JP4524398B2 - 点滴容器包装袋 - Google Patents

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本発明は、点滴容器を密封状態で収納する点滴容器包装袋に関する。
病室で患者に点滴をする場合、点滴容器にナイロン、ポリエチレンなどのフィルムからなる袋を容器に被せて紫外線の照射などによる品質変化の防止を図ることがある。
このような袋の一例としては、遮光性のある点滴容器包装袋の上側を開封して上側中央付近のみを開口させ、この開口から点滴容器の上端にあるフック部を露出し、フック部をフックなどに掛け、その後、下側を開封し、そのまま包装袋を点滴時にも使用できるようにしたものがある(下記、特許文献1参照)。
特許第3240253号公報
点滴容器は、下部にある栓体を開封し、ゴム栓に注射針を刺してチューブに連結したり、螺合によりチューブに連結したりして点滴に用いるものであるが、この際、上記従来の発明では、栓体部分まで袋で覆われているため、一方の手で袋をめくりつつ点滴容器を掴み、他方の手でチューブ側を持って作業しなければならないものである。このため、チューブ元端針を斜めに刺してしまい側壁に突き刺すおそれや、螺合しにくいという問題、操作が煩わしいという問題などがあった。
また、上記従来の発明では、フック部をフックなどに掛けてから下側を開封するのでは、点滴容器を内蔵して膨らんだ密封状態の袋を切裂くために、切裂き力を適切に入れにくいのみならず、袋に与える切裂き力の方向性が不安定となって、袋が切裂きにくく或いは切裂き方向性が乱れるなどして、適切に開封しにくくなりやすかった。下側から開封する場合も点滴容器が袋内に介在しているため、やはり同様に点滴容器の下部に引っ掛かるので、開封しにくい傾向があった。
本発明は、上記のような従来の欠点に着眼してなしたものであり、品質劣化を防止しつつ密封状態でバッグ等の点滴容器を保存し得る包装袋を、そのまま品質劣化を防止しつつ点滴時の点滴容器カバーとして使用可能とした包装袋を提供するにあたり、適正な切裂き部位での袋の切裂き容易性と安定性を実現し、点滴容器と点滴チューブとの連結操作などを煩わしさを生じさせずに簡易に行えるようにし、上下いずれの側からの開封であってもこれらの操作が良好に行えるようにした点滴容器包装袋を提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するため、点滴容器を密封状態で収納する包装袋であって、袋上中央部に点滴容器のフック部を露出させるようにした状態において、点滴容器下端の栓体付近が位置する袋部位を切裂き可能なように、下端辺と平行状の切裂き案内線を袋に設けて点滴容器包装袋を構成したことを特徴とするものである。
また、本発明は、点滴容器を密封状態で収納する包装袋であって、袋下部に下端辺と平行状の下部切裂き案内線を設け、袋上中央部に点滴容器のフック部を露出させるようにした状態において、点滴容器下端の栓体付近が位置する袋部位を切裂き可能なように、下部切裂き案内線の上方に平行する下部上側切裂き案内線を設けて点滴容器包装袋を構成したことも特徴とする。
好ましくは、少なくとも透過性と遮光性を有するシートの三辺を融着するとともに点滴容器を収納した上で、他の一辺を融着する点滴容器用包装袋であって、袋下部に下端辺と平行状の下部切裂き案内線を設け、点滴容器のフック部を露出可能とする開口を上端から抉り形成可能なように、袋上中央部に上部切裂き案内線を設け、これを切裂いて設けた開口部にフック部が露出するように点滴容器を位置させた状態において、点滴容器下端の栓体付近が位置する袋部位を切裂き可能なように、下部切裂き案内線の上方に平行する下部上側切裂き案内線を設けて点滴容器包装袋を構成するのがよい。
本発明は、さらに、点滴容器を密封状態で収納する包装袋であって、袋下部に下端辺と平行状の下部切裂き案内線を設け、袋上中央部に上部切裂き案内線を設け、下部切裂き案内線の上方に平行する下部上側切裂き案内線を設けた構成を有する点滴容器包装袋を用い、下部切裂き案内線に沿って袋下部を切裂き開口した後、下部上側切裂き案内線に沿って袋下部を切除するとともに、上部切裂き案内線に沿って袋上中央部を切裂き開口し、この開口部に点滴容器のフック部を露出させて吊下げ、袋は、その開口下端部が下端の栓体に位置して点滴容器を被覆するようにした点滴容器包装袋の使用方法を対象とする。
