JP4525990B2 - 自穿孔ロックボルト用カプラー - Google Patents

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和夫 木内
義康 高橋
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岡部株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、定寸の自穿孔ロックボルトを連結して延長するための自穿孔ロックボルト用カプラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート、石材、煉瓦、岩盤等が軟弱な場合は、削孔後孔壁が自立しないことが多くて削孔ロッドの引抜きが不可能になったり、ロックボルトの挿入が不可能になったりする。そこで、ロックボルトを用いて削孔して、ロックボルトを埋め殺しにするロックボルトの施工が行なわれることがある。
【0003】
この自穿孔ロックボルトの施工では、中空ねじ式の自穿孔ロックボルトを用い、中空部からグラウト材を注入して埋め殺しにするものがあるが、穿孔長さが自穿孔ロックボルトの長さを越える場合は、ボルト端部同士を筒体に螺着して自穿孔ロックボルトを継ぎ足している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この自穿孔ロックボルトの施工では、中空ねじ式の自穿孔ロックボルトを用い、中空部からグラウト材を注入して埋め殺しにするものがあるが、穿孔長さが自穿孔ロックボルトの長さを越える場合は、ボルト端部同士を自穿孔ロックボルト用カプラーの筒体に螺着して自穿孔ロックボルトを継ぎ足している。
【0005】
一般的に自穿孔ロックボルトの使用方法は、地盤に挿入しグラウト材で定着し、支圧板などを固定することにより、斜面を安定するためであるが、このとき、地盤の削孔と自穿孔ロックボルトとの間には隙間があり、これをグラウト材で充填するわけであるが、削孔は、斜面に対してほぼ直角にするので、自穿孔ロックボルトは斜めに挿入され、そのため自穿孔ロックボルト用カプラーの筒体は孔壁と接触することになり、地中の水分による錆の脅威にさらされている。
【0006】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、地中の水分による錆の脅威を少しでも少なくすることと、削孔時の摩擦を少なくして作業性を向上する自穿孔ロックボルト用カプラーを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0008】
請求項1記載の発明は、『ボルト端部同士を筒体に螺着して自穿孔ロックボルトを継ぎ足す自穿孔ロックボルト用カプラーにおいて、
前記筒体の外周面に、複数個の半球形状の突起を形成し、
前記複数個の半球形状の突起が、前記筒体の外周面に螺旋状となる位置に形成されていることを特徴とする自穿孔ロックボルト用カプラー。』である。
【0009】
この請求項1記載の発明によれば、筒体の外周面に、複数個の半球形状の突起を形成したから、外周面の複数個の半球形状の突起により削孔時のくり粉が排出しやすい。また、自穿孔ロックボルトにグラウト注入管を接続し、中空部からグラウト材を中空孔部分より口元からリターンするまでグラウト材を注入するときに、グラウト材がリターンし易い。さらに、複数個の半球形状の突起の表面しか地盤と接触しないので、地中の水分による防錆の点からも優れている。また、筒体の外周面に、半球形状の突起を螺旋状となる位置に形成したから、外周面の半球形状の突起により削孔時のくり粉が排出しやすい。また、自穿孔ロックボルト1にグラウト注入管を接続し、中空部からグラウト材を中空孔部分より口元からリターンするまでグラウト材を注入するときに、グラウト材がリターンし易い。さらに、半球形状の突起の表面しか地盤と接触しないので、地中の水分による防錆の点からも優れている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の自穿孔ロックボルト用カプラーの実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は自穿孔ロックボルトの削孔方法を説明する図である。この実施の形態では、図1(a)に示すように、中空ねじ式の自穿孔ロックボルト1を準備し、自穿孔ロックボルト1の先端部1aには刃部2が設けられている。
【0018】
この自穿孔ロックボルト1は、図1(b)に示すように、その基部1bを穿孔機3のアダプター4に挿着される。即ち、アダプター4は穿孔機3に着脱可能に設けられ、このアダプター4には取付穴4aが形成されている。自穿孔ロックボルト1の基部1bを穿孔機3のアダプター4の取付穴4aに着脱可能に挿着される。アダプター4の取付穴4aは、自穿孔ロックボルト1の基部1bが挿入可能であり、一体回転可能な断面形状を有している。
【0019】
自穿孔ロックボルト1が挿着された穿孔機3は、穿孔機3の作動により自穿孔ロックボルト1を回転と打撃により地山5に削孔6を所定深さまで穿孔する。
【0020】
穿孔長さが自穿孔ロックボルト1の長さを越える場合は、図1(c)に示すように、穿孔機3及びアダプター4を取り外し、自穿孔ロックボルト用カプラー7の筒体8を自穿孔ロックボルト1の基部1bに螺着し、この筒体8に別の自穿孔ロックボルト1の先端部1aを螺着して継ぎ足す。
【0021】
この継ぎ足した別の自穿孔ロックボルト1の基部1bにアダプター4を介して穿孔機3を接続し、図1(d)に示すように、穿孔機3の作動により自穿孔ロックボルト1を回転と打撃により地山5に削孔6を所定深さまで穿孔し、穿孔終了後に自穿孔ロックボルト1からアダプター4を取り外す。
