JP4524846B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧水、乳液、クリーム、パック等の化粧料に関するものであり、使用時の感触が優れ、保湿効果の持続性及び水洗い後の保湿効果にも優れる化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、化粧料へ配合される保湿剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類やヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等の多糖類、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸塩等の天然保湿因子が知られている。
一方、生体膜構成成分であるリン脂質を化粧料へ応用する試みも数多くなされている。天然のリン脂質は分子内に2本の炭素鎖である疎水基と、ホスホリルコリン基等の極性基を有する。このホスホリルコリン基は、双性イオン基であるために、水との親和性が高く、10倍モル以上の水分子と水和する知見が得られており、リン脂質自体、あるいはリン脂質の集合体であるリポソームを化粧料に配合する研究も行われている。
しかし、天然のリン脂質には、不飽和脂肪酸由来の経時的な変臭、変色や、リポソームとして化粧料に配合する場合に沈殿が生じるといった安定性の問題がある。また、保湿剤という観点からは、ホスホリルコリン基を1つしか有していないため、十分な保湿能が望めないという欠点も知られている。
これに対し、両末端にホスホリルコリン類似基を有する化合物が、特表平8−502298号公報や米国特許第5811568号明細書に開示されているが、これらは真菌感染症に対する抗真菌剤として開示されているのみであり、保湿剤や化粧料としての利用については、全く知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決し、使用時の感触が優れ、保湿効果の持続性及び水洗い後の保湿効果にも優れるホスホリルコリン類似誘導体を含有する化粧料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記問題点に鑑み鋭意検討した結果、特定のホスホリルコリン類似誘導体が化粧料原料として優れた保湿性を有することを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明は次の[1]〜[3]である。
[1] 下記の式(1)で表されるホスホリルコリン類似誘導体を有効成分として含有する化粧料である。
【0005】
【化2】
Figure 0004524846
【0006】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基又は炭素数1〜6のヒドロキシ炭化水素基のうちいずれかを示し、Aは炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基を示し、n及びmはそれぞれ独立に2〜4の整数を示し、kは2または3の整数を示す。)
[2] 式(1)で表されるホスホリルコリン類似誘導体のR1、R2、R3、R4、R5およびR6がメチル基であり、n及びmが2、kが2である前記[1]に記載の化粧料である。
[3] 式(1)で表されるホスホリルコリン類似誘導体を0.01重量%〜20重量%含有する前記[1]または[2]に記載の化粧料である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるホスホリルコリン類似誘導体(以下PC誘導体と略す)は、式(1)で表わされる。
【0008】
【化3】
Figure 0004524846
【0009】
式(1)において、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基を示す。炭素数1〜6の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基である。
また、炭素数1〜6のヒドロキシ炭化水素基としては、例えば、上記の炭素数1〜6の炭化水素基にヒドロキシ基を付与した基が挙げられる。
式(1)において、Aは炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基を示す。炭素数2〜8のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、1−エチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、テトラメチレン基等が挙げられ、好ましくはエチレン基、プロピレン基である。
式(1)において、n及びmはそれぞれ独立に2〜4の整数を示し、好ましくは2である。また、kは2または3の整数であり、好ましくは2である。
最も好ましい式(1)で表される化合物は、R1、R2、R3、R4、R5およびR6がすべてメチル基で、Aがエチレン基で、m、n、kが2の場合である。
【0010】
