JP4528054B2 - 集合住宅 - Google Patents
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Description
このような建物におけるコーナー部住戸は、二面採光が得られ眺望に優れるため、商品価値が高い。
本発明は、建物のコーナー部の住戸スペースについて、玄関の位置取りが自由にできるとともに、従来のようなコーナー部スペースの住戸割(戸境壁の配置)、及びコーナー部住戸における間取りなどのレイアウト、設計上の制約にとらわれずに、コーナー部伸長方向を眺望方向とするワイドな眺望面を有し、従来とは異なる住戸レイアウトを適用可能なコーナー部を有する集合住宅を提供することを目的とする。
建物の外周部を形成して延びる帯状床部とこの帯状床部の内側に沿って延びる直進廊下部とで形成される帯状ブロック同士が、その仮想延長線の交点角度略90°で隣り合って接続される各コーナー部に、コーナーブロックを配設してなり、
前記コーナーブロックは、
隣り合う直進廊下部の仮想延長線の交点の内側を隅切りして、離隔した前記直進廊下部の端部同士を直接に斜状に連結する隅切廊下部と、
該隅切廊下部と、前記帯状床部を仮想延長して形成される出隅部を隅切りして前記隅切廊下部と対向する外壁面との間に形成され、かつ、前記隅切廊下部の外周側長さ(W1)を間口とし、前記隅切廊下部に直交して前記外壁面に至る長さを奥行として形成された床平面領域を有するコーナー住戸床部と、
該コーナー住戸床部の両脇でコーナー住戸床部と前記帯状床部とを連結する接続床部と、
前記接続床部に連設され、前記外周部よりも外側に突出形成された一対の拡張床部と、を備え、
前記コーナーブロックにおいて、前記隅切廊下部と略直交する外方向を眺望方向として指向するコーナー外壁面を、前記隅切廊下部の外周側長さ(W1)よりも大きい長さを有するように形成した、集合住宅である。
(2)請求項2に係る発明は、前記接続床部は、前記コーナー住戸床部の外壁面と連続する外壁面を有し、
前記拡張床部は、前記接続床部の外壁面と連続する外壁面を有し、
前記コーナー住戸床部の外壁面と、前記接続床部の外壁面と、前記拡張床部の外壁面とが連続して前記コーナー外壁面を形成している、請求項1に記載の集合住宅である。
(3)前記コーナー外壁面は、コーナー住戸床部の外壁面と、前記接続床部の外壁面と、前記拡張床部の外壁面とが平面視略直線状に連続して形成されている、請求項2に記載の集合住宅である。
(4)前記拡張床部は略三角形状をなし、前記拡張床部の外壁面を形成する前面部と、該前面部の外側端部から前記隅切廊下部と略直交する内方向に伸びる側面部とを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の集合住宅である。
(5)前記床平面領域は、隅切廊下部に直交する外方向を指向するほぼ矩形の領域として形成された、請求項1〜4のいずれかに記載の集合住宅である。
また、コーナー住戸床部の床平面領域は、帯状床部の奥行寸法に拘束されずに設定することができるため、設計の自由度が高い。隅切廊下部の長さを適宜設定することにより、隅切廊下部とほぼ直交する戸境壁を設けて、建物のコーナー部に、コーナー部伸長方向を眺望方向にもつ複数の住戸を配置することも容易である。また、拡張床部の大きさを独立して適宜設定することが可能であり、これによりコーナー外壁面の長さ及びコーナーブロックの面積を調整することができる。
また、4つのコーナー部を有し、各コーナー部に前記コーナーブロックを配設したものであるから、建物全体として、異方向(8方向)を眺望方向として指向する住戸が多数得られる。多方向指向の建物であり、種々の眺望が得られる住戸があるため、入居しようとする者の選択肢が広がる。また、従来技術における建物の方向性、設計上の軸線にとらわれにくく、建物を種々の角度に振って配置することが簡単にでき、種々の敷地形状や周囲の環境に柔軟に対応することができる。
