JP4526109B2 - 試料取扱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、インテグレーテッド・ケミストリと呼ばれる技術分野で使用されるマイクロチップ(例えば、マイクロチャネル内を微量の試料(検体等)を移動させるタイプのマイクロチップ、マイクロウェル内に微量の試料(検体等)を収容・保持するタイプのマイクロチップ)等として広く適用することができる試料取扱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガラスやプラスチックからなるマイクロチップ(試料取扱装置)の内部に数10μmから200μm程度の微細溝(凹部)を作り、その微細溝を液体の流路や反応槽,分離精製検出槽として使用して、マイクロチップに複雑な化学システムを集積するインテグレーテッド・ケミストリと呼ばれる技術が知られている。このインテグレーテッド・ケミストリによれば、様々な試験に使用される微細溝が形成されたマイクロチップ(Lab−on−chip)を分析化学に限定して使用する場合にはμ−TAS(Total Analytical System)と呼称し、また、マイクロチップを反応だけに限定して使用する場合にはマイクロリアクターと呼称するようになっている。このインテグレーテッド・ケミストリは、分析等の各種試験を行う場合、空間が小さいので拡散分子の輸送時間が短くてすみ、また、液相の熱容量が極めて小さい等の優れた利点を有しているため、ミクロ空間を分析や化学合成等に利用しようとする技術分野において注目を集めている。なお、ここでいう試験とは、分析,測定,合成,分解,混合,分子輸送,溶媒抽出,固相抽出,相分離,相合流,分子補捉,培養,加熱,冷却等の操作・手段を単一又は複合させて行うものである。
【0003】
このようなインテグレーテッド・ケミストリにおいて、例えば、生化学の分野における試験において使用されるキャピラリ電気泳動チップは、ガラスやプラスチックのチップの内部に10μm〜200μm程度の微細な溝又は円形の凹部等を形成し、この微細溝又は凹部を液体の流路や反応槽等として使用し、核酸やタンパク質等の生体物質やその他の低分子物質といった極微量物質を分離同定するために使用されるものであり、取り扱う物質の体積がナノリットルからピコリットルの微小なものであるから、微細溝を精度良く形成することが求められる。
【0004】
ここで、ガラスやプラスチックの内部に微細溝(中空部)を形成する方法として、ブロー成形やロストコア法があるが、これらの方法では、例えば、数十μm角の断面の微細溝を高精度に形成するのは困難である。そこで、ガラス、プラスチック又はシリコン等からなる第1のプレート部材(第1部材)の表面に微細溝を形成し、この微細溝が形成された第1のプレート部材の表面に第1のプレート部材と同様の材料で同一の外形寸法に形成された第2のプレート部材(第2部材)を接着や溶着で接合して、試料取扱装置としてのマイクロチップを形成する方法が多く採用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−246092号公報(例えば、段落番号0004〜0006,0046参照)
【特許文献2】
特開2000−288381号公報(例えば、段落番号0004〜0006,00047参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第1のプレート部材と第2のプレート部材を接着や溶着で接合してなる試料取扱装置は、各種試験を実施する際に、実験者の手から滑り落ち、床面等に落下すると、その床面等との衝突の衝撃によって、第1のプレート部材と第2のプレート部材の接合面にせん断力等の外力が作用し、接合面に部分的な破損(亀裂等)が生じて、マイクロチャネルの周囲のシール性が損なわれ、マイクロチャネルの機能が損なわれたり、第1プレート部材と第2プレート部材とが剥がれてしまう虞のあることがユーザーから指摘されていた。
【0007】
そこで、本発明は、複数の部材を接合してなる試料取扱装置が衝撃を受けても、接合面の部分的な破損が生じたり、また、接合した部材同士の剥がれが生じるのを効果的に防止できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置に関するものである。そして、前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成されている。また、前記側壁には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面に当接する突起が形成されている。そして、この突起によって、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方が前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に対して位置決めされるようになっている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成されている。そして、この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持するようになっている。ここで、試料とは、前述の試験の項目で定義される各操作・手段において使用等される物質のことをいう。例示すれば、分析、測定等の操作では、それらの対象となる検体を意味し、合成操作では、合成前の原材料及び合成後の化合物等を示す。
【0009】
請求項2の発明は、平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置に関するものである。そして、前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成されいる。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方は、前記保持部材と対向する前記側壁に前記保持部材によって押圧され、前記保持部材とこの保持部材に対向する前記側壁とで挟持されるようになっている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成されている。そして、この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持するようになっている。
【0010】