本発明に用いられる式(1)で表されるPC誘導体は、既知の有機合成化学の知識を屈指することにより得ることができるが、特表平8−502298号公報や米国特許第5811568号明細書に記載された方法により得ることもできる。例えば、米国特許第5811568号明細書によれば、両末端に水酸基を有するジオールとオキシ塩化リンを反応させ、次いでコリントシレートを反応させてPC誘導体を得ることができる。
【0011】
本発明に用いる式(1)で表されるPC誘導体は、公知の化粧料一般に含有させて使用することができる。特に式(1)で表されるPC誘導体は、水やアルコールに容易に溶解するため、公知の化粧料一般に含有させることにより、特別に界面活性剤や乳化剤を添加することなしに、沈殿を起こさせることもなく、容易にPC誘導体含有化粧料とすることができる。
【0012】
さらに、本発明に用いるPC誘導体は、低分子化合物であり、従来用いられている糖や合成重合体特有のべたつき感がなく、本発明に用いるPC誘導体は、例えば、化粧水等に配合するだけで、使用感も良好な汎用性のある化粧品原料として使用することができる。これらの化粧料は、一般に知られている方法で容易に調製可能である。
PC誘導体を配合することができる化粧料一般としては、公知の化粧料であればいかなるものでもよいが、例えば、化粧水、ミルクローション、ファンデーション、保湿クリーム、ハンドクリーム等のスキンケア化粧料;ヘアローション、シャンプー、ヘアトニック、ヘアクリーム等の毛髪用化粧料;口紅、おしろい類等のメイクアップ化粧料;シェービングローション;日焼け止め剤;パック;香水;浴用化粧品類が挙げられる。
PC誘導体の前記化粧料一般への配合量は、化粧料全量に対して0.01重量%〜20重量%含有させるのが好ましく、更に好ましくは0.05重量%〜5重量%含有させるのがよい。0.01重量%未満では水洗いした後の保湿性が弱くなり、20重量%を超えるとべたつき感が増大して使用感が損なわれる。
このうち、PC誘導体を含有することができる化粧料として、特に好ましい形態であるスキンケア化粧料、毛髪用化粧料についてさらに詳細に説明する。
【0013】
(スキンケア用化粧料)
本発明のPC誘導体を含有する化粧料は、例えば、スキンケア用にも特に優れている。
スキンケア用化粧料は、式(1)で表されるPC誘導体を、スキンケア用化粧料として知られる処方成分に適宜添加、または代替え成分として配合して調製することで得ることができる。
【0014】
スキンケア用化粧料は、種々の使用形態をとることができ、例えば、化粧水、ローション、クリーム、パック等の使用形態をとることができる。剤型も、液状、クリーム状、水性エマルジョン状、ゲル状等とすることができる。
PC誘導体の配合量は、スキンケア用化粧料全量に対して0.01重量%〜20重量%含有させるのが好ましく、更に好ましくは0.05重量%〜5重量%含有させるのがよい。0.01重量%未満では水洗いした後の保湿性が弱くなり、20重量%を超えるとべたつき感が増大して使用感が損なわれる恐れがあるので好ましくない。
【0015】
また、スキンケア化粧料には、更なる保湿効果の増大をさせるため、本発明の性能を損なわない範囲で、その他の保水剤等と併用してもよい。前記の保水剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等の多価アルコールやヒアルロン酸、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン等の多糖類及びその塩、ピロリドンカルボン酸塩、乳酸塩、尿素等の天然保湿因子が挙げられる。これらの保水剤を1種または2種以上を適宜配合してもよい。
【0016】
尚、スキンケア化粧料には、化粧料に常用されている添加剤を本発明の性能を損なわない範囲で配合することも可能である。
前記の添加剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、固形パラフィン等の炭化水素系油;牛脂、豚脂、魚油等の天然油脂類;トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等の合成トリグリセライド、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル等のエステル油;ミツロウ、カルナバロウ等のロウ類;直鎖及び環状のジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン誘導体;セラミド、コレステロール、蛋白質誘導体、ラノリン、ラノリン誘導体、レシチン等の油性基剤;石鹸、アシルメチルタウリン塩、アミドエーテル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤;アミドアミノ酸塩、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド、アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム等の陽イオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド等の半極性界面活性剤;アルギン酸、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム等の水溶性高分子;リンゴ酸、食塩等の有機又は無機塩類;pH調整剤である酸及びアルカリ;殺菌剤;キレート剤;抗酸化剤;紫外線吸収剤;動植物由来の天然エキス;色素及び香料等を適宜配合できる。
