JP4526857B2 - レジスト除去能力の評価方法及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

レジスト除去能力の評価方法及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子デバイスの製造方法に関し、特に、イオン注入のマスクとして用いるレジストを除去する能力を判断する方法に関するものである。
半導体装置等の電子デバイスの製造工程においては、シリコン等よりなる基板に不純物を選択的にイオン注入するために、リソグラフィー技術により現像されてなるレジストパターンをマスクとして使用している。
図7(a)〜(d)は、従来技術によるデバイス製造のプロセスフロー、具体的には、レジストパターン形成からイオン注入を経てレジスト除去までを実施するプロセスフローの各工程を示す断面図である。
まず、図7(a)に示すように、シリコン基板5上に薄い酸化膜等の所望膜6を形成した後、所望膜6の上にレジストを塗布してレジスト膜7を形成する。
次に、図7(b)に示すように、所望の回路パターンを有する遮光帯8がガラス基板9上に設けられてなるマスク10を通して、紫外線、電子線又はエックス線等の露光用光11をレジスト膜7に照射することにより露光を行なった後、現像、リンス及びポストベーキング等のリソグラフィ技術と呼ばれる処理を順次行なう。これにより、目的となるレジストパターン7Aが形成される。
次に、図7(c)に示すように、レジストパターン7Aをマスクとして、シリコン基板5に対してイオン注入処理15を行なう。このとき、一般的に、イオン注入量(DOSE量)が1×1014/cm2 よりも多いと、レジストパターン7Aの表面部に、炭化した変質層16が形成される。
イオン注入処理15を行なった後、図7(d)に示すように、シリコン基板5上のレジストパターン7Aつまりレジスト材料の剥離を行なう。しかしながら、このとき、剥離条件によってはシリコン基板5上にレジスト残り17が生じる。
半導体装置等の電子デバイスの製造工程において重要なトランジスタ形成工程ではイオン注入工程が多用されるため、レジスト材料を剥離する工程が非常に重要である。通常、イオン注入後のレジスト除去には、例えば熱過酸化水素水と硫酸との混合液(つまり硫酸過水)等による洗浄方式が用いられる。しかし、高DOSE領域と言われている1×1014/cm2 以上の条件でイオン注入を行なった際には、レジスト表面に炭化した変質層が形成されるため、そのようなレジストを除去するためには、一般にアッシングと呼ばれている、O2 プラズマによるレジストの除去工程が必要となってくる。
また、デバイス製造に用いるレジスト除去方法の判断においては、従来、製品の製造工程と同様の工程に従って、所定の条件を満たす評価用ウェハを作製した後、ウェハ表面欠陥検査により該評価用ウェハ上のレジスト残りを評価する必要があった。
特開昭54−024020号公報
しかしながら、前述のような従来のデバイス製造方法においては、イオン注入処理15で用いられるイオン種にレジスト材料が減圧下で曝されるために、炭化した変質層16が完全には形成されない少ないイオン注入量(1×1014/cm2 未満)を用いた場合であっても、注入されたイオン種によって、レジスト材料中に存在する分子同士の架橋反応が起こる。その結果、図1(c)に示すレジストの変質層16と同様の変質層が形成されてしまう。このため、イオン注入後にレジスト材料を基板上から完全に除去することは極めて困難になる。すなわち、変質層が形成されるため、硫酸過水等による洗浄方式を用いただけでは、図1(d)に示すレジスト残り17の様なレジスト残りが残存してしまうことを防止できない。
それに対して、このようなレジスト残りを完全に除去するために、アッシング等によるレジスト除去処理を強化した場合には以下のような別の問題が生じる。すなわち、前述のような注入量の少ないイオン注入工程は一般的にトランジスタの能力を左右する重要な工程であると共に昨今のデバイスの微細化及び高性能化に伴って注入量の少ないイオン注入工程が急激に増加する傾向がある。しかし、このようなイオン注入工程毎にアッシング等を実施した場合、レジストの下地である被イオン注入層が削られてトランジスタ性能に重大な影響が生じるという問題である。
前記に鑑み、本発明は、イオン注入工程に続いて行なわれるレジスト除去工程においてレジスト残りの発生を防止できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者らは、以下に述べるような検討を行なった結果、全く新たなレジスト除去能力の評価方法を見出すに至った。
図8(a)及び(b)は、注入されるイオンによってレジスト材料中のレジスト樹脂同士が架橋反応を起してレジストの変質層が形成されるメカニズムを説明するための図である。尚、図8(a)及び(b)において、Rはアルキル基であり、nは整数である。
図8(a)に示すレジスト樹脂18を含むレジスト材料中に、イオン、例えばリン(P)イオンが注入されると、図8(b)に示すように、レジスト樹脂18となる複数の分子がリンにより架橋されて変質層19が形成されてしまうと考えられる。ここで、リンとレジスト樹脂18との間の結合エネルギーは約350kJ/molである。