この使用方法は、上部切裂き案内線に沿って袋上中央部を切裂き開口した後、下部切裂き案内線に沿って袋下部を切裂き開口するとともに、下部上側切裂き案内線に沿って袋下部を切除し、袋上中央部の開口部に点滴容器のフック部を露出させて吊下げ、袋は、その開口下端部が下端の栓体に位置して点滴容器を被覆するものとすることもできる。
本発明によれば、点滴容器を保存する包装袋として使用し、かつ点滴時の点滴容器カバーとして使用可能とした品質劣化を防止可能な包装袋を提供することができる。
本発明は、袋上中央部に点滴容器のフック部を露出させるようにした状態において、栓体が位置する袋部位付近を切裂き可能なように、下端辺と平行状の切裂き案内線を袋に設け、特に下部上側切裂き案内線を設けたので、点滴容器使用時には、袋の下端開口部が栓体付近に位置するように切裂きができ、チューブ接続のために袋下部をめくり上げたりする必要がなく、視認性がよい状態で、誤作業のおそれがない点滴準備操作を可能とする。
袋下部に下部切裂き案内線を設け、その上方に平行状に下部上側切裂き案内線を設けることにより、適正な切裂き部位での袋の切裂き容易性と安定性を実現し、点滴容器と点滴チューブとの連結操作などを煩わしさを生じさせずに簡易に行えるようにし、上下いずれの側からの開封であってもこれらの操作が良好に行えることになる。
以下、本発明を好適な実施形態例として示した図面によって説明する。
図1は本発明の点滴容器包装袋の一実施形態を示した正面略図、図2〜5は図1の点滴容器包装袋の使用方法の一例を示した正面略図である。
この点滴容器包装袋1は、矩形状の合成樹脂シートに、下端辺1aに平行状の下部切裂き案内線2と、下部切裂き案内線2の上方に平行する下部上側切裂き案内線3と、上中央部1bに上部切裂き案内線4とを設け、表裏シートを接着、融着などによりシート体の四周辺を密封して袋体として形成し、好ましくは表裏シートの左右側辺と下辺の三辺を密封し、点滴容器6を袋内に収納した上で、他の一辺すなわち上辺を密封することにより密封してなっており、袋上中央部1bを切裂くことにより開口部5を形成でき、下部切裂き案内線2及び下部上側切裂き案内線3を切裂くことにより包装袋下側を開口できるようにしてある。
上記包装袋1の素材は特に限定するものではないが、従来公知の一層又は二層以上を積層(ラミネート)した合成樹脂シートを用いるのが好ましく、特に、透過性と遮光性とを有するものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンなどのシートやこれら二以上を積層したシートを用いることができ、特に、遮光性インキなどにより印刷した印刷層を層上或いは層間に積層したものが好ましい。具体的には、透明蒸着ポリエチレンテレフタレート(VMPET)シート上に、延伸ナイロン(ONY)シートをドライラミネートし、その上に、遮光性インキにより印刷層を積層し、さらにその上に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)シートをドライラミネートしたシートなどを用いることができる。
包装袋1の袋上中央部1bは、この部位を切裂くことにより開口部5が形成でき、この開口部5から点滴容器6の上側に設けたフック部6aが露出できるようにしてあるとともに、点滴容器6の両肩部6cに上記開口両側の袋上辺の左右密封部分が掛け止め可能なようにしてある。本実施形態では、袋上中央部に、フック部6aの左右幅程度の開拡幅を有し、上辺の密封幅よりも深い上下高さを有した略V字状の断続切り筋を形成して、上部切裂き案内線4を形成し、袋上中央部1bを上端から抉り込むように切裂くことにより、開口部5を形成できるようにしてある。上部切裂き案内線4は、上方開拡の略V字状の他、略U字状、下方を短辺とした略台形状などとすることもできる。
下部切裂き案内線2及び下部上側切裂き案内線3は、袋1を幅方向に開封できるようにしたものである。下部切裂き案内線2は、袋1の下辺密封部分の内側に近接して下端辺1aと平行状に設けてあり、下部上側切裂き案内線3は、下部切裂き案内線2の上方に下部切裂き案内線2と平行するように、かつ、袋上中央部に設けた開口部5に点滴容器6のフック部6aを露出させるようにした状態において、点滴容器6下端の栓体6b位置に合致するようにして、形成してある。
