JP4527379B2 - 5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、及びその製造法 - Google Patents

5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、及びその製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP4527379B2
JP4527379B2 JP2003357229A JP2003357229A JP4527379B2 JP 4527379 B2 JP4527379 B2 JP 4527379B2 JP 2003357229 A JP2003357229 A JP 2003357229A JP 2003357229 A JP2003357229 A JP 2003357229A JP 4527379 B2 JP4527379 B2 JP 4527379B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
benzyloxy
tetrahydronaphthalene
carboxylic acid
optically active
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003357229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005120027A (ja
JP2005120027A5 (ja
Inventor
正剛 石渕
光治 中村
力三 古矢
光春 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Original Assignee
Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Tanabe Pharma Corp filed Critical Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Priority to JP2003357229A priority Critical patent/JP4527379B2/ja
Publication of JP2005120027A publication Critical patent/JP2005120027A/ja
Publication of JP2005120027A5 publication Critical patent/JP2005120027A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4527379B2 publication Critical patent/JP4527379B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、医薬品の中間体として有用な5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、及びその製造法に関する。
C5a受容体拮抗作用を有するアミド誘導体またはその塩が、国際公開公報に記載されている(特許文献1参照)。当該公報に記載されている5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド誘導体を合成する際の重要中間体として、5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(下記式中、I)ならびにその製造方法として、調製例6(調製例5を引用)に下記の方法が開示されている。
Figure 0004527379
上記公報に開示されている重要中間体の製造方法は、その工程において高価なトリメチルシリルシアニドを使用しており、更には重金属のスズ化合物も使用していることから、スケールの大きな工業的製造には不十分なものである。
更に、別法として国際公開WO02/22556号公報の一般記載では、方法10に
Figure 0004527379
とあるが、この工程を用いて重要中間体である5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸を合成した具体的実施例はない。
また、医薬品として不斉炭素を有する化合物を開発する場合、その光学活性体を用いれば、その薬効がさらに向上し副作用等の毒性も軽減されることが予想される。したがって、不斉炭素を有する医薬品を開発しようとする場合、その光学活性体を安価に製造することは極めて重要な問題となり、その合成方法として光学活性な中間体を用いることができれば、更に有用である。しかし、国際公開WO02/22556号公報には、上記、C5a受容体拮抗作用を有する5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド誘導体を、光学活性な中間体5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸を用いて合成する旨の記載はない。
以上より、C5a受容体拮抗作用を有する5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド誘導体の光学活性体の合成における重要中間体である5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸のより工業的な製造方法が望まれており、更にその光学活性体の製造方法として、収率、純度(光学純度も含む)、安全性、簡便性などの点でよりすぐれた、環境志向型の工業的大量規模での生産に適した効率のよい製造方法の確立が切望されている。
国際公開WO02/22556号
国際公開WO02/22556号公報に開示されている重要中間体として有用な5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の製造方法は、その工程において高価なトリメチルシリルシアニドを使用しており、更には重金属のスズ化合物も使用していることから、コスト面、又環境面においてスケールの大きな工業的製造には不十分なものである。
そこで、5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の製造方法として、安価で無害化の容易な反応剤を使用することにより、工業的製造に適した製造方法を提供することを目的とする。
更に、5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド誘導体の光学活性体の合成に必須な、光学的に純粋な5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の光学活性体を提供することを目的とする。
本発明者らは、国際公開WO02/22556号公報に開示されているC5a受容体拮抗作用を有する5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド誘導体の重要中間体である5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の製造方法を鋭意検討したところ、5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニトリルを経由する工業的に有用な製造方法を見出し、更に、光学活性なアミン、好ましくは1−フェニルエチルアミンの光学活性体を用いた簡便な光学分割方法によって光学活性な5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸を、安価で安全で、かつ効率的に製造する方法を確立した。
即ち、本発明は以下の通りである。
1. 5−ヒドロキシ−1−テトラロンを出発物質に、下記式中の中間体を経由することを特徴とする、5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の製造法。
Figure 0004527379
[式中、Lはハロゲン、メタンスルホニルオキシまたはトルエンスルホニルオキシの脱離基を示す。]
2. 5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸と光学活性なアミンによって塩を形成させ、その塩の溶媒に対する溶解度差を用い当該塩の結晶を析出させ分取し、更に酸で処理して光学活性な5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸を製造する方法。
3. 上記2において、光学活性なアミンとして(R)−(+)−1−フェニルエチルアミンを用いて、(−)−5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸を製造する方法。
4. 5−ベンジルオキシ−1−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン
5. 5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニトリル
6. (−)−5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸

C5a受容体拮抗作用を有する5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド誘導体の重要中間体である5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の製造方法として、5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニトリルを経由することにより、その工程において高価なトリメチルシリルシアニドを使用せず、更に重金属のスズ化合物も使用しない、安価で安全で、かつ効率的な製造法を確立した。
更に、光学活性なアミンを用いた簡便な光学分割を行うことにより、簡便で、収率、純度(光学純度も含む)も良く、環境志向型の工業的大量規模での生産に適した効率のよい5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の光学活性体を製造する方法を確立した。
本明細書において、各記号の定義は次の通りである。
Lにおけるハロゲンとは、塩素、臭素、ヨウ素を示す。
製造法1
Figure 0004527379
[式中の記号は前記と同義である。]
本発明の化合物(I)は化合物(II)より工程1−5を経て製造することができる。
工程1のベンジル基の導入は、Theodora W. Greene、Peter G. M. Wuts編「PROTECTIVE GROUP IN ORGANIC SYNTHESIS」(John Wiley & Sons,Inc.(1991))に記載の方法などで行うことができる。例えば、ベンジルハライドを反応を阻害しない溶媒中、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基存在下、−20℃から溶媒の還流温度にて行われる。また、用いられる溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エステルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセタミドなどのアミド類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、水およびこれらの混合溶媒などがあげられ、反応に応じて適宜選択することができる。
工程2の還元反応に用いられる還元剤としては水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、ジボランなどがあげられる。反応に用いられる溶媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エーテル、THF、ジオキサン、酢酸などがあげられ、またはこれらの混合溶媒でも良い。反応温度は溶媒によって異なるが、通常−20℃から80℃であり、反応時間は反応温度によって異なるが、通常1時間から24時間である。
工程3における化合物(V)のLが塩素原子の場合、その反応は通常、不活性溶媒中あるいは無溶媒で塩化チオニル、メタンスルホニルクロリド、パラトルエンスルホニルクロリド、トリフェニルホスフィンの存在下、トリエチルアミン等の有機塩基共存下にて−20℃から80℃にて行われ、用いられる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、エーテル、ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合溶媒等があげられる。また化合物(V)のLがメタンスルホニルオキシ、あるいはパラトルエンスルホニルオキシの場合、その反応は通常、不活性溶媒中あるいは無溶媒でメタンスルホニルクロリド、パラトルエンスルホニルクロリドの存在下、トリエチルアミン等の有機塩基共存下にて−20℃から80℃にて行われ、用いられる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、エーテル、ジメチルホルムアミドまたはこれらの混合溶媒等があげられる。
工程4は、反応を阻害しない溶媒中、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、テトラエチルアンモニウムシアニドなどの存在下、−20℃から溶媒の還流温度にて行われる。工程4に用いられる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリルまたはこれらの混合溶媒等があげられる。
工程5は、反応を阻害しない溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムなどの無機塩基あるいは塩酸、臭化水素酸、硫酸などの酸存在下、−20℃から溶媒の還流温度にて行われる。工程5に用いられる溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルエーテル、酢酸、ギ酸またはこれらの混合溶媒等があげられる。