ところで、従来、レジスト除去能力の評価において、リソグラフィ技術とイオン注入技術との関係は明らかにされておらず、イオン種、注入ドーズ量及び加速電圧等の注入条件のみが、イオン注入に用いたレジストを除去するための洗浄方式の条件を決定するためのパラメータとして用いられていた。すなわち、洗浄性能においてレジストの種類に対する依存性は存在しないと考えられており、洗浄条件の決定に当たってレジストの種類に対する依存性は考慮されていなかった。
しかしながら、本願発明者らが種々の検討を行なった結果、レジストの種類が多様化してきている状況において、レジストの種類の違い、具体的には、レジスト材料中の分子が持つ結合エネルギーの違いがレジスト変質層の剥離性(除去性能)に影響を及ぼしていることが判明した。
そこで、本願発明者らは、注入イオンによるレジスト構成分子同士の架橋反応に影響を及ぼすレジスト構成分子の結合エネルギーという、従来、レジスト除去能力の評価に用いられていなかったパラメータを新たに考慮して、レジストの「限界ドーズ量」を算出し、算出された「限界ドーズ量」を用いて、多種に亘るレジストに対応してレジスト除去能力を判断する方法を想到した。ここで、「限界ドーズ量」とは、レジストにおけるイオン注入に起因する変質が無視できなくなる注入ドーズ量を意味する。すなわち、「限界ドーズ量」としては、例えば注入イオンによってレジスト構成分子同士の架橋反応が生じてレジスト変質層が形成され始める最小のドーズ量、又は該架橋反応により形成されるレジスト変質層の形成量が所定の洗浄法式等によって除去しにくくなり始める最小のドーズ量等を用いることができる。
具体的には、本発明に係るレジスト除去能力の評価方法は、所定のレジストをマスクとして被処理体に対してイオン注入を行なった後にレジストを除去する際に生じるレジスト残りを評価するレジスト除去能力の評価方法であって、レジストの限界ドーズ量を算出する工程と、算出された限界ドーズ量とイオン注入における注入ドーズ量とを比較することにより、レジスト残りの評価を行なう工程とを備えている。
本発明によると、イオン注入処理の前処理として、例えば、イオン注入時にマスクとして用いるレジストを構成する分子中の結合エネルギーを予め調べておき、該結合エネルギー等を用いて、該レジストの限界ドーズ量を算出する。このため、算出された限界ドーズ量と、イオン注入処理における注入ドーズ量とを比較することにより、注入イオンを介したレジスト樹脂同士の架橋反応による変質層の生成度合いを予測することができる。従って、イオン注入処理後における例えば洗浄法式によるレジスト除去工程で生じるレジスト残りを評価することができる。すなわち、従来の評価用ウェハ及びウェハ表面欠陥検査を用いた実験による作業時間を要することなく、例えばコンピュータによるレジスト除去能力の予測及び判断が可能となる。これにより、イオン注入時にマスクとして用いたレジストの完全な除去にアッシング等を要するかどうかを正確且つ容易に判定できるので、不要なアッシング等に起因する被イオン注入層のダメージつまりはデバイスの劣化を防止することができる。
また、本発明によるレジスト残りの評価結果に基づいて注入ドーズ量等のイオン注入処理条件を調整することにより、レジスト樹脂の架橋及び硬化による変質層の生成を防止すること、又は該変質層の生成量を抑制して該変質層を洗浄方式等により確実に除去できるようにすることができる。或いは、本発明により得られた限界ドーズ量を越える注入ドーズ量でイオン注入処理を行なう必要がある場合には、レジスト種類を限界ドーズ量の大きなものに変更するか、又はレジスト種類は変更せずに、イオン注入に対するレジスト耐性を向上させる処理(例えば紫外線照射等)を行なうことにより、例えば洗浄法式によるレジスト除去工程におけるレジスト残り発生の問題を回避することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るレジスト除去能力の評価方法、具体的には、イオン注入のマスクに用いたレジスト(正確には露光、現像、リンス及びポストベーキング等のリソグラフィ技術が適用された後のレジスト)をイオン注入後の除去処理において容易に除去できるか否かを判断する方法について図面を参照しながら説明する。すなわち、本実施形態は、レジスト除去工程でレジスト残りの発生を防止できるのか又はレジスト残りが発生するのか、つまりレジスト除去工程におけるレジスト除去能力を評価する方法である。尚、本願においては、レジストの除去を容易に行なえるほどレジスト除去能力が高いと定義する。
図1(a)〜(c)は、本実施形態におけるレジスト除去能力の判断の流れを模式的に示した図である。本実施形態においては、イオン注入工程における所定の注入ドーズ量と、イオン注入工程で用いるレジストの限界ドーズ量(図1(a)参照)との間の大小関係に基づいてレジスト除去能力を判断する。すなわち、イオン注入工程における所定の注入ドーズ量が、イオン注入工程で用いるレジストの限界ドーズ量よりも大きければ、レジストは除去しにくくなるので、レジスト除去能力が低いと判断する。一方、「注入ドーズ量」が「限界ドーズ量」よりも小さければ、レジストは除去しやすくなるので、レジスト除去能力が高いと判断する。すなわち、本実施形態におけるレジスト除去能力の判断においては、「注入ドーズ量」が「限界ドーズ量」を超えると、レジストに変質層が形成されてレジスト除去が困難になると考える。言い換えると、本実施形態においては、まず「限界ドーズ量DL」を算出し、算出された「限界ドーズ量DL」を基準としてレジスト除去能力を判断する。
