JP2001181289A - ホスホリルコリン誘導体及び化粧料 - Google Patents
ホスホリルコリン誘導体及び化粧料Info
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Abstract
ホスホリルコリン誘導体及びそれを用いた化粧料を提供
すること。 【解決手段】式(1)の、1分子中に2以上のホスホリル
コリン類似基を含むホスホリルコリン誘導体及び化粧
料。 【化1】 (R1:C1〜24の炭化水素残基等、R2:H等。R3、
R4、R5:H等。q:2〜4の整数。A1、A2:C2〜
8のアルキレン基。n、m、s、t:0〜500の整
数。n+m≧1。Zはホスホリルコリン類似基等。a、
b、c:0〜8の整数。a+b+c≧2、R1がH又は
C1〜24の炭化水素残基の場合、bは2〜8の整数、
aが1で、R1がホスホリルコリン類似基の場合、bは
1〜8の整数。)
Description
等に利用可能な新規なホスホリルコリン誘導体に関す
る。
ては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多
価アルコール類や、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸
ナトリウム等の多糖類、アミノ酸、ピロリドンカルボン
酸塩等の天然保湿因子が知られている。一方、生体膜構
成成分であるリン脂質を化粧料へ応用する試みも数多く
なされている。天然のリン脂質は分子内に2本の炭素鎖
である疎水基と、ホスホリルコリン誘導体基等の極性基
を有する。このホスホリルコリン誘導体基は双性イオン
基であるために、水との親和性が高く、10倍モル以上
の水分子と水和する知見が得られており、それ自体、あ
るいはその集合体であるリポソームとして化粧料に配合
する研究も行われている。しかし、天然のリン脂質は、
不飽和脂肪酸由来の経時的な変臭、変色や、リポソーム
として化粧料に配合する場合に沈澱が生じるといった安
定性に問題がある。また、保湿剤という観点からは、ホ
スホリルコリン誘導体基をlつしか有していないため、
十分な保湿能が望めないという欠点がある。近年、この
ホスホリルコリン誘導体基を有したリン胞質類似誘導体
の合成が種々試みられており、それらを人工臓器用等の
医用材料や保湿剤としての化粧料へ応用する試みも数多
くなされている。
た吸湿、保湿性及び安定性等が期待できる新規なホスホ
リルコリン誘導体及びそれを用いた化粧料を提供するこ
とにある。
で表される、1分子中に少なくとも2以上のホスホリル
コリン類似基を含むホスホリルコリン誘導体が提供され
る。
又は上記式(2)で示されるホスホリルコリン類似基(こ
こで、R6、R7及びR8は同一若しくは異なる基であっ
て、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素残基又はヒドロ
キシ炭化水素残基を示し、pは2〜4の整数を示す。)
を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素
残基を示す。R3、R4及びR5は同一若しくは異なる基
であって、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素残基又は
ヒドロキシ炭化水素残基を示す。qは2〜4の整数を示
す。A1及びA2は異なる基であって、炭素数2〜8のア
ルキレン基を示す。但し、(A1O)及び(A2O)は、ラン
ダム又はブロックのいずれであっても良い。n、m、s
及びtはそれぞれ独立に、0〜500の整数を示す。但
し、n+m≧1であり、ホスホリルコリン誘導体が直鎖
型の場合にはn+m>3である。Zは下記群(I)及び群
(II)からなる群より選択される基を示す。a、b及びc
はそれぞれ独立に0〜8の整数を示す。但し、a+b+
c≧2であり、R1が水素原子又は炭素数1〜24の炭
化水素残基の場合、bは2〜8の整数であり、aが1
で、且つR1がホスホリルコリン類似基の場合、bは1
〜8の整数を示す。)また本発明によれば、上記ホスホ
リルコリン誘導体の1種又は2種以上を含むことを特徴
とする化粧料が提供される。
は、上記式(1)で表される、1分子中に少なくとも2以
上のホスホリルコリン類似基を含む化合物である。式
(1)において、R1は水素原子、炭素数1〜24の炭化