【0017】
(毛髪用化粧料について)
本発明のPC誘導体を含有する化粧料としては、毛髪用にも特に優れている。
毛髪用化粧料は、式(1)で表されるPC誘導体を、毛髪用化粧料として知られる処方成分に適宜添加、または代替え成分として配合して調製することで得ることができる。本発明の毛髪用化粧料は種々の使用形態をとることができ、例えば、一般整髪料、シャンプー、リンス、トリートメント、パーマネントウエーブ液等の使用形態をとることができる。剤型は、特に限定されず、例えば、液状、クリーム状、水性エマルジョン状、ゲル状等とすることができる。
【0018】
本発明のPC誘導体を含有する化粧料を毛髪用化粧料として調製する場合、式(1)で表されるPC誘導体を、従来から知られているようなグリセリン、ジプロピレングリコール、ヒアルロン酸等の保湿剤と併用してもよい。さらに、界面活性剤、増粘剤、乳濁剤、コンディショニング剤、油脂類、高級脂肪酸エステル、着色剤、防腐剤、香料等の種々の添加剤を併用することもできる。
【0019】
毛髪用化粧料の特に好ましい使用形態は、エアゾール式ヘアスプレー、ポンプ式ヘアスプレー、フォーム状エアゾール、ヘアミスト、セットローション、ヘアスタイリングジェル、ヘアリキッド、ヘアクリームなどの整髪料が含まれ、これらは可溶化、乳化、油−水2層系、油−水−粉末3層系のいずれでもかまわない。
PC誘導体の毛髪用化粧料への配合量は、使用形態に合わせて適宜決定されて良いが、特に、一般整髪料、シャンプー、リンス、トリートメント、パーマネントウエーブ液等を調製する場合には式(1)で表されるPC誘導体を0.01重量%〜20重量%含有させるのが好ましく、さらに好ましくは0.1重量%〜5重量%含有させるのがよい。
【0020】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、特定の構造のPC誘導体を含有するので、使用時の感触が軽く使用後もべたつかず、保湿効果の持続性及び水洗い後の保湿効果に優れる化粧料である。
【0021】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
合成例1;PC誘導体の合成。
温度計、滴下装置、かき混ぜ機を付した300mlの丸底フラスコに、2−クロロ−オキソ−1、3、2−ジオキサホスホランを28.50g(0.20mol)およびアセトニトリル150mlを加えて4℃に冷却した後、滴下漏斗にジエチレングリコール10.61g(0.10mol)、ジイソプロピルアミン20.24g(0.20mol)およびアセトニトリル50mlを加え、この混合溶液を、反応温度が10℃を越えないように、かきまぜながら、2時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後、冷却を中止し、反応液の温度を徐々に20℃に上げ、さらに2時間かきまぜ続けた。副生成物として析出したジイソプロピルアミン塩酸塩を濾別した。得られた濾液にアセトニトリル100mlを加え、1リットルの密栓付き耐圧容器に移し替えた。この耐圧容器にトリメチルアミン23.64g(0.40mol)を加えて密栓し、70℃で24時間かき混ぜた。反応液から過剰のトリメチルアミンとアセトニトリル50mlを留去し冷却後、析出した結晶をドライボックス中で濾別し、減圧乾燥し、白色粗結晶40.0gを得た。
【0022】
さらに得られた粗結晶を2−プロパノール/アセトニトリル混合溶媒から再結晶し、白色結晶20.5gを得た。
得られた白色結晶のNMR分析、質量分析の結果を以下に示す{NMR分析にはJEOL JNM−EX−270(日本電子(株)製)を用いた。質量分析にはJEOL JMS−700(日本電子(株)製)を用い、イオン化方法としてFab(pos)でn−ニトロベンジルアルコールをマトリックスとして用いた。}。
1H−NMR(δ(ppm)、D2O、内部標準DSS):3.39(18H、s、−N(CH 3 3 )、3.67(4H、m、POCH2 CH 2 CH 2 CH2OP)、3.76(4H、m、−CH2 CH 2 N(CH33)、4.02(4H、m、POCH 2 CH2OCH2 CH 2 OP)、4.32(m、4H、−CH 2 CH2N(CH33
31P−NMR(δ(ppm)、D2O、外部標準H3PO4): 0.86(m)質量分析:Mw:436.38
メインピークとして M+1=437が観測された。
これらの結果から、得られた化合物は、下記式(2)で表わされる化合物であることを確認した。
【0023】
【化4】
Figure 0004524846
【0024】
実施例1〜4;式(2)で表されるPC誘導体を含有した保湿剤水溶液の調製及び評価。
合成例1で得た式(2)で表されるPC誘導体を用いて、化粧料の保湿効果、水洗い後の保湿持続効果、使用性について検討を行った。すなわち、表1に示した処方(表中、各原料の右横欄の数値は重量%を示す)の保湿剤水溶液を調製し、以下の試験方法により保湿効果、水洗い後の保湿持続効果、使用性について評価を行った。結果を表1に示す。
(試験方法)