この「限界ドーズ量DL」を求めるためには、図1(a)及び図1(b)に示すように、「限界ピーク注入濃度Np」を求める必要がある。
図2は、「限界ピーク注入濃度Np」を説明するための図であり、具体的には、レジスト中にイオン注入された不純物のプロファイルの一例における「限界ピーク注入濃度Np」を示している。図2において、横軸には注入深さを、縦軸には注入イオンの濃度を示している。図2に示すように、「限界ピーク注入濃度Np」は、注入不純物プロファイルのピーク部分(頂点部分)の濃度である。尚、図2に示すプロファイルは、注入イオンをP(リン)とし、加速電圧を50keVとし、注入ドーズ量を2×1013/cm2 として得られたものである。
ところで、図2に示すプロファイル(グラフの形状)は、「注入イオンの種類」と「加速電圧」とが決まれば一義的に決まるものである。すなわち、このプロファイルのピーク部分である「限界ピーク注入濃度Np」が分かれば、プロファイルつまりグラフの形状が一義的に決まるので、イオン注入工程で注入されたイオンの「注入ドーズ量」(つまり「限界ピーク注入濃度Np」と対応する「限界ドーズ量DL」)が分かる。繰り返しになるが、プロファイルのピーク部分である「限界ピーク注入濃度Np」が求まれば、それと対応する「限界ドーズ量DL」が求まる。
図1(a)に示す関係式DL=f(Np)(以下(式1)という)は、イオン注入のプロファイルにおける「限界ピーク注入濃度Np」と「限界ドーズ量DL」との関係を示している。すなわち、「限界ドーズ量DL」は「限界ピーク注入濃度Np」の関数fとして表すことができるので、「限界ピーク注入濃度Np」が決まれば、「限界ドーズ量DL」が一義的に決まる。
また、「限界ピーク注入濃度Np」を求めるためには、後述するパラメータTL、NA及びnA(図1(c)参照)を用いる。具体的には、図1(b)に示す関係式Np=(TL×NA)/nAを用いて「限界ピーク注入濃度Np」を求める。この関係式(又はそれと等価な関係式TL×NA=Np×nA:以下、両方の関係式を合わせて(式2)という)の物理的意義については後述する。
〈TL、NA、nAの算出方法〉
「限界ピーク注入濃度Np」の算出及び「限界ドーズ量DL」によるレジスト除去能力の評価に用いられるパラメータTL、NA及びnA、言い換えると、レジストの剥離性に関係するパラメータTL、NA及びnAの算出方法は以下の通りである。
まず、TL(限界衝突回数(単位:回))の算出式は、
TL=((レジスト構成分子中の最小結合エネルギー(つまり切断エネルギー))
+(レジスト構成分子の切断部分と注入イオンとの再結合エネルギー(以下、単に再 結合エネルギーという)))
/Et(レジスト構成分子が注入イオンとの1回の衝突により受けるエネルギー)
・・・(式3)
と表すことができる。尚、「最小結合エネルギー(つまり切断エネルギー)」、「再結合エネルギー」及びEtは、レジスト仕様、レジスト構成分子の化学式、並びに注入イオンの種類及び加速エネルギー等のイオン注入条件等から定められる。
「限界衝突回数TL」は、レジスト除去が可能な注入イオンの衝突回数の範囲の限界(上限)を意味する。言い換えると、「限界衝突回数TL」は、レジスト中に注入されたイオンがレジスト構成分子と何回衝突を繰り返すとレジストが除去しにくくなるかを示している。従って、レジスト構成分子と注入イオンとの衝突回数が「限界衝突回数TL」を超えると、レジスト除去が困難になる。
前述の(式3)に示すように、「限界衝突回数TL」は、レジスト中に存在する分子の「最小結合エネルギー(切断エネルギー)」と「再結合エネルギー」との和を、「レジスト構成分子が注入イオンとの1回の衝突により受けるエネルギー」によって除することにより得られた値である。すなわち、最小結合エネルギーを持つ1つのレジスト構成分子に着目すると、レジスト除去能力を劣化させる変質層が形成されるには、該レジスト構成分子の結合が切断され且つ該切断部分に新たに注入イオンが結合することが必要である。そうすると、「切断エネルギー」と「再結合エネルギー」とを足し合わせ、その結果を、「レジスト構成分子が注入イオンとの1回の衝突により受けるエネルギー」によって除することにより、レジスト構成分子が変質するまでに必要な注入イオンとの衝突回数、つまり「限界衝突回数TL」を算出することができる。従って、レジスト構成分子と注入イオンとの衝突回数が「限界衝突回数TL」以下であれば、レジストに変質層が形成されることはない。尚、本実施形態において、「切断エネルギー」として、レジスト構成分子の最小結合エネルギーを用いている理由は、該最小結合エネルギーを持つ分子中の結合部分が注入イオンとの衝突によって最も切断されやすいからである。
次に、nA(1個の注入イオンがレジスト内で停止するまでに衝突する、レジスト構成分子のうち最小結合エネルギーを持つ分子の数(単位:個))の算出式は、
nA=(E1(注入イオンの加速エネルギー)/Et(レジスト構成分子が注入イオン との1回の衝突により受けるエネルギー))
×R(レジスト中における最小結合エネルギーを持つ分子の存在比)
・・・(式4)
と表すことができる。尚、(式4)中のE1及びEtの単位はそれぞれkJ/molであり、Rは無単位である。また、E1、Et及びRは、注入イオンの種類及び加速エネルギー等のイオン注入条件、レジスト仕様、並びにレジスト構成分子の化学式等から定められる。