(2)請求項2に係る発明は、接続床部は、コーナー住戸床部の外壁面と連続する外壁面を有し、拡張床部は、接続床部の外壁面と連続する外壁面を有し、コーナー住戸床部の外壁面と、接続床部の外壁面と、拡張床部の外壁面とが連続してコーナー外壁面を形成しているため、コーナーブロックにおける円滑なコーナー外壁面が形成され、ワイドな眺望が得られる。
(3)請求項3に係る発明は、コーナー外壁面は、コーナー住戸床部の外壁面と、接続床部の外壁面と、拡張床部の外壁面とが平面視略直線状に連続して形成されているため、コーナー部伸長方向を眺望方向とするワイドで直線的な眺望面を有し、コーナー部伸長方向を指向する整形的な住戸ゾーンが確実に形成される。
(4)請求項4に係る発明は、拡張床部は略三角形状をなし、拡張床部の外壁面を形成する前面部と、該前面部の外側端部から隅切廊下部と略直交する内方向に伸びる側面部とによって画されているため、拡張床部の領域は略直交する二方向の眺望、採光が可能である。隅切廊下部と略直交する戸境壁を設ければ、コーナーブロックに、互いに見合うことがなく、二面採光が可能な複数の住戸が得られる。
(5)請求項5に係る発明は、前記床平面領域は、隅切廊下部に直交する外方向を指向するほぼ矩形の領域として形成されているため、建物のコーナー部に位置しながらも、コーナー部伸長方向を指向する整形的な住戸ゾーンが得られ、帯状床部と同じように略矩形の平面形の住戸を形成することができる設計上の自由度を有する。
なお、前記直進廊下部及び隅切廊下部の内側は吹抜けに形成し、前記隅切廊下部の外側に位置するコーナー住戸床部において、前記隅切廊下部側に居室を配置することにより、コーナー部の住戸についても、非コーナー部の住戸と同様、吹抜けに面する居室が配置され、住戸割り、間取りのレイアウトの自由度が高められる。従来のコーナー部住戸においては、共用廊下側に接する位置には水場ゾーンが配置され居室を配置することが困難であるという不都合があったが、本発明によりかかる不都合が解消される。
隅切廊下部11は、隣り合う直進廊下部3の仮想延長線の交点(CP2)の内側入隅部を隅切りして直進廊下部3,3同士を連結している。直進廊下部3の外側長さ(W1)は、後述するとおり、少なくとも一住戸の間口を形成し得る長さ(W1)を有するのが好ましい。
直進廊下部3,3同士は直に接続されず、帯状ブロック5,5間にコーナーブロック10を介在させ、少なくとも一住戸の間口を形成し得る長さ(W1)を有する隅切廊下部11によって隅切りして直進廊下部3,3同士を斜状(略45°)に連結している。この隅切廊下部11は、直交する位置関係にある直進廊下部3,3の仮想延長線の交点(CP2)の内側を切り欠く態様で形成されている。従来のこの種の集合住宅(図4参照)においては、住戸ゾーンの内周側に位置する直進する共用廊下は直角に交わって屈曲しており、全体として平面視ロ字状に形成されているのと大きく相違する。直進廊下部3及び隅切廊下部11の内側(内周側)は、吹抜け2に面している。
隅切廊下部11の外側に、該隅切廊下部11を一辺部として、該隅切廊下部11と対向するコーナー住戸床部の外壁面13aとの間に位置する床平面領域が形成され、この床平面領域は、隅切廊下部11の外周側長さ(W1)を間口(=幅)とし、隅切廊下部11に直交して外壁面13aに至る長さを奥行(D1)として形成されている。
また、コーナー住戸床部15の床平面領域は、一住戸を配置可能な間口寸法(W1)及び奥行寸法(D1)を有するように形成され、さらに、隅切廊下部11に直交する外方向を眺望方向として指向するほぼ矩形の領域として形成されている。コーナー住戸床部15について隅切廊下部11において玄関の位置取りが自由にできるとともに、このコーナー住戸床部15は、コーナー部伸長方向(隅切廊下部11に直交する外方向であって、図5(b)yy軸及びxx軸の外方向)を眺望方向とするワイドな眺望面を有し、コーナー部伸長方向を指向する、一住戸を配置可能な整形的な矩形の住戸ゾーンとなる。したがって、従来とは異なるコーナー部における住戸レイアウトが適用可能となる。例えば、帯状床部4にある住戸のレイアウトと同様の構成をコーナー住戸床部15に適用することも可能である。また、建物のコーナー部住戸のパイプシャフト(排水立て管)の配置位置の自由度も高く、設計しやすい。