水素残基又は上記式(2)で示されるホスホリルコリン類
似基(ここで、R6、R7及びR8は同一若しくは異なる基
であって、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素残基又は
ヒドロキシ炭化水素残基を示し、pは2〜4の整数を示
す。)を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜24の炭化
水素残基を示す。R3、R4及びR5は同一若しくは異な
る基であって、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素残基
又はヒドロキシ炭化水素残基を示す。qは2〜4の整数
を示す。A1及びA2は異なる基であって、炭素数2〜8
のアルキレン基を示す。但し、(A1O)及び(A2O)は、
ランダム又はブロックのいずれであっても良い。n、
m、s及びtはそれぞれ独立に、0〜500の整数を示
す。但し、n+m≧1であり、ホスホリルコリン誘導体
が直鎖型の場合にはn+m>3である。Zは上記群(I)
及び群(II)からなる群より選択される基を示す。a、b
及びcはそれぞれ独立に0〜8の整数を示す。但し、a
+b+c≧2であり、R1が水素原子又は炭素数1〜2
4の炭化水素残基の場合、bは2〜8の整数であり、a
が1で、且つR1がホスホリルコリン類似基の場合、b
は1〜8の整数を示す。
水素残基としては、飽和又は不飽和の炭化水素基が挙げ
られる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、第三ブチル基、アミル基、イ
ソアミル基、ヘキシル基、5−ヘキセニル基、ヘプチル
基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、オレイル基、ドコシル基等の炭化水素基;ベンジル
基、クレジル基、ブチルフェニル基、ノニルフェニル
基、ドデシルフェニル基等の環状炭化水素基;アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バ
レリル基、5−ヘキセノイル基、シクロヘキサンカルボ
ニル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル
基、ミリストイル基、パルミトイル基、オレオイル基、
ステアロイル基、ベンゾイル基等のアシル基等が挙げら
れる。一般に、炭化水素残基の炭素数が多い方が、得ら
れる化合物により高い疎水性が付与できる。
残基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、第三ブチル基、アミル
基、イソアミル基、ヘキシル基等が挙げられ、好ましく
はメチル基、エチル基である。また、R3〜R8における
炭素数1〜6のヒドロキシ炭化水素残基としては、例え
ば、上記例示した炭素数1〜6の炭化水素残基にヒドロ
キシ基を付与した基が挙げられる。
レン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、
トリメチレン基、1−エチルエチレン基、1,2−ジメ
チルエチレン基、テトラメチレン基等が挙げられる。一
般に、アルキレン基の炭素数を少なくすることにより高
い親水性が付与できる。繰返し単位の数を示すn、m、
s及びtは、上述のとおりそれぞれ独立に0〜500の
整数である。
は、数平均分子量で、好ましくは500〜50000で
ある。本発明のホスホリルコリン誘導体としては、例え
ば、下記の構造式で示される化合物等が挙げられる。但
し、式中PCは、上記式(2)で示されるホスホリルコリ
ン類似基を示し、n、m、s及びtはそれぞれ独立に1
〜500の整数、n1及びm1はそれぞれ独立に1〜50
0の整数であり、n1+m1≧4を示す。
は、公知の方法を適宜組合せて屈指することにより得る
ことができる。例えば、2〜10価の水酸基を有する化
合物に少なくとも1個のオキシアルキレン鎖を付加した
オキシアルキレングリコール体やその誘導体等を出発原
料とし、これを2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−
ジオキサホスホラン等と有機塩基との存在下に反応さ
せ、次いで、第3級アミン等にて開環反応させる方法等
により得ることができるが、これに限定されるものでは
ない。
少なくとも1個のオキシアルキレン鎖を付加したオキシ