製造法2(光学分割)
5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸(I)の光学活性体は、ラセミ混合物を光学分割することによって得ることができる。例えば、光学活性なアミンと塩を形成させ、溶媒に対する塩の溶解度差を利用して分離することができる。この場合、より難溶性の一方の塩を優先的に晶析させるために、反応液を所定の晶析温度に冷却して過飽和状態とすることが好ましい。
光学活性なアミンとは、(3S)−(−)−3−アミノピロリジン、(3R)−(+)−3−アミノピロリジン、(1R、2S)−(−)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、(1S、2R)−(+)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、(D)−(−)−アルギニン、(L)−(+)−アルギニン、(+)−cis−2−ベンジルアミノシクロヘキサンメタノール、(−)−cis−2−ベンジルアミノシクロヘキサンメタノール、ブルシン、シンコニジン、シンコニン、(R)−α−メチル−4―ニトロベンジルアミン、(S)−α−メチル−4―ニトロベンジルアミン、(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン、(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン、(R)−(+)−1−(p−トリル)エチルアミン、(S)−(−)−1−(p−トリル)エチルアミン、(R)−(+)−2−ピロリジンメタノール、(S)−(+)−2−ピロリジンメタノール、(1R、2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール、(1S、2S)−(+)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオールなどが挙げられ、(R)−(+)−1−フェニルエチルアミンが好ましい。
好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプルピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、アセトニトリル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、水またはこれらの混合溶媒等があげられる。
好ましい晶析温度は用いる溶媒の量、溶媒の種類、溶解温度によって異なるが、通常−20から80℃の範囲である。
なお、一方の塩を晶析させるに際して、その晶析させるべき塩の極少量の結晶を、種結晶として反応液に添加することもできる。
析出した塩は、遠心分離、濾過、加圧濾過などの一般的な手法により単離することができる。さらに、必要に応じ、再結晶を繰り返すことによって光学純度を向上させることもできる。
得られた塩を酸で処理するなどの常法に従うことによって、化合物(I)の光学活性体が得られる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、H−NMRは270MHzで測定した。H−NMRのケミカルシフト値は、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用い、相対的なデルタ(δ)値をパーツパーミリオン(ppm)で表した。カップリング定数は自明な多重度をヘルツ(Hz)で示し、s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、m(マルチプレット)等と表記した。
化学純度、光学純度は、以下に示す条件下での高速液体クロマトグラフィーを用い決定した。
高速液体クロマトグラフィー
カラム:STR ODS−II(信和化工(株)社製、内径:4.6mm、カラム長:150mm)
移動層:0.05mol/L NaClO(pH2.5):CHCN=4:7
流速:1.0mL/min
温度:室温
検出波長:235nm

カラム:CHIRALCEL OJ−RH(ダイセル化学工業(株)社製、内径:4.6mm、カラム長:150mm)
移動層:0.2mol/L KHPO(pH2.1):CHCN=55:45
流速:0.5mL/min
温度:室温
検出波長:220nm