1つの注入イオンは、レジスト中でレジスト構成分子と衝突を繰り返した後、レジスト内で停止するが、nAは「1個の注入イオンがレジスト内で停止するまでに衝突するレジスト構成分子の数」である。但し、このレジスト構成分子の数は、レジスト構成分子のうち前述の最小結合エネルギーを持つ分子の数である。従って、「1個の注入イオンがレジスト内で停止するまでに衝突するレジスト構成分子の数」は(E1/Et)と表されるが、これに、「レジスト中における最小結合エネルギーを持つ分子の存在比R」、つまり「レジストの全構成分子数に対する最小結合エネルギーを持つ分子の数の割合」を乗ずることによって、nAを算出することができる。
次に、NA(レジスト構成分子のうち最小結合エネルギーを持つ分子の濃度(単位:個/cm3 ))の算出式は、
NA=(アボガドロ数)×(最小結合エネルギーを持つ分子の「密度」)
/(最小結合エネルギーを持つ分子の「分子量」)
・・・(式5)
と表すことができる。尚、(式5)は、
NA(単位体積当たりの分子数)/アボガドロ数(1モル当たりの分子数)
=「密度」(単位体積当たりの質量)/「分子量」(1モル当たりの質量)
で表される関係式から得られたものである。また、「密度」はレジスト仕様から定められ、「分子量」は、レジスト構成分子のうちの最小結合エネルギーを持つ分子が特定できれば該分子の化学式から定められる。
以上に説明した(式3)、(式4)及び(式5)を用いてパラメータTL、NA及びnAを算出できれば、続いて(式2)つまりTL×NA=Np×nA又はNp=(TL×NA)/nAを用いて「限界ピーク注入濃度Np(単位:/cm3 )」を求めることができる。
また、注入イオンのドーズ量との比較対象となる「限界ドーズ量DL」はNpの関数として表すことができるので、言い換えると、(式1)つまりDL=f(Np)の関係式が成り立つので、「限界ピーク注入濃度Np」を算出できれば、「限界ドーズ量DL(単位:/cm2 )」を求めることができる。
以下、(式2)の物理的意義について図3を参照しながら説明する。
図3は、「限界ピーク注入濃度Np」を求めるための考え方を説明する図であり、具体的には、単位体積当たりのレジストにイオンが何個注入されると、レジスト除去が困難になるドーズ量(限界ドーズ量)に達するかを模式的に示している。ここで、対象とするレジストについて、限界衝突回数TLが2.7回であり、nAが2個であり、NAが6個であることが予め分かっているものとする。
図3に示すように、レジスト中には、単位体積当たり、最小結合エネルギーを持つ分子(以下、単に分子という)が6個存在している。ここで、まず、レジスト中に、例えばリンイオンを1個注入すると、nA=2であるので、6個の分子のうち2個の分子にイオンが1回ずつ衝突する。次に、レジスト中に、2個目のイオンを注入すると、トータルで4個の分子にイオンが1回ずつ衝突することになる。このように注入イオンの個数を増大させていくと、レジスト中に6個目のイオンを注入した時点で6個の分子にイオンが2回ずつ衝突することになる。この状態では、各分子と注入イオンとの衝突回数が限界衝突回数TL(2.7回)を超えていないため、レジストには変質層は形成されず、その結果、レジスト除去能力も高く保持される。一方、各分子と注入イオンとの衝突回数が限界衝突回数TL(2.7回)に達するのは、8.1個目のイオンがレジスト中に注入されたときである。具体的には、(式2)つまりNp=(TL×NA)/nAに、TL=2.7、nA=2、NA=6をそれぞれ代入することによって、Npつまりレジストの限界ピーク注入濃度が8.1であると計算される。このように、TL、NA及びnAを求めておくことにより、(式2)を用いて限界ピーク注入濃度Npを求めることができる。尚、(式2)つまりNp=(TL×NA)/nA又はそれと等価な関係式TL×NA=Np×nAは、
(レジスト中でのイオンの衝突回数)=((注入イオンの濃度)×nA)/NA
で表される関係式において「衝突回数」=TL、「濃度」=Npとした場合に得られるものである。
以下、特定のレジストを用いたイオン注入工程における該レジストの限界ドーズ量の算出例について説明する。
図4(a)及び(b)は、特定のレジストとして、i線用のノボラック系レジスト及びkrF線用の化学増幅型レジストのそれぞれの構成分子の化学式及び結合エネルギーを示しており、図4(c)は、図4(a)及び(b)に示すレジストにおける最小結合エネルギーを持つ構造部分並びに最小結合エネルギー及び再結合エネルギーのそれぞれの大きさを表形式で示している。尚、図4(a)及び(b)において、Rはアルキル基であり、Cb はベンゼン環に含まれるCであり、C2 はCが2つ存在する結合中のCである。
図4(a)及び(c)に示すように、ノボラック系レジストは感光基(感光剤)1とレジスト樹脂(ノボラック系)2とから構成されており、これらのレジスト構成分子における最小結合エネルギーを持つ構造部分は、レジスト樹脂2におけるベンゼン環とOH基との結合部分(0−Cb H結合)であり、該部分の結合エネルギーの大きさは626kJ/molである。尚、感光基1におけるC2 −N2 結合の結合エネルギーの大きさは351kJ/molと小さいが、該結合は露光処理時に反応してしまうため対象外としている。また、レジスト樹脂2の0−Cb H結合が切断された場合における該切断部分とイオン(具体的にはリンイオン)との再結合エネルギーの大きさは325kJ/molである。
