置を認識する。具体的には、現在位置認識手段281は、センサ部210の速度センサおよび方位角センサから出力される車両1の速度検出情報および走行方向情報を取得する。そして、取得した速度検出情報の速度データや走行方向情報の方位角データに基づいて、車両1の現在の擬似位置を複数算出する。さらに、現在位置認識手段281は、GPS受信部から出力される現在位置に関するGPSデータに基づいて、車両1の現在の擬似座標値を認識する。そして、現在位置認識手段281は、算出した現在の擬似位置と、認識した現在の擬似座標値とを比較し、別途取得された一般地図情報上における車両1の現在位置を算出し、現在位置を認識する。
また、現在位置認識手段281は、加速度センサから出力される加速度データに基づいて、走行する道路の傾斜や高低差を判断し、車両1の現在の擬似位置を算出し、現在位置を認識する。すなわち、立体交差点や高速道路など、平面上で重なる箇所でも、車両1の現在位置を正確に認識できる。さらに、山道や坂道を走行する際に、速度データや方位角データのみから得る移動距離と、実際の車両1の走行距離との誤差を、検出した道路の傾斜を用いて補正するなどにより正確な現在位置を認識する。なお、現在位置認識手段281は、現在位置として上述した車両1の現在位置の他、入力部230の入力操作により設定入力された起点となる出発地点などを、擬似現在位置として認識可能である。そして、現在位置認識手段281で取得した各種情報や、認識した現在位置に関する現在位置情報は、メモリ270に適宜記憶される。
目的地認識手段282は、例えば入力部230により設定入力された目的地に関する目的地情報を取得し、目的地の所在位置を認識する。設定入力される目的地情報としては、例えば緯度・経度などの座標、住所、電話番号など、場所を特定するための各種情報が利用可能である。また、目的地認識手段282は、記憶手段260に記憶された検索情報の施設関連情報が有する施設位置情報を目的地情報として適宜取得する。そして、目的地認識手段282で認識した目的地情報は、メモリ270に適宜記憶される。
表示制御手段283は、表示部240を適宜制御して各種情報を表示部240で表示させる。この表示制御手段283は、例えば入力部230による入力操作を促して各種情報を設定入力するための各種表示画面などをも表示制御する。
経路処理手段284は、利用者により設定入力される経路設定のための設定事項情報、VICS受信部220にて取得したVICSデータ、および、記憶手段260に記憶された一般地図情報などに基づいて、車両1の移動経路を演算してルート探索する。
具体的には、経路処理手段284は、現在位置情報、目的地情報、VICSデータ、および、設定事項情報を取得する。経路処理手段284は、各種情報を取得すると、これら各種情報に基づいて、一般地図情報の移動経路探索用地図情報を利用し、例えば車両1が通行可能な道路を探索する。そして、所要時間が短い経路、あるいは移動距離が短い経路、または交通渋滞や交通規制場所を回避した経路などを設定した移動経路情報を生成する。なお、この移動経路を探索する際、移動経路探索用地図情報の他、一般地図情報のマッチングデータMMを用いる場合もある。例えば、裏道などの幅の狭い道路などの移動経路探索用地図情報ではない道路を利用して移動経路を探索する場合などである。また、移動経路情報は、例えば車両1の走行の際に誘導して走行を補助する経路案内情報をも有する。この経路案内情報は、通常案内誘導処理時に用いられ、案内報知手段289の制御により、表示部240で適宜表示あるいは音声出力部250などで適宜音声出力され、走行が補助される。そして、この経路処理手段284で生成した移動経路情報は、メモリ270に適宜記憶される。
合成地図情報生成手段285は、現在位置情報、記憶手段260に記憶された一般地図情報や特定エリア地図情報などに基づいて、一般地図およびエリア地図を合成させたエリア合成地図に関するエリア合成地図情報を生成する。
具体的には、合成地図情報生成手段285は、入力部230から入力される操作信号Sinを適宜取得し、この操作信号Sinの地図取得要求情報としてのエリア選択情報に基づいて利用者により選択されたエリアを認識する。そして、このエリアに対応するエリア別情報を記憶手段260から取得する。また、合成地図情報生成手段285は、入力部230から入力される操作信号Sinを適宜取得し、この操作信号Sinの基点設定情報に基づいて利用者によりエリア地図の任意の道路上に設定された基点を認識する。そして、この基点が設定された道路を選択エリア道路として設定する。ここで、基点を認識する方法としては、例えばエリア別情報のエリア表示用データに基づいたエリア地図とともに、このエリア地図上で移動可能なカーソルを表示部240に表示させる。そして、このカーソルの位置を特定する入力操作で生成される基点設定情報に基づいて、このカーソルの位置に対応する道路上の地点を基点として認識する方法が例示できる。また、例えば「シャンゼリゼ通り」など特定の道路の名称などのテキスト入力操作で生成される基点設定情報に基づいて、この道路上の任意の地点を基点として認識する方法が例示できるが、これらに限られない。
さらに、合成地図情報生成手段285は、現在位置情報を取得して車両1の現在位置を認識する。また、この現在位置近傍の一般地図(以下、現在位置地図と称す)に対応する表示用データVMを記憶手段260から取得する。そして、この表示用データVMの道路情報VMxBに基づいて、現在位置地図に存在する道路の形状を認識する。また、エリア別情報が有するエリア表示用データのエリア道路データに基づいて、選択エリア道路の形状を認識する。そして、現在位置地図に存在する道路の形状および選択エリア道路の形状を比較し、エリア地図が現在位置地図と同一縮尺の場合、選択エリア道路と略同一形状の道路が現在位置地図に存在するか否かを認識する。また、エリア地図が現在位置地図と異なる縮尺の場合、選択エリア道路と略相似形状の道路が現在位置地図に存在するか否かを認識する。ここで、選択エリア道路と略同一形状または略相似形状の道路(以下、選択相似道路と称す)が現在位置地図に存在するか否かを認識する方法としては、例えば以下のような方法が例示できる。すなわち、例えば現在位置地図が示す方角とエリア地図が示す方角とが略一致するように、道路情報VMxBとエリア道路データとを対応させる。そして、例えば現在位置地図上に存在する各道路について、選択エリア道路の任意の区間に略対応する位置に存在する区間の距離の積算値を認識する。さらに、この積算値を例えば選択エリア道路の距離で除した値を求める。そして、この求めた値が所定値以上でありかつ最も大きい道路を選択相似道路として認識する方法が例示できるがこれに限られない。
なお、ここでは、道路情報VMxBおよびエリア道路データを用いて選択相似道路が存在するか否かを認識する構成について例示したが、これに限らず例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、特定エリア地図情報にマッチングデータMMと同様のエリアマッチングデータを組み込む。そして、現在位置地図に対応するマッチングデータおよびエリア地図に対応するエリアマッチングデータに基づいて、選択相似道路が存在するか否かを認識する構成などとしてもよい。