実施例1
5−ヒドロキシ−1−テトラロン200g(1.23mol)にジメチルホルムアミド600mLを加え溶解させた中に氷冷しながら5〜15℃でカリウムtert−ブトキシド159.1g(1.41mol)を少量づつ加えたのち、室温で1時間攪拌した。反応液を氷冷し5〜12℃でベンジルブロミド243g(1.41mol)を滴下したのち、室温で2時間攪拌した。反応混液を氷水中に注ぎ酢酸エチル1Lで抽出したのち、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチル溶液を減圧濃縮して油状の5−ベンジルオキシ−1−テトラロン327g(理論量310g)を得た。
H−NMR(CDCl3)δ:2.05−2.20(2H,m),2.64(2H,t,J=6.6Hz),2.97(2H,t,J=6.6Hz),5.11(2H,s),7.06−7.10(1H,m),7.25(1H,t,J=7.9Hz),7.30−7.50(5H,m),7.65−7.70(1H,m)
実施例2
5−ベンジルオキシ−1−テトラロン(327g)をメタノール2000mLに溶解させ,氷冷しながら8〜13℃で水素化ホウ素ナトリウム32.6g(0.86mol)を少量づつ加えたのち、室温で1時間攪拌した。反応混液を減圧濃縮し、残渣に水2L を加え室温で30分攪拌した。固化した結晶を濾取したのち、イソプロピルアルコール500mLを加え、60℃に加温し溶解した中にn−ヘキサン1.5Lを加え氷冷下で1時間攪拌した。析出した固体を濾取後、60℃で終夜送風乾燥して微黄白色結晶の5−ベンジルオキシ−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン237gを得た。濾液は減圧濃縮し、イソプロピルアルコール/n−ヘキサン=1/3(350ml)を加えて氷冷し、析出した固体を濾取後、60℃で終夜送風乾燥して5−ベンジルオキシ−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンの二番結晶 42.8gを得た(5−ヒドロキシ−1−テトラロンからの総収率90%)。
融点75−77℃
H−NMR(CDCl3)δ:1.70−2.05(4H,m),2.55−2.70(1H,m),2.80−2.92(1H,m),4.70−4.80(1H,m),5.07(2H,s),6.82(1H,d,J=7.9Hz),7.08(1H,d,J=7.9Hz),7.18(1H,t,J=7.9Hz),7.25−7.50(5H,m)
実施例3
5−ベンジルオキシ−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン150g(0.59mol)を塩化メチレン450mLに溶解させ,氷冷しながら5〜12℃で塩化チオニル51mL(0.708mol)を滴下し,氷冷下で30分、次いで室温で2.5時間攪拌した。反応混液を氷水中に注ぎ、水洗、硫酸マグネシウムで乾燥したのち,塩化メチレン溶液を減圧濃縮して油状(室温で固化)の5−ベンジルオキシ−1−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン163g(理論量161g)を得た。
融点74℃
H−NMR(CDCl3)δ:1.80−1.95(1H,m),2.00−2.35(3H,m),2.45−2.65(1H,m),2.90−3.05(1H,m),5.05(2H,s),5.29(1H,t,J=3.3Hz),6.80(1H,d,J=7.9Hz),7.00(1H,d,J=7.9Hz),7.14(1H,t,J=7.9Hz),7.25−7.50(5H,m)
実施例4
シアン化ナトリウム57.8g(1.18mol)をジメチルスルホキシド480mLに加え、65℃に加温し溶解させた中に5−ベンジルオキシ−1−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン163gとジメチルスルホキシド160mLの溶液を62〜63℃で滴下したのち、65℃で4.5時間攪拌した。反応混液を氷水中に注ぎ酢酸エチル800mLで抽出したのち、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸エチル溶液を減圧濃縮して油状の5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニトリル154g(理論量155g)を得た。
H−NMR(CDCl3)δ:1.76−1.92(1H,m),1.95−2.15(3H,m),2.70−2.90(2H,m),3.97(1H,t,J=5.9Hz),5.07(2H,s),6.83(1H,d,J=7.9Hz),6.99(1H,d,J=7.9Hz),7.17(1H,t,J=7.9Hz),7.25−7.45(5H,m)
実施例5
5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニトリル154gにエチレングリコール144mLを加え、室温で攪拌しながら水酸化カリウム(純度85%)60.0g(0.909mol)を少量づつ加えたのち、3時間攪拌還流した。反応混液を氷水中に注ぎ酢酸エチル200mLで3回洗浄したのち、水層を2N−塩酸でpH1とし析出した固体を濾取後、60℃で終夜送風乾燥して褐色結晶の5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸103gを得た(5−ベンジルオキシ−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンからの総収率62%)。
融点144℃
H−NMR(CDCl3)δ:1.70−2.05(3H,m),2.10−2.25(1H,m),2.60−2.90(2H,m),3.84(1H,t,J=5.3Hz),5.05(2H,s),6.79(1H,d,J=7.9Hz),6.85(1H,d,J=7.9Hz),7.11(1H,t,J=7.9Hz),7.25−7.50(5H,m)
実施例6
5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸14.1g(0.05mol)にアセトン65mLを加え、加熱溶解させた中に(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン6.05g(0.05mol)を加え氷冷下で攪拌した。析出した固体を濾取して光学純度93.3%の粗結晶7.7gを得た。この粗結晶をアセトン31mLに加熱溶解させたのち、氷冷下で攪拌し、析出した固体を濾取後、60℃で終夜送風乾燥して(−)−5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩6.80g(淡褐色結晶)を得た(収率34%)。
光学純度99.3%e.e.
融点87℃
実施例7
(−)−5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン塩6.5g(0.0161mol)にエタノール/水(1/2)32mLを加え、室温で攪拌した中に濃塩酸3.64gとエタノール/水(1/2)9mLの溶液を滴下したのち、室温で1時間攪拌した。反応混液を50℃で1時間攪拌したのち、30分間氷冷し、析出した固体を濾取後、60℃で終夜送風乾燥して淡褐色結晶の(−)−5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸4.36gを得た(収率96%)。
融点96−97℃
化学純度 99.6%
光学純度 99.2%e.e.
C5a受容体拮抗作用を有する5−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミド誘導体の重要中間体である5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の製造方法として、5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニトリルを経由することにより、その工程において高価なトリメチルシリルシアニドを使用せず、更に重金属のスズ化合物も使用しない、安価で安全で、かつ効率的な製造法を確立した。
更に、光学活性なアミンを用いた簡便な光学分割を行うことにより、簡便で、収率、純度(光学純度も含む)も良く、環境志向型の工業的大量規模での生産に適した効率のよい5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の光学活性体を製造する方法を確立した。