アルキレングリコール体としては、例えば、テトラエチ
レングリコ−ル、ポリエチレングリコール200、ポリエ
チレングリコール800、ポリエチレングリコール400、ポ
リエチレングリコール600、ポリエチレングリコール100
0、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコ
ール6000、ポリエチレングリコール20000、ポリプロピ
レングリコール400、ポリプロピレングリコール700、ポ
リオキシエチレン(4)ポリオキシプロピレングリコール
(2)、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレング
リコール(2)、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピ
レングリコール(17)、ポリオキシエチレン(20)ポリオキ
シプロピレングリコール(20)、ポリオキシエチレン(80)
ポリオキシプロピレングリコール(33)、ポリオキシエチ
レン(50)ポリオキシプロピレングリコール(40)、ポリオ
キシエチレン(200)ポリオキシプロピレングリコール(4
0)、ポリオキシエチレン(300)ポリオキシプロピレング
リコール(55)、グリセロールエトキシレート、グリセロ
ールプロポキシレート、グリセロールエトキシレート−
プロポキシレート共重合体、ジグリセロールエトキシレ
ート、ジグリセロールプロポキシレート、ジグリセロー
ルエトキシレート−プロポキシレート共重合体、ペンタ
エリトリトールエトキシレート、ペンタエリトリトール
プロポキシレート、ペンタエリトリトールエトキシレー
ト−プロポキシレート共重合体、ジペンタエリトリトー
ルエトキシレート、ジペンタエリトリトールプロポキシ
レート、ジペンタエリトリトールエトキシレート−プロ
ポキシレート共重合体等が挙げられる。
少なくとも1個のオキシアルキレン鎖を付加したオキシ
アルキレングリコール体の誘導体としては、例えば、下
記構造式で示される化合物等が挙げられる。但し、式中
nは1〜500の整数を示す。
て作用するものであれば良く、例えば、トリエチルアミ
ン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−
ルチジン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルア
ミン等が挙げられる。有機塩基の仕込み割合は、2−ク
ロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランと
等モル以上が望ましい。また、この有機塩基を反応溶媒
として用いることもできる。
−ジオキサホスホランの仕込み割合は、オキシアルキレ
ングリコール1モルに対して、通常2〜20モルであ
り、この割合を多くすることにより得られる化合物の親
水性を高めることができる。
誘導体等を出発原料とし、これを2−クロロ−2−オキ
ソ−1,3,2−ジオキサホスホラン等と有機塩基との
存在下に反応させる際の反応は、溶媒の存在下行なうこ
とができる。使用する溶媒としては、非プロトン性溶媒
であれば特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、塩
化メチレン、アセトニトリル等が挙げられる。溶媒の使
用濃度は特に限定されないが、通常、オキシアルキレン
グリコールに対して0.002〜3g/mlが好まし
い。上記反応は、例えば、2−クロロ−2−オキソ−
1,3,2−ジオキサホスホランと溶媒を冷却しながら
撹拌し、その中に、オキシアルキレングリコール、有機
塩基及び溶媒を混合した溶液を滴下して反応させる方
法、あるいはオキシアルキレングリコールと有機塩基と
溶媒とを冷却しながら撹拌し、その中に、2−クロロ−
2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランを滴下し
て反応させる方法等が挙げられる。反応温度は、通常、
−50℃〜80℃、好ましくは−20℃〜40℃であ
る。
ある有機塩基のハロゲン化水素塩が沈澱するが、この沈
澱は濾過や抽出操作により容易に除去できる。ハロゲン
化水素塩を除去した後、反応溶媒の留去や中間体の精製
を行ってもよい。次いで、第3級アミンを反応させて開
環反応させることにより、目的のホスホリルコリン誘導