本実施形態では、下部切裂き案内線2は、左右両側端辺1d、1dに対向するノッチ7aを設け、このノッチ7aの上側に下端辺1aと平行する筋8aを設けることにより形成してある。この筋8aは、樹脂シートの厚みが薄くなるように刻設したものであり、ノッチ7aから切裂き開始した際、左右側方に延伸してなる樹脂シートが筋8aを越えないで下辺に沿って切裂きできるようにしたものである。下部上側切裂き案内線3は、両側端辺1dに対向するノッチ7bを設け、このノッチ7bを挟むように上下に並行した筋8b、8cを設けることにより形成してあり、同様にして切裂き方向性を安定化するようにしてある。
下部切裂き案内線2及び下部上側切裂き案内線3は、袋1の幅方向に切裂きやすくしてあればよく、幅方向の溝筋或いはミシン目などであってもよい。
点滴容器6は、オザグレルナトリウムなどの点滴液を充填したものであり、上側にフック部6aを、下側に栓体6bで密封した口部を設けたものである。
フック部6aは、袋上中央部1bから露出できるようにしてあり、露出状態でフック9などに引っ掛け、点滴容器6を吊下げできるようにしたものである。本実施形態では、フック部6aは、円形孔状に形成してあるが、これに限定されない。
栓体6bは、点滴用チューブ10を連結する箇所であり、本実施形態では、プルリングを下方に引き外してゴム栓を露出させ、ゴム栓にチューブ端の注射針を刺し込んで容器内に連通することができるようにしてある。
以下、上記点滴容器包装袋1の使用方法を説明する。
図2に示すように、下部切裂き案内線2の一方のノッチ7a側から幅方向に切裂いて袋の下部を開封する。次に、図3に示すように、下部上側切裂き案内線3の一方のノッチ7b側から幅方向に切裂いて袋1の下部を切除し、開口下端部を形成する。このように開封することにより、従来では、密封袋の開口部に点滴容器6が引っ掛かって開封がスムーズに行い難いことがあったが、本発明では、包装袋1の密封された下辺に近接して下部切裂き案内線2が形成されているので、表裏シートが直接重なり合っている部分の下部切裂き案内線2は極めて容易に切裂きができ、下部切裂き案内線2を先に開封しておくことにより、袋下側が開いて表裏シートが自由端となり、撓みやすくなるため、下部上側切裂き案内線3を切裂く際、点滴容器6に引っ掛かることがなくなり、容易な開封が可能となる。
その後、図4に示すように、上部切裂き案内線4を上端から抉り取るように切裂いて開口部5を形成し、開口部5からフック部6aを露出させ、フック9などに引っ掛け、点滴容器6を吊下げる。
こうして図5に示すように、点滴容器6に被ってカバーとなった包装袋1の袋下端縁は、下部上側切裂き案内線3によって栓体6b部位に位置するように開封して形成されるので、点滴容器本体部分はカバーされるが、栓体6bが隠れてしまうことはなく、栓体6bが外部から見やすく、作業しやすい状態に位置することになる。したがって、栓体6bのプルリングを下方に引き外してゴム栓を露出させ、注射針を刺して、チューブ10を点滴容器に連通させる一連の操作が極めて行ない易いものとなる。
点滴容器包装袋1の他の使用方法としては、上部切裂き案内線4を上端から切裂いて開口部5を形成し、開口部5からフック部6aを露出させる。フック部6aはフック9などに引っ掛けて点滴容器6を吊下げることができる。次いで、下部切裂き案内線2を開封し、次いで下部上側切裂き案内線3を一方のノッチ7b側から幅方向に切裂いて袋1の下部を切除し、開口下端部を形成することができる。この場合でも、点滴容器6に被ってカバーとなった包装袋1の袋下端縁は、栓体6b部位に位置するようになるので、栓体6bが隠れてしまうことがなく、栓体6bが外部から見やすく、作業しやすいものとなる。
なお、上部切裂き案内線4を上端から切裂いて開口部5を形成し、開口部5からフック部6aを露出させ、フック部6aをフック9などに引っ掛けて点滴容器6を吊下げた上で、直接、下部上側切裂き案内線3を一方のノッチ7b側から幅方向に切裂いて袋1の下部を切除し、開口下端部を形成することも可能である。
図6は、本発明の他の一例実施形態の点滴容器包装袋11を示してある。
本実施形態は、前記包装袋1に対して、袋上中央部1bの開口の形態を変更したものである。前記実施形態と同一構成部分は、同一名称、同一符号を用いてある。
包装袋11は、上端辺11aの密封部分内方に若干間隔をおいて、かつ、左右幅方向に適宜間隔、好ましくは点滴容器のフック部幅に略々合致した間隔をおいて、スポット融着した融着部12aを設けてあり、その間を開口部12としたものである。開口部12と上端辺11aとの間には、袋11を幅方向に切裂き可能な上部切裂き案内線13が設けてあり、この案内線13を切裂くことにより、袋11の上部を切除して開口部12を開口させる。上記案内線13は、前記実施形態で説明した下部切裂き案内線2又は下部上側切裂き案内線3と同一の構成とすることができる。