拡張床部18,18は、接続床部17の外壁面13b(接続床部17を画する外壁面13bの意味)と連続する外壁面13cによって画され、コーナー住戸床部15の外壁面13aと、接続床部17の外壁面13bと、拡張床部18の外壁面13c(拡張床部18を画する外壁面13cの意味)とが連続してコーナーブロック10におけるコーナー外壁面13を形成している。コーナー外壁面13には適宜窓が設けられる。
拡張床部18、18は略三角形状をなし、それぞれ拡張床部18の外壁面13cを形成する前面部と、該前面部(13c)の外側端部から隅切廊下部11と略直交する内方向に伸びる側面部18bとによって画されている。このため、拡張床部18は、平面視、略直角二等辺三角形状をなしている。隅切廊下部11、拡張床部18の前面部13c及び側面部18bには、眺望が得られるように窓が設けられる。接続床部17と拡張床部18とで形成される平面領域は略台形状をなしている。
また、コーナー外壁面13は、コーナー住戸床部15の外壁面13aと、一対の接続床部17の外壁面13bと、拡張床部18の外壁面13cとが平面視略直線状に連続して形成されている。
しかして、コーナーブロック10において、隅切廊下部11と略直交する外方向を眺望方向として指向するコーナー外壁面13の長さ(L0)は、隅切廊下部11の外周側長さ(W1)よりも大きい長さを有するように形成されている。
本発明の一つの特徴は、共用廊下に沿って複数の住戸を連続して配置する建物である多層集合住宅において、隣り合う2つの帯状ブロック5,5がコーナーブロック10を介在して所定の交点角度で平面視交わり建物のコーナー部を形成しており、建物のコーナー部を形成するコーナー住戸床部15及び共用廊下のいずれにも隅切りをしたことにある。
帯状ブロック5は、直進廊下部3と、直進廊下部3に沿って配置されている帯状床部4からなる。コーナーブロック10は、隅切廊下部11と、隅切廊下部11に沿って配置されているコーナー住戸床部15と、接続床部17,17と、拡張床部18,18とからなる。共用廊下は所定の廊下幅員を有する線状の通路部であって、直進廊下部3と隅切廊下部11とを備えている。
先ず、図2及び図3を参照して、建物1のコーナー部について説明する。
図2(a)に示すように、帯状床部4は、所定の奥行き寸法(図2(a)のD2,D3で示す水平長さ)を有する略矩形の床平面部を形成して、直進廊下部3に沿って複数の住戸が配置される。
2つの隣り合う帯状床部4,4の仮想延長部は、2つの仮想上の交点(外側端部は図2(a)のCP1,内側端部はCP2)の位置で、所定の交点角度R1(図2(a)では略90度)で交わる。また、2つの隣り合う直進廊下部3,3の仮想延長線は、1つの仮想上の交点(図2(a)のCP2)の位置で、所定の交点角度R1(図2(a)では略90度)で交わる。
図2(b)に示すように、隅切廊下部11は、2つの直進廊下部3,3の離隔した端部の間を平面視屈曲して連結している。隅切廊下部11は、2つの直進廊下部3,3の仮想延長線の交点(図2(b)のCP2)を「隅切りする」ように平面視斜めに配置されていて、隅切廊下部11と隣接する直進廊下部3との間の交点角度(図2(b)のA1)は、直進廊下部3,3の仮想延長線の交点角度R1の1.5倍になるので、直進廊下部3と隅切廊下部11との間で緩やかに屈曲するものとなり、人の移動が円滑に行われるものとなる。
隅切廊下部11の外周側長さ(図2(b)のW1で示す)は、後述するように、コーナー住戸床部15に少なくとも一住戸を配置可能な間口寸法と略同一に形成されている。
コーナー住戸床部15,l5は、隅切廊下部11の外側に、隅切廊下部11と対向するコーナー住戸床部の外壁面13aとの間に、少なくとも一住戸を配置可能な「床平面領域」を有するように形成されている。この床平面領域は、その間口方向を隅切廊下部11の長さ方向に対応させ、奥行き方向を隅切廊下部11の長さ方向に直交する方向(隅切廊下部の幅員方向)に対応させて、隅切廊下部11に沿って配置している。ここでは、床平面領域は間口寸法(図3(a)のW1で示す)と奥行き寸法(図3(a)のD1で示す)を有する略矩形の床平面部を形成している。
接合床部17,17は、コーナー住戸床部と帯状床部との間に形成される不整形な床平面部(図3(a)では、外周側が屈曲した辺を有する略三角形の平面形)である。拡張床部18,18は、接続床部17,17に連設され、外壁面5a,5aよりも外側に突出形成されている。
しかして、コーナー部を形成するコーナー住戸床部15及び共用廊下のいずれにも隅切りをして、コーナー住戸床部15の床平面領域は、隅切廊下部11の外周側長さ(W1)を間口とし、隅切廊下部11に直交して外壁面13aに至る長さを奥行として、一住戸を配置可能な間口寸法(W1)及び奥行寸法(D1)を有するように形成されているので、コーナー住戸床部15の「床平面領域」の平面形状を帯状床部4,4の平面形状に拘束されずに自由に形成することができ、「コーナー住戸床部の独立性」が高められる。
すなわち、コーナー住戸床部15の「床平面領域」の間口寸法W1と奥行き寸法D1とを、隅切廊下部11とコーナー住戸床部15の隅切り程度(長さ)を調節することによって、隣り合う2つの帯状床部4,4の奥行き寸法D2、D3に拘束されずに、「床平面領域」の平面形状を調整して、コーナー住戸床部15の住戸割りや間取りを行うことができる。
一方、図4に示すように、従来例の技術においては、建物コーナー部において、共用廊下の屈曲角部の外側に、D2,D3を隣り合う辺部の長さとして拘束された矩形領域が形成される態様であり、この矩形領域に拘束された住戸割りや間取りしかできない。
したがって、コーナー住戸床部15の奥行き方向は、帯状床部4の奥行き方向とは、直進廊下部3の仮想延長線の交点角度R1(図2(a)では略90度)の約1/2の角度で平面視斜めに位相がずれている。
なお、図2、図3では、2つの隣り合う帯状床部4,4の仮想延長線の交点角度R1を略90度の場合について説明したがこれに限定されない。交点角度R1は、好ましくは、60度〜120度の範囲内、さらに好ましくは、75度〜105度の範囲内のものに好適に適用される。
図5(a)は基準階平面における構成を説明するものである。建物1の基準階平面は、略矩形の環状平面(略ロ字形平面)の4隅を隅切りして略八角形の環状平面を形成し、その平面視中央部に吹抜け2が上下方向に複数階を貫通して形成されている。
建物1は、4つの建物のコーナー部を有する平面視略八角形の環状を形成し、4つの帯状ブロック5と4つのコーナーブロック10とを備えている。
建物1の住戸平面形式は片廊下方式であって、共用廊下が中央部の吹抜け2に沿って建物1の内周側に平面視略八角形の環状に配置され、共用廊下の外側に複数の住戸を連続して配置する住戸ゾーンが平面視略八角形の環状に配置されている。
ひとつの帯状ブロック5、ひとつのコーナーブロック10の構成は、図2、図3で説明したものと同様である。
4つの帯状床部4の奥行き寸法(図5(a)のD2,D3で示す水平長さ)の中央部を通って、直進廊下部3の長さ方向に沿った1本の仮想の床平面軸線と、コーナー住戸床部15の奥行き寸法(図5(a)のD1で示す水平長さ)の中央部を通って隅切廊下部11の長さ方向に沿った1本の仮想の床平面軸線とを結ぶと、平面視略略八角形の環状の仮想の床平面軸線(図5(b)で示す太い一点鎖線)が形成される。
コーナー住戸床部15は、この平面視略略八角形の環状の仮想の床平面軸線上に、隅切廊下部11と対向するコーナー住戸床部の外壁面13aとの間に、少なくとも一住戸を配置可能な、間口寸法(図5(a)のW1で示す)と奥行き寸法(図5(a)のD1で示す)を有する略矩形の床平面領域を隅切廊下部11に沿って形成している。