体を得ることができる。第3級アミンとしては、例え
ば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−
オクチルアミン等が挙げられ、特にトリメチルアミンの
使用が好ましい。第3級アミンの仕込み割合は、オキシ
アルキレングリコール1モルに対して、通常2〜100
モルであり、仕込んだ2−クロロ−2−オキソ−1,
3,2−ジオキサホスホランの2倍モル以上とするのが
好ましい。
溶媒は、非プロトン性溶媒であれば特に限定されず、例
えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エ
チル、クロロホルム、アセトン、アセトニトリル等が挙
げられる。溶媒の使用濃度は特に限定されないが、通
常、オキシアルキレングリコールに対して0.001〜
2g/mlである。上記第3級アミンを反応させるに
は、例えば、上記有機塩基のハロゲン化水素塩を除去し
た後、第3級アミンと溶媒とを混合し、通常0〜200
℃、好ましくは40〜90℃の温度で、数時間、あるい
は数十時間撹拌しながら反応させることができる。必要
であれば、再結晶、再沈、カラムクロマトグラフィー、
活性炭処理、活性白土処理の操作で精製を行ってもよ
い。
誘導体の1種又は2種以上を含んでおれば良く、その配
合割合は、化粧料の種類及び他の配合成分等を考慮して
適宜選択することができる。化粧料としては、例えば、
化粧水、ミルクローション、ファンデーション、口紅、
保湿クリーム、コールドクリーム、ハンドクリーム、マ
ッサージ料等のスキンケア;ボディケア;ローション、
シャンプー等のヘアケア;アイライナー、マスカラ、ア
イシャドウ等のアイケア;頬紅、マニキュア、おしろい
類等のメイクアップ化粧料、シェービングローション、
日焼け止め剤、パック、香水、浴用化粧品類等が挙げら
れる。また、上記ホスホリルコリン誘導体の1種又は2
種以上を、界面活性能等を期待して、石鹸、コンタクト
レンズ洗浄剤等に配合することもでき、これら石鹸及び
コンタクトレンズ洗浄剤も本発明の化粧料に含まれる。
本発明の化粧料には、上記ホスホリルコリン誘導体の他
に、目的とする化粧料の種類及び目的等に応じて通常配
合する他の成分等を適宜配合することができる。
定の構造においてホスホリルコリン類似基を2以上有す
るので、優れた吸湿性、保湿性及び安定性を期待して、
各種化粧料や医用材料等へ使用することができる。ま
た、本発明の化粧料は、上記ホスホリルコリン誘導体を
含むので、各種化粧料において、保湿作用等が期待でき
る。
的に説明するが本発明はこれらに限定されない。なお、
例中の化合物の分析、同定にはNMR及び質量分析を用
いた。NMRの装置はJEOL JNM−EX270を
用いた。質量分析にはJEOL JMS−700を用
い、イオン化方法は、FAB(Pos)で、m−ニトロベン
ジルアルコールをマトリクスとして用いた。
ラスコに、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサホスホラン28.50g(0.20mol)及び溶媒
として酢酸エチル150mlを加え、4℃に冷却した。
次いで、ポリプロピレングリコール400(平均分子量400)
40.00g(0.10mol)、ジイソプロピルアミ
ン20.24g(0.20mol)及び酢酸エチル50m
lの混合溶液を、滴下漏斗を用いて上記冷却した混合溶
液に滴下した。滴下は、冷却した混合溶液を撹拌しなが
ら、反応温度が10℃を超えないように冷却し、2時間
かけて徐々に行った。滴下終了後、冷却を中止し、反応
液の温度を徐々に20℃に上げ、さらに1時間撹拌しつ
づけた。続いて、副生成物として析出したジイソプロピ
ルアミン塩酸塩を濾別し、濾液を1リットル(L)の密栓
付き耐圧容器に移し替えた。この耐圧容器にアセトニト
リル200ml及びトリメチルアミン20.00g
(0.34mol)を加えて密栓し、60℃で32時間撹
拌した。反応液を冷却し、ドライボックス中で濾別し、
次いで減圧乾燥して結晶26.50gを得た。得られた
結晶をアセトニトリルから再結晶し、白色結晶12.5
gを得た。得られた白色結晶のNMR分析結果を以下に
示す。また、質量分析結果を表1に示す。更に、これら
の結果から、得られた白色結晶は以下の構造式(3)で示
される化合物であることが判った。1 H−NMR(δ(ppm)D2O):1.15、1.28(d、
−CH(CH3 )CH2−)、3.22(18H、s、−N
(CH3)3)、3.53−3.77(m、−CH(CH 3)C
H2 −、m、4H、−CH2 CH2 N(CH3)3)、4.30
−4.41(m、4H、−CH2 CH2N(CH3)3、m、
−CH(CH3)CH2 O−P−)31 P−NMR(δ(ppm)D2O):0.12(m)
ラスコに、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサホスホラン28.50g(0.20mol)及び溶媒
として酢酸エチル150mlを加え、4℃に冷却した。
次いで、ポリエチレングリコール400(平均分子量400)4
0.00g(0.10mol)、ジイソプロピルアミン
20.24g(0.20mol)及び酢酸エチル50ml
の混合溶液を、滴下漏斗を用いて上記冷却した混合溶液
に滴下した。滴下及び濾過操作は実施例1と同様に行っ
た。続いて、濾過した反応液を密栓付き耐圧容器に移し
替え、アセトニトリル300mlとトリメチルアミン2
0.00g(0.34mol)を加えて70℃にて18時
間反応させた。反応液を冷却後、過剰のトリメチルアミ
ンと反応溶媒を留去し、活性炭処理して褐色のオイル状
物質59.53gを得た。得られた物質のNMR分析結
果を以下に示す。また、質量分析結果を表2に示す。更
に、これらの結果から、得られた物質は以下の構造式
(4)で示される化合物であることが判った。1 H−NMR(δ(ppm)D2O):3.27(18H、s、−
N(CH3 )3)、3.75(m、−(CH2CH2 O)2−、−
CH2 CH2 N(CH3)3)、4.07(4H、m、P−OC
H2 CH2−O−)、4.37(4H、m、−CH2 CH2N
(CH3)3)31 P−NMR(δ(ppm)D2O):0.91(m)
ラスコに、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサホスホラン14.25g(0.10mol)及び溶媒
として酢酸エチル150mlを加え、4℃に冷却した。
次いで、ジグリセロールプロポキシレート(平均分子量7
00)17.50g(0.025mol)、ジイソプロピル
アミン10.12g(0.10mol)及び酢酸エチル5
0mlの混合溶液を、滴下漏斗を用いて上記冷却した混
合溶液に滴下した。滴下及び濾過操作は実施例1と同様
に行った。続いて、濾過した反応液を密栓付き耐圧容器
に移し替え、N,N−ジメチルアセトアミド300ml
とトリメチルアミン10.00g(0.17mol)を加
えて80℃にて24時間反応させた。反応液を冷却後、
過剰のトリメチルアミンと反応溶媒を留去し、褐色のオ
イル状物質を得た。このオイル状物質をアセトニトリル
にて洗浄後、濃縮し、微黄褐色オイル状物質29.23
gを得た。原料ジグリセロールプロポキシレートを1H
−NMR(CDCl3)分析し、積分値を算出した結果、
1分子中にオキシプロピレン基の繰り返し単位(−CH
(CH 3)CH2O−)を平均9.7個有しており、結果繰
り返し単位1個につき水酸基を0.412個有している
ことがわかった。一方、本実施例にて得られた物質を、
1H−NMR(CD3OD)分析し、積分値を算出した結
果、1.17−1.33ppmのオキシプロピレン基の
繰り返し単位1個につき、3.25ppm(s、−N(C
H3)3)のPC基(ホスホリルコリン基)が0.188個で
あった。この結果から約46%の水酸基がPC基へ置換
されていることが判る。また、質量分析結果を表3に示
す。更に、これらの結果から、得られた物質は以下の構
造式(5)で示される化合物であることが判った。
ラスコに、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサホスホラン21.37g(0.15mol)及び溶媒
としてアセトニトリル150mlを加え、4℃に冷却し
た。次いで、グリセロールプロポキシレート(平均分子
量700)35.00g(0.05mol)、ジイソプロピ
ルアミン15.18g(0.15mol)及びアセトニト
リル50mlの混合溶液を、滴下漏斗を用いて上記冷却
した混合溶液に滴下した。滴下及び濾過操作は実施例1
と同様に行った。続いて、濾過した反応液を密栓付き耐
圧容器に移し替え、アセトニトリル300mlとトリメ
チルアミン15.00g(0.25mol)を加えて80
℃にて30時間反応させた。反応液を冷却後、過剰のト
リメチルアミンと反応溶媒を留去し、褐色のオイル状物
質を得た。このオイル状物質をアセトニトリルに溶解さ
せて活性炭処理し、微黄褐色オイル状物質55.09g
を得た。原料グリセロールプロポキシレートを1H−N
MR(CDCl3)分析し、積分値を算出した結果、1分
子中にオキシプロピレン基の繰り返し単位(−CH(CH
3)CH2O−)を平均10.5個有しており、結果繰り返
し単位1個につき水酸基0.285個有していることが
判った。一方、本実施例にて得られた物質を1H−NM
R(D2O)分析し、積分値を算出した結果、1.15−
1.30ppmのオキシプロピレン基の繰り返し単位1
個につき、3.25ppm(s、−N(CH3) 3)のPC基
が0.209個であった。この結果から約73%の水酸
基がPC基へ置換されていることが判る。また、質量分
析結果を表4に示す。更に、これらの結果から、得られ
た物質は以下の構造式(6)で示される化合物であること
が判った。
体をそれぞれサンプルA〜Dとし、以下に示す試験によ
り吸保湿特性を測定した。対照サンプルとして、吸湿性
能又は保湿性能等を期待して化粧料に配合させうる、ポ
リプロピレングリコール400(サンプルE)、ポリエチ
レングリコール400(サンプルF)、ジグリセロールプ
ロポキシレート700(サンプルG)、グリセロールプロ
ポキシレート700(サンプルH)、グリセリン(サンプ
ルI)及びジパルミトイルフォスファチジルコリン(サン
プルJ)を用いた。 <試験方法>各サンプルをそれぞれ50%水溶液に調製
し、内径35mmPP製シャーレに約1gキャストし
た。60℃において12時間減圧乾燥後、乾燥重量を測
定した。次いで、これらを、温度23℃、湿度70%程
度に調節された条件下に静置し、経時的な吸湿による重
量変化を測定した。結果を表5に示す。また、測定重量
が一定になった113時間後の重量を吸湿重量とし、各
サンプルの吸湿率を算出した。結果を表6に示す。続い
て、吸湿させた各サンプルを温度23℃、湿度15%の
条件下に静置し、経時的な重量変化を測定した。結果を
表7に示す。また、測定重量が一定となった79時間後
の重量を測定し、水分保持率を算出した。結果を表8に
示す。なお、吸湿率及び水分保持率は以下の式により算
出した。吸湿率、水分保持率(%)=[(測定時の試料重量
−乾燥重量)/乾燥重量]×100
ン誘導体は、対照サンプルに比して優れた吸湿能、並び
に低湿度下における水分保持能を有することが判った。
従って、各種化粧料に配合することにより優れた性能が
発揮されうることが判る。
ラスコに、ソルビタンモノステアレート21.53g
(0.05mol)、ジイソプロピルアミン15.17g
(0.15mol)及び溶媒として酢酸エチル200ml
を加え、4℃に冷却した。次いで、2−クロロ−2−オ
キソ−1,3,2−ジオキサホスホラン21.07g
(0.15mol)及び溶媒として酢酸エチル70mlの
混合溶液を、滴下漏斗を用いて上記冷却した混合溶液に
滴下した。滴下及び濾過操作は実施例1と同様に行っ
た。続いて、濾過した反応液を密栓付き耐圧容器に移し
替え、アセトニトリル200mlとトリメチルアミン1
2.00g(0.20mol)を加えて70℃にて36時
間反応させた。反応液を冷却後、過剰のトリメチルアミ
ンを留去し、5℃に冷却後、白色結晶を得た。この白色
結晶を2−プロパノールに溶解させ、酢酸エチル中に再
沈処理し、白色結晶21.13gを得た。得られた白色
結晶のNMR分析結果を以下に示す。これらの結果か
ら、得られた白色結晶は以下の構造式で示される化合物
であることが分かった。1 H−NMR(δ(ppm)CD3OD):0.96(3H、t、
−(CH2)16 CH3 )、1.36(28H、s、−COCH
2CH2 (CH2)14 CH3)、1.62(2H、m、−COC
H2 CH2 (CH2)14CH3)、2.39(2H、m、−CO
CH2 CH2(CH2)14CH3)、3.28(9H、s、−N
(CH3)3 )31 P−NMR(δ(ppm)CD3OD):0.60(m) 得られた物質を1H−NMR(CD3OD)分析し、積分値
を算出した結果、0.96ppm(t、−(CH2)16 CH
3 )1molに対し、3.28ppm(s、−N(CH3)3 )
のPC基が2.2molであった。この結果から約2.