Claims (6)

  1. ジメチルスルホキシド中、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム又はテトラエチルアンモニウムシアニドと下記式(V)で示される化合物を反応させることを特徴とする、5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニトリル(VI)の製造法。
    Figure 0004527379
    [式中、Lはハロゲン、メタンスルホニルオキシまたはトルエンスルホニルオキシの脱離基を示す。]
  2. 請求項1の製造法により得られた5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニトリル(VI)を無機塩基又は酸存在下で5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸とすることを特徴とする5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の製造法。
  3. 請求項2の製造法により得られた5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸と(3S)−(−)−3−アミノピロリジン、(3R)−(+)−3−アミノピロリジン、(1R、2S)−(−)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、(1S、2R)−(+)−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、(D)−(−)−アルギニン、(L)−(+)−アルギニン、(+)−cis−2−ベンジルアミノシクロヘキサンメタノール、(−)−cis−2−ベンジルアミノシクロヘキサンメタノール、ブルシン、シンコニジン、シンコニン、(R)−α−メチル−4―ニトロベンジルアミン、(S)−α−メチル−4―ニトロベンジルアミン、(R)−(+)−1−フェニルエチルアミン、(S)−(−)−1−フェニルエチルアミン、(R)−(+)−1−(p−トリル)エチルアミン、(S)−(−)−1−(p−トリル)エチルアミン、(R)−(+)−2−ピロリジンメタノール、(S)−(+)−2−ピロリジンメタノール、(1R、2R)−(−)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール及び(1S、2S)−(+)−2−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオールから選択される光学活性なアミンによって塩を形成させ、その塩の溶媒に対する溶解度差を用い当該塩の結晶を析出させ分取し、更に酸で処理して光学活性な5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボン酸の製造法。
  4. 光学活性なアミンが(R)−(+)−1−フェニルエチルアミンである請求項3に記載の製造法。
  5. 5−ベンジルオキシ−1−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン
  6. 5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボニトリル
JP2003357229A 2003-10-17 2003-10-17 5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、及びその製造法 Expired - Fee Related JP4527379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003357229A JP4527379B2 (ja) 2003-10-17 2003-10-17 5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003357229A JP4527379B2 (ja) 2003-10-17 2003-10-17 5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、及びその製造法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005120027A JP2005120027A (ja) 2005-05-12
JP2005120027A5 JP2005120027A5 (ja) 2006-10-26
JP4527379B2 true JP4527379B2 (ja) 2010-08-18