したがって、コーナー住戸床部15では、隅切廊下部11の長さ(図5(a)のW1で示す)の任意の位置に人の出入口(玄関など)を設けることができる。コーナー住戸床部15は、建物のコーナー部に位置しながらも、帯状床部4と同じように略矩形の平面形を形成することができる建築計画上の自由度を有する。
通常、建築設計計画において、2つの直交する建物平面主軸を想定して、建物平面主軸との関係において各部屋などの平面配置計画を行う。例えば、略矩形の基準階平面を有する建物では、図5(b)に示すX―X軸(横軸)、Y―Y軸(縦軸)を基準にして、4つの直進廊下部3、4つの帯状床部4の平面形計画を行う。
ところが、コーナーブロック10のコーナー住戸床部15は、一住戸を配置可能な間口寸法(図5(a)のW1で示す)及び奥行寸法(図5(a)のD1で示す)を有し、隅切廊下部11に直交する外方向を指向するほぼ矩形の領域として形成されているので、その略矩形の床平面領域の奥行き方向は、帯状床部4の奥行き方向と略45度(図5(a)のαで示す角度)回転した状態で配置されている。すなわち、図5(b)に示すように、X―X軸(横軸)が反時計方向に略45度回転したxx―xx軸(斜め軸1)、Y―Y軸(縦軸)が略45度回転したyy―yy軸(斜め軸2)とを建物平面主軸として別個想定して、コーナー住戸床部15の平面計画を行う。
帯状床部4の奥行き方向はX―X軸(横軸)及びY―Y軸(縦軸)となり、コーナー住戸床部15の奥行き方向はxx―xx軸(斜め軸1)及びyy―yy軸(斜め軸2)となる。また、図3を参照して説明したとおり、帯状床部4の奥行き寸法D2,D3と、コーナー住戸床部のD1とを、夫々独立して自由に形成することができる。
住戸内から外部空間の眺望方向も8方向が形成されているので、帯状床部4とコーナー住戸床部15とでは、眺望方向が約45度位相差を有する。
略八角形の環状の基準階平面形を形成しているので、4つの建物平面主軸は、ひとつの中心点で交差し、略八角形の環状の仮想の床平面軸線と平面視直交している。
矩形のコーナー住戸床部15の、隅切廊下部11に接する辺部の長さ(「コーナー住戸床部15の幅」ともいう)(W1)、コーナー住戸床部15の奥行(D1)、帯状ブロック5の帯状床部4の奥行(D2とD3)とすると、通常D2とD3とは略同じである。
コーナーブロック10における隅切廊下部11の外周側長さ(W1)は、少なくとも一住戸の間口寸法、具体的には6m以上に形成したものが好ましい。換言すると、矩形のコーナー住戸床部15の、隅切廊下部11に接する辺部は、6m以上に形成したものが好ましい。バルコニー側(建物の外周側)と共用廊下側に夫々6〜8畳程度の部屋を2室配置する標準的な集合住宅の間取りでは、その間口が6m程度必要となるからである。これにより、コーナー部伸長方向を眺望方向とするワイドな眺望面を有し、コーナー部伸長方向を指向する、一住戸を配置可能な矩形の住戸ゾーンが確実に得られ、この住戸ゾーンについて隅切廊下部11において玄関の位置取りが自由にできる。
また、建物のコーナー部に二住戸を配置する場合と、大きな専有面積を有する一住戸を配置する場合のいずれにも簡単に対応することができ(例えば階によって異なる配置を採る場合)、間取り及び住戸配置等のプランニングがし易くかつ自由度が大きい。眺望環境に優れた住戸が各コーナー部に二戸得られることは、建物の商品価値を著しく高めるものとなるし、ワイドな眺望を有する一戸のコーナー部住戸もまた付加価値をもつものであり、かかる種々のニーズに対応し得るものとなる。
図6〜図7は、D1=D2=D3の条件で、W1/D1の値を変えたものである。
図6(a)はW1/D1=0.7とし、隅切廊下部11側から見て縦長の(奥行の長い)コーナー住戸床部15を形成した例を示す。図6(b)はW1/D1=1.0とし、正方形のコーナー住戸床部15を形成した例を示す。