【0022】
次に、図1(e)に示すように、自穿孔ロックボルト1の基部1bにグラウト注入管9を接続し、中空部からグラウト材を中空孔部分より口元からリターンするまでグラウト材を注入する。グラウト材が硬化したら、図1(f)に示すように、角座金10、ナット11を付け施工が終了し、自穿孔ロックボルト用カプラー7により継ぎ足したそれぞれの自穿孔ロックボルト1を埋め殺しにする。
【0023】
次に、自穿孔ロックボルト用カプラーによる自穿孔ロックボルトの継ぎ足しを説明する。図2は自穿孔ロックボルト用カプラーを示し、図2(a)は自穿孔ロックボルト用カプラーの側面図、図2(b)自穿孔ロックボルト用カプラーの側面図である。図3は自穿孔ロックボルト用カプラーの断面図であり、図3(a)は自穿孔ロックボルトを接続する前の断面図、図3(b)は自穿孔ロックボルトを接続した状態の断面図である。
【0024】
自穿孔ロックボルト用カプラー7は、ボルト端部同士を筒体8に螺着して自穿孔ロックボルト1を継ぎ足すものであり、図2に示すように、筒体8の外周面に、半球形状の突起8a〜8hを螺旋状となる位置に形成している。筒体8の表面端部8kは、テーパー状になっている。
【0025】
この実施の形態では、突起8a〜8hが筒体8の外周面に120°の位置を変えて形成されているが、これに限定されない。このように筒体8の外周面に、半球形状の突起8a〜8hを螺旋状となる位置に形成したから、外周面の半球形状の突起8a〜8hにより削孔時のくり粉が排出しやすい。また、自穿孔ロックボルト1にグラウト注入管9を接続し、中空部からグラウト材を中空孔部分より口元からリターンするまでグラウト材を注入するときに、グラウト材がリターンし易い。さらに、半球形状の突起8a〜8hの表面しか地盤と接触しないので、地中の水分による防錆の点からも優れている。
【0026】
自穿孔ロックボルト用カプラー7は、図3に示すように、筒体8の内周面には雌螺子8iが形成され、面取りが施されているボルト端部同士が接触するが、略中央を超えて反対側に出さないようにするストッパー手段Aを有している。この実施の形態では、ストッパー手段Aがボルト端部の面取り部より小さい突起8jであり、筒体8の内周面に環状に形成されており、簡単な構造で自穿孔ロックボルト1の面取り部1dが当接し移動を規制するから、ボルト端部同士が接触するが、略中央を超えて反対側に出さないようにすることができる。
【0027】
このように接続する自穿孔ロックボルト1のボルト端部同士が接触するので、自穿孔ロックボルト1の削孔時の打撃荷重は、削孔機側から手前の自穿孔ロックボルト1、その次の自穿孔ロックボルト1ヘ直接繋がり、間にある自穿孔ロックボルト用カプラー8には繋がらないので、効率良く先端ビットに引き継がれる。また、自穿孔ロックボルト1同士は、略中央を超えて反対側に出ないので、それだけ接続の作業効率がよい。
【0028】
図4は自穿孔ロックボルト用カプラーの他の実施の形態を示す断面図である。この実施の形態では、ストッパー手段Aが略中央で雌螺子8iのピッチを中央部8i1でずらした形状であり、簡単な構造で自穿孔ロックボルト1のボルト端部同士が接触し、しかも自穿孔ロックボルト1同士は、略中央を超えて反対側に出ないので、それだけ接続の作業効率がよい。
【0029】
【発明の効果】
前記したように、請求項1記載の発明では、筒体の外周面に、複数個の半球形状の突起を形成したから、外周面の複数個の半球形状の突起により削孔時のくり粉が排出しやすい。また、自穿孔ロックボルトにグラウト注入管を接続し、中空部からグラウト材を中空孔部分より口元からリターンするまでグラウト材を注入するときに、グラウト材がリターンし易い。さらに、複数個の半球形状の突起の表面しか地盤と接触しないので、地中の水分による防錆の点からも優れている。また、筒体の外周面に、半球形状の突起を螺旋状となる位置に形成したから、外周面の半球形状の突起により削孔時のくり粉が排出しやすい。また、自穿孔ロックボルト1にグラウト注入管を接続し、中空部からグラウト材を中空孔部分より口元からリターンするまでグラウト材を注入するときに、グラウト材がリターンし易い。さらに、半球形状の突起の表面しか地盤と接触しないので、地中の水分による防錆の点からも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】自穿孔ロックボルトの削孔方法を説明する図である。
【図2】自穿孔ロックボルト用カプラーを示し、図2(a)は自穿孔ロックボルト用カプラーの側面図、図2(b)自穿孔ロックボルト用カプラーの側面図である。
【図3】自穿孔ロックボルト用カプラーの断面図であり、図3(a)は自穿孔ロックボルトを接続する前の断面図、図3(b)は自穿孔ロックボルトを接続した状態の断面図である。
【図4】自穿孔ロックボルト用カプラーの他の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 自穿孔ロックボルト
7 自穿孔ロックボルト用カプラー
8 筒体
8a〜8h 突起

Claims (1)

  1. ボルト端部同士を筒体に螺着して自穿孔ロックボルトを継ぎ足す自穿孔ロックボルト用カプラーにおいて、
    前記筒体の外周面に、複数個の半球形状の突起を形成し、
    前記複数個の半球形状の突起が、前記筒体の外周面に螺旋状となる位置に形成されていることを特徴とする自穿孔ロックボルト用カプラー。
JP33274198A 1998-11-24 1998-11-24 自穿孔ロックボルト用カプラー Expired - Lifetime JP4525990B2 (ja)

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