2個の水酸基がPC基へ置換されていることが判る。
Claims (2)
- 【請求項1】 式(1)で表される、1分子中に少なくと
も2以上のホスホリルコリン類似基を含むホスホリルコ
リン誘導体。 【化1】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜24の炭化水素残基
又は上記式(2)で示されるホスホリルコリン類似基(こ
こで、R6、R7及びR8は同一若しくは異なる基であっ
て、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素残基又はヒドロ
キシ炭化水素残基を示し、pは2〜4の整数を示す。)
を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素
残基を示す。R3、R4及びR5は同一若しくは異なる基
であって、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素残基又は
ヒドロキシ炭化水素残基を示す。qは2〜4の整数を示
す。A1及びA2は異なる基であって、炭素数2〜8のア
ルキレン基を示す。但し、(A1O)及び(A2O)は、ラン
ダム又はブロックのいずれであっても良い。n、m、s
及びtはそれぞれ独立に、0〜500の整数を示す。但
し、n+m≧1であり、ホスホリルコリン誘導体が直鎖
型の場合にはn+m>3である。Zは下記群(I)及び群
(II)からなる群より選択される基を示す。a、b及びc
はそれぞれ独立に0〜8の整数を示す。但し、a+b+
c≧2であり、R1が水素原子又は炭素数1〜24の炭
化水素残基の場合、bは2〜8の整数であり、aが1
で、且つR1がホスホリルコリン類似基の場合、bは1
〜8の整数を示す。) 【化2】 【化3】 - 【請求項2】 請求項1記載のホスホリルコリン誘導体
の1種又は2種以上を含むことを特徴とする化粧料。
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JP37021499A JP4453139B2 (ja) | 1999-12-27 | 1999-12-27 | ホスホリルコリン誘導体及び化粧料 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001302485A (ja) * | 2000-04-20 | 2001-10-31 | Nof Corp | 化粧料 |
JP2007522280A (ja) * | 2004-01-20 | 2007-08-09 | ユーシーエル バイオメディカ ピーエルシー | 導管、医療デバイスおよび生物医学的表面改変に使用するポリマー |
CN115785436A (zh) * | 2022-11-02 | 2023-03-14 | 于喜飞 | 一种聚乙二醇修饰的胆碱磷酸脂质、脂质体组装体、载物脂质体复合体及其制备方法与应用 |
-
1999
- 1999-12-27 JP JP37021499A patent/JP4453139B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
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JP2001302485A (ja) * | 2000-04-20 | 2001-10-31 | Nof Corp | 化粧料 |
JP4524846B2 (ja) * | 2000-04-20 | 2010-08-18 | 日油株式会社 | 化粧料 |
JP2007522280A (ja) * | 2004-01-20 | 2007-08-09 | ユーシーエル バイオメディカ ピーエルシー | 導管、医療デバイスおよび生物医学的表面改変に使用するポリマー |
CN115785436A (zh) * | 2022-11-02 | 2023-03-14 | 于喜飞 | 一种聚乙二醇修饰的胆碱磷酸脂质、脂质体组装体、载物脂质体复合体及其制备方法与应用 |
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