請求項3の発明は、平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置に関するものである。そして、前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の対向する前記側面が、前記保持部材によって挟持されるようになっている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成されている。そして、この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持するようになっている。
【0016】
請求項4の発明は、平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置に関するものである。そして、前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成されている。また、前記保持部材には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の外表面に係合するフック部が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方は、前記保持部材と対向する前記側壁に前記保持部材によって押圧され、前記保持部材とこの保持部材に対向する前記側壁とで挟持されるようになっている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成されている。そして、この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持するようになっている。
【0017】
請求項5の発明は、平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置に関するものである。そして、前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成されている。また、前記保持部材には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の外表面に係合するフック部が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の対向する前記側面が、前記保持部材によって挟持されるようになっている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成されている。そして、この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持するようになっている。
【0018】
請求項6の発明は、平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置に関するものである。そして、前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の前記保持部材に対向する部分には、傾斜面である外側係合部が形成されている。また、前記保持部材には、前記外側係合部に係合する傾斜面を備えたフック部が形成されている。そして、前記外側係合部に前記フック部の傾斜面が係合することにより、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方が前記保持部材のフック部の傾斜面によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方側へ付勢されるようになっている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方は、前記保持部材と対向する前記側壁に前記保持部材によって押圧され、前記保持部材とこの保持部材に対向する前記側壁とで挟持されるようになっている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成されている。そして、この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持するようになっている。
【0019】
請求項7の発明は、平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置に関するものである。そして、前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成されている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の前記保持部材に対向する部分には、傾斜面である外側係合部が形成されている。また、前記保持部材には、前記外側係合部に係合する傾斜面を備えたフック部が形成されている。そして、前記外側係合部に前記フック部の傾斜面が係合することにより、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方が前記保持部材のフック部の傾斜面によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方側へ付勢されるようになっている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の対向する前記側面が、前記保持部材によって挟持されるようになっている。また、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成されている。そして、この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持するようになっている。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれかの発明において、前記内側保持部材及び前記穴が前記凹部の近傍位置に形成されたことを特徴としている。
【0021】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかの発明において、前記内側保持部材の頂部が前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の外表面よりも突出しないように形成されたことを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。尚、以下の各実施の形態は、キャピラリ電気泳動チップとして使用されるプラスチック製の試料取扱装置を例示して説明する。
【0029】
図1〜図6は、本発明の第1の実施の形態に係る試料取扱装置1を示すものである。このうち、図1は、試料取扱装置1の平面図である。また、図2は、図1のA−A線に沿って切断して示す試料取扱装置1の断面図である。また、図3は、図1の試料取扱装置1を構成する第1プレート部材(第1部材)2の平面図である。また、図4は、図3のB−B線に沿って切断して示す第1プレート部材2の断面図である。また、図5は、図1の試料取扱装置1を構成する第2プレート部材(第2部材)3の平面図である。また、図6は、図5のC−C線に沿って切断して示す第2プレート部材3の断面図である。