また、図4(b)及び(c)に示すように、化学増幅型レジストはレジスト樹脂(アセタール系)4から構成されており、このレジスト構成分子における最小結合エネルギーを持つ構造部分は、レジスト樹脂4におけるO−Cb C結合であり、その結合エネルギーの大きさは343kJ/molである。また、レジスト樹脂4のO−Cb C結合が切断された場合における該切断部分とイオン(具体的にはリンイオン)との再結合エネルギーの大きさは325kJ/molである。
限界ドーズ量の算出においては、注入イオン種(つまり注入イオンの質量数)、注入ドーズ量及び注入加速エネルギー等の注入条件、並びに前述の「最小結合エネルギー」、「再結合エネルギー」、「最小結合エネルギー」を持つレジスト構成分子の種類(つまり「密度」及び「分子量」)及び該分子のレジスト中での存在比R等のレジスト条件が必要である。
まず、図4(a)〜(c)に示すように、注入マスクとして用いるレジストを構成する分子中の最小結合エネルギーErrを求める。
続いて、イオン注入に用いるイオン種及び加速電圧に基づいて、「1個の注入イオンがレジスト構成分子との1回の衝突によって失う損失エネルギーEs」を下記の(式6)を用いて算出する。
Es=4・M1 ・m0 ・E1 /(M1 +m0 2 ・・・(式6)
尚、(式6)において、M1 は注入イオンの質量数であり、m0 は電子の質量数であり、E1 は注入イオンのエネルギー(加速エネルギー)である。(式6)に示すように、イオン注入による注入イオンからレジスト構成分子への転移エネルギー(つまり前述の損失エネルギーEs)は電子阻止能と核阻止能とから定まるものであるが、陽子及び中性子の質量数を1とすると電子の質量数は1/1840という非常に小さい値になるため、核阻止能が支配的となる。従って、(式6)において電子の質量数m0 ≒0と近似することにより、下記の(式7)が得られる。
Es≒4・m0 ・E1 /M1 ・・・(式7)
すなわち、(式7)を用いてEsを算出することができる。尚、(式7)により得られた結果の単位は[eV/atom]であるため、該単位を[J/mol]又は[kJ/mol] に換算する必要がある。ここで、
1[eV/atom]=1.6021×10-19 ×(アボガドロ数:6.022 ×1023)[J/mol]
=9.6478×104[J/mol]
である。
従って、例えば注入イオン種がリンイオン(P+ )であり、加速電圧が50keVの場合、(式7)にm0 =1/1840、M1 =31、E1 =50000を代入することによって、
Es≒ 4/1840/31×50000 =3.50630[eV/atom]
と計算される。すなわち、
Es≒3.50630 ×9.6478×104 [J/mol]=338.28[kJ/mol]
と計算される。従って、「1個の注入イオンがレジスト構成分子との1回の衝突によって失う損失エネルギーEs」は338.28[kJ/mol] となる。この損失エネルギーEsはエネルギー保存の法則によりレジスト構成分子に転移する。すなわち、
Es=Et ・・・(式8)
である。尚、(式8)においてEtは転移エネルギー(レジスト構成分子が注入イオンとの1回の衝突により受けるエネルギー)である。
次に、「1個の注入イオンがレジスト内で停止するまでに衝突するレジスト構成分子の数nA」を(式4)つまりnA=(E1/Et)×Rに従って求める。但し、このレジスト構成分子の数は、レジスト構成分子のうち最小結合エネルギーを持つ分子の数である。
(式4)においては、イオン注入を実施するために与えられた全加速エネルギーE1を、レジスト構成分子が1個の注入イオンとの1回の衝突により受けるエネルギーEtにより除することによって、「1個の注入イオンがレジスト内で停止するまでに衝突するレジスト構成分子の数」を算出し、該算出結果に「レジスト中における最小結合エネルギーを持つ分子の存在比R」を乗ずることによって、nAを算出している。
例えば(式4)に、注入イオンの加速エネルギー(加速電圧)E1=50keV(50000eV)、存在比R=0.2、Et=3.50630eV/atom(前述のEsの計算結果)を代入すると、
nA=(50000/3.50630)×0.2≒2852[個]
と計算される。
次に、限界衝突回数TL(単位:回)を(式3)つまり
TL=((レジスト構成分子中の最小結合エネルギー(つまり切断エネルギー))
+(レジスト構成分子の切断部分と注入イオンとの再結合エネルギー(以下、単に再 結合エネルギーという)))
/Et(レジスト構成分子が注入イオンとの1回の衝突により受けるエネルギー)
に従って算出する。
例えば(式3)に、「切断エネルギー」=626kJ/mol(図4(a)に示すノボラック系レジストの構成分子の最小結合エネルギー)、「再結合エネルギー」=325kJ/mol(図4(a)に示すノボラック系レジストの構成分子の再結合エネルギー)、Et=338kJ/mol(前述のEsの計算結果)を代入すると、
TL=(626+325)/338≒2.7[回]
と計算される。
次に、「レジスト構成分子のうち最小結合エネルギーを持つ分子の濃度NA(単位:個/cm3 )」を(式5)つまり
NA=(アボガドロ数)×(最小結合エネルギーを持つ分子の「密度」)
/(最小結合エネルギーを持つ分子の「分子量」)
に従って算出する。尚、「密度」はレジスト仕様から定められ、「分子量」は、レジスト構成分子のうちの最小結合エネルギーを持つ分子が特定できれば該分子の化学式から定められる。
例えば(式5)に、「密度」=1132(25℃での密度)、「分子量」=122(それぞれ図4(a)に示すノボラック系レジストにおける最小結合エネルギーを持つ分子(レジスト樹脂2)の「密度」及び「分子量」の値)を代入すると、
NA=6.022×1023×1132/122=5.59×1024[個/cm3 ]
と計算される。
従って、以上の算出結果、nA=2852[個]、TL=2.7[回]、NA=5.59×1024[個/cm3 ]を(式2)つまりNp=(TL×NA)/nAに代入することによって、限界ピーク注入濃度Npが5.29×1021[/cm3 ]と計算される。そして、最終的に、算出された限界ピーク注入濃度Npの値を(式1)つまりDL=f(Np)に代入することによって限界ドーズ量DL(単位:/cm2 )を算出することができる。また、算出された限界ドーズ量DLと、イオン注入における注入ドーズ量とを比較することにより、イオン注入後に行なわれる例えば洗浄法式を用いたレジスト除去工程で生じるレジスト残りの評価を行なうことができる。
以上に説明したように、第1の実施形態によると、イオン注入処理の前処理として、レジストの種類又は注入プロセス条件等に基づいて、例えば、イオン注入時にマスクとして用いるレジストを構成する分子中の結合エネルギーを予め調べておき、該結合エネルギー等を用いて、該レジストの限界ドーズ量DLを算出する。このため、算出された限界ドーズ量DLと、イオン注入処理における注入ドーズ量とを比較することにより、注入イオンを介したレジスト樹脂同士の架橋反応による変質層の生成度合いを予測することができる。従って、イオン注入処理後における例えば洗浄法式によるレジスト除去工程で生じるレジスト残りを評価することができる。すなわち、従来の評価用ウェハ及びウェハ表面欠陥検査を用いた実験による作業時間を要することなく、例えばコンピュータによるレジスト除去能力の予測及び判断が可能となる。これにより、イオン注入時にマスクとして用いたレジストの完全な除去にアッシング等を要するかどうかを正確且つ容易に判定できるので、不要なアッシング等に起因する被イオン注入層のダメージつまりはデバイスの劣化を防止することができる。
また、本実施形態によるレジスト残りの評価結果に基づいて注入ドーズ量等のイオン注入処理条件を調整することにより、レジスト樹脂の架橋及び硬化による変質層の生成を防止すること、又は該変質層の生成量を抑制して該変質層を洗浄方式等により確実に除去できるようにすることができる。或いは、本実施形態により得られた限界ドーズ量DLを越える注入ドーズ量でイオン注入処理を行なう必要がある場合には、レジスト種類を限界ドーズ量の大きなものに変更することにより、例えば洗浄法式によるレジスト除去工程におけるレジスト残り発生の問題を回避することができる。
尚、第1の実施形態において、限界ドーズ量DLの算出に当たって、レジスト構成分子の最小結合エネルギー等を用いてレジストの限界ピーク注入濃度Npを算出し、算出された限界ピーク注入濃度Npに基づいて限界ドーズ量DLの算出を行なった。しかし、限界ドーズ量DLの算出方法は特に限定されるものではない。すなわち、注入イオン種、注入ドーズ量若しくは注入加速エネルギー等の注入条件、又は「最小結合エネルギー」、「再結合エネルギー」、「最小結合エネルギー」を持つレジスト構成分子の種類若しくは該分子のレジスト中での存在比R等のレジスト条件を考慮して、レジストにおけるイオン注入に起因する変質が無視できなくなる基準ドーズ量としての限界ドーズ量を設定さえできれば、本発明を実施することができるのである。同様に、限界ピーク注入濃度Npの算出に当たって(式2)を用いたが、限界ピーク注入濃度Npの算出方法も特に限定されないことは言うまでもない。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る電子デバイスの製造方法、具体的には、第1の実施形態に係るレジスト除去能力の評価方法を応用した電子デバイスの製造方法について図面を参照しながら説明する。
本実施形態においては、その前提として、第1の実施形態に係るレジスト除去能力の評価方法を用いた結果、イオン注入処理における注入ドーズ量が、算出された限界ドーズ量DLを超えており、イオン注入処理に続くレジスト除去工程でレジスト残りが発生すると判断されているものとする。また、本実施形態においては、その特徴として、前述の判断結果に基づいて、注入ドーズ量又はレジストの種類を変更するのではなく、イオン注入処理の前に、レジストに対して例えば紫外線照射等を実施し、それによってイオン注入に対する「レジスト耐性」を向上させる処理(以下、イオン注入耐性処理という)を行なう。これにより、レジスト除去工程におけるレジスト残り発生の問題を回避できるという顕著な効果が得られる。
図5(a)〜(e)は、第2の実施形態に係る電子デバイスの製造方法の各工程、具体的には、レジストパターン形成からイオン注入を経てレジスト除去までを実施するプロセスフローの各工程を示す断面図である。
まず、図5(a)に示すように、例えばシリコンよりなる基板5上に薄い酸化膜等の所望膜6を形成した後、所望膜6の上にレジストを塗布してレジスト膜7を形成する。
次に、図5(b)に示すように、所望の回路パターンを有する遮光帯8がガラス基板9上に設けられてなるマスク10を通して、紫外線、電子線又はエックス線等の露光用光11をレジスト膜7に照射することにより露光を行なった後、現像、リンス及びポストベーキング等のリソグラフィ技術と呼ばれる処理を順次行なう。これにより、目的となるレジストパターン7Aが形成される。
次に、レジストパターン7Aに対して前述のイオン注入耐性処理を行なう。具体的には、例えば窒素雰囲気中において基板5に対して例えば80℃〜150℃程度の熱処理を行ないながら、図5(c)に示すように、レジストパターン7Aに対して紫外線照射12を行なう。
次に、図5(d)に示すように、イオン注入耐性処理が施されたレジストパターン7Aをマスクとして、基板5に対してイオン注入処理15を行なう。
イオン注入処理15を行なった後、図5(e)に示すように、例えば洗浄法式により、シリコン基板5上のレジストパターン7Aつまりレジスト材料の剥離を行なう。
第2の実施形態によると、イオン注入工程を実施する前に、第1の実施形態に係るレジスト除去能力の評価方法を用いてレジスト除去能力の評価を行ない、レジスト除去能力が低いと判断された場合には、レジスト塗布後(正確にはリソグラフィ技術によりレジストパターン7Aを形成した後)であってイオン注入工程を実施する前に、レジストに対してイオン注入耐性処理を行なう。これにより、レジスト構成分子のイオン注入に対する耐性を向上させ、それによってレジスト変質層の形成を抑制することができる。従って、注入ドーズ量が限界ドーズ量を超える場合においても、例えばレジストの種類を分子結合の強いものに変更することなく、工程処理(イオン注入耐性処理)を追加するだけで、イオン注入工程に続くレジスト除去工程におけるレジスト除去能力を向上させることができる。
半導体装置等の電子デバイスの製造においては、イオン注入後にレジスト材料を剥離する工程が非常に重要であるが、本実施形態により、例えばトランジスタにダメージを与えるアッシング等を用いずに、例えば洗浄法式のみによるレジスト剥離工程においてもレジスト残りの発生を防止できるという顕著な効果が得られる。
尚、第2の実施形態において、レジストをマスクとして基板5に対してイオン注入を行なったが、イオン注入の対象となる被処理体は特に限定されるものではない。
また、第2の実施形態において、イオン注入耐性処理として紫外線照射12を行なったが、これに代えて、図6(a)に示すように、レジストパターン7Aに対して例えばアニール等のレジスト表面加工処理13を行ない、それによってレジストパターン7Aの寸法を縮小することにより、イオン注入に対する「レジスト耐性」を向上させてもよい。或いは、図6(b)に示すように、レジストパターン7Aが形成された基板5をアルカリ溶液14に浸漬し、それによってレジスト樹脂と感光剤との間でアゾカップリング反応を起こしてもよい。このようにすると、イオン注入に対する「レジスト耐性」が向上する結果、レジスト変質層の形成を抑制でき、それによりレジスト除去工程におけるレジスト除去性能の向上を図ることができる。
また、第2の実施形態において、第1の実施形態に係るレジスト除去能力の評価方法を用いた結果、イオン注入処理における注入ドーズ量が、算出された限界ドーズ量DLを超えており、イオン注入処理に続くレジスト除去工程でレジスト残りが発生すると判断された場合に、イオン注入処理の前に、レジストに対してイオン注入耐性処理を行なった。しかし、これに代えて、当該判断結果に基づいて、注入ドーズ量又はレジストの種類を変更し、それによってイオン注入工程に続くレジスト除去工程におけるレジスト除去能力を向上させてもよい。
本発明は、レジスト除去能力の評価方法及びそれを用いた電子デバイスの製造方法に関し、レジストをマスクとして用いるイオン注入工程を含むプロセスに適用した場合に、イオン注入工程に続くレジスト除去工程におけるレジスト除去能力を正確且つ容易に判断でき、非常に有用である。
(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係るレジスト除去能力の評価方法におけるレジスト除去能力の判断の流れを模式的に示した図である。 本発明の第1の実施形態に係るレジスト除去能力の評価方法において算出される限界ピーク注入濃度及び限界ドーズ量を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係るレジスト除去能力の評価方法における限界ピーク注入濃度を求めるための考え方を説明する図である。 (a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係るレジスト除去能力の評価方法における限界ドーズ量の算出例に用いたi線用のノボラック系レジスト及びkrF線用の化学増幅型レジストのそれぞれの構成分子の化学式及び結合エネルギーを示す図であり、(c)は、(a)及び(b)に示すレジストにおける最小結合エネルギーを持つ構造部分並びに最小結合エネルギー及び再結合エネルギーのそれぞれの大きさを表形式で示す図である。 (a)〜(e)は本発明の第2の実施形態に係る電子デバイスの製造方法の各工程を示す断面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ本発明の第2の実施形態に係る電子デバイスの製造方法の一工程(イオン注入耐性処理工程)を示す断面図である。 (a)〜(d)は従来の電子デバイスの製造方法の各工程を示す断面図である。 (a)及び(b)は、本願発明者らが本発明に係るレジスト除去能力の評価方法を想到するに際して前提とした、注入イオンによりレジスト材料中のレジスト樹脂同士が架橋反応を起してレジスト変質層が形成されるメカニズムを説明する図である。