また、合成地図情報生成手段285は、現在位置地図に選択相似道路が存在することを認識すると、エリア表示用データのエリアポイントデータに基づいて、エリア地図上のエリアポイントの位置を認識する。そして、選択相似道路と選択エリア道路とを対応させた状態において現在位置地図上におけるエリアポイントに対応する地点を、対応地点であるポイント対応地点として認識する。さらに、合成地図情報生成手段285は、表示用データVMに基づいた現在位置地図の道路と、ポイント対応地点に配置表示されるエリアポイントを示す特定地点情報としてのエリアポイントマークと、などから構成されるエリア合成地図に関するエリア合成地図情報を生成する。そして、この合成地図情報生成手段285で生成したエリア合成地図情報は、メモリ270に適宜記憶される。
近傍ポイント情報生成手段286は、現在位置情報、エリア合成地図情報などに基づいて、車両1が任意のポイント対応地点の範囲内に存在することを適宜認識する。そして、このポイント対応地点に対応するエリアポイントに関する近傍ポイント情報を生成する。
具体的には、近傍ポイント情報生成手段286は、エリア合成地図情報に基づくエリア合成地図上に任意の大きさのグリッドを適宜設定する。また、近傍ポイント情報生成手段286は、現在位置情報やエリア合成地図情報などに基づいて、エリア合成地図上における車両1の現在位置を適宜認識する。そして、車両1が任意のエリアポイントマークを含むグリッドに存在する、すなわち車両1が任意のポイント対応地点の範囲内に存在することを認識すると、このポイント対応地点に対応するエリアポイントなどが記載された近傍ポイント情報を適宜生成する。また、近傍ポイント情報生成手段286は、入力部230から入力される操作信号Sinを適宜取得し、この操作信号Sinの景観データ選択情報に基づいて利用者によりランドスケープおよびサウンドスケープのうちの少なくともいずれか一方の出力が要求されていることを認識する。そして、ランドスケープのみの出力が要求されていることを認識すると、近傍ポイント情報をランドスケープ設定手段287へ出力する。また、サウンドスケープのみの出力が要求されていることを認識すると、近傍ポイント情報をサウンドスケープ設定手段288へ出力する。さらに、ランドスケープおよびサウンドスケープの出力が要求されていることを認識すると、近傍ポイント情報をランドスケープ設定手段287およびサウンドスケープ設定手段288へ出力する。
ランドスケープ設定手段287は、現在位置情報、速度検出情報、エリア合成地図情報、近傍ポイント情報生成手段286からの近傍ポイント情報などに基づいて、ランドスケープの出力状態を設定する。
具体的には、ランドスケープ設定手段287は、近傍ポイント情報生成手段286から近傍ポイント情報を取得すると、車両1が任意のポイント対応地点の範囲内に存在していることを認識する。そして、現在位置情報およびエリア合成地図情報に基づいて、車両1の現在位置からポイント対応地点までの距離を認識する。さらに、ランドスケープ設定手段287は、速度検出情報を取得して、車両1の走行速度を認識する。そして、例えば認識したポイント対応地点までの距離を走行速度で除することにより、ポイント対応地点までの所要時間を算出する。なお、車両1からポイント対応地点までの距離を認識したり所要時間を算出する方法としては、適宜他の方法を用いてもよい。さらに、ランドスケープ設定手段287は、ポイント対応地点までの所要時間に基づいて、ランドスケープデータの再生速度を決定する。例えば、車両1がポイント対応地点に最も近づいたときにエリアポイントにある例えば建造物を最も大きく表示させる状態となるように再生速度を決定する。そして、この再生速度に関するランドスケープ出力形態情報を適宜生成する。また、このポイント対応地点に対応するエリアポイントのランドスケープデータを特定するランドスケープ特定情報を適宜生成する。そして、ランドスケープ設定手段287は、生成した各種情報を案内報知手段289へ出力する。
サウンドスケープ設定手段288は、現在位置情報、走行方向情報、エリア合成地図情報、近傍ポイント情報生成手段286からの近傍ポイント情報などに基づいて、サウンドスケープの出力状態を設定する。
具体的には、サウンドスケープ設定手段288は、近傍ポイント情報生成手段286から近傍ポイント情報を取得すると、車両1が任意のポイント対応地点の範囲内に存在していることを認識する。また、サウンドスケープ設定手段288は、走行方向情報を取得して車両1の走行方向を認識する。さらに、現在位置情報およびエリア合成地図情報に基づいて、車両1の走行方向に対するポイント対応地点の方向を認識する。そして、サウンドスケープ設定手段288は、この認識したポイント対応地点の方向に基づいて、スピーカ300,400,500,600からの音の出力状態を設定する値(以下、パンポット(Panpot)値と称す)を決定する。例えば、ポイント対応地点に対応するエリアポイントの教会が車両1の左前部の方向にある場合、教会の鐘の音などを左FS400から出力させる状態にパンポット値を決定する。さらに、サウンドスケープ設定手段288は、車両1の現在位置からポイント対応地点までの距離を認識し、この認識した距離に基づいてスピーカ300,400,500,600の音量を決定する。例えば、ポイント対応地点に対応するエリアポイントの教会までの距離が長い場合に音量を小さい値に決定し、短い場合に大きい値に決定する。そして、パンポット値および音量に関するサウンドスケープ出力形態情報を適宜生成する。また、このポイント対応地点に対応するエリアポイントのサウンドスケープデータを特定するサウンドスケープ特定情報を適宜生成する。そして、サウンドスケープ設定手段288は、生成した各種情報を案内報知手段289へ出力する。
案内報知手段289は、メモリ270に記憶され車両1の走行状況に対応して予め取得した移動経路情報などに基づいて通常案内誘導処理を実施して、車両1の移動に関する案内、例えば車両の走行を支援する内容の案内を、表示部240による画像表示や音声出力部250による発音にて報知する。具体的には、所定の矢印や記号などを表示部240に表示したり、「1km先、○○交差点を△△方面右方向です。」、「移動経路から逸脱しました。」、「この先、渋滞です。」などの音声出力部250における音声により発音したり、することなどが例示できる。
また、案内報知手段289は、合成地図情報生成手段285にて生成されたエリア合成地図情報に基づいて、エリア合成地図を表示部240に表示させる。