【0030】
これらの図に示す試料取扱装置1は、第1プレート部材2に第2プレート部材3を接着固定してなるものである。そして、この試料取扱装置1を構成する第1プレート部材2及び第2プレート部材3は、例えば、ポリカーボネート(PC),ポリメタクリル酸メチル(PMMA),紫外線硬化樹脂等で形成されており、同一の材料で形成されるのが好ましい。このように、第1プレート部材2と第2プレート部材3を同一の材料で形成することにより、第1プレート部材2と第2プレート部材3の表面電荷を同一にできるため、電気泳動の際の試料に対する電気浸透流を均一にすることができ、試料の流れを一定にできる。また、第1プレート部材2と第2プレート部材3を同一の材料で形成することにより、第1プレート部材2と第2プレート部材3との接着面2a,3aに毛細管現象で接着剤を浸透させる場合に、接着剤の第1プレート部材2及び第2プレート部材3に対するふるまいが同一になり、毛細管現象による接着剤の動きが円滑化する。尚、第1プレート部材2は、第2プレート部材3よりも大きく形成されており、第2プレート部材3の側面から所定幅寸法(例えば、後述する側壁6a〜6d分)だけ出っ張るようになっている。
【0031】
第1プレート部材2は、平面形状がほぼ矩形形状になるように形成されており、その上面(第1の表面としての接着面2a)のほぼ中央部に細長い直線状の第1の微細溝(凹部)4が形成されると共に、この第1の微細溝4にほぼ直交する第2の微細溝(凹部)5が形成されている。これら第1及び第2の微細溝4,5は、断面形状がほぼ正方形(一辺の長さが50〜100μmの正方形)であり、全長が数センチメートルの長さである。そして、この第1プレート部材2の各微細溝4,5の周囲には、接着面2aが形成されている。また、この第1プレート部材2の各端縁には、第2プレート部材3を内部に収容するための側壁6a〜6dが突出形成されている。
【0032】
第1プレート部材2の側壁6a〜6dは、第1プレート部材2に第2プレート部材3を接着固定した場合に、第2プレート部材3の外表面7よりも上方に突出する高さに形成されている。また、この第1プレート部材2は、側壁6a〜6dを部分的に切り欠いたようになっており、その切り欠いた部分に、側壁6a〜6dとは別に独立して弾性変形可能な保持部材8〜13が一体形成されている。この保持部材8,9,11,12は、第2プレート部材3の長手方向の側面14,15に対向する側壁6a,6cの両端部側にそれぞれ形成されており、第1プレート部材2の一方の側壁6a側の保持部材8,9と第1プレート部材2の他方の側壁6c側の保持部材12,11が対向するように配置されている。また、保持部材10,13は、第2プレート部材3の側面14,15にほぼ直交する側面16,17の中央部に対向するように配置されている。
【0033】
保持部材8〜13は、図2に示すように、第1プレート部材2から起立する弾性変形可能な支柱部18と、この支柱部18の先端部から内側方に突出して第2プレート部材3の外表面側(外側係合部20)に係合するフック部21とを有している。このフック部21は、第2プレート部材3を図2の上方から第1プレート部材2に組み付ける際に、第2プレート部材3の側面側端縁に形成された面取り部22に当接し、面取り部22を案内する傾斜面23が形成されている。また、フック部21の下面24は、第2プレート部材3の外側係合部20に当接して、第2プレート部材3が第1プレート部材2から剥離する方向(図2中の上方)に移動するのを阻止するように、第2プレート部材3を第1プレート部材2側に抑え込むようになっている。このような保持部材8〜13は、第1プレート部材2に第2プレート部材3を図2の上方から組み付ける際に、フック部21の傾斜面23が第2プレート部材3側の面取り部22によって押されることにより、支柱部18が傾斜面23に作用する外力で撓み変形して、第2プレート部材3が第1プレート部材2に向かって移動するのを可能にする。そして、第2プレート部材3が第1プレート部材2上の所定位置に押し込まれると、支柱部18がその弾性によって元の姿勢に復元しようとし、フック部21と第2プレート部材3の外側係合部20とが係合する。尚、保持部材8〜13の頂部を第2プレート部材3の外表面7よりも出っ張らないようにし、側壁6a〜6dの頂部を第2プレート部材3の外表面7よりも出っ張らないようにすれば、第2プレート部材3の外表面7に沿ってスポッティングデバイス等が移動する場合に、側壁6a〜6dや保持部材8〜13の頂部が邪魔にならず、スポッティング作業等の作業性が向上する。
【0034】
また、第1プレート部材2の接着面2a側には、第2プレート部材3の内側係合部25に引っかけられる内側保持部材26,27が複数形成されている。この内側保持部材26,27は、第1の微細溝4の近傍に位置し、第1の微細溝4の両側に対称に形成されている。すなわち、第1の微細溝4を境にして、一方の側の接着面2aと他方の側の接着面2aには、背中合わせの状態で、且つ、互いが干渉しないようにずらして形成された一対の内側保持部材26,27がそれぞれ形成されている。この内側保持部材26,27は、前述の保持部材8〜13とほぼ同様の形状を呈しており、第1プレート部材2から突出する弾性変形可能な支柱部28と、この支柱部28の先端部から側方に突出するように形成されて第2プレート部材3の内側係合部25に引っかけられるフック部30とを有している。そして、このフック部30の上部側には、第2プレート部材3を図2の上方から第1プレート部材2に組み付ける際に、第2プレート部材3の穴31の下端縁に形成された面取り部32に当接し、面取り部32を案内する傾斜面33が形成されている。
【0035】
そして、このフック部30の傾斜面33が第2プレート部材3の面取り部32によって押されることにより、支柱部28が撓み変形し、内側保持部材26,27が穴31内を通過でき、フック部30が穴31を通過し、第2プレート部材3が第1プレート部材2上の所定位置に組み付けられると、支柱部38が元の姿勢に復元し、フック部30が第2プレート部材3の内側係合部25に係合する。そして、フック部30の下面34が内側係合部25を第1プレート部材2の接着面2a側に押圧する。その結果、第2プレート部材3が内側保持部材26,27によって第1プレート部材2の第1の微細溝4の近傍位置において固定されることになる。尚、フック部30は、図2に示すように、穴31の上方側開口端に形成された凹みである内側係合部25の底面を抑えるようになっている。そして、内側保持部材26,27は、その頂部26a,27aが第2プレート部材3の外表面7から突出しないように形成されている。
【0036】
また、第1プレート部材2の側壁6a〜6dの第2プレート部材3の側面14〜17に対向する面(内側面)には、第2プレート部材3が第1プレート部材2に対して(図1及び図2中のX,Y方向における)ずれ動きを生じるのを防止する位置決め手段としての略半球状の突起35が形成されている。この突起35は、平面形状が略長方形の第2プレート部材3の長手方向略中央部に位置するように形成されると共に、第2プレート部材3の幅方向の両端部にそれぞれ位置するように形成されている。また、この突起35と同様の突起36が保持部材8〜13の第2プレート部材3に対向する面に形成されている。これにより、第2プレート部材3の4つの側面14〜17は、それぞれ第1プレート部材2に対して3個の突起35,36でバランス良く位置決めされるようになっている。ここで、保持部材8〜13は、その支柱部18の第2プレート部材3に対向する面の突起36が支柱部18の弾性変形力で第2プレート部材3の側面14〜17に押し付けられるようになっている。
【0037】
第2プレート部材3は、第1プレート部材2の側壁6a〜6dで囲まれた空間内に収容される薄板状部材であり、平面形状が略長方形に形成されている。この第2プレート部材3は、第1プレート部材2の第1の微細溝4の両端部及び第2の微細溝5の両端部を試料取扱装置1の外部環境に連絡する貫通穴37が、第1プレート部材2の第1の微細溝4の両端部及び第2の微細溝5の両端部に対向するようにそれぞれ形成されている。
【0038】
また、第2プレート部材3は、第1プレート部材2の保持部材8〜13に対向する位置に、保持部材8〜13のフック部21に係合するように凹んだ外側係合部20がそれぞれ形成されている。この外側係合部20は、図5に示す平面形状が略矩形形状であり、図6に示す断面形状が矩形形状の凹所であり、第2プレート部材3の外表面7の一部を凹ませて形成されており、外表面7の一部を構成している。さらに、第2プレート部材3は、第1プレート部材2の内側保持部材26,27の形成位置に合致するように内側係合部25が形成されている。この第2プレート部材3の内側係合部25は、第2プレート部材3の板厚方向に貫通する穴31の外表面7側の両側(図5の左右方向両側)に形成されている。ここで、穴31は、内側保持部材26,27の挿入が可能な矩形形状を呈している(図5参照)。また、内側係合部25は、内側保持部材26,27のフック部30が引っかけられる略矩形形状の凹所であり、図5に示す平面形状が矩形形状であり、図6に示す断面形状が矩形形状の凹所である。
【0039】
ここで、第1プレート部材2と第2プレート部材3の少なくとも一方は射出成形で形成され、その射出成形された第1プレート部材2と第2プレート部材3の少なくとも一方の接着面2a,3aは、射出成形の金型のキャビティ面が転写され、微小な凹凸が形成されている。その結果、第1プレート部材2上に第2プレート部材3を押し付けたとしても、第1プレート部材2の接着面2aと第2プレート部材3の接着面3aとの間には、毛細管現象で接着剤が浸透する程度の微小な隙間が生じるようになっている。さらに、第1プレート部材2の接着面2aと第2プレート部材3の接着面3a間の隙間寸法をより正確に形成して、両部材2,3の接着面2a,3a間の隙間に毛細管現象でより一層確実に接着剤40を浸透させたい場合には、図7〜図9に示すように、第1プレート部材2の接着面2aと第2プレート部材3の接着面3aの少なくとも一方に微小突起38を複数形成するのが好ましい。
【0040】
以上のような構成によれば、第1プレート部材2の側壁6a〜6dに囲まれた空間内に第2プレート部材3を収容すると、第2プレート部材3の4つの側面14〜17が第1プレート部材2の突起35,36にガイドされ、第1プレート部材2の所定位置に第2プレート部材3が載置されることになり、第2プレート部材3の外側係合部20に第1プレート部材2の保持部材8〜13のフック部21が係合され、第2プレート部材3の内側係合部25に第1プレート部材2の内側保持部材26,27のフック部30が係合される。これにより、第2プレート部材3が第1プレート部材2に保持されることになる。
【0041】
次いで、第2プレート部材3の4個の貫通穴37の少なくとも一つの貫通穴37から接着剤が滴下される。この際、接着剤は、第1の微細溝4及び第2の微細溝5に流入しないように、第1プレート部材2上に滴下される。この接着剤は、第1プレート部材2と第2プレート部材3の対向する接着面2a,3a間の微細な隙間に毛細管現象で浸透し、第1プレート部材2と第2プレート部材3が確実に接着固定される。ここで、第1プレート部材2に接着固定された第2プレート部材3の貫通穴37は、その下端側が第1の微細溝4の端部や第2の微細溝5の端部に連絡されることになり、試料等の貯蔵,注入,抽出等を行うことができる空間の貯蔵部37aとなる。尚、毛細管現象で流動する接着剤は、第1プレート部材2と第2プレート部材3間の隙間が急激に大きくなる第1の微細溝4及び第2の微細溝5内に流入することがない。したがって、第1の微細溝4及び第2の微細溝5の流路断面積をその長手方向に沿ってほぼ一定に保つことができる。また、図示はしないが、第1の微細溝4及び第2の微細溝5の近傍に、これら両微細溝4,5に沿うように、第2プレート部材3に接着剤導入用の貫通穴を貫通穴37とは別に所定の間隔で形成し、その貫通穴から接着剤を滴下するようにしてもよい。
【0042】
以上のような構成の本実施の形態によれば、第2プレート部材3が第1プレート部材2の側壁6a〜6dで保護されており、第2プレート部材3の端縁に直接外力が作用することがなく、第2プレート部材3と第1プレート部材2との接着面3a,2aに両部材(2,3)をX−Y方向にせん断するような外力が作用しにくいため、試料取扱装置1のハンドリング中に床面に落下させたり、また、他の障害物に衝突させたとしても、第1の微細溝4及び第2の微細溝5の周囲をシールする接着剤層に亀裂等の部分的な破損を生じるようなことがなく、両微細溝4,5のマイクロチャネルとしての機能を損なうことがなく、また、第1プレート部材2と第2プレート部材3との接着面2a,3aの剥がれに起因する破損が生じにくい。
【0043】
また、本実施の形態によれば、第1プレート部材2の側壁6a〜6dに形成した突起35及び保持部材8〜13に形成した突起36によって、第2プレート部材3を第1プレート部材2に対してX−Y方向に位置決めすることができると共に、第2プレート部材3が第1プレート部材2に対してX−Y方向にずれ動くのを防止することができる。その結果、本実施の形態によれば、他の組立治具を要することなく、第1プレート部材2と第2プレート部材3とを正確に接着することができる。特に、第1プレート部材2の接着面2aに形成した微細な凹部(図示せず)等と第2プレート部材3の接着面3aに形成した微細な凹部(図示せず)等を位置合わせをした状態において、第1プレート部材2と第2プレート部材3を接着固定する場合に、正確且つ確実な組立作業が可能になる。
【0044】
また、本実施の形態によれば、保持部材8〜13のフック部21によって第2プレート部材3を第1プレート部材2側に押圧するようになっているため、第1プレート部材2と第2プレート部材3とを接着固定する際に、第1プレート部材2と第2プレート部材3とを挟持する治具を必要とせず、第1プレート部材2と第2プレート部材3の接着作業が容易且つ確実に行われる。
【0045】
また、本実施の形態によれば、保持部材8〜13のフック部21によって第2プレート部材3を第1プレート部材2側に押圧し、第2プレート部材3を第1プレート部材2に対してZ方向に位置決め・固定するようになっているため、第2プレート部材3と第1プレート部材2とを剥離する方向(Z方向)の力が作用したとしても、その力に保持部材8〜13で対抗することができる。したがって、第2プレート部材3が第1プレート部材2から剥離して損傷する虞がない。
【0046】
また、本実施の形態によれば、保持部材8〜13の支柱部18の弾性を利用して第2プレート部材3の対向する各側面14〜17を挟持するようになっているため、第2プレート部材3を第1プレート部材2にがたつきを生じることなく保持することができ、第2プレート部材2と第1プレート部材3の接着作業がより一層正確に且つ確実に行われる。しかも、このような構成の本実施の形態によれば、第2プレート部材3の側面14〜17が第1プレート部材2の保持部材8〜13で弾性的に保持されているため、第1プレート部材2の側壁6a〜6dに衝撃が作用しても、その衝撃が保持部材8〜13の弾性によって緩衝された状態で第2プレート部材3に伝達される。その結果、第1プレート部材2と第2プレート部材3の接着面2a,3aに衝撃力が作用しにくくなり、第1プレート部材2と第2プレート部材3の接着面2a,3aの剥がれに起因する試料取扱装置1の破損を効果的に防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態によれば、第1の微細溝4の近傍位置に形成した内側保持部材26,27により、第2プレート部材3を第1プレート部材2側に押さえつけることができるため、第2プレート部材3の中央部分(第1の微細溝4の近傍部分)が第1プレート部材2から浮き上がるような変形を生じるのを防止でき、第1プレート部材2の接着面2aと第2プレート部材3の接着面3a間の隙間を接着面2a,3a全域に対してほぼ一定にすることが可能になり、第1プレート部材2と第2プレート部材3の接着作業がより一層確実に行われる。特に、このような構成の本実施の形態によれば、第1プレート部材2の接着面2aと第2プレート部材3の接着面3aとの間の微小隙間に、接着剤を毛細管現象で浸透させる場合において、接着剤を接着面2a,3aの全域に均一に且つ確実に流動させることができるという効果を得ることができる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、第2プレート部材3の側端部を保持部材8〜13で抑えるだけでなく、第2プレート部材3のうちの第1の微細溝4の近傍位置を内側保持部材26,27で抑えることができるため、第2プレート部材3を第1プレート部材2から剥がす力に対してより一層効果的に対抗することができる。
【0049】
また、本実施の形態の試料取扱装置1は、第1プレート部材2の側壁6a〜6dが第2プレート部材3の外表面7よりも上方に突出する高さに形成されているため、第2プレート部材3の側面14〜17側から作用する衝撃力や外力に対し、第2プレート部材3を側壁6a〜6dによって確実に保護することができる。
【0050】
尚、上述の実施の形態において、第1プレート部材2と第2プレート部材3の組み付けの誤りを防止するため、第2プレート部材3の4コーナーのうちの1コーナーを斜めに切り欠いて組み付け目印部41を形成すると共に、この組み付け目印部41に係合する隅肉部42を第1プレート部材2の側壁6aと側壁6dの交差部分の内側に形成してある。
【0051】
また、上述の実施の形態は、説明の便宜上、生化学の分野の試験に供せられるキャピラリ電気泳動チップとして使用される試料取扱装置1を例示したが、これに限られず、本実施の形態の試料取扱装置1を合成化学,分析化学等の生化学以外の化学的な試験に広く適用することができる。
【0052】
また、上述の実施の形態において、第1の微細溝4及び第2の微細溝5を第1プレート部材2側に形成する態様を例示したが、これに限られず、第2プレート部材3の接着面3a側に形成してもよく、また、第1プレート部材2及び第2プレート部材3の両接着面2a,3a側にそれぞれ形成するようにしてもよい。
【0053】
また、上述の実施の形態の試料取扱装置1は、第1プレート部材2の側壁6a〜6dの高さを第2プレート部材3の外表面7から上方に出っ張るような高さに形成しているが、これに限られず、側壁6a〜6dの高さを第2プレート部材3の外表面7から出っ張らない高さに形成してもよい。
【0054】
また、上述の実施の形態の試料取扱装置1は、第1プレート部材2と第2プレート部材3とを接着剤で接合する態様を例示しているが、本発明における第1プレート部材2と第2プレート部材3との接合手段は、上述の実施態様に限定されるものでなく、レーザ溶着、超音波溶着、熱溶着等の接合手段を適用することもできる。
【0055】
また、上述の実施の形態において、第1プレート部材2と第2プレート部材3は、合成樹脂によって形成する態様を例示したが、本発明はこれに限られるものでなく、ガラス材料や金属材料を用いて形成することも可能である。また、ガラス材料や金属材料を用いて第1プレート部材2及び第2プレート部材3を形成した場合において、両部材2,3を接合する手段は、上述の実施の形態において例示した接合手段の他に、ガラス材料や金属材料の接合に好適な手段を適宜用いるようにしてもよい。
【0056】
(第1変形例)
上述の実施の形態は、第1プレート部材2上に第2プレート部材3を組み付けた後、第1プレート部材2の接着面2aと第2プレート部材3の接着面3aとの間に毛細管現象で接着剤を浸透させる態様を例示したが、これに限られず、第1プレート部材2に第2プレート部材3を組み付ける前に、第1プレート部材2の接着面2aと第2プレート部材3の接着面3aの少なくとも一方に予め接着剤を塗布しておいてもよい。
【0057】
(第2変形例)
また、上述の実施の形態において、第1の微細溝4及び第2の微細溝5の断面形状が正方形のものを例示したが、これに限られず、半円形,U字形,略三角形やその他の形状でもよい。
【0058】
(第3変形例)
また、上述の実施の形態において、突起35と突起36の個数や形成位置は、図1に示す態様に限られず、第1プレート部材2に対して第2プレート部材3を位置決めすることできると共に、第1プレート部材2に対して第2プレート部材3がずれ動くのを防止することができる限り、適宜変更することができる。例えば、保持部材8〜13の突起36のみを形成して、突起35を省略するようにしてもよい。また、側壁6a〜6dに突起35のみを形成し、保持部材8〜13の突起36を省略するようにしてもよい。
【0059】
(第4変形例)
また、上述の実施の形態において、保持部材8〜13のフック部21の下面24と、この下面24が当接する外側係合部20は、接着面2aとほぼ平行の面に形成されているが(図2参照)、図10に示すように、保持部材8〜13のフック部21の下面24と外側係合部20とを接着面2aに対して傾斜させて形成し、フック部21の下面24によって第2プレート部材3の外側係合部20(傾斜面)を斜め下方に押圧するようにしてもよい。このように構成すれば、第2プレート部材3の対向する側面14〜17を保持部材8〜13によって挟持することができると共に、第2プレート部材3を保持部材8〜13によって第1プレート部材2に押し付けることが可能になる。その結果、第2プレート部材3が第1プレート部材2に対してずれ動くのを保持部材8〜13によって効果的に防止でき、第1プレート部材2と第2プレート部材3との接着面2a,3aの剥がれを防止できる。
【0060】
(第5変形例)
また、上述の実施の形態において、第1プレート部材2の側壁6a〜6dは、保持部材8〜13を除き、第2プレート部材3の4つの側面14〜17のほぼ全域を囲むように形成されているが、これに限られず、図11に示すように、第2プレート部材の4コーナーを保護するように部分的に形成してもよい。このように構成しても、試料取扱装置1が落下等した際に、衝撃力が第2プレート部材3に直接作用することがなく、第1プレート部材2と第3プレート部材3との接着面2a,3aに外力が作用し難くなっているため、第1プレート部材2と第2プレート部材3が接着面2a,3aで剥がれを生じにくい。
【0061】
(第6変形例)
また、上述の実施の形態において、保持部材8〜13や内側保持部材26,27を省略し、図12に示すように、第1プレート部材2の側壁6a〜6dを連続して形成し、その側壁6a〜6dのそれぞれに、第2プレート部材3の側面14〜17の長手方向両端部側と長手方向略中央部とを位置決めする3個の突起35を形成するようにしてもよい。
【0062】
(第7変形例)
また、上述の実施の形態において、保持部材8〜13,内側保持部材26,27及び側壁6a〜6dを省略し、図13(a),(b)に示すように、第1プレート部材2を第2プレート部材3よりも大きく形成し、第1プレート部材2が第2プレート部材3の側面14〜17よりも側方に出っ張るように形成してもよい。このように構成すれば、落下時等において、大きな第1プレート部材2の方が小さな第2プレート部材3よりも先に床等に衝突しやすく、第1プレート部材2と第2プレート部材3とが同時に床等に衝突しにくくなっているため、第1プレート部材2と第2プレート部材3の接着面2a,3aに接着剥がれを生じさせるような大きな力が作用しにくい。
【0063】
(第8変形例)
また、上述の実施の形態において、側壁6a〜6dを省略し、図14に示すように、保持部材8〜13及び内側保持部材26,27によって、第2プレート部材3を第1プレート部材2上に位置決め固定するようにしてもよい。また、この図14に示す態様において、保持部材8〜13を省略し、内側保持部材26,27のみによって、第2プレート部材3を第1プレート部材2上に位置決め固定するようにしてもよい。また、図15に示すように、第2プレート部材3を保持部材8〜13によって第1プレート部材2上に位置決め固定するようにしてもよい。尚、図14に示す態様の場合には、保持部材8〜13の突起36で第2プレート部材3を第1プレート部材2に対してX−Y方向に位置決めし、保持部材8〜13のフック部21及び内側保持部材26,27のフック部30で第2プレート部材3を第1プレート部材2のZ方向に位置決め固定するようになっている。また、図15に示す態様の場合には、保持部材8〜13の突起36で第2プレート部材3を第1プレート部材2に対してX−Y方向に位置決めし、保持部材8〜13のフック部21で第2プレート部材3を第1プレート部材2のZ方向に位置決め固定するようになっている。
【0064】
(第9変形例)
また、上述の実施の形態において、第1の微細溝4と第2の微細溝5とで平面形状が十字形状の微細溝を第1プレート部材2に形成する態様を例示したが、Y字形状,湾曲形状やその他の複雑な形状の微細溝を第1プレート部材2に形成するようにしてもよい。
【0065】
(第10変形例)
また、上述の実施の形態において、薄板状の第1プレート部材2及び第2プレート部材3を接合して試料取扱装置1を形成する態様を例示したが、本発明はこれに限られるものでなく、薄板状でない様々な形状のブロック片(第1部材と第2部材)を接合して試料取扱装置を形成するようにしてもよい。この場合において、各ブロック片の接合面に試料を移動等させる微細溝等の凹部が形成される。
【0066】
(第11変形例)
また、上述の実施の形態において、第1プレート部材(第1部材)2と第2プレート部材(第2部材)3の一方を複数の部分に分割し、この分割した部分を両部材2,3の他方に接合するようにしてもよい。
【0067】
(第12変形例)
また、上述の実施の形態においては、一の部材(例えば、第1プレート部材2)の表面に、微細溝(第1の微細溝4,第2の微細溝5)を形成し、この微細溝が形成された表面を、他の部材(第2プレート部材3)で覆うことにより、内部に微小な流路を有する装置を形成し、その流路内において試料を移動可能に構成した試料取扱装置1を例示して説明したが、本発明は、これに限られるものでなく、少なくとも2つの部材が接合されることにより構成される試料取扱装置であって、装置内を移動、貯蔵又は保持可能なように構成された試料取扱装置に適用することが可能である。例えば、上述の実施の形態のような、試料が第1の微細溝4及び第2の微細溝5内を移動するように構成された試料取扱装置の他に、第1部材と第2部材のいずれか一方(基材)の表面に試料を貯蔵することができる複数のウェルをアレイ状に形成し、この基材の表面に保護部材(第1部材と第2部材のいずれか他方)を接合して、その保護部材によってウェルの開口部を覆い、ウェル内部の試料をその保護部材によって保護するようにした試料取扱装置にも本発明が適用される。加えて、本発明は、第1プレート部材(第1部材)2と第2プレート部材(第2部材)3の接合部に試料を移動させるマイクロチャネル(第1凹部)と試料を収容するマイクロウェル(第2凹部)とを混在させるように形成してもよい。
【0068】
(第13変形例)
また、本発明は、図16に示すように、内側保持部材26,27の支柱部28,28の側面に穴31の壁面に突き当てられる突起50を形成し、支柱部28,28を弾性変形させた状態で突起50を穴31の壁面に押し付けるようにすれば、一対の突起50,50がそれぞれ図中X方向の反対方向に向かう力を穴31の壁面に作用させる。その結果、内側保持部材26,27が穴31で突っ張り、内側保持部材26,27の突起50,50と穴31の壁面との接触部に生じる摩擦力によって、第2プレート部材3が第1プレート部材2に保持される。このような本変形例によれば、上述の第1の実施の形態の効果と相俟って、より一層大きな力で第1プレート部材2と第2プレート部材3とを一体化することができる。尚、本変形例は、その基本的構成が上述の実施の形態と同様であるから、上述の実施の形態と同一の構成部分には同一の符号を付し、重複することになる説明を省略する。
【0069】
(第14変形例)
上述の実施の形態は、保持部材8〜13のフック部21を第2プレート部材3の外側係合部20に係合させる態様を例示したが、本発明はこれに限られず、第2プレート部材3に外側係合部20を形成せずに、保持部材8〜13のフック部21を第2プレート部材3の外表面7に直接引っかけるようにしてもよい。このようにすれば、第2プレート部材3の外表面7の一部を凹ませて外側係合部20を形成する必要がなくなる。
【0070】
(第15変形例)
また、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、例えば、図1において、保持部材13によって第2プレート部材3を第1プレート部材2の側壁6b側に押圧し、保持部材13と側壁6bとによって第2プレート部材3を挟持して第1プレート部材2に保持するようにしてもよい。このように、保持部材8〜13とこれに対向する第1プレート部材2の側壁6a〜6dとで第2プレート部材3を保持しても、第1プレート部材2と第2プレート部材3の接合面の剥離を効果的に防止できる。
【0071】
【発明の効果】
以上のように本発明は、第1部材と第2部材とを接合して形成される試料取扱装置に関するものであり、第1部材と第2部材を剥離する方向に外力が作用しにくい構成になっているため、第1部材と第2部材の接合面の剥がれに起因する試料取扱装置の破損を効果的に防止することができると共に、第1部材と第2部材の接合面の部分的な破損に伴って所望の機能が損なわれるのを効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る試料取扱装置の平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿って切断して示す試料取扱装置の断面図である。
【図3】図1の試料取扱装置を構成する第1プレート部材の平面図である。
【図4】図3のB−B線に沿って切断して示す第1プレート部材の断面図である。
【図5】図1の試料取扱装置を構成する第2プレート部材の平面図である。
【図6】図5のC−C線に沿って切断して示す第2プレート部材の断面図である。
【図7】本発明の実施の形態とは別の態様を示す第1プレート部材の平面図である。
【図8】本発明の実施の形態とは別の態様を示す第2プレート部材の平面図である。
【図9】図7に示す第1プレート部材と図8に示す第2プレート部材を接着固定してなる試料取扱装置の部分断面図である。
【図10】本発明の実施の形態の第4変形例に係る試料取扱装置の保持部材の係合状態を示す一部拡大断面図である。
【図11】本発明の実施の形態の第5変形例に係る試料取扱装置の平面図である。
【図12】本発明の実施の形態の第6変形例に係る試料取扱装置の平面図である。
【図13】本発明の実施の形態の第7変形例に係る試料取扱装置の平面図であり、図13(a)が試料取扱装置の平面図であって、図13(b)が試料取扱装置の部分的な側面図である。
【図14】本発明の実施の形態の第8変形例に係る試料取扱装置の第1の態様を示す平面図である。
【図15】本発明の実施の形態の第8変形例に係る試料取扱装置の第2の態様を示す平面図である。
【図16】本発明の実施の形態の第13変形例に係る試料取扱装置の断面図であり、図2に対応する図である。
【符号の説明】
1……試料取扱装置、2……第1プレート部材(第1部材)、3……第2プレート部材(第2部材)、4……第1の微細溝(凹部)、5……第2の微細溝(凹部)、6a〜6d……側壁、7……外表面、8〜13……保持部材、14〜17……側面、20……外側係合部(傾斜面)、21,30……フック部、25……内側係合部、26,27……内側保持部材、31……穴、35,36……突起
Claims (9)
- 平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成され、
前記側壁には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面に当接する突起が形成され、
この突起によって、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方が前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に対して位置決めされるようになっており、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成され、
この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持する、
ことを特徴とする試料取扱装置。 - 平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方は、前記保持部材と対向する前記側壁に前記保持部材によって押圧され、前記保持部材とこの保持部材に対向する前記側壁とで挟持されるようになっており、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成され、
この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持する、
ことを特徴とする試料取扱装置。 - 平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の対向する前記側面が、前記保持部材によって挟持されるようになっており、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成され、
この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持する、
ことを特徴とする試料取扱装置。 - 平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成され、
前記保持部材には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の外表面に係合するフック部が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方は、前記保持部材と対向する前記側壁に前記保持部材によって押圧され、前記保持部材とこの保持部材に対向する前記側壁とで挟持されるようになっており、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成され、
この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持する、
ことを特徴とする試料取扱装置。 - 平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成され、
前記保持部材には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の外表面に係合するフック部が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の対向する前記側面が、前記保持部材によって挟持されるようになっており、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成され、
この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持する、
ことを特徴とする試料取扱装置。 - 平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の前記保持部材に対向する部分には、傾斜面である外側係合部が形成され、
前記保持部材には、前記外側係合部に係合する傾斜面を備えたフック部が形成され、
前記外側係合部に前記フック部の傾斜面が係合することにより、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方が前記保持部材のフック部の傾斜面によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方側へ付勢され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方は、前記保持部材と対向する前記側壁に前記保持部材によって押圧され、前記保持部材とこの保持部材に対向する前記側壁とで挟持されるようになっており、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成され、
この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持する、
ことを特徴とする試料取扱装置。 - 平面形状がほぼ矩形形状の第1部材と第2部材の表面同士を接合固定して形成される試料取扱装置において、
前記第1部材と前記第2部材の少なくとも一方の他方に対向する表面には、試料を移動させる凹部と試料を収容する凹部の少なくとも一方が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方には、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の側面側に突出する側壁が、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の少なくともコーナー部に対応する位置に形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方で、且つ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の前記側壁を部分的に切り欠いた部分には、前記側壁とは別に独立して弾性変形できるように保持部材が形成され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の前記保持部材に対向する部分には、傾斜面である外側係合部が形成され、
前記保持部材には、前記外側係合部に係合する傾斜面を備えたフック部が形成され、
前記外側係合部に前記フック部の傾斜面が係合することにより、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方が前記保持部材のフック部の傾斜面によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方側へ付勢され、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の対向する前記側面が、前記保持部材によって挟持されるようになっており、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に形成された穴に係合する内側保持部材が少なくとも一対形成され、
この一対の内側保持部材を前記穴内で突っ張らせて、前記穴内のほぼ対向する壁面を前記一対の内側保持部材の一方と他方でそれぞれ反対方向に付勢し、前記一対の内側保持部材と前記穴との接触部に生じる摩擦抵抗によって前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方を前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に保持する、
ことを特徴とする試料取扱装置。 - 前記内側保持部材及び前記穴が前記凹部の近傍位置に形成された、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の試料取扱装置。 - 前記内側保持部材の頂部が前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の外表面よりも突出しないように形成された、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の試料取扱装置。
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