符号の説明
1 感光基(感光剤)
2 レジスト樹脂(ノボラック系)
4 レジスト樹脂(アセタール系)
5 基板
6 所望膜
7 レジスト膜
7A レジストパターン
8 遮光帯
9 ガラス基板
10 マスク
11 露光用光
12 紫外線照射
13 レジスト表面加工処理
14 アルカリ溶液
15 イオン注入処理
16 変質層
17 レジスト残り
18 レジスト樹脂
19 変質層

Claims (9)

  1. 所定のレジストをマスクとして被処理体に対してイオン注入を行なった後に前記レジストを除去する際に生じるレジスト残りを評価するレジスト除去能力の評価方法であって、
    前記レジストの限界ドーズ量を算出する工程と、
    前記算出された限界ドーズ量と前記イオン注入における注入ドーズ量とを比較することにより、前記レジスト残りの評価を行なう工程とを備え、
    前記限界ドーズ量を算出する工程において前記レジストの構成分子の最小結合エネルギーを用いることを特徴とするレジスト除去能力の評価方法。
  2. 前記限界ドーズ量を算出する工程において前記レジストの構成分子と注入イオンとの再結合エネルギー並びに前記注入イオンの種類及び加速エネルギーを用いることを特徴とする請求項に記載のレジスト除去能力の評価方法。
  3. 前記限界ドーズ量を算出する工程において、
    DL=f(Np)(但しDLは前記限界ドーズ量であり、fは所定の関数であり、Npは前記所定の関数fのパラメータである前記レジストの限界ピーク注入濃度である)
    で表される関係式、及び
    Np=(TL×NA)/nA(但しNAは前記レジストの構成分子のうち前記最小結合エネルギーを持つ分子の濃度であり、TLは限界衝突回数(前記最小結合エネルギーを持つ分子と前記注入イオンとが結合するのに必要な、該分子と該イオンとの最小衝突回数)であり、nAは1個の前記注入イオンが前記レジスト内で停止するまでに衝突する前記最小結合エネルギーを持つ分子の数である)
    で表される関係式を用いることを特徴とする請求項に記載のレジスト除去能力の評価方法。
  4. 前記限界ドーズ量を算出する工程において、
    NA=(アボガドロ数)×(前記最小結合エネルギーを持つ分子の密度)
    /(前記最小結合エネルギーを持つ分子の分子量)
    で表される関係式を用いることを特徴とする請求項に記載のレジスト除去能力の評価方法。
  5. 前記限界ドーズ量を算出する工程において、
    TL=((前記最小結合エネルギー)+(前記再結合エネルギー))
    /(前記レジストの構成分子が1個の前記注入イオンとの衝突により受けるエネルギー)
    で表される関係式を用いることを特徴とする請求項に記載のレジスト除去能力の評価方法。
  6. 前記限界ドーズ量を算出する工程において、
    nA=((前記加速エネルギー)/(前記レジストの構成分子が1個の前記注入イオン との衝突により受けるエネルギー))
    ×(前記レジスト中における前記最小結合エネルギーを持つ分子の存在比)
    で表される関係式を用いることを特徴とする請求項に記載のレジスト除去能力の評価方法。
  7. 所定のレジストをマスクとして被処理体に対してイオン注入を行なう工程と、
    前記イオン注入を行なう工程よりも後に前記レジストを除去する工程とを備えた電子デバイスの製造方法であって、
    前記イオン注入を行なう工程よりも前に、
    前記レジストの限界ドーズ量を算出する工程と、
    前記算出された限界ドーズ量と前記イオン注入における注入ドーズ量とを比較することにより、前記レジストを除去する工程で生じるレジスト残りの評価を行なう工程と、
    前記レジスト残りの評価を行なう工程において前記レジスト残りが発生すると判断された場合、前記レジストに対してイオン注入耐性処理を行なう工程とをさらに備え、
    前記限界ドーズ量を算出する工程において前記レジストの構成分子の最小結合エネルギーを用いることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  8. 前記イオン注入耐性処理は紫外線照射処理であることを特徴とする請求項に記載の電子デバイスの製造方法。
  9. 所定のレジストをマスクとして被処理体に対してイオン注入を行なう工程と、
    前記イオン注入を行なう工程よりも後に前記レジストを除去する工程とを備えた電子デバイスの製造方法であって、
    前記イオン注入を行なう工程よりも前に、
    前記レジストの限界ドーズ量を算出する工程と、
    前記算出された限界ドーズ量と前記イオン注入における注入ドーズ量とを比較することにより、前記レジストを除去する工程で生じるレジスト残りの評価を行なう工程と、
    前記レジスト残りの評価を行なう工程において前記レジスト残りが発生すると判断された場合、前記注入ドーズ量又は前記レジストの種類を変更する工程とをさらに備え、
    前記限界ドーズ量を算出する工程において前記レジストの構成分子の最小結合エネルギーを用いることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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