さらに、案内報知手段289は、記憶手段260に記憶されたランドスケープデータやランドスケープ設定手段287からの各種情報などに基づいて、表示部240からランドスケープを出力する。具体的には、案内報知手段289は、ランドスケープ設定手段287からのランドスケープ特定情報を取得し、このランドスケープ特定情報で特定されるランドスケープデータを記憶手段260から適宜取得する。また、ランドスケープ設定手段287からランドスケープ出力形態情報を取得して、ランドスケープデータの再生速度を認識する。そして、例えばこの再生速度でランドスケープデータを画像信号Sdpに変換して、表示部240へ出力する。
また、案内報知手段289は、記憶手段260に記憶されたサウンドスケープデータやサウンドスケープ設定手段288からの各種情報などに基づいて、スピーカ300,400,500,600からサウンドスケープを出力する。具体的には、案内報知手段289は、サウンドスケープ設定手段288からのサウンドスケープ特定情報を取得し、このサウンドスケープ特定情報で特定されるサウンドスケープデータを記憶手段260から適宜取得する。また、サウンドスケープ設定手段288からサウンドスケープ出力形態情報を取得して、スピーカ300,400,500,600の音量やパンポット値を認識する。そして、サウンドスケープデータをスピーカ信号Sspに適宜変換し、このスピーカ信号Sspを認識した音量やパンポット値に基づいて、スピーカ300,400,500,600へ出力する。
マップマッチング手段290は、記憶手段260から取得する一般地図情報などに基づいて、現在位置認識手段281にて認識した現在位置を適切に表示させるためのマップマッチング処理をする。このマップマッチング手段290は、上述したように、例えばマッチングデータMMを用い、現在位置を表示部240で一般地図などに重畳して表示される位置が、表示部240で表示される地図を構成する要素である道路から逸脱しないように、現在位置情報を適宜修正すなわち補正して表示させるマップマッチング処理を実施する。なお、マップマッチング手段290は、エリア合成地図を構成する道路として現在位置地図すなわち一般地図を構成する道路を利用しているので、エリア合成地図に対するマップマッチング処理もマッチングデータMMを用いて実施する。
情報検索手段291は、例えば入力部230にて設定入力された検索情報の検索要求により、記憶手段260に記憶された検索情報を、例えば店舗や施設などの項目情報などに基づいて階層状に検索して取得する。
〔ナビゲーションシステムの動作〕
次に、ナビゲーションシステム100の動作として、景観データの出力処理について、図6ないし図10に基づいて説明する。図6は、景観データの出力処理を示すフローチャートである。図7は、エリア合成地図情報のテーブル構造を模式的に示す概念図である。図8は、エリア合成地図情報のテーブル構造を模式的に示す概念図である。図9は、エリア合成地図の表示画面の一例を示す模式図である。図10は、エリア合成地図の表示画面の一例を示す模式図である。
まず、車両1に搭乗した利用者がナビゲーションシステム100のナビゲーション装置200の電源をオンし、電力を供給する。この電力の供給により、処理部280は、入力部230を制御してメインメニューを表示させ、利用者にナビゲーション装置200に動作させる内容の設定入力を促す表示画面を表示部240に表示させる。そして、処理部280は、利用者の入力操作による任意の処理を実施させる旨の設定入力を認識すると、この任意の処理を適宜実施する。この後、利用者は、入力部230の入力操作により、特定のエリアに関する景観データの出力処理を実施させる旨を設定入力する。この景観データの出力処理を実施させる旨の設定入力を処理部280が認識すると、エリア選択情報および景観データ選択情報の設定入力を促す表示画面を表示部240に表示させる。
この後、処理部280は、合成地図情報生成手段285にて、利用者により設定入力されたエリア選択情報と、景観データ選択情報と、を適宜取得する。そして、合成地図情報生成手段285は、図6に示すように、エリア選択情報に基づいて、利用者により選択されたエリアを認識し(ステップS101)、この認識したエリアのエリア地図に関するエリア別情報を記憶手段260から適宜取得する。例えば、エリアとして「パリ」が選択された場合、「パリ」のエリア地図に関するエリア別情報を取得する。また、エリアとして例えば「シルクロード」が選択された場合、「パリ」のエリア地図よりも縮尺が小さい「シルクロード」のエリア地図に関するエリア別情報を取得する。この後、合成地図情報生成手段285は、利用者により設定入力された基点設定情報を適宜取得し、この基点設定情報に基づいてエリア地図の任意の道路上に基点を設定する(ステップS102)。さらに、この基点が設定された道路を選択エリア道路として設定する。例えば、合成地図情報生成手段285は、図7に示すように、「パリ」のエリア地図E1に存在する道路のうち基点が設定された道路を選択エリア道路D1として設定する。また、図8に示すように、「シルクロード」のエリア地図E2に存在する道路のうち基点が設定された道路を選択エリア道路D2として設定する。さらに、処理部280は、現在位置認識手段281にて、車両1の現在位置を認識する(ステップS103)。具体的には、現在位置認識手段281により、センサ部210の速度センサから出力される速度検出情報の速度データや方位角センサから出力される走行方向情報の方位角データと、GPS受信部から出力される現在位置に関するGPSデータとに基づいて、車両1の現在位置を算出して現在位置情報を取得する。この取得した現在位置情報は、メモリ270に適宜記憶される。
この後、処理部280は、合成地図情報生成手段285にて、現在位置近傍の一般地図すなわち現在位置地図に関する表示用データVMを記憶手段260から取得する。例えば、合成地図情報生成手段285は、「パリ」のエリア地図と同一縮尺の現在位置地図に関する表示用データVMや、「シルクロード」のエリア地図よりも大きい縮尺の現在位置地図に関する表示用データVMを取得する。そして、この表示用データVMとエリア別情報のエリア表示用データとに基づいて、現在位置地図に選択相似道路が存在するか否かを判断する(ステップS104)。このステップS104において、選択相似道路が存在していないと判断した場合、エリアを再設定するか否かを判断する(ステップS105)。例えば、合成地図情報生成手段285は、景観データの出力処理を終了するか否かに関する処理継続情報の設定入力を促す表示画面を表示部240に表示させ、設定入力される処理継続情報に基づいてエリアを再設定するか否かを判断する。そして、ステップS105において、処理部280は、合成地図情報生成手段285で再設定しないと判断した場合、景観データの出力処理を終了する。一方、処理部280は、合成地図情報生成手段285で再設定すると判断した場合、ステップS101に戻る。
また、ステップS104において、合成地図情報生成手段285は、選択相似道路が存在していると判断した場合、エリア合成地図情報を生成する。例えば、合成地図情報生成手段285は、図7に示すように、エリア地図E1と同一縮尺の現在位置地図F1に存在する道路の中に選択エリア道路D1と略同一形状の選択相似道路R1が存在していると判断した場合、現在位置地図F1における「凱旋門」や「コンコルド広場」などのポイント対応地点を認識する。そして、現在位置地図F1の道路や、ポイント対応地点に配置表示されるエリアポイントマークP11,P12,P13,P14などから構成されるエリア合成地図H1のエリア合成地図情報を生成する。また、例えば、合成地図情報生成手段285は、図8に示すように、エリア地図E2よりも大きい縮尺の現在位置地図F1に存在する道路の中に選択エリア道路D2と略相似形状の選択相似道路R1が存在していると判断した場合、現在位置地図F1の道路や、エリアポイントマークP21,P22,P23,P24,P25,P26などから構成されるエリア合成地図H2のエリア合成地図情報を生成する。この生成されたエリア合成地図情報は、メモリ270に適宜記憶される。
この後、処理部280は、案内報知手段289にて、メモリ270に記憶されたエリア合成地図情報に基づいてエリア合成地図を表示部240に表示させる。さらに、案内報知手段289は、車両1の現在位置を示す現在位置アイコンをエリア合成地図に重畳させて表示させる。例えば、案内報知手段289は、メモリ270からエリア合成地図H1に関するエリア合成地図情報を取得した場合、図9に示すように、エリア合成地図H1を表示部240の表示領域241に表示させる。そして、現在位置情報を取得して、このエリア合成地図H1に現在位置アイコンQ1を重畳させて表示させる。また、例えば、案内報知手段289は、メモリ270からエリア合成地図H2に関するエリア合成地図情報を取得した場合、図10に示すように、エリア合成地図H2に現在位置アイコンQ2を重畳させて表示させる。
さらに、処理部280は、近傍ポイント情報生成手段286にて、エリア合成地図上におけるグリッドを設定する(ステップS106)。例えば、近傍ポイント情報生成手段286は、図9,10に示すような想像線Gで区切られるグリッドを設定する。そして、近傍ポイント情報生成手段286は、車両1がいずれかのポイント対応地点の範囲内に存在しているか否かを判断する(ステップS107)。このステップS107において、ポイント対応地点の範囲内に存在していないと判断した場合、ステップS103に戻る。一方、ステップS107において、近傍ポイント情報生成手段286は、ポイント対応地点の範囲内に存在していると判断した場合、このポイント対応地点に対応したエリアポイントに関する近傍ポイント情報を生成する。例えば、近傍ポイント情報生成手段286は、図9に示すように、現在位置アイコンQ1がエリアポイントマークP14を含むグリッドに存在している、すなわち車両1が「ルーブル美術館」に対応するポイント対応地点の範囲内に存在していることを認識した場合、「ルーブル美術館」に関する近傍ポイント情報を生成する。また、例えば、図10に示すように、車両1が「敦煌」に対応するポイント対応地点の範囲内に存在していることを認識した場合、「敦煌」に関する近傍ポイント情報を生成する。
そして、近傍ポイント情報生成手段286は、エリア選択情報とともに取得した景観データ選択情報に基づいて、ランドスケープの出力が要求されているか否かを判断する(ステップS108)。このステップS108において、ランドスケープの出力が要求されていると判断した場合、近傍ポイント情報をランドスケープ設定手段287へ出力する。ランドスケープ設定手段287は、近傍ポイント情報生成手段286から近傍ポイント情報を取得すると、車両1がいずれのポイント対応地点の範囲内に存在するかを認識する。そして、このポイント対応地点までの距離を認識するとともに、車両1の走行速度を認識する(ステップS109)。さらに、ランドスケープ設定手段287は、これら認識した事項に基づいて、ポイント対応地点までの所要時間を算出する(ステップS110)。そして、この所要時間に基づいて、ランドスケープデータの再生速度を決定し、この再生速度に関するランドスケープ出力形態情報を生成する。さらに、ランドスケープ設定手段287は、このポイント対応地点に対応するエリアポイントのランドスケープデータを特定するランドスケープ特定情報を生成する。そして、これら各種情報を案内報知手段289へ出力する。案内報知手段289は、ランドスケープ設定手段287から各種情報を取得すると、ランドスケープ出力形態情報に基づいて、ランドスケープデータの再生速度を設定する(ステップS111)。さらに、ランドスケープ特定情報に基づいて、ランドスケープデータを記憶手段260から取得する。
また、処理部280は、近傍ポイント情報生成手段286にて、景観データ選択情報に基づいて、サウンドスケープの出力が要求されているか否かを判断する(ステップS112)。このステップS112において、サウンドスケープの出力が要求されていると判断した場合、近傍ポイント情報をサウンドスケープ設定手段288へ出力する。サウンドスケープ設定手段288は、近傍ポイント情報を取得すると、車両1がいずれのポイント対応地点の範囲内に存在するかを認識する。そして、このポイント対応地点の車両1の走行方向に対する方向を認識し(ステップS113)、この方向に基づいてパンポット値を決定する(ステップS114)。さらに、サウンドスケープ設定手段288は、車両1からポイント対応地点までの距離を認識し(ステップS115)、この距離に基づいてスピーカ300,400,500,600の音量を決定する(ステップS116)。そして、これら決定したパンポット値および音量に関するサウンドスケープ出力形態情報を生成する。さらに、サウンドスケープ設定手段288は、このポイント対応地点に対応するエリアポイントのサウンドスケープデータを特定するサウンドスケープ特定情報を生成する。そして、これら各種情報を案内報知手段289へ出力する。案内報知手段289は、サウンドスケープ設定手段288から各種情報を取得すると、サウンドスケープ出力形態情報に基づいて、パンポット値および音量を設定する(ステップS117)。さらに、サウンドスケープ特定情報に基づいて、サウンドスケープデータを記憶手段260から取得する。
そして、案内報知手段289は、利用者により要求されたランドスケープやサウンドスケープを出力する(ステップS118)。具体的には、案内報知手段289は、ステップS109ないしステップS111の処理を実施している場合、ランドスケープデータを設定された再生速度で再生してランドスケープを表示部240に表示させる。例えば、案内報知手段289は、図9における現在位置アイコンQ1の位置から選択相似道路R1に沿って左方に移動するにしたがって「ルーブル美術館」を大きく表示させ、エリアポイントマークP14に最も近づいたときに最も大きく表示させる。ここで、ランドスケープを表示部240に表示させる構成としては、エリア合成地図と並べて表示させる構成や、エリア合成地図の表示を中断しランドスケープのみを表示させる構成などが例示できる。また、案内報知手段289は、ステップS113ないしステップS114の処理を実施している場合、サウンドスケープデータを設定した音量やパンポット値に基づいた出力状態で出力させる。
一方、ステップS108において、近傍ポイント情報生成手段286は、ランドスケープの出力が要求されていないと判断した場合、ステップS112の処理を実施する。また、ステップS112において、近傍ポイント情報生成手段286は、サウンドスケープの出力が要求されていないと判断した場合、ステップS118の処理を実施する。
そして、近傍ポイント情報生成手段286は、ステップS118の処理を実施すると、ランドスケープやサウンドスケープの出力を終了するか否かを判断する(ステップS119)。例えば、近傍ポイント情報生成手段286は、ランドスケープデータやサウンドスケープデータの出力が終了したか否かや、利用者により強制終了する旨の設定入力がされたか否かを判断する。このステップS119において、処理部280は、近傍ポイント情報生成手段286で出力を終了すると判断した場合、景観データの出力処理を終了する。一方、ステップS119において、処理部280は、近傍ポイント情報生成手段286で出力を終了しないと判断した場合、ステップS103に戻る。
〔ナビゲーションシステムの作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、ナビゲーションシステム100のナビゲーション装置200は、処理部280の現在位置認識手段281にて、車両1の現在位置に関する現在位置情報を取得して車両1の現在位置を認識する。そして、処理部280は、合成地図情報生成手段285にて、車両1の現在位置近傍を示す現在位置地図に関する一般地図情報を取得する。また、特定のエリアを示すエリア地図に関するエリア別情報を取得する。そして、合成地図情報生成手段285は、一般地図情報を構成する道路情報VMxBにより示される道路と、エリア別情報を構成するエリア道路データにより示される選択エリア道路と、を比較し、現在位置地図に選択エリア道路と略相似形状を有する選択相似道路が存在するか否かを認識する。この後、処理部280は、現在位置地図に選択相似道路が存在することを認識すると、案内報知手段289にてエリア地図に存在するエリアポイントの例えばランドスケープを表示部240に表示させる。
このため、ナビゲーション装置200は、現在位置地図に対応させてエリア地図に存在する「ルーブル美術館」や「コンコルド広場」などのエリアポイントの例えばランドスケープを表示させることができる。したがって、利用者は、実際に例えば「パリ」に行かなくても現在位置地図に対応して表示されるランドスケープにより、「パリ」の雰囲気を現実的に体感できる。よって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報を良好に報知できる。
処理部280は、現在位置地図に選択相似道路が存在することを認識すると、エリアポイントの例えばランドスケープを表示させる。このため、処理部280は、現在位置地図およびエリア地図のそれぞれに存在する道路の形状を比較するだけの簡単な処理に基づいて、エリアポイントのランドスケープを表示させることができる。したがって、ナビゲーション装置200は、景観データの出力処理をより迅速にできる。
合成地図情報生成手段285は、選択相似道路と選択エリア道路とを対応させた状態における現在位置地図上のエリアポイントに対応する地点をポイント対応地点として認識する。この後、案内報知手段289は、現在位置地図上のポイント対応地点に対応するエリアポイントの例えばランドスケープを表示させる。このため、ナビゲーション装置200は、現在位置地図上の例えば「ルーブル美術館」や「コンコルド広場」などのエリアポイントに対応するポイント対応地点の位置関係に応じて、「ルーブル美術館」や「コンコルド広場」などの例えばランドスケープを表示させることができる。したがって、利用者は、ポイント対応地点の位置関係、すなわちエリアポイントの位置関係に応じて表示されるランドスケープにより、例えば「パリ」の雰囲気をより現実的に体感できる。よって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をより良好に報知できる。
合成地図情報生成手段285は、エリア地図が現在位置地図と同一縮尺の場合、現在位置地図に選択エリア道路と略同一形状の選択相似道路が存在することを認識すると、選択相似道路と選択エリア道路とを対応させた状態における現在位置地図上のポイント対応地点を認識する。このため、ナビゲーション装置200は、選択エリア道路と略同一形状の選択相似道路に対するポイント対応地点の位置関係に応じて、エリアポイントの例えばランドスケープを表示させることができる。したがって、利用者は、ランドスケープにより選択相似道路に対するエリアポイントの擬似的な位置関係を認識でき、選択エリア道路の実際の状況を体感できる。よって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をより良好に報知できる。
合成地図情報生成手段285は、エリア地図が現在位置地図と異なる縮尺の場合、現在位置地図に選択エリア道路と略相似形状の選択相似道路が存在することを認識すると、ポイント対応地点を認識する。このため、ナビゲーション装置200は、選択エリア道路の実際の大きさが選択相似道路の大きさと異なる場合でも、選択エリア道路と略相似形状の選択相似道路に対するポイント対応地点の相対位置関係に応じて、エリアポイントの例えばランドスケープを表示できる。したがって、利用者は、ランドスケープにより選択相似道路に対するエリアポイントの擬似的な相対位置関係を認識でき、選択エリア道路の相対的な状況を体感できる。よって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
処理部280は、近傍ポイント情報生成手段286にて、車両1が現在位置地図上のいずれかのポイント対応地点の範囲内に存在していることを認識すると、このポイント対応地点に対応するエリアポイントの近傍ポイント情報を生成する。そして、近傍ポイント情報生成手段286は、この近傍ポイント情報を例えばランドスケープ設定手段287へ出力する。ランドスケープ設定手段287は、近傍ポイント情報を取得すると、ランドスケープの出力形態に関するランドスケープ出力形態情報およびランドスケープデータを特定するランドスケープ特定情報を案内報知手段289へ出力する。案内報知手段289は、ランドスケープ出力形態情報およびランドスケープ特定情報を取得すると、ポイント対応地点に対応するエリアポイントのランドスケープを表示させる。このため、ナビゲーション装置200は、車両1が現在位置地図上のポイント対応地点近傍に到達した際に、このポイント対応地点に対応するエリアポイントの例えばランドスケープを表示できる。したがって、利用者は、ランドスケープにより選択エリア道路を走行した場合の状況を体感できる。よって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をより良好に報知できる。
案内報知手段289は、スピーカ300,400,500,600からエリアポイントのサウンドスケープを出力させる。このため、利用者は、サウンドスケープを聴取することにより、運転中であっても前方から視線をそらすことなく選択エリア道路を走行した場合の状況を体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
サウンドスケープ設定手段288は、車両1からポイント対応地点までの距離を認識し、この距離に基づいてサウンドスケープの出力形態を設定する。そして、このサウンドスケープの出力形態に関するサウンドスケープ出力形態情報およびサウンドスケープデータを特定するサウンドスケープ特定情報を案内報知手段289へ出力する。案内報知手段289は、これらの情報を取得すると、ポイント対応地点に対応するエリアポイントのサウンドスケープをポイント対応地点までの距離に応じた出力形態で出力させる。このため、利用者は、サウンドスケープの出力形態により車両1からエリアポイントまでの擬似的な距離を認識でき、選択エリア道路を走行した場合の状況をより現実的に体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
サウンドスケープ設定手段288は、スピーカ300,400,500,600の音量を車両1からポイント対応地点までの距離に対応した値に設定し、この音量に関するサウンドスケープ出力形態情報を案内報知手段289へ出力する。案内報知手段289は、サウンドスケープ出力形態情報を取得すると、ポイント対応地点に対応するエリアポイントのサウンドスケープをポイント対応地点までの距離に応じた音量で出力させる。このため、利用者は、サウンドスケープの音量の変化により車両1からエリアポイントまでの擬似的な距離の変化を認識でき、選択エリア道路を走行した場合の状況をさらに現実的に体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。また、ナビゲーション装置200は、スピーカ300,400,500,600の音量を設定するだけの簡単な方法で、利用者に選択エリア道路を走行した場合の状況をより現実的に体感させることができる。したがって、ナビゲーション装置200は、サウンドスケープをより迅速に出力させることができる。
サウンドスケープ設定手段288は、ポイント対応地点の車両1の走行方向に対する方向を認識する。そして、この方向に基づいてスピーカ300,400,500,600からの音の出力形状態を設定するパンポット値を設定し、このパンポット値に関するサウンドスケープ出力形態情報を案内報知手段289へ出力する。案内報知手段289は、サウンドスケープ出力形態情報を取得すると、ポイント対応地点に対応するエリアポイントのサウンドスケープを、車両1の走行方向に対するポイント対応地点の方向に応じたスピーカ300,400,500,600から出力させる。このため、利用者は、サウンドスケープが出力されるスピーカ300,400,500,600を認識することにより、走行方向に対するエリアポイントの擬似的な方向を認識でき、選択エリア道路を走行した場合の状況をさらに現実的に体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
案内報知手段289は、表示部240にエリアポイントのランドスケープを表示させる。このため、利用者は、例えば停車中など任意のタイミングで表示部240のランドスケープを視認することにより、選択エリア道路を走行した場合の状況を体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をより良好に報知できる。
ランドスケープ設定手段287は、車両1からポイント対応地点までの距離を認識し、この距離に基づいてランドスケープの表示形態を設定する。そして、このランドスケープの表示形態に関するランドスケープ出力形態情報およびランドスケープデータを特定するランドスケープ特定情報を案内報知手段289へ出力する。案内報知手段289は、これらの情報を取得すると、ポイント対応地点に対応するエリアポイントのランドスケープをポイント対応地点までの距離に応じた表示形態で表示させる。このため、利用者は、ランドスケープの表示形態により車両1の現在位置からエリアポイントまでの擬似的な距離を認識でき、選択エリア道路を走行した場合の状況をより現実的に体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
ランドスケープ設定手段287は、車両1がポイント対応地点に最も近づいたときにエリアポイントにある例えば建造物を最も大きく表示させる状態となるように、ランドスケープデータの再生速度を設定し、この再生速度に関するランドスケープ出力形態情報を案内報知手段289へ出力する。案内報知手段289は、ランドスケープ出力形態情報を取得すると、ポイント対応地点までの距離に応じた大きさでエリアポイントの建造物が表示されるようにサウンドスケープデータを再生する。このため、利用者は、ランドスケープとして表示される例えば建造物の大きさの変化により車両1からエリアポイントまでの擬似的な距離の変化を認識でき、選択エリア道路を走行した場合の状況をさらに現実的に体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
案内報知手段289は、エリアポイントの景観を示すランドスケープやサウンドスケープを表示部240やスピーカ300,400,500,600から出力させる。このため、利用者は、ランドスケープやサウンドスケープによりエリアポイントの景観を認識でき、選択エリア道路の状況をより現実的に体感できる。したがって、ナビゲーション装置200の利便性をより向上できる。
合成地図情報生成手段285は、現在位置地図の道路と、ポイント対応地点に配置表示されるエリアポイントを示すエリアポイントマークと、などから構成されるエリア合成地図に関するエリア合成地図情報を生成する。そして、案内報知手段289は、エリア合成地図情報に基づいてエリア合成地図を表示部240に表示させる。このため、利用者は、エリア合成地図により現在位置地図上におけるエリアポイントの擬似的な位置関係を容易に認識できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
合成地図情報生成手段285は、利用者により設定入力されたエリア選択情報を取得すると、このエリア選択情報に基づいて利用者により選択されたエリアを認識する。そして、このエリアのエリア地図に関するエリア別情報を取得する。そして、案内報知手段289は、このエリアの例えばランドスケープを表示させる。このため、ナビゲーション装置200は、利用者の要求に応じたエリアの雰囲気を利用者に体感させることができる。したがって、ナビゲーション装置200の利便性を向上できる。
[実施の形態の変形]
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
例えば表示用データVMの背景情報VMxCを本発明の第1の地点位置情報として機能させ、この背景情報VMxCに基づいて、合成地図情報生成手段285にて、現在位置地図上に存在する複数の例えば建造物などの地物の位置関係を認識する。また、エリア別情報のエリアポイントデータを本発明の第2の地点位置情報として機能させ、このエリアポイントデータに基づいて、合成地図情報生成手段285にて、エリア地図上の複数のエリアポイントの位置関係を認識する。そして、エリア地図が現在位置地図と同一縮尺の場合、現在位置地図上に複数のエリアポイントと略同一の位置関係にある複数の地物が存在することを認識すると、複数のエリアポイントにそれぞれ対応する地物をポイント対応地点として認識する。また、エリア地図が現在位置地図と異なる縮尺の場合、現在位置地図上に複数のエリアポイントと略相似の位置関係にある複数の地物が存在することを認識すると、複数のエリアポイントにそれぞれ対応する地物をポイント対応地点として認識する構成などとしてもよい。このような構成にすれば、ナビゲーション装置200は、現在位置地図上の建造物などの地物に対応させてエリアポイントの例えばランドスケープを表示させることができる。したがって、利用者は、ランドスケープにより現在位置地図上の建造物などに対応させてエリアポイントの位置関係または相対位置関係を認識でき、エリアの実際の状況または相対的な状況を体感できる。よって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報を良好に報知できる。また、処理部280は、現在位置地図に存在する地物の位置関係およびエリア地図に存在するエリアポイントの位置関係を比較するだけの簡単な処理に基づいて、エリアポイントのランドスケープを表示させることができる。したがって、ナビゲーション装置200は、景観データの出力処理をより迅速にできる。
合成地図情報生成手段285にて、経路処理手段284で設定した移動経路と略同一形状または略相似形状の道路(以下、移動経路相似道路と称す)が存在するエリア地図に関するエリア別情報を取得する。そして、現在位置地図上の移動経路に対応する道路と、移動経路相似道路と、を対応させた状態における現在位置地図上のポイント対応地点を認識する構成などとしてもよい。このような構成にすれば、ナビゲーション装置200は、移動経路に対するエリアポイントの擬似的な位置関係または相対位置関係を認識でき、移動経路相似道路の実際の状況または相対的な状況を体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
合成地図情報生成手段285にて、エリア地図が現在位置地図と同一縮尺の場合に選択エリア道路と略同一形状の選択相似道路が存在するか否かを認識し、異なる縮尺の場合に選択エリア道路と略相似形状の選択相似道路が存在するか否かを認識する構成について例示したが、これに限らずいずれか一方の機能を設けない構成などとしてもよい。このような構成にすれば、合成地図情報生成手段285の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置200のコストを削減できる。
案内報知手段289にて、ランドスケープおよびサウンドスケープを出力させる構成について例示したが、いずれか一方のみを出力させる構成などとしてもよい。このような構成にすれば、ランドスケープ設定手段287またはサウンドスケープ設定手段288を設ける必要がなくなる。したがって、処理部280の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置200のコストを削減できる。また、ステップS108ないしステップS112の処理、または、ステップS108およびステップS112ないしステップS117の処理を実施する必要がなくなるので、サウンドスケープまたはランドスケープをより迅速に出力できる。
サウンドスケープ設定手段288にて、車両1からポイント対応地点までの距離に基づいてスピーカ300,400,500,600の音量を設定する構成について例示したが、このような機能を設けない構成などとしてもよい。また、サウンドスケープ設定手段288にて、ポイント対応地点の走行方向に対する方向に基づいてパンポット値を設定する構成について例示したが、このような機能を設けない構成などとしてもよい。これらのような構成にすれば、サウンドスケープ設定手段288の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置200のコストを削減できる。また、スピーカ300,400,500,600の音量やパンポット値を設定する処理を実施する必要がなくなるので、サウンドスケープをより迅速に出力できる。
サウンドスケープ設定手段288にて、車両1がポイント対応地点に近づくにしたがってサウンドスケープの音像定位が近づく状態となるように、出力形態を設定する構成などとしてもよい。このような構成にすれば、利用者は、サウンドスケープの音像定位の位置の変化により車両1からエリアポイントまでの擬似的な距離の変化をより現実的に認識でき、選択エリア道路を走行した場合の状況をさらに現実的に体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
サウンドスケープデータを、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)の規格に準拠した音情報としてもよい。このような構成にすれば、サウンドスケープデータのデータ量を少なくできる。したがって、記憶手段260の容量を小さくでき、ナビゲーション装置200のコストを削減できる。
サウンドスケープデータをMIDI規格に準拠した情報とした場合に、サウンドスケープ設定手段288にて、サウンドスケープデータのパンポット(Panpot)情報の設定値の設定によりパンポット値を決定する構成などとしてもよい。このような構成にすれば、サウンドスケープ設定手段288は、パンポット情報の設定値を設定するだけの簡単な方法でパンポット値を決定できる。したがって、ナビゲーション装置200は、サウンドスケープをより迅速に出力させることができる。
ランドスケープ設定手段287にて、車両1からポイント対応地点までの距離に基づいてランドスケープの表示形態を設定する構成について例示したが、このような機能を設けない構成などとしてもよい。このような構成にすれば、ランドスケープ設定手段287の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置200のコストを削減できる。また、ランドスケープの出力形態を設定する処理を実施する必要がなくなるので、ランドスケープをより迅速に出力できる。
ランドスケープ設定手段287にて、車両1からポイント対応地点までの距離に基づいてランドスケープの表示領域の大きさを設定する構成などとしてもよい。このような構成にすれば、利用者は、ランドスケープの表示領域の大きさの変化により車両1からエリアポイントまでの擬似的な距離の変化を認識でき、選択エリア道路を走行した場合の状況をさらに現実的に体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。また、ナビゲーション装置200は、ランドスケープの表示領域の大きさを設定するだけの簡単な方法で、利用者に選択エリア道路を走行した場合の状況をより現実的に体感させることができる。したがって、ナビゲーション装置200は、ランドスケープをより迅速に出力させることができる。
ランドスケープ設定手段287にて、例えば車両1からポイント対応地点までの距離が長い場合にランドスケープをぼかして表示させ、この距離が短くなるにしたがってランドスケープをはっきりと表示させる構成などとしてもよい。ここで、ランドスケープをぼかして表示させる構成としては、座標(x,y)の画素(以下、処理対象画素と称す)のRGB(Red,Green,Blue)成分と、この処理対象画素の上下左右にそれぞれ位置する座標(x,y+1)の画素(以下、周囲画素1と称す)、座標(x,y−1)の画素(以下、周囲画素2と称す)、座標(x−1,y)の画素(以下、周囲画素3と称す)、座標(x+1,y)の画素(以下、周囲画素4と称す)のRGB成分の平均値と、を一定の割合で混合させる構成が例示できる。具体的には、例えば処理対象画素のRGB成分と周囲画素1,2,3,4のRGB成分との混合比を2対1とした場合、処理対象画素のR成分を以下の数1に基づいて求められる値として、G成分、B成分についても数1と同様の式に基づいて求められる値とする構成が例示できる。さらに、走査線の数を変更する構成や、ランドスケープにフィルタをかける構成、あるいはランドスケープの色相や彩度あるいは明度を変更する構成などが例示できるがこれらに限られない。このような構成にすれば、利用者は、表示形態が例えばぼかされて表示される形態からはっきりと表示される形態に変化するランドスケープにより、車両1からエリアポイントまでの擬似的な距離の変化を認識でき、選択エリア道路を走行した場合の状況をさらに現実的に体感できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をさらに良好に報知できる。
[数1]
処理対象画素のR成分=(処理対象画素のR成分×2+周囲画素1,2,3,4のR成分の平均値)÷3
案内報知手段289にて、エリアポイントの景観を示すランドスケープやサウンドスケープを出力させる構成について例示したが、これに限らず例えばエリアポイントの名称などを表示部240やスピーカ300,400,500,600から出力させる構成などとしてもよい。このような構成にすれば、利用者は、ポイント対応地点に対応するエリアポイントを確実に特定できる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をより良好に報知できる。
案内報知手段289にて、エリア合成地図を表示部240に表示させる構成について例示したが、エリア合成地図を表示させない構成などとしてもよい。このような構成にすれば、案内報知手段289にエリア合成地図を表示させる機能を設ける必要がなくなる。したがって、案内報知手段289の構成を簡略化でき、ナビゲーション装置200のコストを削減できる。
合成地図情報生成手段285にて、エリア選択情報に基づいてエリア別情報を取得する構成について例示したが、これに限らず例えば以下のような構成などとしてもよい。すなわち、合成地図情報生成手段285にて車両1の現在位置に基づいて現在位置地図の一般地図情報を取得する。そして、この一般地図情報に基づいて、現在位置地図上に存在する幹線道路などの任意の道路(以下、現在任意道路と称す)の形状を認識する。この後、この現在任意道路の形状と略同一形状または略相似形状の道路(以下、任意相似道路と称す)が存在するエリアに関するエリア別情報を検索して取得する。そして、現在任意道路と任意相似道路とを対応させた状態における現在位置地図上のポイント対応地点を認識する構成などとしてもよい。このような構成にすれば、ナビゲーション装置200は、利用者によるエリア選択情報の設定入力を待つことなく、任意のエリアに関する例えばランドスケープを表示させることができる。したがって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報をより迅速に報知できる。
エリア別情報により示されるエリア地図の時代を、一般地図情報により示される一般地図の時代とは異なる時代としてもよい。このような構成にすれば、利用者は、現在位置とは異なるエリアにおける現代とは異なる時代の雰囲気を体感できる。したがって、ナビゲーション装置200の利便性をさらに向上できる。
本発明の報知制御装置を、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、設置型や携帯型のパーソナルコンピュータ、移動体の運転シミュレーション装置などに適用する。そして、これらの表示部にエリア合成地図または一般地図とともに、これらの地図上の任意の経路上に疑似現在位置を示す疑似現在位置アイコンを表示させる。そして、入力部の入力操作により、疑似現在位置アイコンを経路上で移動させ、この疑似現在位置アイコンがポイント対応地点近傍に位置した際にランドスケープやサウンドスケープを出力させる構成などとしてもよい。
上述した各機能をプログラムとして構築したが、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
[実施形態の作用効果]
上述したように、上記実施形態では、ナビゲーションシステム100のナビゲーション装置200は、処理部280の現在位置認識手段281にて、車両1の現在位置を認識する。そして、処理部280は、合成地図情報生成手段285にて、車両1の現在位置近傍を示す現在位置地図に関する一般地図情報と、特定のエリアを示すエリア地図に関するエリア別情報と、を取得する。この後、合成地図情報生成手段285は、一般地図情報により示される道路とエリア別情報により示される道路とを比較し、現在位置地図に選択エリア道路と略相似形状を有する選択相似道路が存在するか否かを認識する。この後、処理部280は、現在位置地図に選択相似道路が存在することを認識すると、案内報知手段289にてエリア地図に存在するエリアポイントの例えばランドスケープを表示部240に表示させる。
このため、ナビゲーション装置200は、現在位置地図に対応させてエリア地図に存在する「ルーブル美術館」や「コンコルド広場」などのエリアポイントの例えばランドスケープを表示させることができる。したがって、利用者は、実際に例えば「パリ」に行かなくても現在位置地図に対応して表示されるランドスケープにより、「パリ」の雰囲気を現実的に体感できる。よって、ナビゲーション装置200は、特定の領域に関する情報を良好に報知できる。