コーナー住戸床部15の外壁面13a及び外壁面13aに連続して接続する接続床部17,17の外壁面13b,13bを含めた長さL1は、コーナー住戸床部15の幅Wよりも大となっており、さらに拡張床部18,18の外壁面13c、13cが加えられてコーナー外壁面13が形成されるため、隅切廊下部11に直交する外方向に向けて外壁面の長さ(L0)を有する非常にワイドな眺望面が得られる。また、拡張床部18,18において、二方向の眺望が得られる。
図7(a)はW1/D1=√2、図7(b)はW1/D1=2.0とし、それぞれ隅切廊下部11側から見て横長の(間口の広い)コーナー住戸床部15を形成した例を示す。
図9は、コーナー住戸床部15、その両脇の接続床部17,17及び拡張床部18,18を含む領域を一住戸として形成した例を示す。符号19は戸境壁である。
図10は、コーナー住戸床部15の矩形領域に一住戸を配置した例を示す。
図11は、コーナー住戸床部15を隅切廊下部11に直交する戸境壁19で、略等分に仕切り、コーナー住戸床部15、その両脇の接続床部17,17及び拡張床部18,18を含む領域に二住戸を配置した例を示す。図11(a)では接続床部17と帯状ブロック5の境に戸境壁19aが設けられており、図11(b)では、帯状ブロック5の一部に戸境壁19aが設けられている。
図12は、コーナー住戸床部15に隅切廊下部11に直交する戸境壁19を2つ設け、コーナー住戸床部15、その両脇の接続床部17,17及び拡張床部18,18を含む領域に三住戸を配置した例を示す。
前記のとおり、拡張床部18,18は、平面視略三角形状をなし、それぞれ拡張床部18の外壁面13cを形成する前面部と、該前面部(13c)の外側端部から隅切廊下部11と略直交する内方向に伸びる側面部18bとによって画されている。
図13(a)に示すとおり、コーナー住戸床部15の外壁面13aと、接続床部17の外壁面13bと、拡張床部18の外壁面13cとが平面視略直線状に連続して形成されているコーナー外壁面13は、コーナーブロック10において、隅切廊下部11と略直交する外方向を眺望方向として指向しており、コーナー住戸床部15の外壁面13aの長さと接続床部17,17の長さとを足した長さがL1であり、これに拡張床部18の長さL2×2を加えた長さでコーナー外壁面13の長さL0が形成されている。
コーナー外壁面13の長さL0は、コーナー住戸床部15の奥行D1を一定とした場合でも、拡張床部18の外壁面13cの長さL2を例えばLVに示すように拡張し又は縮小することにより調整することができる。拡張床部18の外壁面13cの長さL2を大きくすることに伴い、拡張床部18の側面部18bの長さT1もTVに示すように大きくなり、拡張床部の面積を大きくすることができる(粗いハッチングで表示)。すなわち、コーナーブロック10において、コーナー住戸床部15と接続床部17,17の大きさは、コーナー住戸床部の幅W1及び奥行D1によって決定されるが、この大きさに規制されずに、拡張床部18,18の大きさを設定することができる。したがって、二面採光が可能な拡張床部18に居室をレイアウトする際の設計の自由度も高い。
図14(a)に示す建物1が実施例1と異なるのは、帯状ブロック5の長さが実施例1の帯状ブロック5よりも長く形成されている点にある。
図14(b)に示す建物1が実施例1と異なるのは、帯状ブロック5の長さが実施例1の帯状ブロック5よりも短く形成されている点にある。
図15(a)に示す建物1が実施例1と異なるのは、4つの帯状ブロック5の長さが均等ではなく、一対の短い帯状ブロック5cと一対の長い帯状ブロック5dとにより形成されている点にある。
図15(b)に示す建物1は図15(a)の変形例であり、一対の短い帯状ブロック5cに対する一対の長い帯状ブロック5dの長さの比がさらに大であり、建物全体の平面形における辺長比もより大となっており、また、一対の長い帯状ブロック5dの直進廊下部3,3を結ぶ渡り廊下6が設けられ、2つの吹抜け2a,2aが形成されている。
図17は、図16に示したコーナーブロック10を建物の四隅に配置した例を示す。