この点滴容器包装袋11の使用方法は、図7に示すようであるが、前記点滴容器包装袋1と同様であって、点滴容器のフック部6aを露出させる開口部12の形成方法が異なるのみである。
すなわち、上部切裂き案内線13を一方の側端辺11b側から切裂いて開口部12を開口させればよい。フック部6aは融着部12a、12a間から露出し、融着部12a、12aは点滴容器6の両肩部に係止し、包装袋1は点滴容器に掛け止まる。
なお、上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的と効用を共通にする変更が可能であり、本発明はそれらを含むものである。
本発明の点滴容器包装袋の一実施形態を示した正面略図である。 図1の包装袋の使用方法の一例を示したものであり、下部切裂き案内線を切裂いた状態を示した正面略図である。 同使用方法の一例を示し、下部上側切裂き案内線を切裂いた状態を示した正面略図である。 同じく上部切裂き案内線を切裂いた状態を示した正面略図である。 図1の点滴容器包装袋を用いて点滴を行う状態を示した正面略図である。 本発明の別の一実施形態を示した正面略図である。 図6の点滴容器包装袋を用いて点滴を行う状態を示した正面略図である。
符号の説明
1点適容器包装袋、 1a下端辺、 1b袋上中央部、 1c上端辺、 1d側端辺、
2下部切裂き案内線、 3下部上側切裂き案内線、 4上部切裂き案内線、 5開口部、
6点滴容器、 6aフック部、 6b栓体、 6c肩部、 7a、7bノッチ、
8a、8b、8c筋、 9フック、 10チューブ、 11点滴容器包装袋、
11a上端辺、 11b側端辺、 12開口部、 12a融着部、
13上部切裂き案内線

Claims (4)

  1. 点滴容器を密封状態で収納する包装袋であって、袋下部に下端辺と平行状の下部切裂き案内線を、該下端辺に近接して設け、袋上中央部に点滴容器のフック部を露出させるようにした状態において、点滴容器下端の栓体付近が位置する袋部位を切裂き可能なように、下部切裂き案内線の上方に平行する下部上側切裂き案内線を設けてなる構成を有する点滴容器包装袋。
  2. 少なくとも透過性と遮光性を有するシートの三辺を融着するとともに点滴容器を収納した上で、他の一辺を融着する点滴容器用包装袋であって、袋下部に下端辺と平行状の下部切裂き案内線を、該下端辺に近接して設け、点滴容器のフック部を露出可能とする開口を上端から抉り形成可能なように、袋上中央部に上部切裂き案内線を設け、これを切裂いて設けた開口部にフック部が露出するように点滴容器を位置させた状態において、点滴容器下端の栓体付近が位置する袋部位を切裂き可能なように、下部切裂き案内線の上方に平行する下部上側切裂き案内線を設けてなる構成を有する点滴容器包装袋。
  3. 点滴容器を密封状態で収納する包装袋であって、袋下部に下端辺と平行状の下部切裂き案内線を、該下端辺に近接して設け、袋上中央部に上部切裂き案内線を設け、下部切裂き案内線の上方に平行する下部上側切裂き案内線を設けた構成を有する点滴容器包装袋を用い、下部切裂き案内線に沿って袋下部を切裂き開口した後、下部上側切裂き案内線に沿って袋下部を切除するとともに、上部切裂き案内線に沿って袋上中央部を切裂き開口し、この開口部に点滴容器のフック部を露出させて吊下げ、袋は、その開口下端部が下端の栓体に位置して点滴容器を被覆するようにしたことを特徴とする点滴容器包装袋の使用方法。
  4. 点滴容器を密封状態で収納する包装袋であって、袋下部に下端辺と平行状の下部切裂き案内線を、該下端辺に近接して設け、袋上中央部に上部切裂き案内線を設け、下部切裂き案内線の上方に平行する下部上側切裂き案内線を設けた構成を有する点滴容器包装袋を用い、上部切裂き案内線に沿って袋上中央部を切裂き開口し、下部切裂き案内線に沿って袋下部を切裂き開口した後、下部上側切裂き案内線に沿って袋下部を切除し、袋上中央部の開口部に点滴容器のフック部を露出させて吊下げ、袋は、その開口下端部が下端の栓体に位置して点滴容器を被覆するようにしたことを特徴とする点滴容器包装袋の使用方法。
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