女性(20〜35歳)パネル15名の前腕内側部を石鹸洗浄した後、パネルに20℃、50%の恒温恒湿室で20分間待機してもらい、角質層中の水分量を高周波インピーダンスメーター(SKICON200、IBS社製)で測定した。続いて表1の保湿剤水溶液を試験部位に2μL塗布し、30分後の角質層中の水分量を測定した。次に塗布部分を水洗し、60分後の角質水分量を測定した。保湿性評価は塗布前の角質水分量との比で行った。
使用感の評価は、上記パネルにより官能試験を下記のような評価採点基準に従って行った。結果は、15名の平均点で評価した。
〈評価基準〉
2点:使用感が非常によい
1点:ややべたつく
0点:べたつき感があり、使用感が良くない
【0025】
比較合成例1;式(3)で表わされるPC誘導体
出発原料としてジエチレングリコールの代わりに1,5−ペンタンジオールを10.42g(0.10mol)用いた以外、合成例1と同様の方法でPC誘導体の合成を行い、微黄褐色オイル状の化合物28.4gを得た。
分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、D2O、内部標準DSS):1.48(2H、m、−CH2CH2 CH 2 CH2CH2−)、1.66(4H、m、−CH2 CH 2 CH2 CH 2 CH2−)、3.21(18H、s、−N(CH 3 3 )、3.66(4H、m、−CH2 CH 2 N(CH33)、3.90(4H、m、−CH 2 CH2CH2CH2 CH 2 −)、4.28(m、4H、−CH 2 CH2N(CH33
31P−NMR(δ(ppm)、D2O、外部標準H3PO4): 1.08(m)質量分析:Mw:434.41
メインピークとして M+1=435が観測された。
以上の結果から、得られたPC誘導体は、下記の式(3)で表わされる化合物であることを確認した。
【0026】
【化5】
Figure 0004524846
【0027】
比較例1;比較合成例1の式(3)のPC誘導体を含有した保湿剤水溶液の調製及び評価。
比較合成例1で得られた式(3)で表される化合物を用いて、表1の処方(表中、各原料の右横欄の数値は重量%を示す)に基づいて保湿剤水溶液を調製し実施例1〜4と同様の試験方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0028】
比較例2〜4;一般的な保湿剤を含有した保湿剤水溶液の調製及び評価。
一般的な保湿剤成分として知られるグリセリン(比較例2)、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(比較例3)、ジパルミトイルホォスファチジルコリン(比較例4)を含有した保湿剤水溶液を、それぞれ表1に示す処方(表中、各原料の右横欄の数値は重量%を示す)で調製し、実施例1と同様の試験方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
Figure 0004524846
【0030】
以上の結果より、本発明の実施例である、式(1)で表されるPC誘導体成分を含有した保湿剤水溶液は、いずれも使用時の感触が軽く使用後もべたつかず、保湿効果の持続性及び水洗い後の保湿効果に優れ、使用感にも優れていたことがわかる。但し、実施例1ではPC誘導体の配合量が少ないため、特に水洗い後の保湿効果が小さくなっていたが実用上の問題はない。又、実施例4では、配合量が多いため、べたつきを有し、使用感が悪化しているものの、実用に供せないほどではない。
一方、比較例1〜4では化粧料としての十分な性能が得られていなかった。比較例1では水洗後も保湿効果が認められるが、式(3)で表される化合物の両端の2個のホスホリルコリン類似基間のスペーサーがアルキル鎖のために、使用量が同じである場合、例えば実施例3との比較では、式(1)に該当するPC誘導体成分の発揮する保湿効果には及ばなかった。
式(2)で表されるPC誘導体を用いた保湿剤水溶液は、汎用の保湿剤やリン脂質よりも保湿効果に優れていることが判る。比較例3では保湿効果において高いスコアを示しているが、水洗い後の保湿持続効果に欠けており、本発明の成分を用いた保湿剤水溶液に比べて劣っていることがわかる。

Claims (3)

  1. 下記の式(1)で表されるホスホリルコリン類似誘導体を有効成分として含有する化粧料。
    Figure 0004524846
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基又は炭素数1〜6のヒドロキシ炭化水素基のうちいずれかを示し、Aは炭素数2〜8の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基を示し、n及びmはそれぞれ独立に2〜4の整数を示し、kは2または3の整数を示す。)
  2. 式(1)で表されるホスホリルコリン類似誘導体のR1、R2、R3、R4、R5およびR6がメチル基であり、n及びmが2、kが2である請求項1に記載の化粧料。
  3. 式(1)で表されるホスホリルコリン類似誘導体を0.01重量%〜20重量%含有する請求項1または2に記載の化粧料。
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