コーナー住戸床部15の外壁面13aは角部14を有しているが、接続床部17の外壁面13bと、拡張床部18の外壁面13cとは、平面視略直線状に連続して形成されている。
図18(b)は、コーナーブロック10における拡張床部18の変形例を示すもので、拡張床部18は、拡張床部18の外壁面13cを形成する前面部と、側面部18bとの交点が曲線状に形成されている例を示す。このように、拡張床部18の平面形状は、必ずしも三角形に限定されるものではない。
図19は、コーナー住戸床部15がその両脇の接続床部17,17からやや外側に突出しており、隅切廊下部11と対向するコーナー住戸床部の外壁面13aと、接続床部17,17の外壁面13b,13bとの間に段部13d,13dが設けられている例を示す。
このように、コーナーブロック10の外周側における処理は、適宜変形することが可能である。
本発明の建物のコーナー部は、1フロアのすべてのコーナー部に適用する必要はなく、また、建物の階層の全部ではなく、その一部に適用することも可能である。実施例1,2,4において中央部に吹抜け有する建物について説明したが、センターコア型の建物として構成することもできる。バルコニーは、通常、帯状床部4の外壁面5aの外側及びコーナーブロック10の外側に配設されるが、これらの内側に部分的に配設することもできる(図示省略)。
2 吹抜け
3 直進廊下部
4 帯状床部
5 帯状ブロック
10 コーナーブロック
11 隅切廊下部
13 コーナー外壁面
15 コーナー住戸床部
17 接続床部
18 拡張床部
19 戸境壁
Claims (5)
- 多層の建物として構成される、4つのコーナー部を有する集合住宅であって、
建物の外周部を形成して延びる帯状床部とこの帯状床部の内側に沿って延びる直進廊下部とで形成される帯状ブロック同士が、その仮想延長線の交点角度略90°で隣り合って接続される各コーナー部に、コーナーブロックを配設してなり、
前記コーナーブロックは、
隣り合う直進廊下部の仮想延長線の交点の内側を隅切りして、離隔した前記直進廊下部の端部同士を直接に斜状に連結する隅切廊下部と、
該隅切廊下部と、前記帯状床部を仮想延長して形成される出隅部を隅切りして前記隅切廊下部と対向する外壁面との間に形成され、かつ、前記隅切廊下部の外周側長さ(W1)を間口とし、前記隅切廊下部に直交して前記外壁面に至る長さを奥行として形成された床平面領域を有するコーナー住戸床部と、
該コーナー住戸床部の両脇でコーナー住戸床部と前記帯状床部とを連結する接続床部と、
前記接続床部に連設され、前記外周部よりも外側に突出形成された一対の拡張床部と、を備え、
前記コーナーブロックにおいて、前記隅切廊下部と略直交する外方向を眺望方向として指向するコーナー外壁面を、前記隅切廊下部の外周側長さ(W1)よりも大きい長さを有するように形成した、集合住宅。 - 前記接続床部は、前記コーナー住戸床部の外壁面と連続する外壁面を有し、
前記拡張床部は、前記接続床部の外壁面と連続する外壁面を有し、
前記コーナー住戸床部の外壁面と、前記接続床部の外壁面と、前記拡張床部の外壁面とが連続して前記コーナー外壁面を形成している、請求項1に記載の集合住宅。 - 前記コーナー外壁面は、コーナー住戸床部の外壁面と、前記接続床部の外壁面と、前記拡張床部の外壁面とが平面視略直線状に連続して形成されている、請求項2に記載の集合住宅。
- 前記拡張床部は略三角形状をなし、前記拡張床部の外壁面を形成する前面部と、該前面部の外側端部から前記隅切廊下部と略直交する内方向に伸びる側面部とを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の集合住宅。
- 前記床平面領域は、隅切廊下部に直交する外方向を指向するほぼ矩形の領域として形成された、請求項1〜4のいずれかに記載の集合住宅。
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