Family

ID=34614176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003357229A Expired - Fee Related JP4527379B2 (ja) 2003-10-17 2003-10-17 5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4527379B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5203696B2 (ja) * 2005-02-07 2013-06-05 田辺三菱製薬株式会社 光学活性なテトラヒドロナフタレン誘導体

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5116651A (en) * 1974-07-31 1976-02-10 Takeda Chemical Industries Ltd Kanjokagobutsuno seizoho
JPS617245A (ja) * 1984-06-06 1986-01-13 アボツト ラボラトリーズ アドレナリン性化合物
WO2002022556A1 (fr) * 2000-09-14 2002-03-21 Mitsubishi Pharma Corporation Derives amides et utilisations associees

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5116651A (en) * 1974-07-31 1976-02-10 Takeda Chemical Industries Ltd Kanjokagobutsuno seizoho
JPS617245A (ja) * 1984-06-06 1986-01-13 アボツト ラボラトリーズ アドレナリン性化合物
WO2002022556A1 (fr) * 2000-09-14 2002-03-21 Mitsubishi Pharma Corporation Derives amides et utilisations associees

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005120027A (ja) 2005-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
FR2941454A1 (fr) Proced de synthese du (1s,2r)-milnacipran
JPS60228441A (ja) 光学的に活性なα―アリルアルカノイック酸の製造方法
CA1266486A (fr) Procede de preparation du chlorhydrate de phenyl-1 diethyl amino carbonyl-1 aminomethyl-2 cyclopropane (z)
JP3224271B2 (ja) 鏡像異性的に純粋な置換された(キノリン−2−イル−メトキシ)−フエニル酢酸の合成方法
CA2644624A1 (en) A process for the preparation of (s)(+)-3-(aminomethyly)-5-methylhexanoic acid
KR20040073463A (ko) 에시탈로프람의 제조 방법
JPH0231704B2 (ja)
JP4527379B2 (ja) 5−ベンジルオキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、及びその製造法
US11319277B2 (en) Process for converting S-enantiomer to its racemic form
EP1008590A1 (en) Process for preparing optically active oxazolidinone derivative
JP4258658B2 (ja) アセチレン化合物の製造方法
JPH0417938B2 (ja)
JP7128629B2 (ja) ルビプロストンの製造方法
JP2003137835A (ja) (r)−3−ヒドロキシ−3−(2−フェニルエチル)ヘキサン酸の製造方法
IL295479A (en) Preparation of s-beflubutamide by separation of 2-(4-fluoro-3-(trifluoromethyl)phenoxy)butanoic acid
JP2002512210A (ja) 2−ヒドロキシアルキルハロフェノンの製造方法
JP2005097158A (ja) 含フッ素有機化合物の製造方法
JP2023513185A (ja) 2-ブロモブタン酸を除去することによるs-ベフルブタミドの調製プロセス
JP2004155696A (ja) 光学活性2−アミノ−2−フェニルエタノール類の製造方法およびその中間体
WO2013069481A1 (ja) トリアゾール化合物の製造方法、及びトリアゾール化合物の中間体
JPS5946234A (ja) 光学活性アルコ−ルの製造方法
JP2008222597A (ja) βーフルオロメチルカルボニル誘導体の製造法
JP2005343835A (ja) 2,5−2置換光学活性ピロリジン誘導体の製造法
FR2938534A1 (fr) Procede de preparation de l'hemifumarate d'eplivanserine
JP2003238506A (ja) 光学活性なβ−フェニルアラニン誘導体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060912

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060912

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070427

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20071102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100601

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100603

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130611

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees